JP6593624B2 - 水圧ハンマーの打撃数評価方法及びそれを用いた前方地山の探査方法 - Google Patents

水圧ハンマーの打撃数評価方法及びそれを用いた前方地山の探査方法 Download PDF

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Description

本発明は、主として山岳トンネルの切羽前方に拡がる地山の地盤性状を探査する際に適用される水圧ハンマーの打撃数評価方法及びそれを用いた前方地山の探査方法に関する。
山岳トンネルを掘削するにあたり、切羽前方に拡がる地山の性状を適切かつ高い精度で把握することは、支保工及び補助工を含めた掘削工事全体を効率よくかつ安全に進めていく上で非常に重要である。
トンネル切羽の前方探査を行う技術として、ドリルジャンボ(パーカッション型削孔機)やノンコア先進ボーリングマシン(ロータリー・パーカッション型削孔機)を利用したノンコア削孔による穿孔探査が知られているが、最近では、水圧ハンマを用いた穿孔探査も試みられるようになってきた(特許文献1,2)。
水圧ハンマは、削孔ロッドを介してボーリングマシンから伝達される給進力及び回転トルクを削孔面に作用させつつ、内蔵されたハンマピストンを高圧水で往復動させることで該削孔面に打撃力を作用させることができる先端打撃式の削孔機であって、削孔ロッドの基端側で打撃力を与えるトップハンマ式の削孔機に比べ、削孔ロッド同士の継目でエネルギーロスが生じないため、削孔可能な深度が大きく、削孔速度も大きい。
そのため、水圧ハンマによって従来よりも遠方の地山を前方探査できるようになることが期待されている。
特開2012−193592号公報 特開2007−277940号公報
一方、水圧ハンマによる削孔エネルギーは、送水圧と打撃数に比例すると考えることができるところ、水圧ハンマーは、先端打撃式のいわゆるダウンザホールハンマーであって、削孔深度が大きくなればなるほど打撃数の計測が困難になるので、水圧ハンマによる前方探査を行うにあたっては、打撃数に代えて送水流量が用いられていた(特許文献2)。
しかしながら、水圧ハンマは、ある程度の大きさの反力を削孔面から受けないと、打撃が開始されず、軟らかい地盤では、反力が得られずに打撃が行われない場合があるが、打撃が行われていないときにも、構造上、ビット先端から水が排出される。
そのため、送水流量から打撃数を推定するには限度があり、送水流量と打撃数が比例することを前提とした上述の評価方法では精度が不十分で、信頼性の高い前方探査を行うことが困難であるという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、水圧ハンマを用いて前方地山の地盤性状を探査する場合に信頼性を向上させることが可能な水圧ハンマーの打撃数評価方法及びそれを用いた前方地山の探査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法は請求項1に記載したように、所定の削孔対象物を水圧ハンマーで削孔しつつ該水圧ハンマーへの送水圧を複数計測するとともに、前記水圧ハンマーの作動に応答してかつその打撃数に対応する形で変動する物理量を物理量計測手段でそれぞれ計測し、
前記各物理量を用いて前記水圧ハンマーの打撃数を前記送水圧ごとに特定し、
複数組からなる前記送水圧及び前記打撃数を回帰分析することで任意の送水圧Pに対応する打撃数Nを求める算定式、
N=f(P) (1)
を作成する水圧ハンマーの打撃数評価方法であって、前記物理量を前記水圧ハンマーから高圧ポンプに延びる高圧ホースにおける周方向ひずみの変動成分とし、前記物理量計測手段を前記周方向ひずみの変動成分が検出されるように前記高圧ホースに取り付けられたひずみゲージとしたものである。
また、本発明に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法は、所定の削孔対象物を水圧ハンマーで削孔しつつ該水圧ハンマーへの送水圧を複数計測するとともに、前記水圧ハンマーの作動に応答してかつその打撃数に対応する形で変動する物理量を物理量計測手段でそれぞれ計測し、
前記各物理量を用いて前記水圧ハンマーの打撃数を前記送水圧ごとに特定し、
複数組からなる前記送水圧及び前記打撃数を回帰分析することで任意の送水圧Pに対応する打撃数Nを求める算定式、
N=f(P) (1)
を作成する水圧ハンマーの打撃数評価方法であって、前記回帰分析を前記水圧ハンマーの摩耗度をパラメータとして行うものである。
