以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1を参照して、遊技機の一例であるスロットマシン(パチスロ機)について説明する。スロットマシン1は本体筐体1aを有しており、この本体筐体1aの前面側には前面ドア(前面パネル:前面ドアは本体筐体11の一部である)2が備えられ、前面ドア2は本体筐体1aに対して開閉自在に軸支されている。
前面ドア2には、略垂直面として規定されたパネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cが形成されている。そして、前面ドア2の背面側には、複数種類の図柄がその外周面に描かれた3個のリール3L、3C、及び3Rが、幅方向に延びる回転支点に対して回転自在に配置されており、各リール3L、3C、及び3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。なお、本体筐体1aは、略直方体状の箱体である。
パネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cの下側には、略水平面に規定された台座部4が形成されており、図中、台座部4の右側には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。メダル投入口10から投入されたメダルは、クレジットされるか又はゲームに賭けられる。また、図中、台座部4の左側には、押下操作によって、クレジットされているメダルを賭けるための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11を1回押し操作すると、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12を1回押し操作すると、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13を押すと、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。そして、これらBETスイッチ11〜13を操作すると、所定の表示ラインが有効化される。BETスイッチ11〜13の操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」と呼ぶ。BETスイッチ11〜13の上方には、操作部17が設けられており、操作部17は、液晶表示装置(図1には示さず)に遊技履歴等の履歴情報を表示するために操作される。
台座部4の前端部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えによって、正面下部に設けられたメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に溜められる。また、メダル受け部5の上方においてその左右には、遊技の演出に関する効果音等を出力するスピーカ9L及び9Rが設けられている。
メダル受け部5において、メダル払出口15が形成された面の裏側には、破線で示すように、メダル受け部用振動装置63が配設され、メダル受け部用振動装置63による振動が、メダル払出口15が設けられた面に伝達される。これによって、メダル払出口15が設けられた面が振動音(例えば、払出音)を発生する。つまり、メダル払出口15が設けられた面は、所謂振動板として機能する(メダル払出口15が設けられた面は、音を発生するとともに振動するので、演出効果を高めることができる)。
図中、C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作によって上述のリールを回転させ、図柄表示領域内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲において回動自在に取り付けられている。なお、本実施の形態では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることによって開始され、全てのリール3L、3C、及び3Rが停止したときに終了する。
スタートレバー6の右側には、つまり、台座部4の前端部中央には、リール3L、3C、及び3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止ボタン7L、7C、及び7Rが配設されている。これら停止ボタン7L、7C、及び7Rは、スイッチケース25にマウントされている。そして、停止ボタン7L、7C、7Rとメダル受け部5とに挟まれた領域には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル20が取り付けられている。
スイッチケース25の裏側には、破線ブロックで示す停止ボタン用振動装置61が配設され、腰部パネル20の裏側には、破線ブロックで示す腰部パネル用振動装置62が配設されている。そして、停止ボタン用振動装置61及び腰部パネル用振動装置62による振動が、それぞれスイッチケース25の前面側、腰部パネル20の前面側に伝達されて、スイッチケース25及び腰部パネル20が音(スタート音等)を発生する。つまり、スイッチケース25及び腰部パネル20の各々は、所謂振動板として機能する(腰部パネル20及びスイッチケース25は、音を発生するとともに振動するので、演出効果を高めることができる)。
