JP2007310482A - Icカード、icカードの製造方法、icカードの製造装置、icカード用基材の製造方法、およびicカード用基材の製造装置 - Google Patents

Icカード、icカードの製造方法、icカードの製造装置、icカード用基材の製造方法、およびicカード用基材の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質のICカードおよびICカード用基材を高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる製造方法を提供する。
【解決手段】ICカードの製造方法は、第1板状部材40および第2板状部材30と、第1板状部材と第2板状部材との間に設けられた接続端子34aを有するアンテナ回路34と、接続端子と第2板状部材との間に介在する接着層24と、を有する積層体8を第2板状部材側から切削して凹部22を形成する工程と、凹部内にICモジュール11を配置する工程と、を備えている。切削により形成された凹部内に、接続端子に接着している接着層が露出する。ICカードの製造方法は、凹部内に露出した接着層を除去する工程をさらに備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、外部装置とデータの送受信を行うICカード、並びにICカードを製造する方法および装置に係り、とりわけ、高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる高品質のICカード、並びに、高品質のICカードを高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができるICカードの製造方法およびICカードの製造装置に関する。
また、本発明は、ICカードに用いられるICカード用基材を製造する方法および装置に係り、とりわけ、高品質のICカード用基材を高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができるICカード用基材の製造方法およびICカード用基材の製造装置に関する。
昨今、リーダ・ライタ等の外部装置と非接触でデータの送受信を行うICカードが広く普及している。ICカードは、一般に、複数の板状部材と板状部材間に配置されたアンテナ回路とを有するICカード用基材と、IC回路を有しアンテナ回路に接続されたICモジュールと、を有している。
また、ICモジュールが外部端子を有し、非接触状態だけでなく接触状態においても、外部装置とデータの送受信を行うことができるICカードも普及している。このようなICカードは、「ツーウェイカード」、「デュアルカード」、あるいは「ハイブリッドカード」と呼ばれることもある。
このようなICカードを製造する方法の一例として特許文献1に開示された方法がある。この方法においては、まず、複数の板状部材と接続端子を有するアンテナ回路とが、各々の間に配置された接着層を介して積層された積層体が作製される。次に、この積層体を一方の面から切削し、アンテナ回路の接続端子を露出させる凹部が形成されたICカード用基材が作製される。その後、ICモジュールを凹部内に配置するとともに、接続端子を介してアンテナ回路とICモジュールとを接続することにより、ICカードが得られる。
特開平9−123654号公報
特許文献1に開示された製造方法においては、接続端子を露出させる凹部が切削によって形成される。そして、凹部内に露出した接続端子とICモジュールとが電気的に接続される。このため、この方法においては、切削手段による削り込み量の精度を少なくとも接続端子の厚さ未満にしなければならない。また、切削して凹部内に接続端子を露出させる工程中に接続端子を厚く切削し過ぎた場合、言い換えると、板状部材上に残存する接続端子の厚みが薄くなり過ぎた場合、切削手段の切削刃の通過にともなって接続端子が板状部材上から剥離してめくれあがってしまう、という不具合も生じる。
このような不具合をも考慮すると、接続端子を形成する比較的高価な金属箔の厚みを、少なくとも40μm程度以上に設定しなければならない。また、金属箔の厚みが40μm程度以上であったとしても、切削手段による切削切り込み量の精度や切削刃の取付精度等に起因し、現状では多数の切削不良品が発生している。
ところで、通常、ICカード用基材の板状部材は白色系のプラスチックから構成される。その一方で、アンテナ回路は板状部材とは異なる色を有した銅やアルミニウムから構成される。したがって、凹部内に接続端子が露出していない切削不良品は視覚的に検出可能であり、切削不良品をICカードの製造工程中において排除することができるものと考えられていた。しかしながら、今般、本発明者が発生した不良品について鋭意研究を重ねた結果、アンテナ回路を板状部材に固定するための無色透明な接着層が排除されきれておらず、この接着層によって接続端子とICモジュールとの接続が妨げられている不良品ICカードが、全不良品中に多数含まれている、との知見を得た。すなわち、接着層が接続端子上から除去されていない切削不良品が多数発生しており、これらの切削不良品が検出されることなくその後の処理を施されているのである。そして、このことが、ICカードの製造歩留まりを著しく低下させ、これにともなって、ICカードの製造コストを高価にする一原因となっていた。
本発明は主にこれらの点を考慮してなされたものである。
すなわち、本発明は、接続端子の厚みによらず接続端子を露出させる凹部が精度良く形成され、これにより、高品質のICカードを高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができるICカードの製造方法およびICカードの製造装置を提供することを目的する。
また、本発明は、高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる高品質のICカードを提供することを目的とする。
さらに、接続端子の厚みによらず接続端子を露出させる凹部が精度良く形成され、これにより、高品質のICカード用基材を高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができるICカード用基材の製造方法およびICカード用基材の製造装置を提供することを目的する。
本発明によるICカードの製造方法は、第1板状部材と、第1板状部材に積層された第2板状部材と、第1板状部材と第2板状部材との間に設けられた接続端子を有するアンテナ回路と、少なくとも接続端子と第2板状部材との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層と、を有する積層体を、第2板状部材側の積層体表面から切削して、接続端子に接着している接着層の少なくとも一部分が露出した凹部を形成する工程と、凹部内に露出するとともに接続端子に接着している接着層を接続端子上から除去する工程と、凹部内にICモジュールを配置し、接続端子を介してICモジュールをアンテナ回路に接続させる工程と、を備えたことを特徴とする。
このようなICカードの製造方法によれば、接続端子の厚みによらず、接続端子を露出させる凹部を積層体に精度良く形成することができる。これにより、高品質のICカード用基材およびICカードを高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる。
本発明によるICカードの製造方法において、凹部内に露出した接着層に気体を吹き付けて、凹部内に露出した接着層を除去するようにしてもよい。このようなICカードの製造方法によれば、簡易で安価な装置により、接着層を容易に除去することができる。
あるいは、凹部内に露出した接着層に粒状物を打ち付けて、凹部内に露出した接着層を除去するようにしてもよい。このようなICカードの製造方法によれば、簡易で安価な装置により、接着層を容易に除去することができる。
あるいは、金属製ブラシまたは樹脂製ブラシを用いたブラッシングにより、凹部内に露出した接着層を除去するようにしてもよい。このようなICカードの製造方法によれば、簡易で安価な装置により、接着層を容易に除去することができる。
