JP2007317398A - 電磁波励起光源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ランプ点灯中にアンテナ部材が変位したり、アンテナ部材が細管部から抜け出すことなく安定して点灯する放電ランプを備えた電磁波励起光源装置を提供することを提供すること
【解決手段】 透光性の非導電性材料からなり、膨出部とそれに連設された細管部を有する放電容器と、放電容器外部に突出することなく、細管部に支持されて先端部が膨出部の放電空間に臨む、放電空間の中で電界を集中させ強める作用をする、金属あるいは誘電体からなるアンテナ部材を備え、放電容器に発光物質を封入した放電ランプと、アンテナ部材に電磁波を供給する電磁波供給手段と、からなり、電磁波供給手段が指向性のある放射をする電磁波放射部を備えたものであり、放電ランプが、点灯と消灯を繰り返す過程においてアンテナ部材の位置が変位するのを抑制する、アンテナ部材の変位抑制機能を有するものであることを特徴とする電磁波励起光源装置とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は電磁波励起で点灯する光源装置に関し、特に指向性のある放射をする電磁波放射部を備えた電磁波供給手段からの電磁波励起で点灯する光源装置に関する。
現在、会議や展示会等でのプレゼンテーションツールとして液晶プロジェクターが使用されている。その液晶プロジェクター用の高輝度光源としては、超高圧水銀ランプが主流として使用されている。しかし、箔シールによって封止された超高圧水銀ランプは封止部の耐圧に限界があることから、高輝度化には近い将来限界が来ることが想定される。
特許文献1には、箔シールがない放電コンセントレータ型の光源装置が提案されている。この方式のランプによると放電コンセントレータが放電空間の中で電界を集中させ、かつ放電空間と異なる異質な部材を外部に導出する封止部を持たないので、ランプの破裂耐圧を高くすることができるとされる。
図1に放電コンセントレータ型の光源装置の一例を示す。反射ミラー7を具備したランプ1がマイクロ波共鳴室9内に配置され、マイクロ波源6からのマイクロ波によりランプ1内の放電コンセントレータ3、3´に電波共振作用によって電力が供給され、放電空間1A中で放電コンセントレータ3、3´によって電界が集中され、電界が強められて放電コンセントレータ3、3´の2つの先端部3a、3´a間に高輝度の点光源が現出する。マイクロ波共鳴室9に設けられた開口部8から光が放射される。
この放電コンセントレータ型の光源装置200において、放電コンセントレータと称される部材3、3´は放電空間内部においてマイクロ波電界を集中させる機能を有するもので、本願発明においては、その放電コンセントレータを、その機能からアンテナ部材と呼称する。
さらに、非特許文献1には、マイクロ波による新しいランプ発光励起方法として、指向性のあるマイクロ波放射をするマイクロ波放射部である「マイクロ波ランチャー」と称する、マイクロ波を放射する同軸状の導波路の先端部分、に無電極ランプや有電極の箔シール型ランプを配置してマイクロ波点灯する光源装置が提案されている。
従来のマイクロ波励起の手法は、マイクロ波を空洞共振器内に閉じ込め、その内部でランプを点灯させる技術が広く知られている。これに対し、マイクロ波ランチャーは、伝搬してきたマイクロ波をランプに対してある方向から指向性もって与え、ランプを点灯させる技術である。特にランプ内部にアンテナ部材を設けることで、マイクロ波を直接、ランプ内の放電空間に投入できる。マイクロ波ランチャーの構成としては、例えば同軸状に内部導体と外部導体を配置して、その間でマイクロ波を伝播させ、その端面からマイクロ波を放射させる。外部導体と内部導体の間には例えばガラスが充填されている。
この方法によると特許文献1にあるような放電コンセントレータ型の光源装置と比べ、マイクロ波の空洞共振器が不要で、低ワットのマイクロ波でランプを点灯させることができるというメリットがあるとされる。
