JP2007314063A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バッテリ電圧検出値VBが電圧低下判定しきい値VDOWNを下回ったとき操舵補助制御処理を停止させ(ステップS1〜S4)、その後電圧復帰判定しきい値VUPを上回ったとき(ステップS5)過電流チェック処理を行い(ステップS7)、モータ駆動回路24を構成する電界効果トランジスタのうち、下段側を開放状態、上段側をデューティ制御させ、この状態でモータ駆動回路24に電源電流が流れたならば下段側の電界効果トランジスタが異常と判定し、逆に上段側を開放状態、下段側をデューティ制御させ、この状態で電源電流が流れたならば上段側の電界効果トランジスタが異常と判定する。上段及び下段共に電界効果トランジスタが異常と判定されないとき過電流は発生していないと判定し、操舵補助制御処理を再開させ、操舵アシストを再開させる(ステップS9)。
【選択図】 図3
Description
例えば図13の各部の状態を表すタイミングチャートに示すように、時点t1で上段の電界効果トランジスタにショート異常が発生し(図13(a))、これに伴ってモータ駆動回路を流れる電源電流が増加し(図13b))、時点t2で電源電流がその過電流しきい値を上回ると、電源電流が過電流しきい値を上回った状態の継続時間の計測が開始される。そして、この継続時間が予め設定した規定時間に達したとき過電流異常と判定される。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、過電流をより確実に検出することの可能な電動パワーステアリング制御装置を提供することを目的としている。
この請求項4に係る発明では、デューティ制御手段は、デューティ制御を行う際に、デューティ比を段階的に変化させるから、ブリッジ回路へ流れる電源電流を段階的に変化させることが可能となり、過電流が発生している場合に、ブリッジ回路へ流れる電源電流の検出値がその判定しきい値を越えるまでの所要時間を短縮することが可能となる。
この請求項6に係る発明では、第1及び第2のデューティ制御手段は、デューティ制御を行う際に、デューティ比を段階的に変化させるから、ブリッジ回路へ流れる電源電流を段階的に変化させることが可能となり、過電流が発生している場合に、ブリッジ回路へ流れる電源電流の検出値がその判定しきい値を越えるまでの所要時間を短縮することが可能となる。
この請求項7に係る発明では、電源電圧値検出値が、電圧低下判定しきい値を下回った直後又はその近傍の時点で過電流検出を行っているから、過電流が原因ではなく、一時的に電源電圧が低下した場合等には、電源電圧の回復を待っている間に過電流検出が行われることになって、電源電圧が回復した時点で操舵補助制御を再開することが可能となり、操舵補助制御が停止される時間を短縮することが可能となる。
まず、第1の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1はステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力がステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aと出力軸2bとを有し、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン機構に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を例えばポテンショメータで検出するように構成されている。この操舵トルクセンサ3から出力されるトルク検出値Tは、コントローラ20に入力される。
なお、ここでは、モータ駆動回路24と電動モータ12との間を流れる電流を検出しこれをモータ駆動電流として用いているが、これに限らず、前記電源電流検出回路29で検出される電源電流をモータ駆動電流として流用するようにしてもよい。
FETゲート駆動回路26は、モータ駆動回路24の各電界効果トランジスタを、制御演算装置23から出力されるモータ電流指令値Iut、Ivt及びIwtに基づいて決定されるデューティ比Du、Dv及びDwのPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFさせ、これによって、実際に電動モータ12に流れる電流の大きさが制御される。また制御演算装置23からの、各電界効果トランジスタをオンオフ制御するための制御信号が入力されたときこれに応じて指定された電界効果トランジスタをオンオフ制御する。