また、本発明によるICカードの製造方法の凹部を形成する工程において、接続端子の一部分が露出するように積層体を切削し、凹部内に露出した接着層を除去する工程において、凹部内に露出した接続端子の一部分上に形成された切削痕内に嵌り込んだ接着剤を除去するようにしてもよい。このようなICカードの製造方法によれば、切削痕、例えば縞状に配置された多数の溝、が形成された接続端子が、凹部内に露出する。したがって、凹部内に露出した接続端子の表面積が非常に大きくなる。これにより、ICモジュールとアンテナ回路とを強固に固定することができるとともに、ICモジュールとアンテナ回路との接続抵抗値を低減することもできる。
本発明によるICカードの製造装置は、第1板状部材と、第1板状部材に積層された第2板状部材と、第1板状部材と第2板状部材との間に設けられた接続端子を有するアンテナ回路と、少なくとも接続端子と第2板状部材との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層と、を有する積層体を、第2板状部材側の積層体表面から切削して、接続端子に接着している接着層の少なくとも一部分が露出した凹部を形成する切削手段と、凹部内に露出するとともに接続端子に接着している接着層を接続端子上から除去する除去手段と、凹部内にICモジュールを配置し、接続端子を介してICモジュールをアンテナ回路に接続させる配置接続手段と、を備えたことを特徴とする。
このようなICカードの製造装置によれば、接続端子の厚みによらず、接続端子を露出させる凹部を積層体に精度良く形成することができる。これにより、高品質のICカード用基材およびICカードを高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる。
本発明によるICカードの製造装置において、除去手段が、凹部内に露出した接着層に気体を吹き付ける吹き付け装置を有するようにしてもよい。このようなICカードの製造装置によれば、簡易で安価な装置を用いた簡易な方法により、接着層を容易に除去することができる。
あるいは、除去手段が、凹部内に露出した接着層に粒状物を打ち付ける打ち付け装置を有するようにしてもよい。このようなICカードの製造装置によれば、簡易で安価な装置を用いた簡易な方法により、接着層を容易に除去することができる。
あるいは、除去手段が、凹部内に露出した接着層をブラッシングする金属製または樹脂製のブラシを有するようにしてもよい。このようなICカードの製造装置によれば、簡易で安価な装置を用いた簡易な方法により、接着層を容易に除去することができる。
また、本発明によるICカードの製造装置において、切削手段が、接続端子の一部分が凹部内に露出するように積層体を切削するようになっており、除去手段が、凹部内に露出した接続端子の一部分に形成された切削痕内に嵌り込んだ接着剤を除去するようになっていてもよい。このようなICカードの製造装置によれば、切削痕、例えば縞状に配置された多数の溝、が形成された接続端子を、凹部内に露出させることができる。したがって、凹部内に露出した接続端子の表面積が非常に大きくなる。これにより、ICモジュールとアンテナ回路とを強固に固定することができるとともに、ICモジュールとアンテナ回路との接続抵抗値を低減することもできる。
本発明によるICカード用基材の製造方法は、第1板状部材と、第1板状部材に積層された第2板状部材と、第1板状部材と第2板状部材との間に設けられた接続端子を有するアンテナ回路と、少なくとも接続端子と第2板状部材との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層と、を有する積層体を、第2板状部材側の積層体表面から切削して、接続端子に接着している接着層の少なくとも一部分が露出した凹部を形成する工程と、凹部内に露出するとともに接続端子に接着している接着層を接続端子上から除去する工程と、を備えたことを特徴とする。
このようなICカード用基材の製造方法によれば、接続端子の厚みによらず、接続端子を露出させる凹部を積層体に精度良く形成することができる。これにより、高品質のICカード用基材およびICカードを高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる。
本発明によるICカード用基材の製造装置は、第1板状部材と、第1板状部材に積層された第2板状部材と、第1板状部材と第2板状部材との間に設けられた接続端子を有するアンテナ回路と、少なくとも接続端子と第2板状部材との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層と、を有する積層体を、第2板状部材側の積層体表面から切削して、接続端子に接着している接着層の少なくとも一部分が露出した凹部を形成する切削手段と、凹部内に露出するとともに接続端子に接着している接着層を接続端子上から除去する除去手段と、を備えたことを特徴とする。
このようなICカード用基材の製造装置によれば、接続端子の厚みによらず、接続端子を露出させる凹部をICカード用基材に精度良く形成することができる。これにより、高品質のICカード用基材およびICカードを高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる。
本発明によるICカードは、上述したいずれかの製造方法によって製造されたICカードであって、接続端子の厚みが25μm以下であることを特徴とする。
このようなICカードによれば、例えば、接続端子を厚みの薄い金属箔を用い接続端子を含むアンテナ回路を形成することができる。これにより、ICカードを極めて安価に製造することができる。
本発明によれば、接続端子の厚みによらず、接続端子を露出させる凹部を精度良く形成することができる。これにより、高品質のICカード用基材およびICカードを高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図12は本発明によるICカード、ICカードの製造方法、ICカードの製造装置、ICカード用基材の製造方法、およびICカード用基材の製造装置の一実施の形態を示す図である。なお、図1乃至12において、ICカードおよびICカード用基材は、後に詳述する切削工程を開始する切削開始側の面が上方に配置されるよう、図示されている。
<ICカード、ICカード用基材>
まず、主に図1乃至4に基づき、本実施の形態におけるICカード10およびICカード用基材20について説明する。
ここで図1はICカードを示す斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿った断面図であり、図3はICカード用基材を示す斜視図であり、図4はICカード用基材に用いられる積層体の分解断面図である。
図1および図2に示すように、ICカード10は、ICモジュール11と、ICカード用基材20と、を備えている。ここでICカード用基材20とは、図3に示すように、ICモジュール11を収納するための凹部22が形成された積層体8のことである。
このようなICカード10は、図示しない外部装置(リーダ・ライタ等)と非接触で通信することができ、外部装置からICモジュール11に記憶された情報を読み取ったり、ICモジュール11へ新たな情報を書き込んだりすることができるようになっている。なお、後述するように、本実施の形態においては、ICモジュール11に外部端子13aが設けられており(図1)、この外部端子13aを介した接触状態で、ICカード10と外部装置との間における情報の送受信を行うことも可能となっている。
図4に示すように、積層体8は、第2板状部材30と、第2板状部材の両側に積層された第1板状部材40および第3板状部材46と、第2板状部材30と第1板状部材40との間に配置されたアンテナ回路34と、を備えている。
各板状部材40,30,46の積層は、種々の方法を用いることができる。本実施の形態においては、図2から理解されるように、各板状部材40,30,46間にポリエステル系の熱可塑性樹脂からなる接着層25,28を設け、熱圧着処理を施すことにより、各板状部材が隣接する板状部材に対して接着固定されている。しかしながら、これらの態様は一例であり、当然にこれに限定されるものではない。
