JP3447544B2 - 切羽岩盤状況判定方法および切羽岩盤状況判定装置 - Google Patents

切羽岩盤状況判定方法および切羽岩盤状況判定装置

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JP3447544B2
JP3447544B2 JP2321198A JP2321198A JP3447544B2 JP 3447544 B2 JP3447544 B2 JP 3447544B2 JP 2321198 A JP2321198 A JP 2321198A JP 2321198 A JP2321198 A JP 2321198A JP 3447544 B2 JP3447544 B2 JP 3447544B2
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excavated
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隆義 中山
康英 背野
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昭治 井上
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Okumura Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トンネル掘削機
により掘削されたトンネル壁面を保持する支保の選択等
のために切羽岩盤の状況を判定する切羽岩盤状況判定方
法および切羽岩盤状況判定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地山の崩壊が懸念される岩盤での
トンネル築造において、掘削壁面を支保するための外殻
としてのスキンプレートを有するトンネル掘削機(TB
M)を用いている。上記トンネル掘削機によるトンネル
の掘削において、掘削データから的確に切羽岩盤の状況
を判定する方法がなく、トンネル掘削機のテールから現
れた岩盤の亀裂等の状態を目視により確認したり、ハン
マーにより打撃テストしたりして岩盤の状況を判定する
というトンネル岩盤状況判定方法が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記トンネ
ル岩盤状況判定方法では、地山が比較的良質な場合はよ
いが、崩壊性の高い地山の場合は、支保の設置が遅れて
重大な事故につながる危険性がある。また、熟練したト
ンネル掘削機のオペレータが掘削中に掘進データを見
て、ある程度の切羽岩盤の状況を推定できる場合もある
が、定量的な把握はできず、個人差が大きいという欠点
がある。また、実際のトンネル施工では、事前の地質調
査結果によって推定された地質想定図に基づいて、支保
を選択しておき、トンネル掘削機のテールから出てきた
掘削岩盤の観察によって、支保を変更している。この場
合、岩盤状況の判断の遅れにより、硬質地山から軟質地
山に変化したときに支保の設置が遅れると、トンネル掘
削機のテール部から現れた岩盤が崩れ落ちたり、後日崩
壊したりするという問題がある。
【0004】そこで、この発明の目的は、掘進するトン
ネル掘削機の後方に掘削壁面が露出する前に切羽岩盤の
状況を定量的かつ的確に判定でき、適切な支保をすみや
かに選択できる切羽岩盤状況判定方法および切羽岩盤状
況判定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の切羽岩盤状況判定方法は、トンネル掘削
機により岩盤を掘削したときの掘削岩片の大きさを求め
る工程と、上記トンネル掘削機により岩盤を掘削すると
きに要した掘削エネルギーを求める工程と、上記掘削岩
片の大きさと上記掘削エネルギーとに基づいて、切羽岩
盤の状況を判定する工程と、上記掘削岩片の大きさのデ
ータと上記掘削エネルギーのデータとを蓄積する工程と
を有し、上記切羽岩盤の状況を判定する工程において、
蓄積された上記掘削岩片の大きさのデータと上記掘削エ
ネルギーのデータとに基づいて、上記掘削岩片の大きさ
が下しきい値よりも小さいとき、切羽岩盤が硬く崩れに
くいと判定し、上記掘削岩片の大きさが上しきい値より
も大きいとき、切羽岩盤が弱く崩れやすいと判定すると
共に、上記掘削エネルギーが下しきい値エネルギーより
も小さいとき、切羽岩盤が軟らかいと判定し、上記掘削
エネルギーに増加傾向または減少傾向があるとき、層変
わりと判定すると共に、さらに、上記切羽岩盤の状況を
判定する工程において、蓄積された上記掘削岩片の大き
さのデータと上記掘削エネルギーのデータとに基づい
て、上記掘削エネルギーに増減傾向がなく、かつ、上記
掘削岩片の大きさが上記上しきい値よりも大きく、か
つ、上記掘削エネルギーが上記下しきい値エネルギーよ
りも小さいとき、亀裂が多いと判定し、上記掘削エネル
ギーに増減傾向がなく、かつ、上記掘削岩片の大きさが
上記上しきい値よりも大きく、かつ、上記掘削エネルギ
ーが上記上しきい値エネルギーよりも大きいとき、断層
または部分的な弱層があると判定すると共に、上記掘削
エネルギーが増加傾向にあり、かつ、上記掘削岩片の大
きさが上記上しきい値よりも大きいとき、弱層から強層
への層変わりであると判定し、上記掘削エネルギーが減
少傾向にあり、かつ、上記掘削岩片の大きさが上記上し
きい値よりも大きいとき、強層から弱層への層変わりで
あると判定することを特徴としている。
【0006】上記請求項1の切羽岩盤状況判定方法によ
れば、上記切羽岩盤が弱くて崩れ安いか強くて崩れにく
いかが上記掘削岩片の大きさの大小として現れ、また、
切羽岩盤の硬軟や層変わりが上記掘削エネルギーの大小
や増減として現れる。したがって、上記トンネル掘削機
により岩盤を掘削したときの掘削岩片の大きさを求める
と共に、トンネル掘削機により岩盤を掘削するときに要
した掘削エネルギーを求めて、その掘削岩片の大きさと
トンネル掘削機が掘削するのに要した掘削エネルギーと
に基づいて、切羽岩盤の状況を判定することによって、
切羽岩盤が軟らかいか硬いか、弱くて崩れやすいか強く
て崩れにくいか等を的確に判断して、掘進するトンネル