また、本発明に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法は、前記物理量を前記水圧ハンマーから前記削孔対象物の露出面に向けて伝播する弾性波とし、前記物理量計測手段を該弾性波が検出されるように前記露出面に設置された加速度センサーとしたものである。
また、本発明に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法は、前記物理量を前記水圧ハンマーへの送水圧の変動成分とし、前記物理量計測手段を前記水圧ハンマーに接続された高圧ポンプの水圧計としたものである。
また、本発明に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法は、前記物理量を前記水圧ハンマーから高圧ポンプに延びる高圧ホースにおける周方向ひずみの変動成分とし、前記物理量計測手段を前記周方向ひずみの変動成分が検出されるように前記高圧ホースに取り付けられたひずみゲージとしたものである。
また、本発明に係る前方地山の探査方法は請求項6に記載したように、ボーリングマシンに装着した削孔ロッドの先端に水圧ハンマを取り付け、該水圧ハンマで切羽等の露出面の前方に拡がる地山を削孔することにより、該前方地山の地盤性状を探査する前方地山の探査方法において、
前記水圧ハンマへの送水圧を計測して送水圧Pとし、
該送水圧を請求項1乃至請求項5のいずれか一記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法で作成された(1)式に適用することで前記送水圧Pに対応する打撃数Nを求め、
前記水圧ハンマによる削孔エネルギーの大きさをエネルギー指標値Mとして定義するとともに、該エネルギー指標値を前記送水圧P及び前記打撃数Nを用いて、次式、
M=P・N/V (2)
V;削孔速度
から算出し、
前記エネルギー指標値Mを用いて前記前方地山の地盤性状を推定するものである。
また、本発明に係る前方地山の探査方法は、前記請求項1乃至請求項5のいずれか一記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法を請求項3記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法とし、前記削孔対象物の露出面を前記切羽等の露出面とし、前記弾性波を前記切羽等の露出面の直後に拡がる地山を削孔するときに生じる弾性波としたものである。
水圧ハンマによる削孔エネルギーを評価するにあたり、送水流量から打撃数を推定する方法だと精度が不十分であることは前述した通りである。
本出願人は、脆弱部を有する地山を掘削する際、亀裂箇所で送水圧が低下する現象が頻繁に観測されるところ、かかる状況においては、上述した水圧ハンマの特性から打撃数が低下しているものと思われるため、送水圧から打撃数を推定することができないかに着眼して研究開発を行ったところ、本願発明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法においては、まず、所定の削孔対象物を水圧ハンマーで削孔しつつ、該水圧ハンマーへの送水圧を相異なる大きさで複数計測する。
一方、送水圧の複数計測と同時に、水圧ハンマーの作動に応答してかつその打撃数に対応する形で変動する物理量を物理量計測手段でそれぞれ計測する。
ここで、水圧ハンマーに高圧水が供給されると、削孔対象物が良質であれば、水圧ハンマが該削孔対象物から所定の反力を受けるため、高圧水が水圧ハンマの振動機構に流れて該振動機構を作動させるが、削孔対象物が例えば亀裂性であるがゆえに該削孔対象物からの反力が不足すると、高圧水は、水圧ハンマの振動機構には流れず、そのまま放水される。
そのため、水圧ハンマによる打撃が行われているときは送水圧が高く、打撃が行われていないときは送水圧が低くなる。
すなわち、送水圧と打撃数との間に所定の相関関係があると考えることができるので、計測された各物理量を用いて水圧ハンマーの打撃数を送水圧ごとに特定した上、上述した複数組からなる送水圧及び打撃数を回帰分析することにより、任意の送水圧Pに対応する打撃数Nを求める算定式、
N=f(P) (1)
を作成する。
このようにすると、トンネルの掘削工事で前方探査を行う際、水圧ハンマーによる削孔時に送水圧Pを計測するだけで、上述の(1)式から該水圧ハンマーの打撃数Nを適切に推定することが可能となり、かくして、打撃数に代えて送水流量を用いていた従来よりも、格段に高い信頼性をもって前方地山の探査を行うことが可能となる。