ICモジュール11を収納するための凹部22は、後述するように、積層体8に切削加工を施すことによって形成される。後に図5乃至図12を用いて詳述するように、凹部22は、それぞれ切削加工によって形成される第3板状部材46の貫通孔48、第2板状部材30の貫通孔32、および第1板状部材40の開口孔42によって構成される(図12)。そして、図2に示されているように、第3板状部材46の貫通孔48、第2板状部材30の貫通孔32、および第1板状部材40の開口孔42は組み合わさってICモジュール11を収納することができるような形状となっている。
第1乃至第3の板状部材40,30,46は、一般的に、白色系のPETや紙等からなり、非導電性である。一方、アンテナ回路34は、外部装置と非接触状態で通信する際にアンテナとして機能するものであり、銅やアルミニウム等の導電性材料から構成される。また、アンテナ回路34は、ICモジュール11と電気的に接続(導通)するための一対の接続端子34a,34aを有している。図2に示すように、接続端子34aは第1板状部材46の貫通孔48に対応する部分に配置されており、少なくとも接続端子34aの一部は、凹部22が形成されたICカード用基材20において、凹部22内に露出している。
本実施の形態において、アンテナ回路34は、図3に示されているように、コイル状アンテナの形式をとっており、銅やアルミニウム等の導電性金属からなっている。また、図2および図4に示されているように、アンテナ回路34は、予め第2板状部材30の第1板状部材40に対面する側の面(図2および図4の紙面における下側の面)に接着層24を介して接着されている。このようなアンテナ回路34は、例えば、まず、第2板状部材30に接着層24を介して銅やアルミニウム等の導電性金属箔を積層し、次に、エッチングによって金属箔を所望の形状にパターニングすることにより、得られる。ここで接着層24としては、例えば、エポキシ系の熱硬化性樹脂を用いることができる。
ところで、第2板状部材30の上側(アンテナ34が設けられていない側)の面にも接着層24が設けられている(例えば、図4)。アンテナ回路34を形成するにあたり、アンテナ回路34のコイル部分を短絡しないよう、必要に応じて、銅やアルミニウム等の導電性金属からブリッジ部(図示せず)が設けられる。ブリッジ部は、例えば、図3における、アンテナ回路34のコイル部分を横切って接続端子34a(図3の紙面における右側に配置されている接続端子34a)まで延びる部分に設けられる。第2板状部材30の第3板状部材46に対面する側(図2および図4の紙面における上側の面)の面に設けられた接着層24は、このようなブリッジ部を上述した方法と同様にして第2板状部材30の上側面に形成する際、金属箔を接着するために用いられるものである。なお、形成されたブリッジ部は、例えば、第2板状部材30を貫通する穴を設け、この穴を導電性材料(例えば、銀ペースト)で埋めることにより第2板状部材30の下側面のアンテナ回路34と電気的に接続される。
なお、ブリッジ部の構成は、上述した態様に限定されるものではなく、例えば、非導性接着剤を介して導電性材料(金属箔や金属薄板等)をアンテナ回路34の所望の場所に貼り付ける等、種々の方法で形成することができる。
また、本実施の形態において、アンテナ回路34がコイル状アンテナからなる例を示したが、これに限られない。非接触状態での通信に用いられる電磁波によっては、例えば、ダイポールアンテナとして機能する、一対の略棒状の導電体によってアンテナ回路が構成されることもある。この場合、略棒状の導電体の一部が、ICモジュール11との接続用の接続端子34aを構成することになる。
次に、図2を用いてICモジュール11について説明する。
本願におけるICモジュール11とは、アンテナ回路34と接続されて外部装置と非接触状態で情報の送受信を行うことができる機能を有した要素である。本実施の形態におけるICモジュール11はこのような機能を達成することができる回路を書き込まれたICチップ15を有している。また、本実施の形態において、ICモジュール11は、アンテナ回路34の接続端子34aと接触して接続するための一対の接続電極18,18と、上述した外部端子13aが表面に設けられ、外部端子13aをICチップ15に接続させて外部装置との接触状態における通信を可能にするための基板13と、をさらに有している。図2に示すように、基板13は、外部端子13aをICカード10外部に露出させるよう、ICチップ15の一側に設けられている。また、接続電極18は基板13の外部端子13aが設けられた面と反対側の面に設けられている。
図2に示すように、このような構成からなるICモジュール11がICカード用基材20の凹部22内に収納装着され、凹部22に向けて突出したICモジュール11の一対の接続電極18,18が凹部22内に露出したアンテナ回路34の一対の接続端子34a,34aとそれぞれ向かい合うよう配置されている。
ところで、図2に示されているように、本実施の形態においては、向かい合うアンテナ回路34の接続端子34aとICモジュール11の接続電極18との間に隙間が生じており、この隙間に導電性の接着剤19が介在している。導電性の接着剤19としては、銀ペーストを用いることができる。銀ペーストはバインダー樹脂となる非導電性接着剤中に銀粉、または銀粉および銀粒子を分散させたものである。この銀ペースト中の銀同士の接触(接合)により、向かい合うアンテナ回路34の接続端子34aとICモジュール11の接続電極18とが電気的に接続(導通)されている。
また、ICモジュール11とICカード用基材20との強固な接合を担保するため、凹部22内におけるICモジュール11とICカード用基材20との間のその他の隙間が接着剤等によって埋められていることが好ましい。
このようなICカード10においては、通信用の電磁波を発する外部装置にICカード10を接近させることにより、あるいは、外部装置にICカード10を物理的に接触させることにより、情報の送受信、例えば、ICカード10の所有者の認証等を行うことができる。また、ICカード10を外部装置のスロットに挿入し、外部端子34aを介して電気的に接触(接続)した状態で、情報の送受信、例えば、データの書き込みや修正を行うことができる。
<ICカード(ICカード用基材)の製造装置および製造方法>
次に、主に図5乃至図12を用いて、本実施の形態におけるICカードの製造装置50および製造方法について説明する。
ここで図5はICカードの製造装置50、ICカードの製造方法、ICカード用基材の製造装置52、およびICカード用基材の製造方法を示す概略構成図であり、図6および図7は切削手段66および切削工程を説明する図であり、図8乃至図11は積層体8の切削後の状態を示す図であり、図12は除去手段70および除去工程を説明する図である。
なお、ICカード用基材の製造方法は、ICカードの製造方法からICモジュール11のICカード用基材20への配置接続工程を除いたものである。また、ICカード用基材の製造装置52は、ICカードの製造装置50から配置接続手段88を除いたものである。すなわち、ICカード用基材の製造方法および製造装置52は、ICカードの製造方法および製造装置10の一部としてこれらに含まれる。以下、ICカードの製造装置50および製造方法を説明することによって、ICカード用基材の製造装置52および製造方法についても説明したこととする。
〔ICカードの製造装置および製造方法の概略構成〕
まず、図5を用いてICカードの製造装置50および製造方法の概略構成について説明する。
図5に示されているように、第1板状部材40と、第1板状部材40に積層された第2板状部材30と、第1板状部材40と第2板状部材30との間に設けられた接続端子34を有するアンテナ回路34aと、少なくとも接続端子34aと第2板状部材30との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層24と、を有する積層体8を作製する積層体形成手段60と、積層体8を第2板状部材30側の表面から切削して、接続端子34aに接着している接着層24の少なくとも一部分が露出する凹部22を形成する切削手段66と、凹部22内に露出するとともに接続端子34aに接着している接着層24を接続端子34a上から除去する除去手段70と、凹部22内にICモジュール11を配置し、接続端子34aを介してICモジュール11をアンテナ回路34に接続させる(導通させる)配置接続手段88と、を備えている。
