JP6696787B2 - 教師データの作成方法および地盤評価方法 - Google Patents
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Description
そのため、施工段階で地山状況の観察や計測を実施し、事前の設計や施工法を適宜修正しながら、施工の安全性や経済性を確保する方法(いわゆる情報化施工)が標準的に行われている。
そのため、本発明は、打撃削孔において地質の判定に適した周波数帯域の教師データを得ることを可能とした教師データの作成方法とこの教師データを利用した地盤評価方法を提案することを課題とする。
前記三次処理教師データ作成作業では、100を超える定量化スペクトルおよび0以上5未満の定量化スペクトルを0に置き換え、5以上10未満の定量化スペクトルを5に置き換えることでノイズ成分を除外することができる。
削孔機Mには、振動加速度計(データ取得部)2と、コンピュータ3とを備えた地層評価装置1が接続されている。
コンピュータ3は、データ解析部4と、出力部5とを備えている。データ解析部4は、振動加速度計2が取得した振動(加速度)データをコンバータ(A/D変換器)6を介して入手し、解析するものである。出力部5は、データ解析部4から出力された情報を出力するものであり、本実施形態では、モニターである。
なお、地盤評価装置1のデータ解析部4には、予め教師データが記憶されている。
教師データの作成方法は、図2に示すように、削孔深度歴データ取得作業S11と、周波数スペクトル作成作業S12と、定量化スペクトル作成作業S13と、一次処理教師データ作成作業S14と、二次処理教師データ作成作業S15と、三次処理教師データ作成作業S16とを備えている。
加速度は、ガイドセルに設置された振動加速度計2により計測する。振動加速度計2により計測された物理量の削孔深度歴データは、コンバータ6および入力インターフェースを介してデータ解析部4に入力され、データ記憶手段に記憶される。
定量化スペクトル作成作業S13では、前記各周波数スペクトルについて、打撃型削孔機械の基本周波数および基本周波数のN倍の高調波成分を除く領域で定量化スペクトルを作成する(図3の(b)および図4の(b)参照)。
定量化されたスペクトルであれば、同一層のスペクトルを平均化しても大きな影響がない。
二次処理教師データ作成作業S15では、一次処理教師データの最大値を一定値に変換して二次処理教師データを作成する。
二次処理教師データには、微小ではあるが、広帯域に数値が分布している。そのため、スペクトルの特徴を収集することを目的として、ノイズ分と信号分とを分離する。
ノイズ成分の除外は、100を超える定量化スペクトルおよび0以上5未満の定量化スペクトルを0に置き換え、5以上10未満の定量化スペクトルを5に置き換えることにより行う。
三次処理教師データを作成したら、この三次処理教師データを地盤評価方法において利用する教師データとしてデータ解析部4に保存しておく。
本実施形態では、第一層〜第四層までの異なる4つの地質の層を含む地層を削孔する場合について説明する。
本実施形態の地盤評価方法は、図6に示すように、データ取得ステップS21と、スペクトル解析ステップS22と、地盤検知ステップS23と、相関係数演算ステップS24と、平均処理ステップS25と、最大値選択ステップS26と、判定相関値選択ステップS27と、地盤判定ステップS28とを備えている。
スペクトル解析ステップS22では、データ解析部4に記憶された本掘削時の削孔深度歴データに対してスペクトル解析を行い、周波数領域の関数である掘削時周波数スペクトルを演算する。算出した掘削時周波数スペクトルは、データ解析部4に記憶する。
地盤検知ステップS23では、スペクトル解析ステップS22により算出された掘削時周波数スペクトルをモニター上において確認し、予め記憶された教師データとの差異を検知する。なお、地盤検知ステップS23は、必要に応じて行えばよく、省略してもよい。また、掘削時周波数スペクトルと教師データとの差異の検知は、機械的に行ってもよい。
相関係数演算ステップS24では、式1を利用して相関係数を算出する。相関係数の算出には、地盤掘削時に取得した削孔深度歴データと、データ解析部4に記憶されている教師データとを利用する。算出した相関係数は、削孔深度毎にデータ解析部4に記憶する。相関係数の算出に使用する教師データは、データ解析部4に予め記憶されている物を使用する。
本実施形態では、過去5回分の各々の相関係数を移動平均した値を採用する。なお、移動平均するのに使用する相関係数の数は限定されない。算出した移動平均値は、データ解析部4に記憶する。
表1に相関係数および移動平均値のデータの一例を示す。
