JP6251128B2 - シールド掘進機による土質分布の判定方法 - Google Patents

シールド掘進機による土質分布の判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、シールド掘進機による土質分布の判定方法に関し、特にカッターヘッドに取り付けられた加速度センサーと、コンピュータとを含む、切羽土質分布の判別システムを備えるシールド掘進機による土質分布の判定方法に関する。
近年、例えば都市部においては、立坑用地の問題や地下埋設物との輻輳を理由として、シールドトンネルを長距離化して構築することが望まれている。シールドトンネルを長距離化して構築する場合、シールド掘進機による掘進に伴って、切羽面の地盤の土質が変化することが多い。また、シールド掘進機が、例えば上下方向や左右方向に積層した異なる土質の地盤の境界部分を掘進してゆく際には、切削される同じ切羽面に、異なる土質の地盤が同時に現れる場合がある。
シールド掘進機が異なる土質の地盤の境界部分を掘進してゆく際に、例えば一方の土質の地盤が岩盤等であって、他方の土質の地盤よりも相当程度固い硬質の地盤である場合には、このような切羽面の土質の状況を適切に把握していないと、シールド掘進機が、固い地盤に乗り上げ易くなったり、横滑りし易くなったりすることで、シールドトンネルの縦断線形や平面線形を精度良く保持することが困難になる。このため、切羽面の土質の状況を面的に把握して、例えば先行ビットによるオーバーカット量を固い地盤の部分で増やすこと等によって、固い地盤に乗り上げたり、横滑りしたりしないように制御しながら、地盤の状況に応じたシールド掘進機の掘進管理を安定した状態で行えるようにする技術の開発が望まれている。
特に、シールド本体の先端部に設けられたカッターヘッドを回転させて、切羽面を切削しながら掘進する従来の密閉型のシールド掘進機では、切羽面の土質の変化は、一般に、例えば隔室から排出される切削土砂の性状を調べたり、切羽面の土圧や、カッターヘッドによるカッタートルク値を計測したりすることによって評価するようになっていたが、このような評価方法では、切羽面の土質を面的に把握して、切羽面における異なる土質の分布状況を適切に評価することは困難である。
一方、シールド工法において、振動センサーを用いて、切羽前方の地盤の状態を調査・判定する地盤判定装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の地盤判定装置では、回転するカッターヘッドに取り付けられた刃体に発生する切削振動を、振動センサーで検出すると共に、切削振動の周波数分布と振幅とを振動測定手段によって測定することに加えて、刃体の状態を、刃体状態センサーで検出すると共に、磨耗量測定手段によって刃体の磨耗量を測定し、予め掘削刃体の磨耗量に応じて作成された、地盤の種類と、切削振動の周波数分布及び振幅との関係を表した参照テーブルを用いて、測定された切削振動の周波数分布及び振幅と、測定された刃体の磨耗量とに基づいて、判定手段によって、参照テーブルを参照することにより地盤の種類を判定するようになっている。また特許文献1の地盤判定装置では、回転角計測手段から出力されるカッターヘッドの回転角信号に応じて、判定手段において判定された地盤の種類を、カッターヘッドの回転角毎に取り込むと共に、分布測定手段によって、刃体の1回転分の軌跡上における地盤の種類の分布を出力させるようになっている。
特開平10−19853号公報
しかしながら、特許文献1の地盤判定装置では、振動センサーで検出した切削振動の周波数分布及び振幅と、刃体状態センサーで検出した刃体の磨耗量とに基づいて、掘削刃体の磨耗量に応じて予め作成された参照テーブルを参照して、判定手段によって地盤の種類を判定するようになっているので、種々の地盤に対する、掘削刃体の磨耗量に応じた多数の参照テーブルを、予め精度良く作成しておくのに多くの手間を要すると共に、参照テーブルが精度良く作成されていないと、地盤の種類の判定に誤差が生じ易くなる。このため、より簡易な構成によって、カッターヘッドで切削中の切羽面の地盤の状況を、リアルタイムで面的に精度良く把握することを可能にして、コンピュータによるシールド掘進機の掘進管理を、地盤の状況に応じて安定した状態で行えるようにする技術の開発が望まれている。
また、カッターヘッドによる切削中に精度良く把握された切羽面の地盤の状況から、例えば切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を判定できるようにしたり、構築されたシールドトンネルの外周部分の地盤の土質分布を判定できるようにすることによって、コンピュータによるシールド掘進機の掘進管理を、さらに効率良く且つ安定した状態で行えるようになると共に、今後の土木工事や地質調査に有益な情報を得ることが可能になると考えられる。
本発明は、シールドトンネルを構築する際に、簡易な構成によって、カッターヘッドで切削中の切羽面の地盤の状況を、リアルタイムで面的に精度良く把握して、把握された切羽面の地盤の状況から、例えば切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布や、シールドトンネルの外周部分の地盤の土質分布を判定することを可能にするシールド掘進機による土質分布の判定方法を提供することを目的とする。
