JP2007313555A - 入子型、それを用いた鋳型及び鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳造物を離型する際の反りを防止して、寿命を延長させた入子型、それを用いた鋳型及び鋳造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】鋳造用金型にセットされて用いられるウォータージャケット入子3であって、シリンダブロック20内に冷却用水路を形成する筒部31と、該筒部31の端部に一体形成された基部32と、鋳造物離型用の押出しピン33とを備えてなり、前記基部32には、前記筒部31の内側に開口される内挿通孔34と、前記筒部31の外側に開口される外挿通孔35とが穿設され、該内挿通孔34及び外挿通孔35のそれぞれに前記押出しピン33が挿入される。
【選択図】図2
【解決手段】鋳造用金型にセットされて用いられるウォータージャケット入子3であって、シリンダブロック20内に冷却用水路を形成する筒部31と、該筒部31の端部に一体形成された基部32と、鋳造物離型用の押出しピン33とを備えてなり、前記基部32には、前記筒部31の内側に開口される内挿通孔34と、前記筒部31の外側に開口される外挿通孔35とが穿設され、該内挿通孔34及び外挿通孔35のそれぞれに前記押出しピン33が挿入される。
【選択図】図2
Description
本発明は、入子型に関し、より詳細には、鋳造用金型にセットされて用いられ、シリンダブロック内に冷却用水路を形成する筒部と、該筒部の端部に一体形成される基部と、鋳造物離型用の押出しピンとを備えてなる入子型に関する。
従来、シリンダブロックを形成するための鋳造用金型には、冷却用通路を形成するための入子型としてウォータージャケット入子(以下、WJ入子)がセットされ、このWJ入子は、シリンダブロック内に冷却用水路を形成する筒部と、該筒部の端部に一体形成された基部と、該基部に穿設され、離型用の押出しピンが挿入される挿通孔とを備えている。また、WJ入子の基部には、同じく鋳造用金型に設けられた押出しピンが挿通される挿通孔が穿設されており、鋳造用金型にセットされた状態で、この押出しピンが挿通孔に挿入されて、鋳造物(シリンダブロック)が鋳造用金型及びWJ入子から離型される。
例えば、特許文献1の図1及び図2に、従来の鋳型構造が開示されている。この鋳型構造におけるWJ入子は、筒部がシリンダに対応するように複数に長手方向に沿って開口され、基部には挿通孔が複数穿設され、鋳造用金型の対応する位置に押出しピンが進退可能にセットされる。そして、シリンダブロックが鋳造された後、押出しピンが基部の挿通孔を介して金型のキャビティ内に進出されて、シリンダブロックが鋳造用金型及びWJ入子から離型される。
特開2001−152958号公報
従来の入子型構造では、基部に穿設された挿通孔は筒部の内側にのみ開口されており、この挿通孔に挿入された押出しピンは、筒部の内側のキャビティ内にのみ進出して、筒部の内側位置からシリンダブロックを押し出すように構成されていた。
しかし、溶湯は凝固時に収縮を伴うため、鋳造されたシリンダブロックを離型する際には、筒部(の内外壁面)とシリンダブロックとの間に摩擦力が生じる。特に、WJ入子は、平面視においてシリンダの配列する方向(長手方向)に長く形成されているため、シリンダブロックを離型する際に、筒部とシリンダブロックとの間での摩擦抵抗によって引き抜き方向に反って(塑性変形)しまうという問題があった。
また、シリンダブロックを離型する際にWJ入子が引き抜き方向に反ってしまうことで、WJ入子のくびれ部(各シリンダを形成する筒部間の継目部分)に繰返し応力かかり、鋳造のショット数が増大すると、かかる部分において疲労亀裂が生じ易くなるという問題があった。
しかし、溶湯は凝固時に収縮を伴うため、鋳造されたシリンダブロックを離型する際には、筒部(の内外壁面)とシリンダブロックとの間に摩擦力が生じる。特に、WJ入子は、平面視においてシリンダの配列する方向(長手方向)に長く形成されているため、シリンダブロックを離型する際に、筒部とシリンダブロックとの間での摩擦抵抗によって引き抜き方向に反って(塑性変形)しまうという問題があった。
また、シリンダブロックを離型する際にWJ入子が引き抜き方向に反ってしまうことで、WJ入子のくびれ部(各シリンダを形成する筒部間の継目部分)に繰返し応力かかり、鋳造のショット数が増大すると、かかる部分において疲労亀裂が生じ易くなるという問題があった。
