JP3193881B2 - 杭の打込方法、および、杭の打込装置 - Google Patents

杭の打込方法、および、杭の打込装置

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JP3193881B2 JP00750197A JP750197A JP3193881B2 JP 3193881 B2 JP3193881 B2 JP 3193881B2 JP 00750197 A JP00750197 A JP 00750197A JP 750197 A JP750197 A JP 750197A JP 3193881 B2 JP3193881 B2 JP 3193881B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤を構成してい
る地層の硬軟に応じて複数種類の杭打用機構を使い分け
て、振動・騒音公害を最少限に抑制して杭を打ち込むよ
うに改良した打込方法、および打込装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】地盤の中へ既製杭を貫入させるための原
始的技術として、圧入する方式と、衝撃を与える方式と
が有る。上記の衝撃を与えるため、往時は専ら掛矢(か
けや)を用いて人力で行ない、もしくは、人力引上げ自
然落下槌(俗称・よいとまけ)が行なわれ、この衝撃方
式が機械化されてヂーゼルハンマやスチームハンマが用
いられた。
【0003】近時、ヂーゼルハンマやスチームハンマに
よる騒音公害や振動公害を軽減するため、振動杭打技術
が開発され、広く用いられている。さらに最近の技術と
して、油圧シリンダによって杭を地中に圧入しつつ、油
撃を付加して圧入を助勢する技術が開発されて公知にな
っている。振動杭打ちおよび振動杭抜きの技術は、油撃
式杭打ち技術に比して先行の技術であって、現行の強力
杭打設作業の主流として広く用いられていて、振動を発
生させる機構の原理によってピストン式と偏心重錘式
(別名・振り子式)とに大別される。いずれにせよ、杭
に長手方向の振動を与えることによって、一つには杭の
下端面が対向している土(広い意味の土であって、シル
ト,砂から礫,岩を含む)に振動加速度による衝撃を与
えて破砕,排除ないし圧密するとともに、一つには杭の
周囲に密着している土との間の摩擦を切って(静摩擦状
態を動摩擦状態に変換して)杭の沈下を助長する。
【0004】油撃によって杭の貫入を助長する技術は比
較的最近に開発された技術であって、油圧シリンダによ
って杭を地盤中に圧入しつつ、硬質の地層に行き当たっ
て油圧シリンダによる静圧的な押圧では杭が地盤中に貫
入されなくなったとき、上記油圧シリンダの油圧室に油
撃を導いて、ピストンに衝撃的な圧力を付加して硬質地
層を打ち抜くものであって、例えば特公平7−5178
6号公報に開示された圧入式杭打機が公知である。図4
は公知の油撃併用型圧入式杭打機の1例として示した油
圧系統図であって、特公平7−51786号公報におい
て図1(イ)として開示された油圧増圧装置と基本的に
同様の図である。上記図4に描かれているのは、オイル
ポンプ4で発生した油圧を調圧弁11によって定格圧力
に制御しつつ、操作弁9を開弁せしめて油圧シリンダ2
に供給して、該油圧シリンダのピストンロッドの下端に
固着された杭チャック12を圧下し、該杭チャック12
に把持されている杭13を地盤14の中へ圧入しつつあ
る状態である。上記の杭13が軟質の地層14a内に貫
入されている間は、前記の油圧シリンダ2による静圧的
な圧入力でも杭13が沈下するが、該杭13の先端(下
端)が硬質地層14bに到達すると圧入できなくなる。
そこで、コンピュータ7によって電磁弁6を繰り返し開
閉作動させる。上記電磁弁6が開かれると、オイルポン
プ4から吐出された作動油は矢印aのように電磁弁6を
通って作動油タンクに還流し、オイルポンプ4の吐出圧
は急激に低下する。しかし、チェック弁5およびパイロ
ット付チェック弁10の作用によって油圧シリンダ2内
の圧力はほぼ定格圧力に保持される(詳しくは、油圧シ
リンダ2の上部圧力室2a内の圧力がほぼ定格圧力に保
持される)。その次の瞬間に電磁弁6が閉じられると、
前記矢印a方向の油流が遮られて油撃と呼ばれる衝撃波
が発生し、矢印b方向に反射的に進行する。矢印b方向
の油撃波は分岐点に到達して矢印c方向と矢印d方向と
にわかれて進行する。矢印c方向に進行した油撃波はア
キュムレータ8で吸収され、オイルポンプ4や調圧弁1
1に損傷を及ぼす虞れの無いようになっている。矢印d
方向に進行した油撃波はチェック弁5およびリリース付
きチェック弁10を順方向に通過して、油圧シリンダ2
の上部油圧室2aに導かれ、ピストンの上面に作用し
て、杭の圧入方向の衝撃力を与える。該衝撃力は、油圧
シリンダ2による静的な圧下力に重畳されて瞬間的な大
きい圧入力を生じ、杭13を硬質地層14b内に貫入せ
しめる。上記の油撃波の流量は微小であるから、1回の
油撃による貫入量(長さ寸法)は僅少であるが、次に述
べるようにして繰り返し油撃が付加される。閉じられて
いた電磁弁6がコンピュータ7に制御されて開かれる
と、矢印a方向の油流が復活し、再度該電磁弁6が閉じ
られると前回と同様にして矢印b方向の油撃波が発生
し、油圧シリンダ2に付加されて杭13を硬質地盤14
b内に貫入させる。このように、瞬間的な高圧を衝撃的
に繰り返し付加して、硬質地盤14bの中へ杭13を徐
々に貫入してゆく。以上に説明した公知例においては、
油圧系統を基本として構成されているが、同様の原理を
