JP4017781B2 - トンネル掘削地山の性状表示方法 - Google Patents

トンネル掘削地山の性状表示方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削機によってトンネルを掘進する際に、掘削されたトンネルの掘削地山の性状を、トンネル掘削機の先端から後方に亘って連続的に判断し得る性状表示方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
岩盤層の地山にトンネルボーリングマシン(TBM、以下、トンネル掘削機という)によってトンネルを掘削する場合、トンネル掘削機の運転状態の確認やトンネル施工記録の整理のために、トンネル掘削機の掘進に従って推進力やカッタ駆動のための電流、掘進速度等の運転データを表示することが行われている。また、掘削したトンネル壁面の肌落ちや崩壊を防止すると共に作業員の安全を確保するために、トンネル掘削壁面に支保工を組み立てることも行われているが、この際、トンネル掘削壁面の地山の性状を判断し、その性状に応じて支保の強度や間隔等を設定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、トンネル掘削機の運転データの表示は上述したように、トンネル掘削機の運転状態の確認やトンネル施工記録の整理のために行われているものであって、トンネル掘削機の制御やトンネル掘削壁面の性状に対応した支保のためにデータを表示しているものではなく、一方、トンネル掘削壁面の性状を判断するには、従来からトンネル掘削機後方の掘削された露出壁面を目視観察又はハンマーによる叩打等によって人為的に行っているのが現状であり、このような判断方法では、熟練した技術者の経験と勘によらざる得ず、経験の浅い作業員では到底、正確な判断を行うことが困難である。
【0004】
さらに、地山の性状を判断する位置はトンネル掘削機の掘進に従って後方に露出するトンネル掘削壁面に対して行われるものであるから、岩盤が崩壊する虞れがあってその作業に危険性を伴うばかりでなく、該トンネル掘削壁面に対する支保工の組立ては、支保工の組立位置において壁面部分に対する地山の性状判定を行ったのち、地山に応じた強度を有する支保の選定を行い、しかるのち、該支保を組立位置まで搬入して施工するという手順を要し、その間、掘削を停止しなければならず、トンネル全体としての施工速度が低下するという問題点があった。
【0005】
また、例えば、トンネル掘削機を掘進させる際に、地山の性状に応じ掘進反力のとり方を、グリッパにて掘削壁面に反力をとる方式から既組の支保に反力をとる方式に変更する必要があるが、この判断及び変更作業も上記のように掘削壁面がトンネル掘削機の後方に露出してから行うことになり、その間、掘進の停止状態が長時間に亘り、やはりトンネル全体としての施工速度が低下し、トンネル掘削機の円滑な制御の妨げになるという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、トンネル掘削機によって掘進中のトンネル掘削壁面の地山の性状を切羽部からトンネル掘削機の後方に亘って予め、連続的に確認し得るようにして、トンネル掘削機の制御やトンネル掘削壁面の地山の性状に応じた支保の選定から組立てまでの作業等を正確且つ能率よく行えるようにすることを目的としたトンネル掘削地山の性状表示方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明のトンネル掘削地山の性状表示方法は、請求項1に記載したように、トンネル掘削機の掘削距離を横軸に、トンネル掘削機により掘削された切羽地山の性状を推定し得るデータを縦軸にした座標軸を表示しているモニター画面の一端側に、切羽地山の位置における掘削距離と上記データとの座標を点表示すると共に、上記切羽地山の位置における掘削距離上にカッタ板を対応させ且つ機長を上記横軸の掘削距離に対応させたトンネル掘削機の模型図をモニター画面に表示してあり、トンネル掘削機によって一定長のトンネルが掘削される毎に点表示される各切羽地山の掘削距離とデータとの座標の表示点をトンネルの掘進に従ってモニター画面上を上記トンネル掘削機の模型図におけるカッタ板側から他端側に向かって順次移動させて連続的に表示することにより、目視することができないトンネル掘削機の機長間における掘削壁面の性状およびその傾向を確認することを特徴としている。
