JP2007327527A - エネルギー回生型動力装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 作業機系のアクチュエータと、走行系のアクチュエータと、上記作業機系または走行系のアクチュエータに作動油を選択的に供給する第1ポンプP1および第2ポンプP2とを備えた建設機械の動力装置において、上記作業機系のアクチュエータに慣性エネルギーや位置エネルギーが作用したときに戻り側となる通路30に接続する可変容量形の回生モータM1と、この回生モータと一体に回転するとともに、上記第1ポンプまたは第2ポンプのいずれか一方または双方に作動油を合流する可変容量形の補助ポンプP3と、上記回生モータおよび補助ポンプと一体に回転する発電電動機Mと、この発電電動機が発電した電力を蓄電する蓄電ユニットUとを備える。
【選択図】 図1
Description
図4に示すように、このパワーショベルにおいては、第1ポンプP1と第2ポンプP2とを駆動源であるエンジンに連係するとともに、エンジンの回転によって上記両ポンプP1,P2から作動油を吐出するようにしている。
また、第2ポンプP2は、第2ポンプ通路8および第2タンデム通路8aに接続するとともに、この第2タンデム通路8aには、右走行用バルブ9、バケット用バルブ10、ブームI速用バルブ11、アームII速用バルブ12を接続している。ただし、第2ポンプ通路8には第2パラレル通路13を接続するとともに、上記バケット用バルブ10およびブームI速用バルブ11を、この第2パラレル通路13に対してパラレルに接続している。
なお、上記左走行用バルブ2および右走行用バルブ9が走行系のアクチュエータを制御するバルブであり、その他のバルブが作業機系のアクチュエータを制御するバルブである。
なお、図中符号16はメインリリーフの切換弁、17〜19はリリーフ弁、20はパイロットポンプである。このパイロットポンプ20は、各バルブや切換弁15、切換弁16を切り換えるためのパイロット圧を吐出するものであり、リリーフ弁19によってパイロットラインの最高圧が設定されている。
また、リリーフ弁17はリリーフ弁18よりも設定圧を高くしている。したがって、切換弁16が図示の連通位置にある場合には、リリーフ弁18の設定圧が回路の最高圧となり、切換弁16が図面左側の遮断位置にある場合には、リリーフ弁17の設定圧が回路の最高圧となる。
パワーショベルが停止した状態で作業機系のアクチュエータを作動する場合には、第1ポンプP1を回転させるとともに、旋回用バルブ3、アームI速用バルブ4、ブームII速用バルブ5のいずれかを切り換える。いま、アーム用アクチュエータを制御するために、アームI速用バルブ4を切り換えたとすると、第1ポンプP1から吐出した作動油は、第1パラレル通路7およびアームI速用バルブ4を介してアーム用アクチュエータに導かれるとともに、当該作動油によってアーム用アクチュエータを作動することができる。なお、このときアームI速用バルブ4が切り換わったことによって、第1ポンプ通路1が遮断されて第1ポンプP1と左走行用バルブ2とが遮断される。
なお、第1、第2ポンプP1,P2から作動油を吐出させた状態で、アームI速用バルブ4およびアームII速用バルブ12を切り換えれば、アーム用アクチュエータを2速制御することができる。
このように、第1、第2ポンプP1,P2を回転させるとともに、作業機系のアクチュエータを制御するバルブを切り換えれば、アームやブームを2速制御したり、あるいは、ブーム、アーム、バケットを同時に制御したりすることができる。
この状態において、第1ポンプP1を回転させるとともに、旋回用バルブ3、アームI速用バルブ4、ブームII速用バルブ5のいずれかを切り換えれば、第1ポンプP1から吐出する作動油によって作業機系のアクチュエータを作動することができる。
ところが、パワーショベルを用いる建設現場には、泥濘や凸凹が散見され、路面状況が非常に劣悪な場合が多い。このような泥濘や凸凹の地面をパワーショベルが走行すると、クローラが泥濘や凸凹にはまってしまい、そこから抜け出せなくなってしまうおそれがある。
