JP2007315472A - トラクターの走行装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トラクターの走行装置は、切替え駆動式の主変速装置22,23および路上走行に切替え可能な副変速装置24を直列伝動してエンジン4から走行動力を後輪3に伝動し、その主変速装置22,23の変速比をアクセル操作具16の操作位置43に応じて切替制御するとともにエンジン回転速度を制御する制御部41を備えて構成され、上記制御部41は、副変速装置24の変速比が路上走行用の場合に、エンジン回転速度の上昇を条件に、主変速装置22,23の変速比を高速側に切替えるとともに、車速の変化を抑えるようにエンジン回転速度を低速側に変更制御するものである。
【選択図】図6
Description
上記制御部により、変更制御されたエンジン回転速度がアクセル操作具の操作位置と対応するまで次第に戻される。
上記制御部により、変更制御されたエンジン回転速度がアクセル操作具の操作位置と対応するまで次第に戻される。
上記制御部により、作業速度帯域では、設定による最高変速位置の範囲に限定されて自動変速され、その最高変速位置はその副変速位置における走行に使用した最高頻度の変速位置であり、また、最新の手動変速操作位置が設定される。
本発明の作業車両の1例としての農用トラクタ1は、機体側面図を図1に示すように、前輪2、2と後輪3、3とを備えた機体前部のボンネット内にエンジン4を搭載し、このエンジン4の回転動力をミッションケース5内の変速伝動部5aに伝達し、この変速伝動部5aで適宜減速された動力を前輪2、2と後輪3、3とに伝達するとともに、後部のPTO軸6を介して作業機6aに出力するように構成している。
油圧制御系の制御構成は、図4に示すように、制御部41の入力側にモーメンタリ式操作部としてのクラッチペダル15の踏込み検出スイッチ42pと踏込みストロークを検出するストロークセンサ42s、アクセル16の踏込みストロークを検出するアクセルセンサ43、副変速位置センサ24p、前後進操作レバー21p、チェックスイッチ44等の操作機器を接続して操作信号を入力し、油温センサ32t、前後進圧力センサ34p、1速3速クラッチの圧力センサ37p、2速4速クラッチの圧力センサ37q、高低速変速機構23の圧力センサ38p、38q等の機器動作センサによるセンサ信号を入力する。
制御部41は、副変速装置24の変速比が路上走行位置の場合には、アクセル操作具16の増減速操作位置に応じて主変速装置22,23の変速比が切替制御されるとともに車速の変化を抑えるようにエンジン回転速度を変更するように制御する。
アクセル変速制御処理(S2)は、詳細なフローチャートを図6に示すように、副変速装置の切替えに伴って主変速を「1速」、高低変速を「高」として主変速装置を所定の初期位置に変速処理(S11a、S11b)し、次いで、増速条件発生の判定処理(S12)に該当すれば増速処理部(S13〜S14e)、また、減速条件発生の判定処理(S15)に該当すれば減速処理部(S16〜S17e)の各処理ブロックにより変速処理を行う。
増速判定処理(S13)では、エンジン回転数との対比により、アクセルセンサ指示回転数とエンジン回転数差があまりなく操作されている場合は、通常昇圧パターンにより、変速時クラッチの圧力変更による昇圧のみで1段変速(S13a)し、アクセルセンサ指示回転数と異なる回転数での制御(車速差をエンジン回転数変更で合わせる制御)は、アクセルセンサ指示回転数とエンジン回転数の差が大きい状態で変速条件(エンジン回転数)を通過して変速タイミングでのエンジン回転数が既にある程度高い回転数になっている場合に実行するように制御する。
エンジン回転数指示(S14b)では、「変速直前車速×変速後減速比」を出力する。この選択処理は、車速は変速の前後で一致するように、目標変速位置出力とほぼ同じタイミングでエンジン回転数指示をアクセルセンサ指示位置より低い位置に変更する。
エンジン回転数指示上昇処理(S14c)は、変速の前後で車速が一致するように、目標変速位置出力とほぼ同じタイミングでエンジン回転数指示をアクセルセンサ指示と異なる回転数に指示を変更し、その後に規定時間ごとに徐々にエンジン回転指示を変化(例えば、10msecで10rpm上昇)させ、アクセルセンサ指示回転数とほぼ一致した時点でアクセル指示回転数でエンジン回転数を指示する。このような変化率が一様な傾斜制御は加速度が0.5Gを越えない程度の傾斜を目安とすることにより、オペレータに不安感を抱かせることのない安定性を確保することができる。
減速条件判定処理(S17a)では、負荷の増加によりアクセルセンサ指示回転数とエンジン回転数差が大きくて減速操作する場合に、変速時クラッチの圧力変更による昇圧のみで変速し、アクセルセンサ指示回転数と異なる回転数での制御(車速差をエンジン回転数変更で合わせる制御)は、アクセルセンサ指示回転数とエンジン回転数の差が小さく回転数が低下することで減速する場合に実行するように制御する。