水圧系統に適用して水撃を発生させることによっても同
様の効果が得られる。要するに、液圧系統に適用して液
圧衝撃波を発生させることによって同様の効果が得られ
る。
【0005】図4に示した公知例においてチェック弁1
0がパイロット付きになっているのは、操作弁9を圧下
位置(イ)もしくは中立位置(ロ)から上昇位置(ハ)
に操作して、油圧シリンダ2の下部圧力室2bに圧力油
を供給したとき、上部圧力室2a内の作動油を作動油タ
ンクに還流せしめ得るようにしたものであって、下部圧
力室2b側に正圧が掛かると該パイロット付チェック弁
は逆流方向の流通を許容するようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ドロップハンマ、スチ
ームハンマ、およびディゼルハンマといった、振動公害
や騒音公害の大きい杭打ち方法を除外して、比較的低公
害の既製杭打込技術の主要なものに、(a)液圧シリン
ダによる静圧的な圧入方法と、(b)振動付与を使用す
る方法と、(c)油撃(広義に適用して液圧衝撃)を使
用する方法とが有る。しかし、従来においては、これら
3種類の内の複数の方法を併用することについて合理的
な研究が為されていなかった。特に、地盤の状態に応じ
て、騒音公害や振動公害を最少限に抑制しつつ最大限の
作業能率を発揮することについての実用的に有効な技術
が未だ開発されていなかった。説明の便宜上、紛らわし
くない場合に限って前記(a)の油圧シリンダによる静
圧的な圧入方法を圧入杭打と略称し、(b)の振動を付
与する方法を振動杭打と略称し、(c)の液圧衝撃を付
加する方法を液圧衝撃杭打と略称する。ただし、振動杭
打においては、少なくとも杭の重力荷重が圧入方向に作
用しているので、厳密に言えば圧入と振動との併用を意
味する。また、液圧衝撃を付加する場合は液圧シリンダ
を用いるので、液圧衝撃杭打は必然的に圧入杭打と併用
されることになる。なお、杭打機は多くの場合、杭抜機
としても使用できるが、本発明においては杭を地盤の中
へ打ち込む場合を対象とする。
【0007】いま、圧入杭打を基準として考えると、液
圧衝撃杭打を併用すると杭の貫入力が大きくなり、単純
圧入杭打では貫入できない硬質地盤の中へも杭を貫入さ
せることが可能であるが、圧入杭打がほとんど無騒音,
無振動であるのに比して、瞬間的ながら衝撃音と振動と
が発生する。また、振動杭打は前記3種類の杭打方法の
中で最も貫入力が大きいが、振動,騒音も大きい。前記
液圧衝撃杭打における衝撃音や振動は瞬間的なものであ
って、これを繰り返して行なっても騒音や振動が断続的
であるのに比して、振動杭打では原則的に1本の杭を打
ち始めてから打ち終るまでの間、連続的に振動,騒音を
発生するので、公害を発生する度合いが大きい。以上に
通覧したように、これら3種類の杭打ち方法における作
業能率の順序と低公害性の順序は丁度反対になっている
ので、ここに実用上の工夫が必要になってくる。(丁度
反対になっている処が技術的に難しく、また技術的工夫
に面白さが有るのであって、もし仮に、最大能力・最小
公害の杭打方法が有るならば、工夫,研究の余地無く、
その方法を用いれば良い。もっとも、コスト,安全など
の他の特性要素に大差が無い場合の論である)。図5
は、複雑な地層から成る地盤に杭を打ち込む場合の貫入
抵抗の変化を説明するために示した模式的な地層構成垂
直断面図である。ただし、説明のための図であって実在
の地層を描いたものではない。この地盤3の中へ杭13
を貫入させようとすると、最初に砂層3aを貫通しなけ
ればならない。砂層と言っても、粒子の大きさや種類,
含水率,圧密状態などによって杭の貫入抵抗は著しく異
なり、貫入抵抗の指標となるN値について見た場合、比
較的緩い砂は10以下、中程度の砂は10〜30、密な
砂は30以上であるが、本図5においては説明の便宜
上、砂層3aは非常に緩い砂であってN=5であるとす
る。この程度の締まり具合の砂層であれば、油撃や振動
を与えなくても単純圧入杭打工法を用いて、ほとんど無
騒音、無振動で杭13を貫入することができる。前記の
砂層3aを貫通した杭13の先端はシルト層3bに到達
する。シルト層のN値は一般に5〜20であるが、本図
5の場合N=10であるとする。この程度の締まり具合
のシルト層の単純圧入杭打は余り容易ではないが、充分
なアンカ(圧入反力の支持)を取ることができれば、油
撃や振動を与えなくても油圧シリンダで圧入することが
できる。杭13がシルト層3bを通過して礫層3cに到
達すると、N値の平均は約40になるが、貫入抵抗値の
分布は一様でなく、礫層3cの内で比較的緩い個所は油
撃を併用して貫入することができる。油撃の併用では足
りないときは振動を併用して該礫層3cを通過して関東
ローム層3dに到達すると、N値は約10になり、油撃
や振動を併用しなくても単純圧入杭打が可能になる。こ
の状態で振動を併用すれば杭の沈下は著しく迅速になる
が、公害防止最優先の立場をとる場合は油撃も振動も停
止させて、可能ならばその他の補助的手段(例えばウォ
ータージェットを利用しつつ無振動・無騒音の圧入杭打
工法で杭13を貫入させる。関東ローム層3dを通過し
て軟岩層3eに到達するとN値では表せないほど硬くて
振動を併用せざるを得ないが、この軟岩層3eの厚さ寸
法が比較的薄いので振動杭打工法によって短時間で突破
するのが良策である。
【0008】本発明は、以上に考察したように長短を有
する3種類の圧入杭打と液圧衝撃杭打と振動杭打とを、
地盤の状態および杭打作業の進行状態に応じて使い分
け、単独使用したり併用したりして、振動公害および騒
音公害を最小限に抑制しつつ、可能な範囲内で最高の能