図2(a)にマイクロ波ランチャー10を備えた光源装置300の例を示す。マイクロ波源6からのマイクロ波が導波路11を伝搬し、マイクロ波ランチャー10に至り、マイクロ波ランチャー10に箔シール型のランプ21の細管部21bを挿入した構成となっている。13はスタブ同調器、14は可動プランジャでいずれも整合作用を担う。マイクロ波ランチャー10は軸状に内部導体10aと外部導体10bが配置されその内部導体10aと外部導体10b間にはガラス10cが充填されている。
特開2001-102005号公報 M.Shido et al., Luminous efficacy of compact high-pressure metal-halide microwave discharge lamps,Proc.XXVIIth ICPIG,Eindhoven,the Netherland, 18-22 July(2005) TopicNo.16
本発明者は、特許文献1のコンセントレータ型ランプは、箔シール型のランプと比べ、ランプの破裂耐圧に優れており、この型のランプをマイクロ波の空洞共振器の不要なコンパクトな装置となる非特許文献1のマイクロ波ランチャー型装置に組み合わせた光源装置を製作し、そして点灯実験によって詳細な検討を行った。図2(b)にコンセントレータ型のランプ1をマイクロ波ランチャー10に配置した状態を示す。
点灯実験において、点灯と消灯を繰り返すうちに点灯中に、ランプ1内のアンテナ部材30、30´がランプ点灯中にその位置が変位し、アンテナ部材30、30´間の距離が変わることで、ランプ光量が変動するという不具合が生じることが見出された。
そして、最悪の場合にはランプの下側に配置していたアンテナ部材が重力に逆らって抜け出し、上側のアンテナ部材と接し、溶着してしまい、ランプとして機能しないこともあった。
本発明者が鋭意検討の結果、このアンテナ部材の変位の原因としては次のことが考えられた。図3はランプ1のアンテナ部材30、30´の位置の変位について説明する図である。アンテナ部材30、30´はランプ1内部に配置されるとき、アンテナ部材30周囲の細管部50bの放電容器材料を溶融させて放電容器材料でアンテナ部材30、30´を囲む。
例えば放電容器材料が石英ガラスの場合、そのアンテナ部材の周囲の石英ガラスを焼きこむことによって、ランプ内部のアンテナ部材を固定している。50aは膨出部である。アンテナ部材30、30´は例えばタングステン製である。このとき、必ずアンテナ部材30、30´と細管部50bの放電容器材料の間に隙間が設けられる。なぜなら、アンテナ部材30、30´と放電容器材料とは通常、熱膨張係数が異なるため両者を完全に接触させると、アンテナ部材の周囲を焼きこむ作業の後に冷却される際に、アンテナ部材30、30´と放電容器材料の熱膨張係数の違いによる熱応力の差により、例えば放電容器材料が石英ガラスの場合は石英ガラスにクラックが生じるからである。
従って、これを防ぐためには、放電容器材料が石英ガラスの場合は細管部50bを外部から焼き込みすぎずに、アンテナ部材と石英ガラス両者の間に僅かな隙間を設けることがクラックを生じさせない、簡便で有効な方法とされる。
この状態で任意の発光を得るために水銀や金属ハロゲン化物や硫黄等の封入物fsを封じ込める(図3(a))。図2(b)のように、このランプ1の細管部50bを光源装置300のマイクロ波ランチャー10に挿入し、一度点灯すると放電容器内の封入物は蒸気になる。点灯後冷却中に封入物は凝縮し液体状態に戻る際に、封入物fs´はアンテナ部材と放電容器材料との隙間s、sに入り込むことが予想される(図3(b))。
そして再度点灯する場合、隙間sに凝縮している液体状態または固体状態の封入物が再び封入物蒸気fgになるとき、その圧力がアンテナ部材を押し上げて動かす力(力の方向は様々であるが、例えば図中の矢印の方向)が発生するものと予想され、その力によってアンテナ部材が動くものと考えられた。