一方、ICカードの製造方法は、第1板状部材40と、第1板状部材40に積層された第2板状部材30と、第1板状部材40と第2板状部材30との間に設けられた接続端子34aを有するアンテナ回路34と、少なくとも接続端子34aと第2板状部材40との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層24と、を有する積層体8を準備する積層体準備工程と、積層体8を第2板状部材30側の表面から切削して、接続端子34aに接着している接着層24の少なくとも一部分が露出する凹部22を形成する切削工程と、凹部22内に露出するとともに接続端子34aに接着している接着層24を接続端子34a上から除去する除去工程と、凹部22内にICモジュール11を配置し、接続端子34aを介してICモジュール11をアンテナ回路34に接続させる配置接続工程と、を備えている。
以下、各工程について、各工程に用いられる手段とともに順に詳述していく。
〔積層体準備工程〕
本実施の形態においては、図4に示すように、第1板状部材40と、アンテナ回路34を接着された第2板状部材30と、第3板状部材46とが、接着層25,28を介して熱圧着されることにより積層体8が準備される。
具体的には、まず、一対の接続端子34a,34aを有するアンテナ回路34が接着層24を介して接着された第2板状部材30を準備する。このような第2板状部材30は、上述したように、例えば、第2板状部材30上に接着層24を介して導電性箔を積層し、次に、エッチングを施して導電性箔を所望の形状にパターニングすることにより、得られる。
次に、第1板状部材40の接続端子34aが配置されている側に第2板状部材30を重ね合わせるとともに、第2板状部材30の接続端子34aが配置されている側に第3板状部材46を重ね合わせる。この際、各板状部材30,40,46間に、例えば熱可塑性樹脂からなる接着剤が、供給される。接着剤としては、例えば、液体状の接着剤やシート状の接着剤を用いることができる。
図5に示すように、このように重ね合わされた第1乃至第3の板状部材30,40,46が、本実施の形態における積層体形成手段(積層体を準備する手段)60を構成する熱圧着機61へ供給される。熱圧着機61は、第1乃至第3の板状部材30,40,46を加熱しながら押圧する。これにより、各板状部材30,40,46間に設けられた接着剤は一旦溶融し、その後、温度の低下にともなって各板状部材30,40,46同士をそれぞれ融着させる接着層25,28を形成するようになる(図2)。
このようにして積層体8が製造され、製造された積層体8は、第1板状部材40と、第1板状部材40の上方に積層された第2板状部材30と、第1板状部材40と第2板状部材30との間にそれぞれ接着層24,25を介して設けられた接続端子34aを有したアンテナ回路34と、を備えている。作製された積層体8は切削手段66に供給され、切削を行うための準備がなされる。
なお、本実施の形態において、ICカードの製造装置50(ICカード用基材の製造装置52)が、積層体8を形成する積層体形成手段60を含んだ例を示しているが、これに限られず、積層体形成手段60を省略し、ICカードの製造装置50(ICカード用基材の製造装置52)が製造済の積層体8を受け入れるようにしてもよい。
〔切削工程〕
次に、主に図6乃至図11を用いて切削工程について説明する。
本実施の形態において、切削手段66は、切削刃としてエンドミル67が取り付けられたフライス盤から構成されている。周知のようにエンドミル67を用いたフライス加工を行った場合、凹部22の底面を略平らにすることができる。
エンドミル67は、積層体8の接続端子34a周辺に対応する部分であって、接続端子34aを基準として第2板状部材30側の積層体8表面から切削を開始する。すなわち、本実施の形態においては、積層体8の第3板状部材46側の表面から切削を開始する。
具体的には、まず、エンドミル67が、第3板状部材46のアンテナ回路34の接続端子34a上方および接続端子34a間上方を切削する。次に、図6(b)に示されているように、積層体8の接続端子34a間に対応する部分を第1板状部材40まで削り込んで切削し、第3板状部材46に貫通孔48が形成され、第2板状部材30に貫通孔32が形成され、第1板状部材に開口孔42が形成される。ここまでの切削加工により積層体8に形成された凹部22の上方視が、図6(a)に示されている。
次に、図7に示すように、ICカード用基材20の接続端子34a上方を、切削開始側となる積層体8表面の側から切削する。このとき、接続端子34aに接着している接着層24の少なくとも一部分が露出するように切削が行われる。このようにして、積層体8に凹部22が形成されていく。
なお、切削工程を経た後の切削箇所の表面には、図7(a)および図8乃至図10に示すように、エンドミル67の進路方向に沿って連続して配置され平面視弧状を有する複数の溝9からなり、各溝9が10μm程度の深さを有する切削痕が形成されることが、発明者の研究によって見出された。
図7(a)および図8に示す例において、切削痕の表面には、接着層24のみが露出している。図9に示す例において、切削痕の表面には、接着層24および接着層24上に残留しこれに接着している第2板状部材30が露出している。図10(a)および(b)に示す例において、エンドミル67の先端は接続端子34aまで入り込み、その結果、切削痕の表面には、接着層24だけでなく、接続端子34aの一部分も露出している。そして、上述した接続端子34aに接着している接着層24の少なくとも一部分が露出するように切削するとは、図7(a)および図8乃至図10に示すような状態をすべて含むものである。したがって、切削工程における切削精度(切削切り込み量の精度)は、接続端子34a(アンテナ回路34)の厚みによらず、少なくとも接着層24の厚み(通常、20μm程度)に切削痕の深さ(略10μm)を加えた量の許容範囲を持つことになる。
一方、上述した特許文献1(特開平9−123654号公報)に開示された従来の方法によれば、エンドミル67が少なくとも接続端子34aまで入り込むように切削しなければならない。また、エンドミル67が接続端子34a内に深く入り込み過ぎると、言い換えると、接続端子34を厚く切削し過ぎると、さらに言い換えると、残存する接続端子34aの厚みが薄くなり過ぎると、エンドミル67の移動にともなって接続端子34aが板状部材(本実施の形態においては、第1板状部材40)上から剥離してめくれあがってしまう、という不具合が生じる。このような不具合を考慮すると、接続端子34aを形成する比較的高価な金属箔の厚みを少なくとも40μm程度以上に設定しなければならなかった。
本実施の形態によれば、切削切り込み量は、接続端子34aの厚みに依存しない、許容範囲を有する。したがって、接続端子34aを形成する比較的高価な金属箔を薄くして、製造コストの低減を図ることができる。
また、通常プラスチック等から構成される積層体8の各板状部材46,30,40と、通常金属箔から構成される接続端子34aとの強度(硬度)は大きく異なる。このように大きく異なる強度を有した材料を同時に切削する場合、切削刃(エンドミル)67への負担が大きく、切断刃の寿命が短くなってしまう。微細で切削許容誤差範囲の狭い凹部22を形成するための切削刃は一般的に高価である。したがって、切断刃の寿命が短いことは、製造コスト上の観点から非常に好ましくない。また、切断刃の寿命が短いということは、切断刃を頻繁に取り替えなければならないことを意味する。したがって、切削刃の取付精度に起因した切削不良品の発生を招いてしまうことにもなる。