図2を参照すると、図2は前面ドア2の内部構造を示す正面図であり、前面ドア2内の上部には、主制御回路基板(以下単に主制御回路と呼ぶ)71が設けられている。主制御回路71の下側には前述の液晶表示装置131が配設されている。また、図中、液晶表示装置131の左側には、副制御回路基板(以下単に副制御回路と呼ぶ)72が配設され、液晶表示装置131の下側には、前述の停止ボタン7L、7C、及び7R等を含むスイッチ装置24が配設されている。そして、スイッチ装置24の下側には、投入されたメダル(遊技媒体)がメダル受け部5に返却されるときに通る通路である遊技メダルキャンセルシュート77が取り付けられ、腰部パネル20(図1)の裏側には、腰部パネル20を照明するためのインバータである蛍光灯インバータ78が配設されている。
さらに、図2を参照すると、スイッチ装置24と遊技メダルキャンセルシュート77との間に位置する領域には、メダルセレクター(媒体セレクター)100及び中継基板101が配設されている。このメダルセレクター100は、図2において紙面の裏側から表側に向かって着脱可能に前面ドア2に装着されており、図示はしないが、前面ドア2にはメダルセレクター100を前面ドア2に装着する際、メダルセレクター100を、その装着位置に案内するためのガイド部が形成されている。
前述のように、メダルセレクター100には選別センサ及びメダルセンサ(ともに図示せず)が備えられており、選別センサ及びメダルセンサ、つまり、メダルセレクター100は、後述するようにして、中継基板101に接続され、この中継基板101は、例えば、ハーネス(図示せず)によって主制御回路71に接続されている。
このメダルセレクター100は、メダル投入口10から不適性なメダルが投入された際には、遊技メダルキャンセルシュート77を介してメダルをメダル受け部5に返却し、一方、メダル投入口10から適正なメダルが投入されると、コイン通路(図示せず)を介してホッパー(図2には示されておらず)に落下させる。この際、メダルセンサによってメダルが検知され、中継基板101を介してメダル検知信号が主制御回路71に与えられ、主制御回路71においてメダル投入数がカウントされる。
図3は遊技機1の制御系を示すブロック図であり、遊技機1には前述したように、主制御回路71が備えられている。主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素として、マイクロコンピュータ30に乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに応じて制御動作を行うCPU31、ROM32、及びRAM33を備えている。
図示の例では、CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、つまり、CPU31の動作プログラム上で、乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。この場合には、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であるが、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくようにしてもよい。
ROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽籤テーブル、停止用当籤役決定テーブル、停止ボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止テーブル群等の情報が格納され、さらに、ROM32には、副制御回路72へ送信される各種制御指令(コマンド)等が格納されている。
なお、図示の例においては、副制御回路72が主制御回路71へコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路71から副制御回路72への一方向で通信が行われる。RAM33には、種々の情報が格納される。例えば、内部当籤役、持越役、現在の遊技状態等の情報等が格納される。
図3において、マイクロコンピュータ30から送信される制御信号によって制御される主要なアクチュエータとして、例えば、BETランプ(1−BETランプ17a、2−BETランプ17b、最大BETランプ17c)と、ボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19等の表示部と、メダルを収納しホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出すホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、リール3L,3C,及び3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,及び49Rとがある。
さらに、図示の例では、ステッピングモータ49L,49C,及び49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、BETランプ17a,17b,及び17cを駆動制御するランプ駆動回路45、及びボーナス遊技情報表示部16、払出表示部18、クレジット表示部19等の表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がCPU31の出力部に接続されている。これら駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令等の制御信号を受けて、前述した各アクチュエータの動作を制御する。
マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段として、例えば、スタートスイッチ6S、停止スイッチ7LS,7CS,及び7RS、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、リール位置検出回路50、及び払出完了信号回路51がある。
