JP2003140357A - 現像液組成物および画像形成方法 - Google Patents

現像液組成物および画像形成方法

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JP2003140357A
JP2003140357A JP2001339484A JP2001339484A JP2003140357A JP 2003140357 A JP2003140357 A JP 2003140357A JP 2001339484 A JP2001339484 A JP 2001339484A JP 2001339484 A JP2001339484 A JP 2001339484A JP 2003140357 A JP2003140357 A JP 2003140357A
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Keitaro Aoshima
桂太郎 青島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザを用いて記録することにより、コンピ
ュータ等のデジタルデータから直接記録可能なネガ型画
像形成材料に適用し得る、解像力に優れ、現像剤の特性
に起因する経時的な現像性の低下を生じない現像液組成
物および画像形成方法を提供する。 【解決手段】 アミンと界面活性剤を含有し、かつ、有
機溶剤を実質上含有しないアルカリ性水溶液であること
を特徴とする。支持体上に、(A)ラジカル発生剤、及
び、(B)ラジカル重合性化合物を含有する画像記録層
を設けてなるネガ型画像形成材料を、レーザで画像露光
した後、アミンと界面活性剤を含有し、かつ、有機溶剤
を実質上含有しないアルカリ性水溶液を用いて現像する
ことを特徴とする 。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外光線、可視光
線、又は赤外光線に感応性を有する平版印刷版用原版に
用いられる現像液組成物および画像形成方法に関し、詳
しくは、コンピュータ等のデジタル信号からレーザを用
いて直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能なネ
ガ型画像形成材料に適用し得る現像液組成物および画像
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるレーザの発展は目覚しく、
紫外線領域、可視光領域、及び、赤外線領域のいずれに
おいても、高出力かつ小型のものが容易に入手できるよ
うになった。これらのレーザは、コンピュータ等のデジ
タルデータにより直接印刷版を製版する(Comput
er to Plate:以下、適宜、CTPと省略す
る)際の記録光源として非常に有用である。例えば、波
長350nmから550nmの紫外線または可視光線を
放射する固体レーザ及び半導体レーザは、他の波長領域
に比べて安価であるために有用である。また波長760
nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及
び半導体レーザは、他の波長領域に比べて出力が高いた
めに有用である。従って、このようなレーザに対し、感
応性の高い画像形成材料、即ち、レーザ照射により現像
液に対する溶解性が大きく変化する画像形成材料への要
望が近年高まっている。
【0003】このような画像形成材料として、ラジカル
付加重合反応を利用した画像形成材料が提案されてお
り、通常、画像様にレーザ露光した後にアルカリ水溶液
で現像し、画像が形成される。そして、このような現像
工程には、自動現像機が使用されるのが一般的である。
例えば、特開平8−108621号公報には、光重合性
組成物を用いたネガ型の画像形成材料が開示され、ここ
では現像にケイ酸カリウムなどを含む、pHが12を超
える強アルカリ性水溶液が用いられている。このような
高いpHの現像液は、自動現像機中で空気中の炭酸ガス
を吸収し、経時により現像液の活性度が低下するという
問題点があった。
【0004】一方、WO 00/48836号公報に
は、光重合性組成物を用いたネガ型の画像形成材料が開
示され、現像には、ジエタノールアミンをアルカリ剤と
して含有するアルカリ水溶液が用いられている。ジエタ
ノールアミンのようなアミンをアルカリ剤として用いた
現像液は、pHが比較的低く、自動現像機中で空気中の
炭酸ガスを吸収しにくくなり、経時による現像液の活性
度が低下することが無い。しかし、この現像液は、画像
形成した際の解像力が低いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、レーザを用いて記録することにより、コンピュータ
等のデジタルデータから直接記録可能なネガ型画像形成
材料に適用し得る、解像力に優れ、現像剤の特性に起因
する経時的な現像性の低下を生じない現像液組成物およ
び画像形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ネガ型画像
形成材料と現像剤との物性に着目し、鋭意検討の結果、
アルカリ剤と界面活性剤の特性を十分に活かし、不要な
成分を排除することで上記問題を解決し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の現像液
組成物は、アミンと界面活性剤を含有し、かつ、有機溶
剤を実質上含有しないアルカリ性水溶液であることを特
徴とする。また、本発明の画像形成方法は、支持体上
に、(A)ラジカル発生剤、及び、(B)ラジカル重合
性化合物を含有する画像記録層を設けてなるネガ型画像
形成材料を、レーザで画像露光した後、アミンと界面活
性剤を含有し、かつ、有機溶剤を実質上含有しないアル
カリ性水溶液を用いて現像することを特徴とする。
【0007】尚、実質上含有しないとは、意図的に添加
しないことを意味し、例えば、界面活性剤中に含有され
得る不純物としての有機溶剤を含有することは構わな
い。この点から、現像液組成物中に含まれる有機溶剤の
含有量は、0.5重量%以下であり、0.1重量%以下
であることが好ましい。
【0008】一般に有機溶剤は、画像記録層の現像液へ
の溶解性を高めるために、現像液へ添加される。画像記
録層の露光が、例えば水銀灯などのランプを用いて、数
秒以上の長時間かけて露光される場合は、画像記録層の
硬化が十分起こるため、有機溶剤を含有する現像液を用
いても、画像形成性に弊害は無い。しかしながら、レー
ザを用いた走査露光では、露光時間が非常に短く、画像
記録層の硬化が十分には起こらない。例えば、画像形成
材料を平版印刷用原版として用いた場合、特に小さな網
点(ハイライト部)の硬化が不十分であり、有機溶剤を
含有する現像液で現像すると小さな網点が形成されな
い。従って、有機溶剤を含有しない現像液を用いれば、
画像記録層の現像液への溶解性が適度に抑えられ、レー
ザ露光においても、小さな網点を形成することができ
る。
【0009】上記のように、本発明によれば、レーザ光
を用いて記録することにより、コンピューター等のデジ
タルデータから直接記録可能なネガ型画像形成材料に適
用し得る、画像形成性に優れ、現像剤の特性に起因する
経時的な現像性の低下を生じない現像液組成物および画
像形成方法を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の現像液組成物およ
び画像形成方法を詳細に説明する。本発明の現像液組成
物は、アミンをアルカリ剤として含有する。好適なアミ
ンは、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチル
アミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチ
ルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モ
ノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジア
ミン、モリフォリン、ピリジン、アニリン、N,N−ジ
メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、ポリエチ
レンイミン等が挙げられる。これらのアミンの内、トリ
エタノールアミンのように水溶性であるものが特に好ま
しい。これらのアルカリ剤は単独又は2種以上を組み合
わせて用いられる。
【0011】これらのアミンの添加量は、現像液組成物
に対して0.1〜10重量%の範囲が好ましく、0.3
〜7重量%の範囲がより好ましい。添加量が0.1重量
%未満である場合には、画像形成後に印刷すると非画像
部に汚れを生じやすくなり、また、10重量%を超えて
添加すると印刷時に耐刷不良を生じる傾向があり、いず
れも好ましくない。
【0012】本発明の現像液組成物は、界面活性剤を含
有する。界面活性剤は、現像性の促進、現像カスの分散
および印刷版画像部の親インキ性向上に有用である。本
発明に用いる界面活性剤には、特に制限はなく、ノニオ
ン性、アニオン性、カチオン性および両性界面活性剤の
いずれも用いることができる。
【0013】ノニオン性界面活性剤の好ましい例として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ
チレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエ
チレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリ
セリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エ
ステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル
類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ
糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビト
ール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノ
ールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキル
アミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエ
タノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオ
キシドなどが挙げられる。
【0014】アニオン性界面活性剤の好ましい例として
は、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカ
ンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキ
ルスルホこはく酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼン
スルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩
類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェ
ノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩
類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、
N−アルキルスルホこはく酸モノアミド二ナトリウム塩
類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脂
油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アル
キル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エ
ステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフ
ェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルりん酸エス
テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類りん
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルりん酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン
酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイ
ン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸
塩ホルマリン縮合物類などが挙げられる。
【0015】カチオン性界面活性剤の好ましい例として
は、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポ
リアミン誘導体などが挙げられる。両性界面活性剤の好
ましい例としては、カルボキシベタイン類、アミノカル
ボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、
イミダゾリン類などが挙げられる。なお、以上挙げた界
面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリ
オキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブ
チレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることも
でき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0016】なかでも、浸透性、及び、現像後の感光層
成分の現像液中での分散性が良好であるという観点か
ら、アニオン性界面活性剤が好ましく、特に、スルホン
酸塩またはモノスルフェートの塩を有するアニオン性活
性剤が好ましい。界面活性剤の添加量は、現像液組成物
に対して0.2〜30重量%であることが好ましく、さ
らに好ましくは0.5〜20重量%の範囲である。添加
量が0.2重量%未満では、非画像部に汚れを生じる虞
があり、添加量が30重量%を越えると、耐刷性が低下
する傾向があり、いずれも好ましくない。
【0017】本発明の現像液組成物は、さらに、硬水軟
化剤つまりキレート剤を含有することが好ましい。好ま
しいキレート剤としては、例えば、エチレンジアミン4
酢酸4ナトリウム塩、エチレンジアミン4酢酸、グリコ
ールエーテルジアミン4酢酸、2−ホスホノブタン−
1,2,4−トリカルボン酸、エチレンジアミンテトラ
(メチレンホスホン酸)、アミノトリ(メチレンホスホ
ン酸)、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン
酸、を挙げることができる。キレート剤の添加量は、現
像液組成物に対して0.001〜10重量%であること
が好ましい。また、本発明の現像液組成物には必要に応
じて、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の添加剤
を併用することができる。このような添加剤としては、
ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸な
どの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、有
機カルボン酸、消泡剤等が挙げられる。
【0018】本発明の現像液組成物は、露光されたネガ
型画像形成材料の現像液および補充液として用いられ、
自動現像機に適用することが好ましい。自動現像機を用
いて現像する場合には、仕込み時の現像液より炭酸水素