本発明は、カッターヘッドの外周部分に取り付けられた加速度センサーと、該加速度センサーと接続されたコンピュータとを含む、切羽土質分布の判別システムを備えるシールド掘進機による土質分布の判定方法であって、前記コンピュータは、前記加速度センサーから送られる、前記カッターヘッドに設けられたカッタービットによって切羽面を切削する際の切削振動データを、前記カッターヘッドの所定の回転角度毎に記憶させる振動データ記憶部と、該振動データ記憶部によって記憶された前記回転角度毎の切削振動データを、切羽断面を模した円の円周方向に分布する切削振動分布として表示させる振動データ表示部とを備えており、前記振動データ記憶部によって記憶される回転角度毎の切削振動データを、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の掘進スパンについて各々採取して、前記振動データ表示部によって前記切羽断面を模した円の円周方向に分布する切削振動分布として表示させ、表示された前記切羽断面を模した円の円周方向の切削振動分布における、振動の分布の傾向が明らかに変化する箇所である振動の変動箇所から、切羽面の地盤の前記切羽断面における異なる土質の境界部分を判別し、且つ周辺の地盤の柱状図、又は排土された切削土砂の性状を参照することによって、判別された層構成の各層の土質を判別するシールド掘進機による土質分布の判定方法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
そして、本発明のシールド掘進機による土質分布の判定方法は、前記コンピュータが、境界線表示部を備えており、該境界線表示部は、前記振動データ表示部によって表示された複数の前記切羽断面を模した円の円周方向の各々の切削振動分布における、一対の振動の変動箇所を結んだ結合線を、切羽面の地盤の前記切羽断面における異なる土質の境界部分として表示させることが好ましい。
また、本発明のシールド掘進機による土質分布の判定方法は、前記コンピュータは、前方土質分布判定部を備えており、該前方土質分布判定部は、前記振動データ表示部によって表示された、前記切羽断面を模した円の円周方向の切削振動分布における振動の変動箇所の位置が、掘進方向先端側の複数の掘進スパンで掘進方向に変位してゆく傾向から、切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を判定することが好ましい。
さらに、本発明のシールド掘進機による土質分布の判定方法は、前記コンピュータが、地質実績図作成部を備えており、該地質実績図作成部は、前記振動データ表示部によって表示された、各々の掘進スパンにおける複数の前記円周方向の切削振動分布による切削振動データを、切羽断面を模した円の鉛直方向に複数に分割し、分割した各領域の左右の切削振動データの平均値から、コンター表示による鉛直方向振動分布を得て、得られた各々の掘進スパン毎の鉛直方向振動分布を、シールド掘進機による掘進方向に連接させることで、地質実績図を作成するようになっており、作成した地質実績図によって、シールドトンネルの外周部分の地盤の土質分布を判定することが好ましい。
さらにまた、本発明のシールド掘進機による土質分布の判定方法は、作成した地質実績図を、周囲の地盤のボーリング柱状図から得られた地質縦断図における、シールド掘進機による掘進箇所に重ね合わせて表示して、シールドトンネルの外周の地盤の土質分布を判定することが好ましい。
また、本発明のシールド掘進機による土質分布の判定方法は、前記振動データ表示部が、前記円周方向の切削振動分布として、回転角度毎の振動加速度の分布を表示させることが好ましい。
本発明のシールド掘進機による土質分布の判定方法によれば、シールドトンネルを構築する際に、簡易な構成によって、カッターヘッドで切削中の切羽面の地盤の状況を、リアルタイムで面的に精度良く把握して、把握された切羽面の地盤の状況から、例えば切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を判定することができる。
本発明の好ましい一実施形態に係るシールド掘進機による土質分布の判定方法に用いる、切羽土質分布の判別システムの構成を説明する説明図である。 シールド掘進機の正面図である。 図2のA−Aに沿った拡大断面図である。 図3のB部拡大側面図である。 加速度センサーによる切削振動データの検出方向を説明する、図4をC方向から視た上面図である。 (a)は振動データ表示部や境界線表示部による表示画面の説明図、(b)は切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を判定する画面の説明図である。 実施例において、作成した地質実績図を地質縦断図に重ね合わせて表示した画面の説明図である。 実施例において、過去の土質分布の判定結果から掘進方向前方の地盤の土質分布を予測する状況の説明図である。 実施例において、土質分布を予測した掘進方向前方の地盤を切削した際の、当該地盤の円周方向の切削振動分布を表示した画面の説明図である。
本発明の好ましい第1実施形態に係るシールド掘進機による土質分布の判定方法は、図1に示す切羽土質分布の識別システム10を用いて、掘進中のシールド掘進機11の周囲の地盤の土質分布を判定するための方法として採用されたものである。