【0008】
上記請求項1に記載のトンネル掘削地山の性状表示方法において、請求項2に係る発明は、上記データにより決定される掘削壁面に設置すべき支保の種類及び位置を該位置に対応する上記モニター画面の掘削距離軸上に表示させることを特徴としている。
【0009】
【作用及び効果】
トンネル掘削機による一定長のトンネル掘進毎に切羽地山の性状を検出し、その性状データを掘削位置と共にモニター画面の座標上に表示させる。切羽地山の性状は、切羽における単位容積の岩盤を掘削するのに要するエネルギー、即ち、単位掘削エネルギーや岩盤の推定一軸圧縮強度等から推定することができ、この数値データをモニター画面に折線グラフ状に表示させる。また、併せて、この座標上にトンネル掘削機の後端部の現在位置を表示しておく。こうして、トンネル掘削機によって掘削された切羽地山の性状を掘削距離と共に連続的にモニター画面に表示していくものであり、従って、トンネル掘削機の掘進に従って目視することができないトンネル掘削機の機長間における掘削壁面の性状およびその傾向をモニター画面から容易に且つ正確に認識することができる。
【0010】
そのため、例えば、トンネル掘削機によって切羽地山が掘削された時に、その性状値に応じた支保の選択を予め行っておくことが可能となり、該掘削部がトンネル掘削機の掘進に従って機体後部の支保組立位置に達するまでにその掘削部に組立てるべき支保の搬送及び組立の準備が円滑に行うことができると共にモニター画面から上記掘削部が支保組立位置に達したことも正確に確認することができて、そのトンネル掘削壁面の地山の性状に適した強度、構造等を有する支保の施工を能率よく行えるものである。
【0011】
さらに、トンネル掘削壁面にトンネル掘削機の推進反力を支持させる際に、その推進該反力をとるための掘削壁面部の地山の性状を切羽地山の掘削時に上述したように確認しておくことができると共に切羽面からの該掘削部の移動距離もモニター画面を目視することによって正確に確認し得るので、トンネル掘削機の掘進制御が円滑且つ正確に行え、トンネルの築造が能率よく且つ精度よく行える。
【0012】
また、請求項2に記載した発明によれば、上記データにより決定される掘削壁面に設置すべき支保の種類及び位置を該位置に対応する上記モニター画面の掘削距離軸上に表示させるので、モニター画面に表示される地山の性状値から作業員等がその性状の掘削壁面に適した支保の選択を判定する必要もなく、モニター画面を目視するだけで簡単且つ正確に掘削壁面の性状に最適な支保の選択、組立の準備が可能となり、作業性が一層向上するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1においてトンネル掘削機は、前端に隔壁1aを一体に設けている円筒形状のスキンプレート1と、上記隔壁1aの前面側に配設されてこの隔壁1aの前面に一体に設けている支持部材2に回転自在に支持され且つ前面に多数本のディスクカッタ刃3aを突設ししいるカッタ板3と、隔壁1aの後面に装着されて上記カッタ板3を回転駆動する駆動モータ4と、隔壁1aの後面にその先端を一体的に固着して上記スキンプレート1の中央空間部を通じて該スキンプレート1の後端から後方に水平状に延出しているビーム体5と、上記支持部材2の上下左右に装着された伸縮自在なフロンドグリッパ6と、ビーム体5の後端部下面から下方に突設してジャッキ等により上下伸縮自在なリアサポート7と、ビーム体5の下面に沿って摺動自在に配設されたリアグリッパ8と、上記隔壁1aとリアグリッパ8間を連結した推進ジャッキ9と、掘削した岩片(以下、ズリAという)を後方に搬出するベルトコンベア10とから構成されている。