塩濃度の高い補充液を現像液に加えることによって、長
時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量の平
版印刷版を処理できる。本発明においてもこの補充方式
が好ましく適用される。
【0019】本発明の画像形成方法は、支持体上に、
(A)ラジカル発生剤、及び、(B)ラジカル重合性化
合物を含有する画像記録層を設けてなるネガ型画像形成
材料を、レーザで画像露光した後、炭酸水素塩のみをア
ルカリ剤として含有し、pHが7から9.5の範囲にあ
る弱アルカリ性水溶液を用いて現像することを特徴とす
る。ここで、このネガ型画像形成材料について説明す
る。
【0020】本発明のネガ型画像記録層としては、
(A)ラジカル発生剤(ラジカル重合開始剤)と、発生
したラジカルにより重合反応を起こして硬化する(B)
ラジカル重合性化合物とを含有する。この画像記録層で
は、露光により、(A)ラジカル重合開始剤が分解し、
ラジカルを発生する。(B)ラジカル重合性化合物は、
少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有し、末
端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは
2個以上有する化合物から選ばれ、発生したラジカルに
より連鎖的に重合反応が生起し、硬化して画像部が形成
される。以下、他の画像記録層の構成成分について説明
する。
【0021】[(A)ラジカル発生剤]本発明において
好適に用いられるラジカル発生剤としては、トリアハロ
メチル基を有するS−トリアジン、ボレート塩、及びオ
ニウム塩が挙げられる。オニウム塩としては、ヨードニ
ウム塩、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩が挙げられ
る。これらのオニウム塩は酸発生剤としての機能も有す
るが、後述するラジカル重合性化合物と併用する際に
は、ラジカル重合の開始剤として機能する。特に、後述
する赤外線吸収剤と組み合わせると、加熱或いは露光領
域で、熱により、オニウム塩等のラジカル重合開始剤が
分解し、ラジカルを発生する。本発明において好適に用
いられるオニウム塩は、下記一般式(1)〜(3)で表
されるオニウム塩である。
【0022】
【化1】
【0023】式(1)中、Ar11とAr12は、それぞれ
独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個以
下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有す
る場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニト
ロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数
12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以
下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロゲン
イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオ
ン、カルボン酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェート
イオン、およびスルホン酸イオン等の対イオンを表し、
好ましくは、過塩素酸イオン、カルボン酸イオン、およ
びアリールスルホン酸イオンである。
【0024】式(2)中、Ar21は、置換基を有してい
ても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好
ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素
原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下
のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキ
シ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素
原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数1
2個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個
以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z21 -はZ11-
と同義の対イオンを表す。
【0025】式(3)中、R31、R32及びR33は、それ
ぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していて
も良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ま
しい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原
子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下の
アルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリール
オキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオン
を表す。
【0026】本発明において、好適に用いることのでき
るオニウム塩の具体例としては、以下に挙げるが、本発
明はこれらに制限されるものではない。
【0027】
【化2】
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】本発明において用いられるラジカル発生剤
は、極大吸収波長が400nm以下であることが好まし
く、さらに360nm以下であることが好ましい。この
ように吸収波長を紫外線領域にすることにより、平版印
刷版原版の取り扱いを白灯下で実施することができる。
【0033】これらのラジカル発生剤は、画像記録層塗
布液の全固形分に対し0.1〜50重量%、好ましくは
0.5〜30重量%、特に好ましくは1〜20重量%の
割合で画像記録層塗布液中に添加することができる。添
加量が0.1重量%未満であると感度が低くなり、また
50重量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生す
る。これらのラジカル発生剤は、1種のみを用いても良
いし、2種以上を併用しても良い。また、これらのラジ
カル発生剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、
別の層を設けそこへ添加してもよい。
【0034】[(B)ラジカル重合性化合物]本発明に
係る画像記録層に使用されるラジカル重合性化合物は、
少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有するラ
ジカル重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合
を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物か
ら選ばれる。この様な化合物群は当該産業分野において
広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特
に限定無く用いる事ができる。これらは、例えばモノマ
ー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリ
ゴマー、またはそれらの混合物ならびにそれらの共重合
体などの化学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合