また、図3に示す例では、図2で説明したように、メダルセレクター100は中継基板101を介して主制御回路71に接続され、さらに、ここでは、左の停止スイッチ7LS、中央の停止スイッチ7CS、及び右の停止スイッチ7RSが中継基板を介して主制御回路71に接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出して、遊技開始指令信号(ゲームの開始を指令する信号)を出力する。停止スイッチ7LS,7CS,及び7RSは、それぞれ停止ボタン7L,7C,及び7Rの操作に応じて停止指令信号(図柄の変動の停止を指令する信号)を発生する。リール位置検出回路50は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,及び3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達すると、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。
乱数発生器36では、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を使用することによって、例えば、ROM32内に格納されている確率抽籤テーブル等に応じて内部当籤役などが決定される。内部当籤役(内部当籤役データ)は、その内部当籤役に対応する停止制御の態様又は表示役等を介して、対応する図柄組合せと遊技者に付与される利益とが間接的に対応付けられている。
リール3L,3C,及び3Rが回転を開始すると、ステッピングモータ49L,49C,及び49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,及び3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路50を介してCPU31に入力される。このようにして得られたリセットパルスによって、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これによって、RAM33内には、各リール3L,3C,及び3Rについて、一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のようなリール3L,3C,及び3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)がROM32内に格納されており、この図柄テーブルでは、前述のリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,及び3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、各コードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
さらに、ROM32内には、図柄組合せテーブル(図示せず)が格納されている。この図柄組合せテーブルでは、役の成立(入賞等)となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞(成立)を表わす入賞判定コード(成立判定コード)とが対応づけられている。上記の図柄組合せテーブルは、左のリール3L,中央のリール3C,右のリール3Rの停止制御時、及び全リール3L,3C,3Rの停止後の入賞確認(表示役の確認)を行う場合に参照される。表示役(表示役データ)は、基本的に有効ラインに沿って並ぶ図柄組合せに対応する役(成立役)である。遊技者には、表示役に対応する利益が付与される。
上記の乱数サンプリングに基づく抽籤処理(確率抽籤処理など)によって、内部当籤役や停止用当籤役を決定した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,及び7Rを操作したタイミングで停止スイッチ7LS,7CS,及び7RSから送られる操作信号、及び決定された停止テーブルに基づいて、リール3L,3C,及び3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
当籤した役の入賞を示す停止態様(即ち、入賞態様)となれば、CPU31は、払出指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出を行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これによって、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、メダル払出処理を終了する。
ここで、図4乃至図6を参照して、主制御回路71の制御動作について詳細に説明する。まず、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップS1)。例えば、RAM33の記憶内容の初期化及び通信データの初期化等を行う。続いて、CPU31は、ゲーム終了時におけるRAM33の所定の記憶内容(所定の記憶領域(例えば、内部当籤役を記憶する領域)の情報)を消去して(ステップS2)、ステップS3に移行する。ステップS2においては、例えば、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等が行われる。
ステップS3においては、CPU31はメダル投入・スタートチェック処理を行う。このメダル投入・スタートチェック処理では、スタートスイッチ6S、メダルセレクター100内センサ、又はBETスイッチ11〜13からの入力に基づいて、BET数の更新等の処理が行われる。CPU31はステップS3を行った後、ステップS4へ移行し、ステップS4において、抽籤用の乱数を抽出する(この処理で抽出した乱数は、後述の確率抽籤処理において使用される)。そして、CPU31はステップS5に移行する。