ここで、図1に示す切羽土質分布の識別システム10は、密閉型のシールド掘進機として、例えば泥土圧式のシールド掘進機11によってシールドトンネルを構築する工事において、切削中の切羽面の地盤12a、12b、12cの状況を、リアルタイムで面的に精度良く把握することを可能にするシステムである。すなわち、図1に示す切羽土質分布の識別システム10は、例えば都市部においては、立坑用地の問題や地下埋設物との輻輳等を理由として、大口径のシールド掘進機のみならず、中小口径のシールド掘進機による工事でも、シールドトンネルを長距離化して構築することが望まれており、シールドトンネルを長距離化して構築する場合、積層した異なる土質の地盤12a、12b、12cの境界部分をシールド掘進機によって掘進してゆくことが多くなると予想されることから、切削される同じ切羽面に、異なる土質の地盤12a、12b、12cが同時に現れても、このよう切羽面の地盤12a、12b、12cの状況を適正に把握して、例えば固い地盤12aへの乗り上げや横滑りを回避できるようにすることで、シールドトンネルの縦断線形や平面線形を精度良く保持できるようにする機能を備えている。
また、図1に示す切羽土質分布の識別システム10は、カッターヘッド13の外周部分に取り付けられた加速度センサー14を使用して、簡易な構成によって、好ましくは周辺の地盤の柱状図や、排土された切削土砂の性状等を参照しながら、切削中の切羽面の地盤12a、12b、12cの状況を、リアルタイムで面的に精度良く把握できるようになっている。
そして、本第1実施形態の土質分布の判定方法は、カッターヘッド13の外周部分に取り付けられた加速度センサー14と、加速度センサー14と接続されたコンピュータ20とを含む、切羽土質分布の判別システム10を備えるシールド掘進機11による判定方法であって、コンピュータ20は、加速度センサー14から送られる、カッターヘッド13に設けられたカッタービット16によって切羽面12を切削する際の切削振動データを、カッターヘッド13の所定の回転角度毎に記憶させる振動データ記憶部21と、振動データ記憶部21によって記憶された回転角度毎の切削振動データを、切羽断面を模した円の円周方向に分布する切削振動分布23として表示させる振動データ表示部22とを備えており、振動データ記憶部21によって記憶される回転角度毎の切削振動データを、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の掘進スパンについて各々採取して、振動データ表示部22によって切羽断面を模した円の円周方向に分布する切削振動分布として表示させ、表示された切羽断面を模した円の円周方向の切削振動分布における、振動の分布の傾向が明らかに変化する箇所である振動の変動箇所から、切羽面の地盤の前記切羽断面における異なる土質の境界部分を判別し、且つ周辺の地盤の柱状図、又は排土された切削土砂の性状を参照することによって、判別された層構成の各層の土質を判別するようになっている。
また、本第1実施形態では、コンピュータ20は、境界線表示部31を備えており、この境界線表示部31は、振動データ表示部22によって表示された複数の切羽断面を模した円の円周方向の各々の切削振動分布23における、一対の振動の変動箇所23aを結んだ結合線23bを、切羽面の地盤12a、12b、12cの切羽断面における異なる土質の境界部分として表示させるようになっている(図6(a)参照)。
さらに、本第1実施形態では、コンピュータ20は、前方土質分布判定部32を備えており、振動データ表示部22によって表示された、切羽断面を模した円の円周方向の切削振動分布23における振動の変動箇所23aの位置が、掘進方向先端側の複数の掘進スパンで掘進方向に変位してゆく傾向から、切羽面12よりも掘進方向前方の地盤12a、12b、12cの土質分布を判定するようになっている(図6(b)参照)。
さらにまた、本第1実施形態では、振動データ表示部21は、円周方向の切削振動分布23として、回転角度毎の振動加速度(切削時の地盤応答加速度)の分布を表示させるようになっている。
また、本第1実施形態では、シールド掘進機11のシールド本体15の内側壁面として、好ましくはシールド本体15に設けられた隔壁17の背面部分に、コンピュータ20と接続する補助加速度センサー18が取り付けられており、振動データ表示部22は、補助加速度センサー18から送られる本体部振動データによってノイズや機械震動を取り除いた状態で、回転角度毎の切削振動データを、円周方向の切削振動分布23として表示させるようになっている。
本第1実施形態では、図1に示すように、シールド掘進機11は、密閉型のシールド掘進機として、例えば公知の泥土圧式のシールド掘進機となっている。泥土圧式のシールド掘進機11には、シールド本体15における先端部分のカッターヘッド13の後方に、泥土圧によって満たされる隔室19を形成するための隔壁17が設けられており、この隔壁17に支持させて、カッターヘッド13のセンターシャフト13aが設けられている。またシールド本体15の内部には、排泥機構(図示せず)、回転駆動モーター(図示せず)、シールドジャッキ(図示せず)、エレクター(図示せず)等が設けられている。