エンジン回転数指示(S17b)では、「(変速直前車速×変速後減速比−変速前エンジン回転数に変更)/2+変速前エンジン回転数」をエンジン回転数として出力する。この出力処理は、車速が変速の前後で一致するように、目標変速位置出力とほぼ同じタイミングでエンジン回転数指示をアクセルセンサ指示位置より高い位置に変更する。
エンジン回転数指示上昇処理(S17c)は、変速の前後で車速が一致するように、目標変速位置出力とほぼ同じタイミングでエンジン回転数指示をアクセルセンサ指示と異なる回転数に指示を変更し、その後に規定時間ごとに徐々にエンジン回転指示を変化(例えば、10msecで10rpmで減少)させ、アクセルセンサ指示回転数とほぼ一致した時点でアクセル指示回転数でエンジン回転数を指示する。このような変化率が一様な傾斜制御は加速度が0.5Gを越えない程度の傾斜を目安とすることにより、オペレータに不安感を抱かせることのない安定性を確保することができる。
作業走行位置の場合における変速制御処理は、負荷変速制御のフローチャートを図7に示すように、副変速切替時処理部(S21a〜S21c)、条件による減速処理部(S22a〜S24)、条件による増速処理部(S25a〜S27)、主変速ボタン処理部(S31a、S31b)、自動増速禁止処理部(S32a〜S33)、その禁止解除処理部(S34a〜S35)の各処理ブロックにより構成される。
まず、副変速切替時処理部(S21a〜S21c)は、副変速が「路上走行」以外の位置に切替えられた直後において、主変速切替機構と高低切替機構をメモリー変速位置へ変速し、増減速基準位置をメモリ変速位置(使用された主変速位置の累計時間が副変速位置別に最大となる主変速位置)とする。
この増減速制御では、増速最高変速位置を副変速位置別に設定し、例えば、副変速位置を変更した際のメモリー変速位置を最高変速位置とし、その後主変速ボタンによる手動変速操作があった場合はその操作位置を増速最高変速位置として設定する。
副変速位置が作業速の場合は、アクセルセンサのエンジン指示値に対し、実エンジン回転数が低下したときに主変速を1段減速し、エンジン回転が回復してきたら主変速を1段増速するように制御する。この場合は、アクセルセンサの指示回転との差で見ることで負荷率がある程度予測でき、負荷に応じた変速制御が可能となる。
上記の場合のアクセルセンサ指示値に対する実エンジン回転数との差を指定するために、設定ダイヤルを設けることにより、エンジン回転低下に対する変速を少ない回転低下で反応させたり大きい回転低下で反応させたりすることができることから、作業形態によりエンジン回転の維持管理や負荷の掛かり方が異なる場合にも、オペレータが設定ダイヤルを調節することにより幅広い適用が可能となる。
また、上記設定ダイヤルは、回転低下幅とその保持時間を設定する構成で、1つの指定位置で複数の回転低下度合いデータを持ち、少ない回転低下では保持時間を長く、大きい回転低下では保持時間を短く設定するように構成する。指定位置を鈍い側へ変更すると、前記少ない回転低下では保持時間を長く、回転低下幅を大きくしていって感度を変更するように構成する。
例えば、減速基準回転数別に規定時間を設定し、その規定時間の継続により負荷大を判定して変速を1段減速(S24)する。
この場合、減速処理は変速最高位位置(メモリー位置又はその後の手動変速位置)に対して規定段数、具体的には、「増減速基準位置―2」内の場合を条件(S23b)に減速することにより、負荷を掛けすぎたときの減速しすぎによる作業能率の悪化を防止できる。
発進操作或いは変速操作した直後については、規定時間の減速禁止期間(例えば、1秒間)を設けることにより(S23d)、急激な負荷変化による余分な減速を防止することができる。また、上記減速処理は、アクセル操作中は負荷に対しエンジン回転数が追従できないために誤検出することがあるので、アクセルセンサの変化中および変化直後は行わず、変化後の所定時間の経過を待って(S23e)行うようにする。同様に、作業機降下操作直後(S23f)またはPTOスイッチのオン操作直後(S23f)から規定時間(例えば、2秒間)は減速処理を禁止する。
逆に、アクセルセンサ変化中であっても、アクセルセンサ増加方向への変更に対しエンジン回転数が減少方向へ変化している場合は、減速出力を許可することによってエンストを防止することができる。例えば、アクセルセンサ変化が増加方向に0.8秒以上継続しているが、エンジン回転センサ変化が減少方向の場合である。
また、負荷変動で車速と負荷が合っていないことによるエンストを防止するために、減速禁止状態の期間内であっても、エンジン回転数低下継続時間のカウントを継続する。
このように、上述の減速制御の後は、負荷の状況により基準変速位置に向けて増速出力を行う。その判定は、減速後の減速判定回転数とその継続時間により行う。この増速制御は、減速指示回転差に対して十分に余裕のエンジン回転数が継続していることを条件に1段増速し、減速指示を行うダイヤル指示位置により復帰可能とする回転数を変更できるように構成する。このダイヤル調節により、減速と増速のフィーリングの違和感を解消することができる。