封入物が再び蒸気になるのは、アンテナ部材と石英ガラスとの間の隙間に存在する封入ガスがマイクロ波励起によって放電し、その隙間部分の温度が上昇するからであると考えられる。アンテナ部材30が細管部50bから抜け出すときは、図3(c)のように封入物がアンテナ部材30の下部の隙間に溜まりこみ、再点灯時の封入物の蒸気圧によって、上に突き上げられたことによるものと推測される。
アンテナ部材の移動を抑えるための他の技術として特開平11-260315号公報にあるように電極芯棒をガラス部材に固定する技術において、電極芯棒とガラス部材の隙間を、例えばタングステンなどの粉末で満たした状態で焼成する技術なども考えられ、その公報に記載の技術をアンテナ部材30と放電容器材料の間の隙間について適用する場合であってもタングステンなどの粉末では隙間は埋め尽くせず、隙間は必ず存在するために、上記のような問題が生じてしまう。
また、細管部を焼きこむ際に、クラックを抑制するためにアンテナ部材、例えばタングステンをガラスと濡れにくい金属、例えばロジウムやレニウムでメッキする技術がある。この技術を適用する場合であっても、アンテナ材料と放電容器材料との間に熱膨張率の差がある以上、必ず液体状になった封入物が流れ込む程度の隙間は存在するために、上記のような問題が生じてしまう。
そこで本発明の目的は、ランプ点灯中にアンテナ部材が変位したり、アンテナ部材が細管部から抜け出すことなく安定して点灯する放電ランプを備えた電磁波励起光源装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は次の構成をとる。すなわち、請求項1に記載の発明は、透光性の非導電性材料からなり、膨出部とそれに連設された細管部を有する放電容器と、該放電容器外部に突出することなく、該細管部に支持されて先端部が膨出部の放電空間に臨む、該放電空間の中で電界を集中させ強める作用をする、金属あるいは誘電体からなるアンテナ部材を備え、該放電容器に発光物質を封入した放電ランプと、該アンテナ部材に電磁波を供給する電磁波供給手段と、からなる電磁波励起光源装置において、前記電磁波供給手段が指向性のある放射をする電磁波放射部を備えたものであり、前記放電ランプが、点灯と消灯を繰り返す過程において該アンテナ部材の位置が変位するのを抑制する、アンテナ部材の変位抑制機能を有するものである電磁波励起光源装置とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、該変位抑制機能が、該アンテナ部材の、前記細管部内に位置する後端部が先鋭形状となっていることにより達成されるものである請求項1に記載の電磁波励起光源装置とするものである。
請求項3に記載の発明は、該変位抑制機能が、該アンテナ部材の前記細管部内に位置する部分の周面に凹部を備え、その凹部に該細管部を構成する放電容器材料が入り込み該アンテナ部材が固定されることにより達成されるものである請求項1に記載の電磁波励起光源装置とするものである。
請求項4に記載の発明は、該変位抑制機能が、該アンテナ部材の、前記細管部内に位置する後端部に金属箔が接続され、該金属箔が、前記細管部内で該細管部を構成する放電容器材料により溶着固定されることにより達成されるものである請求項1に記載の電磁波励起光源装置とするものである。
請求項5に記載の発明は、該変位抑制機能が、該アンテナ部材の前記細管部内に位置する部分の周面に凸部を備え、該凸部を該細管部を構成する放電容器材料が覆って該アンテナ部材が固定されることにより達成されるものである請求項1に記載の電磁波励起光源装置とするものである。
請求項6に記載の発明は、該変位抑制機能が、該アンテナ部材の径が放電空間から遠ざかるにつれて拡径している形状になっていることにより達成されるものである請求項1に記載の電磁波励起光源装置とするものである。
