JP2007310291A - 平版印刷版原版 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】 支持体上に光重合性感光層を有する平版印刷版原版であって、オーバーコート層を必要とせず、版同士のブロッキング現象もなく、高温、高湿条件下での保存性にも問題なく、小点再現性や耐刷性に優れた平版印刷版原版を提供する。
【解決手段】 支持体上に光重合性感光層を有する平版印刷版原版において、該感光層中に粒径の異なるマット剤を2種類以上含有することを特徴とする平版印刷版原版である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光重合性感光層を有する平版印刷版原版に関するものであり、特に感光層中に粒径の異なるマット剤が含有された平版印刷版原版に関する。
光重合性感光層としては、従来からの紫外線に感応するフォトポリマー(光重合型)感光層と、最近では、波長400〜410nmのレーザー(バイオレットレーザー)に感応する感光層や760〜1200nmの波長に感応するサーマル型感光層が開発されている。一般的にこれらの感光層を有する平版印刷版原版の製造方法は、砂目立て等の必要な表面処理を施したアルミニウム板のウェッブロールを送り出し、有機溶剤系塗布液からなる感光層を塗布・乾燥し、中間ウェッブロールとして巻き取り、再び中間ウェッブロールからウェッブを繰り出してオーバーコート層を塗布・乾燥する方法が取られている。これは有機溶剤系の感光層とポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーを含む水系溶媒のオーバーコート層は同時重層塗布が困難なためである。
上記光重合性感光層は、一般的にエチレン性不飽和化合物を含有しているため、オーバーコート層を塗布する前では、感光層表面がベタつき(ブロッキング現象)、搬送ローラーを汚したり、空気中の微細な塵や埃を吸着しやすく、それが故で、画像形成後のベタ部に微細な欠落が生じたりする。
また、このオーバーコート層が塗設された平版印刷版原版は、オーバーコート層が主として水溶性のために、高湿度雰囲気下では、版同士がブロッキング(接着)したり、高温、高湿条件下での長期保存した場合に、感度低下や耐刷性不足などが生じる。また更に、現像の際に、オーバーコート層除去のためのプレ水洗が必要な場合が生じる。
このようなオーバーコート層を必要としない感光性組成物として、側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有する重合体、光ラジカル発生剤、及び可視光から赤外光の波長領域に吸収を有し前記光ラジカル発生剤を増感させる増感剤とを含有する感光性組成物が特許文献1に開示されている。当該感光性組成物における前記重合体は、高分子化するに従がってゲル化し易くなり、高重合体にすることができず、その結果、強固な皮膜形成ができず、キズ付きやすい感光層になるという問題があった。
また、オーバーコート無しで経時保存でのブロッキング防止のために、感光層の膜厚以上の粒径を有するマット剤を含有する感光層が特許文献2に開示されている。しかしながら、ブロッキングを無くすまでこのようなマット剤を含有させると、小点再現性が悪くなり、またその逆に、小点再現性を低下させない程度にこのようなマット剤を含有させた場合には、感光層表面にブロッキングが発生するなどの問題が有る。
特開平2001−290271号公報 特開平2005−284322号公報
従って、本発明の目的は、支持体上に光重合性感光層を有する平版印刷版原版であって、オーバーコート層を必要とせず、版同士のブロッキング現象もなく、高温、高湿条件下での保存性にも問題なく、小点再現性や耐刷性に優れた平版印刷版原版を提供するものである。
すなわち、本発明によると、支持体上に光重合性感光層を有する平版印刷版原版であって、該感光層中に粒径の異なるマット剤を2種類以上含有することを特徴とする平版印刷版原版、ならびに前記感光層が少なくとも平均粒径10〜15μmと平均粒径1〜5μmのマット剤とを含有する平版印刷版原版であり、前記感光層中に含まれる平均粒径10〜15μmと平均粒径1〜5μmのマット剤の混合割合が1:0.1〜1:10の割合で含有されている平版印刷版原版が提供される。
以下に詳細に説明するように、本発明にかかる平版印刷版原版は、オーバーコート層を必要とせず、版同士のブロッキング現象もなく、高温、高湿条件下での保存性にも問題なく、小点再現性や耐刷性に優れた平版印刷版原版を得ることができる。
本発明の平版印刷版原版における光重合性感光層としては、バインダー樹脂、光重合性化合物、重合開始剤、及び場合により赤外線吸収剤を主成分とするものである。
本発明に用いられるバインダー樹脂としては、従来公知のものを制限なく使用できるが、好ましくはアルカリ現像液に溶解する有機高分子重合体が使用される。この様な有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸基を有する付加重合体、例えばメタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。またその他、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック型フェノールまたはクレゾール樹脂、ポリエステル樹脂などを使用することもできる。
また、バインダー樹脂は、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していることが更に好ましい。バインダー樹脂に架橋性を持たせるためには、架橋性官能基を高分子の主鎖中または側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。このような樹脂として、例えば、ケイ皮酸ビニルまたはシンナミリデン酢酸ビニルを主モノマーとし、重合可能な他のモノマーを必要に応じて加えた共重合体が好ましい。