削孔対象物は、必ずしも実際の地山である必要はなく、トンネル掘削で遭遇するであろう地山の状態が再現されるように模擬製作された供試体であってもかまわない。
(1)式を作成するための送水圧は、前方探査を行う際の送水圧Pと同様に計測する限り、その方法や手順は任意であって、例えば高圧ポンプに内蔵された水圧計を用いて一定時間にわたり計測されたピーク値の平均値とすることが可能である。
物理量計測手段で計測される物理量は、水圧ハンマーの作動に応答してかつその打撃数に対応する形で変動するものであって、そのまま打撃数とみなし得る場合と、換算や関連付けが必要になる場合とがあるが、それらのいずれであるのか、さらには後者の場合においてどのような換算や関連付けが必要なのかは、実験等によって判断しあるいは導くことが可能であり、その上で水圧ハンマーの打撃数を特定すればよい。
物理量は、上述した内容である限り、任意の量を採用することができるが、荷重や応力あるいはそれらに対応する変位やひずみといった力学的物理量が典型例であって、地山や供試体中を伝播する弾性波や水圧ハンマーに連結された駆動機構の振動といった固体力学上の物理量と高圧水の圧力変動といった流体力学上の物理量に大別される。物理量計測手段は、それぞれに適したものを公知の技術から適宜選択すればよい。
具体的には、
(a) 前記物理量を前記水圧ハンマーから前記削孔対象物の露出面に向けて伝播する弾性波とし、前記物理量計測手段を該弾性波が検出されるように前記露出面に設置された加速度センサーとする
(b) 前記物理量を前記水圧ハンマーへの送水圧の変動成分とし、前記物理量計測手段を前記水圧ハンマーに接続された高圧ポンプの水圧計とする
(c) 前記物理量を前記水圧ハンマーから高圧ポンプに延びる高圧ホースにおける周方向ひずみの変動成分とし、前記物理量計測手段を前記周方向ひずみの変動成分が検出されるように前記高圧ホースに取り付けられたひずみゲージとする
といった構成が採用可能である。
計測された物理量を用いた水圧ハンマーの打撃数の特定は、例えば室内試験を行ってそれらの対応関係を把握することで行うことが可能であって、例えば(a)の構成では、計測された弾性波の振動数をそのまま水圧ハンマーの打撃数とみなすことが可能であり、(b)の構成では、計測された送水圧における変動周波数の1/2を水圧ハンマーの打撃数とすることが可能であり、(c)の構成では、計測された周方向ひずみにおける変動周波数をそのまま水圧ハンマーの打撃数とみなすことが可能である。
複数組からなる送水圧及び打撃数を回帰分析するにあたっては、水圧ハンマーの種類や仕様の違いを考慮して行うのが望ましいが、特に、水圧ハンマーの摩耗度をパラメータとして行うようにしたならば、それぞれの水圧ハンマーの使用時間、換言すれば削孔実績による摩耗度の違いを打撃数の推定に適切に反映させることが可能となり、前方地山の探査精度をさらに向上させることが可能となる。
上述した水圧ハンマーの打撃数評価方法を用いて前方地山を探査するには、従来と同様、ボーリングマシンに装着した削孔ロッドの先端に水圧ハンマを取り付け、該水圧ハンマで切羽等の露出面の前方に拡がる地山を削孔するが、水圧ハンマーで地山を削孔するにあたっては、該水圧ハンマーへの送水圧Pを計測するとともに、該送水圧を、上述した(1)式に適用することで送水圧Pに対応する打撃数Nを求め、次いで、送水圧P及び打撃数Nを、次式、
M=P・N/V (2)
V;削孔速度
に適用することにより、水圧ハンマによる削孔エネルギーの大きさであるエネルギー指標値Mを算出し、しかる後、エネルギー指標値Mを用いて前方地山の地盤性状を推定すればよい。
(1)式の作成手順は、上述した構成の中から適宜選択することができるが、削孔対象物の露出面を切羽等の露出面とし、弾性波を切羽等の露出面の直後に拡がる地山を削孔するときに生じる弾性波として作成する構成としたならば、実際のトンネル掘削が行われる地山で得られたデータに基づく回帰分析結果を用いて打撃数Nの推定が行われるため、前方地山の探査を十分な精度と高い信頼性をもって行うことが可能となる。