請求項7に記載の発明は、該変位抑制機能が、該アンテナ部材の一部または全体が前記放電容器構成材料で被覆され、その被覆された該アンテナ部材が前記細管部で溶着固定されたものであることにより達成されるものである請求項1に記載の電磁波励起光源装置とするものである。
本発明によれば、アンテナ部材の位置が変位するのを抑制する、アンテナ部材の変位抑制機能を備えたことにより、アンテナ部材が変位したり、細管部から変位して抜け出すことなく安定して点灯する電磁波励起光源装置とすることができる。
そして、アンテナ部材の、細管部内に位置する後端部が先鋭形状とすれば、隙間を極力少なくすることができ、かつアンテナ部材の下部に封入物が凝縮していても、再点灯時に蒸気化した封入物がアンテナ部材の周囲と細管部の間の隙間を通って放電空間へ至っても、アンテナ部材が変位するのを抑制することができる。
また、アンテナ部材の、細管部内に位置する部分の周面に凹部を備え、その凹部に細管部の内壁面が入り込むことでアンテナ部材が変位するのを抑制することができる。
また、アンテナ部材の細管部内に位置する部分の周面に凸部を備えることにより、アンテナ部材が変位するのを抑制することができる。
そして、アンテナ部材の細管部内に位置する部分の径が放電空間に近づくにつれて拡径している形状になっていることによってもアンテナ部材が変位するのを抑制することができる。
また、アンテナ部材の後端部に金属箔を接続し、その金属箔を細管部内で溶着固定することにより、アンテナ部材が変位するのを抑制することができる。
そして、アンテナ部材全体が前記放電容器構成材料で被覆され、その被覆された該アンテナ部材が前記細管部で溶着固定されるようにしても、アンテナ部材が変位するのを抑制することができる。
図4に本発明の実施の形態についての概略図を示す。この光源装置100は非特許文献1にあるような、指向性のある放射をする電磁波放射部である、マイクロ波ランチャー10を使用したタイプの装置である。マイクロ波ランチャー10は内部導体10aと外部導体10bが同軸状に配置されている。外部導体10bの外周には放熱のため凹凸がつけられている。透光性の非導電性材料からなり、膨出部50aとそれに連設された細管部50bを有する放電容器50と、放電容器50外部に突出することなく、細管部50bに支持されて先端部30a、30´aが膨出部の放電空間に臨む、放電空間の中で電界を集中させ強める作用をする、金属あるいは誘電体からなる、アンテナ部材30、30´を備え、放電容器に発光物質を封入した放電ランプ1と、放電ランプ外部より、アンテナ部材に放電を励起する電磁波を供給する電磁波供給手段90と、からなる。
アンテナ部材の位置が変位するのを抑制する、アンテナ部材の変位抑制機能を担う部位X1,X2を備えている。なお、アンテナ部材は、放電アークプラズマからの熱伝導によるアーク温度の低下を避けるために、また、アンテナ部材自体の赤熱化および蒸発を避けるために、その径は1mm以上であることが好ましい。また、細すぎるとアンテナ先端が点灯中のプラズマの熱によって変形、溶融しやすくなるので実用上は、径は0.1mmより太い方が好ましい。
アンテナ部材の変位抑制機能を担う部位X1,X2では、X1として、アンテナ部の後端の先鋭化部分がある。そして、X2としては切り込み等の凹部30´bとその周囲の細管部50´bである。アンテナ部材の、放電空間とは反対側の後端部については、平坦になっていると、放電容器材料をその中を減圧状態にしてアンテナ部材を焼きこんでいくときに、アンテナ後端部に円すい状の空間ができる。この部分に封入物が溜まることがある。
特許文献1には放電コンセントレータの形状として後端部を曲面にし、空隙を狭くし、電界強度が集中してコロナ放電が起きることを抑える技術が提案されている。しかしながら、マイクロ波ランチャー型の光源装置においては電界強度についてはさらに放電空間側のアンテナ先端に集中するように、少なくともランチャーの内部導体に挿入する側のアンテナ部材の後端部を先鋭にする。