この監視処理では、まず、電圧低下フラグFが“1”に設定されているかどうかを判断する。この電圧低下フラグFは、バッテリ電圧検出値VBが電圧低下判定しきい値VDOWNを既に下回った状態であるかどうかを表すフラグである。なお、この電圧低下フラグFは起動時には“0”に設定される。
バッテリ28aに電圧低下が生じておらず、バッテリ電圧検出回路28で検出されるバッテリ電圧検出値VBが電圧低下判定しきい値VDOWN以上である間は、バッテリ電圧VBATは正常であって電動モータ12を的確に駆動制御することが可能であるとしてそのまま処理を終了する。
バッテリ電圧検出値VBが電圧復帰判定しきい値VUP以下である間、すなわち、バッテリ電圧VBATが正常な電圧範囲に復帰していない間は、ステップS5からそのまま処理を終了し、バッテリ電圧検出値VBが電圧復帰判定しきい値VUPを上回り正常な電圧範囲に復帰したとき、ステップS5からステップS6に移行し、電圧低下フラグをF=0に設定する。次いでステップS7に移行し、モータ駆動回路24に過大電流が流れていないかどうかを検出するための過電流チェック処理を行う。その詳細は後述する。
一方、ステップS7の過電流チェック処理の結果、過電流が発生している場合には、ステップS8からステップS10に移行し、過電流発生時の処理を行う。具体的には操舵補助制御処理の実行を禁止し、モータ駆動回路24の各電界効果トランジスタを開放状態に制御する。また、過電流が発生していることを外部に通知する等の処理を行い、以後、この監視処理は行わない。
まず、ステップS21で、モータ駆動回路24の電界効果トランジスタQua〜Qwbのうち、下段の電界効果トランジスタQub、Qvb、Qwbをチェック対象とし、これらを開放状態に制御するための制御信号を出力する。また、遮断回路27を開放状態に切り換えるための制御信号を出力する。
次いでステップS22に移行し、上段の電界効果トランジスタQua、Qva、Qwaをデューティ制御する。このときデューティ比が0%から連続的に増加するようにデューティ比を変更しつつデューティ制御する。
次いで、ステップS23に移行し、電源電流検出回路29で検出される電源電流検出値IBが予め設定した電流しきい値I1を上回るかどうかを判定する。
前記電源電流検出回路29で検出される電源電流検出値IBが電流しきい値I1よりも大きいときには、ステップS23からステップS25に移行し、下段の電界効果トランジスタQub、Qvb、Qwbが導通状態に誤動作しており、この誤動作により過電流が発生したためバッテリ28aの電圧低下が生じている状態であると推測されることから、過電流異常と判定する。
このチェックは、下段の電界効果トランジスタQub、Qvb、Qwbに対するチェックと同様の手順で行い、まず、上段の電界効果トランジスタQua、Qva、Qwaを開放状態に制御する。
次いで、ステップS33に移行し、電源電流検出回路29で検出される電源電流検出値IBが予め設定した電流しきい値I2を上回るかどうかを判定する。なお、この電流しきい値I2は、下段の電界効果トランジスタをチェック対象としたときの電流しきい値I1と同一であってもよく、また、前記電流しきい値I1と同様の手順で設定してもよい。
一方、デューティ比が、その最大値Dmax2に達するまでの間に、電源電流検出値IBが電流しきい値I2を上回らないときにはステップS36に移行し、上段及び下段の電界効果トランジスタが共に、ショート異常や導通異常等が生じておらず正常な状態であって、すなわち過電流は発生していないと判定し、遮断回路27を導通状態に切り換える制御信号を出力する。以上の手順で、過電流が発生しているかどうかの判定を行ったならば過電流チェック処理を終了し、図3に戻ってステップS8に移行する。
この状態から、何らかによって、バッテリ28aのバッテリ電圧が低下し、図5の時点t11でバッテリ電圧検出値VBが電圧低下判定しきい値VDOUNを下回ると、監視処理では、図3のステップS2からステップS3に移行し、電圧低下フラグFを“1”に設定し、操舵補助制御処理を停止させると共に、モータ駆動回路24の各電界効果トランジスタQua〜Qwbを開放状態に制御する。
そして、バッテリ電圧VBATが低い間はステップS1及びステップS5の処理を繰り返し行って操舵補助制御処理を引き続き停止させ、この操舵補助制御処理の停止に伴って、バッテリ28aの電力消費量が減少すること等によりバッテリ電圧が回復し、時点t12で、バッテリ電圧検出値VBが電圧復帰判定しきい値VUPを上回ると、図3のステップS1から、ステップS5、ステップS6を経てステップS7に移行し、電圧低下フラグをF=0に設定した後、過電流チェック処理を行う。