バインダー樹脂は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン検算重量平均分子量が5000〜10万、好ましくは1万〜8万の範囲にあるものが用いられる。この重量平均分子量が5000未満では画像部の膨潤が起こりやすく、機械的強度が不足してくる。10万を超えると現像不良による汚れが発生しやすくなるため好ましくない。
バインダー樹脂は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。バインダー樹脂の含有量は、感光層の全固形分に対して、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%である。10質量%以上では耐刷力が悪くなることが無くなり、90質量%以下では、現像不良や経時安定性を悪くすることが無くなる。
本発明に用いられる重合性化合物は、一般的なラジカル重合性のモノマー、分子内に付加重合可能なエチレン性二重結合を複数有する多官能モノマー類や、多官能オリゴマー類を用いることができる。該化合物に限定は無いが、好ましいものとして、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセロールアクリレート、テトラヒドロフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルオキシアクリレート、1,3−ジオキサンアルコールのε−カプロラクトン付加物のアクリレート、1,3−ジオキソランアクリレート等の短官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ハイドロキノンジアクリレート、レゾルシンジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメロールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテルのジアクリレート等の2官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのε−カプロラクトン付加物、ピロガロールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールトリアクリレート、プロピオン酸・ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリアクリレート等の多官能アクリル酸エステル類、或いはこれらのアクリレートをメタクリレート、イタコネート、クロネート、マレエートに代えたメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸エステル等を挙げることができる。
また、プレポリマーも上記同様に使用することができる。プレポリマーとしては、後述するような化合物等を挙げることができる。また、適当な分子量のオリゴマーにアクリル酸又はメタクリル酸を導入し、光重合性を付与したプレポリマーも好適に使用できる。これらのプレポリマーは、1種又は2種以上を併用してもよいし、上述の単量体及び/又はオリゴマーと混合して用いてもよい。
プレポリマーとしては、例えば、アジピン酸、トリメリット酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、マロン酸、こはく酸、グルタール酸、イタコン酸、ピロメリット酸、フマル酸、ドデカン酸、テトラヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレンオキサイド、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール、ソルビトール、1,6−ヘキサンジオール等の多価アルコールの結合で得られるポリエステルに(メタ)アクリル酸を導入したポリエステルアクリレート類、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸、フェノールノボラック・エピクロルヒドリン・(メタ)アクリル酸のようなエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したエポキシアクリレート類、例えば、エチレングリコール−アジピン酸・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルフタリルメタクリレート、・キシレンジイソシアネート、1,2−ポリブタジエングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパン・プロピレングリコール・トリレンジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレートのように、ウレタン樹脂に(メタ)アクリル酸を導入したウレタンアクリレート、例えば、ポリシロキサンアクリレート、ポリシロキサン・ジイソシアネート・2−ヒドロキシエチルアクリレート等のシリコーン樹脂アクリレート類、その他、油変性アルキッド樹脂に(メタ)アクリロイル基を導入したアルキッド変性アクリレート類等のプレポリマーが挙げられる。
また、重合性化合物の他の好ましい例として、特開2001−290271号公報に記載されているような分子内にビニル基が置換したフェニル基を2個以上有する多官能スチレン架橋剤が挙げられる。
