JP2007312766A - 釣り糸及びその製造方法 - Google Patents

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聡 渡部
Hiroyuki Okano
宏之 岡野
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Tatsuya Kakizaki
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Abstract

【課題】同程度の強度のPEラインと比べて細く、しかも、糸ふけが生じにくく、且つ、適度なしなやかさを有する釣り糸及びその製造方法を提供する。
【解決手段】芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆され、かつ、前記ステンレススチール線とアラミド繊維との間及びアラミド繊維同士の間が溶融した熱接着性樹脂で接着一体化されてなる釣り糸であって、ステンレススチール線とアラミド繊維との断面積比が、1:70〜300である釣り糸。
【選択図】図1

Description

本発明は、釣り糸及びその製造方法に関する。
従来から、釣り糸にはナイロンを素材とするものが広く使用されている。また、釣り糸の引張り強力、水中での安定性等の向上をねらった釣り糸の開発が進んでいる(特許文献1及び2)。
近年、ナイロンよりも圧倒的に細くて高強力なポリエチレン(PE)ラインが広く普及しており、海、川及び湖での釣りに使用されている。
しかしながら、PEラインは、低比重であるが故に、キャストの際の空気抵抗や風、波、潮流等という自然環境の影響を受け易いため、糸ふけが生じやすいという問題を有する。糸ふけは、魚信感度を阻害する原因となりやすい。
また、PEラインは、ハリ及びコシが不十分で、且つ、軽いため、竿先及びガイドに絡みやすいという問題を有する。加えて、PEラインは、雨や海水に濡れることにより糸同士が密着し、結果、糸同士が複雑に絡み合ってしまうという問題を有する。すなわち、PEラインは、しなやかさの点でも問題がある。
従って、糸ふけが生じにくく、且つ、しなやかな釣り糸の開発が切望されている。
なお、釣り糸は、一般的に細い方が魚信感度を高く発揮できる傾向にある。しかし、釣り糸を細くする場合、釣り糸の強度が低下する原因となりやすい。従って、同程度の強度のPEラインと比べて、細い釣り糸の開発についても望まれている。
特許3616562 特許3476422
本発明は、同程度の強度のPEラインと比べて細く、しかも、糸ふけが生じにくく、且つ、適度なしなやかさを有する釣り糸及びその製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、特定の工程を採用する製造方法及び特定の構成の釣り糸が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の釣り糸及びその製造方法に係る。
1. 芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆されてなる釣り糸の製造方法であって、
(1)前記ステンレススチール線及び熱接着性樹脂の複合体をアラミド繊維で編み込んで、前記複合体の周囲を被覆することにより被覆体を得る工程1、
(2)前記被覆体に含まれる熱接着性樹脂を溶融させる工程2、及び
(3)熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体をダイスに通す工程3、
を含む、釣り糸の製造方法。
2. 芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆されてなる釣り糸の製造方法であって、
(1)アラミド繊維と熱接着性樹脂とを同時に編み込んで、前記ステンレススチール線の周囲を被覆することにより被覆体を得る工程1、
(2)前記被覆体に含まれる熱接着性樹脂を溶融させる工程2、及び
(3)熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体をダイスに通す工程3、
を含む、釣り糸の製造方法。
3. 芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆され、かつ、1)前記ステンレススチール線とアラミド繊維との間及び2)アラミド繊維同士の間が溶融した熱接着性樹脂で接着一体化されてなる釣り糸。