それは単にアンテナ部材の先端が曲面であると、ガラスを焼きこんだ時に隙間ができやすいからである。理想的には焼きこんだ時にできる隙間にそってアンテナ形状を先鋭にしておけば、封入物が回りこむ隙間をほとんどなくすことができる。
先鋭にする効果は、アンテナ部材の封入物が溜まる空間を狭くすることだけでなく、そこに封入物が溜まり、点灯中の蒸気圧でアンテナに力が加わった場合でも、アンテナを押し出す力を極力、分散することができるという利点も有する。
アンテナ部材30の周面に切り込み等の凹部30bを設け、その部分に放電容器材料を焼き込むことにより、点灯中の放電物質の圧力でアンテナ部材30が動くことを抑止することができる。
当然、この凹部30bでもアンテナ部材30と放電容器材料との間にはクラックが発生しないよう、焼き込み過ぎずに隙間を設けている。アンテナ部材の変位抑制機能を担う一部となる凹部30bの形状としては、図5にあるように、切り込みK(図5(a))、円周に亘る丸溝E(図5(b))、螺旋溝R(図5(c))などがある。
また、その他のアンテナ部材30の形状としては図6にあるように変位抑制機能を担う部位として突出部31を有したり(図6(a))、放電空間から遠ざかるにつれて拡径している形状、すなわちテーパーTをつけたもの(図6(b))であっても良い。この場合、テーパーTをつけたアンテナ部材30自体が変位抑制機能を担っている。
次に、アンテナ部材全体が前記放電容器構成材料で被覆され、その被覆されたアンテナ部材が細管部で溶着固定されたものである例を示す。アンテナ部材30全体を放電容器構成材料の被覆材60で被覆され、その被覆されたアンテナ部材が細管部で溶着固定された形態である。
ランプを小型化しアンテナ部材の直径が例えばφ0.3mm程度と極細になってくると、アンテナ部材へ凹部形成を行う加工が困難となり、作業工程が増え、コストが高くなることが考えられ、アンテナ部材全体が前記放電容器構成材料で被覆する対応が好ましい。
図7は、アンテナ部材をあらかじめ、放電容器材料と同材料で覆ったものを示す。放電容器材料が例えば石英ガラスの場合の製作方法は、図8に示したようにアンテナ部材30を石英ガラス管60A内に配置し、周囲を真空もしくは不活性ガス中で減圧にし、周囲を例えば酸水素バーナーで焼きこむことによって、減圧により石英ガラス60Aが収縮することでアンテナ部材30の周囲を石英ガラス60Aで覆うことができる。余分な石英ガラスは除去する。このときもアンテナ部材30と石英ガラス60Aとの間には焼き込みの程度の調整で隙間を設ける。この隙間で放電が起こり、問題となる場合は例えばSF6(六フッ化イオウ)などの絶縁ガスを封入して防止することもできる。
そして、石英ガラス60Aで被覆したアンテナ部材30を放電容器内に挿入し、減圧条件下のもとで放電容器の細管部を外部から酸水素バーナーで焼きこむと、アンテナ部材を被覆したガラスと放電容器材料が一体となりアンテナ部材は固定されることになる。このようにすると、点灯中の封入物の圧力とアンテナ周囲の隙間とは完全に独立とすることができるので、ランプの点灯消灯の繰り返しによって封入物の回りこみ、その結果アンテナ部材が点灯時に抜けたりすることがなくなる。
アンテナ部材をガラス等の誘電体で覆っていても本質的に電磁波励起の放電ランプでは、発光管内に電磁波のエネルギーを投入することができるので、ランプを点灯することができる。
アンテナ部材を放電容器材料で被覆した場合、発光管内壁の付け根の部分で完全に接合することで、封入物が入り込む隙間を完全に取り除くことができる。この場合、点灯中の内圧により、放電容器材料で被覆したアンテナ部材が変位することを防ぐことができるとともに、発光管の内容積を一定にできるという利点も有し、さらに発光部以外に封入物が回りこむことがないので、未蒸発の封入物を極力少なくすることができるという利点も有する。被覆厚さ0.3mmから2mmの範囲が製作上作業性が容易であることから適切である。
