JP4087109B2 - 掘削対象物の強度評価方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネルを構築するに際して、掘削対象物である地山の圧縮強度を安全に且つ能率よく正確に判断することができる掘削対象物の強度評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
岩盤を自由断面掘削機によって掘削してトンネルを構築する場合、掘削したトンネル壁面の肌落ちや崩壊を防止すると共に作業員の安全を確保するためにトンネルの支保を行っている。このトンネルの支保は、岩盤の性状評価に応じて設定する。この岩盤の性状評価は作業員等の測定者がハンマーによる地山の打撃や風化変質度、割れ目の間隔、状態、方向、湧き水の有無等の観察項目に基いて、掘削により露出した地山の性状を人為的に観察して決めており、このような評価項目毎にそれぞれ点数化し、これらを合わせて総合的な評価点とし、この評価点により地山の安定度を表わしている。
【0003】
一方、トンネルの支保には、吹付けコンクリートの打設やリング支保、ロックボルトの打設等があり、上記の人為的に観察して決めた岩盤の性状評価点に基づいて最適な支保手段を選択している。なお、この岩盤の性状評価点において、最も重要となる地山の評価項目は岩盤の圧縮強度である。この圧縮強度の判断は、通常は上述したように地山をハンマーによって打撃することや観察によって行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような判断方法では、熟練した測定者の経験と勘に頼らざるをえず、経験の浅い測定者では正確な判断を行うことができない上に、測定者により個人差が生じることになる。また、その作業はトンネル内で露出した掘削壁面に対して行うものであるから、岩盤が崩壊する虞れがあって危険性を伴うという問題点がある。
【0005】
測定者による観察以外の地山の性状評価方法としては、自由断面掘削機の掘削位置、掘削モータの負荷、地山へのカッタヘッドの押付力等の掘削データを分析して地山を評価する方法がある。これらの掘削データのうち、地山の性状を表すデータは切削モータの負荷とカッタヘッドの押付力であると考えられるが、過去のデータ分析では地山の性状とこれらのデータとの間には明確な相関関係が認められていないのが現状である。また、圧縮強度を正確に求める方法としては、地山から供試体を採取してその供試体に強度試験を実施するという方法があるが、この方法では地山の性状判断に著しい時間と手間を要し、トンネルの施工作業工程に遅れを生じるという問題点がある。
【0006】
このような問題点を解消するために、本願出願人等は、自由断面掘削機に加速度計を取り付けて掘削時のブームの振動を計測し、この振動データから地山の性状を評価する方法を開発した(特願2001-194352 )。
【0007】
この地山の性状評価方法は、上記加速度計によって検出されるブームの振動(最大振幅値)と測定者がハンマー等によって人為的に観察、評価した圧縮強度評価点(段階評価)とを比較したところ、図10に示すように、ブームの振動の最大振幅値と圧縮強度評価点との間には高い相関関係が認められたので、この相関関係によって性状評価を行う方法である。
【0008】
即ち、図10は横軸に坑口からのトンネル掘削距離程をとり、縦軸に圧縮強度評価点とブームの最大振幅値をとって一定長さのトンネルを掘削する毎に、その岩盤(切羽地盤)の圧縮強度評価点と最大振幅値を求めた結果を示すグラフであって、圧縮強度評価点とブームの最大振幅値とは互いに比例する関係が認められた。
【0009】
圧縮強度評価点とブームの最大振幅値とがこのような相関関係を有していることから、予め、ブームの最大振幅値からその最大振幅値に対応する圧縮強度評価点を求める換算式を回帰分析により求めて、この換算式から最大振幅値と圧縮強度評価点との関係をグラフとして表示すると、図11に示すように最大振幅値と圧縮強度評価点とが互いにその数値が直線的に比例する線図が得られる。
