JP2007326081A - 多液混合装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撹拌室16内のロータ41は、回転軸50から径方向外向きに突出するとともに回転方向に対して傾いた複数の撹拌片51を有し、撹拌室16内には、回転時にロータ41が占める円柱状空間52を包囲する筒状空間53が形成されている。複数の流入口20A,20Bから撹拌室16に流入した主剤と硬化剤は、円柱状空間52内を流出口30側へ向かう経路と、反転して筒状空間53内を流入口20A,20B側へ向かう経路とを交互に通ることによって撹拌室16内で対流するので、塗装ガン34への二液混合塗料の供給が停止している間も、撹拌室16内において二液混合塗料の流れが滞ることがない。
【選択図】図1
Description
上記のように複数種類の液体を混合する混合装置として、スタティックミキサを用いることができる。スタティックミキサは、液体の流路内に、捻れ方向が逆向きであって螺旋状の板からなる2種類のエレメントを交互に配置したものであり、各エレメントを通過するときに液体の流れを分割する作用と、隣り合うエレメント間を移行するときに液体の流れの捻れ方向を反転させる作用を繰り返すことにより、複数の液体を混練するようになっている。
また、塗装ガンに至る流路の途中に設けた混合装置の別の例としては、特許文献2に記載されているように、可動式エレメントを内蔵し、この可動式エレメントを回転させることによって2つの液剤を混合するものが知られている。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、塗装ガンへの塗料の供給が停止している間も、複数の液剤を十分に混合することのできる多液混合装置を提供することを目的とする。
複数の流入口から撹拌室に流入した複数の液剤は、回転する撹拌片により、撹拌されつつ円柱状空間内を流出口に向かって送られて混合液剤となる。混合液剤の一部は流出口から塗装ガンへ送出され、流出口から流出しなかった混合液剤は、反転して筒状空間内を流入口側へ戻るように流れ、新たに流入口から流入した液剤と合流して再び混合されつつ円柱状空間内を流出口へ向かって流れる。
本発明によれば、複数の液剤を撹拌しつつ対流を生じさせるようになっているので、塗装ガンへの塗料の供給が停止している間も、撹拌室内において複数の液剤の流れが滞ることがなく、複数の液剤を十分に混合した状態に保つことができる。
流入口から撹拌室内に流れ込んだ液剤は、撹拌室内に流入した直後に、直ちに、撹拌片によって剪断されるので、混合効率が高い。
筒状空間を構成する撹拌室の内周面のうち回転軸の軸線方向における両端部が、先細り状に縮径したテーパ状に形成されているので、筒状空間の内周面に沿った液剤の流れが円滑となり、液剤が滞留する虞がない。
撹拌室内に収容されているロータに回転力を伝える手段として、ロータに一体回転するように設けた伝達部材を撹拌室の外部へ突出させ、この伝達部材に回転力を付与する構造が考えられるが、このように回転する伝達部材を撹拌室の外部へ突出させる構造の場合、撹拌室を構成する壁部における伝達部材の貫通部の隙間に浸入した混合液体が、高粘度化して固着し、そのためにロータの回転に支障を来たすことが懸念される。これに対し本発明では、ロータに回転力を付与する手段として、磁力を利用しているので、上記のような混合液体の高粘度化に起因するロータの回転不良を回避することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1及び図2を参照して説明する。本実施形態の多液混合装置Mは、主剤(本発明の構成要件である液体)と硬化剤(本発明の構成要件である液体)を所定の割合で混合するためのものであって、この多液混合装置Mには、主剤と硬化剤が夫々所定の流量ずつ交互に供給されるようになっている。また、混合された主剤と硬化剤は、二液混合塗料として塗装ガン34へ供給されるようになっている。
筒状部材10は、非磁性材料からなり、軸線を上下方向に向けた状態で上下両端部を上部支持体24と下部支持体17とによって支持されている。筒状部材10のうち上下両端部を除いた部分は、径寸法が一定(寸胴状)の寸胴部11となっている。筒状部材10の上端部には、寸胴部11の上端から上方に向かって次第に縮径する(径寸法が小さくなる)形態の上部テーパ部12が形成されているとともに、上部テーパ部12の上端から一定の寸法で上方へ延出する上部縮径部13が形成されている。一方、筒状部材10の下端部には、寸胴部11の下端から下方に向かって次第に縮径する(径寸法が小さくなる)形態の下部テーパ部14が形成されているとともに、下部テーパ部14の下端から一定の寸法で下方へ延出する下部縮径部15が形成されている。かかる筒状部材10の内部空間は撹拌室16となっている。
尚、本実施形態では、撹拌室16の下部縮径部15の内径寸法は18.6mmであり、下部縮径部15の深さ(上下方向の)寸法は5mmであり、回転軸50の外径寸法は18mmであり、最下端の撹拌片51と撹拌室16の下端面との隙間は0.3mmであり、撹拌片51の上下寸法は2mmであり、流入口20A,20Bの直径は6mmである。