本実施形態に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法及びそれを用いた前方地山の探査方法の実施手順を示したフローチャート。 本実施形態に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法を実施するための水圧ハンマーの打撃数評価システム21を示した図であり、(a)はそれに用いる削孔機、(b)はブロック図。 水圧計27で計測された送水圧を横軸に、加速度センサー30で計測された水圧ハンマー24の打撃数を縦軸にとってプロットし、それらを回帰分析している様子を示したグラフ。 回帰分析で得られた算定式(1)を用いて、任意の送水圧に対する打撃数Nを求める手順を示したグラフ。
以下、本発明に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法及びそれを用いた前方地山の探査方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法及びそれを用いた前方地山の探査方法の実施手順を示したフローチャート、図2は本実施形態に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法を実施するための水圧ハンマーの打撃数評価システムである。
水圧ハンマーの打撃数評価システム21は、図2(a)に示すように、ボーリングマシン22と該ボーリングマシンに連結された削孔ロッド23とその先端に取り付けられた水圧ハンマ24とからなる削孔機を用いて構成されたものであって、同図(b)に示すように、水圧ハンマー24と、該水圧ハンマーに接続された高圧ポンプ26と、該高圧ポンプに内蔵された水圧計27と、トンネル28における地山32の露出面である切羽29に取り付けられた物理量計測手段としての加速度センサー30と、水圧計27及び加速度センサー30から出力された計測データを処理する演算処理装置31とで構成してあり、該演算処理装置は、加速度センサー30で計測された振動数を水圧ハンマー24の打撃数として特定するとともに、該打撃数と水圧計27で計測された送水圧とを回帰分析することで、任意の送水圧Pに対応する打撃数Nを求める算定式、
N=f(P) (1)
を作成するようになっている。
本実施形態に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法を用いて水圧ハンマーの打撃数を評価するには図1に示すように、まず、地山32を削孔対象物とし、該地山を水圧ハンマー24で削孔しつつ、該水圧ハンマーへの送水圧を水圧計27を用いて相異なる大きさで複数計測する(ステップ101)。
一方、水圧計27による送水圧の複数計測とともに、水圧ハンマー24の作動によって地山32内を伝播する弾性波を加速度センサー30でそれぞれ計測する(ステップ102)。
ここで、上述の弾性波は、水圧ハンマー24の作動に応答してかつその打撃数に対応する形で変動する物理量であり、本実施形態では、その振動数をそのまま水圧ハンマー24の打撃数として特定することが可能である。
水圧計27による送水圧の計測及び加速度センサー30による弾性波の計測は、該弾性波が十分なS/N比で計測できる程度の削孔深さ、例えば切羽29直後の地山32を削孔しながら行うのがよい。
次に、水圧計27や加速度センサー30で計測された複数組からなる送水圧及び打撃数とを演算処理装置31で回帰分析することにより、任意の送水圧Pに対応する打撃数Nを求める算定式、
N=f(P) (1)
を作成する(ステップ103)。
図3は、送水圧と打撃数をそれぞれ横軸と縦軸にとって計測値をプロットしたものであり、例えば同図の直線41で示された一次関数、
N=aP+b (1′)
a,b;定数
を算定式とすることができる。
このように任意の送水圧Pに対する水圧ハンマー24の打撃数Nを求める算定式が作成されたならば、これを前方地山の探査方法に適用するが、本実施形態では、算定式の作成を行った地山をそのままトンネル掘削するため、前方地山の探査方法も引き続き同じ地山32に対して行う。
すなわち、地山32を水圧ハンマー24で削孔しつつ、該水圧ハンマーへの送水圧Pを水圧計27で計測する(ステップ104)。
ここで、送水圧Pは、算定式(1)の作成を行ったときと同じ方法で計測する。また、水圧ハンマー24についても、その種類や仕様あるいは使用年数が異なれば、同じ送水圧でも打撃数が異なってくることがあるため、できるだけ同じ種類や仕様でかつ同程度の使用年数のものを用いるのが望ましい。
次に、計測された送水圧Pを(1)式に適用することにより、該送水圧に対応する水圧ハンマー24の打撃数Nを求める(ステップ105)。
図4は、図3の直線41で示された(1′)式に送水圧Pを適用することで、該送水圧に対する水圧ハンマー24の打撃数Nを求める手順を示したものであり、同図の例では、送水圧の計測値が1400MPaであった場合、水圧ハンマー24の打撃数は45Hzとなる。