そこで、本発明では、前記従来の課題を解決するもので、鋳造物を離型する際の反りを防止して、寿命を延長させた入子型、それを用いた鋳型及び鋳造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、鋳造用金型にセットされて用いられる入子型であって、シリンダブロック内に冷却用水路を形成する筒部と、該筒部の端部に一体形成された基部と、鋳造物離型用の押出しピンとを備えてなり、前記基部には、前記筒部の内側に開口される内挿通孔と、前記筒部の外側に開口される外挿通孔とが穿設され、該内挿通孔及び外挿通孔のそれぞれに前記押出しピンが挿入されるものである。
請求項2においては、前記基部は、前記筒部より外方に張り出された張出部が形成され、該張出部に前記外挿通孔が穿設されるものである。
請求項3においては、前記基部は、前記筒部より外方に張り出された張出部が長手方向両端部に形成され、該基部に前記外挿通孔が穿設されるものである。
請求項4においては、前記入子型を鋳造用金型にセットしてなるものである。
請求項5においては、鋳造用金型に、シリンダブロック内に冷却用水路を形成する筒部と、該筒部の端部に一体形成された基部とが設けられた入子型をセットし、キャビティ内に充填された溶湯が凝固して鋳造された後に、前記基部に穿設された前記筒部の内側位置に開口される内挿通孔と前記筒部の外側位置に開口される外挿通孔とに、鋳造物離型用の押出しピンが挿入されて、前記筒部の内側位置及び外側位置から鋳造物を押圧して離型するものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1に示す構成としたので、筒部の内側位置及び外側位置から進出された押出しピンによって鋳造物を均等に押し出すことができ、反り返りや疲労亀裂を防止して、寿命を延長できる。
請求項2に示す構成としたので、基部に張出部を一体的に形成することができ、また、従来の加工方法を用いて容易に形成することができる。
請求項3に示す構成としたので、鋳造物を離型する際の摩擦抵抗が大きくても、長手方向両端部では筒部の内外位置から押出しピンによって鋳造物を押圧できるため、反り返りや疲労亀裂を効果的に防止できる。
請求項4に示す構成としたので、筒部の内外側から進出された押出しピンによって鋳造物を均等に押し出すことができ、入子型の反り返りや疲労亀裂を防止して、入子型の寿命を延長できる。
請求項5に示す構成としたので、筒部の内側位置及び外側位置から進出された押出しピンによって鋳造物を均等に押し出すことができ、入子型の反り返りや疲労亀裂を防止して、入子型の寿命を延長できる。
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例としてウォータージャケット入子を鋳造用金型にセットしたシリンダブロック用の鋳型の全体的な構成を示した側面図、図2はウォータージャケット入子の側断面図、図3はウォータージャケット入子の平面図、図4はシリンダブロックを離型させる様子を表した図、図5は別実施例におけるウォータージャケット入子の平面図である。
図1は本発明の一実施例としてウォータージャケット入子を鋳造用金型にセットしたシリンダブロック用の鋳型の全体的な構成を示した側面図、図2はウォータージャケット入子の側断面図、図3はウォータージャケット入子の平面図、図4はシリンダブロックを離型させる様子を表した図、図5は別実施例におけるウォータージャケット入子の平面図である。
図1に示すように、シリンダブロック用の鋳型1は、ダイカスト鋳造法により、アルミニウム合金製のシリンダブロック20(図4参照)を得るものであって、固定式の固定型10と、固定型10に対して移動可能に配置された可動式の可動型11と、可動型11の側面にその移動方向と交差する方向に移動可能に配置されたスライドコア12・12等とからなる鋳造用金型に、入子型としてのウォータージャケット入子3(以下、WJ入子という)が入子5を介してセットされて構成されている。
このようなシリンダブロック用の鋳型1において、固定型10、可動型11、スライドコア12及びWJ入子3等の間には鋳造空間であるキャビティ2が形成されており、キャビティ2内に溶湯が充填され、溶湯が凝固することでシリンダブロック20が鋳造される。鋳造されたシリンダブロック20は、WJ入子3より図1においてZ方向に引き抜かれて離型される
このようなシリンダブロック用の鋳型1において、固定型10、可動型11、スライドコア12及びWJ入子3等の間には鋳造空間であるキャビティ2が形成されており、キャビティ2内に溶湯が充填され、溶湯が凝固することでシリンダブロック20が鋳造される。鋳造されたシリンダブロック20は、WJ入子3より図1においてZ方向に引き抜かれて離型される