【0014】
なお、上記リアグリッパ8はスキンプレート1から後方に突出したビーム体5の後部側に配設されてあり、周知のように、ビーム体5に対して相対的に摺動自在な摺動枠11からトンネル掘削壁面Tの両側面に向かって水平に突設されていると共に両リアグリッパ8、8と上記隔壁1aの背面両側部間を上記推進ジャッキ9、9によってそれぞれ連結しているものである。図中、12はベルトコンベア10の支持枠である。
【0015】
このように構成したトンネル掘削機において、上記カッタ板駆動モータ4には電流・電圧計13が装着されていると共に推進ジャッキ9にはその推進力を検出するための油圧計14及び該ジャッキのストローク計15が装着されてあり、さらに、ベルトコンベア10の後方にはズリAの高さ(大きさ)を映写するモニターカメラ16が設置されている。これらの電流・電圧計13の数値、油圧計14の圧力値、ストローク計15のストローク長及びモニターカメラ16に写るズリAの高さ等からトンネル掘削機1が掘削している切羽地山T0の性状を推定し得るものであり、例えば、カッタ板3の回転速度が一定である条件下において駆動モータ4の電流値や油圧計14の数値が大きいと硬い地山、小さいと軟らかい地山と判断でき、地山に亀裂があると岩盤が大きな塊状に割れるからズリ高さが大きくなる一方、亀裂がなければ小片状に掘削されてズリ高さが小さくなるので、モニターカメラ16に写しだされるズリAの高さから地山の性状の一つである亀裂の有無を判断することができる。さらに、ストローク計15によって検出されるストローク長から掘進速度が算出され、トンネル掘削機が一定の推進力で掘進中において、その掘進速度が速ければ軟質な地山、遅くなれば硬質の地山と判断することができる。
【0016】
切羽地山T0の性状を推定し得る上記各種の計器の数値データを直接、トンネル掘削機の機内に設置したモニター画面17に表示するように構成しておいてもよいが、本発明の以下の実施例においては、より精度のよい切羽地山T0の性状判定が可能な単位掘削エネルギーまたは後述するように地山の一軸圧縮強度から得られる準岩盤強度のデータをモニター画面17に表示するように構成している。なお、単位掘削エネルギーと準岩盤強度とのデータを共にモニター画面17に表示してもよい。
【0017】
上記単位掘削エネルギーJは、具体的には単位容積の岩盤を掘削するのに要したエネルギーであって、カッター板3で掘削される掘削断面積A(m2)と電流・電圧計13によって検出される電流値I(V) 、電圧値E(A) 、及び、油圧計14で検出される推進力(tf)とストローク計15で検出される掘進速度(m/min)とから次式により求められる。なお、これらの各検出機器による検出出力信号をコンピュータに入力して算出させると共に図化処理して上記モニター画面17に表示させるようにしている。
【0018】
【数1】
Figure 0004017781
上記式において、E:カッタ電圧(V) 、I:カッタ電流(A) 、Ft: 推進力(tf)、R:推進速度(m/min) 、A:掘削断面積(m2)、6.12×10-3: 係数である。
【0019】
モニター画面17には、図2に示すようにトンネル掘削機の掘削距離(m)を横軸に、上記単位掘削エネルギーの数値(tfm/m3)を縦軸にした座標軸が表示されてあり、トンネル掘削機によって一定長のトンネルが掘削される毎にその切羽地山T0の位置、即ち、掘削距離とその掘削距離における単位掘削エネルギーの数値データとの座標を点表示xするように構成している。そして、新たに掘削される切羽地山T0の位置における掘削距離と単位掘削エネルギーの数値データとの座標点xはモニター画面17における一端側(図においては右端側)に表示され、この新たな座標点xの表示によって先に掘削された切羽地山T0の位置に対応した掘削距離と単位掘削エネルギーの数値データとの座標点xは他端方向(図においては左方向)に上記掘削距離に相当した長さだけ移動すると共にこれらの座標点x、x間を直線で結んだ折れ線グラフCとして順次表示するように構成している。この場合、トンネル掘削機の掘進に従って長くなるトンネルの掘削距離を示す数値は横軸上の一端部側に新たに表示される。