掘削機の後方に掘削壁面が露出する前に切羽岩盤の状況
をリアルタイムで定量的かつ的確に判定できる。この場
合、数値を使用した定量的な判定方法であるので、判定
結果に個人差が生じない。また、支保の変更に対して定
量的な判断材料が提供でき、合理的なトンネル施工がで
きる。また、トンネル掘削機を用いてパイロットトンネ
ルを掘削する場合、人手により岩盤観察記録を作成する
のに比べて、数値データとして記録でき、グラフ等を活
用して視覚的な岩盤記録を容易に作成できる
【0007】また、上記蓄積された掘削岩片の大きさが
下しきい値よりも小さいときは、岩質が新鮮(過去に断
層などによる変成作用を余り受けていないこと)で掘削
岩片は小さく扁平になっている場合であるから、硬く崩
れにくい切羽岩盤であると判定する。また、上記蓄積さ
れた掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大きいとき
は、掘削岩片がトンネル掘削機のカッタによって破砕さ
れずにそのまま取り込まれる場合であり、弱層部に比較
的硬い岩塊が点在する場合や岩盤が大きな塊として割れ
やすい場合であるから、弱く崩れやすい切羽岩盤である
と判定する。また、上記掘削蓄積されたエネルギーが下
しきい値エネルギーよりも小さいときは、岩質が軟らか
い切羽岩盤であると判定する。さらに、層変わりの地山
を掘削する場合は地山の強さが変化しても、オペレータ
はしばらくは同じように掘削し、層変わりの影響がその
まま掘削エネルギーの変化として現れるので、上記蓄積
された掘削エネルギーに増加傾向または減少傾向がある
ときは、層変わりの切羽岩盤であると判定する。したが
って、切羽岩盤の状況を詳しく判定できる
【0008】さらに、蓄積された掘削エネルギーに増減
傾向がなく、掘削エネルギーが下しきい値エネルギーよ
りも小さい場合は地山が弱く、さらに、蓄積された掘削
岩片の大きさが上しきい値よりも大きい場合は大きな岩
塊が崩れ落ちてきているので、亀裂が多い崩れやすい切
羽岩盤であると判定する。また、上記蓄積された掘削エ
ネルギーに増減傾向がなく、掘削エネルギーが上しきい
値エネルギーよりも大きくて地山が強いにもかかわら
ず、掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大きく大きな
岩が崩れ落ちてきている場合には、断層または部分的な
弱層を有する切羽岩盤であると判定する。また、上記蓄
積された掘削エネルギーが増加傾向にあり、しかも、掘
削岩片の大きさが上しきい値よりも大きく大きな岩が崩
れ落ちてきている場合には、弱層から強層への層変わり
の切羽岩盤であると判定する。また、上記蓄積された掘
削エネルギーが減少傾向にあり、しかも、掘削岩片の大
きさが上しきい値よりも大きく大きな岩が崩れ落ちてき
ている場合には、強層から弱層への層変わりの切羽岩盤
であると判定する。したがって、蓄積された掘削エネル
ギーのデータの増減傾向を考慮して、切羽岩盤の状況を
より詳しく判定できる。
【0009】また、請求項の切羽岩盤状況判定装置
は、トンネル掘削機により岩盤を掘削したときの掘削岩
片の大きさを求める掘削岩片測定部と、上記トンネル掘
削機により岩盤を掘削するときに要した掘削エネルギー
を求める掘削エネルギー算出部と、上記掘削岩片測定部
により求められた掘削岩片の大きさと上記掘削エネルギ
ー算出部により求められた掘削エネルギーとに基づい
て、切羽岩盤の状況を判定する切羽岩盤状況判定部と
上記掘削岩片測定部により測定された上記掘削岩片の大
きさのデータと上記掘削エネルギー算出部により算出さ
れた上記掘削エネルギーのデータとを蓄積するデータ蓄
積部とを備え、上記切羽岩盤状況判定部は、上記データ
蓄積部により蓄積された上記掘削岩片の大きさのデータ
と上記掘削エネルギーのデータとに基づいて、上記掘削
岩片の大きさが下しきい値よりも小さいとき、切羽岩盤
が硬く崩れにくいと判定し、上記掘削岩片の大きさが上
しきい値よりも大きいとき、切羽岩盤が弱く崩れやすい
と判定すると共に、上記掘削エ ネルギーが下しきい値エ
ネルギーよりも小さいとき、切羽岩盤が軟らかいと判定
し、上記掘削エネルギーに増加傾向または減少傾向があ
るとき、層変わりと判定すると共に、さらに、上記切羽
岩盤状況判定部は、上記データ蓄積部により蓄積された
上記掘削岩片の大きさのデータと上記掘削エネルギーの
データとに基づいて、上記掘削エネルギーに増減傾向が
なく、かつ、上記掘削岩片の大きさが上記上しきい値よ
りも大きく、かつ、上記掘削エネルギーが上記下しきい
値エネルギーよりも小さいとき、亀裂が多いと判定し、
上記掘削エネルギーに増減傾向がなく、かつ、上記掘削
岩片の大きさが上記上しきい値よりも大きく、かつ、上
記掘削エネルギーが上記上しきい値エネルギーよりも大
きいとき、断層または部分的な弱層があると判定すると
共に、上記掘削エネルギーが増加傾向にあり、かつ、上
記掘削岩片の大きさが上記上しきい値よりも大きいと
き、弱層から強層への層変わりであると判定し、上記掘
削エネルギーが減少傾向にあり、かつ、上記掘削岩片の
大きさが上記上しきい値よりも大きいとき、強層から弱
層への層変わりであると判定することを特徴としてい
る。
【0010】上記請求項の切羽岩盤状況判定装置によ
れば、上記切羽岩盤が弱くて崩れ安いか強くて崩れにく
いかが上記掘削岩片の大きさの大小として現れ、また、
切羽岩盤の硬軟や層変わりが上記掘削エネルギーの大小
や増減として現れる。したがって、上記掘削岩片測定部
によりトンネル掘削機で岩盤を掘削したときの掘削岩片
の大きさを測定すると共に、上記掘削エネルギー算出部
によりトンネル掘削機で岩盤を掘削するときに要した掘
削エネルギーを算出して、その掘削岩片の大きさとトン
ネル掘削機が掘削するのに要した掘削エネルギーとに基
づいて、上記切羽岩盤状況判定部により切羽岩盤の状況
を判定することによって、切羽岩盤が軟らかいか硬い
か、弱くて崩れやすいか強くて崩れにくいか等を的確に
判断でき、掘進するトンネル掘削機の後方に掘削壁面が
露出する前に切羽岩盤の状況をリアルタイムで定量的か
つ的確に判定できる。この場合、数値を使用した定量的