なお、アンテナ部材を放電容器材料で完全に覆わなくとも、放電空間側に位置する部位だけにガラスを巻いておき、ガラス巻き部分で放電容器と溶着させることによっても、アンテナ部材が点灯時に抜けたりすることがなくなる。
ランプ1のアンテナ部材30の、細管部内に位置する後端部に金属箔80を接続し、細管部1B内で放電容器材料により溶着固定することによっても、点灯消灯を繰り返した際のアンテナ部材30の変位を抑制することが出来る。s1は隙間である。金属箔80は放電容器材料が石英ガラスの場合はモリブデン金属製であることが望ましい。その形態を図9に示す。
アンテナ部材は金属だけではなく、誘電体であってもよく、望ましくは比誘電率が高くて、誘電損失が少ない材料が良い。具体的にはシリカ、アルミナ、ジルコニア、比誘電率が約140である高誘電体材料であるK140(京セラ社製)などである。
とくに、封入物が硫黄のときには放電容器としては石英ガラス、アンテナ部材としては放電空間に露出した状態で使用する場合にはジルコニアが使用されることになる。
封入ガスにおいても同様に、所望の波長や機能に応じて、キセノンやアルゴン等の希ガスや、任意の不活性ガスを適宜1種または複数種選択することができる。
次に具体的な実施例について説明する。
図10は本発明に適用されるランプであり、図10において、ランプ1の放電容器50は透明石英ガラスで、ランプ内径はφ3.5mm、ランプ内部の長軸方向の長さが7mm、肉厚1.5mm、アンテナ部材間の距離は4mmである。
アンテナ部材 には直径φ0.3mm、長さ8mmのタングステンを使用し、先鋭部は0.5mmで、切り込みの幅が1mm、深さが0.15mmとした。発光物質として水銀を120mg/cm、バッファーガスとしてアルゴンを13.3kPa封入した。このランプを図4の装置に組み込み、
周波数2.45GHzのマイクロ波電力を固体発振器から出力し、50Wの電力でランプを点灯させた。
1時間の点灯、消灯を繰り返した結果、従来のランプでは点灯初期(連続点灯時間が100時間以内)に10本中2本のランプが点灯中にアンテナが変位する不具合が生じた。一方でアンテナを先鋭にして、溝を切ったランプではそのような不具合は生じなかった。
また、点灯中のアンテナが変位することに起因するランプ光量変動を調べた。この時、アンテナを先鋭にしてかつ溝を切ったランプをランプAとして、ランプAの点灯結果を基準にした。溝を切ったのみのランプをランプBとすると、ランプBはランプAとほぼ同じであった。これに対しアンテナを先鋭にしたのみのランプをランプCとすると、ランプCはランプA,ランプBに比べると不具合になるレベルではないが、わずかに変動するランプがあった。
図11も本発明に適用されるランプであり、図11において、ランプ1の放電容器50は透明石英ガラスで、ランプ内径はφ3.5mm、ランプ内部の長軸方向の長さが7mm、肉厚1.5mm、アンテナ部材間の距離は4mmである。アンテナ直径φ0.3mm、長さ8mmのタングステンを透明石英ガラスでの被覆材60で覆い、外径をφ0.75mmとして、ランプに挿入した。
発光物質として水銀を120mg/ cm、バッファーガスとしてアルゴンを13.3kPa 封入した。このランプを図4の装置に組み込み、周波数2.45GHzのマイクロ波電力を固体発振器から出力し、50Wの電力でランプを点灯させた。
1時間の点灯、消灯を繰り返した結果、光量の変動、アンテナが変位する不具合は発生しなかった。
周波数に関してはマイクロ波に限らず例えば13.56MHzの高周波点灯においても、本発明の内容を適用することができる。そして、入力電力に関しては、上記では50Wの場合を例にあげたが、ランプのサイズを適宜選択することで数kWオーダーの電力での点灯においても、本発明は適用することができる。