本第1実施形態では、切羽土質分布の判別システム10を構成するコンピュータ20は、データベースサーバとして機能する公知のものであり、例えばパーソナルコンピュータ等を使用することができる。コンピュータ20としてのデータベースサーバは、CPU、ROM、RAM、I/F、記憶手段、入力手段、表示手段、出力手段等を備えている。データベースサーバのCPUは、ROMに組み込まれた制御プログラムに従って、RAMをワークエリアとして使用しながら、データベースサーバの全体の動作を制御する。また、CPUは、各種のコンピュータプログラムがROMに組み込まれていることにより、記憶手段、入力手段、表示手段、出力手段等として機能させると共に、後述する振動データ記憶部21よって、加速度センサー14から送られる切削振動データを、カッターヘッド13の回転角度と共に記憶させたり、振動データ表示部22によって、振動データ記憶部21に記憶された切削振動データを、円周方向に分布する切削振動分布23としてディスプレイ24に表示させたり、前方土質分布判定部32によって、切羽面12よりも掘進方向前方の地盤12a、12b、12cの土質分布を判定させたりできるようになっている。
また、本第1実施形態では、コンピュータ20には、シールド工法における各種の計測器から収集される計測値や、入力手段を介してデータ入力される測量値を一元管理することが可能な、公知のシールド掘進管理システムが組み込まれている。シールド掘進管理システムは、例えばシールド工法における各種の計測器から収集された計測値を一元管理し、その情報を整理して技術者や作業者へ提供することによって、現場施工管理の支援を行う機能や、経時変化や統計処理の結果に基づいて、地山の状況や掘削土砂の状況、シールド掘進機の付加状況などを推測する機能や、或いは計測結果を入力することによりシール掘進機やセグメントの位置を計算して、基線からの偏差を求める機能等を備えている。このようなシールド掘進管理システムとしては、好ましくは株式会社演算工房製の「シールド掘進管理システム」を用いることができる。
さらに、本第1実施形態では、コンピュータ20は、地上に設けられた運転管理室30に設置されており、運転管理室30に設置された当該コンピュータ20は、例えば加速度センサー用アンプ25a,25bを介すると共に、PCLからなる制御盤26、シーケンサ盤27、遠隔操作盤28等を備える公知の伝送システム29を介することによって、各種の計測器や、後述する加速度センサー14や補助加速度センサー17と接続されている。
コンピュータ20と共に図1に示す切羽土質分布の判別システム10を構成する加速度センサー14や補助加速度センサー18は、速度の時間変化率(時間微分)である加速度を検出するセンサーとして公知の、種々の加速度センサーを用いることができる。加速度センサーは、物体に働く加速度が、加えられた外力に比例するといった物理法則を用いて、加速度そのものの値の測定や、外力が加わったことを検出するのに用いられる。加速度センサー14や補助加速度センサー18は、高精度な測定が要求される科学実験や、重力計測、地震計測等の他、傾き、振動、動き、衝撃、落下などを検出することが可能な種々の加速度センサーを用いることができる。このような加速度センサーとして、より具体的には、振動の大きさや周波数等を精度良く検出することが可能な、例えば昭和測器(株)製の3軸型の各種の圧電型加速度検出器を用いることができる。
本第1実施形態では、加速度センサー14は、図2及び図3にも示すように、好ましくはカッターヘッド13の外周部分として、カッターヘッド13の最も外周部分に配置されたカッタービット16aに近接して、このカッタービット16aと離間した状態でカッターヘッド13に取り付けられている。すなわち、加速度センサー14は、カッターヘッド13の最も外周部分に配置されたカッタービット16aの背面部分に取り付けられている。加速度センサー14が、カッターヘッド13の最も外周部分に配置されたカッタービット16aに近接して、カッタービット16aと離間した状態で取り付けられていることにより、切削時の地盤応答加速度を適切に計測することが可能になる。また加速度センサー14のメンテナンスが容易になると共に、カッタービット16aの交換作業に影響を及ぼすのを回避することができる。
また、本第1実施形態では、加速度センサー14は、例えば3軸型の圧電型加速度検出器となっていることで、好ましくは互いに垂直な少なくとも2方向として、3方向の切削振動データを検出できるようになっている。加速度センサー14は、図3〜図5に示すように、第1の検出方向であるX方向を、カッターヘッド13の回転円周方向R(図2参照)に沿わせ、第2の検出方向であるY方向を、当該加速度センサー14が取り付けられた部分のカッターヘッド13のヘッド面と垂直な方向として、例えばローラーカッターとなっている、カッターヘッド13の最も外周部分に配置されたカッターヘッドビット16aの回転軸16b(図3参照)と垂直な方向に沿わせて、カッターヘッド13の外周部分に取り付けられている。加速度センサー14による第1の検出方向Xを、カッターヘッド13の回転円周方向Rに沿わせ、加速度センサー14による第2の検出方向Yを、加速度センサー14が取り付けられた部分のカッターヘッド13のヘッド面と垂直な方向に沿わせることにより、第1の検出方向Xによって回転円周方向Rの地盤応答加速度を、第2の検出方向Yによって掘進方向の地盤応答加速度を、各々効率良く計測することが可能になるので、これらの応答加速度から、さらに精度の良い切削振動分布23を得ることが可能になる。