したがって、バッテリ28aのバッテリ電圧VBATが何らかの要因によって低下した場合には、バッテリ電圧VBATが低下している間は操舵補助制御処理を停止し、電動モータ12を駆動制御しないようにしているから、バッテリ電圧VBATが低い状態で電動モータ12を駆動制御することによって電動モータ12が意図しない動作を行い、意図しない操舵補助力が付与されることによって、運転者に違和感を与えたり、また、バッテリ電圧VBATがさらに低下することにより車載機器各部が動作不可となったりすることを回避することができる。
この場合、上段の電界効果トランジスタは開放状態に制御されているため、本来ならばこの状態では電源電流は流れないが、電界効果トランジスタQuaはショート異常によって導通状態となっているから、電界効果トランジスタQua、Qubの電流経路で貫通電流が流れる。
しかしながら、上記第1の実施の形態に示すように、バッテリ電圧VBATが低下した後、バッテリ電圧検出値VBが電圧復帰判定しきい値VUPを上回った時点であり且つ操舵補助制御処理を再開する前の時点で過電流チェック処理を行っているから、過電流チェックを行っている最中であり過電流の発生の有無が確定していないときに、過電流チェック処理が中止されることはない。よって、電界効果トランジスタのショート異常や動作異常等による導通異常を確実に検出することができ、これに伴う過電流の発生を確実に検出することができる。
また、上述のように、過電流チェック処理を行う場合には、電界効果トランジスタをデューティ制御する際のデューティ比を徐々に増加させ、予め設定した最大値Dmax1又はDmax2に達した時点で異常の有無を確定している。そして、この最大値Dmax1、Dmax2は、導通異常の有無を的確に検出することの可能なデューティ比の最小値を設定しているから、導通異常の有無を的確に検出しつつ、この判定に要する所要時間を短縮することができる。
また、過電流チェックを行う際には、デューティ比を徐々に増加させているから、導通異常により貫通電流が流れるときには、貫通電流がその電流しきい値I1又はI2を上回った時点で、異常の有無を確定することができすなわち貫通電流がより小さい電流値である段階で異常の有無、つまり、過電流の発生の有無を確定することができる。したがって、過大電流を流さなくとも比較的電流値の低い電源電流を流すことで過電流の発生の有無を確定することができる。したがって、その分、バッテリ28aの消費電力を削減することができ効率よく過電流チェックを行うことができ、また、過電流発生時には、モータ駆動回路24に過電流検出用の大電流が流れる以前の時点で過電流を検出することができる。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、過電流チェック処理の処理手順が異なること以外は同一であるので同一部の詳細な説明は省略する。
図7は、第2の実施の形態における過電流チェック処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この第2の実施の形態における過電流チェック処理では、上記第1の実施の形態における過電流チェック処理と同様に、まず下段の電界効果トランジスタのチェックを行う。この処理は、上記第1の実施の形態と同様であって、遮断回路27を開放状態に制御し、下段の電界効果トランジスタを開放状態に制御し、デューティ比を徐々に増加させつつ上段の電界効果トランジスタをデューティ制御し、このときの電源電流検出回路29で検出される電源電流検出値IBが、その電流しきい値I1を上回るかどうかを判定する(ステップS21〜ステップS23)。
一方、電源電流検出値IBがその電流しきい値I1以下であるときには、ステップS23からステップS24aに移行し、デューティ比が100%又はその近傍に設定した上限値に達したかどうかを判定し、デューティ比が上限値に達していないときには、ステップS22に戻って引き続きデューティ比を増加させつつ、デューティ制御を行う。
この上段の電界効果トランジスタのチェックを行う場合には、上段の電界効果トランジスタについてはそのデューティ比が100%またはその近傍の値に設定した規定値から徐々に低下するようにデューティ制御を行い、下段の電界効果トランジスタについてはそのデューティ比が0%から徐々に増加するようにデューティ制御を行う。なお、このとき上段及び下段の電界効果トランジスタに対するデューティ比を相補的に変化させ、上段及び下段の電界効果トランジスタが同時に導通状態とならないようにデューティ制御を行う。