【0010】
従って、自由断面掘削機によりトンネルを掘削する際に、そのカッタヘッドを地山(岩盤)に一定の押付力でもって押し付けながら掘削する時に発生するブームの最大振幅値を加速度変換器によって計測してその計測値から圧縮強度評価点を上記換算式によりリアルタイムで換算することにより、上記グラフから地山の性状を評価することができ、この評価値に応じた支保手段を選択して該掘削部分にトンネルの支保を施工することができるというものである。
【0011】
このように、自由断面掘削機の掘削時における計測データから掘削すべき地山の圧縮強度を評価するので、測定者が露出した掘削地山に近づく必要もなく且つ施工サイクルを中断することもなく、安全に且つ効率的に地山の評価を行うことができ、さらに、計測データから決められた上記換算式によって地山の圧縮強度評価点に換算するので、定量的に且つ客観的に掘削すべき地山の性状を評価することができる。また、掘削サイクル毎に地山を評価できるから、トンネル軸方向の地山を連続的に評価しながらその評価値に応じたトンネルの支保を能率よく施工することができるという利点を有する。
【0012】
しかしながら、ブーム自体の振動の振幅値は、一般的には上記のように岩盤の硬さに比例して変動することになるが、岩盤の圧縮強度が大きくなると、掘削手段のビットの尖端が岩盤の表面上をスリップしながら切削する状態となってブームの振動の振幅値が逆に減少する傾向が生じ、そのため、ブームの振動の平均振幅値のみから岩盤の圧縮強度を推定することは困難となる事態が発生する。
【0013】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、トンネル等を構築するに際して、掘削対象物の強度を簡単且つ正確に推定、評価することができる掘削対象物の強度評価方法を提供するにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の掘削対象物の強度評価方法は、請求項1に記載したように、自由断面掘削機のブームの先端に設けている掘削手段を掘削対象物に押し付けてこの掘削対象物を掘削する際に、掘削時における該ブームの振動を計測してこの計測値より算出した平均振幅値を掘削速度で除した値から掘削対象物の圧縮強度を算出することを特徴としている。
【0015】
さらに、上記掘削対象物の強度評価方法において、上記ブームの振動の平均振幅値を掘削速度で除した値を対数に置換し、この対数から掘削対象物の圧縮強度を算出することを特徴とするものである。
【0016】
【作用】
自由断面掘削機のブームの先端に装着している掘削手段を掘削すべき対象物に一定の押付力でもって押し付けてこの対象物を掘削すると、掘削対象物の圧縮強度が大きくなるほど、掘削対象物に対する掘削手段の切削ビットの作用力が減少し、掘削手段の駆動モータの電流値が減少すると共に切り込み深さが小さくなって切削時間が増加し、掘削速度が減少する。
【0017】
また、掘削手段によって掘削対象物を掘削すると自由断面掘削機のブーム自体が振動し、その平均振幅値は一般的には掘削対象物の硬さに比例して変動することになるが、岩盤の圧縮強度がある値以上になると、上述したように掘削手段のビットの尖端が岩盤の表面上をスリップしながら切削する状態となって平均振幅値が逆に減少する傾向が生じ、従って、ブームの振動の平均振幅値のみからは岩盤の圧縮強度を推定することは困難となる。
【0018】
一方、ビットによる掘削効率は上述したように、掘削対象物の圧縮強度に比例して掘削速度が減少することになり、従って、上記平均振幅値をこの掘削速度で除した値をとると、この数値は圧縮強度の増大に比例した値となって、この値から掘削対象物の圧縮強度を推定することができる。
【0019】
