JP2007314845A - 窒化処理装置、および窒化処理方法 - Google Patents

窒化処理装置、および窒化処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で加工材料に窒化膜を形成する窒化処理方法、およびその窒化処理方法を実行するための窒化処理装置の提供。
【解決手段】窒化処理装置1では、加速電源22が、加速用陰極18および加速用陽極19にパルス電圧を印加することにより、パルス状の電子ビームを反応室49内に出力し、反応室49内に窒素プラズマを生成する。そして、窒化処理装置1では、プラズマ集束コイル24に電流を流して、窒素イオンや電子を試料台25に導くように磁界を発生し、さらに、正電圧と負電圧とが交互に切り替わるバイアス電圧を印加する。これにより、正電圧が印加されている期間には、試料台25に保持された加工材料70の表面に、電子が衝突し、負電圧が印加されている期間には、窒素イオンが衝突する。したがって、活性化状態を維持したまま、窒化膜が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、加工材料に対し、窒化処理を行う窒化処理方法、および窒化処理を実行するための窒化処理装置に関する。
従来より、窒素と水素とを含む気体が封入された反応室と、反応室に封入された気体に向けて、直流状の電子ビームを出力する電子ビーム出力部と、を備え、反応室内に保持された加工材料の表面に窒化処理を施す窒化処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この窒化処理装置では、電子ビーム出力部から出力された電子ビームを反応室に導入することで、反応室に封入された窒素をプラズマ化し、浮遊する窒素イオンが加工材料の表面に付着する(即ち、窒素イオンと加工材料とが結合する)ことで、加工材料と窒素イオンとの化合物である窒化膜が生成される。
また、この窒化処理装置では、水素ガスが封入された反応室に電子ビームを導入して水素プラズマを生成し、その水素プラズマを用いて加工材料の表面をクリーニング(即ち、加工材料表面に形成された酸化膜の除去)するクリーニング過程と、加工材料を活性化するために加工材料を昇温する昇温過程と、を経た後に、窒化処理を実行する窒化処理過程が実行されている。
なお、窒化処理とは、加工材料の表面に窒化膜を形成する処理であり、ここで言う窒化膜とは、窒化物によって形成された薄膜である。
特開2002−356764号公報
ところで、この種の窒化処理装置では、電子ビームが直接照射されることにより、加工材料が軟化してしまうことを防止するために、加工材料を電子ビームの照射領域以外の非照射領域に配置している。これは、従来の窒化処理装置では、窒素をプラズマ化する強度の電子ビームを電子ビーム出力部が出力する必要があり、この強度の電子ビームを加工材料に照射し続けると加工材料が軟化してしまい、加工材料の形状を維持したまま、窒化処理を行うことができないためである。
そして、加工材料が配置される非照射領域での窒素イオンの密度が照射領域での窒素イオンの密度に比べて低いため、従来の窒化処理装置では、窒化処理過程において、所望の厚さの窒化膜を形成するために必要となる時間が長いという問題があった。
さらに、従来の窒化処理装置では、窒化処理過程以前に、クリーニング過程や昇温過程を行わなければならないため、加工材料を反応室に入れてから窒化処理過程が終了するまでの時間が長いという問題があった。
つまり、従来の窒化処理装置では、加工材料に窒化処理を行う窒化処理過程そのものに要する時間が長い上に、窒化処理過程の前に行われる加工材料の前処理の時間も長いという問題があった。
また、この種の窒化処理装置では、窒化膜を形成するために必要な窒素の他に、水素を反応室内に封入する必要があるため、反応室内に水素を流入させるための導管や、水素を貯蔵するタンクを備えていなければならず、その装置構成が大型化するという問題があった。
そこで、本発明は、短時間で加工材料に窒化膜を形成する窒化処理方法、およびその窒化処理方法を実行するための窒化処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の窒化処理装置では、電子ビーム出力部がパルス状の電子ビームを出力し、反応部では、少なくとも窒素を含む気体が封入された反応室を有し、試料台が電子ビーム出力部から出力された電子ビームが照射される反応室内の位置に加工材料を保持し、反応室内の窒素をプラズマ化して、試料台に保持された加工材料の表面に窒化膜を形成する。
なお、加工材料に直接電子ビームを照射することによる加工材料の温度上昇、即ち、電子ビームが照射されることで加工材料が軟化する軟化温度に達するか否かは、主として電子ビームのビーム強度と電子ビームが照射されていた時間とによって決定される。
そこで、本発明の窒化処理装置では、図6(A)に示すようなパルス状の電子ビームを反応部に導入することで、窒素をプラズマ化するために必要な範囲内のビーム強度(以下、プラズマ化強度とする)を維持した上で、単位時間当たりのエネルギ量を低下させている。
これにより、加工材料の温度上昇が抑制されるため、試料台に保持された加工材料を電子ビームが照射される位置に配置しても、加工材料が軟化しない上に、電子ビームが直接照射された加工材料の表面が活性化される。
なお、図6(B)に示すように、プラズマ化強度の電子ビームを反応室内に導入することで生成された窒素プラズマ(即ち、窒素イオン及び窒素ラジカル)は、一定の減衰量で減少する。このため、本発明の窒化処理装置では、予め定められた規定量(例えば、窒化処理に必要な量)以上の窒素プラズマが反応室内に確保されるような特定の間隔で、プラズマ化強度の電子ビームが導入される。
これらのことから、本発明の窒化処理装置によれば、電子ビームが直接照射されることで加工材料の表面が活性化し、窒素イオン及び窒素ラジカルと加工材料とが結合しやすくなるため、従来技術に比べ、窒化処理(即ち、加工材料の表面に窒化膜を形成する処理)に必要な時間を短縮することができる。