本第1実施形態では、加速度センサー14は、ロータリージョイントを通じて、接続ケーブル14aを介して加速度センサー用アンプ25aと接続している(図1参照)。なお、本第1実施形態では、加速度センサー14の第3の検出方向であるZ方向は、加速度センサー14が取り付けられた部分におけるカッターヘッド13のヘッド面に沿った方向として、例えばローラーカッターとなっている、カッターヘッド13の最も外周部分に配置されたカッターヘッドビット16aの回転軸16b(図3参照)の方向に配置された状態となっている。
一方、本第1実施形態では、補助加速度センサー18は、図1に示すように、シールド本体15の内側壁面として、隔室19を仕切る隔壁17の背面部分に取り付けられている。補助加速度センサー18は、加速度センサー14と同様に、3軸型の圧電型加速度検出器となっており、好ましくは第1の検出方向を、シールド掘進機11による掘進方向に沿わせ、第2の検出方向を、カッターヘッド13の回転周方向Rに沿わせた状態で、隔壁17の背面部分に取り付けられている。これによって、シールド掘進機11の稼働時に、シールド本体15が振動することによる固有の振動データを、効率良く且つ精度良く計測して得ることが可能になる。また補助加速度センサー18は、接続ケーブル18aを介して加速度センサー用アンプ25bと接続している。補助加速度センサー18からの本体部振動データが、加速度センサー用アンプ25b及び伝送システム29を介してコンピュータ20に送られることで、上述のように、振動データ表示部22は、ノイズや機械震動を取り除いた状態で、加速度センサー14から送られる回転角度毎の切削振動データを、円周方向の切削振動分布23として表示させることができるようになっている。
さらに、本実施形態では、カッターヘッド13のセンターシャフト13aに、例えばロータリーエンコーダからなる回転計(図示せず)が取り付けられている。この回転計によって計測された回転角度が、伝送システム29を介してコンピュータ20に送られることで、加速度センサー14によって計測された、切羽面12を切削する際の切削振動データを、所定の回転角度毎に、振動データ記憶部21によって記憶させることができるようになっている。
ここで、本第1実施形態によれば、加速度センサー13による円周方向の計測の頻度Δθは、データ収集の時間間隔Δtと、カッターヘッド15の回転速度r(ppm)とから、Δθ=r/60×Δt×360°の計算式によって決まるようになっている。例えばシールド掘進機11が、掘削外径が2360mm程度の小口径の掘進機であって、回転速度がr=2.3(ppm)と早くなっている場合に、計測時間間隔Δtを0.1秒と設定した際の計測の頻度Δθは、Δθ=2.3/60×0.1×360°から、1.38°となり、したがって1.38°毎に、加速度センサー14による計測がなされることになる。
また、本第1実施形態では、カッターヘッド13における加速度センサー14の円周方向の位置θ°を把握するために、カッターヘッド13のセンターシャフト13aに、接点スイッチ(図示せず)が設置されており、例えばシールド掘進機11の天端をゼロ点として、このゼロ点を通過する毎回の通過時に、リセット処理を行うことができるようになっている。
本第1実施形態では、加速度センサー14によって所定の回転角度毎に計測された切削振動データは、好ましくは加速度センサー14による計測時と同じタイミングで補助加速度センサー18によって計測された本体部振動データと共に、専用の加速度センサー用アンプ25a,25bを介して出力され、出力された信号は、制御盤26やシーケンサ盤27を通過することで、その他の掘進管理データと同じ伝送システム29を通じて、運転管理室30に送られるようになっている。
そして、本第1実施形態では、コンピュータ20は、上述のように、振動データ記憶部21と、振動データ表示部22とを含んで構成されており、さらに前方土質分布判定部32を備えている。また、コンピュータ20は、振動データ表示部21によって表示された、切羽断面を模した円の円周方向の切削振動分布23における、一対の振動の変動箇所23aを結んだ結合線23bを、切羽面12の地盤12a,12b、12cにおける異なる土質の境界部分として表示させる(図6(a)、(b)参照)、境界線表示部31を備えている。
振動データ記憶部21は、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の各々の掘進スパンの掘進時に、加速度センサー14から加速度センサー用アンプ25a及び伝送システム29を介してコンピュータ20に送られる、切羽面12をカッタービット16で切削する際の切削振動データを、各々の掘進スパンに対応させて、各リングのリングNo.と共に、カッターヘッド13の所定の回転角度毎に記憶する。
また、振動データ記憶部21は、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の各々の掘進スパンの掘進時に、補助加速度センサー18から加速度センサー用アンプ25b及び伝送システム29を介してコンピュータ20に送られる、カッタービット16によって切羽面12を切削する際に、回転駆動モーター等の駆動によってシールド本体15自体が振動することによる本体部振動データを、各々の掘進スパンに対応させて、各リングのリングNo.と共に、カッターヘッド13の所定の回転角度毎に記憶する。