このような重合性化合物の使用量は、皮膜形成性、耐刷性及び保存安定性の観点から、感光層の全固形分の質量に対し、5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは8〜80質量%である。
本発明に用いられる重合開始剤、(a)ビス(p−アミノフェノール−不飽和)ケトン、(b)トリフェニルフォスフィンまたはフォスフォニウム塩のような有機リン化合物、(c)メルカプト誘導体、(d)テトラゾニウム誘導体、(e)イミダゾール類、(f)カルボニル化合物、(g)過酸化物、(h)ハロゲン化化合物、(i)有機ホウ素塩、(j)増感色素などが挙げられ、特に有機ホウ素塩を含有することが好ましい。以下に、上記(a)〜(j)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものでない。
上記(a)ビス(p−アミノフェノール−不飽和)ケトンの例としては、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,5−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノ−2’−メチルベンジリデン)シクロヘキサン、2,5−ビス(4’−ジエチル −2’−メチルベンジリデン)シクロペンタノンなどが挙げられる。
上記(b)有機リン化合物類の例としては、トリフェニルフォスフィン、アリルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、アリルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、n−アミルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、ブロモメチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイドなどが挙げられる。
上記(c)メルカプト誘導体の例としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾールなどが挙げられる。
上記(d)テトラゾニウム誘導体の例としては、2,3−ジフェニル−5−(p−ジフェニル)テトラゾニウムクロライド、2,5−ジフェニル−3−(p−ジフェニル)テトラゾニウムクロライド、2,3−ジフェニル−5−エチルテトラゾニウムクロライド、2,3−ジフェニル−5−(m−ヒドロキシフェニル)テトラゾニウムクロライド、2,3−ジフェニル−5−(p−メトキシフェニル)テトラゾニウムクロライド、2,3−ジフェニル−5−メトキシテトラゾニウムクロライド、2,5−ジフェニル−3−(p−フェニルアゾフェニル)テトラゾニウムクロライド、2,3−ジフェニル−3−(4−スチリルフェニル)テトラゾニウムクロライド、2,3−ジフェニル−5−(p−トリル)テトラゾニウムクロライド、2,3−ジフェニル−3−(4−トリメチルアンモニウムインドール)フェニルテトラゾニウムクロライドなどが挙げられる。
上記(e)イミダゾール類としては、ヘキサアリールビスイミダゾール、2−(2−クロロフェニル)−4、5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4、5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2−クロロフェニル)−4、5−ビス(4−メトキシフェニル)イミダゾール二量体などが挙げられる。
上記(f)カルボニル化合物類としては、ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、
4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノートプロパンなどが挙げられる。
上記(g)過酸化物の例としては、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、過酸化こはく酸、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゼン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
上記(h)ハロゲン化化合物の例としては、2,4,6−トリ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
上記(i)有機ホウ素塩は、近赤外または赤外線が照射された際、ラジカル発生剤としての役割を果たし、重合性化合物を重合させる。有機ホウ素塩は、特に二重結合基を有するような樹脂が存在すると、その基に重合性化合物を絡めさせて、より高分子とする。これにより、皮膜強度が向上し、高感度で、支持体との密着性に優れ、耐刷性もアップする。有機ホウ素塩としては、有機ホウ素アニオン−対カチオン錯体が好ましく用いられる。有機ホウ素アニオンとして、例えば、特開昭62−143044号公報、特開平9−188685号公報、特開平9−188686号公報、特開平9−188710号公報等に記載のものが挙げられるが、特にn−ブチル−メチル−ジフェニルホウ素アニオン、n−ブチル−トリフェニルホウ素アニオン、n−ブチル−トリナフチルホウ素アニオン、n−ブチル−トリ(p−メトキシフェニル)ホウ素アニオン、n−ブチル−トリ(t−ブチルフェニル)ホウ素アニオン、エチル−トリ(1−ナフチル)ホウ素アニオン等が好ましい。また、対カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルフォスホニウム塩等のフォスホニウム塩等が挙げられる。