したがって、図8のタイムチャートに示すように、何らかによってバッテリ電圧VBATが低下し、時点t31で電源電圧検出値VBが電圧低下判定しきい値VDOWNを下回ると、この時点で操舵補助制御処理が停止され、且つモータ駆動回路24の全電界効果トランジスタが開放状態に制御される。
この状態から、バッテリ電圧VBATが回復し、時点t32でバッテリ電圧検出値VBが電圧復帰判定しきい値VUPを上回ると、図7の過電流チェック処理が実行される。
なお、上記第2の実施の形態においては、下段側の電界効果トランジスタのチェックを行った後、上段側の電界効果トランジスタのチェックを行い、その際に、上段側及び下段側の電界効果トランジスタを、デューティ比が50%となるまで共に変化させて相補的にデューティ制御を行っているが、上段側の電界効果トランジスタのチェックを先に行ってもよく、この場合には、下段側の電界効果トランジスタのチェックを行う際に、上段側及び下段側の電界効果トランジスタを、デューティ比が50%となるまで共に変化させて相補的にデューティ制御を行えばよい。
このように段階的に変化させ且つその変化の割合を適切に設定することによって、デューティ比が、その最大値Dmax或いは100%近傍に達するまでの所要時間を短縮することができる。前記デューティ比の変化の割合は、例えば、1、2、4、8、16、……〔%〕というように、前回の倍の値を設定し、且つ、それぞれ電流が流れるために十分な時間セットする(例えば電気的時定数以上)。このように設定することによって、前回の略倍の電流が流れていくため、急激に過剰な電流が流れることなく検出時間の短縮を図ることができる。
また、上記各実施の形態においては、デューティ比を0%から増加させる場合について説明したが、電界効果トランジスタに異常が発生したときに、このときの電源電流値IBから電界効果トランジスタの異常を検出することの可能なデューティ比が既知である場合には、この既知のデューティ比近傍の値から増加させるようにしてもよい。
この第3の実施の形態は上記第1の実施の形態において、監視処理の処理手順が異なること以外は同一であるので同一部の詳細な説明は省略する。
この第3の実施の形態では、図10に示す手順で監視処理を行う。
図10においてステップS51からステップS54の処理は、上記第1の実施の形態のステップS1からステップS4の処理と同様であって、まず、電圧低下フラグがF=1に設定されているかどうかを判定し(ステップS51)、電圧低下フラグがF=1でなければステップS52に移行し、バッテリ電圧検出値VBが電圧低下しきい値VDOWNを下回っているかどうかを判定する。バッテリ電圧検出値VBが電圧低下しきい値VDOWN以上であるときにはバッテリ電圧VBATは正常な電圧範囲であると判定しそのまま処理を終了する。
次いでステップS55に移行し、過電流チェック処理を行う。この過電流チェック処理は、上記第1の実施の形態或いは第2の実施の形態で説明した過電流チェック処理の何れであっても適用することができる。
つまり、バッテリ電圧の回復を待っている待ち時間の間に、過電流チェック処理を行っているから、バッテリ電圧が正常な電圧範囲に回復した時点では既に過電流チェック処理が終了しているか、ある程度処理が進んでいる状態であるから、過電流チェック処理の結果、正常と判定されていれば、バッテリ電圧が正常な電圧範囲に回復した時点で直ちに、操舵補助制御処理を再開することができる。
したがって、操舵補助制御処理が停止される時間をより短縮することができ、また、これはすなわち操舵アシストが停止される時間を短縮することができるということであるから、使い勝手をより向上させることができる。
この第4の実施の形態は上記第1の実施の形態において、監視処理の処理手順が異なること以外は同一であるので同一部の詳細な説明は省略する。
この第4の実施の形態では、図11に示す手順で監視処理を行う。
まず、ステップS1で、電圧低下フラグがF=1に設定されているかどうかを判定し、電圧低下フラグがF=1に設定されていなければステップS1aに移行し、電源電流検出回路29で検出される電源電流検出値IBの記憶処理を行う。
一方、電圧低下前電流値がそのしきい値を上回っているときには、バッテリ電圧VBATが電圧低下判定しきい値VDOWNを下回る直前に、モータ駆動回路24に電源電流が流れており、バッテリ電圧の低下がモータ駆動回路24への電力供給を行ったことに起因すると予測されるときには、ステップS7に移行し過電流チェック処理を行う。この過電流チェック処理は、上記第1の実施の形態及び第2の実施の形態の何れの手順でもよい。