次に、水圧ハンマによる削孔エネルギーの大きさをエネルギー指標値Mとして定義するとともに、該エネルギー指標値を上述の送水圧P及び打撃数Nを用いて、次式、
M=P・N/V (2)
V;削孔速度
から算出し(ステップ106)、該エネルギー指標値Mを用いて前方地山の地盤性状を推定する(ステップ107)。
以上説明したように、本実施形態に係る水圧ハンマーの打撃数評価方法及びそれを用いた前方地山の探査方法によれば、トンネル28の掘削工事で前方探査を行う際、水圧ハンマー24による削孔時に送水圧Pを計測するだけで、上述の(1)式から該水圧ハンマーの打撃数Nを適切に推定することが可能となり、かくして、打撃数に代えて送水流量を用いていた従来よりも、格段に高い信頼性をもって前方地山の探査を行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る前方地山の探査方法によれば、前方探査の対象と同じ地山32を削孔対象物として算定式(1)を作成するようにしたので、実際のトンネル掘削が行われる地山で得られたデータに基づく回帰分析結果を用いて打撃数Nの推定が行われることとなり、かくして前方地山の探査をさらに高い精度で行うことが可能となる。
本実施形態では、トンネル28が構築される地山、すなわち前方探査が行なわれる地山32と同じ地山を削孔対象物として任意の送水圧Pに対応する打撃数Nを求める算定式を作成するようにしたが、かかる算定式の作成は、前方探査を行う地山と同じである必要はないし、さらには地山である必要もなく、地山を模擬した供試体を製作した上、該供試体を削孔対象物として上述の算定式を作成するようにしてもかまわない。
また、本実施形態では、本発明の物理量を、水圧ハンマー24から地山32の露出面である切羽29に向けて伝播する弾性波とし、同じく物理量計測手段を該弾性波が検出されるように切羽29に設置された加速度センサー30としたが、物理量とそれを計測する物理量計測手段は、上述した組み合わせに限定されるものではない。
例えば、本発明の物理量を、水圧ハンマー24への送水圧の変動成分とし、同じく物理量計測手段を、水圧ハンマー24に接続された高圧ポンプ26の水圧計27とすることが可能である。
上記変形例の場合においては、送水圧の変動周波数と水圧ハンマー24の打撃数とが一致しているとは限らないので、必要に応じて上述した加速度センサー30で水圧ハンマー24の打撃タイミングを確認しながら、送水圧の変動が水圧ハンマー24の打撃タイミングとどのように関連しているのかを調べ、その上で水圧ハンマー24の打撃数を特定する手順が必要となる。
例えば、送水圧が、水圧ハンマー24の打撃タイミングの2倍の周波数で変動しているのであれば、送水圧の変動周波数の1/2を水圧ハンマー24の打撃数として特定すればよい。
また、別の変形例として、本発明の物理量を、水圧ハンマー24から高圧ポンプ26に延びる高圧ホース(図示せず)における周方向ひずみの変動成分とし、同じく物理量計測手段を、該周方向ひずみの変動成分が検出されるように高圧ホースに取り付けられたひずみゲージとすることが可能である。
上記変形例の場合においても、高圧ホースにおける周方向ひずみの変動周波数と水圧ハンマー24の打撃数とが一致しているとは限らないので、上述の変形例と同様、必要に応じて加速度センサー30で水圧ハンマー24の打撃タイミングを確認しながら、高圧ホースにおける周方向ひずみの変動が水圧ハンマー24の打撃タイミングとどのように関連しているのかを調べ、その上で水圧ハンマー24の打撃数を特定する手順が必要となる。
例えば、高圧ホースの周方向ひずみが、水圧ハンマー24の打撃タイミングと同じ周波数で変動しているのであれば、高圧ホースにおける周方向ひずみの変動周波数をそのまま水圧ハンマー24の打撃数として特定すればよい。
また、本実施形態では、前方探査を行う際の水圧ハンマーを、算定式(1)を作成した水圧ハンマーと種類や仕様あるいは使用年数が同程度のものを用いるのが望ましいとしたが、算定式(1)を作成する際、水圧ハンマーの種類、仕様あるいは使用年数をパラメータとして作成しておけば、前方探査を行う際にそのときに用いる水圧ハンマーに対応した算定式を選択すれば足りるため、前方探査に用いる水圧ハンマーに関する制約がなくなる。