4. 芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆され、かつ、1)前記ステンレススチール線とアラミド繊維との間及び2)アラミド繊維同士の間が溶融した熱接着性樹脂で接着一体化されてなる釣り糸であって、ステンレススチール線とアラミド繊維との断面積比が1:70〜300である釣り糸。
本発明の釣り糸は、特に、下記(1)〜(3)の点で優れている。
(1)本発明の釣り糸は、同程度の強度のPEラインと比べて細い。そのため、本発明の釣り糸は、従来のPEラインよりも高い魚信感度を発揮できる。例えば、カワハギ釣りにおいて、直線強力が5〜9kgf程度の釣り糸を使用する場合、本発明の釣り糸の線径は、従来のPEラインの線径の約80%程度となる。すなわち、本発明の釣り糸は、PEラインよりも優れた魚信感度を発揮できる。
また、本発明の釣り糸は、同程度の強度のPEラインよりも細い分、空気抵抗が小さく、結果、糸ふけが生じにくい。従って、本発明の釣り糸は、キス、カレイ等の遠投性が要求される釣りにおいて、特に有効である。
(2)本発明の釣り糸は、適度なしなやかさを有する。そのため、本発明の釣り糸には、1)竿先やガイドに絡みにくい、2)リールのスプールからスムーズに出やすい、且つ、3)リールのスプールに対して馴染みやすいというメリットがある。
(3)本発明の釣り糸は、従来のPEラインに比べて、比重が高い。そのため、本発明の釣り糸は、使用する際、糸ふけが生じにくく、その分、優れた魚信感度を発揮できる。従って、本発明の釣り糸は、あたりのわかりにくい魚(例えばカワハギ)の釣りに特に有効である。
また、本発明の釣り糸は、比重が高いため、沈降速度が速く、魚の遊泳層までの所要時間が早い。従って、一斉に仕掛けを投入する乗合船における釣りにおいて特に有利である。また、深い位置まで仕掛けを沈降する必要のある釣り(例えばヒラメ釣り)において有効である。
本発明の製造方法によれば、このような同程度の強度のPEラインと比べて細く、しかも、糸ふけが生じにくく、且つ、適度なしなやかさを有する釣り糸を好適に製造できる。
釣り糸の製造方法(i)
本発明の釣り糸の製造方法は、芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆されてなる釣り糸の製造方法であって、
(1)前記ステンレススチール線及び熱接着性樹脂の複合体をアラミド繊維で編み込んで、前記複合体の周囲を被覆することにより被覆体を得る工程1、
(2)前記被覆体に含まれる熱接着性樹脂を溶融させる工程2、及び
(3)熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体をダイスに通す工程3、
を含む。
工程1
工程1では、前記ステンレススチール線及び熱接着性樹脂の複合体をアラミド繊維で編み込んで、前記複合体の周囲を被覆することにより被覆体を得る。
前記複合体の周囲をアラミド繊維で被覆することにより、1)適度なしなやかさを有し、2)比重が高く、且つ、3)同程度の強度のPEラインと比べて細い釣り糸を好適に製造できる。また、アラミド繊維を用いることにより、1)比重が高く、且つ、2)同程度の強度のPEラインと比べて細い釣り糸を好適に製造できる。
なお、「適度なしなやかさ」とは、1)柔軟で、且つ、弾力性に富み、2)ハリ及びコシがあって、3)滑らかに曲がる(曲げても、わん曲部はほとんど角張っていない)ことを意味する。
本発明では、ステンレススチール線を用いることにより、釣り糸の比重及びしなやかさを向上させることができる。
ステンレススチール線としては、特に限定されず、例えばC、Si、Mn、P、S、Ni、Cr等を構成成分として含有するものが挙げられる。特に本発明においては、Crを16〜20重量%及びNiを8〜22重量%含有するオーステナイト系のステンレススチール線が好ましい。このようなステンレススチール線は、耐食性に優れている。
ステンレススチール線の直径は、10〜35μm程度が好ましく、13〜20μm程度がより好ましく、15〜18μmがさらに好ましい。特に、直径が15μm以上のステンレススチール線は、製造及び入手が容易である。また、直径が18μm以下の場合、より一層優れたしなやかさを釣り糸に付与できる。
ステンレススチール線の引張り強度は、1000〜1200N/mm程度が好ましい。
ステンレススチール線の伸びは、20〜40%程度が好ましい。
熱接着性樹脂としては、特に低融点熱接着性樹脂が好ましい。低融点熱接着性樹脂としては、例えばポリオレフィン系熱接着性樹脂、ポリエステル系熱接着性樹脂、ポリアミド系熱接着性樹脂等が挙げられる。これらは、一種又は二種以上で用いることができる。この中でも特に、1)ステンレススチール線とアラミド繊維及び2)アラミド繊維同士をより好適に接着できる点で、ポリアミド系熱接着性樹脂が好ましい。