上記(j)増感色素の例としては、キサンテン系色素、メロシアニン系色素、クマリンあるいはケトクマリン系色素などが挙げられる。
本発明における上記重合開始剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明おける重合開始剤は、感光層の全固形分に対し、0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%添加することが好ましい。添加量が0.01質量%以上の場合は、感度がより早くなり、50質量%以下では、非画像部の現像性がより向上するので好ましい。
サーマルネガ型の光重合性感光層を有する平版印刷版原版の場合には、赤外線を発するレーザーで画像記録が可能であり、このためには、赤外線吸収剤を用いることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能及び励起電子を発生する機能を有しているものであり、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料が挙げられる。
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム染料、ピリリウム染料、金属チオレート錯体染料等が挙げられる。
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)等に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。
これら赤外線吸収剤の添加量は、感光層における均一性や、ネガ型記録層に適用した際における画像部としての耐久性の観点から、感光層に含まれる全固形分に対し、0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜40質量%である。添加量が0.01質量%以上の場合は、感度がより早くなり、50質量%以下では、非画像部の現像性がより向上するので好ましい。
本発明の平版印刷版原版における光重合性感光層中に含有されるマット剤は、前記光重合性感光層表面のブロッキング防止や、本発明の平版印刷版原版を合紙なしで多数枚積み重ねた時の版同士の離脱性をよくし、また、版と版との間に合紙を入れて積み重ねた場合でも合紙と版との離脱性をよくすることを目的として、少なくとも平均粒径10〜15μmのマット剤と平均粒径1〜5μmのマット剤が感光層中に含有される。このように粒径の大きなマット剤と小さなマット剤とを混合させることにより、感光層表面のブロッキングを防止し、小点再現性や経時安定性に優れた平版印刷版原版が得られる。
光重合性感光層表面のブロッキングが無くなる程度にマット剤を添加する場合、平均粒径10〜15μmのマット剤のみであると、外観が損なわれるばかりでなく、小点再現性も悪くなり、また、粒子の存在する部分が現像不良になり易くなる。
また、平均粒径1〜5μmのマット剤のみであると、小点再現性は良くなるも、ブロッキング現象を容易に無くすことが難しくなる。
平均粒径の範囲が異なる上記2系統のマット剤を混合する割合としては、平均粒径10〜15μmのマット剤:平均粒径1〜5μmのマット剤=1:0.1〜1:10が好ましく、より好ましくは、1:0.3〜1:5の割合である。1:0.1以上であることが小点再現性の観点で好ましく、1:10以下であることがブロッキング防止の観点で好ましい。
本明細書において、平均粒径は、測定機器としてマスターサイザー(マルバーン社製)を用い、レーザー回折法により測定し得られた値である。
また、感光層に含まれるマット剤の含有量は、感光層の全固形分に対し、0.5〜70質量%、好ましくは、1〜50質量%である。添加量が0.5質量%以上であると、ブロッキング現象が発生することなく、添加量が70質量%以下であると、小点再現性を悪くすることが無くなるので好ましい。
マット剤の好ましい具体例としては、重合体粒子(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸アルキルエステル、ポリメタクリル酸アルキルエステル、ポリスチレン及びポリスチレン誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニリデンクロリド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラールなどの粒子)、二酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタン、デキストリン、澱粉、とうもろこし粉などが挙げられる。これらは一種もしくは二種以上併用することができる。
本発明の感光層には、以上の成分の他に、更にその用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましいその他の成分に関し例示する。
[重合禁止剤]
本発明の光重合性感光層においては、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することある。適当な熱重合禁止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合禁止剤の添加量は、感光層中の全固形分の質量に対して0.01〜5質量%が好ましい。また、必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光層の全固形分に対して約0.5〜約10質量%が好ましい。
[着色剤]