ところが、劣悪な路面状況でも走行できるように両ポンプP1,P2の最大吐出容量を大きくしてしまうと、負荷の小さい作業をする場合や、平坦な路面を走行する場合に、駆動源の負荷が必要以上に大きくなってしまう。そのため、通常作業時におけるエネルギー効率が非常に悪くなってしまうという問題があった。
上記の構成を前提として、第1の発明は、作業機系のアクチュエータに慣性エネルギーや位置エネルギーが作用したときに戻り側となる通路に接続する可変容量形の回生モータと、この回生モータと一体に回転するとともに、上記第1ポンプまたは第2ポンプのいずれか一方または双方に作動油を合流する可変容量形の補助ポンプと、上記回生モータおよび補助ポンプと一体に回転する発電電動機と、この発電電動機が発電した電力を蓄電する蓄電ユニットとを備えた点に特徴を有する。
また、作業機系のアクチュエータに作用する慣性エネルギーあるいは位置エネルギーによって、補助ポンプを回転させることができるので、補助ポンプによって補助力を付与する場合でも、エネルギー効率を高めることができる。
また、発電電動機によって補助ポンプを回転する場合に、コントローラが回生モータを制御して傾角を最小にするので、回生モータが負荷にならない。したがって、効率よく補助ポンプによって補助力を付与することができる。
なお、この第1実施形態においては、上記従来の回路構成と同様、作業機系のアクチュエータと、走行系のアクチュエータと、上記作業機系または走行系のアクチュエータに作動油を選択的に供給する第1、第2ポンプとを備えた建設機械の動力装置を前提とする。そして、この第1実施形態は、従来の回路構成において、合流制御機構および回生機構を接続した点に特徴を有する。したがって、上記従来の回路構成については同様の符号を付するとともに、ここでは、合流制御機構および回生機構の構成および作用を中心に説明することとする。
なお、上記コントローラCは、各操作レバー27から入力される操作信号に基づいて、発電電動機Mの回転数や、第1ポンプP1,第2ポンプP2、補助ポンプP3および回生モータM1の傾角を制御するとともに、パイロット電磁弁28,29,32を制御している。また、2位置切換弁31、パイロット電磁弁32、発電電動機M、回生モータM1、補助ポンプP3、電力変換装置G、および蓄電ユニットUによって回生機構を構成している。
ブーム用アクチュエータAに負荷が作用している状態において、このブーム用アクチュエータAに作用する負荷を下降させて、慣性エネルギーや位置エネルギーを電気エネルギーに変換する場合には次の操作を行う。
すなわち、接続通路21と、第1パラレル通路7および第2パラレル通路13とが連通するようにブーム用操作レバー27を下げ側に操作し、ブームII速用バルブ5およびブームI速用バルブ11を切り換える。
すると、操作レバー27からの操作信号を受信したコントローラCは、第1ポンプP1または第2ポンプP2、補助ポンプP3、回生モータM1、およびパイロット電磁弁32を制御する。
ただし、補助ポンプP3は、コントローラCによって、その傾角がゼロに制御されているため、油を吐出することなく空回転する。したがって、ブーム用アクチュエータAに作用する慣性エネルギーや位置エネルギーを電気エネルギーに変換する場合に、補助ポンプP3が負荷とならずに、効率よく発電することができる。
すなわち、第1、第2ポンプP1,P2の傾角を制御して、走行系または作業機系のアクチュエータに作動油を供給するとともに、蓄電ユニットUに蓄電した電気エネルギーによって発電電動機Mを駆動する。さらに、このとき回生モータM1を制御して、その傾角をゼロにするとともに、補助ポンプP3を制御して、その傾角を各操作レバー27の操作量に応じて変化させる。
なお、上記のようにして補助ポンプP3から吐出した作動油を、走行系のアクチュエータに導いたり、作業機系のアクチュエータに導いたりするのが合流制御機構である。
例えば、第1ポンプP1から吐出する作動油をロッド側室A1に導いて、ブーム用アクチュエータAを作動し、第2ポンプP2から吐出する作動油によって、両走行系のアクチュエータを作動する場合には、コントローラCが次のように制御すればよい。
このとき、コントローラCがパイロット電磁弁29を制御しているので、合流制御弁24が図中下側位置に切り換わって、通路23と第2合流通路26とが連通する。したがって、補助ポンプP3から吐出した作動油が、第2ポンプP2から吐出する作動油と合流して、両走行用のアクチュエータに補助力を付与することができる。