な判定方法であるので、判定結果に個人差が生じない。
また、支保の変更に対して定量的な判断材料が提供で
き、合理的なトンネル施工ができる。また、トンネル掘
削機を用いてパイロットトンネルを掘削する場合、人手
により岩盤観察記録を作成するのに比べて、数値データ
として記録でき、グラフ等を活用して視覚的な岩盤記録
を容易に作成できる
【0011】また、上記切羽岩盤状況判定部は、蓄積さ
れた掘削岩片の大きさが下しきい値よりも小さいとき
は、岩質が新鮮で掘削岩片は小さく扁平になっている場
合であるから、硬く崩れにくい切羽岩盤であると判定す
る。また、上記切羽岩盤状況判定部は、蓄積された掘削
岩片の大きさが上しきい値よりも大きいときは、掘削岩
片がトンネル掘削機のカッタによって破砕されずにその
まま取り込まれる場合であり、弱層部に比較的硬い岩塊
が点在する場合や岩盤が大きな塊として割れやすい場合
であるから、弱く崩れやすい切羽岩盤であると判定す
る。また、上記切羽岩盤状況判定部は、蓄積された掘削
エネルギーが下しきい値エネルギーよりも小さいとき
は、岩質が軟らかい切羽岩盤であると判定する。さら
に、上記切羽岩盤状況判定部は、層変わりの地山を掘削
する場合は地山の強さが変化しても、オペレータはしば
らくは同じように掘削し、層変わりの影響がそのまま掘
削エネルギーの変化として現れるので、上記蓄積された
掘削エネルギーに増加傾向または減少傾向があるとき
は、層変わりの切羽岩盤であると判定する
【0012】さらに、上記切羽岩盤状況判定部は、上記
データ蓄積部により蓄積された掘削エネルギーに増減傾
向がなく、掘削エネルギーが下しきい値エネルギーより
も小さい場合は地山が弱く、さらに、上記データ蓄積部
により蓄積された掘削岩片の大きさが上しきい値よりも
大きい場合は大きな岩が崩れ落ちてきているので、亀裂
が多く崩れやすい切羽岩盤であると判定する。また、上
記切羽岩盤状況判定部は、蓄積された掘削エネルギーに
増減傾向がなく、掘削エネルギーが上しきい値エネルギ
ーよりも大きくて地山が強いにもかかわらず、掘削岩片
の大きさが上しきい値よりも大きく大きな岩が崩れ落ち
てきている場合には、断層または部分的な弱層を有する
切羽岩盤であると判定する。また、上記切羽岩盤状況判
定部は、蓄積された掘削エネルギーが増加傾向にあり、
しかも、掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大きく大
きな岩が崩れ落ちてきている場合には、弱層から強層へ
の層変わりの切羽岩盤であると判定する。また、上記切
羽岩盤状況判定部は、蓄積された掘削エネルギーが減少
傾向にあり、しかも、掘削岩片の大きさが上しきい値よ
りも大きく大きな岩が崩れ落ちてきている場合には、強
層から弱層への層変わりの切羽岩盤であると判定する。
したがって、蓄積された掘削エネルギーのデータの増減
傾向を考慮して、切羽岩盤の状況をより詳しく判定でき
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の切羽岩盤状況判
定方法および切羽岩盤状況判定装置を図示の実施の形態
により詳細に説明する。
【0014】図1はこの発明の実施の一形態の切羽岩盤
状況判定方法および切羽岩盤状況判定装置が用いられた
トンネル掘削機の断面図であり、1は前面に複数のロー
ラカッタ10が取り付けられた円形状のカッタ板、2は
上記カッタ板1の後方に配置され、上方と下方に出没す
るフロントグリッパ、3は上記フロントグリッパ2の後
面側に配置された円形状の隔壁、4は上記隔壁3に一端
が固定された円筒形状のスキンプレートである。
【0015】また、5は上記隔壁3に固定され、上記カ
ッタ板1を回転駆動するモータ、6は上記隔壁3に一端
が固定され、スキンプレート4よりも後方に向かって延
びるビーム体、7は上記ビーム体6に前後方向に摺動自
在に支持された摺動枠、8は上記摺動枠7に一端が固定
され、他端が隔壁3に固定された推進ジャッキ、9は上
記摺動枠7に取り付けられ、両側方に水平方向に出没す
るリアグリッパである。また、11は上記ビーム体6の
略中央に固定されたベルトコンベア支持枠、12は上記
ベルトコンベア支持枠11によって略中央が支持され、
カッタ板1側から後方に掘削ずりを搬出するベルトコン
ベアである。また、上記トンネル掘削機は、上記モータ
5の電流を計測する電流計31と、上記推進ジャッキ8
の油圧を計測する油圧計32と、上記推進ジャッキ8の
ストロークを計測するストローク計33と、上記ベルト
コンベア12により搬送されるズリ(掘削岩片)を写すモ
ニタカメラ34とを備えている。
【0016】図1において、上記トンネル掘削機は、リ
アグリッパ9を掘削壁面20に向けて水平方向に突出さ
せて、摺動枠7を掘削壁面20に固定する。そうして、
上記推進ジャッキ8を延ばすと、推進ジャッキ8の一端
が固定された隔壁3が前方に押されて、カッタ板1が前
方に押され、モータ5によりカッタ板1を回転させるこ
とによって、前方の岩盤を掘削する。そして、所定距離
掘削すると、推進ジャッキ8を延ばすのを止め、フロン
トグリッパ2を掘削壁面20に突出させ、リアグリッパ
9を内側に没入させる。次に、推進ジャッキ8を縮める
と、摺動枠7がリアグリッパ9と共に前方に移動する。
次に、上記リアグリッパ9を突出させて、フロントグリ
ッパ2を没入させた後、推進ジャッキ8を延ばして、モ
ータ5によりカッタ板1を回転させることによって、前
方の岩盤を掘削する。このように、上記フロントグリッ
パ2とリアグリッパ9を交互に出没させながら、推進ジ
ャッキ8によって、トンネル掘削機を掘進させる。
【0017】また、図2は上記トンネル掘削機に用いら
れる切羽岩盤状況判定装置のブロック図を示しており、
この切羽岩盤状況判定装置は、上記電流計31からのモ
ータ5の電流を表す信号を受けて、カッタ電流Iを測定
するカッタ電流測定部41と、上記油圧計32からの推
進ジャッキ8の油圧を表す信号を受けて、推進ジャッキ
8の推力Ftを測定する推力測定部42と、上記ストロ
ーク計33からの推進ジャッキ8のストロークを表す信
号を受けて、カッタ板1の推進速度Rを算出する推進速
度算出部43と、上記カッタ電流測定部41からのカッ