一方、本実施の形態においては、図8および図9に示すように、エンドミル67が接続端子34aに入り込まないようにすることもできる。この場合、切削刃67への負担を著しく軽減することができる。また、このようにしても、切削工程における切削精度(切削切り込み量の精度)は、接続端子34a(アンテナ回路34)の厚みによらず、少なくとも接着層24の厚み分の許容範囲を持つことになる。したがって、比較的に広い切削切り込み量の許容範囲を維持しながら、切削刃の長寿命化を達成することができる。これにより、製造コストを低減することができるとともに、切削刃の取付精度に起因した切削不良品の発生を抑制することができる。
なお、上述したように、貫通孔32,48および開口孔42によってICモジュール11を収納するための凹部22が形成される。したがって、切削工程および後述する除去工程における加工は、用いられるICモジュール11の形状を考慮して形成されなければならない。
〔除去工程〕
次に、図5および図12を用いて除去工程について説明する。
除去工程は、凹部22内に露出した接着層24であって、接続端子34aに接着している接着層24を除去し、接着層24が除去された部分に接続端子34aを露出させる工程である。
銅やアルミニウム等の導電性金属からなる接続端子34aと、例えばエポキシ系の熱硬化性樹脂やポリエステル系の熱可塑性樹脂等からなる接着層24,25,28、さらには、PET等からなる各板状部材30,40,46と、の間においては、硬度等の物性が大きく相違する。そして、接着層24,25,28および各板状部材30,40,46は、接続端子34aに比べ硬度が低いことから、種々の方法によって除去されやすくなっている。とりわけ接着層24は、機械加工を用いることによって容易に接続端子34aから除去され得る。
図5および図12に示すように、本実施の形態における除去手段70は、凹部22内に露出した接着層24に気体を吹き付ける吹き付け装置(エアジェット装置と呼ばれるものも含む)71を有している。図5に示すように、吹き付け装置71は、積層体8に対向して配置されたノズル72と、圧縮された気体を供給する圧縮気体供給源74と、ノズル72と圧縮気体供給源74とを連結する連結チューブ(連結管)73と、を有している。そして、吹き付け装置71は、凹部22内に露出し接続端子34a上に接着している接着層24に気体を吹き付ける(エアジェット加工と呼ばれることもある)。この際、吹き付け装置71から吹き出される気体として、特に限定されるわけではないが、例えば空気や窒素等を選択することができる。
これにより、接続端子34a上に接着している接着層24を除去し、凹部22内に広面積で接続端子34aを露出させることができる。このようにして、接続端子34aが露出した凹部22を形成されたICカード用基材20が製造される。得られたICカード用基材20は、第1板状部材40と、第1板状部材40に積層され貫通孔32を有する第2板状部材30と、第1板状部材40と第2板状部材30との間に設けられた接続端子34aであって、少なくとも一部分が第2板状部材30の貫通孔32内に配置された接続端子34aを有するアンテナ回路34と、を備えている。
なお、上述した図8に示すように切削工程が施されている場合、除去工程において、平坦な接続端子34aの露出面を得ることができる。また、図9に示すように接続端子34a上方に第2板状部材30が一部残留している場合、除去工程において、凹部22内に露出し接続端子34aに接着した接着層24が除去されることにともない、接着層24の第2板状部材30が一部残留している部分を、該残留した第2板状部材30とともに除去することができる。さらに図10に示すように、切削刃67が接続端子34aまで入り込み、接続端子34a上に接着層24が部分的に付着して残留している場合、言い換えると、接続端子34aが部分的に露出している場合、残留した接着層24を除去し、弧状の溝9(より詳しくは溝9の一部)と平坦面とが連続して配置された接続端子34aの露出面を得ることができる。
各板状部材40,30,46は、通常、白色系のプラスチックから構成され、その一方で、アンテナ回路34は、通常、各板状部材とは異なる色を有した銅やアルミニウムから構成される。したがって、これまで、凹部22内に接続端子34aが露出していない切削不良品は視覚的に検出可能であり、切削不良品をICカード10またはICカード用基材20の製造工程中において排除することができるものと考えられていた。しかしながら、今般、本発明者が発生した不良品について鋭意研究を重ねた結果、アンテナ回路34aを板状部材に固定するための無色透明な接着層24が排除されきれておらず、この接着層24によって接続端子34aとICモジュール11との接続が妨げられている不良品ICカード10が全不良品中に多数含まれている、ことが見出された。すなわち、接着層34aが接続端子34a上から除去されていない切削不良品が多数発生しており、これらの切削不良品が検出されることなくその後の処理を施されているのである。そして、このことによって、ICカード10の製造歩留まりが著しく低下していたのである。
一方、本実施の形態によれば、除去工程によって、接続端子34a上に残留した接着層24が除去されるようになっている。したがって、接続端子34a上に残留した無色透明の接着層24を除去することができるようになっている。したがって、特別な検査工程を加えることなく、接続端子34a上の接着層24が除去されていないICカード用基材20が下流工程側に流出してしまうことを防止することができ、製造歩留まりおよび全体的な生産効率の観点から非常に好ましい。
加えて、図11に示すように、切削痕をなす連続配置された複数の溝9内に、接着層24の一部をなしていた接着剤24aが入り込み、切削刃67の通過にともなって溝9内に押し込まれ得る。また、切削痕に嵌り込んだ(押し込まれた)接着剤24aは通常の切削屑の除去処理では除去されきらない場合もある。しかしながら、本実施の形態によれば、このような接着剤24aをも除去することができる。
〔ICモジュールを配置する工程〕
次に、ICモジュールを配置する工程について説明する。
図5に示すように、本実施の形態において、ICカード用基材20の凹部22内にICモジュール11を配置し、接続端子34aを介してICモジュール11をアンテナ回路34に接続させる配置接続手段88は、ICカード用基材20の凹部22内に接着剤19を供給する接着剤供給装置90と、ICモジュール11を吸着して搬送する吸着ノズル89と、を有している。
まず、ICモジュールの配置接続工程に搬送されてきたICカード用基材20の凹部22内の接続端子34a上に、接着剤供給装置90から接着剤19(図2)が供給される(図5)。本実施の形態において、接着剤19は、上述した銀ペーストであってバインダー樹脂となる非導電性接着剤中に銀粉および銀粒子を分散させたものを用いている。このような銀ペーストは、反応開始材の投入や加熱によって短時間で硬化することができ、また、接続抵抗値を小さくすることができる。
この動作に併せて、吸着ノズル89は、順次供給されるICモジュール11を1つずつ吸着してICカード用基材20の凹部22上まで搬送する。その後、吸着ノズル89が降下し、接着剤19が供給されたICカード用基材20の凹部22内にICモジュール11を押圧して嵌め込む。
このとき、ICモジュール11の一対の接続電極18,18は、凹部22内に露出したアンテナ回路34の一対の接続端子34a,34aに銀ペースト(接着剤)19中の銀粉および銀粒子を介してそれぞれ電気的に接続される。また、銀ペーストが硬化してICモジュール11がICカード用基材20の凹部22内に固定される。
本実施の形態においては、切削工程の後に除去工程が設けられている。そして、接続端子34a上に残留した無色透明の接着層24を除去することにより、ICカード用基材20の凹部22内に広面積で接続端子34aを露出させることができる。これにより、接続端子34aと接着剤19との間における接触抵抗値を小さくすることができ、これにともなって、アンテナ回路34とICモジュール11との間の接続抵抗値を極めて小さくすることができる。