率を発揮して杭打込作業を遂行する技術を提供すること
を目的とする。可能な範囲内で最高能率を発揮すること
は、工期の短縮および施工コストの低減に有効であるの
みでなく、騒音,振動の発生期間を最少限に抑制し得る
という意味も有る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した請求項1の発明方法は、杭の貫入に対する
抵抗が均一でない地盤の中へ杭を貫入させる方法におい
て、予め、液圧ポンプから吐出される作動液を作動液タ
ンクに還流させる液圧回路、および、該液圧回路中に介
挿接続された電磁開閉弁と、を設けておき、液圧シリン
ダによって前記の杭に長さ方向の静的な押圧力を加えて
地盤内へ圧入し、液圧シリンダの押圧力よりも貫入抵抗
が大きくて、地盤内への杭の沈下が停止すると、前記電
磁開閉弁を開閉作動させて液圧衝撃を発生させ、 上記液
圧衝撃を液圧シリンダの圧力室に加えて杭の圧入を助勢
し、断続的に複数回の液圧衝撃を加え、もしくは繰り返
して複数回の液圧衝撃を加えても杭が沈下しない場合に
は、該杭に振動を与えて貫入を助勢し、振動を与えなく
ても貫入し得るようになれば振動の付与を停止して液圧
シリンダによって圧入し、杭の貫入に対する抵抗の変化
に応じて、液圧シリンダによる杭の圧入作業に必要最小
限の液圧衝撃を付加するとともに、必要最小限の振動を
付与して連続的に杭を地盤中に貫入せしめることを特徴
とする。以上に説明した請求項1の発明方法によると、
静的な押圧力による圧入杭打が可能な地盤条件のときは
液圧衝撃も振動も併用しない単純圧入杭打作業によって
騒音公害や振動公害を生じることなく杭を地盤中に貫入
させ、単純圧入では杭が沈下しない場合に限って液圧衝
撃を併用して杭を地盤中に貫入させる。液圧衝撃による
振動公害や騒音公害は比較的軽微であるが、液圧衝撃を
併用しなくても良い場合は極力単純圧入杭打工法が用い
られ、液圧衝撃の併用は、単純圧入杭打工法では杭が地
盤中に沈下しない場合に限られるので、振動公害や騒音
公害の発生は、液圧衝撃の併用によって杭を貫入せしめ
得る地盤条件の範囲内においては最小限に制御される。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】請求項の発明に係る打込装置の構成は、
杭を把持するチャックと、上記チャックを杭の長手方向
に押圧する液圧シリンダと、上記液圧シリンダに圧力液
を供給する液圧ポンプと、 上記液圧ポンプから吐出され
た作動液を作動液タンクに還流させる、電磁開閉弁を有
する液圧回路と、 上記電磁開閉弁を閉じたとき発生する
液圧衝撃を前記液圧シリンダの圧力室に付加する液圧回
路と、前記チャックに振動を与える手段とを具備してお
り、液圧シリンダに対して圧力液を供給して押圧力を発
生させている状態において、前記の液圧衝撃を付加する
操作と、振動を与える操作とが相互に独立に行ない得る
ようになっており、または相互に連動せしめて制御し得
るようになっていることを特徴とする。以上に説明した
請求項の発明装置によると、杭を把持するチャックに
対して、液圧シリンダによる静的な押圧力と、衝撃的な
液圧力と、振動とを与えることができ、しかも、前記の
静的押圧力に対して液圧衝撃力と振動とを選択的に、も
しくは連動せしめて重畳させることができるので、前記
の杭チャックに把持されている杭に対して、地盤構成と
杭の貫入状態とに応じて圧入杭打工法と、液圧衝撃杭打
工法と、振動杭打工法とを使い分けて、振動公害および
騒音公害の発生を最小限に抑制しつつ、貫入抵抗が一様
でない地盤の中へ、可能な範囲内の最大能率で杭を貫入
させることができる。
【0017】請求項の発明に係る装置の構成は前記請
求項の発明の構成要件に加えて、前記チャックの移動
を検知する貫入センサと、前記液圧シリンダのピストン
ロッド伸長側液圧回路の圧力、もしくは該液圧回路に設
けられている液圧弁の作動位置を検知する押圧センサ
と、液圧衝撃を発生させる機構の作動を制御する電磁弁
とを具備しており、かつ、前記貫入センサの出力信号
と、押圧センサの出力信号とを入力されて、前記電磁弁
を作動せしめる自動制御機構が設けられていて、上記の
自動制御機構は、「ピストンロッド伸長側液圧回路にほ
ぼ定格の液圧力が掛かっているか、もしくは液圧弁がピ
ストンロッド伸長操作側に作動しているとき、杭に押圧
力が与えられていると判定し、杭が押圧力を与えられて
いるのに、貫入センサの出力信号によって杭が沈下が停
止していると判定されたとき、前記の「電磁弁を駆動制
御して液圧衝撃を発生させる機能」を有するものである
ことを特徴とする。以上に説明した請求項の発明装置
によると、液圧シリンダのピストンロッド伸長側(厳密
には、ピストンロッドが杭を地盤中に圧入する方向に移
動する側)の圧力もしくは該液圧シリンダ用操作弁の作
動位置(圧力か中立か引抜か)を検知することによって
圧入杭打状態であるか否かを判定する押圧センサ、およ
び、杭チャックの移動(厳密には杭の圧入方向の移動)
を検知して杭が地盤中に貫入しつつあるか否かを判定す
る貫入センサとが設けられているので、「杭に静的圧力
を印加しているのに該杭が地盤中に貫入しないので、液
圧衝撃の付加による貫入助勢を必要としている状態」で
あるか否かが判定される。そして、上述のように液圧衝
撃の付加を必要とする状態であると判定されたならば自
動制御機構が電磁弁を作動させて液圧衝撃を発生させる
ので、前述の「液圧衝撃による助勢を必要とする状態」
が自動的に判定され、かつ自動的に液圧衝撃が付加され
る。これにより、作業者による人為的な判定や手動操作