本第1実施形態では、これらの切削振動データや本体部振動データは、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の各々の掘進スパンについて、例えば当該1リング分の1000mmの掘進スパンの掘進開始時から、シールドジャッキや推進ジャッキのジャッキストロークが100mm進んだ時点で、計測を開始し、カッターヘッド13が5回転する間、切削振動データや本体部振動データを計測し続けて、5回転分の計測値の平均として得られたデータとすることができる。これによって、より安定した状態で、各々のリング分の計測結果を得ることが可能になる。
また、これらの切削振動データや本体部振動データは、コンピュータ20に組み込まれた公知のシールド掘進管理システムにおいて、シールド工法における各種の計測器から収集された計測値と時系列で統合されて、好ましくはセグメントを用いて組み立てられる各リングのリングNo.に、紐付けされたデータとして保存することができる。
振動データ表示部22は、振動データ記憶部21に記憶された、回転角度毎の切削振動データを、切羽断面を模した円の円周方向に分布する切削振動分布23として表示させる。すなわち、振動データ表示部22は、図6(a)に示すように、回転角度毎の切削振動データとして、好ましくは回転角度毎の振動加速度(切削時の地盤応答加速度)の大小の分布を、補助加速度センサー18から送られる本体部振動データによってノイズや機械震動を取り除いた状態で、例えばコンピュータ20と接続するディスプレイ24上に、切削振動分布23として表示させる。また振動データ表示部22は、このような円周方向に分布する切削振動分布23を、各リング分の各々の掘進スパン毎に、複数連設して表示させることができるようになっている。
なお、図6(a)に示す切削振動分布23は、加速度センサー14による切削振動データの検出方向として、好ましくはカッターヘッド13の回転周方向RであるX方向の切削振動データによる振動加速度の大小の分布を、補助加速度センサー18による、好ましくはカッターヘッド13の回転周方向Rである第2の検出方向の本体部振動データによってノイズや機械震動を取り除いた状態で、ディスプレイ24上に表示させたものとなっている。これらによって、カッターヘッド13で切削中の切羽面12の地盤12a、12b、12cの状況を、より精度良く反映させた切削振動分布23を表示させることが可能になる。
本第1実施形態では、振動データ表示部22によって表示された図6(a)に示す円周方向の切削振動分布23から、切羽面12の地盤における異なる土質の境界部分を、容易に判別することができる。すなわち、表示された円周方向の切削振動分布23を観察することで、振動の分布の傾向が明らかに変化する箇所である振動の変動箇所23aを、容易に判別することができる。図6(a)の切削振動分布23では、左右両側に2箇所ずつ、振動の変動箇所23aを識別することができる。また、左右両側の2箇所ずつ変動箇所23aを、各々繋げることによって、切羽面12の地盤12a、12b、12cの層構成を判別することができると共に、好ましくは周辺の地盤の柱状図や、隔室19から排土された切削土砂の性状等を参照することによって、判別された層構成の各層の土質を、容易に判別することが可能になる。
また、本第1実施形態では、左右両側の各一対の振動の変動箇所23aを結んだ結合線23bを、切羽面12の地盤12a、12b、12cにおける異なる土質の境界部分として表示させる、境界線表示部31を備えているので、この境界線表示部31によって結合線23bを表示させることにより、切羽面12における異なる土質の境界部分や地盤12a、12b、12cの層構成を、さらに容易に把握することが可能になる。
本第1実施形態では、振動データ表示部22は、さらに、図6(b)に示すように、振動データ記憶部21によって記憶された、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の各々の掘進スパンの掘進時に計測された切削振動データから、所定箇所の複数の掘進スパンの切削振動データを取り出して、これらの切削振動データによる、切羽断面を模した円の円周方向の複数の切削振動分布を、シールド掘進機11の掘進方向に連設させた状態で表示させることができるようになっている。なお、図6(b)に示す表示画面では、切削振動分布23(図6(a)参照)から振動の変動箇所23aを判別すると共に、境界線表示部31によって結合線23bを表示させてから、切削振動分布23を消去すると共に結合線23bを描いた状態で、切羽断面を模した円が複数連設して表示されている。本第1実施形態では、前方土質分布判定部32は、これらの複数連設する切削振動分布や切羽断面を模した円から、切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を判定するようになっている。