図2及び図3に示すように、WJ入子3は、薄壁状の筒部31と、筒部31の一端に一体形成された基部32とで構成されており、ボアピン4及び取付ネジ(図略)によって、入子5に取り付けられる。
筒部31は、全体として内部中空に形成され、必要気筒数に応じた数のシリンダ型31a・31a・・・が一列(図3におけるX方向)に連設されている。すなわち、WJ入子3は、平面視において幅方向(図3におけるY方向)に比べてX方向に長くなっている。また、シリンダ型31aは、断面略円形の筒状に形成されており、隣接するシリンダ型31aの接続部にはくびれ部31bが形成されている。この筒部31によって、シリンダブロック20内に冷却用水路が形成される。
筒部31は、全体として内部中空に形成され、必要気筒数に応じた数のシリンダ型31a・31a・・・が一列(図3におけるX方向)に連設されている。すなわち、WJ入子3は、平面視において幅方向(図3におけるY方向)に比べてX方向に長くなっている。また、シリンダ型31aは、断面略円形の筒状に形成されており、隣接するシリンダ型31aの接続部にはくびれ部31bが形成されている。この筒部31によって、シリンダブロック20内に冷却用水路が形成される。
基部32は、筒部31の一端に一体的に形成され、必要気筒数に応じた数(上述したシリンダ型31a・31a・・・に対応した数)の開口部32aと、筒部31の長手方向(X方向)の両端部より外方に張り出された張出部32b・32bと、シリンダブロック20を離型するための押出しピン33が挿通される挿通孔34・35等とが形成されている。
開口部32aは、開口端が平面視略矩形に形成されており、ボアピン4の端部が挿入されて、ボアピン4が位置決めして取り付けられる。
開口部32aは、開口端が平面視略矩形に形成されており、ボアピン4の端部が挿入されて、ボアピン4が位置決めして取り付けられる。
ボアピン4は、筒部31のシリンダ型31a・31a・・・ごとに配置され、開口部32aの開口端の形状と同一に形成された基部と、基部より半径方向長さが大きくなるように形成された略円柱状の軸部4aとで構成されている。基部は、端面に孔4b・4bが穿設されており、この孔4b・4bにWJ入子3の固定用の取付ネジ(図略)が螺挿される。また、軸部4aは、径方向長さR1がシリンダ型31aの内径R2よりも小さく(R1<R2)、ボアピン4が筒部31に配置された状態で、軸部4aの円周面と筒部31の内壁とが離間するように構成されている(図3参照)。
WJ入子3を鋳造用金型にセットするには、まず、入子5の対応する位置にWJ入子3が配置され(図1参照)、かかる状態で、ボアピン4・4・・・がWJ入子3に取り付けられる。ボアピン4は基部が開口部32aに挿入されて位置決めされ、入子5の裏側より挿入された取付ネジがボアピン4の孔4bに螺挿されて、WJ入子3がボアピン4を介して入子5に一体的に締結される。そして、このように締結されたWJ入子3及び入子5が可動型11に固定される。
ただし、WJ入子3を入子5を介さずに直接鋳造用金型(可動型11)にセットするように構成してもよく、鋳造用金型の構成としては、上述したものに限定されない。
ただし、WJ入子3を入子5を介さずに直接鋳造用金型(可動型11)にセットするように構成してもよく、鋳造用金型の構成としては、上述したものに限定されない。
図3及び図4に示すように、挿通孔34・35は、上述した基部32において、筒部31の内側に開口される内挿通孔34と、筒部31の外側に開口される外挿通孔35とからなり、内挿通孔34及び外挿通孔35のそれぞれが、筒部31の軸心方向に沿うようにして基部32及び入子5をZ方向に貫通している。換言すると、この挿通孔34及び外挿通孔35は、入子5の可動型11側の端面と、WJ入子3のキャビティ2側の端面にむけて開口されるようにして貫設されている。そして、押出しピン33は、可動型11側端面の開口端から挿入されて、キャビティ2側端面の開口端からキャビティ2内に進出される。この押出しピン33によって、鋳造物であるシリンダブロック20がシリンダブロック用の鋳型1(鋳造用金型及びWJ入子3)から離型される(図4参照)。
内挿通孔34は、平面視で筒部31の内側に、各シリンダ型31aの形状(断面略円形)に沿って複数開口されており、筒部31にボアピン4が配置された状態で、筒部31の内部空間に向けて開口するようにボアピン4と一致しない位置に設けられている。そのため、内挿通孔34に挿入された押出しピン33は、基部32からキャビティ2内に進出される。