熱接着性樹脂の使用量は、本発明の効果を妨げない範囲であればよく特に限定されるものではない。
本発明の製造方法(i)において、熱接着性樹脂は、糸状であることが好ましい。糸状の熱接着性樹脂を用いることにより、生産効率を向上させることができる。また、1)ステンレススチール線とアラミド繊維及び2)アラミド繊維同士を効率的に接着一体化させることができる。
例えば糸状の熱接着性樹脂を用いる場合、前記複合体は、熱接着性樹脂がステンレススチール線に並行に接触した状態のものでもよいし、熱接着性樹脂がステンレススチール線に螺旋状に絡みついた状態のものでもよい。
複合体中におけるアラミド繊維及び熱接着性樹脂の含有量は、本発明の効果を妨げない範囲であればよく特に限定されるものではない。
アラミド繊維としては、市販されているアラミド繊維を用いればよい。
アラミド繊維としては、20〜100デニール程度のものが好ましく、50〜60デニール程度のものがより好ましい。特に、直径50〜60デニールのアラミド繊維を用いることにより、より低コストで釣り糸を製造できる。
編み込む際の編み方としては、アラミド繊維が前記複合体の周囲を被覆できるような編み方であればよく、特に限定されるものではないが、前記複合体の周囲にアラミド繊維を螺旋状に編み込むことが好ましい。
得られる被覆体は、芯線としてステンレススチール線を有し、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆された状態にある。そして、ステンレススチール線とアラミド繊維との間には、熱接着性樹脂が存在する。
工程2
工程2では、前記被覆体に含まれる熱接着性樹脂を溶融させる。
ステンレススチール線とアラミド繊維との間に存在する熱接着性樹脂を溶融させることにより、1)ステンレススチール線とアラミド繊維との間及び2)アラミド繊維同士の間に溶融した熱接着性樹脂が行き渡る。
熱接着性樹脂を溶融させる方法は、特に限定されず、公知の手法により行えばよい。
例えば、前記被覆体を巻き取りながら連続的に熱処理することにより行うことができる。
加熱温度は、熱接着性樹脂の種類等に応じて適宜設定すればよいが、100〜200℃程度が好ましい。加熱温度をかかる範囲に設定することにより、好適に熱接着性樹脂を溶融させることができる。
巻き取り速度は、1〜20m/min程度であればよい。
巻き取りの際の被覆体のテンションは、100〜1000g程度であればよい。
工程3
工程3では、熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体をダイスに通す。
熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体をダイスに通すことにより、前記被覆体を締め込む結果、ダイス引き前の被覆体より線径の小さい釣り糸が得られる。つまり、前記被覆体をダイスに通すことにより、被覆体内部の空洞を効果的になくし、その結果、1)ステンレススチール線とアラミド繊維及び2)アラミド繊維同士を好適に接着一体化させることができる。本発明によれば、工程1〜2を経て得られた被覆体をダイスに通すという一連のプロセスを採用することにより、細くて高い強度を有する釣り糸を製造できる。しかも、得られる釣り糸は、切断してもアラミド繊維がほぐれにくいという特性を有する。
また、前記被覆体をダイスに通すことにより、余分な熱接着性樹脂を取り除くことができる。これにより、手触りがよく、且つ、美的な釣り糸を製造することができる。しかも、手触りがよくなる分、釣り糸に適度なしなやかさを付与できる。
前記被覆体をダイスに通す方法としては、例えば、前記被覆体を巻き取りながら、ダイスに通す方法が挙げられる。巻き取り速度及び巻き取りの際の被覆体のテンションは、工程2と同様の条件でよい。
ダイスの温度は、特に限定されないが、100〜200℃程度が好ましい。
ダイスの直径は、アラミド繊維の本数に合わせて適宜設定すればよい。
釣り糸の製造方法(ii)
本発明の釣り糸の製造方法は、芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆されてなる釣り糸の製造方法であって、
(1)アラミド繊維と熱接着性樹脂とを同時に編み込んで、前記ステンレススチール線の周囲を被覆することにより被覆体を得る工程1、
(2)前記被覆体に含まれる熱接着性樹脂を溶融させる工程2、及び
(3)熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体をダイスに通す工程3、
を含む。
工程1