放電コンセントレータ型の光源装置の一例を示す。 マイクロ波ランチャーを備えた光源装置を示す。 アンテナ部材の位置の変位について説明する図を示す。 本発明の実施の形態についての概略図を示す。 アンテナ部材の変位抑制機能を担う一部となる凹部の形状を示す。 アンテナ部材の変位抑制機能を担う一部となる突部の形状を示す。 アンテナ部材を放電容器と同材料で覆った例を示す。 図7のアンテナ部材の製法と適用例を示す。 アンテナ部材の後端に金属箔を接続した例を示す。 本発明の光源装置に適用されるランプを示す。 本発明の光源装置に適用されるランプを示す。
符号の説明
1 ランプ
1A 放電空間
1B 細管部
3、3´ 放電コンセントレータ
3a、3´a 先端部
6 マイクロ波源
7 反射ミラー
8 開口部
9 マイクロ波共鳴室
10 マイクロ波ランチャー
11 導波路
13 スタブ同調器
14 可動プランジャ
21 ランプ
21b 細管部
30、30´ アンテナ部材
30b 凹部
31 突出部
50 放電容器
50a 膨出部
50b、50´b 細管部
60 ガラス管
70 反射ミラー
80 金属箔
90 マイクロ波源
100 光源装置
200 光源装置
300 光源装置´
M 封入物

Claims (7)

  1. 透光性の非導電性材料からなり、膨出部とそれに連設された細管部を有する放電容器と、該放電容器外部に突出することなく、該細管部に支持されて先端部が膨出部の放電空間に臨む、該放電空間の中で電界を集中させ強める作用をする、金属あるいは誘電体からなるアンテナ部材を備え、該放電容器に発光物質を封入した放電ランプと、
    該アンテナ部材に電磁波を供給する電磁波供給手段と、
    からなる電磁波励起光源装置において、
    前記電磁波供給手段が指向性のある放射をする電磁波放射部を備えたものであり、
    前記放電ランプが、点灯と消灯を繰り返す過程において該アンテナ部材の位置が変位するのを抑制する、アンテナ部材の変位抑制機能を有するものであることを特徴とする電磁波励起光源装置。
  2. 該変位抑制機能は、該アンテナ部材の、前記細管部内に位置する後端部が先鋭形状となっていることにより達成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波励起光源装置。
  3. 該変位抑制機能は、該アンテナ部材の前記細管部内に位置する部分の周面に凹部を備え、その凹部に該細管部を構成する放電容器材料が入り込み該アンテナ部材が固定されることにより達成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波励起光源装置。
  4. 該変位抑制機能は、該アンテナ部材の、前記細管部内に位置する後端部に金属箔が接続され、該金属箔が、前記細管部内で該細管部を構成する放電容器材料により溶着固定されることにより達成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波励起光源装置。
  5. 該変位抑制機能は、該アンテナ部材の前記細管部内に位置する部分の周面に凸部を備え、該凸部を、該細管部を構成する放電容器材料が覆って該アンテナ部材が固定されることにより達成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波励起光源装置。
  6. 該変位抑制機能は、該アンテナ部材の径が放電空間から遠ざかるにつれて拡径している形状になっていることにより達成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波励起光源装置。
  7. 該変位抑制機能は、該アンテナ部材の一部または全体が前記放電容器構成材料で被覆され、その被覆された該アンテナ部材が前記細管部で溶着固定されたものであることにより達成されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電磁波励起光源装置。
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