このように、第4の実施の形態では、バッテリ電圧VBATが低下した原因が、モータ駆動回路24への電力供給を行ったことに起因すると予測されるときにのみ過電流チェック処理を実行し、バッテリ電圧VBATが低下した原因がクランキング等その他の要因によるものと予測されるときには、過電流チェック処理を行わない。
なお、上記各実施の形態においては、過電流チェック処理を行う際に、上段側及び下段側の電界効果トランジスタを個別に駆動している。これを実現するためには、上段側及び下段側の電界効果トランジスタに対するPWM信号を個別に設定可能に構成すればよい。また、上段側及び下段側の電界効果トランジスタを相補的に駆動するように構成されている場合、つまり、上段デューティ比DUに対し、下段のデューティ比DLがDL=100−DUとして自動的に設定されるように構成されている場合には、上段側電界効果トランジスタと下段側電界効果トランジスタとをそれぞれ個別に開放状態に制御できるようにハード的に構成しておけばよい。例えば、図2に示すコントローラ20の構成において、さらに図12に示すように、制御演算装置23とFETゲート駆動回路26との間に、モータ駆動回路24を構成する各電界効果トランジスタへの制御演算装置23からのPWM制御信号の供給を遮断するための上段FETON/OFF許可回路32及び下段FETON/OFF許可回路33を設け、これら上段FETON/OFF許可回路32及び下段FETON/OFF許可回路33を、制御演算装置23により相補的にオンオフ制御すればよい。前記上段FETON/OFF許可回路32は、例えば、制御演算装置23からFETゲート駆動回路26への上段の電界効果トランジスタに対応するPWM制御信号の供給ラインのそれぞれに接続されるダイオードとNPNトランジスタとで構成され、NPNトランジスタのコレクタ側がダイオードのカソード側と接続され、NPNトランジスタのエミッタ側が接地される。下段FETON/OFF許可回路33も同様に構成される。
また、図3において、ステップS4の処理が操舵補助制御停止手段に対応し、ステップS7の処理が過電流検出手段に対応している。また、図10において、ステップS54の処理が操舵補助制御停止手段に対応し、ステップS55の処理が過電流検出手段に対応している。
また、図11において、ステップS1a及びステップS4aの処理が電圧低下前電流検出手段に対応し、ステップS6aの処理が電圧低下要因推測手段に対応している。
2 ステアリングシャフト
3 操舵トルクセンサ
12 電動モータ
20 コントローラ
21 車速センサ
22 モータ電流検出回路
23 制御演算装置
24 モータ駆動回路
26 FETゲート駆動回路
28 バッテリ電圧検出回路
28a バッテリ
29 電源電流検出回路
Claims (8)
- 操舵系に対して操舵補助力を付与する電動モータと、
操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
複数のスイッチング素子を含んで構成される前記電動モータを駆動するブリッジ回路と、
前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて前記ブリッジ回路を介して前記電動モータを駆動制御する操舵補助制御手段と、
前記電動モータに電力供給を行う電源の電源電圧を検出する電源電圧検出手段と、
当該電源電圧検出手段で検出した電源電圧検出値が予め設定した電圧低下判定しきい値を下回るとき前記操舵補助制御手段による操舵補助制御を停止する操舵補助制御停止手段と、
前記ブリッジ回路における過電流の発生の有無を検出する過電流検出手段と、を備えた電動パワーステアリング制御装置において、
前記過電流検出手段は、前記電源電圧検出値が前記電圧低下判定しきい値を下回るとき前記ブリッジ回路のスイッチング素子を、過電流検出用のチェックモードで動作させるチェック動作制御手段と、
前記チェックモードで前記スイッチング素子を動作させたときの、前記ブリッジ回路に流れる電源電流を検出する電源電流検出手段と、
当該電源電流検出手段で検出される電源電流検出値に基づいて過電流の発生の有無を判定する過電流判定手段と、を備え、
前記操舵補助制御手段は、前記操舵補助制御停止手段により前記操舵補助制御が停止された後、前記過電流検出手段で過電流が生じていないことが検出され且つ前記電源電圧検出値が予め設定した電圧復帰判定しきい値を上回る状態となったとき前記操舵補助制御を再開することを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。 - 前記チェック動作制御手段は、前記ブリッジ回路を構成するスイッチング素子のうち、上段側及び下段側のうち何れか一方の側をチェック対象としてそのスイッチング素子全てを開放状態にし且つ他方の側のスイッチング素子を、デューティ比の小さい状態からこれを増加させつつデューティ制御するデューティ制御手段を有し、