この場合、掘削対象物の圧縮強度の値が増大するに従って、上記ブームの平均振幅の計測値を掘削速度で除した数値は曲線的に増大することになり、そのためこの数値を対数表として表示することにより直線的に比例した表を得ることができる。従って、この対数表から掘削対象物の性状を評価することができ、この方法をトンネル掘削地山の性状評価方法に適用することにより、トンネルの能率的な掘削と共に掘削地盤の性状に対応したトンネルの支保を簡単且つ正確に設定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、トンネル掘削機は、図1に示すように自由断面掘削機1であって、この自由断面掘削機1は、クローラ台車からなる移動台車2の前端部に、複数本の油圧ジャッキを操作することによって上下左右方向に旋回するブーム3を設けていると共にこのブーム3の先端に掘削手段であるカッタヘッド4を前後方向に進退自在に取付けてなり、上記ブーム3には加速度変換器5が装着されていてこの加速度変換器5によって、カッタヘッド4による掘削時に発生するブーム3の振動を計測するように構成している。
【0021】
さらに、ブーム3には地山(岩盤)に対する上記カッタヘッド4の押付力を検出するテレスコープ型検出器6が装着されている一方、ブーム3を上下方向に旋回させる油圧ジャッキ7にはその上下圧力検出ポート8が、左右方向に旋回させる油圧ジャッキ9には左右旋回圧力検出ポート10がそれぞれ設けられてあり、また、ブーム3の旋回中心部には上下角度検出器11が装着されていると共に、自由断面掘削機1の適所にはカッタヘッド4の駆動モータの電圧、電流を検出する検出器(図示せず)が配設されている。
【0022】
このように構成した自由断面掘削機1によってトンネル地山(岩盤)を掘削することによりその地山の性状を評価する場合、掘削対象物としての地山の圧縮強度は掘削するに従って変動し、この圧縮強度の変動によって一定距離(深さ)まで掘削するに要する時間や掘削中における自由断面掘削機1のブーム3の振動の振幅値も変化することになって、一定の圧縮強度を有する地山を一定の深さまで掘削するに要する掘削時間(掘削速度)を定量的に検出することができない。
【0023】
このため、全体的に一定の圧縮強度を有するブロック形状の掘削対象物を作製し、この掘削対象物を上記自由断面掘削機1によって切削することにより該切削対象物を切削する際の機械データと切削対象物の力学的性質との基礎的な関係を明らかにした。
【0024】
即ち、この切削実験では、切削対象物の切削時の機械データと一軸圧縮強度の力学特性との関係を定量的に把握するため、図2に示すように、幅2m、高さ2m、奥行き1mの大きさを有するモルタル試験体を上記自由断面掘削機1によって切削する実験を行った。モルタル試験体としては圧縮強度が12.8MPa の試験体Aと、圧縮強度が38.5MPa の試験体Bと、圧縮強度が63.3MPa の試験体Cとの3体を作製した。なお、これらの試験体A〜Cはそれぞれ全体的に均一な上記圧縮強度となるようにモルタルによって作製されている。
【0025】
試験体A〜Cを上記自由断面掘削機1のカッタヘッド4に突設している切削ビット4aによって掘削するに際して、掘削中に試験体A〜Cが妄動しないように、反力壁12と反力床13に複数本のPC鋼棒14によって試験体A〜Cを固定した。なお、自由断面掘削機1としては、株式会社三井三池製作所製のブーム掘削機S−65を使用した。
【0026】
この自由断面掘削機1による機械データの計測は、カッタヘッド4の切削ビット4aを試験体A〜Cに押し付けながらカッタヘッド4を回転させてビット4aにより試験体A〜Cを切削する際に生じるカッタヘッド4の駆動モータの電流値と、試験体A〜Cに対するカッタヘッド4の切削ビット4aの押付力と、カッタヘッド4を装着しているブーム3の振動について行ったところ、試験体A〜Cの圧縮強度と駆動モータの電流値との関係については、図3の線図(グラフ)に示すように、試験体A〜Cの圧縮強度が大きくなる程、電流値は小さくなる傾向が見られた。なお、この線図における電流の平均値とは、一定の押付力(14.4KN)でもって各試験体A〜Cを一定の深さに達するまで掘削する間に多数回、測定した電流値の平均である。