なお、ここでいう窒化膜とは、窒化物が積層することで形成される薄膜である。
また、電子ビーム出力部は、請求項2に記載のように、電子ビーム出力部から出力されるパルス状の電子ビームのデューティー比を設定する設定手段を備えていても良い。
本発明の窒化処理装置によれば、反応室に導入される電子ビームのパルス波形(即ち、デューティー比)を設定することにより、反応室内の窒素プラズマの量を調整することができ、窒化処理中の加工材料の状況に応じて、効率よく窒化処理を行うことができる。
そして、本発明の窒化処理装置の電子ビーム出力部は、具体的には、請求項3に記載のように、生成室でプラズマを生成し、電子ビームの出射方向に沿った電界を発生する電極を有した加速室で、生成室で生成されたプラズマ中の電子を加速させ、加速電源が加速室の電極にパルス電圧を印加するものでも良い。
この場合、加速電源は、請求項4に記載のように、電極に印加するパルス電圧のパルス幅、またはパルスの印加周期のうち、少なくとも一つを設定する条件設定手段を備えていることが望ましい。
また、本発明の窒化処理装置では、請求項5に記載のように、圧力設定手段が加速室の内圧が生成室の内圧よりも低くなるように、加速室の内圧を設定することが望ましい。
本発明の窒化処理装置によれば、加速室を生成室よりも低圧にすることで、生成室で生成されたプラズマが加速室に流動しやすくなり、効率よく電子ビームを生成することができる。
そして、本発明の窒化処理装置における反応部には、請求項6に記載のように、反応室内に導入された電子ビームの拡散を防止する電子ビーム集束手段が備えられていることが望ましい。
本発明の窒化処理装置によれば、電子ビームの拡散を防止するため、電子ビームが照射される反応室内の領域に高い密度の窒素プラズマを生成することができる上に、電子ビームが効率よく加工材料に到達するため、加工材料の表面を確実に活性化することができ、効率よく窒化処理を行うことができる。
そして、電子ビーム集束手段は、電子ビームを試料台(即ち、試料台に保持された加工材料)に導く磁界を発生するように配置された複数のコイルからなるものでもよい。
特に、本発明の窒化処理装置の電子ビーム集束手段では、請求項7に記載のように、反応室での電子ビームの進行方向における上流の位置に配置された第一コイルが、電子ビームを試料台に導く磁界を発生し、反応室での電子ビームの進行方向における下流の位置に配置された第二コイルが、電子ビームを試料台に導く磁界を発生する。
本発明の窒化処理装置では、コイルが磁界を発生することで電子ビームの拡散を防止している。このため、本発明の窒化処理装置によれば、窒素イオンも電子と同様に磁界の磁力線に沿って移動するため、窒素イオンを効率よく加工材料に導くことができる。
これにより、電子のみでなく窒素イオンを用いて加工材料を活性化し、窒素ラジカル及び窒素イオンを用いて窒化を進行させることで、窒化処理に要する時間を短縮することができる。
また、本発明の窒化処理装置における反応部は、請求項8に記載のように、プラズマ集束手段が、反応室内で生成された窒素プラズマを反応室内の予め規定された特定領域に集束し、加工材料は、特定領域内に配置されている。
本発明の窒化処理装置によれば、窒素プラズマを特定領域に集束するため、特定領域内の窒素プラズマの密度が高くなり、窒化処理に要する時間を短縮することができる。
そして、プラズマ集束手段は、窒素プラズマを特定領域に集束する磁界を発生するように配置された複数のコイルからなるものでもよい。
特に、本発明の窒化処理装置のプラズマ集束手段では、請求項9に記載のように、反応室での電子ビームの進行方向における上流の位置に配置された第一コイルが、電子ビームを試料台に導く第一磁界を発生し、反応室での電子ビームの進行方向における下流の位置に配置された第二コイルが、第一磁界と同一方向の磁界、および第一磁界の向きを反転させた第二磁界を発生する。ただし、反応室内での第一コイルと第二コイルとの間の領域を特定領域とする。
例えば、図7に示すように、第一コイルが反応室の電子ビーム進行口から第一コイルと第二コイルとの間へと向かうような磁力線(即ち、反応室中央部において、電子ビームを試料台へと導くような方向の磁力線)を有した第一磁界を、第二コイルが反応室の底部から第一コイルと第二コイルとの間へと向かうような磁力線(即ち、反応室中央部において、第一磁界の磁力線の向きを反転させた方向の磁力線)を有した第二磁界を発生している時には、反応室内で第一コイルと第二コイルとの間に位置する特定領域に、窒素イオンや電子が集束する。なお、特定領域は、図中の集束領域であり、第一磁界の磁束密度が第二磁界の磁束密度と同じ強さであれば、第一コイルと第二コイルとの中間地点に、第一磁界の磁束密度が第二磁界の磁束密度よりも強ければ、第二コイルに近い位置に形成される領域である。
つまり、本発明の窒化処理装置では、第一コイルおよび第二コイルが発生する磁界の磁力線が反応室内の特定の領域を通過するため、窒素イオンや電子が特定領域に集束することになる。このため、本発明の窒化処理装置によれば、反応室に収納した際に反応室の端部にまで達するような広い面積を有した加工材料であっても、特定領域内に加工材料を配置することにより、効率よく窒化処理を実行することができる。
さらに、請求項10に記載の窒化処理装置のように、反応部の電圧印加手段が、直流かつ負極性、またはパルス状かつ負極性のバイアス電圧を、試料台に印加しても良い。
本発明の窒化処理装置によれば、試料台にバイアス電圧を印加することにより、窒素プラズマ中の窒素イオンを試料台に引き寄せるため、試料台に保持された加工部材に衝突する窒素イオンの量が多くなり、窒化処理に必要な時間を短縮することができる。
特に、電圧印加手段は、請求項11に記載のように、正負極性が予め定められた周期で切り替わるバイアス電圧を試料台に印加することが望ましい。
このようなバイアス電圧を印加する場合、加工材料には、電子と窒素イオンが交互に衝突することになる。つまり、図8に示すように、0Vを中心にして振幅が正負に振れる正弦波状のバイアス電圧が印加された場合、正電圧が印加される期間では、加工材料に電子が衝突して加工材料の表面が活性化され、負電圧が印加される期間では、加工材料に窒素イオンが衝突する。
