JP6537403B2 - 嵌合状態評価方法、杭材の圧入施工方法、嵌合状態評価装置、および自動施工装置 - Google Patents
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Description
図1は本発明を適用した鋼矢板圧入システムにおいて地中に圧入される鋼矢板1の構成を示し、(a)は上面図であり、(b)は側面図である。なお、本実施形態において、圧入される杭材をU形鋼矢板(以下、鋼矢板と称する)1として説明するが、杭材の長手方向に沿って形成され、隣り合う他の杭材と嵌合可能な継手を有する杭材であれば、例えばZ形鋼矢板やゼロ矢板や直線形鋼矢板や鋼管矢板やH形鋼矢板などといった他の形状の鋼杭や、例えばコンクリート杭といった鋼杭とは材質の異なる杭材など、他の形態の杭材であってもよい。
尚、上記「既に地中に配置された鋼矢板1−1」の「配置」とは、例えば、圧入による配置や、振動/打撃打ち込みによる配置や、埋め込みによる配置などをいう。すなわち、継手計測部20を設ける鋼矢板1−1は、どのような手段で地中に配置されたものであってもよい。
嵌合状態評価装置300には、貫入長計測部120と、継手計測部20と、表示部320とが接続される。表示部320は、嵌合状態評価装置300による評価結果を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置である。表示部320は、例えば、圧入施工を管理する作業者によって視認される。表示部320は、表示制御部314の制御に従って、上述した図9または図10に示すような画像を表示させる。表示制御部314は、評価部310における評価結果に基づいて表示部320を駆動制御する。
評価部310は、周波数帯が高いほど正規化強度差を大きくするように補正をする。評価部310は、例えば、周波数帯の高低関係がf1<f2<f3である場合、周波数帯がf1の場合の正規化強度差の補正幅よりも、周波数帯がf2およびf3の場合の正規化強度差の補正幅を大きくする。この補正の理由は、完成杭1B内における音のうち高い周波数帯の音ほど完成杭1B内において減衰しやすく、周波数帯の差によって正規化強度差がばらつくことを抑制するためである。
評価部310は、圧入杭1Aの貫入長が大きいほど正規化強度差を大きくするように補正をする。この補正の理由は、貫入長が大きいほど、杭先端近くで発生する音が完成杭1B内を伝達する距離が長くなって減衰が大きくなるからであり、貫入長によって正規化強度差がばらつくことを抑制するためである。
評価部310は、正規化強度差を補正することより得た値を、嵌合状態の評価のための指標Xとして取得する。なお、正規化強度差の補正は、周波数帯または貫入長の少なくとも一方に基づいて補正してもよい。
評価部310は、閾値を複数設定し、指標Xと複数の閾値とを比較して嵌合状態を評価してもよい。評価部310は、2つの閾値aおよびb(a<b)を設定し、指標Xと複数の閾値aおよびbとを比較する。評価部310は、指標Xが閾値aを超えていないと判定した場合には嵌合状態に異常がないと判定する。評価部310は、指標Xが閾値aを超えて閾値bを超えていないと判定した場合には完成杭1Bと圧入杭1Aとの嵌合部の抵抗が増大していると評価する。完成杭1Bと圧入杭1Aとの抵抗が増大しているとは、嵌合状態の異常の前段階の一つであり、完成杭1Bと圧入杭1Aとの間にせりが生じている状態等である。評価部310は、指標Xが閾値aおよびbを超えたと判定した場合には完成杭1Bの前方継手部16bと圧入杭1Aの後方継手部16aとが離脱している異常であると評価する。
1A 圧入杭
1B 完成杭
1R 完成杭
16a 後方継手部
16b 前方継手部
20 継手計測部
100 圧入機本体
120 貫入長計測部
300 嵌合状態評価装置
302 信号入力部
304 無線受信部
306 周波数解析部
308 同期処理部
310 評価部
312 記憶部
314 表示制御部
320 表示部
400A、400B 表示画像
402 嵌合状態
404 異常発生時貫入長
Claims (10)
- 杭材の長手方向に沿って形成された継手によって互いに杭材を嵌合させて、複数の杭材の圧入施工における嵌合状態を評価する嵌合状態評価方法であって、
先行して地中に配置された先行杭材の開放された継手に対して後続して地中に圧入される後続杭材の継手を嵌合させて、前記後続杭材を圧入している最中に、前記先行杭材と前記後続杭材との間の摩擦および前記後続杭材と地盤との間の摩擦により発生する振動に基づいて生成された第1の信号を取得する第一のステップと、
