JP2007326128A - 電縫管溶接電源装置及びその再起動制御方法 - Google Patents

電縫管溶接電源装置及びその再起動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンタクト式電縫管負荷の開放又は短絡並びに誘導加熱方式における負荷定数の変化に対して電縫管の製造を継続でき、溶接不良を増加させることなくラインの稼働率及び単位時間当たりの生産高を向上でき、しかも本来の故障に対しては再起動を停止できるようにすること。
【解決手段】故障検出回路2においてコンタクト式電縫管負荷11の開放・短絡に伴う故障を検出する。再起動制御回路3が故障検出回路2から故障検出信号を受けて、ライン停止することなく、電力変換器21を故障停止させると共にインターバル時間T1経過後に再起動させて通常運転に戻す。また、再起動制御回路3は、モニタ時間T2内に一定回数Nの再起動が繰り返された場合はそれ以降の再起動を停止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属板を管状に形成しながら移動させ直接加熱又は誘導加熱によって連続溶接する電縫管溶接電源装置及びその再起動制御方法に関する。
電縫管は、帯鋼の両端部が対向するように管状に成形し、帯鋼両端部に高周波電流を通電して溶接することにより製造されるもので、土木、建築、鉄塔、支柱、その他の構造物に広く使われている。
図4はコンタクト式電縫管溶接電源装置とライン設備の概略的な外観を示す図である。同図を参照して、電縫管の製造方法について説明する。コンタクト式電縫管溶接電源装置では、帯鋼の両端部が対向するように複数の成形ロールを用いて順次円筒状に成形しながら移動させるライン設備が用いられる。ライン設備によって帯鋼の両端部が対向するように複数の成形ロール(図示せず)を用いて順次円筒状に成形しつつ溶接線方向に送給する。円筒状帯鋼であるコンタクト式電縫管負荷11の帯鋼両端部にコンタクトチップ12a,12bを接触し、電縫管溶接電源13から数10kW〜数100kWで数10kHz〜数100kHzの電力をコンタクトチップ12a,12bを介してコンタクト式電縫管負荷11に供給する。コンタクト式電縫管負荷11の帯鋼両端部に高周波電流を通電することで、当該両端部が加熱溶融され、さらにスクイーズロール14によって加圧されることにより、両端部が接合される。
コンタクト式電縫管負荷11は、数m/分〜数10m/分の速度で常に移動しており、コンタクトチップ12a,12bからみてコンタクト式電縫管負荷11は上下左右に変動している。このため、コンタクトチップ12a,12bとコンタクト式電縫管負荷11とは頻繁に接触と開放(離間)を繰り返している。また、コンタクトチップ12a,12b間等の部分では頻繁に短絡が発生する。
図5は電縫管溶接電源13の主回路構成並びにコンタクト式電縫管負荷11の構成及び負荷11側での接触、開放及び短絡を表した等価回路構成を示している。電力変換器21は、真空管又はMOSFET等を用いて構成され電圧源として動作する電圧型インバータであり、電力変換器21の出力端に誘導性インピーダンス22を介してコンデンサ23が並列に接続されている。電力変換器21は、数10kW〜数100kWで数10kHz〜数100kHzの電力を出力する。電縫管溶接電源13の出力端には、誘導性インピーダンス31と抵抗成分32で構成されたコンタクト式電縫管負荷11が接続されている。スイッチ40は、電縫管溶接電源13とコンタクト式電縫管負荷11との接触及び開放を表している。コンタクト式電縫管負荷11の両入力端を結ぶ線路上に設けられたスイッチ41は、コンタクト式電縫管負荷11の短絡を表している。誘導性インピーダンス42及び抵抗成分43は、コンタクト式電縫管負荷11の短絡時における誘導性インピーダンスと抵抗成分を表しており、コンタクト式電縫管負荷11の誘導性インピーダンス31及び抵抗成分32に比べて小さなものとなっている。