したがって、本発明の窒化装置によれば、加工材料に窒素イオンが衝突することで窒化膜が形成されるのみでなく、加工材料を活性化している状態が維持されるため、窒素ラジカルによって窒化が進行し、窒化処理に必要な時間を確実に短縮することができる。
また、本発明の窒化処理装置の反応部には、請求項12に記載のように、試料台を移動させる移動手段が備えられていることが望ましい。
本発明の窒化処理装置によれば、加工材料の窒化処理を施したい部位を電子ビームの照射領域内に移動させることにより、加工材料にムラが生じること無く窒化処理を施すことができる。
さらに、本発明における窒化処理装置の試料台には、請求項13に記載のように、加工材料が軟化する軟化温度未満、かつ加工材料が活性化する活性化温度以上となるように、加工材料を加熱する加熱手段が備えられていても良い。
本発明の窒化処理装置によれば、加工材料の硬さを保ったまま、加工材料を活性化するため、窒化処理に要する時間を短縮することができる。
また、本発明の窒化処理装置では、請求項14に記載のように、検知手段が反応室内に生成される窒素プラズマの状態を検知し、制御手段が検知手段での検知結果に基づき、予め定められた窒化膜が加工材料に形成されるために最適な窒素プラズマの状態となるように、電子ビーム出力部、または反応部のうち、少なくとも一つを制御することが望ましい。
具体的には、制御手段は、電子ビーム出力部の設定手段や、条件設定手段、反応部の電子ビーム集束手段や、プラズマ集束手段、移動手段、電圧印加手段を制御する。
つまり、本発明の窒化処理装置では、上述された各手段を制御することで、予め定められた窒化膜を加工材料に形成するために最適な反応室の状態(即ち、反応室内の窒素プラズマの状態)とする。このため、本発明の窒化処理装置によれば、常に、所望の窒化処理を行うことができ、所望の窒化処理が施された加工材料を得ることができる。
なお、請求項15に記載された本発明の窒化処理方法は、電子ビーム出力過程で、少なくとも窒素を含む気体が封入された反応室に向けてパルス状の電子ビームを出力し、最終処理過程で、電子ビームが照射されることで窒素がプラズマ化し、反応室内の電子ビームが照射される領域に配置された加工材料の表面に窒化膜を形成する。
つまり、本発明の窒化処理方法は、請求項1に記載された窒化処理装置における窒化処理の方法であり、本発明の窒化処理方法によれば、加工材料の表面が活性化され、窒化処理に要する時間を短縮することができる。
さらに、最終処理過程では、請求項16に記載されたように、加工材料を保持する試料台にバイアス電圧を印加することが望ましい。
本発明の窒化処理方法によれば、試料台にバイアス電圧を印加することで、窒素イオンまたは電子が試料台に引き寄せられ、試料台に保持された加工材料に窒素イオン等が衝突するため、窒化処理の進行を促進させることができる。
なお、本発明の窒化処理方法では、請求項17に記載されたように、エッチング過程において、反応室に希ガスを封入し、希ガスに電子ビームを照射することで希ガスプラズマを生成し、希ガスプラズマを用いて加工材料の表面をエッチングしても良い。
本発明の窒化処理方法によれば、窒化処理の際に必要な気体を用いてエッチングを行うことができるため、本発明の方法を実現する窒化処理装置において、エッチングのみに用いられる気体の貯蔵タンク等を設ける必要が無く、その装置構成を小型化することができる。
[第一実施形態]
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明を適用し、加工材料に窒化処理を施す窒化処理装置の概略構成を示す模式図である。
窒化処理装置1は、電子ビームを出力する電子ビーム出力部2と、電子ビーム出力部2から出力された電子ビームが照射されることによる励起により窒素プラズマを発生するプラズマ反応部3と、プラズマ反応部3内のプラズマの状態に基づいて電子ビーム出力部2やプラズマ反応部3を制御する窒化自律制御処理を実行する制御ユニット80(図2参照)と、を備えている。
また、窒化処理装置1の容器40は、蓋部43を有した円筒状に形成され、電子ビーム出力部2の一部を収納する円筒部41と、底部44を有し、円筒部41の径よりも大きな径の円筒状に形成され、窒化処理が行われる反応室49を形成するチャンバー部42と、を備え、円筒部41とチャンバー部42とが一体に形成されている。
〈電子ビーム出力部について〉
そして、電子ビーム出力部2は、希ガスプラズマを生成する生成部5と、生成部5で生成された希ガスプラズマから電子を抽出し、電子ビームとして導出する加速部6と、を備えている。
生成部5は、加熱されることで熱電子を放出するフィラメント14と、六ホウ化ランタン(LaB6)により形成され、負電圧が印加される放電用陰極15と、正電圧が印加される放電用陽極17と、フィラメント14を加熱するためフィラメント14に電圧を印加するフィラメント電源12と、放電用陰極15および放電用陽極17に電圧を印加する放電電源13と、アルゴンガスを供給するためのアルゴンガス導入ポート11と、を備えている。
そして、容器40の円筒部41内には、蓋部43に近い位置から、フィラメント14、放電用陰極15、放電用陽極17の順に、これらが配置されている。以下、円筒部41の内壁と放電用陽極17とで囲まれた部位を放電室46と呼ぶものとする。
アルゴンガス導入ポート11は、アルゴンガスが貯蔵されたアルゴンガス貯蔵タンク(図示せず)が接続され、図示しない周知の流量調整機構により、放電室46に流入されるアルゴンガスの量を調整可能に構成されている。
なお、フィラメント電源12および放電電源13は、容器40外に配置されている。
この生成部5では、アルゴンガス導入ポート11を介して放電室46に流入したアルゴンガスは、電圧が印加されたフィラメント14から放出された熱電子が衝突することにより、プラズマ化してアルゴンイオンと電子とを生成する。