タ電流Iを表す信号と推力測定部42からの推力Ftを
表す信号および推進速度算出部43からの推進速度Rを
表す信号を受けて、地山を掘削するときの単位体積当た
りの掘削に要した単位掘削エネルギーJeを算出する単
位掘削エネルギー算出部44とを備えている。
【0018】また、上記切羽岩盤状況判定装置は、スト
ローク計33からの推進ジャッキ8のストロークを表す
信号を受けて、カッタ板1の推進長さを算出する推進長
さ算出部45と、上記モニタカメラ34からの画像信号
を受けて、その画像を処理する画像処理装置46と、上
記画像処理装置46からの処理結果を表す信号を受け
て、所定掘進長当たりの掘削されたズリの出現個数を計
数するカウント部47と、上記カウント部47からのズ
リの出現個数を表す信号および推進長さ算出部45から
のカッタ板1の推進長さを表す信号を受けて、後述する
平均ズリ高さZhを算出する平均ズリ高さ算出部48
と、上記平均ズリ高さZhと単位掘削エネルギーJeとを
蓄積するデータ蓄積部49と、上記単位掘削エネルギー
算出部44からの単位掘削エネルギーJeと上記平均ズ
リ高さ算出部48からの平均ズリ高さZhとに基づい
て、切羽岩盤の状況を判定する切羽岩盤状況判定部50
と、上記切羽岩盤状況判定部50の判定結果に基づい
て、支保を選択する支保選択部51とを備えている。な
お、上記切羽岩盤状況判定装置には、画像処理装置46
からの画像信号を受けて、その画像を表示するモニタテ
レビ30を備えている。
【0019】上記ストローク計33,推進長さ算出部4
5,モニタカメラ34,画像処理装置46,カウント部4
7および平均ズリ高さ算出部48で掘削岩片測定部を構
成している。また、上記電流計31,油圧計32,ストロ
ーク計33,カッタ電流測定部41,推力測定部42,推
進速度算出部43および単位掘削エネルギー算出部44
で掘削エネルギー算出部を構成している。上記ストロー
ク計33は掘削岩片測定部と掘削エネルギー算出部によ
り併用される。
【0020】図3は上記トンネル掘削機のズリ高さを判
定する要部の概略図を示している。図3に示すように、
上記トンネル掘削機のローラカッタ10により掘削され
たズリ(掘削岩片)は、ベルトコンベア12により後方に
運搬されて、ベルトコンベア12の最後尾で図示しない
運搬車内に落下する。この落下直前のベルトコンベア1
2上のズリの状況を前方かつ斜め上向きに向かってモニ
タカメラ34により写して、そのモニタカメラ34から
の画像を画像処理装置46により画像処理する。上記画
像処理装置46からの画像信号を受けて、モニタテレビ
30は、モニタカメラ34からの画像を表示すると共
に、ベルトコンベア12上のズリの高さを4段階に判定
するセンサマーカーを表示している。
【0021】図4は上記切羽岩盤状況判定装置の処理を
示すフローチャートであり、以下、図4に従って切羽岩
盤の状況を判定する処理を説明する。
【0022】まず、処理がスタートすると、ステップS
1で1ストロークが終了したか否かを判定して、1スト
ロークが終了したと判定すると、ステップS2に進み、
1ストロークが終了していない場合は、終了するまでス
テップS1を繰り返す。通常、機長が数mのトンネル掘
削機の場合、推進ジャッキ8の伸び縮みによる1ストロ
ークの掘進で1.0〜1.2m進み、この1ストローク
毎にテール部から現れた掘削壁面に支保を施す。したが
って、実際に掘削された切羽岩盤がトンネル掘削機の先
頭からテール部に現れるまでに数回の掘進が行われ、数
時間の余裕がある。
【0023】次に、ステップS2で平均ズリ高さZhを
算出する。すなわち、上記トンネル掘削機を掘進させな
がら、モニタカメラ34に写された画像を画像処理装置
46により画像処理して、上記ストローク計33により
計測されたストロークより掘進長さ算出部45によって
換算された掘進長さに基づいて、カウント部47により
所定掘進長当たりのズリ(掘削岩片)の出現個数を求め
る。詳しくは、図3のモニタテレビ30に映し出された
センサマーカーに示すように、4段階の範囲に分類した
ズリ高さa〜d毎のズリの個数をカウントし、夫々のカ
ウント数na〜ndと全カウント数Nに基づいて、以下の
出現率A〜Bを夫々算出するのである。この場合、ズリ
高さa〜dは、ズリ径に相当する。
【0024】 そして、上記ズリ高さa〜dと出現率A〜Dに基づい
て、平均ズリ高さ算出部48により平均ズリ高さZh
を、 Zh = (a×A+b×B+c×C+d×D)/100 … (式1) により求める。なお、上記式1にけるズリ高さa〜d
は、ズリ高さの各範囲の中間値としている。
【0025】次に、ステップS3に進み、単位掘削エネ
ルギー算出部44により単位掘削エネルギーJeを算出
する。つまり、上記トンネル掘削機を掘進させながら、
上記電流計31により計測されたモータ5の電流Iと、
モータ5を駆動する電圧Eと、上記油圧計32により計
測された推進ジャッキ8の油圧より換算された推力Ft
および上記ストローク計33により計測されたストロー
クより換算された掘進速度Rに基づいて、単位容積当た
りの掘削に要した単位掘削エネルギーJeを、 Je=(E・I(6.12×10-3)+Ft・R)/(A・R) [tfm/m3] ……… (式2) ただし、E :カッタ電圧 [V] I :カッタ電流 [A] Ft:推力 [tf] R :掘進速度 [m/min] A :掘削断面積 [m2] により求める。
【0026】次に、ステップS4に進み、推進距離に対
して平均ズリ高さZhと単位掘削エネルギーJeの関係を
表すグラフを作成する。例えば、図5に示すように、横
軸を掘進距離(任意目盛)とし、縦軸をズリ高さZhおよ
び単位掘削エネルギーJe(任意目盛)として、掘進距離
に対するズリ高さZhおよび単位掘削エネルギーJeをグ
ラフ化する。
【0027】次に、ステップS5に進み、推進距離に対
する平均ズリ高さZhと単位掘削エネルギーJeのグラフ
に基づいて、切羽岩盤状況判定部50により切羽岩盤の
状況の判定を行う。
【0028】この場合、次の基本規則〜および応用
規則〜により判定する。
【0029】[基本規則] 平均ズリ高さZhが下しきい値よりも小さい場合、