を介在させることなく「必要な時に限り、しかも、必要
な時は遅滞無く」液圧衝撃が付加されて、振動公害や騒
音公害の発生を最少限度まで抑制しつつ杭を地盤の中へ
貫入させることができる。上述の作動は作業者の判断や
作業員の手動操作を介在させることなく自動的に遂行さ
れるので、該作業者には別段の知識や熟練を要せず、か
つ、該作業者の錯覚,不注意,怠慢,潜在意識などによ
る誤操作や、操作時機の遅滞・過早を生じる虞が無い。
【0018】請求項に係る発明装置の構成は前記請求
の発明装置の構成要件に加えて、液圧ポンプから吐
出された圧力液を前記液圧シリンダの伸長側油圧室に導
く液圧管路内の圧力を検知するセンサ、および流量を検
出するセンサが設けられるとともに、上記圧力センサの
検出信号および流量センサの検出信号を入力されて、液
圧衝撃付加手段を制御する自動制御機構が設けられてお
り、かつ、上記自動制御機構が、圧力信号がほぼ定格値
であって、流量がゼロである場合、液圧衝撃付加手段を
作動させる機能を有しているものであることを特徴とす
る。以上に説明した請求項の発明装置によると、液圧
ポンプの吐出圧を検出して杭が押圧力を受けていること
を検知して押圧センサとして機能する圧力センサと、液
圧管路内の流量を介して液圧シリンダの伸縮状態を検知
し、杭の貫入センサとして機能する流量センサとが設け
られているので「当該打込装置の液圧シリンダが杭に静
的押圧力を与えているか否か、および、該杭が地盤中に
貫入されつつあるか停止しているか」を判定することが
でき、そして、圧力センサによる圧力信号がほぼ定格値
であって杭が静的押圧力を受けている状態であり、か
つ、流量がゼロであって杭の貫入が停止しているとき
は、自動制御機構が液圧衝撃付加手段を作動させるの
で、作業者の注意力集中や作業者の判断を必要とせず
に、液圧衝撃を加えるべき時機を失することなく自動的
に液圧衝撃が加えられて杭の貫入を助勢,促進される。
上述のように、作業員の判断や手動操作を介在させずに
液圧衝撃付加手段が作動せしめられるので、作業員の精
神的負荷や肉体的負荷が軽く、その上、該作業員に格別
の技術的に高度な知識や多年の経験を必要とせず、作業
員に関係する人為的な誤操作を生じる虞れが無く、振動
公害や騒音公害を最小限に抑制しつつ、可能な範囲内で
最大の作業能率を発揮させることができる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】請求項の発明に係る装置の構成は杭を把
持するチャックと、上記チャックを杭の長手方向に押圧
する液圧シリンダと、上記液圧シリンダに圧力液を供給
する手段と、前記液圧シリンダに液圧衝撃を付加する手
段と、前記チャックに振動を付与する手段とを具備して
いるとともに、前記の杭が地盤中に貫入した深度を検出
する貫入センサを具備しており、かつ、上記貫入センサ
の出力信号を入力されて、予め与えられたプログラムに
従って、杭の貫入深度に応じて、「前記の液圧シリンダ
に圧力液を供給する手段と、液圧衝撃を付加する手段
と、振動を与える手段とを作動・休止制御する自動制御
機構」を具備していることを特徴とする。以上に説明し
た請求項の発明に係る装置によると、予め調査されて
得られている地盤構成に基づいて、軟抵抗,中抵抗,硬
抵抗それぞれの地層ごとに圧入杭打工法と、液圧衝撃杭
打工法と、振動杭打工法とを使い分けることにより、振
動公害や騒音公害の発生が最小限となるように抑制しつ
つ、可能な範囲内で最大の作業能率で杭を地盤中に貫入
せしめることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図2は、本発明に係る杭の打込方
法を実施するために構成した本発明に係る杭の打込装置
における1実施形態を示し、模式的な部分破断正面図に
油圧系統と制御系統とを付記した図である。ショベルカ
ー15のブーム15aの先端にリーダ16が装着され、
昇降ブラケット17が上下方向に案内されている。上記
の昇降ブラケット17に、起振機25を介して杭チャッ
ク12が取り付けられており、上記の杭チャック12に
よって杭13が把持されている。前記の昇降ブラケット
17は油圧シリンダ2によって上下に駆動される。本発
明において、シリンダの作業流体は油に限らず、水など
の液体であっても良いが、図1および図2に示した実施
形態は作動油を用いており、以下、実施形態に関しては
作動油の場合について述べる。前記の油圧シリンダ2に
は、これを伸縮させるための油圧系統が設けられるとと
もに、以下に詳述するごとく、液圧衝撃の1例としての
油撃を付加するための油圧系統および該油撃の制御系統
が設けられている。
【0026】油圧ポンプ4は駆動モータM1によって回
転駆動され、その吐出圧力油は調圧弁11で定格圧力に
調圧され、チェック弁5、操作弁9′、およびパイロッ
ト付チェック弁10を介して油圧シリンダ2に供給され
る。操作弁9′の(イ)は圧下位置、(ロ)は中立位
置、(ハ)は上昇位置である。上記操作弁9′は操作位
置を検出されて自動制御機構27に入力される。前記油
圧シリンダ2の圧下側圧力管路には圧力計Pと流量計F
とが接続されて、その検出値はそれぞれ自動制御機構2
7に入力される。上記圧力計Pが圧力値を検知すれば、
杭13が押圧力を受けていることを意味するので、押圧
センサ26として機能する。また、流量計Fが油圧シリ
ンダの流入流量を検知すれば、杭13が地盤の中へ貫入
されつつあることを意味するので、貫入センサ19とし
て機能する。電磁弁6は、前掲の図4に示した公知の油
撃装置に設けられていた電磁弁6と同様ないし類似の構
