JP5635020B2 - 教師データの作成方法 - Google Patents
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Description
ところが、目標地盤の手前にこの目標地盤と同程度の強度を有した岩盤層等が介在していると、目標地盤に到達したか否かの判断が難しく、経験的な判断が伴う。
三軸加速度計3は、掘削機Mによる地盤Gの掘削に伴ってロッドに発生する振動(加速度)を計測する装置である。三軸加速度計3は、鉛直方向の加速度と、水平面内において直交する二つの軸に沿う方向の加速度とを計測する。
なお、本実施形態では、データ取得部として、音響受信器2と三軸加速度計3を使用するものとしたが、オーガM1の駆動源の出力トルクを計測するトルク計測器、ロッドに発生するせん断ひずみを計測するひずみゲージなどをデータ取得部としてもよい。また、掘削機Mの駆動源が電動モータである場合には、電動モータに供給される電流を計測する電流計をデータ取得部とすることができ、駆動源が油圧モータである場合には、油圧モータに供給される作動油の油圧を計測する圧力計をデータ取得部とすることができる。また、これらの計測器は、複数の計測器を併用してもよいし、1つのみを使用してもよい。また、三軸加速度計3に代えて一軸加速度計や二軸加速度計を採用してもよい。
ここで、教師データは、先行掘削の際に、比較する地層の掘削時の掘削深度地層データを処理(平均化やその他の処理)し、教師データとして解析したものである。すなわち、教師スペクトルは、目標地盤(支持地盤GR)と同等の地盤(本実施形態では、支持地盤GRとする)において前もって掘削機Mによる掘削を行って、掘削機Mの作動状態に相関する物理量(本実施形態では音および加速度)の掘削深度地層データをデータ取得部で取得し、取得した掘削深度地層データについてスペクトル解析を行うことで得ることができる。教師データのスペクトル解析は、FFT(高速フーリエ変換)、MEM(最大エントロピー法)その他のスペクトル解析により行えばよい。
教師データの作成方法は、図2に示すように、掘削深度地層データ取得作業S11と、周波数スペクトル作成作業S12と、定量化スペクトル作成作業S13と、一次処理教師データ作成作業S14と、二次処理教師データ作成作業S15とを備えている。
このように最大スペクトル値を定量化することで、掘削中にΔt間隔で周波数解析した結果の全体を把握しやすくする。
なお、地中は、一様な地質ではないため、瞬間毎の解析結果からは全体が把握しづらいため、代表的な定量化スペクトルの抽出は、以下の手順により行う。
一次処理教師データには、図6に示すように、地層の特徴的なスペクトル以外にも、雑音成分(ノイズ成分)が含まれている。そこで、0〜100までのスペクトルをn等分し、最小値(例えば、n=20とした場合には0〜5の範囲にあるスペクトル)を切り捨てる処理を行うことで、図7に示すように、ノイズ成分を除外して量子化した教師データ(二次処理教師データ)を作成する。
1kHz以下のスペクトルをカットした教師データにより相関を算出すると、図9の(b)に示すように、相関値は全体的に低くなるが、支持地盤GR掘削時の相関値の立ち上がりが観測され、判別がしやすくなる。
本実施形態の地盤評価方法は、図10に示すように、データ取得ステップS21と、スペクトル解析ステップS22と、地盤検知ステップS23と、第一補正ステップS24と、補正係数演算ステップS25と、第二補正ステップS26と、相関係数演算ステップS27と、判定ステップS28とを備えている。
ここで、掘削時周波数スペクトルが、教師データと明らかに異なると判断される場合は、第一補正ステップS24以降の作業を行わずに、掘削機Mによる掘削を続行する。
すなわち、予め設定された閾値R0と相関係数Rとを比較し、相関係数Rが閾値R0を超えている(R>R0)場合には、掘削中の地盤が支持地盤GRであると判定し、相関係数Rが閾値R0を超えていない(R≦R0)場合には、掘削中の地盤が支持地盤GRでない(支持地盤GRに到達していない)と判定する。
なお、相関係数Rが1であれば、第二補正スペクトルと教師データとが全く同じスペクトルであることを示している。
なお、データ取得ステップS21から判定ステップS28までを複数回行い、相関係数Rが閾値R0を超えている(R>R0)という判定が複数回連続し、かつ、その回数が規定回数に達した場合に、掘削中の地盤が支持地盤GRであると判定するように構成してもよい。
つまり、一次処理教師データと二次処理教師データにより掘削時の周波数解析の相関を算出すると、二次処理教師データの方が目標地盤以外の相関値が小さくなるため、判定精度が向上する。
さらに、抽出する教師スペクトルを適切に選択することで、相関のある結果を導くことが可能となる。
例えば、TBMやシールド工法において採用することで、破砕帯の前後に存在する地盤を目標地盤として施工を行えば、破砕帯での掘削開始前に、予め破砕帯に近づいていることを把握することができるため、補助工法の準備などを先行して行うことが可能となる。
S12 周波数スペクトル作成作業
S13 定量化スペクトル作成作業
S14 一次処理教師データ作成作業
S15 二次処理教師データ作成作業
Claims (2)
- 回転式の掘削機が目標地盤に到達したか否かを判断する際に使用する教師データの作成方法であって、
目標地盤と同等の地盤における前記掘削機の作動状態に相関する物理量の掘削深度地層データを取得する作業と、
前記掘削深度地層データを掘削深度毎にスペクトル解析して複数の周波数スペクトルを作成する作業と、
前記各周波数スペクトルについて、最大値を一定値に変換して定量化スペクトルを作成する作業と、
複数の前記定量化スペクトルの中から代表的な定量化スペクトルを少なくとも二つ抽出して平均化することで一次処理教師データを作成する作業と、
前記一次処理教師データのノイズ成分を除外して二次処理教師データを作成する作業と、を備えており、
前記掘削機の作動状態に相関する物理量は、掘削機による掘削に伴って発生する音および掘削機の振動に伴う加速度であることを特徴とする、教師データの作成方法。 - 掘削機が目標地盤に到達したか否かを判断する際に使用する教師データの作成方法であって、
目標地盤と同等の地盤における前記掘削機の作動状態に相関する物理量の掘削深度地層データを取得する作業と、
前記掘削深度地層データを掘削深度毎にスペクトル解析して複数の周波数スペクトルを作成する作業と、
前記各周波数スペクトルについて、最大値を一定値に変換して定量化スペクトルを作成する作業と、
複数の前記定量化スペクトルの中から代表的な定量化スペクトルを少なくとも二つ抽出して平均化することで一次処理教師データを作成する作業と、
前記一次処理教師データのノイズ成分を除外して二次処理教師データを作成する作業と、を備えており、
複数の前記定量化スペクトルのそれぞれにおいてスペクトルが最大となる周波数を抽出するとともに、
直交する2軸の一方を周波数、他方を掘削深度とし、抽出した前記周波数毎の強度をスペクトルの大きさに比例して色分け又は記号化して表記したグラフを作成し、
当該グラフに基づいて代表的な定量化スペクトルを抽出することを特徴とする、教師データの作成方法。
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