岩質が新鮮(過去に岩盤の変成が少ないこと)で硬い。
【0030】 平均ズリ高さZhが上しきい値よりも
大きい場合、崩壊性地山(亀裂が多い、断層がある、層
変わり)である。
【0031】 単位掘削エネルギーJeが下しきい値
エネルギーよりも小さい場合、岩種判定等級が低い(C
L級以下)。
【0032】 単位掘削エネルギーJeが変化してい
る場合、層変わりがある。
【0033】[応用規則] 平均ズリ高さZhが上しきい値よりも大きく、か
つ、単位掘削エネルギーJeが下しきい値エネルギーよ
りも小さく、かつ、単位掘削エネルギーJeに増減傾向
がない場合は、亀裂が多い。
【0034】 平均ズリ高さZhが上しきい値よりも
大きく、かつ、単位掘削エネルギーJeが上しきい値エ
ネルギーよりも大きく、かつ、単位掘削エネルギーJe
に増減傾向がない場合、部分的な弱層または断層があ
る。
【0035】 平均ズリ高さZhが上しきい値よりも
大きく、かつ、単位掘削エネルギーJeが増加傾向であ
る場合、層変わりで弱層から強層に変化している。
【0036】 平均ズリ高さZhが上しきい値よりも
大きく、かつ、単位掘削エネルギーJeが減少傾向であ
る場合、層変わりで強層から弱層に変化している。
【0037】上記単位掘削エネルギーJeはデータがば
らつくことがあるので、増加傾向および減少傾向の判定
する際には、移動平均してからその増減傾向を判定して
もよいし、他の数学的手法を用いて行ってもよい。
【0038】次に、ステップS6に進み、ステップS5
の判定結果に基づいて、支保選択部51により支保の選
択を行う。
【0039】そして、ステップS1に戻り、トンネル掘
削機の1ストローク毎にステップS1〜ステップS6を
繰り返す。
【0040】以下、上記ステップS5の切羽岩盤の状況
の判定について説明する。
【0041】上記基本規則では、トンネル掘削機の機
構から考えると、岩質が新鮮であれば、掘削ズリは小さ
くかつ扁平になる傾向にあり、したがって、ベルトコン
ベア12(図1に示す)上のズリの堆積高さが小さくな
る。
【0042】また、上記基本規則では、ズリ高さはベ
ルトコンベア12上に堆積した掘削岩片の高さを計測す
るので、通常に破砕されたズリであれば、積み重なった
状態で計測される。一方、ズリ高さが大きく計測される
場合は、大きな岩塊のままベルトコンベア12上に載っ
ている場合が多い。したがって、ズリ高さが大きく計測
される場合は、カッタ板1(図1に示す)によって破砕さ
れずに、そのまま取り込まれた岩塊が多いときである。
このよう状態が発生するのは、地山の弱層部に比較的硬
い岩塊が点在している場合や、層変わりで硬質岩盤が大
きな固まりとして割れやすい場合で、トンネル掘削機内
に取り込まれたものである。
【0043】また、上記基本規則では、上記単位掘削
エネルギーJeは、トンネル掘削機の掘進データから計
算されるので、何らかの運転操作の影響が関与するデー
タである。したがって、岩質が硬い場合では、運転操作
によって掘削に要するエネルギーを小さくするような調
整を行う場合もあるので、硬質地山での単位掘削エネル
ギーJeが必ずしも大きいとは限らない。一方、岩質が
軟らかい場合は、単位掘削エネルギーJeを落とすよう
な操作を行う必要がなく、計算された単位掘削エネルギ
ーJeが小さい場合は、岩種判定等級が低いと判断でき
る。
【0044】また、上記基本規則では、トンネル掘削
機のオペレータは、切羽地山の状態を正確に予測できな
いので、層境に達して地山の強さが変化しても、しばら
くは同様の掘削条件で掘削する(例えば、同じ掘削速度
を保つ)。したがって、単位掘削エネルギーJeが順次変
化している場合は、層変わりと判定できる。この単位掘
削エネルギーJeが変化する箇所は、岩盤が塊としてト
ンネル掘削機に取り込まれることが多く、ズリ高さは大
きくなる傾向にある。
【0045】また、上記応用規則では、上記単位掘削
エネルギーJeが下しきい値エネルギーよりも小さい場
合は、地山強さが低い切羽岩盤であり、平均ズリ高Zh
さが上しきい値よりも大きい場合は、多くの岩塊が落ち
てきている状態であり、亀裂が多い地山であると判定で
きる。
【0046】また、上記応用規則では、上記単位掘削
エネルギーJeが上しきい値よりも大きい場合は、切羽
全体の地山強さが高い状態であり、このときにに平均ズ
リ高さZhが上しきい値よりも大きい場合は、切羽に断
層や部分的な弱層がある状態である。
【0047】また、上記応用規則では、平均ズリ高さ
Zhが上しきい値よりも大きいということは、大きな岩
塊が崩れ落ちてきている状態であり、単位掘削エネルギ
ーJeが増加傾向である場合は、岩盤は弱層から強層に
変化している状態である。
【0048】また、上記応用規則では、平均ズリ高さ
Zhが上しきい値よりも大きいということは、大きな岩
塊が崩れ落ちてきている状態であり、単位掘削エネルギ
ーJeが減少傾向である場合、岩盤は強層から弱層に変
化している状態である。
【0049】図5は上記基本規則〜および応用規則
〜に従って切羽岩盤の状況を判定した結果の一例を
示している。
【0050】このようにして判定された切羽岩盤の状況
に応じて選択される支保の種類には、例えば次の(1)〜
(4)等があり、(1)〜(4)の順に支保がより強固なものと
なる。 (1) 無支保 (2) リング支保工A(ピッチ1m) (3) リング支保工B(ピッチ0.5m) (4) リング支保工+掛矢板 上記(2)のリング支保工Aは、断面H字形状の鋼材をリ
ング状に形成されたリング支保21を掘進方向に1m間
隔で設置し、(3)のリング支保工Bは、同様のリング支
保21を0.5m間隔で設置するものである。また、上
記(4)のリング支保工+掛矢板は、掘進方向に所定の間
隔で設置されたリング支保の上側の掘削壁面20に鋼製
の矢板22を設置したものである。崩壊性地山ほど、掘
削壁面を保持するためにより強固な支保を選択する。
【0051】そして、掘削岩片の大きさに相当する平均
ズリ高さZhと単位掘削エネルギーJeとに基づいて、切
羽岩盤の状況を判定することによって、切羽岩盤が軟ら
かいか脆くて崩れやすいと判定した場合は、強固な支保
を選択する一方、切羽岩盤が固くて崩れにくいと判定し