前方土質分布判定部32は、統計処理などを行うための公知の各種の数式が組み込まれていることにより、円周方向の切削振動分布における振動の変動箇所23aの位置が、掘進方向先端側の複数の掘進スパンで掘進方向に変位してゆく傾向から、切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を判定できるようになっている。すなわち、本第1実施形態では、前方土質分布判定部32は、例えば掘進方向先端側の複数の掘進スパンの切削振動分布や切羽断面を模した円から、任意の複数の切削振動分布等を指定することにより、指定した任意の複数の切削振動分布等の間で、例えば振動の変動箇所23bの位置を繋ぎ合わせたり、振動の変動箇所23bが変位する際の変位の変化率を繋ぎ合わせて、これらの延長線から、掘進方向前方の地盤での切羽断面を模した円における振動の変動箇所23a’を予測するようになっている。また、例えば予測された振動の変動箇所23a’を、境界線表示部31によって結合線23b’で結ぶことにより、切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を、容易に判定できるようになっている。
これらによって、本第1実施形態のシールド掘進機による土質分布の判定方法によれば、シールドトンネルを構築する際に、簡易な構成によって、カッターヘッド13で切削中の切羽面12の地盤12a、12b、12cの状況を、リアルタイムで面的に精度良く把握することができると共に、把握された切羽面12の地盤12a、12b、12cの状況から、切羽面よりも掘進方向前方の地盤12a、12b、12cの土質分布を、容易に判定することが可能になる。
また、本発明の好ましい第2実施形態に係るシールド掘進機による土質分布の判定方法は、上述の第1実施形態の土質分布の判定方法に用いたものと同様の切羽土質分布の識別システム10を使用して、構築後のシールドトンネルの周囲の地盤の土質分布を判定するための方法として採用されたものである。
すなわち、本第2実施形態の土質分布の判定方法では、コンピュータ20は、図1に示すように、地質実績図作成部33を備えており、地質実績図作成部33は、振動データ表示部22によって表示された、各々の掘進スパンにおける複数の円周方向の切削振動分布22による切削振動データを、切羽断面を模した円の鉛直方向に複数に分割し(図示せず)、分割した各領域の左右の切削振動データの平均値から、コンター表示による鉛直方向振動分布を得て、得られた各々の掘進スパン毎の鉛直方向振動分布を、シールド掘進機による掘進方向に連接させることで、地質実績図34を作成するようになっており(図7参照)、作成した地質実績図34によって、シールドトンネル35の外周部分の地盤の土質分布を判定するようになっている。
そして、本第2実施形態の土質分布の判定方法では、作成した地質実績図34を、好ましくは周囲の地盤のボーリング柱状図から得られた地質縦断図36における、シールド掘進機による掘進箇所に重ね合わせて表示して、シールドトンネル35の外周の地盤の土質分布を判定できるようになっている。
本第2実施形態のシールド掘進機による土質分布の判定方法によっても、シールドトンネルを構築する際に、簡易な構成によって、カッターヘッドで切削中の切羽面の地盤の状況を、リアルタイムで面的に精度良く把握することができると共に、把握された切羽面の地盤の状況から、シールドトンネル35の外周部分の地盤の土質分布を精度良く判定することが可能になる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、振動データ記憶部によって記憶される切削振動データは、回転角度毎の振動加速度である必要は必ずしも無く、振動周波数や、振動の振幅等であっても良い。振動データ表示部によって表示される円周方向の切削振動分布は、回転角度毎の振動加速度の分布である必要は必ずしも無く、振動周波数や振動の振幅等の切削振動データによる切削振動分布であっても良い。これらの切削振動データによる切削振動分布であっても、振動の変動箇所から、切羽面の地盤における異なる土質の境界部分を容易に判別することが可能である。
また、補助加速度センサーは、隔壁の背面部分以外の、その他のシールド本体の内側壁面に取り付けて用いることもできる。補助加速度センサーは、必ずしも必要ではなく、切削振動データの切削時振動分布は、本体部振動データによってノイズや機械震動を取り除いた状態で表示させる必要は必ずしも無い。さらに、境界線表示部は必ずしも必要ではなく、シールド掘進機は、泥土圧式以外の、泥水式等の、その他の種々の密閉型のシールド掘進機であっても良い。
以下、実施例により、本発明の現し梁の耐火構造をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
表1に示す工事概要で施工されるシールド工事において、図1に示す切羽土質分布の識別システム10と同様の識別システムを採用して、振動データ記憶部によって記憶された回転角度毎の切削振動データとして、好ましくは振動加速度(切削時の地盤応答加速度)を、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の掘進スパンについて各々採取し、採取された切削振動データから振動データ表示部によって表示された、切羽断面を模した円の円周方向に分布する切削振動分布に基づいて、切羽断面内で切削振動データを鉛直方向に評価することで、図7に示すような地質実績図34を表現した。
すなわち、各リングにおける振動加速度の計測値を、切羽断面(φ2.36m)の鉛直方向に例えば15分割し、左右の平均値(分割した各領域内の全ての計測値の平均値)を計算してデータを整理したうえで、得られた振動加速度の平均値を、計測レンジ0〜2100galでコンター表示することによって地質実績図34を作成し、図7に示すように、作成した地質実績図34を、周囲の地盤のボーリング柱状図から得られた地質縦断図36に、シールドトンネル35の掘進場所に応じて重ね合わせた。