成機器であって、前記の自動制御機構27によって作動
せしめられる。図2について以上に説明した油圧系統の
構成は、油量,圧力および操作弁の操作位置が自動的に
検出されるようになっていることの他は、前掲の図4に
示した公知の油撃併用式の圧入形杭打機と類似の構成で
ある。前記の起振機25に対して、油圧ポンプ22の吐
出圧力油が、調圧弁21で調圧され、操作弁20を介し
て供給される。該操作弁20は、前記の自動制御機構2
7によって制御されるようになっている。前記の、起振
機用の油圧ポンプ22は駆動モータ24によって回転駆
動され、該駆動モータ23の負荷率は動力計24で検出
されて自動制御機構27に入力される。
【0027】以上に説明した本発明に係る杭の打込装置
の使用方法を大別すると、 (A)手動操作による方法。杭13の沈下状態を目視観
察しつつ油圧シリンダ2で押圧し、沈下状況に応じて手
動操作により油撃を付加したり振動を付加したりする。
この方法による場合は、図2に示した打込装置の構成か
ら、自動制御機構27および、この自動制御機構27に
関連するセンサ類および電磁駆動部分を省略することが
できる。 (B)センサの出力信号による自動制御方法。自動制御
機構27が、入力信号によって地盤の硬軟を判定し、油
撃付加手段や振動付与手段の作動・停止を自動的制御す
る。 (C)プログラムによる方法。予め地盤の土質を調査
(例えばボーリング)し、深度に対応する硬軟の度合を
把握して、自動制御機構27に作業プログラムを与え
て、油撃付加や振動付与の開始・停止を自動的に制御さ
せる。この方法による場合は、図2に示した打込装置か
らセンサ類を省略することができる。
【0028】図3は、前掲の図2に示した実施形態の打
込装置、および、その変形例の打込装置の使用方法を説
明するために模式的に描いた地層断面図に、深度と施工
方式とを対比させて付記した図である。次に、図2に示
した杭の打込装置を用いて図3に示した地層の中へ杭を
貫入させた実施形態、および、その応用例について説明
する。(図2および図3参照)。起振機25を休止させ
ておく。休止の方法は、駆動モータ23の通電を断って
も良いが、本実施形態では操作弁20を中立位置にし
た。駆動モータM1によって油圧ポンプ40を回転駆動
し、油圧シリンダ2に圧力油を供給して伸長作動せし
め、杭13に下向きの静的な押圧力を与える。該杭13
は、深さD1まで、軟抵抗層51の中へ圧入されるが、
中抵抗層52に到達すると静的押圧力だけでは貫入され
なくなって、杭の沈下が停止するので、油撃を付加して
貫入を助勢する。具体的には、貫入センサとして設けた
流量計19の出力信号がゼロとなることによって杭の沈
下停止が検出される。図示を省略するが、杭チャック1
2もしくは該杭チャックに対して固定的に接続されてい
る部材(例えば昇降ブラケット17)の移動を検出して
杭の貫入状態を検知しても良い。自動制御機構27は、
押圧センサ(圧力計)26の出力信号によって杭13が
静的押圧力を受けていることを知り、もしくは操作弁
9′が押圧位置(イ)になっていることによって杭13
が静的押圧力を受けていることを知り、静的押圧力を受
けているのに杭の沈下が認められない場合は電磁弁6を
開閉作動させて油撃を発生させる。杭13は、静的押圧
力に油撃力を重畳されて、中抵抗層52の中へ貫入して
ゆく。上述した油撃の負荷は、作業者が直接の目視によ
り、もしくは何らかの光学機器を用いて官能的に気付い
て、手動操作によって油撃を発生させても良い。
【0029】静的押圧力に油撃を併用して中抵抗層52
を貫通すると硬抵抗層53に行き当たる。硬抵抗層で
は、油撃を併用しても杭の沈下が認められなかった。自
動制御機構27は、電磁弁6を開閉作動させているのに
杭の沈下が停止したときは、操作弁20を作動させて起
振機25に圧力油を供給し、静的押圧力を受けている杭
13に振動を付与して硬抵抗層53を突破させる。以上
に説明したように、油撃の付加だけでは杭が沈下しない
ときに振動を付与する操作は、作業者が目視によって杭
の沈下停止を知り、該作業者の手動操作によって振動を
発生させても良い。杭が振動を与えられて硬抵抗層53
内に貫入しつつあるときは、動力計24は負荷率の高い
こと(必ずしも100%ではないが、例えば60%以
上)を表す。杭13が硬抵抗層53を突破して中抵抗層
54に対向すると、駆動モータ23の負荷率が著しく減
少(例えば30%以下)する。自動制御機構27は、上
記負荷率の減少によって地層の貫入抵抗が減少したもの
と判断し、操作弁20を作動させて振動の発生を消失さ
せる。この中抵抗層54内への貫入は、振動を付与しな
くても油撃を併用しつつ遂行することができる。以上に
説明した振動付与の停止は、作業者が動力計24の指針
を目視して行なうことも可能である。また、特に熟練し
た作業者であれば、起振機25の唸り音によって地層の
硬軟を判別することが可能であるが、環境騒音の影響な
どのために誤判断する虞れ為しとしないので、動力計2
4によって地層の硬軟を判定することが望ましい。前記
の油撃発生用電磁弁6と振動制御用操作弁20とは、相
互に独立に制御し得るように構成されている。しかし、
例えば振動制御用操作弁20が振動発生側に操作される
と電磁弁6は閉弁状態を保つというように連動させてイ
ンターロック機能を持たせても良い。
【0030】図1は、本発明に係る杭の打込装置を用い
て本発明に係る杭の打込方法を実施した場合の制御フロ
ーチャートであって、センサおよび自動制御機構を用い
て実施する場合にも当てはまり、作業者の目視判断によ
って作業者が手動操作する場合にも当てはまる。フロー