ステップS5では、CPU31は遊技状態監視処理を行う。この遊技状態監視処理では、例えば、FT作動中フラグ、持越役の有無、BB作動中フラグ、及びRB作動中フラグに基づいて遊技状態を監視し、遊技状態に応じた確率抽籤テーブルに切り換える。そして、CPU31はステップS6に移行する。CPU31はステップS6において、切り換えられた確率抽籤テーブルに基づいて、内部当籤役を決定するための確率抽籤処理を行って、ステップS7に移行する。
ステップS7において、CPU31は、内部当籤役等に基づいて停止テーブルを選択するための停止テーブル選択処理を行い、続いて、スタートコマンドをセットする(ステップS8)。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役などの情報を含み、副制御回路72に送信される。そして、CPU31は、前回のゲームが開始してから“予め規定された時間(例えば、4.1秒)”経過しているか否かを判別する(ステップS9)。この判別がYESのときは(つまり、4.1秒経過していると)、CPU31はステップS11に移り、NOのときは(つまり、4.1秒経過していないと)、ステップS10に移る。
ステップS10において、CPU31はゲーム開始待ち時間消化の処理(ウェイト処理)を行った後、ステップS11に移行する。例えば、このウェイト処理においては、前回のゲームが開始してから予め規定された時間(例えば、所定秒(“4.1秒”など))経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。ステップS11において、CPU31は、ゲーム監視用タイマをセットする(このゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタン7L,7C,7Rの停止操作によらずに自動的にリール3L,3C,3Rを停止させるための自動停止タイマが含まれる)。
続いて、CPU31は全リールの回転開始を要求し(ステップS12)、リール停止許可コマンドをセットした後(ステップS13)、図5に示すステップS14に移行する。ステップS14において、CPU31はストップスイッチが“オン”かであるか否か、つまり、停止ボタン7L,7C,及び7Rのいずれかが操作されたかを判別する。この判別がYESのときは(つまり、いずれかの停止ボタンが操作されると)、CPU31はステップS16に移行し、NOのときは(つまり、いずれの停止ボタンも操作されないと)、ステップS15に移る。ステップS15では、CPU31は自動停止タイマの値が“0”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは(つまり、“0”であると)、CPU31はステップS16に移行し、NOのときは(つまり、“0”でないと)、ステップS14に戻る。
ステップS16において、CPU31は滑りコマ数決定処理を行い、続いて、ステップS17において、ステップS16で決定された滑りコマ数分、停止操作された停止ボタン7L,7C,及び7Rに対応するリール3L,3C,及び3Rが回転するのを待って、ステップS18に移行する。
ステップS18において、CPU31はリールの回転停止を要求し、続いて、リール停止コマンドをセットする(ステップS19)。そして、CPU31は、全てのリールが停止したか否かを判別する(ステップS20)。この判別がYESのときは(つまり、全てのリールが停止すると)、CPU31は図19に示すステップS21に移行し、NOのときは(すべてのリールが停止していないと)、ステップS14に戻る。
ステップS21において、CPU31は表示役検索処理を行う。この表示役検索処理では、図柄表示領域の図柄の停止態様に基づいて表示役(成立役)を識別するためのフラグがセットされる。続いて、CPU31は、イリーガルヒットであるか否か、つまり、内部当籤役と表示役との間で不整合があるかどうかを判別する(S22)。この判別がYESのときは(不整合があると)、CPU31はイリーガルエラーの表示を行い(ステップS23)、遊技を中止する。一方、NOのときは(不整合がないと)、CPU31はFT終了処理を行い(ステップS24)、ステップS25に移行する。
ステップS25において、CPU31は表示役の情報を含む表示役コマンドをセットした後、表示役に対応する払出枚数が“0”であるか否かを判別する(ステップS26)。この判別がYESのときは(“0”であると)、CPU31はステップS28に移行し、一方、NOのときは(“0”でないと)、ステップS27に移行する。ステップS27において、CPU31はメダルの貯留(クレジット)又は払い出しを行い、ステップS28に移行する。ステップS28において、CPU31は払出終了コマンドをセットした後、ステップS29に移行する。
ステップS29において、CPU31は、RB作動中フラグ又はBB作動中フラグが“オン”であるか否かを判別する。この判別がYESのときは(オンであると)、CPU31はステップS31に移行し、一方、“NO”のときは(オンでないと)、ステップS30に移行する。
なお、RB作動中フラグは、RB遊技状態であるか否かを識別するための情報であり、RB遊技状態であるときに“オン”であり、RB遊技状態でないときに“オフ”である。BB作動中フラグは、BB遊技状態であるか否かを識別するための情報であり、BB遊技状態であるときに“オン”であり、BB遊技状態でないときに“オフ”である。従って、BB中のRB遊技状態では、両方のフラグが“オン”である。一般中のRB遊技状態では、RB作動中フラグが“オン”、BB作動中フラグが“オフ”である。