工程1では、アラミド繊維と熱接着性樹脂とを同時に編み込んで、前記ステンレススチール線の周囲を被覆することにより被覆体を得る。
本発明において、ステンレススチール線の周囲をアラミド繊維で被覆することにより、1)適度なしなやかさを有し、2)比重が高く、且つ、3)同程度の強度のPEラインと比べて細い釣り糸を好適に製造できる。また、アラミド繊維を用いることにより、1)比重が高く、且つ、2)同程度の強度のPEラインと比べて細い釣り糸を好適に製造できる。
アラミド繊維は、上記釣り糸の製造方法(i)で使用するアラミド繊維と同様のものを使用できる。
ステンレススチール線1本に対するアラミド繊維の使用量は、本発明の効果を妨げない範囲であればよく特に限定されるものではない。
熱接着性樹脂は、上記釣り糸の製造方法(i)で使用する熱接着性樹脂と同様のものを使用できる。
本発明の製造方法(ii)において、熱接着性樹脂は、糸状であることが好ましい。糸状の熱接着性樹脂を用いることにより、生産効率を向上させることができる。また、1)ステンレススチール線とアラミド繊維及び2)アラミド繊維同士を効率的に接着一体化させることができる。
本発明では、ステンレススチール線を用いることにより、釣り糸の比重及びしなやかさを向上させることができる。
ステンレススチール線としては、上記釣り糸の製造方法(i)で使用するステンレススチール線と同様のものを使用できる。
編み込む際の編み方としては、アラミド繊維がステンレススチール線の周囲を被覆できるような編み方であればよく、特に限定されるものではないが、ステンレススチール線の周囲にアラミド繊維を螺旋状に編み込むことが好ましい。
得られる被覆体は、芯線としてステンレススチール線を有し、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆された状態にある。そして、複数のアラミド繊維間の全部又は一部には、熱接着性樹脂が存在する。
工程2
工程2では、前記被覆体に含まれる熱接着性樹脂を溶融させる。
工程2は、上記釣り糸の製造方法(i)における工程2と同様の方法により行えばよい。
工程3
工程3では、熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体をダイスに通す。
熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体をダイスに通すことにより、前記被覆体を締め込む結果、ダイス引き前の被覆体より線径の小さい釣り糸が得られる。つまり、前記被覆体をダイスに通すことにより、被覆体内部の空洞を効果的になくし、その結果、1)ステンレススチール線とアラミド繊維及び2)アラミド繊維同士を好適に接着一体化させることができる。これにより、高い強度を有し、且つ細い釣り糸を製造できる。しかも、得られる釣り糸は、切断してもアラミド繊維がほぐれにくいという特性を有する。
また、前記被覆体をダイスに通すことにより、余分な熱接着性樹脂を取り除くことができる。これにより、手触りがよく、且つ、美的な釣り糸を製造することができる。しかも、手触りがよくなる分、釣り糸に適度なしなやかさを付与できる。
なお、工程3は、上記釣り糸の製造方法(i)における工程3と同様の方法により行えばよい。
上記釣り糸の製造方法(i)及び(ii)によれば、下記釣り糸を好適に製造できる。
釣り糸
本発明の釣り糸は、芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆され、かつ、1)前記ステンレススチール線とアラミド繊維との間及び2)アラミド繊維同士の間が溶融した熱接着性樹脂で接着一体化されてなる釣り糸であって、ステンレススチール線とアラミド繊維との断面積比が、1:70〜300、好ましくは1:110〜150である。
ステンレススチール線、アラミド繊維及び熱接着性樹脂は、上記ステンレススチール線、アラミド繊維及び熱接着性樹脂と同様である。
なお、本発明において、ステンレススチール線とアラミド繊維との断面積比とは、「釣り糸中のステンレススチール線の断面積:釣り糸中の複数のアラミド繊維の断面積の合計」を意味する。
断面積比を前記範囲に設定することにより、釣り糸に適度なしなやかさを好適に付与できる。複数のアラミド繊維の断面積の合計がステンレススチール線の断面積の70倍未満の場合、釣り糸のハリ及びコシがほとんどなくなってしまうおそれがある。また、複数のアラミド繊維の断面積の合計がステンレススチール線の断面積の300倍を超える場合、釣り糸の柔軟性及び弾力性がほとんどなくなってしまうおそれがある。