以上のようにしてICカード10が製造され、製造されたICカード10は、第1板状部材40と、第1板状部材40に積層され貫通孔32を有する第2板状部材30と、第1板状部材40と第2板状部材30との間に設けられた接続端子34aであって、少なくとも一部分が第2板状部材30の貫通孔32内に配置された接続端子34aを有するアンテナ回路34と、第2板状部材30の貫通孔32内に配置され、接続端子34aを介してアンテナ回路34と接続されたICモジュール11と、を備えている。
なお、接着剤供給装置90によって供給される接着剤19は、バインダー樹脂となる非導電性接着剤中に銀粉および銀粒子を分散させてなる銀ペーストに限られない。バインダー樹脂となる非導電性接着剤中に銀粉を分散させてなる銀ペーストや、非導電性バインダー樹脂中に導電性粒子等を分散させてなる異方性導電性接着剤等を用いることができる。また、用いられる接着剤19の種類に応じて、配置接続手段88も種々変更することができる。例えば、接着剤19の硬化に加熱が必要となる場合には、配置接続手段88の吸着ノズル89の下流側に、加熱機構を有した接着剤硬化装置をさらに設けなければならない。
さらに、上述したように、凹部22内における接続端子34aと接続電極18との間以外のICモジュール11とICカード用基材20との隙間に、接着剤を塗布するようにしてもよい。これにより、ICモジュール11が凹部22内で安定し、ICモジュール11とICカード用基材20とを強固に接合することができる。なお、この場合、配置接続手段88に、さらなる接着剤供給装置および接着剤硬化装置を設けるようにしてもよい。
<作用効果>
以上のように本実施の形態によれば、接続端子34に対して第2板状部材30側の表面から積層体8を切削して、接続端子34aに接着している接着層24の少なくとも一部分が露出する凹部22を形成し(切削工程)、次に、除去手段70を用いて、接続端子34a上に接着している接着層24を除去する(除去工程)ようになっている。このように切削工程の後に除去工程を設けたことにより、凹部22内に接続端子34aを広面積で露出させ、ICモジュール11(接着剤19)とアンテナ回路34とを低い接続抵抗値によって電気的に接続させることができる。また、切削表面上に形成された溝9(切削痕)に嵌り込んでいた接着剤24aを除去することによって、ICモジュール11(接着剤19)とアンテナ回路34との接続抵抗値をさらに低下させることもできる。これらにともなって、ICモジュール11(接着剤19)とアンテナ回路34との接続抵抗値を安定させることができ、接続抵抗値のばらつきを抑制することもできる。その上、これまで、接着層24が接続端子34a上に残存した不良品は、接着層24が無色透明であることに起因して視覚的に検出することができず、ICモジュール11接続後の最終検査によって検出されていたが、本実施の形態によれば、これらの切削不良品の発生および流出を防止することができる。これらのことから、本実施の形態によれば、高品質のICカード10およびICカード用基材20を高い製造歩留まりでかつ安価に製造することができる。
また、除去工程を別途設けていることにより、切削工程において接続端子34aを露出させる必要がない。したがって、切削工程において、接続端子34aを切削しないようにすることができ、この場合、切削手段66の切削刃67は比較的硬度(強度)の低い板状部材および接着層のみを切削することになる。したがって、より安価な切削刃67を用いることができるとともに、切削刃67を長寿命化させることができる。これにより、ICカード10およびICカード用基材20の製造コストを低減させることができる。また、切削刃67を頻繁に取り替える必要がないので、切削刃67の取付精度等に起因した切削不良品は発生を抑制することができる。
さらに、切削工程において接続端子34aを露出させる必要がないことから、接続端子34aを薄くし過ぎた場合に生じていた、切削刃67の移動にともなった接続端子34aの剥離を防止することができる。また、切削手段66の切削切り込み量の許容範囲は、主に接着層24の厚みに依存し、接続端子34aの厚みに大きく依存しない。したがって、接続端子34aおよび接続端子34aを形成する金属箔の厚みを薄くすることができる。本発明者が行った実験結果によれば、厚みが25μm以下の金属箔からなる接続端子34aを有した積層体8に対して切削工程および除去工程を施し、ICカード10およびICカード用基材20を製造することができた。さらに、切削工程において接続端子34aを露出させないように凹部22を形成し(図8および図9)、除去工程における気体の吹き付け条件を適宜調整した場合、接続端子34aが10μm以上の厚さを有する金属箔から形成されていれば、予定された機能を発揮することができるICカード10を十分製造することができた。したがって、厚みが薄く安価に入手することが可能な金属箔を用いてICカード用基材20およびICカード10を製造することにより、ICカード用基材20およびICカード10の製造コストを格段に低減することができる。
また、本実施の形態によれば、除去手段70は凹部22内に露出した接着層24に気体を吹き付ける吹き付け装置71を有している。このような除去手段70によれば、接続端子34aと接着層24等との物性の相違を利用し、簡易な方法によって、接続端子34aを除去することなく接着層24を容易に除去することができるようになっている。
<変形例>
上述した実施の形態に関し、本発明の要旨の範囲内で種々の変更が可能である。以下、変形例の一例について説明する。
〔除去手段および除去工程についての変形例〕
まず、図13および図14を用い、除去手段70および除去工程の変形例について説明する。図13および図14は、図12(b)に対応する図である。図13および図14に示す変形例は、除去手段70および除去手段70の相違にともなった接着層24および接着剤24aの除去方法が異なるのみであって、他は上述した実施の形態と略同一である。図13および図14において、図1乃至図12を用いて説明した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。
図13に示す、除去手段70および除去工程の第1変形例において、除去手段70は、凹部22内に露出し接続端子34aに接着している接着層24、または接続端子34aに嵌り込んでいる接着剤24aに、粒状物75aを打ち付ける打ち付け装置(ショットブラスト装置と呼ばれる装置も含む)75を有している。打ち付け装置75は、上述したノズル72、圧縮気体供給源74、および連結管73と、粒状物75aを供給する粒状物供給源76と、を有している。図13に示すように、本実施の形態において、粒状物供給源76は、連結管73内に粒状物75aを供給するようになっている。供給された粒状物75aは、圧縮気体供給源74から供給される圧縮空気によって凹部22内へ搬送され、接続端子34a上に接着している接着層24および接続端子34aに嵌め込まれた(押し込まれた)接着剤24aへ打ち付けられる。すなわち、本変形例において、圧縮気体供給源74から供給される気体は、粒状物の搬送用に(キャリアーとして)用いられている。
このような例においては、いわゆるショットブラスト加工と同様の原理で、接続端子34a上から接着層24および接着剤24aが除去される。したがって、打ち付け装置75による接着層24および接着剤24aの除去能力は、上述した吹き付け装置71よりも高くなっている。
なお、打ち付け装置75から噴出される粒状物75aの材料としては、銅やアルミニウムの箔等からなる接続端子34aより硬度が低く、樹脂からなる接着剤24aよりも硬度が高い材料を用いるが好ましい。したがって、例えば、硬質樹脂等を粒状物75aとして用いることができる。
また、本実施の形態において、打ち付け装置75が気体の噴出によって粒状物75aを接着層24および接着剤24aに打ち付ける例を示したが、これに限られない。打ち付け装置75の構成は、粒状物75aを接着層24および接着剤24aに打ち付けることができる限りにおいて特に限定されず、例えば遠心力を用いて粒状物75aを接着層24および接着剤24aに打ち付けるようになっていてもよい。