次に、主変速ボタン処理部(S31a、S31b)は、主変速ボタン操作による変速と対応して増減速基準位置をその変速操作後の位置である現在変速位置処理(S31a、S31b)とする。これは、上記メモリー変速位置を最高変速位置とした後に、主変速ボタンによる手動変速操作があった場合にその操作位置を増速最高変速位置として設定(S31a、S31b)するものである。このように増速最高変速位置を設定することにより手動優先となり分かりやすく、また、副変速を操作した後は走り始めの変速位置が最高位であり、手動操作しない限りそれ以上の増速をすることがないので、安心感が得られる。
増速制御の際は、作業中に負荷が抜けてエンジン回転が吹き上がる状態における危険を回避するために、一定の場合に増速禁止期間を設ける(S33)。この増速禁止期間は、作業機上昇操作後の解除条件が発生するまでの間(S32a)、旋回操作中の前輪切れ角センサがリフトアップ範囲を超える条件を満たしている間(32b)、または、PTOのオフ後に解除条件が発生するまでの間(S32c)である。
次に、自動増速禁止解除処理部(S34a〜S35)については、所定の解除条件を満たす場合に増速禁止解除(S35)を行う。この増速禁止の解除条件は、自動増速禁止設定中において(S34a)、アクセルセンサによるエンジン回転数の指示が変更(S34b)されたこと、走行停止の操作すなわち、副変速が「N」、前後進レバーが「N」、クラッチペダルが「切」位置(S34c〜S34e)となったことであり、そのほか、作業機上昇の増速禁止中における作業機降下後2秒以上経過(S34f)したこと、PTOオフ操作で増速禁止中にPTOオンの後2秒経過(S34g)したことの各条件である。上記解除条件を満たすことにより、操作の変更によって条件が変わったと判断できるため、解除動作することでオペレータの増速操作負担がなく自動変速が効果的に利用できる。
2 前輪
3 後輪
4 エンジン
5a 変速伝動部
15 クラッチペダル
16 アクセルペダル
18 変速レバー
22 主変速機構(主変速装置)
22a,22c 1速3速切換クラッチ
22b,22d 2速4速切換クラッチ
23 高低速変速機構(主変速装置)
23a,23b 高低速切換クラッチ
24 副変速部(副変速装置)
24p 副変速位置センサ
41 制御部
42s ストロークセンサ
42p 検出スイッチ
43 アクセルセンサ(操作位置)
Claims (5)
- 複数の変速比を切替え可能な主変速装置(22,23)および路上走行を含む複数の速度帯域の変速比を切替え可能な副変速装置(24)を直列伝動してエンジン(4)から受ける走行動力を後輪(3)に伝動し、その主変速装置(22,23)の変速比をアクセル操作具(16)の操作位置(43)に応じて切替制御するとともにエンジン回転速度を制御する制御部(41)を備えるトラクターの走行装置において、
上記制御部(41)は、副変速装置(24)の変速比が路上走行用の場合に、エンジン回転速度の上昇を条件に、主変速装置(22,23)の変速比を高速側に切替えるとともに、車速の変化を抑えるようにエンジン回転速度を低速側に変更制御することを特徴とするトラクターの走行装置。 - 前記制御部(41)は、低速側に変更制御されたエンジン回転速度を所定の変化率でアクセル操作具(16)の操作位置(43)と対応する回転速度まで制御することを特徴とする請求項1記載のトラクターの走行装置。
- 複数の変速比を切替え可能な主変速装置(22,23)および路上走行を含む複数の速度帯域の変速比を切替え可能な副変速装置(24)を直列伝動してエンジン(4)から受ける走行動力を後輪(3)に伝動し、その主変速装置(22,23)の変速比をアクセル操作具(16)の操作位置(43)に応じて切替制御するとともにエンジン回転速度を制御する制御部(41)を備えるトラクターの走行装置において、
上記制御部(41)は、副変速装置(24)の変速比が路上走行用の場合に、エンジン回転速度の低下を条件に、主変速装置(22,23)の変速比を低速側に切替えるとともに、車速の変化を抑えるようにエンジン回転速度を高速側に変更制御することを特徴とするトラクターの走行装置。 - 前記制御部(41)は、高速側に変更制御されたエンジン回転速度を所定の変化率でアクセル操作具(16)の操作位置(43)と対応する回転速度まで制御することを特徴とする請求項3記載のトラクターの走行装置。
- 前記制御部(41)は、主変速装置(22,23)の変速比を自動切替えする際の増速最高変速位置を別途設定し、この増速最高変速位置は、使用された主変速位置についての累計時間が副変速位置別に最大となる主変速位置とし、かつ、主変速装置(22,23)の手動変速操作があった場合の変速操作位置を上記増速最高変速位置として設定することを特徴とする請求項1記載のトラクターの走行装置。
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