た場合、上記強固な支保よりも弱い無支保やリング支保
等を選択する。
【0052】このように、上記ストローク計33,推進
長さ算出部45,モニタカメラ34,画像処理装置46,
カウント部47および平均ズリ高さ算出部48によっ
て、トンネル掘削機により岩盤を掘削したときの掘削岩
片の大きさに相当する平均ズリ高さZhを測定すると共
に、電流計31,油圧計32,ストローク計33,カッタ
電流測定部41,推力測定部42,推進速度算出部43お
よび単位掘削エネルギー算出部44によって、トンネル
掘削機により岩盤を掘削するときに要した掘削エネルギ
ーを算出して、その平均ズリ高さZhと単位掘削エネル
ギーJeとに基づいて、上記切羽岩盤状況判定部50に
より切羽岩盤の状況を判定することによって、切羽岩盤
が軟らかいか硬いか、弱くて崩れやすいか強くて崩れに
くいか等を的確に判断でき、掘進するトンネル掘削機の
後方に掘削壁面が露出する前に切羽岩盤の状況をリアル
タイムで定量的かつ的確に判定することができる。ま
た、この場合、平均ズリ高さZhと単位掘削エネルギー
Jeとの数値を使用した定量的な判定方法であるので、
判定結果に個人差が生じることがない。また、支保の変
更に対して定量的な判断材料が提供でき、合理的なトン
ネル施工を行うことができる。さらに、トンネル掘削機
を用いてパイロットトンネルを掘削する場合、数値デー
タとして記録でき、グラフ等を活用して視覚的な岩盤記
録を容易に作成することできる。
【0053】また、上記切羽岩盤状況判定部50の判定
結果に基づいて、上記支保選択部51により複数種類の
支保のうちから掘削壁面に設置する支保を的確に選択す
ることができ、その支保の選択に個人差等が生じない。
また、上記支保選択部50によって、掘進するトンネル
掘削機の後方に掘削壁面が露出する前に切羽岩盤の状況
を判断して、支保を的確に選択できるので、トンネル掘
削機のテール部から切羽岩盤が出現するまでに、トンネ
ル掘削機の機長数mの余裕(時間にして数時間)があり、
掘削壁面を保持する支保の変更に十分に対応することが
でき、支保の設置が遅れて、岩盤が崩壊するのを防止す
ることができる。
【0054】また、上記切羽岩盤状況判定部50は、上
記データ蓄積部49により蓄積された掘削岩片の大きさ
が下しきい値よりも小さいときは、岩質が新鮮で掘削岩
片は小さく扁平になる傾向があるから、硬い切羽岩盤で
あると判定し、掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大
きいときは、掘削岩片がトンネル掘削機のカッタによっ
て破砕されずにそのまま取り込まれ、弱層部に比較的硬
い岩塊が点在する場合や岩盤が大きな塊として割れやす
い場合であるから、弱く崩れやすい切羽岩盤であると判
定し、上記データ蓄積部49により蓄積された掘削エネ
ルギーが下しきい値エネルギーよりも小さいときは、岩
質が軟らかい切羽岩盤であると判定し、層変わりの地山
を掘削する場合は地山の強さが変化しても、オペレータ
はしばらくは同じ運転条件で掘削し、層変わりの影響が
そのまま掘削エネルギーの変化として現れるので、上記
掘削エネルギーに増加傾向または減少傾向があるとき
は、層変わりの切羽岩盤であると判定する。したがっ
て、切羽岩盤の状況を詳しく判定することができる。
【0055】さらに、上記切羽岩盤状況判定部50は、
上記データ蓄積部49により蓄積された掘削エネルギー
に増減傾向がなく、掘削エネルギーが下しきい値エネル
ギーよりも小さい場合は地山が弱く、さらに、上記デー
タ蓄積部により蓄積された掘削岩片の大きさが上しきい
値よりも大きい場合は大きな岩塊が崩れ落ちてきている
ので、亀裂が多い切羽岩盤であると判定し、掘削エネル
ギーに増減傾向がなく、掘削エネルギーが上しきい値エ
ネルギーよりも大きい場合は地山が強いにもかかわら
ず、掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大きく大きな
岩塊が崩れ落ちてきている場合には、断層または部分的
な弱層を有する切羽岩盤であると判定し、掘削エネルギ
ーが増加傾向にあり、掘削岩片の大きさが上しきい値よ
りも大きく大きな岩塊が崩れ落ちてきている場合には、
弱層から強層への層変わりの切羽岩盤であると判定し、
掘削エネルギーが減少傾向にあり、掘削岩片の大きさが
上しきい値よりも大きく大きな岩塊が崩れ落ちてきてい
る場合には、強層から弱層への層変わりの切羽岩盤であ
ると判定する。したがって、切羽岩盤の状況をより詳し
く判定できる。
【0056】また、ズリ(掘削岩片)高さの測定装置は、
小型で簡単に取付可能であり、単位掘削エネルギーは、
トンネル掘削機の掘進データから演算できるので、計測
手段として汎用性が高い。
【0057】上記実施の形態では、トンネル掘削機が掘
削したときの掘削岩片の大きさとして平均ズリ高さZh
を式1により求めたが、掘削岩片の大きさは、画像認識
等の他の方法により適宜求めてもよい。また、上記平均
ズリ高さZhの上しきい値および下しきい値は、トンネ
ル掘削機の構成等によって適宜な値に設定してよい。ま
た、上記実施の形態では、トンネル掘削機が掘削するの
に要した掘削エネルギーとして単位掘削エネルギーJe
を式2により求めたが、掘削に要した掘削エネルギーは
トンネル掘削機の構成等に応じて他の方法により適宜求
めてもよい。また、上記単位掘削エネルギーJeの上し
きい値エネルギーおよび下しきい値エネルギーは、トン
ネル掘削機の構成等によって適宜な値に設定してよい。
【0058】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の切羽岩盤状況判定方法は、トンネル掘削機により岩
盤を掘削したときの掘削岩片の大きさを求めると共に、
トンネル掘削機により岩盤を掘削するときに要した掘削
エネルギーを求めて、上記掘削岩片の大きさと掘削エネ
ルギーとに基づいて、切羽岩盤の状況を判定するので、
掘進するトンネル掘削機の後方に掘削壁面が露出する前
に切羽岩盤の状況を定量的かつ的確に判定することがで
きる。また、支保の変更に対して定量的な判断材料が提
供でき、合理的なトンネル施工を行うことができる。ま