本発明の釣り糸の比重は、1.3〜1.5程度が好ましい。本発明の釣り糸の比重がかかる範囲である場合、糸ふけをより効果的に抑制できる。その結果、魚信感度を向上させることができる。また、仕掛けの沈降速度を向上させることができる。
本発明の釣り糸におけるステンレススチール線とアラミド繊維との重量比は、1:10〜1:60であることが好ましい。ステンレススチール線とアラミド繊維との重量比をかかる範囲に設定することにより、釣り糸の比重を前記範囲に好適に調整することができる。具体的には、前記重量比をかかる範囲に設定することにより、熱接着性樹脂を含有することによる比重の低下を有効に補填することができる。また、釣り糸に適度なしなやかさを好適に付与できる。
本発明の釣り糸におけるステンレススチール線と熱接着性樹脂との重量比は、1:3〜1:10であることが好ましい。ステンレススチール線と熱接着性樹脂との重量比をかかる範囲に設定することにより、釣り糸の比重を前記範囲に調整することができる。
本発明の釣り糸におけるアラミド繊維と熱接着性樹脂との重量比は、4:1〜6:1であることが好ましい。アラミド繊維と熱接着性樹脂との重量比をかかる範囲に設定することにより、釣り糸の比重を前記範囲に調整することができる。また、釣り糸に適度なしなやかさを好適に付与できる。
本発明の釣り糸は、100〜900デニールであることが好ましい。本発明の釣り糸の太さがかかる範囲である場合、糸ふけをより効果的に抑制できる。その結果、魚信感度を向上させることができる。また、仕掛けの沈降速度を向上させることができる。
本発明の釣り糸の1mあたりの重量は、20〜120mg程度が好ましい。
本発明の釣り糸の線径は、0.1〜0.3mm程度が好ましい。
本発明の釣り糸の伸びは、3〜4%程度が好ましい。釣り糸の伸びがかかる範囲である場合、より確実に本発明の釣り糸に高い魚信感度を付与できる。
本発明の釣り糸は、特に道糸として好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
直径16μmのステンレススチール線(SUS304)と30デニールの糸状の熱接着性樹脂(製品名「エルダー」東レ株式会社製)3本とを並行に接触させてなる複合体を、編組機(製品名「エイトブレーダー」コクブンリミテッド株式会社製)を用いて、50デニールのアラミド繊維(製品名「ケブラー」デュポン株式会社)8本で編み込んで、前記複合体の周囲を被覆することにより被覆体を製造した。
前記被覆体を加熱炉に通過させることにより、前記熱接着性樹脂を溶融させた。加熱炉を通過させる際の温度は、160℃であった。
次に、熱接着性樹脂が溶融した状態の前記被覆体を加熱炉の出口に設けたダイヤモンドダイス(直径0.20mm)に通した。ダイス温度は、130℃であった。
なお、加熱炉及びダイスを通過させる際の巻き取り速度は2m/分、被覆体のテンションは、400gとした。
以上の方法により、釣り糸を製造した。得られた釣り糸は、400デニールであった。得られた釣り糸の1mあたりの質量は、56.3mgであった。また、得られた釣り糸におけるステンレススチール線とアラミド繊維との断面積比は、1:121.3であった。
得られた釣り糸の引張り強力、線径及び比重を表1に示す。
実施例2
アラミド繊維の本数を4本とし、熱接着性樹脂の本数を2本とし、さらに直径0.14mmのダイヤモンドダイスを用いた以外は、実施例1と同様の方法により釣り糸を製造した。
得られた釣り糸は、200デニールであり、1mあたりの質量は、28.8mgであった。また、得られた釣り糸におけるステンレススチール線とアラミド繊維との断面積比は、1:73.4であった。
得られた釣り糸の引張り強力、線径及び比重を表1に示す。
実施例3
アラミド繊維の本数を16本とし、熱接着性樹脂として70デニールの糸状の熱接着性樹脂(製品名「エルダー」東レ株式会社製)を3本使用し、さらに直径0.28mmのダイヤモンドダイスを用いた以外は、実施例1と同様の方法により釣り糸を製造した。
得られた釣り糸は、800デニールであり、1mあたりの質量は、110.6mgであった。また、得られた釣り糸におけるステンレススチール線とアラミド繊維との断面積比は、1:242.6であった。
得られた釣り糸の引張り強力、線径及び比重を表1に示す。
比較例1〜3
引張り強力10.5kgfのPEライン2号(比較例1)引張り強力5.3kgfのPEライン0.8号(比較例2)及び引張り強力21.0kgfのPEライン4号(比較例3)の線径及び比重を表1に示す。
Figure 2007312766
表1から明らかなように、実施例1〜3の釣り糸は、引張り強力が同程度である比較例1〜3のPEラインに比べ、線径が小さい。すなわち、実施例1〜3の釣り糸は、比較例1〜3のPEラインよりも細くて高強度であることがわかる。よって、実施例1〜3の釣り糸は、引張り強力が同程度である比較例1〜3のPEラインよりも高い魚信感度を発揮できることがわかる。