外挿通孔35は、上述した張出部32bに設けられている。この張出部32bは、筒部31より長手方向(X方向)外方に張り出すようにして、基部32の両端部に設けられたものであって、本実施例では、基部32の長手方向両端部が平面視において筒部31よりX方向に張り出され、一方で基部32の短手方向(Y方向)の端部は筒部31のY方向長さとほぼ同じ長さとされている。この張出部32bの張出長さ(筒部31の側面から突出する長さ)は、少なくとも外挿通孔35の口径以上であればよい。
また、外挿通孔35は、鋳造用金型にWJ入子3が配置された状態で、スライドコア12と一致しない位置に設けられており、筒部31の外部空間(キャビティ2内)に向けて開口されて、外挿通孔35に挿入された押出しピン33が、基部32からキャビティ2内に進出される。本実施例では、外挿通孔35は、各張出部32bにそれぞれ3箇所ずつ設けられている。
また、外挿通孔35は、鋳造用金型にWJ入子3が配置された状態で、スライドコア12と一致しない位置に設けられており、筒部31の外部空間(キャビティ2内)に向けて開口されて、外挿通孔35に挿入された押出しピン33が、基部32からキャビティ2内に進出される。本実施例では、外挿通孔35は、各張出部32bにそれぞれ3箇所ずつ設けられている。
次に、図1及び図4を参照して、シリンダブロック用の鋳型1を用いたシリンダブロック20の鋳造方法について説明する。
シリンダブロック用の鋳型1において、まず、WJ入子3をボアピン4を介して入子5に固定し、このWJ入子3が固定された入子5を可動型11セットする。この状態で、スライドコア12・12が可動型11に対して相対移動され、次いで、可動型11がスライドコア12・12と一体に固定型10の方向に移動されて、固定型10に対して型締め(型閉め)される。また、固定型10、可動型11等によってキャビティ2が形成される。
その後、キャビティ2内に溶湯が高速・高圧で射出されて充填され、この溶湯が凝固して鋳造が終了する。鋳造終了後には、可動型11が固定型10に対して離間する方向に再び移動されて、型開きが行われる。
シリンダブロック用の鋳型1において、まず、WJ入子3をボアピン4を介して入子5に固定し、このWJ入子3が固定された入子5を可動型11セットする。この状態で、スライドコア12・12が可動型11に対して相対移動され、次いで、可動型11がスライドコア12・12と一体に固定型10の方向に移動されて、固定型10に対して型締め(型閉め)される。また、固定型10、可動型11等によってキャビティ2が形成される。
その後、キャビティ2内に溶湯が高速・高圧で射出されて充填され、この溶湯が凝固して鋳造が終了する。鋳造終了後には、可動型11が固定型10に対して離間する方向に再び移動されて、型開きが行われる。
型開きが完了すると、押出しピン33が作動されて内挿通孔34及び外挿通孔35に挿入され(図4(a)参照)、鋳造品であるシリンダブロック20が鋳造用金型及びWJ入子3より離型される。このとき、本実施例では、シリンダブロック20は、筒部31内側の内挿通孔34から進出された押出しピン33によって押圧されるとともに、特に、長手方向両端部において、内挿通孔34から進出された押出しピン33に加えて、筒部31外側の張出部32bに開口された外挿通孔35から進出された押出しピン33に押圧される(図4(b)参照)。
以上のように、本実施例のWJ入子3は、基部32に、筒部31の内側に開口される内挿通孔34と、筒部31の外側に開口される外挿通孔35とが設けられて、シリンダブロック20が筒部31の内側位置及び外側位置の両方から進出された押出しピン33によって押し出されるように構成されているため、筒部31の内外側から進出された押出しピン33によって、シリンダブロック20を均等に押し出すことができ、反り返りや疲労亀裂を防止して、寿命を延長できる。
特に、本実施例では、WJ入子3に、外挿通孔35を設けるために、基部32に筒部31より外方に張り出された張出部32bが一体的に形成されており、この張出部32bは、少なくとも筒部31より長手方向両端部にのみ形成されている。
このように構成することで、溶湯が凝固する際にWJ入子3の長手方向内側に収縮することから、離型する際のシリンダブロック20と筒部31との間の摩擦抵抗が大きくても、長手方向両端部では筒部31の内側位置及び外側位置から押出しピン33によってシリンダブロック20を押圧することができ、WJ入子3自身の反り返りを効果的に防止できる。
すなわち、シリンダブロック20を離型する際には、WJ入子3の筒部31(の側壁)との間での摩擦抵抗が大きく、従来の構造では、WJ入子3が、筒部31との摩擦抵抗によって長手方向略中央部が押し出し方向(Z方向)に凹となるように反り返ってしまい、ひいてはくびれ部31bにおいて繰り返し応力がかかって疲労亀裂が生じてしまう場合があったのである。本実施例の構成によって、そのような問題を解消できる。