本発明の感光層には、その着色を目的として染料若しくは顔料などを添加してもよい。これにより、本発明の感光層を平版印刷原版に適用した場合、印刷版としての製版後の視認性や、画像濃度測定機適正といったいわゆる検版性を向上させることができる。着色剤としては、顔料、染料の使用が好ましい。例えば顔料として、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタンなどが挙げられる。染料としては、ロイコ色素や油溶性染料または塩基性染料が好ましい。具体的には、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー、エチルバイオレット、ローダミンB、ビクトリアピュアブルーBOH(保土ケ谷化学工業社製)、オイルブルー613(オリエント化学工業社製)、オイルグリーン等が好ましい。着色剤としての顔料または染料の添加量は、感光層の全固形分に対して約0.5〜約50質量%が好ましい。0.5質量%以上であると、感光層の着色が充分で画像が見やすくなり、50質量%以下であると、現像後の非画像部に着色剤の残渣が残りにくくなるので好ましい。
[その他の添加剤]
本発明の感光層には更に目的に応じて、フォスフィン、フォスホネート、フォスファイト等の酸素除去剤や還元剤、退色防止剤、界面活性剤、可塑剤、感脂化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防黴剤、帯電防止剤やその他種々の特性を付与する添加剤を希釈溶剤等と混合して使用してもよい。
可塑剤としては、例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、リン酸トリブチル等が用いられる。
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、粒径の異なるマット剤を含有する光重合性感光層を有することを特徴とする。また、必要に応じて、中間層(下塗り層)あるいはオーバーコート層等の他の層を更に有していてもよい。
特に限定されるものではないが、上記各成分を溶媒に溶かした感光液を、支持体上に塗布することにより、感光層を設け、これにより平版印刷版原版を製造することができる。
上記溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、メチレンクロライド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、ジオキソラン、アセトン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これら溶媒は単独あるいは二種以上を混合して使用することができる。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布する方法はとしては、種々の方法を用いることができるが、例えば、回転塗布、押し出し塗布、バーコーター塗布、ロール塗布、エアーナイフ塗布、ディップ塗布、カーテン塗布等を挙げることができる。感光層の塗布量は、用途により異なるが、乾燥時で0.5〜5.0g/m2が好ましい。
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、もしくは鋼等の金属板や、クロム、亜鉛、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄等がメッキもしくは蒸着された金属板、紙、プラスチックフィルム、もしくはガラス板や、樹脂が塗布された紙や、親水化処理されたプラスチックフィルム等が挙げられる。
本発明の支持体としては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものでなく、従来公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みは、おおよそ0.1〜0.5mm、好ましくは0.12〜0.4mmである。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、表面の圧延油を除去するための、例えば、界面活性剤、またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ブラシ研磨、ボール研磨、ブラスト研磨、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化方法としては、塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭53−123204号公報に開示されている機械的方法と電気化学的な方法を組み合わせた方法も利用することができる。このように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、一般的に硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。
陽極酸化の処理条件は、用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜60質量%溶液、液温は5〜60℃、電流密度2〜50A/dm2、電圧1〜100V、電解時間5秒〜3分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は0.5〜5.0g/m2が適当で、0.5g/m2より少ないと耐摩耗性が悪くなり、5.0g/m2以上であると、陽極酸化の孔に染料などが染み込みやすくなるので好ましくない。