次に、図14に示す、除去手段および除去工程の第2変形例について説明する。本変形例において、除去手段70は、凹部22内に露出し接続端子34aに接着している接着層24または接続端子34aに嵌り込んでいる接着剤24aを、ブラッシングするブラシ77を有している。ブラシ77は、接続端子34a上方で回転または移動するようになっており、接続端子34a上の接着層24および接着剤24aを削り取るようになっている。
この例においては、ブラッシング時におけるブラシ77の接続端子34aに向けての押圧力や回転数等を適宜設定することにより、強力な除去効果を期待することができる。
なお、ブラシ77は、その毛77aが硬質樹脂や金属からなる樹脂製ブラシや金属製ブラシを用いることができる。ただし、接続端子34aを除去することなく、接続端子34a上の接着層24を除去するためには、銅やアルミニウムの箔等からなる接続端子34aより硬度が低く、樹脂からなる接着剤24aよりも硬度が高い材料を、ブラシ77の毛77aの材料として用いることが好ましい。
〔ICカード用基材、およびICカードの構成についての変形例〕
次に、図15および図16を用い、ICカード用基材20、およびICカード10の構成についての変形例を説明する。なお、図15および図16は、ICカード10およびICカード用基材20の変形例を示す部分断面図であって、図2に対応している。図15および図16において、図1乃至図12を用いて説明した実施の形態と同一部分には同一符号を付すとともに、重複する詳細な説明は省略する。
上述した実施の形態においては、第1板状部材40、接着層24を介してアンテナ回路34が接着された第2板状部材30、第3板状部材46の順で積層して積層体8を作製し、積層体8の第3板状部材46側から切削および接着層24の除去を行い、第1板状部材40と第2板状部材30との間に設けられた接続端子34aを露出させるようにしているが、これに限られない。接続端子34aの切削開始側に、除去手段70によって接続端子34aよりも容易に除去することができる接着層が隣接して配置されていればよい。このような場合、除去手段70によって接続端子34aを除去することなく該接着層を除去することができ、これにより、凹部22内に接続端子34aを広面積で露出させることができる。
以下、このような変形例の一例について図15および図16を用いて説明する。
図15に示す変形例においては、第3板状部材46の上方に接着層28を介して第1板状部材40が積層され、第1板状部材40の上方に接着層25を介して第2板状部材30が積層され、アンテナ回路34の接続端子34aは第1板状部材40の上側(第2板状部材30と対面する側)の面に接着層24を介して形成され、第1板状部材40と第2板状部材30との間に配置されている。また、第1板状部材40および第1板状部材40上に形成された接続接点34aと第2板状部材30との間には接着層25が設けられており、この接着層25を介して互いに接着固定されている。このような構成からなる積層体8においても、積層体8の第2板状部材30側の表面から切削して、接続端子34a上に隣接し接続端子34aに接着している接着層25の少なくとも一部が露出した凹部22を形成し、その後、除去手段70により接続端子34aに接着している接着層25を除去することにより、接続端子34aを広面積で露出させることができる。つまり、接続端子34aの切削開始側に接続端子34aよりも除去されやすい物性を有した接着層が隣接して配置されている限りにおいて、接続端子34aを含むアンテナ回路34が、第1板状部材40および第2板状部材30のいずれの表面に形成されているかは問題にならない。また、第3板状部材46についても、上述した実施の形態のように切削開始側である必要はない。
また、図16に示す変形例において、ICカード10およびICカード用基材20(積層体8)は、第1板状部材40と、第1板状部材40の上方に接着層25を介して積層された第2板状部材30と、第1板状部材40の上側(第2板状部材30に対面する側)の面に接着層24を介して形成され、第1板状部材30と第2板状部材40との間に配置された接続端子34aを有するアンテナ回路34と、を備えている。このような構成からなる積層体8においても、積層体8の第2板状部材30側の表面から切削して、接続端子34a上に隣接し接続端子34aに接着している接着層25の少なくとも一部が露出した凹部22を形成し、その後、除去手段70により接続端子34aに接着している接着層25を除去することにより、接続端子34aを広面積で露出させることができる。つまり、2枚の板状部材30,40からICカード用基材20を構成してもよく、また、4枚以上の板状部材からICカード用基材20を構成するようにしてもよい。また、図16に示す変形例において、アンテナ回路34aの接続端子34aが第1板状部材40の上側面に形成された例を示しているが、接続端子34aを第2板状部材30の下側面に形成するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、接着層24を介して導電性金属箔を第2板状部材30に接着し次にエッチングすることによってアンテナ回路34を形成する例を示した。しかしながら、接続端子34aの切削開始側に、除去手段70によって接続端子34aよりも除去されやすい物性を有した接着層が隣接して配置されている限りにおいて、アンテナ回路34の構成を種々変形することができる。例えば、アンテナ回路34の接続端子34a以外の部分をコイル巻きした導線によって形成してもよい。
さらに、上述した実施の形態および変形例においては、接着層24を介し板状部材上に接続接点34aを含むアンテナ回路34を形成した例を示したが、接続端子34aの切削開始側に、除去手段70によって接続端子34aよりも除去されやすい物性を有した接着層が隣接して配置されている限りにおいて、特に限定されない。例えば、図15および図16に示す例において、接着層24を用いることなく、スクリーン印刷機等を用いて導電性インキを印刷し、接続端子34aを含むアンテナ回路34を第1板状部材40上に形成するようにしてもよい。また、接着層25,28を介し各板状部材を接着固定する例を示したが、接続端子34aの切削開始側に、除去手段70によって接続端子34aよりも除去されやすい物性を有した接着層が隣接して配置されている限りにおいて、特に限定されない。例えば、図1乃至図12を用いて説明した実施の形態において、熱融着性を有する材料によって各板状部材40,30,46を構成し、接着層25,28を用いることなく、各板状部材40,30,46を熱圧着するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態および変形例においては、アンテナ回路34が第2板状部材30の一方の面上に形成された例を示したが、これに限られない。例えば、アンテナ回路34のコイル部分を第2板状部材30の両側の面上に形成する、すなわちコイル部分を2つ設けるようにしてもよい。この場合、アンテナ回路34(ICカード10)の通信能力を増強することができる。
さらに、上述した実施の形態においては、各板状部材40,30,46が同サイズの平板からなる例を示したが、これに限られない。例えば、各板状部材40,30,46の大きさが異なってもよい。また、板状部材は平板に限られるものではなく、縁部が突出した断面略コ字状あるいは断面L字状を有する略板材を板状部材として用いることもできる。この場合、突出した縁部の内方に他の板状部材を配置するようにしてもよい。
〔ICモジュールの構成についての変形例〕
さらに、上述した実施の形態において、ICモジュール11が外部端子13aを有し、製造されたICカード10が接触状態でも外部装置と通信することができるようになっている例を示したが、これに限られない。外部端子13aを有さないICモジュール11に対しても、すなわち、得られたICカード10が非接触状態でのみ外部装置と通信することができるようなICモジュール11に対しても、本発明を適用することができる。
また、上述した実施の形態において、ICモジュール11の接続電極18が、基板13の下面から突設された例を示したが、これに限られない。例えば、図17に示すように、接続電極18がICチップ15の下側面に突設されるようにしてもよい。