また、作業機系のアクチュエータに作用する慣性エネルギーあるいは位置エネルギーによって、補助ポンプP3を回転させることができるので、補助ポンプP3によって補助力を付与する場合でも、エネルギー効率を高めることができる。
さらに、合流制御機構を制御して、補助ポンプP3から走行系または作業機系のアクチュエータに供給する作動油を制御するようにしたので、路面状況や作業機系のアクチュエータに作用する負荷に応じて、最適な制御が可能となる。
また、上記第1実施形態においては、第1、第2ポンプの傾角を制御して吐出量を可変にすることができるが、定吐出ポンプを用いても構わない。
さらに、合流制御弁は、各操作レバーの操作量に比例して、その切換量を制御するようにしてもよいし、オンオフ的に切り換わるようにしてもよい。
また、第1実施形態においては、パワーショベルの回路構成について説明したが、この発明はパワーショベルに限らず、走行系と作業機系のアクチュエータに、二台のポンプによって作動油を導く動力装置において、広く利用することができる。
なお、この第2実施形態においては、上記第1実施形態における合流制御機構の構成のみ異なり、他の回路構成、および電気エネルギーの変換方法、および補助ポンプの駆動方法は上記第1実施形態と同じである。
したがって、上記第1実施形態と同じ回路構成については同様の符号を付するとともに、ここでは、上記第1実施形態と異なる点である合流制御機構の構成および作用を中心に説明することとする。
上記合流制御弁33は、3位置に切り換え可能なバルブであって、両端に設けたスプリングのバネ力によってセンター位置を保持する。合流制御弁33は、このセンター位置において、通路23を第1合流通路25と第2合流通路26とに連通させ、補助ポンプP3から吐出する作動油を両合流通路25,26に等分配する。
上記の合流制御弁33は、第1合流通路25側からバルブの一端(図中上側)にパイロット圧を導くとともに、第2合流通路26側からバルブの他端(図中下側)にパイロット圧を導いている。
したがって、第1合流通路25側の圧力が、第2合流通路26側の圧力よりも高くなると、パイロット圧によって合流制御弁33が図中上側位置に切り換わり、反対に第2合流通路26側の圧力が、第1合流通路25側の圧力よりも高くなると、パイロット圧によって合流制御弁33が図中下側位置に切り換わる。
例えば、第1ポンプP1によって左走行用アクチュエータを作動させるとともに、第2ポンプP2によって右走行用アクチュエータを作動させてパワーショベルが走行している状態で、補助ポンプP3から作動油を吐出して、両走行用アクチュエータに補助力を付与したとする。
このように、第1、第2ポンプP1,P2から吐出する作動油に、補助ポンプP3から吐出する作動油を合流することによって、走行系のアクチュエータに大きな作動力を付与することができる。したがって、必要に応じてパワーショベルを高速走行させたり、クローラが泥濘にはまった場合にも、そこから容易に脱出したりすることができる。
例えば、走行系と作業機系とを同時制御している場合に、補助ポンプP3から吐出する作動油を合流させれば、同時制御時であっても、高負荷作業を行ったり、高速走行したりすることができる。
なお、合流制御弁33は、補助ポンプP3を発電電動機Mによって回転させた場合であっても、回生モータM1の回転に伴って回転させた場合であっても、同じ制御を行うこと当然である。
また、作業機系のアクチュエータに作用する慣性エネルギーあるいは位置エネルギーによって、補助ポンプP3を回転させることができるので、補助ポンプP3によって補助力を付与する場合でも、エネルギー効率を高めることができる。
ただし、上記第1実施形態においては、第1ポンプP1および第2ポンプP2のいずれか一方または双方に対して、補助ポンプP3を選択的に合流させることができたが、この第2実施形態では合流先を選択することはできない。
なお、この第3実施形態においては、上記第2実施形態における合流制御機構の構成のみ異なり、他の回路構成、および電気エネルギーの変換方法、および補助ポンプの駆動方法は上記第2実施形態と同じである。