【0020】
さらに、モニター画面17には、新たに掘削された切羽位置に相当する掘削距離上にカッタ板を対応させると共にトンネル掘削機の後端部までの長さ、即ち、機長が横軸の掘削距離に対応させてあるトンネル掘削機の模型図Bが図示されてあり、さらに、上記折れ線グラフCによって示された単位掘削エネルギーのデータ値の大小に対応してトンネル掘削壁面Tに施工すべき支保工Eの強度を線図Dとして連続的に表示するようにしている。単位掘削エネルギーの数値は、硬質の岩盤の場合には大きく、軟質の場合には小さくなるので、その数値の大小に対応した強度を有する支保を演算によって算出して上記線図Dとして表示するものであり、図においては、最も硬い岩盤の場合には無支保▲1▼とし、以下、強度の小さい支保から大きい支保まで▲2▼〜▲4▼として表示している。
【0021】
例えば、図2においては、単位掘削エネルギーの数値が3000〜4000tfm/m3の範囲の性状を有する岩質の場合には無支保▲1▼とし、2000〜3000tfm/m3、1000〜2000tfm/m3、0〜1000tfm/m3の各範囲の性状を有する岩質の場合にはそれぞれ上記▲2▼〜▲4▼の支保を用いるものとしており、これらを連続したグラフとするモニター画面17に表示する時にはその種類を一目で明確に判断し得るように、上記単位掘削エネルギーの数値に対応させることなく、モニター画面17の右端に▲1▼〜▲4▼で示すように、上下の位置関係により支保の強弱を表した線図として表示するように構成している。
【0022】
上記支保の強弱のパターンとしては、図1に示すようにリング支保工Eの場合には、▲1▼.無支保、▲2▼.リング支保工を1m間隔毎に設置する、▲3▼.▲2▼+掛矢板を配する、▲4▼.リング支保工Eを0.5 m間隔毎に設置する、▲5▼・▲4▼+掛矢板Fとして区分され、ライナの場合には、▲1▼.無志保、▲2▼.枠のみのライナ、▲3▼.網付ライナとして区分されるが、これらの支保工を適宜に組み合わせて用いてもよく、また、そのパターンは図に示すように4種類に限定されることはない。
【0023】
モニター画面17上に表示された上記トンネル掘削機の模型図Bは、そのカッタ板側の先端面を常に切羽面に相当する位置に対応させているので、他端側に向かって移動することはなく、定位置に固定された状態で表示されており、さらにはトンネル掘削機後部の支保組立位置が切欠き表示bされている。従って、トンネル掘削機によって現在掘削中の切羽地山T0に対して既に掘削されたトンネル掘削壁面までの距離及び該掘削壁面の地山を支保するのに最適な支保の種類及びその支保を組立てるタイミングをモニター画面17を目視するだけで、上記座標点xと支保パターンを示す線図Dから一目で確認することができる。
【0024】
例えば、図2は機長が3mのトンネル掘削機が319 〜320 mの位置まで掘進した状態を示しており、その位置までの掘削距離と該位置における切羽の性状を推定し得るデータ(単位掘削エネルギー)との座標点x0が表示されていると共に既に掘削された地山までの距離とその位置における切羽地山の性状を推定し得るデータとの座標点xが1/3 m間隔毎に順次表示されて折れ線グラフCを形成しており、さらに、それぞれの掘削距離における地山の性状に適する支保の種類は、支保を設置すべき区間長分のデータが揃った時点で模型図Bの前部から中程に達する長さ部分(図においては1m間)にその区間長に対応して表示線d0ーd1として表示されるように構成している。この際、その表示開始点d0からトンネル掘削機のスキンプレート1内の支保組立部(表示点d2として示す)までの間に設置すべき支保のパターン線図は点線で示され、それ以降のトンネル掘削機後方の既に設置された支保のパターン線図は実線で示されるように構成している。