次に、加速部6は、負電圧が印加される加速用陰極18と、正電圧が印加される加速用陽極19と、加速用陰極18および加速用陽極19に電圧を印加する加速電源22と、導出される電子ビームの拡散を防止する拡散防止コイル21と、真空ポンプが接続された加速室排気ポート23と、を備えている。
そして、容器40の円筒部41内には、放電用陽極17に近い位置から、加速用陰極18、加速用陽極19の順に、これらが配置されている。以下、円筒部41と放電用陽極17と加速用陰極18とで囲まれた部位を中間室47、円筒部41と加速用陰極18と加速用陽極19とで囲まれた部位を加速室48と呼ぶものとする。
なお、加速室排気ポート23には、加速室48が放電室46よりも低圧となるように加速室48の内圧を調整する真空ポンプ(以下、加速室排気ポンプ86とする、図2参照)が接続されている。
そして、拡散防止コイル21は、加速室48の外壁(円筒部41)の中間室47側端に巻き付けるように配置された第一防止コイル21aと、加速室48の外壁(円筒部41)のプラズマ反応部3側端に巻き付けるように配置された第二防止コイル21bと、から構成され、二つのコイルにより円筒部41内に電子ビームの出射方向(図1中の矢印X方向)に沿った方向の磁力線を有した磁界を発生する。
また、加速電源22は、パルス状の電圧を出力するものであり、少なくとも、パルス電圧のパルス幅、またはパルス電圧の印加周期のうち、一つを設定することにより、パルス波形のデューティー比を設定可能に構成されている。ただし、本実施形態における加速電源22は、加速用陰極18、加速用陽極19に印加する電圧が15Vから150Vであり、パルス幅の比率(電圧を印加するパルスの部分と電圧を印加しないパルス以外の比率)が1対9から9対1、パルス波形の周波数が1kHz〜1MHzの範囲内で設定される。
なお、この加速部6では、加速室48が放電室46よりも低圧に調整されているため、放電室46で生成されたアルゴンプラズマ16が、中間室47を経て、加速室48に流入する。そして、加速電源22により、加速用陽極19に正の電圧(本実施形態における初期値を、電圧85V、パルス幅6対4、周波数50kHzとする)が印加されている期間では、アルゴンプラズマ16から電子のみが引き出され、印加された電圧に応じたビーム強度(初期値では、85eVとなる)を有した電子ビームが生成される。そして、電子ビームは、拡散防止コイル21に電流(初期値を23Aとする)を流すことにより発生した磁界により、ビーム状を維持したままプラズマ反応部3へと導かれる。
ただし、加速電源22が印加するパルス電圧は、少なくとも、出射される電子ビームが窒素をプラズマ化するために必要なビーム強度となる電圧であり、かつ窒化処理に必要な量以上の窒素プラズマ(即ち、窒素イオン及び窒素ラジカル)が反応室49内に確保されるために必要なパルスの間隔(以下、特定パルス間隔とする)である。
〈プラズマ反応部について〉
プラズマ反応部3は、反応室49内に配置され、加工材料70を保持する試料台25と、反応室49内のプラズマを集束するプラズマ集束コイル24と、試料台25にバイアス電圧を印加するバイアス電源30と、反応室49内に発生する窒素プラズマの状態、または加工材料70の状態を測定する測定機器群32と、窒素ガスを供給するための窒素ガス導入ポート29と、反応室49の内圧を調整するための反応室排気ポート28と、測定機器群32の一部が接続される測定用ポート31と、を備えている。
そして、窒素ガス導入ポート29は、窒素ガスが貯蔵された窒素ガスタンク(図示せず)が接続され、図示しない周知の流量調整機構により、反応室49に流入される窒素ガスの量を調整可能に構成されている。
また、反応室排気ポート28には、反応室49の内圧を1.0×10-2〜1.0Paに調整する真空ポンプ(以下、反応室排気ポンプ87とする、図2参照)が接続されている。
そして、試料台25は、導電材料によって形成され、チャンバー部42の底部44に沿った平面、かつ電子ビームの出射方向に沿った平面を移動するように構成されている。また、試料台25の加工材料70を保持する保持面には、加工材料70を加熱するヒータ26が設けられている。
また、プラズマ集束コイル24は、反応室での電子ビーム出射方向の上流に配置された第一コイル24aと、反応室での電子ビーム出射方向の下流に配置された第二コイル24bと、を備え、第一コイル24a、第二コイル24bの両コイルに、予め定められた方向の電流(本実施形態では、5A〜100Aとする)を流すことで、荷電粒子をチャンバー部42の底部44の方向へと導くための磁界を発生するように構成されている。
なお、バイアス電源30は、予め定められた周期で正負極性が切り替わる高周波電圧(本実施形態では、周波数13.56MHzで電位差100Vとする)を出力するものである。
プラズマ反応部3では、窒素ガス導入ポート29を介して反応室49内に封入された窒素は、電子ビーム出力部2から出力された電子ビーム(より正確には、電子ビームを形成する電子)が衝突することで、プラズマ化して、電子および窒素イオン(窒素ラジカルを含む)が生成される。この電子および窒素イオンは、第一コイル24aおよび第二コイル24bが発生する磁界により、加工材料70の近傍に集束させられる。これと共に、バイアス電源30が、試料台25に負電圧と正電圧とを交互に印加することにより、正電圧が印加されている期間には、試料台25に保持された加工材料70の表面に、電子が衝突することで加工材料70が活性化し、負電圧が印加されている期間には、窒素イオンが衝突する。そして窒化物が生成され、窒化膜が形成される。
〈窒化処理装置の制御系について〉
次に、窒化処理装置1の制御系について説明する。
ここで、図2は、窒化処理装置1の制御系を示すブロック図である。
制御ユニット80は、少なくともCPU81、ROM82、及びこれらを接続するバスからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、測定機器群32で測定した結果に基づき、電子ビーム出力部2、およびプラズマ反応部3の各部(具体的には、放電電源13、加速電源22、アルゴンガス導入ポート11、窒素ガス導入ポート29、拡散防止コイル21、プラズマ集束コイル24、加速室排気ポンプ86、反応室排気ポンプ87、試料台25、バイアス電源30)を制御する。