一般的に加熱負荷の抵抗は数10mΩ〜数100mΩであるので通電して加熱するためには大電流が必要とされ、大電流を効率よく流すために共振回路が用いられている。図5において、誘導性インピーダンス22(L2)と、誘導性インピーダンス31(L9)の並列回路と、コンデンサ23(C3)の並列回路とで共振回路が構成されている。かかる共振回路の共振周波数frは、例えば、L2=1μH、L9=0.08μH、C3=2μFのとき、次のようになる。
fr=1/[2×π×{((L2×L9)/(L2+L9))×C3}1/2]=413kHz
したがって、コンタクト式電縫管負荷11にコンタクトチップ12a,12bが接触している通常運転時は、電力変換器21の運転周波数(共振周波数fr)を413kHz近傍の周波数とすることにより、大電流を効率的にコンタクト式電縫管負荷11へ供給することができる。
一方、コンタクト式電縫管負荷11からコンタクトチップ12a,12bが離れた状態となる開放の場合は、共振周波数frは次のようになる。
fr=1/{2×π×(L2×C3)1/2}=113kHz
すなわち、コンタクト式電縫管負荷11が開放になることにより、電力変換器21の運転周波数である共振周波数frが大幅に低下する。
図6に接触及び開放の各状態での電縫管溶接電源13の出力電圧Vo及び出力電流Ioの変化を示している。同図に示すように、コンタクト式電縫管負荷11が開放になると、電力変換器21の運転周波数(共振周波数fr)が大幅に低下して制御が不安定となる。電力変換器21の出力側に変圧器が接続された場合は変圧器の鉄心の飽和を引き起こすので、電力変換器21を故障停止し、コンタクト式電縫管負荷11の移動も停止することとなる(ライン停止)。その後、コンタクト式電縫管負荷11を接触させてから、再びラインの運転を開始して電力変換器21の運転も再開する。
また、コンタクト式電縫管負荷11が短絡になった場合は、前述したように短絡時の誘導性インピーダンス42と抵抗成分43は、コンタクト式電縫管負荷11の誘導性インピーダンス31と抵抗成分32に比較して小さいため、電力変換器21の運転周波数(共振周波数fr)は大幅に高くなる。
図7に接触及び短絡の各状態での電縫管溶接電源13の出力電圧Vo及び出力電流Ioの変化を示している。同図に示すように、コンタクト式電縫管負荷11が短絡になると、電力変換器21の運転周波数(共振周波数fr)が大幅に高くなる。電力変換器21の運転周波数が急激に高くなると、制御が不安定になると共に機器の発熱などの限界超過、出力電流が大きくなることによる出力過電流が生じるので、コンタクト式電縫管負荷11の開放時と同様に、電力変換器21を故障停止させて、ラインも停止させている。その後、コンタクト式電縫管負荷11の短絡が除去された後、ラインの運転を開始し、電力変換器21の運転を開始する。
このように、コンタクト式電縫管負荷11の開放及び短絡が起きるたびに電縫管の製造が中断されていた。また、誘導加熱式電縫管負荷の場合も、コンタクト式電縫管負荷11に比較して頻度は少ないが負荷定数の変化により同様の故障停止が生じることになる。
一方、故障停止した場合であっても自動的に再起動できるようにした電源装置が提案されている。例えば、誘導加熱装置や誘導溶解炉設備において運転中に異常停止した後、自動的に再起動するようにした高周波電源装置の制御回路がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の高周波電源装置の制御回路は、負荷転流形のサイリスタインバータの入力電流と出力電流との差から転流失敗故障を検出し、再起動ゲートパルスのタイミングと電圧を調整して自動的にサイリスタインバータを再起動させている。
また、負荷が短絡したことを検出した時に電源となる高周波インバータをゲート遮断して故障停止させると共に一定時間経過後に高周波インバータを再起動させる電源回路用自動再起動装置がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2記載の電源回路用自動再起動装置は、故障検出が所定回数に達したときには再起動を停止するように構成されている。