【0027】
さらに、上記圧縮強度を有する各試験体A〜Cにカッタヘッド4を上記一定の押付力でもって押し付けながら該カッタヘッド4により試験体A〜Cを一定の深さ(40cm)に達するまで掘削するに要した時間を測定し、これをグラフに表すと図4に示す線図が得られた。この線図から明らかなように、圧縮強度が大きい試験体ほど、掘削(切削)に要する時間が長くなる。特に、圧縮強度が63.3MPa の試験体Cの場合、掘削時間が極めて長くなり、そのため、掘削効率が大きく低下している。また、各試験体A〜Cにカッタヘッド4を上記一定の押付力でもって押し付けながら該カッタヘッド4により試験体A〜Cを一定の深さ(40cm)に達するまで掘削するに費やした駆動モータの消費電力量を計測すると図5の線図に示したようになり、、圧縮強度が63.3MPa の試験体Cが他の試験体A、Bに比くべて極端に大きくなっている。
【0028】
一方、自由断面掘削機1の切削能力は、カッタヘッド4の形状や切削ビット4aの配列及び形状、カッタヘッド4の回転出力と押付力等によって大きく異なる。図6はカッタヘッド4による切削の模式図を示すもので、掘削対象物である上記試験体A〜Cに対する切削ビット4aの切り込み深さは、試験体A〜Cの表面に作用する切削ビットの切削力及び押付力と比例関係にあり、所定の切削深さまで効率的に掘削するためには、十分なカッタヘッド4の回転出力と押付力が必要となるが、圧縮強度が63.3MPa の試験体Cの場合には、この試験体Cの表面硬度が大きいために該試験体Cに対する十分な押付力が得られず、切削ビット4aの尖端がこの試験体Cの表面に対して上下左右方向に滑りながら切削をしていくことになって、カッタヘッド4と試験体Cとの接触面積が拡大し、1つの切削ビット4a当たりの作用力が減少して切り込み深さが小さくなる。このため、カッタヘッド4の駆動モータの出力が試験体Cの掘削に十分に消費されず、上記図3に示すように電流値が小さくなるものと推定される。
【0029】
また、上記試験体A〜Cに一定の押付力でもってカッタヘッド4を押付けながら切削ビット4aによりこれらの試験体A〜Cを一定深さまで掘削した時のブーム3の平均振幅と圧縮強度の関係を求めたところ、図7に示す線図が得られた。この図から明らかなように、圧縮強度が38.5MPa の試験体Bを掘削する時のブーム3の振幅値が最も大きく、63.3MPa の試験体Cを掘削する際の振動は逆に小さくなっている。これは、上述したように、圧縮強度が63.3MPa の試験体Cの表面硬度が硬いために、カッタヘッド4のビット4aが試験体Cに十分に切り込むことなくこの試験体Cの表面を引っ掻くように滑りながら切削するためであると推定される。従って、ブームの振動のみからは掘削対象物の圧縮強度を求めることは困難である。
【0030】
このため、上記試験体A〜Cに一定の押付力でもってカッタヘッド4を押付けながら切削ビット4aによりこれらの試験体A〜Cを一定深さまで掘削した時のブーム3の平均振幅(G)をカッタヘッド4による掘進速度 cm /秒 ) で除した値を求め、この平均振幅/掘進速度を縦軸に、各試験体A〜Cの圧縮強度を横軸にとって両者の関係を求めたところ、図8に示す線図が得られた。
【0031】
この線図から明らかなように、掘削対象物である試験体A〜Cの圧縮強度が小さい時には平均振幅/掘進速度の上昇率が小さいが、圧縮強度が大きくなるに従って平均振幅/掘進速度の上昇率が急激に増大する。そのため、圧縮強度を平均振幅/掘進速度の常用対数、即ち、圧縮強度の値=Log10(平均振幅/掘進速度)に対数変換し、縦軸にLog10(平均振幅/掘進速度)を、横軸に圧縮強度をとったところ図9に示すように、両者は直線的に比例しながら増大する回帰式が得られ、この回帰式を使用することによってブーム4の振動と掘進速度から掘削対象物の圧縮強度を推定、評価することができる。
【0032】