なお、窒化処理装置1は、測定用ポート31に接続されている測定機器群32として、試料台25の可動範囲内である予め規定された集束領域の窒素イオンの量を計測する発光分光器51や、集束領域内に存在する窒素原子の密度を計測するラジカルモニタ52、加工材料70に対してエリプソメトリを行う構造解析機器53、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いて加工材料70の表面を計測する表面窒化モニタ55を有している。そして、窒化処理装置1は、その他の測定機器群32として、加工材料70の温度を計測する加工部材温度計測部54を有している。
なお、制御ユニット80のROM82には、実験等により得られた結果に基づいて、反応室49内の窒素イオンの密度(または、窒素ラジカルや窒素原子の数)や加工材料70の温度に応じて、加工材料70に所望の窒化処理が施されるように、反応室49中の窒素イオンの密度、電子の数、加工材料70の温度等、測定機器群32における測定結果と、窒化処理装置1の各部の動作条件と、を対応付けた窒化条件テーブルが記憶されている。
その窒化条件テーブルは、反応室49の集束領域における窒素イオン(または、窒素原子)の密度が低下した場合、反応室49内の窒素イオンが集束領域に集束するように、測定結果と、プラズマ集束コイル24に流す電流と、を対応付けた項目を有している。
また、窒化条件テーブルは、反応室49内の窒素イオンの数が低下した場合、反応室49内に流入する窒素ガスの量が増加するように、測定結果と、窒素ガス導入ポート29を介して反応室49に流入する窒素ガスの流量(ここでは、反応室排気ポンプ87が排気する流量も含む)と、を対応付けた項目を有している。
そして、窒化条件テーブルは、反応室49内の窒素イオンの数が低下した場合、反応室49内に封入された窒素のプラズマ化が促進されるように、測定結果と、加速電源22により印加される電圧や、パルス幅およびパルス周期と、を対応付けた項目を有している。
さらに、窒化条件テーブルは、反応室49内の窒素イオンの数が低下した場合、反応室49に導入される電子の数を増加させるように、測定結果と、アルゴンガス導入ポート11を介して放電室46に流入するアルゴンガスの流量(ここでは、加速室排気ポンプ86が排気する流量も含む)や放電電源13が流す電流と、を対応付けた項目を有している。
〈窒化自律制御処理について〉
次に、制御ユニット80のCPU81が実行する窒化自律制御処理について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
なお、この窒化自律制御処理は、窒化処理装置1が起動された時に起動されるものである。
この窒化自律制御処理が起動されると、まず、S510において、測定機器群32に集束領域での窒素イオンの密度を測定させ、その測定結果を取得して、取得した窒素イオンの密度(以下、測定結果とする)が、窒化処理を行うために最適なものとして予め規定された窒素イオン密度(以下、規定窒素イオン密度とする)の範囲内か否かを判定する。そして、判定の結果、測定結果が規定窒素イオン密度の範囲外であるものと判断した場合には、S520へと進む。
そのS520では、ROM82に記憶された窒化条件テーブルから、S510で取得した測定結果に対応する加速電源22のパラメータ(即ち、電圧やパルス幅、周波数等)を読み出し、S530へと進む。
続くS530では、加速電源22の各設定をS520で読み出したパラメータの設定に変更する。
さらに、S540では、測定機器群32に集束領域での窒素イオンの密度を測定させ、その測定結果を取得して、測定結果が規定窒素イオン密度の範囲内か否かを判定する。そして、判定の結果、測定結果が規定窒素イオン密度の範囲外であるものと判断した場合には、S550へと進む。
そのS550では、ROM82に記憶された窒化条件テーブルから、S540で取得した測定結果に対応するプラズマ集束コイル24に流す電流の値を読み出し、S560へと進む。
続くS560では、プラズマ集束コイル24に流す電流の値をS550で読み出した値に変更する。
そして、S570では、測定機器群32に集束領域での窒素イオンの密度を測定させ、その測定結果を取得して、測定結果が規定窒素イオン密度の範囲内か否かを判定する。そして、判定の結果、測定結果が規定窒素イオン密度の範囲外であるものと判断した場合には、S580へと進む。
そのS580では、ROM82に記憶された窒化条件テーブルから、S570で取得した測定結果に対応する反応室49内に封入される窒素の量(即ち、反応室内の内圧)を、読み出し、S590へと進む。
続く、S590では、S580で読み出した量の窒素ガスが反応室49内に封入されるように、窒素ガス導入ポート29を調整する。なお、反応室49内を減圧する必要がある時には、S580で読み出した反応室49の内圧となるように反応室排気ポンプ87を駆動する。
また、S600では、測定機器群32に集束領域での窒素イオンの密度を測定させ、その測定結果を取得して、測定結果が規定窒素イオン密度の範囲内か否かを判定する。そして、判定の結果、測定結果が規定窒素イオン密度の範囲外であるものと判断した場合には、S610へと進む。
そのS610では、ROM82に記憶された窒化条件テーブルから、S600で取得した測定結果に対応する放電電源13のパラメータ(即ち、電圧や電流の値)を読み出し、S620へと進む。
続くS620では、放電電源13の各設定をS610で読み出した設定に変更する。
その後、S510へと戻る。なお、S510、S540、S570、S600における判定の結果、測定結果が規定窒素イオン密度の範囲内であるものと判断した場合にも、S510へと戻る。
〈本実施形態の効果〉
以上説明したように、本実施形態の窒化処理装置1では、加速用陰極18、加速用陽極19にパルス電圧を印加することにより、パルス状の電子ビームを反応室内に出力し、反応室内に窒素プラズマを生成する。そして、窒化処理装置1では、プラズマ集束コイル24に電流を流して、窒素イオンや電子を試料台25に導くように磁界を発生し、さらに、正電圧と負電圧とが交互に切り替わるバイアス電圧を印加することで、窒素イオンと電子とが交互に加工材料70に衝突するようにされている。