図7に示す地質実績図34を詳細に観察すると、同じ断面内でも鉛直方向で計測値に大きな差異が見られる。これは、礫質土の特徴ともいえ、加速度センサーが取り付けられたカッタービットが礫部を掘削するときに、大きな応答値を示すからである.一方、図7の※1の部分では、礫質土の中でも、断面内の鉛直方向の差異が小さい。これは、礫質土層の地盤形成時に河川堆積物である礫が、山部ではなく、谷部に堆積したものと推測でき、きわめて興味深い結果となっている。
〔実施例2〕
実施例1と同様に、表1に示す工事概要で施工されるシールド工事において、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の掘進スパンについて得られた、切羽断面を模した円の円周方向に分布する複数の切削振動分布に基づいて、これらの切削振動分布が、掘進方向先端側の複数の掘進スパンで掘進方向に変位してゆく傾向から、切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を予測して判定した。
すなわち、図8に示すように、例えば図7の※2に示す、掘進方向先端側のNo.126〜No.134のリングに対応する複数の掘進スパンの切削振動分布における、同等の振動加速度の変動箇所を、掘進方向に繋ぎ合わせて、その延長線から、例えば3m前方の地盤の土質分布を予測した。No.126のリングでは、切羽面の略上半部分が礫質土、略下半部分が砂質土となっており、切羽面の掘進の進捗とともに、上部から礫質土の割合が多くなっている。予測された3m前方の地盤の切羽面では、上部の2/3程度が礫質土と判定されている。
図9は、掘進方向先端側のNo.126〜No.134のリングから予測された、3m前方のNo.137のリングに対応する掘進スパンを実際に掘削した際に、加速度センサーによる計測値から得られた円周方向に分布する切削振動分布を示すものである。図9に示す切削振動分布では、切羽面の上部の2/3程度に大きな振動加速度を確認することができ、図8の予測の結果は、実際の切羽面の断面構成におおよそ合致している判定することができる。
10 シールド掘進機による切羽土質分布の判別システム
11 シールド掘進機
12 切羽面
12a,12b,12c 切羽面の地盤
13 カッターヘッド
13a センターシャフト
14 加速度センサー
15 シールド本体
16 カッタービット
16a 最も外周部分に配置されたカッタービット
17 隔壁
18 補助加速度センサー
19 隔室
20 コンピュータ
21 振動データ記憶部
22 振動データ表示部
23 円周方向の切削振動分布
23a 振動の変動箇所
23b 結合線
24 ディスプレイ
29 伝送システム
30 運転管理室
31 境界線表示部
32 前方土質分布判定部
33 地質実績図作成部
34 地質実績図
35 シールドトンネル
36 地質縦断図

Claims (3)

  1. カッターヘッドの外周部分に取り付けられた加速度センサーと、該加速度センサーと接続されたコンピュータとを含む、切羽土質分布の判別システムを備えるシールド掘進機による土質分布の判定方法であって、
    前記コンピュータは、前記加速度センサーから送られる、前記カッターヘッドに設けられたカッタービットによって切羽面を切削する際の切削振動データを、前記カッターヘッドの所定の回転角度毎に記憶させる振動データ記憶部と、該振動データ記憶部によって記憶された前記回転角度毎の切削振動データを、切羽断面を模した円の円周方向に分布する切削振動分布として表示させる振動データ表示部とを備えており、
    前記振動データ記憶部によって記憶される回転角度毎の切削振動データを、シールドトンネルを構成するセグメントによる各リング分の掘進スパンについて各々採取して、前記振動データ表示部によって前記切羽断面を模した円の円周方向に分布する切削振動分布として表示させ、表示された前記切羽断面を模した円の円周方向の切削振動分布における、振動の分布の傾向が明らかに変化する箇所である振動の変動箇所から、切羽面の地盤の前記切羽断面における異なる土質の境界部分を判別し、且つ周辺の地盤の柱状図、又は排土された切削土砂の性状を参照することによって、判別された層構成の各層の土質を判別するシールド掘進機による土質分布の判定方法。
  2. 前記コンピュータは、境界線表示部を備えており、該境界線表示部は、前記振動データ表示部によって表示された複数の前記切羽断面を模した円の円周方向の各々の切削振動分布における、一対の振動の変動箇所を結んだ結合線を、切羽面の地盤の前記切羽断面における異なる土質の境界部分として表示させる請求項1記載のシールド掘進機による土質分布の判定方法。
  3. 前記コンピュータは、前方土質分布判定部を備えており、該前方土質分布判定部は、前記振動データ表示部によって表示された、前記切羽断面を模した円の円周方向の切削振動分布における振動の変動箇所の位置が、掘進方向先端側の複数の掘進スパンで掘進方向に変位してゆく傾向から、切羽面よりも掘進方向前方の地盤の土質分布を判定する請求項1又は2記載のシールド掘進機による土質分布の判定方法。
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