さらに、ICモジュール11の接続電極18が銀ペーストや異方性導電性接着剤等の接着剤19を介してアンテナ回路34の接続端子34aに接続される例を説明したが、これに限られない。図17に示すように、ICモジュール11の接続電極18を対面するアンテナ回路34の接続端子34aに直接接触させて電気的に接続するようにしてもよい。
なお、図17はICカード10およびICカード用基材20の変形例を示す部分断面図であって、図2に対応している。図17において、図1乃至図12を用いて説明した実施の形態と同一部分には同一符号を付すとともに、重複する詳細な説明は省略する。
図1は、本発明によるICカードの一実施の形態を示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、ICカード用基材を示す斜視図である。 図4は、積層体を示す分解断面図である。 図5は、本発明によるICカードの製造装置、ICカードの製造方法、ICカード用基材の製造装置、およびICカード用基材の製造方法の一実施の形態を示す概略構成図である。 図6(a)および(b)は、切削手段および切削工程を説明する図である。 図7(a)および(b)は、切削手段および切削工程を説明する図である。 図8は、図7のXIII−XIII線に沿った断面図である。 図9は、凹部の一例を示す図であって、図8に対応する図である。 図10(a)は、凹部の一例を示す図であって、図8に対応する図であり、図10(b)は、凹部の一例を示す上面図。 図11は、凹部の一例を示す図であって、図8に対応する図。 図12(a)および(b)は、除去手段および除去工程を説明する図である。 図13は、除去手段および除去工程の第1の変形例を説明する図であって、図12(b)に対応する図。 図14は、除去手段および除去工程の第2の変形例を説明する図であって、図12(b)に対応する図。 図15は、ICカードおよびICカード用基材の変形例を示す図であって、図2に対応する図。 図16は、ICカードおよびICカード用基材の変形例を示す図であって、図2に対応する図。 図17は、ICカードおよびICカード用基材の変形例を示す図であって、図2に対応する図。
符号の説明
8 積層体
10 ICカード
11 ICモジュール
13a 外部端子
18 接続電極
20 ICカード用基材
22 凹部
24 接着層
24a 接着剤
30 第2板状部材
34 アンテナ回路
34a 接続端子
40 第1板状部材
50 ICカードの製造装置
52 ICカード用基材の製造装置
66 切削手段
70 除去手段
71 吹き付け装置
75 打ち付け装置
75a 粒状物
77 ブラシ
80 配置接続手段

Claims (13)

  1. 第1板状部材と、前記第1板状部材に積層された第2板状部材と、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に設けられた接続端子を有するアンテナ回路と、少なくとも前記接続端子と前記第2板状部材との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層と、を有する積層体を、第2板状部材側の積層体表面から切削して、前記接続端子に接着している接着層の少なくとも一部分が露出した凹部を形成する工程と、
    前記凹部内に露出するとともに前記接続端子に接着している接着層を前記接続端子上から除去する工程と、
    前記凹部内にICモジュールを配置し、前記接続端子を介して前記ICモジュールを前記アンテナ回路に接続させる工程と、を備えたことを特徴とするICカードの製造方法。
  2. 前記凹部内に露出した接着層に気体を吹き付けて、前記凹部内に露出した接着層を除去することを特徴とする請求項1に記載のICカードの製造方法。
  3. 前記凹部内に露出した接着層に粒状物を打ち付けて、前記凹部内に露出した接着層を除去することを特徴とする請求項1に記載のICカードの製造方法。
  4. 金属製ブラシまたは樹脂製ブラシを用いたブラッシングにより、前記凹部内に露出した接着層を除去することを特徴とする請求項1に記載のICカードの製造方法。
  5. 前記凹部を形成する工程において、前記接続端子の一部分が露出するように前記積層体を切削し、
    前記凹部内に露出した接着層を除去する工程において、前記凹部内に露出した前記接続端子の前記一部分上に形成された切削痕内に嵌り込んだ接着剤を除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のICカードの製造方法。
  6. 第1板状部材と、前記第1板状部材に積層された第2板状部材と、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に設けられた接続端子を有するアンテナ回路と、少なくとも前記接続端子と前記第2板状部材との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層と、を有する積層体を、第2板状部材側の積層体表面から切削して、前記接続端子に接着している接着層の少なくとも一部分が露出した凹部を形成する切削手段と、
    前記凹部内に露出するとともに前記接続端子に接着している接着層を前記接続端子上から除去する除去手段と、
    前記凹部内にICモジュールを配置し、前記接続端子を介して前記ICモジュールを前記アンテナ回路に接続させる配置接続手段と、を備えたことを特徴とするICカードの製造装置。
  7. 前記除去手段は、前記凹部内に露出した接着層に気体を吹き付ける吹き付け装置を有することを特徴とする請求項6に記載のICカードの製造装置。
  8. 前記除去手段は、前記凹部内に露出した接着層に粒状物を打ち付ける打ち付け装置を有することを特徴とする請求項6に記載のICカードの製造装置。
  9. 前記除去手段は、前記凹部内に露出した接着層をブラッシングする金属製または樹脂製のブラシを有することを特徴とする請求項6に記載のICカード製造装置。
  10. 前記切削手段は、前記接続端子の一部分が前記凹部内に露出するように前記積層体を切削するようになっており、
    前記除去手段は、前記凹部内に露出した前記接続端子の前記一部分に形成された切削痕内に嵌り込んだ接着剤を除去するようになっていることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載のICカードの製造装置。
  11. 第1板状部材と、前記第1板状部材に積層された第2板状部材と、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に設けられた接続端子を有するアンテナ回路と、少なくとも前記接続端子と前記第2板状部材との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層と、を有する積層体を、第2板状部材側の積層体表面から切削して、前記接続端子に接着している接着層の少なくとも一部分が露出した凹部を形成する工程と、
    前記凹部内に露出するとともに前記接続端子に接着している接着層を前記接続端子上から除去する工程と、を備えたことを特徴とするICカード用基材の製造方法。
  12. 第1板状部材と、前記第1板状部材に積層された第2板状部材と、前記第1板状部材と前記第2板状部材との間に設けられた接続端子を有するアンテナ回路と、少なくとも前記接続端子と前記第2板状部材との間に介在し、これらに接着した接着剤からなる接着層と、を有する積層体を、第2板状部材側の積層体表面から切削して、前記接続端子に接着している接着層の少なくとも一部分が露出した凹部を形成する切削手段と、
    前記凹部内に露出するとともに前記接続端子に接着している接着層を前記接続端子上から除去する除去手段と、を備えたことを特徴とするICカード用基材の製造装置。
  13. 請求項1乃至5のいずれかに記載された製造方法によって製造されたICカードであって、接続端子の厚みが25μm以下であることを特徴とするICカード。
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