このように、窒化処理装置1によれば、パルス状の電子ビームを用いることにより、窒素をプラズマ化するために必要なビーム強度(以下、プラズマ強度とする)を維持した上で、単位時間当たりのエネルギ量を低下させることができる。これにより、窒化処理装置1によれば、加工材料70の温度上昇が抑制されるため、加工材料70に電子ビームを直接照射しても、加工材料70が軟化しない上に、加工材料70の表面を活性化することができる。
なお、窒化処理装置1によれば、プラズマ強度、かつ特定パルス間隔の電子ビームが反応室49内に出射されるため、窒化処理に必要な量の窒素プラズマを確保した上で、窒化処理を行うことができる。そして、窒化処理装置1によれば、窒素プラズマを試料台25に導くように磁界を発生するため、加工材料70周辺の窒素イオンの密度を高くすることができる。
さらに、窒化処理装置1によれば、バイアス電圧を印加することにより、窒素イオンと電子とが交互に加工材料70に衝突するため、加工材料70が活性化した状態を維持したまま、窒化処理を実行することができる。
これらのことから、本実施形態の窒化処理装置1によれば、加工材料に対する窒化処理を短時間で行うことができる。
ここで、図4、図5に、本発明の発明者らが行った実験の結果をグラフに示す。
なお、図4(A)は、窒化処理の処理時間と加工材料の硬化層深さとの関係を、バイアス電圧を印加した時と印加していない時とで比較したものであり、図4(B)は、窒化処理の処理時間と加工材料の硬さとの関係を、バイアス電圧を印加した時と印加していない時とで比較したものである。
図4(A)に示すように、窒化処理を行う際にバイアス電源をオンとした時(グラフ中、バイアス100V)には、窒化処理を行う際にバイアス電源をオフとした時(グラフ中、バイアス0V)に比べ、処理時間に関わらず、より厚い窒化膜が形成されていることがわかる。即ち、バイアス電圧を印加した時には、バイアス電圧を印加していない時に比べて、短時間の窒化処理により、所望の厚さの窒化膜を形成することができる。
ただし、図4(B)に示すように、バイアス電圧を印加する時間が長時間化する(本実施形態中では、10分を越える)と加工材料に衝突する電子及び窒素イオンの数(即ち、電子等が衝突することで発生する熱エネルギー)が増加しすぎるため、加工材料が軟化してしまう。したがって、バイアス電圧を印加する時間を加工材料が軟化しない程度の時間に止めておく必要がある。
また、図5(A)は、窒化処理中に印加したバイアス電圧と加工材料の硬化層深さとの関係とを示したものであり、図5(B)は、窒化処理中に印加したバイアス電圧と加工材料の硬さとの関係とを示したものである。なお、図5(A)および図5(B)に示したグラフは、窒化処理を開始してからの経過時間が5分の時のものである。
図5(A)に示すように、加工材料に印加するバイアス電圧が大きいほど、加工材料に形成される窒化膜の厚さが厚くなることがわかる。即ち、試料台に印加するバイアス電圧が大きい時には、バイアス電圧が小さい時に比べて、短時間の窒化処理により、所望の厚さの窒化膜を形成することができる。
ただし、図5(B)に示すように、試料台に印加するバイアス電圧が大きなものとなりすぎる(本実施形態中では、100Vを超える)と加工材料に衝突する電子及び窒素イオンの数(即ち、電子等が衝突することで発生する熱エネルギー)が増加しすぎるため、加工材料が軟化してしまう。したがって、試料台に印加するバイアス電圧の値を加工材料が軟化しない程度の電圧に止めておく必要がある。
なお、本実施形態の窒化処理装置1によれば、測定機器群32の測定結果に基づいて、窒化自律制御処理を行うため、反応室49内の窒素プラズマの状態を所望の状態に保つことができ、加工材料70に所望の窒化処理を行うことができる。
また、本実施形態の窒化処理装置1によれば、反応室排気ポンプ87を用いて反応室49の内圧を低下させることにより、反応室49内の不純物を低減することができ、ひいては、加工材料70に形成される窒化膜に含有される不純物を低減することができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態における窒化処理装置について説明する。
第二実施形態に示す窒化処理装置と第一実施形態における窒化処理装置1とでは、プラズマ集束コイルの作動方法が異なるのみである。このため、第一実施形態に示す窒化処理装置1と同様の構成および処理については、同一の符号を付して、説明を省略し、第一実施形態とは異なるプラズマ集束コイル24の作動方法を中心に説明する。
まず、プラズマ集束コイル24は、第一実施形態のプラズマ集束コイルと同様に、第一コイル24a、第二コイル24bとから構成されている。
そして、プラズマ集束コイル24の作動方法として、第一コイル24aには、第一実施形態の第一コイルと同様に、荷電粒子をチャンバー部42の底部へと導くための磁力線を有した磁界を発生するように電流が流され、第二コイル24bには、第一コイル24aに印加される電流と正負極性を逆転させた電流が流される。
つまり、図9に示すように、第一コイル24aは、円筒部41とチャンバー部42との境界から第一コイル24aと第二コイル24bとの間に向かう磁力線(図中、95で示された向きの磁力線)を有した第一磁界を発生し、第二コイル24bは、チャンバー部42の底部から、第一コイル24aと第二コイル24bとの間に向かう磁力線(図中、96で示された向きの磁力線)を有した第二磁界を発生する。
これにより、反応室49内の窒素プラズマ(主として窒素イオン)が、第一コイルと第二コイルとの間の領域(図中、90で示される領域、以下、特定領域とする)に集束される。そして、制御ユニット80が、加工材料70が特定領域内に位置するように、試料台25を駆動する。
つまり、窒化処理装置では、窒素イオンを集束させる領域によって、制御ユニット80が、第一コイル24aおよび第二コイル24bに印加する電流の強さ、および電流の向きを変化させている。