特開平11−113268号公報 特開昭52−50550号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の高周波電源装置の制御回路は、加熱中の材料や溶解中の金属の温度低下を防止するためには有効であるが、電縫管溶接電源装置のようにライン設備に適用するには、次のような課題がある。
サイリスタインバータの運転周波数は一般的に数100Hz程度であり、例えば500Hzであるとする。また、故障停止から自動的に再起動して通常運転に復帰するまでの所要時間を考えた場合、運転周波数の1周期程度で故障を検出して故障停止し、10周期程度でライン停止の処理を完了し、さらに確認期間後に再起動して数十周期で電力を戻すとすると、合計で運転周波数の50周期程度は必要である。したがって、故障停止してから通常運転に戻すまでの時間は、(1/500Hz)×50周期=100m秒となる。また、ラインスピードを100m/分とすると、故障停止期間中である100m秒の間にラインの進む距離は、100m/分÷60秒×100m秒=0.167m=167mmとなる。図8に示すように、サイリスタインバータが故障停止してから通常運転に戻るまでの100m秒の間にラインは167mm進むので、この167mmの区間は溶接不良となり、製造された電縫管を製品として用いることはできないため、電縫管の製造を中断しなくてはならなくなる。
また、上記特許文献2記載の電源回路用自動再起動装置は、故障検出が所定回数に達すると再起動を停止する構成となっているが、コンタクト式電縫管負荷のように頻繁に接触、開放を繰り返す場合は、故障検出回数が多くなり、再起動を停止する動作も頻繁に発生し、電縫管の製造を中断する事態となる。また、故障検出時にゲート遮断して一定時間経過後に再起動を掛けるだけでは、本来の故障である負荷側の回路の開放や絶縁不具合などによる短絡でも再起動することとなるので、メンテナンス上問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、コンタクト式電縫管負荷の開放又は短絡並びに誘導加熱方式における負荷定数の変化に対して電縫管の製造を継続でき、溶接不良を増加させることなくラインの稼働率及び単位時間当たりの生産高を向上でき、しかも本来の故障に対しては再起動を停止でき、メンテナンス容易で信頼性の高い電縫管溶接電源装置及びその再起動制御方法を提供することを目的とする。
本発明の電縫管溶接電源装置は、ライン設備によって移動するオープンパイプの端部同士を直接加熱又は誘導加熱により連続して溶接する電縫管溶接電源装置において、コンタクト式電縫管負荷の開放・短絡又は誘電加熱式電縫管負荷の負荷定数変化に伴う故障を検出して故障検出信号を出力する故障検出手段と、前記故障検出信号を受けてライン停止することなく電源を故障停止させると共に所定時間経過後に再起動させて通常運転に戻し、一定時間内に一定回数以上の再起動が繰り返された場合はそれ以降の再起動を停止する再起動制御手段とを具備したことを特徴とする。
この構成によれば、コンタクト式電縫管負荷の開放・短絡又は誘電加熱式電縫管負荷の負荷定数変化に伴う故障を検出した場合に、ライン停止することなく電源を故障停止させると共に所定時間経過後に再起動させて運転周波数の所定周期で通常運転に戻すので、故障停止する度にライン停止させて電縫管の製造を中断するといった不都合を回避できる。後述するように、電源の運転周波数、故障停止してから通常運転に戻るまでの時間及びラインスピードによって、ラインを停止させずに電源を故障停止して通常運転に戻しても溶接にはほとんど影響ない。また、この構成によれば、一定時間内に一定回数以上の再起動が繰り返された場合はそれ以降の再起動を停止するので、本来の故障の場合にも自動的に再起動されるといった不都合を解消できる。