判定相関値選択ステップS27では、閾値を設定し、この閾値を超える最大評価値(判定相関値)を選択する。本実施形態では、閾値を0.5に設定する。表1に示すように、0.5を超える最大評価値(判定相関値)は、第二層の削孔深度0.150mと0.157mおよび第一層の削孔深度0.173mと0.181mであった。一方、削孔深度0.118〜0.142mおよび0.165mでは、最大評価値が閾値を超えないため、判定相関値がないことになる(表1において「NG」と表示)。
地盤判定ステップS28では、判定相関値選択ステップS27において選択された判定相関値に対応する地層を削孔深度に対応する地層と判定する。すなわち、削孔深度0.150〜0.157mの範囲内の地層は第二層、削孔深度0.173〜0.181mの範囲内の地層は第一層と認定する。一方、最大評価値が閾値を超えていない区間(削孔深度)は、教師データが存在しないと認定する(表1において「N」と表示)。
地盤判定ステップS28による判定結果は、出力部5(モニター)に出力する。作業員は、モニターを確認することで、削孔中の地層(岩盤)をリアルタイムに把握することができる。
また、100を超える定量化スペクトルおよび0以上5未満の定量化スペクトルを0に置き換え、5以上10未満の定量化スペクトルを5に置き換えることで、ノイズ成分を適切に除外しているため、判定精度が高い。すなわち、最大スペクトル値を定量化していることで、同一層におけるスペクトル強さを一定に揃えているため、判定精度が高い。
また、本実施形態に地盤評価方法によれば、教師データと比較評価することで、実削孔時に削孔中の層をリアルタイムで把握することができる。また、抽出する教師スペクトルを適切に選択することで、相関のある結果を導くことが可能となる。
また、教師データを利用して、数値的に地層を判断することができるため、作業員の個人差などによる誤差が生じることなく、一定の精度を確保することが可能となる。
S12 周波数スペクトル作成作業
S13 定量化スペクトル作成作業
S14 一次処理教師データ作成作業
S15 二次処理教師データ作成作業
S16 三次処理教師データ作成作業
S21 データ取得ステップ
S22 スペクトル解析ステップ
S23 地盤検知ステップ
S24 相関係数演算ステップ
S25 平均処理ステップ
S26 最大値選択ステップ
S27 判定相関値選択ステップ
S28 地盤判定ステップ
Claims (3)
- 打撃削孔時の地質の判定に使用する教師データの作成方法であって、
地盤に対する打撃削孔時に打撃型削孔機械の作業状態に相関する物理量の削孔深度歴データを取得する削孔深度歴データ取得作業と、
前記削孔深度歴データを掘削深度毎にスペクトル解析して複数の周波数スペクトルを作成する周波数スペクトル作成作業と、
前記各周波数スペクトルについて、前記打撃型削孔機械の基本周波数および前記基本周波数のN倍の高調波成分を除く領域で定量化スペクトルを作成する定量化スペクトル作成作業と、
複数の前記定量化スペクトルを平均化して一次処理教師データを作成する一次処理教師データ作成作業と、
前記一次処理教師データの最大値を一定値に変換して二次処理教師データを作成する二次処理教師データ作成作業と、
前記二次処理教師データのノイズ成分を除外して三次処理教師データを作成する三次処理教師データ作成作業と、を備えることを特徴とする、教師データの作成方法。 - 前記三次処理教師データ作成作業において、100を超える定量化スペクトルおよび0以上5未満の定量化スペクトルを0に置き換え、5以上10未満の定量化スペクトルを5に置き換えることを特徴とする、請求項1に記載の教師データの作成方法。
- 請求項1または請求項2に記載の教師データの作成方法により取得した地層毎の教師データを利用して、削孔中の地層を判定する地盤評価方法であって、
地盤掘削に打撃型削孔機械の作動状態に相関する物理量の削孔深度歴データを取得するデータ取得ステップと、
前記削孔深度歴データおよび前記地層毎の教師データを式1に代入することにより、各地層の削孔深度毎の相関係数を算出する相関係数演算ステップと、
削孔深度毎の前記相関係数について平均処理を行い、削孔深度毎の移動平均値を算出する平均処理ステップと、
削孔深度に対する移動平均値の最大値を選択する最大値選択ステップと、
前記最大値のうち、設定された閾値を超えるものを判定相関値として選択する判定相関値選択ステップと、
前記判定相関値に対応する地層を当該削孔深度に対応する地層と判定する地盤判定ステップと、を備えていることを特徴とする、地盤評価方法。
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