た、上記トンネル掘削機を用いてパイロットトンネルを
掘削する場合に、人手を必要とすることなく数値データ
として記録でき、グラフ等を活用して視覚的な岩盤記録
を容易に作成することができる
【0059】また、上記掘削岩片の大きさのデータと上
記掘削エネルギーのデータとを蓄積し、上記切羽岩盤の
状況を判定する工程で、その蓄積された上記掘削岩片の
大きさのデータと上記掘削エネルギーのデータとに基づ
いて、上記掘削岩片の大きさが下しきい値よりも小さい
とき、切羽岩盤が硬く崩れにくいと判定し、上記掘削岩
片の大きさが上しきい値よりも大きいとき、切羽岩盤が
弱く崩れやすいと判定し、上記掘削エネルギーが下しき
い値エネルギーよりも小さいとき、切羽岩盤が軟らかい
と判定し、上記掘削エネルギーに増加傾向または減少傾
向があるとき、層変わりと判定するので、切羽岩盤の状
況を詳しく判定することができる。
【0060】さらに、上記蓄積された上記掘削岩片の大
きさのデータと掘削エネルギーのデータとに基づいて、
上記掘削エネルギーに増減傾向がなく、かつ、上記掘削
岩片の大きさが上しきい値よりも大きく、かつ、上記掘
削エネルギーが下しきい値エネルギーよりも小さいと
き、亀裂が多いと判定し、上記掘削エネルギーに増減傾
向がなく、かつ、上記掘削岩片の大きさが上しきい値よ
りも大きく、かつ、上記掘削エネルギーが上しきい値エ
ネルギーよりも大きいとき、断層または部分的な弱層が
あると判定すると共に、上記掘削エネルギーが増加傾向
にあり、かつ、上記掘削岩片の大きさが上しきい値より
も大きいとき、弱層から強層への層変わりであると判定
し、上記掘削エネルギーが減少傾向にあり、かつ、上記
掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大きいとき、強層
から弱層への層変わりであると判定するので、切羽岩盤
の状況をより詳しく判定することができる。
【0061】また、請求項の発明の切羽岩盤状況判定
装置は、掘削岩片測定部によりトンネル掘削機で岩盤を
掘削したときの掘削岩片の大きさを測定すると共に、掘
削エネルギー算出部によりトンネル掘削機で岩盤を掘削
するときに要した掘削エネルギーを算出して、その掘削
岩片の大きさとトンネル掘削機が掘削するのに要した掘
削エネルギーとに基づいて、切羽岩盤状況判定部により
切羽岩盤の状況を判定するので、切羽岩盤が軟らかいか
硬いか、弱くて崩れやすいか強くて崩れにくいか等を的
確に判断でき、掘進するトンネル掘削機の後方に掘削壁
面が露出する前に切羽岩盤の状況をリアルタイムで定量
的かつ的確に判定することができる。この場合、数値を
使用した定量的な判定方法であるので、判定結果に個人
差が生じることがない。また、支保の変更に対して定量
的な判断材料が提供でき、合理的なトンネル施工を行う
ことができる。また、上記トンネル掘削機を用いてパイ
ロットトンネルを掘削する場合、数値データとして記録
でき、グラフ等を活用して視覚的な岩盤記録を容易に作
成することができる
【0062】また、上記切羽岩盤状況判定部は、上記デ
ータ蓄積部により蓄積された掘削岩片の大きさが下しき
い値よりも小さいときは、岩質が新鮮で掘削岩片は小さ
く扁平になっている場合であるから、硬い切羽岩盤であ
ると判定し、掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大き
いときは、掘削岩片がトンネル掘削機のカッタによって
破砕されずにそのまま取り込まれる場合であり、弱層部
に比較的硬い岩塊が点在する場合や岩盤が大きな塊とし
て割れやすい場合であるから、弱く崩れやすい切羽岩盤
であると判定し、上記データ蓄積部により蓄積された掘
削エネルギーが下しきい値エネルギーよりも小さいとき
は、岩質が軟らかい切羽岩盤であると判定し、層変わり
の地山を掘削する場合は地山の強さが変化してもしばら
くは同じように掘削するから、層変わりの影響がそのま
ま掘削エネルギーの変化として現れるから、上記掘削エ
ネルギーに増加傾向または減少傾向があるときは、層変
わりの切羽岩盤であると判定するので、切羽岩盤の状況
を詳しく判定することができる。
【0063】さらに、上記切羽岩盤状況判定部は、上記
データ蓄積部により蓄積された掘削エネルギーに増減傾
向がなく、掘削エネルギーが下しきい値エネルギーより
も小さい場合は地山が弱く、さらに、上記データ蓄積部
により蓄積された掘削岩片の大きさが上しきい値よりも
大きい場合は大きな岩塊が崩れ落ちてきているので、亀
裂が多い切羽岩盤であると判定し、掘削エネルギーに増
減傾向がなく、掘削エネルギーが上しきい値エネルギー
よりも大きい場合は地山が強いにもかかわらず、掘削岩
片の大きさが上しきい値よりも大きく大きな岩塊が崩れ
落ちてきている場合には、断層または部分的な弱層を有
する切羽岩盤であると判定し、掘削エネルギーが増加傾
向にあり、掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大きく
大きな岩塊が崩れ落ちてきている場合には、弱層から強
層への層変わりの切羽岩盤であると判定し、掘削エネル
ギーが減少傾向にあり、掘削岩片の大きさが上しきい値
よりも大きく大きな岩塊が崩れ落ちてきている場合に
は、強層から弱層への層変わりの切羽岩盤であると判定
するので、切羽岩盤の状況をより詳しく判定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の一形態の切羽岩盤状
況判定方法が用いられるトンネル掘削機の断面図であ
る。
【図2】 図2は上記トンネル掘削機の切羽岩盤状況判
定装置の概略ブロック図である。
【図3】 図3は上記トンネル掘削機のズリ高さを判定
する要部の概略図である。
【図4】 図4は上記切羽岩盤状況判定装置の処理を説
明するフローチャートである。
【図5】 図5は上記切羽岩盤状況判定装置において作
成された掘進距離に対する平均ズリ高さと単位掘削エネ
ルギーとの変化の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…カッタ板、2…フロントグリッパ、3…隔壁、4…