〈第二実施形態の効果〉
以上説明したように、第二実施形態の窒化処理装置によれば、窒素プラズマの集束領域を変更することができ、この結果、加工材料70の形状に関わらず、効率よく窒化処理を行うことができる。
また、第二実施形態の窒化処理装置によれば、制御ユニット80が、特定領域に窒素プラズマを集束するようにプラズマ集束コイル24を制御することで、特定領域の窒素イオン密度を高くすることができるため、反応室49内を低圧にしても窒化処理を行うことができる。つまり、第二実施形態の窒化処理装置によれば、反応室49内に流入する窒素の量を低減することができ、この結果、窒化処理のコストを低減することができる。
〈その他の実施形態〉
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、第一実施形態および第二実施形態の窒化処理装置では、加工材料70に対して窒化処理を行う前に、エッチング処理等の前処理を行っていなかったが、加工材料70に対して、エッチング等の処理を行っても良い。
具体的には、反応室で窒素プラズマを生成する前に、窒素ガス導入ポートを介して反応室内に希ガス(例えば、アルゴン)を導入した上で、希ガスに電子ビームを照射して希ガスプラズマを生成し、希ガスプラズマによって加工材料の表面に対して、エッチング処理を実行する。つまり、希ガスプラズマ(より正確には、希ガスイオン)が反応室内に生成された後に、試料台に負極性のバイアス電圧を印加して、希ガスイオンを加工材料に接触させることで、加工材料の表面に付着した酸化膜を還元しても良い。
また、第一実施形態および第二実施形態の窒化処理装置において、試料台25に設けられたヒータ26を用いて、加工材料70が活性化する温度以上、かつ加工材料70が軟化する温度未満に、加工材料70を加熱しても良い。この場合、加工材料70に電子ビームが照射されていない時でも、加工材料70を活性化するため、窒化処理に要する時間を短縮することができる。
さらに、第一実施形態における容器40のチャンバー部42は、円筒状に形成されているが、これに限るものではない。具体的には、チャンバー部42は、断面形状が八角形や六角形であっても良い。つまり、電子ビームが導入されることで窒素プラズマが生成されるされる広さの反応室(即ち、空間)49を有したものであれば良い。
また、第一実施形態における窒化処理装置1では、制御ユニット80のROM82に記憶された窒化条件テーブルに基づいて、窒化自律制御処理を実行していたが、これに限るものではない。つまり、実験等により、測定結果と反応室49内の窒素プラズマの密度等をモデル化した数式をROM82に記憶しておき、その数式に従って窒化自律処理を行っても良い。
そして、第一実施形態における窒化条件テーブルや窒化自律制御処理では、主として、窒素イオンと制御項目とを対応付けたり、窒素イオンに基づいて制御対象を制御していたが、窒素ラジカルや電子、窒素原子の量等に基づいて窒化条件テーブルを作成しても良いし、それらに基づいて窒化自律制御処理を行っても良い。
さらに、窒化自律制御処理では、加工材料70の大きさ等応じて、加工材料70の窒化処理を施したい部位が、反応室49の集束領域に位置するように、加工材料70が保持された試料台25を駆動する制御を行っても良い。
また、窒化自律制御処理では、所望の窒化膜を形成するために、バイアス電源30(即ち、試料台25に印加する電圧や、正電圧と負電圧の切り替え周期等)の制御や拡散防止コイル21に流す電流値等を制御しても良い。そして、窒化自律制御処理では、反応室49内の窒素プラズマの密度を一定の密度に維持するような制御を行っても良い。
さらに、窒化自律制御処理では、反応室49内の窒素イオンの密度に基づいて加速電源等の制御を行っているが、加工材料70の温度に基づいて制御を行っても良いし、加工材料70の表面に対する計測結果に基づいて制御しても良い。
なお、第一実施形態におけるバイアス電源30は、予め定められた周期で正負極性が切り替わる高周波電源を用いたが、これに限るものではない。例えば、負極性の直流電圧を出力する直流電源や、負極性のパルス電圧を出力するパルス電源を用いても良い。つまり、バイアス電源30は、少なくとも、負極性の電圧を出力するものであれば良い。
さらに、第一実施形態および第二実施形態における窒化処理装置では、放電室46に封入される希ガスは、アルゴンガスであったが、これに限るものではない。つまり、ネオンやキセノン等の希ガスであれば良い。
窒化処理装置の概略構成を示す模式図である。 窒化処理装置の制御系を示すブロック図である。 CPUが実行する窒化自律制御のフローチャートである。 試料台にバイアス電圧を印加した時の窒化処理の効果を示すグラフである。 試料台に予め定められた周期で正負極性が切り替わるバイアス電圧を印加した時の窒化処理の効果を示すグラフである。 本発明においてパルス状の電子ビームを反応室に照射することによる窒素プラズマの量の変化を説明する説明図である。 第一コイルと第二コイルとが発生する磁界を模式的に示した説明図。 予め定められた周期で正負極性が切り替わるバイアス電圧を説明するための説明図である。 第二実施形態における反応室の様子を説明するための説明図である。
符号の説明
1…窒化処理装置 2…電子ビーム出力部 3…プラズマ反応部 5…生成部 6…加速部 11…アルゴンガス導入ポート 12…フィラメント電源 13…放電電源 14…フィラメント 15…放電用陰極 16…アルゴンプラズマ 17…放電用陽極 18…加速用陰極 19…加速用陽極 21…拡散防止コイル 22…加速電源 23…加速室排気ポート 24…プラズマ集束コイル 25…試料台 26…ヒータ 28…反応室排気ポート 29…窒素ガス導入ポート 30…バイアス電源 31…測定用ポート 32…測定機器群 40…容器 41…円筒部 42…チャンバー部 43…蓋部 44…底部 46…放電室 47…中間室 48…加速室 49…反応室 51…発光分光器 52…ラジカルモニタ 53…構造解析機器 54…加工部材温度計測部 70…加工材料 80…制御ユニット 86…加速室排気ポンプ 87…反応室排気ポンプ