ステップS30において、CPU31はRB、BB作動チェック処理を行った後、図4に示すステップS2に戻る。RB、BB作動チェック処理では、表示役がRBである場合にはRB作動フラグをオン、表示役がBBである場合にはBB作動フラグをオンに更新する処理、FT作動中フラグがオンである場合にはオフに更新する処理が行われる。また、ステップS31では、RB、BB終了チェック処理を行って、図4に示すステップS2に戻る。
ところで、清掃等のメンテナンスのため、前述のメダルセレクター100は、例えば、定期的に前面ドア2から取り外される。この取り外しの際には、メダルセレクター100と中継基板101との電気的接続を切り離しておく必要がある。つまり、前述したように、メダルセレクター100を前面ドア2から取り外す際、予めハーネス側コネクターを中継基板側コネクター(ともに図示せず)から引き抜いておく必要がある。しかしながら、このような引き抜き作業は失念することも多く、結果的に、メンテナンスの際、メダルセレクター100の前面ドア2からの取り外し及び前面ドア2への取り付け作業が面倒になってしまう。
そこで、ここではメダルセレクター100を前面ドア2から取り外す操作を行うと、メダルセレクター100と中継基板101との電気的接続点が自動的に切り離されるようにした。
再度、図2を参照して、中継基板101の一端部(図2において左端部)はメダルセレクター100のハウジングよりも紙面後ろ側に位置しており、このハウジングの一部分(符号37bで示す)は中継基板101の一端部とオーバーラップしている(中継基板101におけるオーバーラップ領域を符号38bで示す)。このオーバーラップ領域38bにおいては、中継基板101上には電気素子等は搭載されていない。
図7(a)及び(b)を参照すると、図7(a)及び(b)はそれぞれ前述のオーバーラップ領域を拡大して概略的に示す平面図、及びそのA−A線断面図であり、図示のように、ハウジング37aのオーバーラップ領域(以下、セレクター側領域と呼ぶ)37bは、例えば、フランジ部であり、セレクター側領域37bには第1のコネクター部41が形成され、この第1コネクター部41はハーネス(図示せず)によって、前述の選別センサ及びメダルセンサに接続されている。
一方、中継基板101の一端部38aにおけるオーバーラップ領域(以下、基板側領域と呼ぶ)38bには第2のコネクター部42が形成されており、後述するようにして、第1及び第2のコネクター部41及び42が接続されて、メダルセレクター100と中継基板101とが電気的に接続される(第1及び第2のコネクター部41及び42によってコネクターが構成される)。
さらに、図7(a)及び(b)を参照すると、第2のコネクター部42の近傍において、一端部38a上には紙面の裏側から表側に延びる一対の突起状体38cが形成されており、各突起状体38cの断面形状は矩形状である。一対の突起状体38cの位置関係は、一端部38a上において突起状体38cを通る線分が互いに直交する状態とすることが望ましく、突起状体38cに対応付けて、セレクター側領域38bの互いに直交する辺には紙面の裏側から表側に延びる凹状の溝部37cが形成されている。
そして、前述の突起状体38cを溝部37cに挿入して、紙面の表側から紙面の裏側にセレクター側領域38b、つまり、メダルセレクター100を移動させると、突起状体38cにセレクター側領域38bが案内されて、第1のコネクター部41が第2のコネクター部42に接続されて、メダルセレクター100が中継基板101に電気的に接続される。
具体的には、前述したように、メダルセレクター100のメンテナンスを行う際には、メダルセレクター100を手前に引くと(図2において、紙面の裏側から紙面の表側に引くと)、メダルセレクター100を案内するためのガイド部に沿ってメダルセレクター100が移動し、メダルセレクター100が前面ドア2から離脱する。この際、セレクター側領域37bは突起状体38cに沿って離脱方向に移動し、第1のコネクター部41が第2のコネクター部42から離脱して、メダルセレクター100と中継基板101との電気的接続が断たれる。
一方、メダルセレクター100を前面ドア2の装着位置に装着する際には、メダルセレクター100をガイド部に挿入して、手前側から装着位置にガイド部に沿って移動させると、これに伴って、突起状体38cが溝部37cに挿入され、恰もセレクター側領域37bが突起状体38cに案内されて手前側から奥側に移動する。そして、メダルセレクター100が前面ドア2に装着されると、つまり、メダルセレクター100が前面ドア2の装着位置に達すると、第1のコネクター部41が第2のコネクター部42に接続されて、メダルセレクター100が中継基板101に電気的に接続される。
このようにして、メダルセレクター100のハウジングと中継基板101の一部をオーバーラップさせて、これらオーバーラップ領域にそれぞれ第1及び第2のコネクター部41及び42を形成し、メダルセレクター100の前面ドア2(つまり、本体筐体)からの離脱及び前面ドア2への装着に応じて第1のコネクター部41と第2のコネクター部42とを非接続状態及び接続状態とするようにしたので、メダルセレクター100を着脱する際、予めメダルセレクター100と中継基板101との電気的接続を考慮する必要がない。
さらに、ハーネスを用いることなく、メダルセレクター100と中継基板101との電気的接続を行うことができるので、ハーネスが邪魔になることがなく、メダルセレクターと中継基板との配置レイアウトを適正にすることができる結果、配置レイアウトスペースを小さくすることが可能となる。なお、前述の説明から明らかなように、突起状体38cは、メダルセレクター100を前面ドア2に対して着脱する際、第1及び第2のコネクター部41及び42の位置関係を規定する案内部材として機能することになる。
2 前面ドア、31 CPU、71 主制御回路、100 メダルセレクター、101 中継基板、37b,38b オーバーラップ領域、37c 溝部、38c 突起状体、41,42 コネクター部