また本発明は、上記電縫管溶接電源装置において、前記再起動制御手段は、前記故障検出手段から出力された前記故障検出信号をトリガにして前記電源の運転を停止させるゲートオフ信号出力をホールドするホールド回路と、前記故障検出手段から出力された前記故障検出信号をトリガにしてタイマスタートし、予め定めた第1の時間に達すると前記ホールド回路にリセット信号を出力して前記ゲートオフ信号をリセットする第1のタイマ回路と、前記故障検出手段から出力された前記故障検出信号をカウントし、カウント値が所定数に達したならば前記ホールド回路にリセット中止信号を出力してリセットを中止させるカウンタ回路と、前記故障検出手段から出力された前記故障検出信号をトリガにしてタイマスタートし、前記電源を故障停止してから通常運転に戻るまでを1周期として複数周期分を含む第2の時間に達すると前記カウンタ回路にリセット信号を出力してカウント値をリセットさせる第2のタイマ回路とを具備したことを特徴とする。
この構成により、コンタクト式電縫管負荷の開放・短絡又は誘電加熱式電縫管負荷の負荷定数変化に伴う故障を検出した場合に、電源をゲートオフ信号にて故障停止できると共に第1の時間経過後にゲートオフ信号をリセットして再起動することができる。また、第2の時間内に故障検出信号のカウント値が所定数に達したならばホールド回路にリセット中止信号を出力して以降の再起動を中止させることができる。
本発明の電縫管溶接電源装置の再起動制御方法は、ライン設備によって移動するオープンパイプの端部同士を直接加熱又は誘導加熱により連続して溶接する電縫管溶接電源装置の再起動制御方法において、コンタクト式電縫管負荷の開放・短絡又は誘電加熱式電縫管負荷の負荷定数変化に伴う故障を検出する工程と、前記故障検出を受けてライン停止することなく電源を故障停止させると共に所定時間経過後に再起動させて通常運転に戻す工程と、一定時間内に一定回数以上の再起動が繰り返された場合は、それ以降の再起動を停止する工程とを具備したことを特徴とする。
本発明によれば、コンタクト式電縫管負荷の開放又は短絡並びに誘導加熱方式における負荷定数の変化に対して電縫管の製造を継続でき、溶接不良を増加させることなくラインの稼働率及び単位時間当たりの生産高を向上できる。
また本発明によれば、頻繁に生じる負荷の開放又は短絡と、本来の故障である負荷側の回路の開放や絶縁不具合などによる短絡との区別が可能で、メンテナンスが容易で信頼性も向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施の形態に係る電縫管溶接電源装置の概略的な構成図である。同図には、本実施の形態の電縫管溶接電源装置をコンタクト式電縫管負荷に接続した状態を示しており、図5に示す電縫管溶接電源13及びコンタクト式電縫管負荷11と同一部分には同一符号を付している。また、ライン設備の構成は図4に示すものと同様である。
図1に示すように、電縫管溶接電源1の主回路は、真空管又はMOSFET等を用いて構成され電圧源として動作する電圧型インバータの電力変換器21を備える。電力変換器21の出力端に誘導性インピーダンス22を介してコンデンサ23が並列に接続されている。電力変換器21は、数10kW〜数100kWで数10kHz〜数100kHzの電力を出力するものとする。
本実施の形態は、電力変換器21の運転状態を示す状態検出信号を入力して故障検出し故障検出信号を出力する故障検出回路2と、故障検出回路2から出力される故障検出信号に基づいて電力変換器21の再起動を制御する再起動制御回路3とを備える。故障検出回路2に入力する状態検出信号として電力変換器21の運転周波数を用いることができる。運転周波数以外にも、図1においてスイッチ40で表される電縫管溶接電源1とコンタクト式電縫管負荷11との間の開放、スイッチ41で表されるコンタクト式電縫管負荷11の短絡によって変化する電力変換器21の状態を検出可能なパラメータであれば状態検出信号として用いることができる。