31で油圧シリンダによる静的押圧力を杭に与え、フロ
ー32で枕が沈下しているか否かを判定する。沈下して
いれば、所定の打込み深さになるまで静的押圧力を与え
て杭の圧入を続ける(フロー33)。フロー32におい
て、静的押圧力だけでは杭が沈下しないときは、フロー
35に進んで油撃付加を開始し、油撃によって杭が沈下
すれば油撃を止めて(フロー37)様子を見て(フロー
32)要すれば繰り返して油撃を与える(フロー3
5)。油撃を与えても沈下しなければ、もしくは沈下し
つつあった杭の沈下が停止したときは(フロー36)、
油撃を停止して振動の付与を開始する(フロー38)と
ともに、起振機の駆動源の負荷の大小を監視し(フロー
39)、負荷が大きい間は振動を付与し、負荷が減少す
ると(フロー40)振動の付与を停止する(フロー4
0)。上述のようにして必要最少限の油撃を必要最少限
の振動とを与えることによって振動公害や騒音公害を最
少限ならしめるように抑制し、かつ、必要に応じて時機
を失することなく油撃もしくは振動を与えることによっ
て、杭が沈下しない状態を放置せずに連続的に杭の沈下
を進行せしめて、可能な範囲内で最大の作業能率が得ら
れる。
【0031】次に、前掲の図3を参照して、前記と異な
る実施形態を説明する。杭打作業に先立って、ボーリン
グ調査により本図3に示した地層構成を把握し、深度に
対応せしめて地層の硬軟を判定するとともに、該硬軟の
度合いに基づいて、「静的押圧力で杭を貫入せしめ得る
深度区域」と、「静的押圧力だけでは貫入せしめ得ない
が、油撃の併用によって(振動を付与しなくても)貫入
せしめ得る深度区域」と、「油撃を併用しても杭の貫入
は無理であって、振動を付与せざるを得ない深度区域」
とに分類して、これを自動制御機構27(図3)にプロ
グラムとして記憶させる。図3の例で言うと、地表から
深度D1の区域は軟抵抗層51であって、静的な押圧力
で圧入可能である。深度D1から深度D2まで、厚さd
2の層は中抵抗層52であって、この深度区域は静的な
押圧力に油撃を付加して貫入することが可能である。深
度D2から深度D3まで、厚さd3の層は、風化軟岩よ
りなる硬抵抗層53であって、この深度区域は静的な押
圧力に振動を併用せざるを得ない。深度D3から深度D
4まで、厚さd4の層は比較的緩い粘土よりなる中抵抗
層53であって、振動付与を停止して油撃を併用するこ
とにより圧入可能である。このようにして、各深度区域
ごとに施工の形態を策定する際、例えば中抵抗層54の
ように深度が大きい個所については、ボーリングサンプ
ルから得られる地層の硬軟の度合いを、若干より硬い方
に補正して策定することが望ましい。その理由は、1.
深度が深くなると、杭の周囲に密着している土壌による
摩擦抵抗が大きくなり、総合的な貫入抵抗を増加させる
から、および、2.杭の先端が地盤を破砕する個所(比
喩的に言うならば震源位置,音源位置)が深くなり、付
近の民家などに伝播する間の減衰率が大きく、振動公害
や騒音公害が軽減されるからである。
【0032】杭の先端深度がD4に達して、砂礫よりな
る硬抵抗層55に到達すると、打込計画深度D5に至る
までの深度区域d5は静的押圧力に振動を併用して強力
に打ち込むが、最大限の静的押圧力と最大限の振動加速
度とを与えても沈下しなくなると(工事設計書が許容し
ていれば)杭の打込みを中止して、杭の上端部を切断除
去する。上述のように、深度区域ごとの作業形態をプロ
グラムとして与えられた自動制御機構27(図2参照)
は、貫入センサとして設けられている流量計19の出力
信号に基づいて杭の打込み深さの増加状態を認識し、与
えられたプログラムに従って電磁弁6を開閉制御して油
撃を付加したり、操作弁20を制御して振動を付加した
りして、振動公害や騒音公害を最少限度ならしめるよう
に抑制しつつ、可能な範囲内の最大能率で杭の打込み作
業を行なわせる。
【0033】
【発明の効果】以上に本発明の実施形態を挙げてその構
成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方
法によると、静的な押圧力による圧入杭打が可能な地盤
条件のときは液圧衝撃も振動も併用しない単純圧入杭打
作業によって騒音公害や振動公害を生じることなく杭を
地盤中に貫入させ、単純圧入では杭が沈下しない場合に
限って液圧衝撃を併用して杭を地盤中に貫入させる。さ
らに、液圧衝撃を併用しても杭が沈下しない場合に限っ
て振動が付与されて強力に杭を地盤内に貫入させるが、
この振動杭打工法の実施は、液圧衝撃を付加しても杭が
沈下しない場合に限られるので、必要最少限となるよう
に抑制される。すなわち、振動を付与しての強力な杭の
貫入は、振動を与えざるを得ない地盤条件の場合に限っ
て行なわれるので、振動杭打による公害発生は最小限ま
で抑制され、杭が硬質地盤を貫通して軟質ないし中質の
地層に到達すると振動付与が停止されて単純圧入杭打工
法もしくは液圧衝撃併用杭打工法に戻るので、振動・騒
音の発生が比較的多い振動杭打工法の施工時間は可能な
限りにおいて極限的に短縮される。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】請求項の発明装置によると、杭を把持す
るチャックに対して、液圧シリンダによる静的な押圧力
と、衝撃的な液圧力と、振動とを与えることができ、し
かも、前記の静的押圧力に対して液圧衝撃力と振動とを
選択的に、もしくは連動せしめて重畳させることができ
るので、前記の杭チャックに把持されている杭に対し
て、地盤構成と杭の貫入状態とに応じて圧入杭打工法
と、液圧衝撃杭打工法と、振動杭打工法とを使い分け