【0025】
そして、トンネル掘削機によって掘削された切羽地山T0の性状を示す座標点xが掘進に従ってモニター画面17上を左端側に向かって移動(スクロール)して支保を設置すべき区間長分(図においては1m)のデータが揃った時点で、上述したように上記支保の種類を示す表示線d0ーd1が現れ、この時点において作業員がモニター画面17からその支保の種類を確認して該表示線d0ーd1がトンネル掘削機の掘進に従ってスキンプレート1における支保組立部の位置に達するまでに、該表示線d0ーd1で示された種類の支保を支保組立部にまで搬送して組立の準備を行う。なお、支保パターン表示は上記のような点線や実線等の表示態様に限らず、色分け或いは点表示等、様々な形態のものを用いることができる。
【0026】
なお、図2に示すモニター画面17上の縦軸、横軸はそれぞれ拡大、縮小が可能であり、横軸を拡大して該横軸の長さ、即ち、掘削距離の表示区間長をトンネル掘削機の機長と同じにすれば、横軸の左端がトンネル掘削機の後端部位置として表示されることになるので、この場合には図2に示したような模型図Bは必ずしも必要ではない。また、支保組立位置の表示は、上記のような切欠表示bに限らず、色分け、線による区画等、様々な形態で表示することができる。
【0027】
次に、上記モニター画面17には、上述したようにトンネル掘削機によって掘削されたトンネル掘削壁面(切羽地山T0)が該トンネル掘削機の掘進に従って機体のどの位置に達しているのかを簡単に目視することができるので、トンネル掘削機の掘進制御に用いることができる。即ち、トンネル掘削機は、掘進時には左右のリアグリッパ8、8を伸長させることによりトンネル掘削壁面Tに圧着させてトンネル掘削機の推進時の反力をとる一方、トンネル掘削壁面Tに対するフロントグリッパ6の圧着を緩めたのち、推進ジャッキ9を伸長させることにより行われるが、この時、リアグリッパ8の位置及びこのリアグリッパ8を受止するトンネル掘削壁面部分の地山の性状を予めモニター画面17から上記同様にして座標点xから認識することができるで、そのトンネル掘削壁面部が硬度の高い場合にはリアグリッパ8を直接、該トンネル掘削壁面部に押し付けて推進反力をとる。
【0028】
一方、トンネル掘削壁面部が崩壊性の地山の場合にはそのトンネル掘削壁面部がトンネル掘削機の掘進に従ってリアグリッパ8の位置まで達する間に金網等の介在部材を準備しておき、その部材をトンネル掘削壁面に当てがって地山の崩壊を防止しながらリアグリッパ8を該部材を介してトンネル掘削壁面部に押し付けることにより推進反力をとる。また、トンネル掘削壁面部がリアグリッパ8を押し付けるとその押し付け方向に変形して所要のグリッパ反力が得られない軟弱な地山の場合には、その性状を上記モニター画面17に表示された該トンネル掘削壁面部の座標点xから認識して該座標点がリアグリッパ8に達するまでにリアグリッパ8から推進ジャッキ9に切り換えるべきかどうかの判断と共に切り換える場合には推進ジャッキ9の動作チェックと共に支保の補強等を行い、推進ジャッキ9を伸長させて既に設置された支保の前端面に押し付けることにより反力をとりながらトンネル掘削機を推進させるものである。
【0029】
なお、切羽地山T0の性状を推定し得るデータとして、上記実施例においては単位掘削エネルギーを採用しているが、上述したように別なデータ、例えば、図3に示すような準岩盤強度σ(kgf/cm2)のデータをモニター画面17に掘削距離と共に表示するようにしてもよい。
【0030】