このように、自由断面掘削機1のブーム3の振動の振幅のみからでは掘削対象物の圧縮強度を推定することが困難であるが、ブーム3の振幅を掘進速度で除した値であれば、カッタヘッド4の切削ビット4aによる掘削効率の影響も取り入れた値であり、掘削対象物の圧縮強度を正確に推定、評価することができる。
【0033】
また、ブーム3の振幅を自由断面掘削機1の掘進速度で除することは、掘削対象物を単位長さ分、掘削するに伴って発生する振幅を換算することになり、掘削対象物がトンネル地山(岩盤)であっても上記回帰式をトンネル掘削地山の性状評価方法にそのまま適用することができる。即ち、自由断面掘削機1のブーム3の先端に設けている掘削手段(カッタヘッド4)を岩盤に押し付けて岩盤を掘削する際に、掘削時における該ブーム3の振動を計測してこの計測値より算出した平均振幅値を掘削速度で除した値から岩盤の圧縮強度を算出するトンネル掘削地山の性状評価方法として実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明の掘削対象物の強度評価方法によれば、ブームの先端に設けている掘削手段を掘削対象物に押し付けてこの掘削対象物を掘削する際に、掘削時における該ブームの振動を計測してこの計測値より算出した平均振幅値を掘削速度で除した値から掘削対象物の圧縮強度を算出することを特徴とするものであるから、自由断面掘削機のブームの振動の平均振幅値のみからでは掘削手段の掘削効率の影響によって掘削対象物の圧縮強度を正確に推定することが困難であるが、ブームの平均振幅値を掘削手段の掘削効率の影響も取り入れた掘進速度で除した値から掘削対象物の圧縮強度を算出するので、掘削対象物の圧縮強度を正確に推定、評価することができる。
【0035】
さらに、この掘削対象物の強度評価方法を自由断面掘削機によるトンネルの掘削に適用することによって、一定長のトンネルの掘削時に計測されるブームの振動の平均振幅値と掘進速度とからそのトンネル部分の圧縮強度を定量的に且つ客観的に推定、評価することができ、トンネルを能率良く掘削することができると共に掘削地盤の性状に対応したトンネルの支保をその掘削壁面に組立てることができる。
【0036】
又、上記ブームの振動の平均振幅値を掘削速度で除した値を対数に変換し、この対数から掘削対象物の圧縮強度を算出することを特徴とするものであるから、ブームの振動の平均振幅値を掘進速度で除した値と圧縮強度とが直線的に比例した対数グラフとして表示することができ、掘削される切羽地盤の圧縮強度を簡単且つ正確に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自由断面掘削機の簡略側面図、
【図2】掘削対象物を掘削している状態の簡略側面図、
【図3】電流平均値と圧縮強度との関係を示す線図、
【図4】掘削時間と圧縮強度との関係を示す線図、
【図5】消費電力量と圧縮強度との関係を示す線図、
【図6】切削ビットによる掘削対象物の切削模式図、
【図7】平均振幅と圧縮強度との関係を示す線図、
【図8】平均振幅/掘削速度と圧縮強度との関係を示す線図、
【図9】図8を対数に変換した線図、
【図10】ブームの最大振幅値と圧縮強度評価点との関係を示す線図、
【図11】換算式から作成した最大振幅値と圧縮強度評価点との関係を示す線図。
【符号の説明】
1 自由断面掘削機
3 ブーム
4 カッタヘッド
4a 切削ビット
5 加速度変換器
6 押付力検出器
A〜C 掘削対象物

Claims (1)

  1. 移動台車の前端部に上下左右方向に旋回するブームを設けていると共にこのブームの先端にカッタヘッドを取付けてなる自由断面掘削機によって上記カッタヘッドを掘削対象物に押し付けながらこの掘削対象物を掘削する際に、掘削時における該ブームの振動を計測してこの計測値より算出した平均振幅値を掘削速度で除した値を対数に変換し、この対数から掘削対象物の圧縮強度を算出することを特徴とする掘削対象物の強度評価方法。
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