て、振動公害および騒音公害の発生を最小限に抑制しつ
つ、貫入抵抗が一様でない地盤の中へ、可能な範囲内の
最大能率で杭を貫入させることができる。
【0042】請求項の発明装置によると、液圧シリン
ダのピストンロッド伸長側(厳密には、ピストンロッド
が杭を地盤中に圧入する方向に移動する側)の圧力もし
くは該液圧シリンダ用操作弁の作動位置(圧入か中立か
引抜か)を検知することによって圧入杭打状態であるか
否かを判定する押圧センサ、および、杭チャックの移動
(厳密には杭の圧入方向の移動)を検知して杭が地盤中
に貫入しつつあるか否かを判定する貫入センサとが設け
られているので、「杭に静的圧力を印加しているのに該
杭が地盤中に貫入しないので、液圧衝撃の付加による貫
入助勢を必要としている状態」であるか否かが判定され
る。そして、上述のように液圧衝撃の付加を必要とする
状態であると判定されたならば自動制御機構が電磁弁を
作動させて液圧衝撃を発生させるので、前述の「液圧衝
撃による助勢を必要とする状態」が自動的に判定され、
かつ自動的に液圧衝撃が付加される。これにより、作業
者による人為的な判定や手動操作を介在させることなく
「必要な時に限り、しかも、必要な時は遅滞無く」液圧
衝撃が付加されて、振動公害や騒音公害の発生を最小限
度まで抑制しつつ杭を地盤の中へ貫入させることができ
る。上述の作動は作業者の判断や作業員の手動操作を介
在させることなく自動的に遂行されるので、該作業者に
は別段の知識や熟練を要せず、かつ、該作業者の錯覚,
不注意,怠慢,潜在意識などによる誤操作や、操作時機
の遅滞・過早を生じる虞れが無い。
【0043】請求項の発明装置によると、液圧ポンプ
の吐出圧を検出して杭が押圧力を受けていることを検知
して押圧センサとして機能する圧力センサと、液圧管路
内の流量を介して液圧シリンダの伸縮状態を検知し、杭
の貫入センサとして機能する流量センサとが設けられて
いるので「当該打込装置の液圧シリンダが杭に静的押圧
力を与えているか否か、および、該杭が地盤中に貫入さ
れつつあるか停止しているか」を判定することができ、
そして、圧力センサによる圧力信号がほぼ定格値であっ
て杭が静的押圧力を受けている状態であり、かつ、流量
がゼロであって杭の貫入が停止しているときは、自動制
御機構が液圧衝撃付加手段を作動させるので、作業者の
注意力集中や作業者の判断を必要とせずに、液圧衝撃を
加えるべき時機を失することなく自動的に液圧衝撃が加
えられて杭の貫入を助勢,促進させる。上述のように、
作業員の判断や手動操作を介在させずに液圧衝撃付加手
段が作動せしめられるので、作業員の精神的負荷や肉体
的負荷が軽く、その上、該作業員に別格の技術的に高度
な知識や多年の経験を必要とせず、作業員に関係する人
為的な誤操作を生じる虞れが無く、振動公害や騒音公害
を最小限に抑制しつつ、可能な範囲内で最大の作業能率
を発揮させることができる。
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】請求項の発明に係る装置によると、予め
調査されて得られている地盤構成に基づいて、軟抵抗,
中抵抗,硬抵抗それぞれの地層ごとに圧入杭打工法と、
液圧衝撃杭打工法と、振動杭打工法とを使い分けること
ができ、振動公害や騒音公害の発生が最小限となるよう
に抑制しつつ、可能な範囲内で最大の作業能率で杭を地
盤中に貫入せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る杭の打込装置を用いて本発明に係
る杭の打込方法を実施した場合の制御フローチャートで
あって、センサおよび自動制御機構を用いて実施する場
合にも当てはまり、作業者の目視判断によって作業者が
手動操作する場合にも当てはまる。
【図2】本発明に係る杭の打込方法を実施するために構
成した本発明に係る杭の打込装置における1実施形態を
示し、模式的な部分破断正面図に油圧系統と制御系統と
を付記した図である。
【図3】前掲の図2に示した実施形態の打込装置、およ
び、その変形例の打込装置の使用方法を説明するために
模式的に描いた地層断面図に、深度と施工方式とを対比
させて付記した図である。
【図4】公式の油撃併用形圧入式杭打機の1例として示
した油圧系統図であって、特公平7−51786号公報
において図1(イ)として開示された油圧増幅装置と基
本的に同様の図である。
【図5】複雑な地層から成る地盤に杭を打ち込む場合の
貫入抵抗の変化を説明するために示した模式的な地層構
成垂直断面図である。ただし、説明のための図であって
実在の地層を描いたものではない。
【符号の説明】
2…油圧シリンダ、3…地盤、3a…砂層、3b…シル
ト層、3c…礫層、3d…関東ローム層、3e…軟岩
層、3f…砂礫層、3g…粘土層、3h…粘質土層、3
i…岩盤、4…オイルポンプ(油圧ポンプ)、5…チェ
ック弁、6…電磁弁、7…コンピュータ、8…アキュム
レータ、9,9′…操作弁、10…パイロット付チェッ
ク弁、11…調圧弁、12…杭チャック、13…杭、1
4…地盤、14a…軟質地層、14b…硬質地層、15
…ショベルカー、15a…ブーム、16…リーダ、17
…昇降ブラケット、18…起振機、19…流量計(貫入
センサとして機能する)、20…操作弁、21…調圧
弁、22…油圧ポンプ、23…駆動モータ、24…動力
計、25…起振機、26…圧力計(押圧センサとして機
能する)、27…自動制御機構、31〜41…フローを
表す記号、51…軟抵抗層、52…中抵抗層、53…硬
抵抗層、54…中抵抗層、55…硬抵抗層、a…作動油
の流動を表す矢印、b…液圧衝撃波の反射を表す矢印、