スキンプレート、5…モータ、6…ビーム体、7…摺動
枠、8…推進ジャッキ、9…リアグリッパ、10…ロー
ラカッタ、11…ベルトコンベア支持枠、12…ベルト
コンベア、20…掘削壁面、21…リング支保、22…
矢板、30…モニタテレビ、31…電流計、32…油圧
計、33…ストローク計、34…モニタカメラ、41…
カッタ電流測定部、42…推力測定部、43…推進速度
算出部、44…単位掘削エネルギー算出部、45…推進
長さ算出部、46…画像処理装置、47…カウント部、
48…平均ズリ高さ算出部、49…データ蓄積部、50
…切羽岩盤状況判定部、51…支保選択部。
フロントページの続き (72)発明者 井上 昭治 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (72)発明者 篠原 茂 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番 2号 株式会社奥村組内 (56)参考文献 特開 平9−151694(JP,A) 特開 平9−228780(JP,A) 特開 平7−62980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/10 E21D 9/06 301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル掘削機により岩盤を掘削したと
    きの掘削岩片の大きさを求める工程と、 上記トンネル掘削機により岩盤を掘削するときに要した
    掘削エネルギーを求める工程と、 上記掘削岩片の大きさと上記掘削エネルギーとに基づい
    て、切羽岩盤の状況を判定する工程と、 上記掘削岩片の大きさのデータと上記掘削エネルギーの
    データとを蓄積する工程とを有し上記切羽岩盤の状況を判定する工程において、蓄積され
    た上記掘削岩片の大きさのデータと上記掘削エネルギー
    のデータとに基づいて、上記掘削岩片の大きさが下しき
    い値よりも小さいとき、切羽岩盤が硬く崩れにくいと判
    定し、上記掘削岩片の大きさが上しきい値よりも大きい
    とき、切羽岩盤が弱く崩れやすいと判定すると共に、上
    記掘削エネルギーが下しきい値エネルギーよりも小さい
    とき、切羽岩盤が軟らかいと判定し、上記掘削エネルギ
    ーに増加傾向または減少傾向があるとき、層変わりと判
    定すると共に、 さらに、 上記切羽岩盤の状況を判定する工程において、
    蓄積された上記掘削岩片の大きさのデータと上記掘削エ
    ネルギーのデータとに基づいて、上記掘削エネルギーに
    増減傾向がなく、かつ、上記掘削岩片の大きさが上記上
    しきい値よりも大きく、かつ、上記掘削エネルギーが上
    記下しきい値エネルギーよりも小さいとき、亀裂が多い
    と判定し、上記掘削エネルギーに増減傾向がなく、か
    つ、上記掘削岩片の大きさが上記上しきい値よりも大き
    く、かつ、上記掘削エネルギーが上記上しきい値エネル
    ギーよりも大きいとき、断層または部分的な弱層がある
    と判定すると共に、上記掘削エネルギーが増加傾向にあ
    り、かつ、上記掘削岩片の大きさが上記上しきい値より
    も大きいとき、弱層から強層への層変わりであると判定
    し、上記掘削エネルギーが減少傾向にあり、かつ、上記
    掘削岩片の大きさが上記上しきい値よりも大きいとき、
    強層から弱層への層変わりであると判定することを特徴
    とする切羽岩盤状況判定方法
  2. 【請求項2】 トンネル掘削機により岩盤を掘削したと
    きの掘削岩片の大きさを求める掘削岩片測定部と、 上記トンネル掘削機により岩盤を掘削するときに要した
    掘削エネルギーを求める掘削エネルギー算出部と、 上記掘削岩片測定部により求められた掘削岩片の大きさ
    と上記掘削エネルギー算出部により求められた掘削エネ
    ルギーとに基づいて、切羽岩盤の状況を判定する切羽岩
    盤状況判定部と、 上記掘削岩片測定部により測定された上記掘削岩片の大
    きさのデータと上記掘削エネルギー算出部により算出さ
    れた上記掘削エネルギーのデータとを蓄積するデータ蓄
    積部とを備え、 上記切羽岩盤状況判定部は、上記データ蓄積部により蓄
    積された上記掘削岩片の大きさのデータと上記掘削エネ
    ルギーのデータとに基づいて、上記掘削岩片の大きさが
    下しきい値よりも小さいとき、切羽岩盤が硬く崩れにく
    いと判定し、上記掘削岩片の大きさが上しきい値よりも
    大きいとき、切羽岩盤が弱く崩れやすいと判定すると共
    に、上記掘削エネルギーが下しきい値エネルギーよりも
    小さいとき、切羽岩盤が軟らかいと判定し、上記掘削エ
    ネルギーに増加傾向または減少傾向があるとき、層変わ
    りと判定すると共に、 さらに、 上記切羽岩盤状況判定部は、上記データ蓄積部
    により蓄積された上記掘削岩片の大きさのデータと上記
    掘削エネルギーのデータとに基づいて、上記掘削エネル
    ギーに増減傾向がなく、かつ、上記掘削岩片の大きさが
    上記上しきい値よりも大きく、かつ、上記掘削エネルギ
    ーが上記下しきい値エネルギーよりも小さいとき、亀裂
    が多いと判定し、上記掘削エネルギーに増減傾向がな
    く、かつ、上記掘削岩片の大きさが上記上しきい値より
    も大きく、かつ、上記掘削エネルギーが上記上しきい値
    エネルギーよりも大きいとき、断層または部分的な弱層
    があると判定すると共に、上記掘削エネルギーが増加傾
    向にあり、かつ、上記掘削岩片の大きさが上記上しきい
    値よりも大きいとき、弱層から強層への層変わりである
    と判定し、上記掘削エネルギーが減少傾向にあり、か
    つ、上記掘削岩片の大きさが上記上しきい値よりも大き
    いとき、強層から弱層への層変わりであると判定するこ
    とを特徴とする切羽岩盤状況判定装置。
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