特に、算定式(1)を算出するための回帰分析を、水圧ハンマーの摩耗度をパラメータとして行うようにしたならば、それぞれの水圧ハンマーの使用時間、換言すれば削孔実績による摩耗度の違いを打撃数の推定に適切に反映させることが可能となり、前方地山の探査精度をさらに向上させることが可能となる。
22 ボーリングマシン
23 削孔ロッド
24 水圧ハンマー
27 水圧計(物理量計測手段)
29 切羽(削孔対象物の露出面)
30 加速度センサー(物理量計測手段)
32 地山(削孔対象物)

Claims (7)

  1. 所定の削孔対象物を水圧ハンマーで削孔しつつ該水圧ハンマーへの送水圧を複数計測するとともに、前記水圧ハンマーの作動に応答してかつその打撃数に対応する形で変動する物理量を物理量計測手段でそれぞれ計測し、
    前記各物理量を用いて前記水圧ハンマーの打撃数を前記送水圧ごとに特定し、
    複数組からなる前記送水圧及び前記打撃数を回帰分析することで任意の送水圧Pに対応する打撃数Nを求める算定式、
    N=f(P) (1)
    を作成する水圧ハンマーの打撃数評価方法であって、前記物理量を前記水圧ハンマーから高圧ポンプに延びる高圧ホースにおける周方向ひずみの変動成分とし、前記物理量計測手段を前記周方向ひずみの変動成分が検出されるように前記高圧ホースに取り付けられたひずみゲージとしたことを特徴とする水圧ハンマーの打撃数評価方法。
  2. 所定の削孔対象物を水圧ハンマーで削孔しつつ該水圧ハンマーへの送水圧を複数計測するとともに、前記水圧ハンマーの作動に応答してかつその打撃数に対応する形で変動する物理量を物理量計測手段でそれぞれ計測し、
    前記各物理量を用いて前記水圧ハンマーの打撃数を前記送水圧ごとに特定し、
    複数組からなる前記送水圧及び前記打撃数を回帰分析することで任意の送水圧Pに対応する打撃数Nを求める算定式、
    N=f(P) (1)
    を作成する水圧ハンマーの打撃数評価方法であって、前記回帰分析を前記水圧ハンマーの摩耗度をパラメータとして行うことを特徴とする水圧ハンマーの打撃数評価方法。
  3. 前記物理量を前記水圧ハンマーから前記削孔対象物の露出面に向けて伝播する弾性波とし、前記物理量計測手段を該弾性波が検出されるように前記露出面に設置された加速度センサーとした請求項2記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法。
  4. 前記物理量を前記水圧ハンマーへの送水圧の変動成分とし、前記物理量計測手段を前記水圧ハンマーに接続された高圧ポンプの水圧計とした請求項2記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法。
  5. 前記物理量を前記水圧ハンマーから高圧ポンプに延びる高圧ホースにおける周方向ひずみの変動成分とし、前記物理量計測手段を前記周方向ひずみの変動成分が検出されるように前記高圧ホースに取り付けられたひずみゲージとした請求項2記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法。
  6. ボーリングマシンに装着した削孔ロッドの先端に水圧ハンマを取り付け、該水圧ハンマで切羽等の露出面の前方に拡がる地山を削孔することにより、該前方地山の地盤性状を探査する前方地山の探査方法において、
    前記水圧ハンマへの送水圧を計測して送水圧Pとし、
    該送水圧を請求項1乃至請求項5のいずれか一記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法で作成された(1)式に適用することで前記送水圧Pに対応する打撃数Nを求め、
    前記水圧ハンマによる削孔エネルギーの大きさをエネルギー指標値Mとして定義するとともに、該エネルギー指標値を前記送水圧P及び前記打撃数Nを用いて、次式、
    M=P・N/V (2)
    V;削孔速度
    から算出し、
    前記エネルギー指標値Mを用いて前記前方地山の地盤性状を推定することを特徴とする前方地山の探査方法。
  7. 前記請求項1乃至請求項5のいずれか一記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法を請求項3記載の水圧ハンマーの打撃数評価方法とし、前記削孔対象物の露出面を前記切羽等の露出面とし、前記弾性波を前記切羽等の露出面の直後に拡がる地山を削孔するときに生じる弾性波とした請求項6記載の前方地山の探査方法。
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