c,d…液圧衝撃波の分岐伝播を表す矢印。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−93804(JP,A) 特開 昭54−95018(JP,A) 特開 昭54−141004(JP,A) 特開 平6−287952(JP,A) 特開 平6−193064(JP,A) 特開 平6−212634(JP,A) 特開 平6−220850(JP,A) 特開 平4−73322(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 7/00 E02D 7/18 - 7/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭の貫入に対する抵抗が均一でない地盤
    の中へ杭を貫入させる方法において、予め、液圧ポンプ(4)から吐出される作動液を作動液
    タンクに還流させる、電磁開閉弁(6)を有する液圧回
    路を設けておき、 液圧シリンダ(2)によって前記の杭に長さ方向の静的
    な押圧力を加えて地盤内へ圧入し、 液圧シリンダの押圧力よりも貫入抵抗が大きくて、地盤
    内への杭の沈下が停止すると、前記電磁開閉弁(4)を
    開閉作動させ、 上記電磁開閉弁が閉じられたとき発生する液圧衝撃を、
    液圧シリンダの圧力室に加えて杭の圧入を助勢し、 断続的に複数回の液圧衝撃を加え、もしくは繰り返して
    複数回の液圧衝撃を加えても杭が沈下しない場合には、
    該杭に振動を与えて貫入を助勢し、 振動を与えなくても貫入し得るようになれば振動の付与
    を停止して液圧シリンダによって圧入し、 杭の貫入に対する抵抗の変化に応じて、液圧シリンダに
    よる杭の圧入作業に必要最小限の液圧衝撃を付加すると
    ともに、必要最小限の振動を付与して連続的に杭を地盤
    中に貫入せしめることを特徴とする杭の打込方法。
  2. 【請求項2】 杭を把持するチャックと、上記チャック
    を杭の長手方向に押圧する液圧シリンダ(2)と、上記
    液圧シリンダに圧力液を供給する液圧ポンプ(4)と、 上記液圧ポンプから吐出される作動液を作動液タンクに
    還流させる、電磁開閉弁(6)を有する液圧回路と、 上記電磁開閉弁を閉じたとき発生する液圧衝撃を前記液
    圧シリンダの圧力室に付加する液圧回路と、 前記チャックに振動を与える手段とを具備しており、 液圧シリンダに対して圧力液を供給して押圧力を発生さ
    せている状態において、前記の液圧衝撃を付加する操作
    と、振動を与える操作とが相互に独立に行ない得るよう
    になっており、または相互に連動せしめて制御し得るよ
    うになっている ことを特徴とする、杭の打込装置
  3. 【請求項3】 前記チャックの移動を検知する貫入セン
    サと、 前記液圧シリンダのピストンロッド伸長側液圧回路の圧
    力、もしくは該液圧回路に設けられている液圧弁の作動
    位置を検知する押圧センサと、 液圧衝撃を発生させる機構の作動を制御する電磁弁とを
    具備しており、 かつ、前記貫入センサの出力信号と、押圧センサの出力
    信号とを入力されて、前記電磁弁を作動せしめる自動制
    御機構が設けられていて、 上記の自動制御機構は、ピストンロッド伸長側液圧回路
    にほぼ定格の液圧力が掛かってっているか、もしくは液
    圧弁がピストンロッド伸長操作側に作動しているとき、
    杭に押圧力が与えられていると判定し、 杭が押圧力を与えられているのに、貫入センサの出力信
    号によって杭が沈下が停止していると判定されたとき、
    「前記の電磁弁を駆動制御して液圧衝撃を発生させる機
    能」を有するものであ ることを特徴とする、請求項
    記載した杭の打込装置。
  4. 【請求項4】 液圧ポンプから吐出された圧力液を前記
    液圧シリンダの伸長側油圧室に導く液圧管路内の圧力を
    検知するセンサ、および流量を検出するセンサが設けら
    れるとともに、 上記圧力センサの検出信号および流量センサの検出信号
    を入力されて、液圧衝撃付加手段を制御する自動制御機
    構が設けられており、 かつ、上記自動制御機構が、圧力信号がほぼ定格値であ
    って、流量がゼロである場合、液圧衝撃付加手段を作動
    させる機能を有しているものであ ることを特徴とする、
    請求項に記載した杭の打込装置
  5. 【請求項5】 杭を把持するチャックと、上記チャック
    を杭の長手方向に押圧する液圧シリンダ(2)と、 上記液圧シリンダに圧力液を供給する液圧ポンプ(4)
    と、 上記液圧ポンプから吐出した作動液を作動液タンクに還
    流させる、電磁開閉弁(6)を有する液圧回路と、 上記電磁開閉弁を閉じたとき発生する液圧衝撃を前記液
    圧シリンダに付加する液圧回路と、 前記チャックに振動を与える手段とを具備しているとと
    もに、前記の杭が地盤 中に貫入した深度を検出する貫入
    センサを具備しており、 かつ、上記貫入センサの出力信号を入力されて、予め与
    えられたプログラムに従って、杭の貫入深度に応じて、
    「前記の液圧シリンダに圧力液を供給する手段と、液圧
    衝撃を付加する手段と、振動を与える手段とを作動・休
    止制御する自動制御機構」を具備してい ることを特徴と
    る、杭の打込装置
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