図2は再起動制御回路3の具体的な構成を示す図である。
図2に示すように、ホールド回路13は、故障検出回路2からの故障検出信号の入力をトリガにしてゲートオフ信号をホールドし(アクティブ状態に維持)、第1のタイマ14からリセット信号が与えられるとゲートオフ信号のホールドを解除する(ノンアクティブ状態とする)。また、ホールド回路13は、カウンタ15からリセット中止信号が与えられた場合は、その後に第1のタイマ14からリセット信号が入力してもゲートオフ信号のホールドを維持するように構成されている。
第1のタイマ14は、任意のインターバル時間T1が予め設定され、故障検出信号が入力される度に計時動作を開始し、インターバル時間T1が経過した時点でリセット信号をホールド回路13へ出力する。インターバル時間T1は、コンタクト式電縫管負荷11における開放及び短絡(本来的な故障を除く)で電縫管溶接電源1を故障停止してから再起動するまでの時間として望ましい時間が設定される。例えば、電縫管溶接電源1を故障停止してから再起動して通常運転に戻すまでに運転周波数の50周期を要するとすれば、インターバル時間T1=50周期の時間−(再起動から通常運転までに要する時間)を設定することができる。
カウンタ15は、故障検出回路2から入力する故障検出信号を順次カウントし、カウント数が予め定めた数値Mに達したらリセット中止信号をホールド回路13へ出力する。また、カウンタ15は、第2のタイマ16からリセット信号が与えられると、現在のカウント数を0リセットする。ここで、本来の故障であるコンタクト式電縫管負荷11における回路開放や絶縁不具合などによる短絡が発生している場合、インターバル時間T1が経過しても回路開放や短絡は継続しているので、インターバル時間T1が経過して再起動を掛ける度に電縫管溶接電源1の故障停止が繰り返される。したがって、一定時間内に一定回数以上の再起動が繰り返される場合は本来の故障であると判断できる。本実施の形態は、本来の故障であるか否か判断する基準値となる再起動繰返し回数を数値Mとしてカウンタ15に設定する。
第2のタイマ16は、任意のモニタ時間T2を設定可能であり、故障検出信号の入力をトリガにして計時動作を開始し、モニタ時間T2が経過するとリセット信号をカウンタ15へ出力する。モニタ時間T2は、本来の故障であるか否か判断するために再起動繰返し回数を計測するための一定時間である。モニタ時間T2以内に再起動繰返し回数がN回(Nは2以上の自然数)に達した場合は本来の故障が発生しているものとする。
次に、以上のように構成された本実施の形態の動作について説明する。
図3は本実施の形態において通常運転から故障検出して故障停止し、再起動して通常運転に戻るまでのシーケンス図である。
通常運転においては、図4に示すライン設備によって帯鋼の両端部が対向するように複数の成形ロール(図示せず)を用いてオープンパイプに成形しつつ溶接線方向に一定速度で送給し、コンタクト式電縫管負荷11となるオープンパイプの帯鋼両端部にコンタクトチップ12a,12bを接触し、電縫管溶接電源1から数10kW〜数100kWで数10kHz〜数100kHzの電力をコンタクトチップ12a,12bを介して供給する。コンタクト式電縫管負荷11に高周波電流を通電することで、当該両端部が加熱溶融され、スクイーズロール14によって加圧されることにより、両端部が接合される。このような、通常運転時には故障検出回路2から再起動制御回路3に対して故障検出信号は出力せず、ホールド回路13からゲートオフ信号は出力されない。
今、本来の故障ではなく、オープンパイプの帯鋼両端部からコンタクトチップ12a,12bが離れてコンタクト式電縫管負荷11の開放が発生し、又はコンタクト式電縫管負荷11において一時的な短絡が発生したものとする。この場合、故障検出回路2から故障検出信号が再起動制御回路3へ出力される。
再起動制御回路3では、ホールド回路13が入力した故障検出信号をトリガにしてゲートオフ信号をホールドして、電力変換器21に対してゲートオフ信号を与える。電力変換器21は、ゲートオフ信号によって故障停止する。