前記過電流判定手段は、前記電源電流検出値が予め設定したその判定用しきい値を上回るとき前記チェック対象のスイッチング素子が異常であると判定し、前記上段側及び下段側のスイッチング素子それぞれを前記チェック対象として前記判定を行った結果、何れか一方で異常を検出したとき過電流が生じていると判定することを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 前記デューティ制御手段は、予め設定した最大デューティ比を上限としてデューティ比を増加させ、
前記最大デューティ比は、前記過電流判定手段で前記チェック対象のスイッチング素子が異常であると判定されるときの、前記電源電流の想定される電流経路の抵抗値と前記過電流判定手段で用いる前記判定用しきい値とに基づいて設定することを特徴とする請求項2記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 前記デューティ制御手段は、前記デューティ比を段階的に変化させることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の電動パワーステアリング制御装置。
- 前記チェック動作制御手段は、前記ブリッジ回路を構成するスイッチング素子のうち上段側及び下段側のうち何れか一方の側を第1のチェック対象とし、この第1のチェック対象のスイッチング素子全てを開放状態に制御すると共に他方の側を第2のチェック対象とし、この第2のチェック対象のスイッチング素子を、デューティ比が予め設定した100%近傍の規定値に達するまでデューティ比を増加させつつデューティ制御する第1のデューティ制御手段と、
当該第1のデューティ制御手段で前記スイッチング素子を動作させたときの前記電源電流検出値が予め設定したその判定用しきい値以下であるときに、前記第1のデューティ制御手段による制御終了後、前記第1のチェック対象のスイッチング素子を、デューティ比が前記規定値から50%に達するまでデューティ比を減少させつつデューティ制御すると共に、前記第2のチェック対象のスイッチング素子を、デューティ比が50%に達するまでデューティ比を増加させつつ前記第1のスイッチング素子と相補的にデューティ制御する第2のデューティ制御手段と、を有し、
前記過電流判定手段は、前記電源電流検出値が予め設定したその判定用しきい値を上回るとき前記第1又は第2のチェック対象のスイッチング素子は異常であると判定し、前記第1及び第2のチェック対象のそれぞれに対する判定結果のうち、何れか一方で異常を検出したとき過電流が生じていると判定することを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング制御装置。 - 前記第1のデューティ制御手段及び前記第2のデューティ制御手段は、前記デューティ比を段階的に変化させることを特徴とする請求項5記載の電動パワーステアリング制御装置。
- 前記過電流検出手段は、前記電源電圧検出値が前記電圧低下判定しきい値を下回った直後又はその近傍の時点で過電流検出を行うことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
- 前記電源電圧検出値が前記電圧低下判定しきい値を下回るまでの過程における、前記電源電圧検出値が前記電圧低下判定しきい値を下回る前の所定期間に前記ブリッジ回路に流れた電源電流値を検出する電圧低下前電流検出手段と、
当該電圧低下前電流検出手段で検出した電源電流値に基づいて、前記電源電圧の低下の要因が、前記操舵補助制御手段での操舵補助制御によるものかどうかを推測する電圧低下要因推測手段と、を備え、
前記過電流検出手段は、前記電圧低下要因推測手段で前記電源電圧の低下の要因が前記操舵補助制御によるものと推測されるときにのみ過電流検出を行い、
前記操舵補助制御手段は、前記電源電圧の低下の要因が、前記操舵補助制御以外の要因によるものと推測されるときには、前記操舵補助制御停止手段により前記操舵補助制御が停止された後、前記電源電圧検出値が前記電圧復帰判定しきい値を上回る状態となったとき前記操舵補助制御を再開することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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