Claims (17)

  1. パルス状の電子ビームを出力する電子ビーム出力部と、
    少なくとも窒素を含む気体が封入された反応室を有し、前記電子ビーム出力部から出力された電子ビームが照射される前記反応室内の位置に加工材料を保持する試料台が配置された反応部と、
    を備え、
    前記反応室内の窒素をプラズマ化して、前記試料台に保持された加工材料の表面に窒化膜を形成することを特徴とする窒化処理装置。
  2. 前記電子ビーム出力部は、前記電子ビーム出力部から出力されるパルス状の電子ビームのデューティー比を設定する設定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の窒化処理装置。
  3. 前記電子ビーム出力部は、
    プラズマを生成する生成室と、
    前記電子ビームの出射方向に沿った電界を発生する電極を有し、前記生成室で生成されたプラズマ中の電子を加速させる加速室と、
    前記加速室の電極にパルス電圧を印加する加速電源と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の窒化処理装置。
  4. 前記加速電源は、前記電極に印加するパルス電圧のパルス幅、またはパルスの印加周期のうち、少なくとも一つを設定する条件設定手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の窒化処理装置。
  5. 前記加速室の内圧が前記生成室の内圧よりも低くなるように、前記加速室の内圧を設定する圧力設定手段を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の窒化処理装置。
  6. 前記反応部は、前記反応室内に導入された電子ビームの拡散を防止する電子ビーム集束手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の窒化処理装置。
  7. 前記電子ビーム集束手段は、
    前記反応室での電子ビームの進行方向における上流の位置で、前記電子ビームを前記試料台に導く磁界を発生するように配置された第一コイルと、
    前記反応室での電子ビームの進行方向における下流の位置で、前記電子ビームを前記試料台に導く磁界を発生するように配置された第二コイルと、
    を備えることを特徴とする請求項6に記載の窒化処理装置。
  8. 前記反応部は、前記反応室内で生成された窒素プラズマを、前記反応室内の予め規定された特定領域に集束するプラズマ集束手段を備え、
    前記試料台は、前記加工材料が前記特定領域内に位置するように配置されることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の窒化処理装置。
  9. 前記プラズマ集束手段は、
    前記反応室での電子ビームの進行方向における上流の位置で、前記電子ビームを前記試料台に導く第一磁界を発生するように配置された第一コイルと、
    前記反応室での電子ビームの進行方向における下流の位置で、前記第一磁界と同一方向の磁界、および前記第一磁界の向きを反転させた第二磁界を発生するように配置された第二コイルと、
    を備え、
    前記反応室内での前記第一コイルと前記第二コイルとの間の領域を前記特定領域とすることを特徴とする請求項8に記載の窒化処理装置。
  10. 前記反応部は、直流かつ負極性、またはパルス状かつ負極性のバイアス電圧を、前記試料台に印加する電圧印加手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の窒化処理装置。
  11. 前記反応部は、予め定められた周期で正負極性が切り替わるバイアス電圧を、前記試料台に印加する電圧印加手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の窒化処理装置。
  12. 前記反応部は、前記試料台を移動させる移動手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の窒化処理装置。
  13. 前記試料台は、前記加工材料が軟化する軟化温度未満、かつ前記加工材料が活性化する活性化温度以上となるように、加工材料を加熱する加熱手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の窒化処理装置。
  14. 前記反応室内に生成される窒素プラズマの状態を検知する検知手段と、
    前記検知手段での検知結果に基づき、予め定められた窒化膜が加工材料に形成されるために最適な窒素プラズマの状態となるように、前記電子ビーム出力部、または前記反応部のうち、少なくとも一つを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の窒化処理装置。
  15. 少なくとも窒素を含む気体が封入された反応室に向けて電子ビームを出力する電子ビーム出力過程と、
    前記電子ビームが照射されることで前記窒素がプラズマ化し、前記反応室内に配置された加工材料の表面に窒化膜を形成する最終処理過程と、
    を備えた窒化処理方法において、
    前記加工材料を前記電子ビームが照射される領域に配置し、
    前記電子ビーム出力過程では、パルス状の電子ビームを出力することを特徴とする窒化処理方法。
  16. 前記最終処理過程では、前記加工材料を保持する試料台にバイアス電圧を印加することを特徴とする請求項15に記載の窒化処理方法。
  17. 前記反応室に希ガスを封入し、その希ガスに電子ビームを照射することで希ガスプラズマを生成し、前記希ガスプラズマを用いて前記加工材料の表面をエッチングするエッチング過程を備えること特徴とする請求項15または請求項16に記載の窒化処理方法。
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