一方、第1のタイマ14は、上記故障検出信号をトリガにして計時動作を開始し、インターバル時間T1が経過した時点でリセット信号をホールド回路13へ出力する。ホールド回路13は、第1のタイマ14からリセット信号が入力すると、それまでホールドしていたゲートオフ信号の出力を停止する。電力変換器21は、故障停止(故障発生)からインターバル時間T1経過後にゲートオフ信号が解除され、再起動を開始して所定時間後に通常運転に戻る。
本実施の形態は、再起動制御回路3が電力変換器21にゲートオフ信号を与えて故障停止してからゲートオフ信号を解除して通常運転に戻るまでの期間、ライン設備によるライン停止は行わない。
ここで、電力変換器21の故障停止後、通常運転に戻すまでの時間及びその間のラインの移動距離について詳しく説明する。電力変換器21の運転周波数は数10kHz〜数100kHzであるが、本計算例では300kHzとする。また、背景技術での説明と同様に、故障停止後、通常運転に戻すまでの時間は運転周波数の50周期とし、ラインスピードは100m/分とする。このような条件下において、故障停止後、通常運転に戻すまでの時間は、次のようになる。
(1/300kHz)×50周期=167μ秒
167μ秒の間にラインの進む距離は、次のようになる。
(100m/分÷60秒)×167μ秒=0.00028m=0.28mm
したがって、故障停止後、通常運転に戻すまでにラインの進む距離は、0.28mmであり、熱の広がりなどを考えると、167μ秒程度の時間の電力変換器21の停止は溶接にはほとんど影響ない。
このように、電力変換器21が故障停止してから通常運転に戻るまでの167μ秒程度の期間(ライン移動距離0.28mm)は、ラインを停止させなくても溶接にはほとんど影響を与えないので、上記したようにその間にライン停止は行わないものとした。よって、コンタクトチップ12a,12bとコンタクト式電縫管負荷11とが頻繁に接触と開放を繰り返して又はコンタクトチップ12a,12b間等の部分で頻繁に短絡が発生して、電力変換器21が故障停止しても、故障停止する度にライン停止させて電縫管の製造を中断するといった不都合を回避でき、ラインの稼動効率を向上させることができ、単位時間当たりの生産高を増やすことができる。また、溶接不良の発生を大幅に低減でき、不良品選別に割く時間を短縮できると共にその手間を削減することができる。
一方、本来の故障である負荷11側の回路開放や絶縁不具合などによる短絡が生じた場合は、ライン停止して不具合を取り除く必要がある。第1のタイマ14に設定したインターバル時間T1の間に回復しない本来の故障が発生した場合、カウンタ15において第2のタイマ16に設定したモニタ時間T2内に再起動繰返し回数がN回に達する。カウンタ15は、モニタ時間T2内の再起動繰返し回数がN回に達すると、リセット中止信号を出力する。
ホールド回路13は、カウンタ15からリセット中止信号が入力すると、以降は第1のタイマ14からリセット信号が入力してもゲートオフ信号のホールドを維持して電力変換器1の再起動を中止する。
これにより、一定時間に故障停止と再起動を繰り返した場合は、ゲートオフ信号のホールドを維持して電力変換器1の再起動を防止することができる。すなわち、本来の故障による故障停止とそれ以外のライン停止の必要性の無い故障停止とを区別でき、本来の故障の場合は速やかにライン停止して不具合箇所の除去作業を開始することができる。
なお、以上の説明では電縫管負荷としてコンタクト式電縫管負荷11を例にして説明したが、本発明はコンタクト式電縫管負荷11以外の電縫管負荷にも適用可能である。例えば、誘導加熱式電縫管負荷に適用できる。誘導加熱式電縫管負荷の場合、故障検出回路2が負荷定数の変化を検出して故障検出信号を出力するように構成することができる。再起動制御回路3の構成は図2に示す回路構成を用いることができる。