陽極酸化を施された後、アルミニウム板は、さらに、例えばケイ酸アルカリ、リン酸ソーダ、弗化ナトリウム、弗化ジルコニウム、アルキルチタネート、トリヒドロキシ安息香酸などの単独あるいは混合液による化成処理や、熱水溶液への浸漬もしくは水蒸気浴などによる封孔処理や、酢酸ストロンチウム、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、もしくは安息香酸カルシウム等の水溶液による化成あるいは被覆処理や、ポリビニルピロリドン、ポリアミンスルホン酸、ポリビニルフォスホン酸、ポリアクリル酸、もしくはポリメタクリル酸等による化成あるいは被覆処理を後処理として行うこともできる。
さらに、上記支持体として、特開平10−297130号公報に記載の表面処理を施したアルミニウム支持体等も使用することができる。
本発明の平版印刷版原版に、照射するためのレーザー光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザー、半導体レーザーが好ましい。発光波長としては760〜850nmが好ましい。また、紫外線露光用の光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等がある。発光波長としては、300〜500nmが好ましい。
本発明の平版印刷版原版の現像に用いられる現像液および現像補充液としては、水系アルカリ現像液が好適である。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、同リチウム、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、同リチウム、第三リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ剤及び、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、オクタン酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等の有機アルカリ剤等が挙げられる。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合せて混合して用いてもよい。
上記現像液および現像補充液には、必要に応じて界面活性剤、有機溶剤、キレート剤等を添加することができる。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤あるいは両性界面活性剤を使用することができる。
上記陰イオン界面活性剤として、例えば炭素数が8から22のアルコールの硫酸エステル類(例えばポリオキシエチレンアルキルサルフェートソーダ塩)、アルキルアリールスルホン酸塩類(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、ポリオキシエチレンドデシルフェニルサルフェートソーダ塩、アルキルナフタレンスルホン酸ソーダ、ナフタレンスルホンソーダ、ナフタレンスルホンソーダのホルマリン縮合物)、ソジウムジアルキルスルホクシネート、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルリン酸エステルなどを用いることができる。また、両性界面活性剤として、例えばアルキルベタイン型、アルキルイミダゾリン型活性剤が好ましい。
上記溶剤としては、アルコール類、エーテル類が好ましいが、水中(20℃)に10%以上溶解しない溶剤が好ましく、この種の溶剤として、ベンジルアルコール、フェニルグリコールなどが挙げられる。さらに、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸マグネシウムなどの水溶性亜硫酸塩を添加することもできる。
キレート剤としては、例えば、Na227、Na533、Na337、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウム)などのポリリン酸、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、ニトリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、アミノトリ(メチレンフォスホン酸)、そのカリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機フォスホン酸を挙げることができる。中でも、エチレンジアミンテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩、そのアミン塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンフォスホン酸)、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩、ヘキサメチレンジアミンテトラ、そのアンモニウム塩、そのカリウム塩が好ましい。このようなキレート剤の最適量は、使用される硬水の硬度及びその使用量に応じて変化するが、一般的には、使用時の現像液中に0.01〜5質量%の範囲で含有させる。
以下に本発明の実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものでない。
実施例1〜3および比較例1〜3
厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1050)をアルカリ脱脂した後、パーミストンの水懸濁液をかけながらナイロンブラシで表面を研磨し、その後よく水で洗浄した。次いで、70℃、15質量%の水酸化ナトリウム水溶液を5秒間かけ流し、表面を3g/m2エッチングした後、さらに水洗を行い、次いで、1N塩酸およびアルミニウムイオン(20g/L)からなる電解液中で200クーロン/dm2で電解研磨を行った。引き続き水洗した後、70℃、15質量%の水酸化ナトリウム水溶液で表面を再度エッチングし、水洗を行った後、30℃の15%硫酸水溶液中で陽極酸化処理を行って、2.0g/m2の陽極酸化皮膜を形成させた。水洗した後、Aケイ酸カリウム5質量%水溶液で、70℃、10秒間浸漬処理し、水洗、乾燥した。