また、実施例1〜3の釣り糸は、比較例1〜3のPEラインに比べ、比重が大きい。すなわち、すなわち、実施例1〜3の釣り糸は、比較例1〜3のPEラインよりも糸ふけが生じにくく、かつ、沈降速度が高いことがわかる。
試験例1(引張り強力)
電子式万能試験機(型式CATY2002S、株式会社米倉製作所製)を用いて実施例1〜4にて得られた釣り糸及び比較例1〜2のPEラインの引張り強力を測定した。
具体的には、上下フックに前記釣り糸を固定し、評点間距離120mm、CROSSHEAD SPEED20.0mm/min、CHART SPEED10.0mm/min及びFull Scale20kgの条件下で測定した。
試験例2(しなやかさ)
試験者A〜Eが、実施例1で得られた釣り糸及び比較例1のPEラインを用いて下記条件下で1時間船釣を行った。
(条件)
a)日時
2006年3月12日(日)
b)天候

c)場所
和歌山県湯浅沖(水深30m)
d)狙い魚種
メバル
e)仕掛け
仕掛けとしては、図2に記載のものを使用した。
f)釣り方
竿を振りかざし、海中に仕掛けを投下する(キャストする)ことにより行った。
実施例1で得られた釣り糸及び比較例1のPEラインのしなやかさを下記試験項目(1)〜(4)に従って確認した。結果を表2に示す。
(試験項目)
試験項目(1)
実施例1で得られた釣り糸及び比較例1のPEラインがリールのスプールに馴染んでいるかどうかを肉眼観察した。
観察後、試験者A〜Eにより、下記の通り、1〜5点の範囲で点数を付けた。
馴染んだ 5点 〜 馴染まなかった 1点
結果を表1に示す。
試験項目(2)
キャストする際、実施例1で得られた釣り糸及び比較例1のPEラインがリールスプールからスムーズに出るかどうかを肉眼観察した。
観察後、試験者A〜Eにより、下記の通り、1〜5点の範囲で点数を付けた。
スムーズに糸が出た 5点 〜 スムーズに糸が出なかった 1点
試験項目(3)
実施例1で得られた釣り糸及び比較例1のPEラインが水(雨、海水)に濡れることにより糸同士がもつれる(水に濡れることにより糸同士が密着し、その後、糸が複雑に絡まる)かどうかを肉眼観察した。
観察後、試験者A〜Eにより、下記の通り、1〜5点の範囲で点数を付けた。
糸同士がもつれなかった 5点 〜 糸同士がもつれた 1点
試験項目(4)
竿先やガイドに釣り糸が絡みつくかどうかを肉眼観察した。
観察後、試験者A〜Eにより、下記の通り、1〜5点の範囲で点数を付けた。
竿先やガイドに釣り糸が絡みつかなかった 5点 〜 竿先やガイドに釣り糸が絡みついた 1点
なお、各試験項目ごとの試験者A〜Eが付けた点数の平均値及び総評も併せて表1に示す。総評では、平均値が4.0以上のものを○とし、平均値が4.0未満のものを△としている。
また、各試験者ごとの実施例1及び比較例1の釣り糸の各試験項目での点数の合計及び総評も併せて表1に示す。総評では、各試験項目での点数の合計が18以上のものを○とし、17点以下のものを△としている。
Figure 2007312766
試験例3(釣り名人による評価)
実施例1の釣り糸及び比較例1のPEラインをそれぞれ使用する場合の釣り名人の評価を以下に示す。
(1)T社K氏による評価
i)実施例1の釣り糸は、比較例1のPEラインと比較して、魚信感度に優れている。
ii)実施例1の釣り糸は、細くて、且つ、強度が高いため、釣り人にとってこの上ない見方である。
(2)Y工房Y氏による評価
i)実施例1の釣り糸は、比較例1のPEラインと比較して強度が高い。
ii)実施例1の釣り糸は、比較例1のPEラインと比較して結びやすい。従って、初心者であっても簡単に使用できる。
iii)実施例1の釣り糸は、仕掛けをキャストした後、糸ふけがほとんど生じない。
iv)比較例1のPEラインは、風が吹くと、風に流されるので、結ぶ際、手間がかかる。一方、実施例1の釣り糸は、このような欠点を払拭している。
本発明の釣り糸の断面を示す概念図である。 試験例2での仕掛けを示す図である。

Claims (1)

  1. 芯線としてステンレススチール線を含み、その外周部が複数のアラミド繊維で被覆され、かつ、1)前記ステンレススチール線とアラミド繊維との間及び2)アラミド繊維同士の間が溶融した熱接着性樹脂で接着一体化されてなる釣り糸であって、
    ステンレススチール線とアラミド繊維との断面積比が、1:70〜300である釣り糸。
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