前記第一のステップにおいて取得した第1の信号に基づいて第1の振動圧を求める第二のステップと、
前記第二のステップにおいて求められた第1の振動圧に基づいて、前記先行杭材の開放された継手と前記後続杭材の継手との嵌合状態の異常の有無を判定する第三のステップと、
を有する嵌合状態評価方法。 - 前記第一のステップの前に、前記継手を嵌合させない状態で杭材を地中に圧入している最中に、前記杭材と地盤との間の摩擦により発生する振動に基づいて生成された第2の信号を取得するステップと、
前記第2の信号に基づいて第2の振動圧を求めるステップと、を有し、
前記第三のステップは、前記第1の振動圧と前記第2の振動圧との差に基づいて、前記先行杭材の開放された継手と前記後続杭材の継手との嵌合状態の異常の有無を判定する、 請求項1に記載の嵌合状態評価方法。 - 前記第三のステップは、前記第1の振動圧と前記第2の振動圧との差を前記第2の振動圧に基づいて正規化し、正規化した振動圧差に基づいて嵌合状態の異常の有無を判定する、
請求項2に記載の嵌合状態評価方法。 - 前記第三のステップは、前記第1の振動圧および前記第2の振動圧に含まれる複数の周波数成分を抽出し、抽出された周波数成分ごとに正規化された振動圧差のうち、最も高い振動圧差に基づいて嵌合状態の有無を判定する、
請求項3に記載の嵌合状態評価方法。 - 前記第三のステップは、前記最も高い振動圧差が得られた周波数成分に基づいて前記最も高い振動圧差を補正し、補正した振動圧差と閾値との比較結果に基づいて嵌合状態の異常の有無を判定する、
請求項4に記載の嵌合状態評価方法。 - 前記第三のステップは、前記後続杭材の貫入長に基づいて前記最も高い振動圧差を補正し、補正した振動圧差と閾値との比較結果に基づいて嵌合状態の異常の有無を判定する、 請求項4または5に記載の嵌合状態評価方法。
- 前記第三のステップは、前記閾値として第1の閾値と、前記第1の閾値よりも高い第2の閾値とを設定し、前記補正した振動圧差が前記第1の閾値を超えた場合には嵌合状態の異常の前段階であると判定し、前記補正した振動圧差が前記第2の閾値を超えた場合には嵌合状態の異常であると判定する、
請求項6に記載の嵌合状態評価方法。 - 請求項1から7のうちいずれか1項に記載の嵌合状態を評価するステップと、
嵌合状態の評価をしながら、杭材を圧入するステップと、
を有する、杭材の圧入施工方法。 - 先行して地中に配置された先行杭材の開放された継手に対して後続して地中に圧入される後続杭材の継手を嵌合させて前記後続杭材を圧入している最中に、前記先行杭材と前記後続杭材との間の摩擦および前記後続杭材と地盤との間の摩擦により発生する振動に基づいて生成された信号が入力される信号入力部と、
前記信号入力部に対し入力された信号に基づく振動圧に基づいて、前記先行杭材の開放された継手と前記後続杭材の継手との嵌合状態を評価する評価部と、
を有する嵌合状態評価装置。 - 先行して地中に配置された先行杭材の開放された継手に対して後続して地中に圧入される後続杭材の継手を嵌合させて前記後続杭材を圧入している最中に、前記先行杭材と前記後続杭材との間の摩擦および前記後続杭材と地盤との間の摩擦により発生する振動に基づいて生成された信号が入力される信号入力部と、前記信号入力部に対し入力された信号に基づく振動圧に基づいて、前記先行杭材の開放された継手と前記後続杭材の継手との嵌合状態を評価する評価部とを有する嵌合状態評価装置を備えた自動施工装置。
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JP2015159419A JP6537403B2 (ja) | 2015-08-12 | 2015-08-12 | 嵌合状態評価方法、杭材の圧入施工方法、嵌合状態評価装置、および自動施工装置 |
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JP2015159419A Active JP6537403B2 (ja) | 2015-08-12 | 2015-08-12 | 嵌合状態評価方法、杭材の圧入施工方法、嵌合状態評価装置、および自動施工装置 |
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