主剤と硬化剤を混合する際には、まず、駆動ギヤ35を回転させ、筒状部材10内でロータ41を回転させておき、この状態で、2つの流入口20A,20Bから撹拌室16の下端部に主剤と硬化剤を交互に供給する。供給された主剤と硬化剤は、流入口20A,20Bから撹拌室16内に流入した直後に、最下端に位置する撹拌片51によって剪断されるとともに、その撹拌片51の傾斜面によって上方(流出口30側)へ押し上げられる。次いで、その上側に位置する撹拌片51により、更に剪断されるとともに上方へ押し上げられ、これが繰り返されることにより、主剤と硬化剤が、次第に撹拌されつつ上方へ送られ、撹拌室16の上端に至るまでに所定の比率で混合された二液混合塗料となる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では2つの液剤を混合する場合について説明したが、本発明は、3つ以上の液剤を混合する場合にも適用できる。
(2)上記実施形態ではロータを回転駆動する手段として磁石を用いたが、本発明によれば、回転軸の端部を撹拌室の外部へ突出させ、その突出部分に回転駆動力を付与してもよい。
(3)上記実施形態では撹拌片を回転軸の軸線方向(液体の流通方向)に間隔を空けて複数設けたが、本発明によれば、撹拌片は、液体の流通方向における1箇所のみに設けてもよい。
(4)上記実施形態では2種類の液体を所定量ずつ交互に撹拌室内に流入させるようにしたが、本発明によれば、2種類の液体を所定量ずつ同時に撹拌室内に流入させてもよい。
(5)上記実施形態では2種類の液体を混合する場合について説明したが、本発明によれば、混合する液体の種類は3種類以上であってもよい。
(6)上記実施形態では流入口を、撹拌室の内面のうち回転軸の軸線と直角な端面に開口させたが、本発明によれば、流入口を、撹拌室の内周面に開口させてもよい。
(7)上記実施形態では混合によって得られる混合液体が塗料である場合について説明したが、本発明は、塗料以外の混合液体にも適用できる。
(8)上記実施形態では流入口を各液剤毎に別々に撹拌室に開口させたが、本発明によれば、撹拌室に至る手前で複数の液剤を合流させた状態で撹拌室に流入させてもよい。
(9)上記実施形態では筒状空間を構成する撹拌室の内周面のうち回転軸の軸線方向における両端部が、先細り状に縮径したテーパ状に形成されているが、本発明によれば、撹拌室の内周面のうち回転軸の軸線方向における両端部を、内径が一定の寸胴状に形成されていてもよい。
(10)上記実施形態では最も流入口に近い位置に配置されている撹拌片が、流入口の開口部の近傍に位置するが、本発明によれば、最も流入口に近い位置に配置されている撹拌片が、流入口の開口部から少し離間した位置に配置されていてもよい。
16…撹拌室
20A…流入口
20B…流入口
30…流出口
34…塗装ガン
35…駆動ギヤ(駆動側回転部材)
40…駆動側磁石
41…ロータ
44…従動側磁石
50…回転軸
51…撹拌片
52…円柱状空間
53…筒状空間
Claims (4)
- 一方の端部に液剤の供給源に接続された複数の流入口が形成され、他方の端部に塗装ガンに接続された1つの流出口が形成されている撹拌室と、
前記撹拌室内に回転可能に収容され、前記流入口と前記流出口を結ぶ線に概ね沿うように配置された回転軸と、前記回転軸から径方向外向きに突出するとともに回転方向に対して傾いた形態の複数の撹拌片とを有するロータと、
前記撹拌室内に、回転時に前記ロータが占める円柱状空間を包囲するように形成された筒状空間とを備えていることを特徴とする多液混合装置。 - 前記複数の流入口が、前記撹拌室の内面のうち前記回転軸の軸線と略直角な端面に開口するように形成され、
前記複数の撹拌片のうち前記流入口の最も近くに位置する撹拌片が、前記流入口から前記撹拌室に流れ込む液剤の流れを横切るように回転するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の多液混合装置。 - 前記筒状空間を構成する撹拌室の内周面のうち前記回転軸の軸線方向における両端部が、先細り状に縮径したテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の多液混合装置。
- 駆動側磁石を有し、前記回転軸と同心の軸を中心として前記撹拌室の外部において回転駆動する駆動側回転部材と、
前記回転軸に一体的に回転するように且つ前記駆動側磁石と対応するように設けられた従動側磁石とを備え、
前記駆動側磁石と前記従動側磁石との間の磁気吸引力により、前記ロータが前記回転駆動部材と一体となって回転するようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の多液混合装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006161394A JP2007326081A (ja) | 2006-06-09 | 2006-06-09 | 多液混合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=38926938
Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2006
- 2006-06-09 JP JP2006161394A patent/JP2007326081A/ja active Pending
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