一般に、トンネル掘削機においてカッタ板による切羽地山T0のカッタ切込量は地山の一軸圧縮強度σc(kgf/cm2)やトンネル掘削機の性能(カッタ刃の仕様や数、ピッチ)により決定され、この切込量と一軸圧縮強度との関係は図3に示す曲線で表されることは理論的にも実験的にも実証されている。この図から明らかなように、カッタ切込量Pe(cm/rev)は、軟岩領域ではカッタヘッドのトルクに、硬岩領域ではトンネル掘削機のスラスト力により支配され、それぞれの領域によって切込量が決定される。なお、切羽地山のカッタ切込量とトンネル掘削機の掘進速度とは正比例関係にある。
【0031】
そして、本発明において採用する掘削地山の性状を判断するための上記準岩盤強度としては、予め、掘削すべき岩盤の一軸圧縮強度を測定しておき、この一軸圧縮強度とカッタ切込量との関係を図1に示すように解析ソフトとして用いてコンピュータに入力しておくことによりトンネル掘削機によって掘削される切羽地山の性状を決定して上記単位掘削エネルギーの時と同様に掘削距離と共にモニター画面17に点座標として順次、表示していくものである。
【0032】
なお、岩盤(地山)の性状を推定し得るデータとしては上記実施例に限らず、図4に示すように(a).トンネル掘削機から直接計測可能な推進力やカッタ電流、推進速度と、(b).トンネル掘削機から直接計測されるデータを演算処理して得られる上記単位掘削エネルギーや準岩盤強度などのデータと、(c).地山を目視、観測することによって得られるズリ高さや支保パターン等のデータがあり、これらのデータの1つ又は2つ以上の組み合わせたデータと掘削距離との関係を上記モニター画面17に表示させるようにすれば本発明を満足させることができる。又、目視、観測された支保パターンの用い方としては、掘削初期において図2における支保パターンの表示を、トンネル掘削機後方に露出した掘削壁面の目視、観察により選択、設置された支保パターンとし、これと上記の地山の性状を推定し得るデータとを比較し、その相関関係から、上記データの値または傾向に対応する支保パターンを定めておき、そして、この後の掘削において上記データから支保パターンを選択するようにするものである。これにより、実際の地山に即した制度の高い地山の性状の把握が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】地山の性状表示方法を説明するためのトンネル掘削機の簡略縦断側面図、
【図2】掘削距離と掘削された地山の性状との関係を表示したモニター画面の平面図、
【図3】カッタ切込量と地山強度との関係を示す曲線図、
【図4】地山の性状を推定し得る各種のデータを表示したブロック線図。
【符号の説明】
1 スキンプレート
3 カッタ板
17 モニター画面
B トンネル掘削機の模型図
T トンネル掘削壁面
T0 切羽地山
x 座標点

Claims (2)

  1. トンネル掘削機の掘削距離を横軸に、トンネル掘削機により掘削された切羽地山の性状を推定し得るデータを縦軸にした座標軸を表示しているモニター画面の一端側に、切羽地山の位置における掘削距離と上記データとの座標を点表示すると共に、上記切羽地山の位置における掘削距離上にカッタ板を対応させ且つ機長を上記横軸の掘削距離に対応させたトンネル掘削機の模型図をモニター画面に表示してあり、トンネル掘削機によって一定長のトンネルが掘削される毎に点表示される各切羽地山の掘削距離とデータとの座標の表示点をトンネルの掘進に従ってモニター画面上を上記トンネル掘削機の模型図におけるカッタ板側から他端側に向かって順次移動させて連続的に表示することにより、目視することができないトンネル掘削機の機長間における掘削壁面の性状およびその傾向を確認することを特徴とするトンネル掘削地山の性状表示方法。
  2. 上記データにより決定される掘削壁面に設置すべき支保の種類及び位置を該位置に対応する上記モニター画面の掘削距離軸上に表示させることを特徴とする請求項1に記載のトンネル掘削地山の性状表示方法。
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