したがって、上記第2実施形態と同じ回路構成については同様の符号を付するとともに、ここでは、上記第2実施形態と異なる点である合流制御機構の構成および作用を中心に説明することとする。
図3に示すように、補助ポンプP3に接続した通路23は、第1合流通路25および第2合流通路26に分岐して接続するとともに、第1合流通路25は、第1ポンプ通路1に、第2合流通路26は、第2ポンプ通路8にそれぞれ接続している。
圧力補償弁34は、第1合流通路25であって、補助ポンプP3側(通路23側)の圧力と、高圧選択弁36から導かれた上記パイロット圧とによってバランスする。一方、圧力補償弁35は、第2合流通路26であって、補助ポンプP3側(通路23側)の圧力と、高圧選択弁36から導かれた上記パイロット圧とによってバランスする。また、圧力補償弁34,35の上流側には、それぞれ同一面積の固定絞りを設けているので、補助ポンプP3から第1合流通路25に導かれる作動油と、補助ポンプP3から第2合流通路26に導かれる作動油とは、常に等しくなる。
例えば、第1ポンプP1によって左走行用アクチュエータを作動させるとともに、第2ポンプP2によって右走行用アクチュエータを作動させてパワーショベルが走行している状態で、補助ポンプP3から作動油を吐出して、両走行用アクチュエータに補助力を付与したとする。
そして、第1ポンプP1および補助ポンプP3から吐出した作動油が、第1ポンプ通路1で合流して左走行用アクチュエータに導かれるとともに、第2ポンプP2および補助ポンプP3から吐出した作動油が、第2ポンプ通路8で合流して右走行用アクチュエータに導かれる。
例えば、走行系と作業機系とを同時制御している場合に、補助ポンプP3から吐出する作動油を合流させれば、同時制御時であっても、高負荷作業を行ったり、高速走行したりすることができる。
なお、合流制御機構は、補助ポンプP3を発電電動機Mによって回転させた場合であっても、回生モータM1の回転に伴って回転させた場合であっても、同じ制御を行うこと当然である。
また、作業機系のアクチュエータに作用する慣性エネルギーあるいは位置エネルギーによって、補助ポンプP3を回転させることができるので、補助ポンプP3によって補助力を付与する場合でも、エネルギー効率を高めることができる。
28,29 パイロット電磁弁
30 戻り流路
34,35 圧力補償弁
36 高圧選択弁
A ブーム用アクチュエータ
C コントローラ
G 電力変換装置
M 発電電動機
M1 回生モータ
P1 第1ポンプ
P2 第2ポンプ
P3 補助ポンプ
U 蓄電ユニット
Claims (3)
- 作業機系のアクチュエータと、走行系のアクチュエータと、上記作業機系または走行系のアクチュエータに作動油を選択的に供給する第1ポンプおよび第2ポンプとを備えた建設機械の動力装置において、上記作業機系のアクチュエータに慣性エネルギーや位置エネルギーが作用したときに戻り側となる通路に接続する可変容量形の回生モータと、この回生モータと一体に回転するとともに、上記第1ポンプまたは第2ポンプのいずれか一方または双方に作動油を合流する可変容量形の補助ポンプと、上記回生モータおよび補助ポンプと一体に回転する発電電動機と、この発電電動機が発電した電力を蓄電する蓄電ユニットとを備えたエネルギー回生型動力装置。
- 回生モータの傾角、補助ポンプの傾角、および発電電動機の回転を制御するコントローラを設けるとともに、このコントローラは、作業機系のアクチュエータに作用する慣性エネルギーや位置エネルギーを電気エネルギーに変換するとき、補助ポンプを制御して傾角を最小にする一方、補助ポンプから吐出する作動油を上記第1、第2ポンプから吐出する作動油に合流させるとき、発電電動機を回転させるとともに、補助ポンプの傾角を大きくし、かつ、回生モータの傾角を最小に制御する構成にした請求項1記載のエネルギー回生型動力装置。
- 上記補助ポンプと第1、第2ポンプとの接続過程には合流制御機構を設け、この合流制御機構によって、補助ポンプから走行系または作業機系のアクチュエータに供給する作動油を制御する構成にした上記請求項1または2記載のエネルギー回生型動力装置。
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