このようにして作製したアルミニウム支持体上に下記組成の感光液Aを塗布、乾燥させて、平版印刷版用原版を得た。乾燥後の感光層の質量は2.5g/m2であった。
感光液A
バインダー樹脂溶液I(注1)(27.0g)
重合性化合物…ウレタンアクリレート(新中村化学工業製UA−6100)(5.0 g)
重合開始剤…トリフェニルフォスフィン(0.3g)
2−(2,3−ジクロロフェニル)−4、5−ジフェニルイミダゾール二 量体(1.5g)
n−ブチル−トリフェニルホウ素−テトラブチルアンモニウム錯体 (1.0g)
赤外線吸収剤…下記に示すシアニン系色素(G)(0.2g)
表1に記載のマット剤(表記量)
着色剤…オイルブルー613(0.5g)
溶媒…メチルエチルケトン(30g)
シクロヘキサノン(30g)
(注1)感光液Aに使用したバインダー樹脂溶液Iは、以下のようにして合成した。
コンデンサー、温度計、攪拌機を備えた500mlの4つ口丸底フラスコに、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート20g、桂皮酸ビニル40g、メタクリル酸5g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15g、メチルメタクリレート20g、シクロヘキサノン100g添加し、窒素ガス雰囲気中で80〜85℃に加熱攪拌し、さらに、重合開始剤として2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.4g加え、6時間攪拌続ける。その後、反応溶液を75℃まで冷却した後、2−イソシアナトエチルメタクリレート4.7gとジラウリン酸錫0.21gおよびシクロヘキサノン4.9gを加え、68〜72℃で3時間攪拌する。次いで反応液をシクロヘキサンで調整し、30質量%樹脂溶液(バインダー樹脂溶液I)を得た。この樹脂のゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン検算重量平均分子量は約40,000であった。
Figure 2007310291
Figure 2007310291
上記表1の中のPMMAは、綜研化学社製MXシリーズ(ポリメチルメタクリレート微粒子)を使用する。
アエロジルは、日本アエロジル社製アエロジルR972(無水シリカ粒子)を使用する。
上記のように作製した実施例1〜3、比較例1〜3の各平版印刷版の性能評価を以下の通り行った。
[ブロッキングの評価]
上記のようにして作製した各平版印刷原版を合紙なしで積み重ね、5kg/cm2の荷重をかけて、40℃の恒温室に24時間放置した後、版同士のブロックングの有無を調べた。その結果を表2に示す。
[小点再現性の評価]
上記各平版印刷原版を、波長830nmの半導体レーザー(クレオ社製:TrendSetter 400QTM)を用いて、175線、2%網点を100mJの露光量にて露光し、下記組成現像液の1:1に希釈液を仕込んだ自動現像機(Raptor 85 Thermal(Glunz & Jensen社製))にて、液温30℃、現像時間12秒で現像し、2%網点の再現性をシーシードットメーター(エス・ディ・ジー社製)網点面積計にて測定した。その結果を下記表2に示す。
(現像液処方)
トリエタノールアミン 60g
メチルエタンールアミン 25g
ポリオキシエチレンアリルエーテル 85g
ブチルナフタレンスルホン酸 32g
フェニルグリコール 40g
水で1000mlに調整
[耐刷性の評価(網点面積の変化量)]
上記と同様に各平版印刷原版を、上記の半導体レーザーを用いて、175線、5%網点を100mJの露光量にて露光し、上記現像液で現像し、各印刷版を得た。次いで、各印刷版をハイデルベルグGTO印刷機にセットし、湿し水には真水を使用し、印刷インキには平版印刷用インキ(大日本インキ化学工業社製、Fグロス墨)を使用し、上質紙に3万枚印刷し、刷り始めと刷り終わりでの5%の網点面積の以下の計算式で変化量を調べた。変化量が少ない版ほど耐刷性が良いことを示す。その結果を下記表2に示す。
網点変化量%=[1−(刷り終わり5%網点面積/刷り始め5%網点面積)]×100
Figure 2007310291
ブロッキングの評価基準は、○:版同士の接着(ブロッキング)が無い。
×:版同士が接着して、離れない。
表2から明らかなように、本発明の平版印刷版原版は、オーバーコート層を必要とせず、版同 士のブロッキングもなく、小点再現性に優れ、印刷した場合においても網点面積が大きく変化せず、高耐刷性を有している印刷版である。

Claims (3)

  1. 支持体上に光重合性感光層を有する平版印刷版原版において、該感光層中に粒径の異なるマット剤を2種類以上含有することを特徴とする平版印刷版原版。
  2. 前記感光層が少なくとも平均粒径10〜15μmと平均粒径1〜5μmのマット剤とを含有することを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
  3. 前記感光層中に含まれる平均粒径10〜15μmと平均粒径1〜5μmのマット剤の混合割合が1:0.1〜1:10の割合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
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