また、電縫管溶接電源1の主回路は、真空管又はMOSFET等を用いて構成され電圧源として動作する電圧型インバータに限定されるものでは無く、その他の形式の電縫管溶接電源を用いることができる。電縫管溶接電源1の電源形式によっては、ゲートオフ信号以外の制御信号を電源に与えて故障停止させることとなる。
本発明は、コンタクト式電縫管負荷又は誘導加熱式電縫管負荷の電縫管溶接電源に適用可能である。
本発明の一実施の形態に係る電縫管溶接電源装置の構成及びコンタクト式電縫管負荷の構成図 図1に示す再起動制御回路の構成図 上記一実施の形態において通常運転から故障停止して通常運転に戻るまでのシーケンス図 電縫管溶接電源とライン設備の概略的な構成を示す図 従来の電縫管溶接電源装置の構成並びにコンタクト式電縫管負荷の構成図 コンタクト式電縫管負荷が開放したときの電縫管溶接電源の出力電圧及び出力電流の変化を示す図 コンタクト式電縫管負荷が短絡したときの電縫管溶接電源の出力電圧及び出力電流の変化を示す図 従来の電縫管溶接電源装置において通常運転から故障停止して通常運転に戻るまでのシーケンス図
符号の説明
1、13 電縫管溶接電源
2 故障検出回路
3 再起動制御回路
11 コンタクト式電縫管負荷
12a,12b コンタクトチップ
14 スクイーズロール
21 電力変換器
22 誘導性インピーダンス(電源側)
23 コンデンサ
31 誘導性インピーダンス(負荷構成分)
32 抵抗成分(負荷構成分)
40,41 スイッチ
42 誘導性インピーダンス(負荷短絡時)
43 抵抗成分(負荷短絡時)

Claims (3)

  1. ライン設備によって移動するオープンパイプの端部同士を直接加熱又は誘導加熱により連続して溶接する電縫管溶接電源装置において、
    コンタクト式電縫管負荷の開放・短絡又は誘電加熱式電縫管負荷の負荷定数変化に伴う故障を検出して故障検出信号を出力する故障検出手段と、
    前記故障検出信号を受けてライン停止することなく電源を故障停止させると共に所定時間経過後に再起動させて通常運転に戻し、一定時間内に一定回数以上の再起動が繰り返された場合はそれ以降の再起動を停止する再起動制御手段と、
    を具備したことを特徴とする電縫管溶接電源装置。
  2. 前記再起動制御手段は、
    前記故障検出手段から出力された前記故障検出信号をトリガにして前記電源の運転を停止させるゲートオフ信号出力をホールドするホールド回路と、
    前記故障検出手段から出力された前記故障検出信号をトリガにしてタイマスタートし、予め定めた第1の時間に達すると前記ホールド回路にリセット信号を出力して前記ゲートオフ信号をリセットする第1のタイマ回路と、
    前記故障検出手段から出力された前記故障検出信号をカウントし、カウント値が所定数に達したならば前記ホールド回路にリセット中止信号を出力してリセットを中止させるカウンタ回路と、
    前記故障検出手段から出力された前記故障検出信号をトリガにしてタイマスタートし、前記電源を故障停止してから通常運転に戻るまでを1周期として複数周期分を含む第2の時間に達すると前記カウンタ回路にリセット信号を出力してカウント値をリセットさせる第2のタイマ回路と、を具備したことを特徴とする請求項1記載の電縫管溶接電源装置。
  3. ライン設備によって移動するオープンパイプの端部同士を直接加熱又は誘導加熱により連続して溶接する電縫管溶接電源装置の再起動制御方法において、
    コンタクト式電縫管負荷の開放・短絡又は誘電加熱式電縫管負荷の負荷定数変化に伴う故障を検出する工程と、
    前記故障検出を受けてライン停止することなく電源を故障停止させると共に所定時間経過後に再起動させて通常運転に戻す工程と、
    一定時間内に一定回数以上の再起動が繰り返された場合は、それ以降の再起動を停止する工程と、
    を具備したことを特徴とする電縫管溶接電源装置の再起動制御方法。
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