このように構成することで、溶湯が凝固する際にWJ入子3の長手方向内側に収縮することから、離型する際のシリンダブロック20と筒部31との間の摩擦抵抗が大きくても、長手方向両端部では筒部31の内側位置及び外側位置から押出しピン33によってシリンダブロック20を押圧することができ、WJ入子3自身の反り返りを効果的に防止できる。
すなわち、シリンダブロック20を離型する際には、WJ入子3の筒部31(の側壁)との間での摩擦抵抗が大きく、従来の構造では、WJ入子3が、筒部31との摩擦抵抗によって長手方向略中央部が押し出し方向(Z方向)に凹となるように反り返ってしまい、ひいてはくびれ部31bにおいて繰り返し応力がかかって疲労亀裂が生じてしまう場合があったのである。本実施例の構成によって、そのような問題を解消できる。
なお、張出部32bは、本実施例では基部32と一体に形成されているが、これに限定されず、基部32は別体に形成されてもよく、さらには、WJ入子3の基部32ではなく入子5側に形成されてもよい。ただし、張出部32bを基部32と一体に形成することで、WJ入子3を従来の加工方法を用いて容易に形成することができる。
また、張出部32bは、本実施例で示したように長手方向端部のみに設けられるだけでなく、図5に示すように、筒部31から短手方向(Y方向)にも張り出すように形成されてもよい。かかる場合には、筒部31の外壁に沿って複数の外挿通孔35が設けられる。
また、外挿通孔35は、張出部32bの所定位置に複数設けられるが、その位置や個数は特に限定されない。ただし、内挿通孔34と外挿通孔35とが筒部31を挟んで対向する位置にそれぞれ設けられるのが好ましい。この場合は、外挿通孔35が内挿通孔34と同様に筒部31のシリンダ型31aの形状(略円形)に沿って配置される。
また、張出部32bは、本実施例で示したように長手方向端部のみに設けられるだけでなく、図5に示すように、筒部31から短手方向(Y方向)にも張り出すように形成されてもよい。かかる場合には、筒部31の外壁に沿って複数の外挿通孔35が設けられる。
また、外挿通孔35は、張出部32bの所定位置に複数設けられるが、その位置や個数は特に限定されない。ただし、内挿通孔34と外挿通孔35とが筒部31を挟んで対向する位置にそれぞれ設けられるのが好ましい。この場合は、外挿通孔35が内挿通孔34と同様に筒部31のシリンダ型31aの形状(略円形)に沿って配置される。
鋳造法としては、上述したダイカスト鋳造法の他に、遠心鋳造法・高圧鋳造法・低圧鋳造法等、いずれの鋳造法を選択するかは任意とされる。また、鋳造金属としては、アルミニウム合金の他に、マグネシウムや銅又はそれらの合金、鉄系合金等、任意の金属を選択することができる。
1 鋳型
3 ウォータージャケット入子(入子型)
20 シリンダブロック(鋳造物)
31 筒部
32 基部
33 押出しピン
34 内挿通孔
35 外挿通孔
3 ウォータージャケット入子(入子型)
20 シリンダブロック(鋳造物)
31 筒部
32 基部
33 押出しピン
34 内挿通孔
35 外挿通孔
Claims (5)
- 鋳造用金型にセットされて用いられる入子型であって、
シリンダブロック内に冷却用水路を形成する筒部と、該筒部の端部に一体形成された基部と、鋳造物離型用の押出しピンとを備えてなり、
前記基部には、前記筒部の内側に開口される内挿通孔と、前記筒部の外側に開口される外挿通孔とが穿設され、該内挿通孔及び外挿通孔のそれぞれに前記押出しピンが挿入されることを特徴とする入子型。 - 前記基部は、前記筒部より外方に張り出された張出部が形成され、該張出部に前記外挿通孔が穿設されることを特徴とする請求項1に記載の入子型。
- 前記基部は、前記筒部より外方に張り出された張出部が長手方向両端部に形成され、該基部に前記外挿通孔が穿設されることを特徴とする請求項1に記載の入子型。
- 前記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の入子型を鋳造用金型にセットしてなることを特徴とする鋳型。
- 鋳造用金型に、シリンダブロック内に冷却用水路を形成する筒部と、該筒部の端部に一体形成された基部とが設けられた入子型をセットし、
キャビティ内に充填された溶湯が凝固して鋳造された後に、
前記基部に穿設された前記筒部の内側位置に開口される内挿通孔と前記筒部の外側位置に開口される外挿通孔とに、鋳造物離型用の押出しピンが挿入されて、
前記筒部の内側位置及び外側位置から鋳造物を押圧して離型することを特徴とする鋳造方法。
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