体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロ
トン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド
類があげられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族
多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸
と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の
求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミ
ド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類、エポキ
シ類との付加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボ
ン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、
イソシアナート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有
する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官
能もしくは多官能のアルコール類、アミン類およびチオ
ール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオ
キシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エス
テルまたはアミド類と、単官能もしくは多官能のアルコ
ール類、アミン類およびチオール類との置換反応物も好
適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン
酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換
えた化合物群を使用する事も可能である。
【0035】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体
例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テ
トラメチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシ
プロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリ
レート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シ
クロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエ
リスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、
ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタ
アクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ
(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリ
エステルアクリレートオリゴマー等がある。
【0036】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメ
チルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキ
シ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0037】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコール
ジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビト
ールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネー
ト、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビ
トールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリ
エチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトール
ジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
【0038】その他のエステルの例として、例えば、特
公昭46−27926、特公昭51−47334、特開
昭57−196231記載の脂肪族アルコール系エステ
ル類や、特開昭59−5240、特開昭59−524
1、特開平2−226149記載の芳香族系骨格を有す
るもの、特開平1−165613記載のアミノ基を含有
するもの等も好適に用いられる。
【0039】また、イソシアネートと水酸基の付加反応
を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適
であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭4
8−41708号公報中に記載されている1分子に2個
以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化
合物に、下記一般式(4)で示される水酸基を含有する
ビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合
性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げら
れる。
【0040】一般式(4) CH2=C(R41)COOCH2CH(R42)OH (ただし、R41およびR42は、HまたはCH3を示
す。)
【0041】これらのラジカル重合性化合物について、
どの様な構造を用いるか、単独で使用するか併用する
か、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終
的な記録材料の性能設計にあわせて、任意に設定でき
る。例えば、次のような観点から選択される。感度の点
では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好まし
く、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、画像
部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以
上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性
基を有する化合物(例えば、アクリル酸エステル系化合
物、メタクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物
等)を組み合わせて用いることで、感光性と強度の両方
を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物
や、疎水性の高い化合物は感度や膜強度に優れる反面、
現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく
無い場合がある。また、画像記録層中の他の成分(例え
ばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶
性、分散性に対しても、ラジカル重合化合物の選択・使
用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用
や、2種以上化合物の併用によって、相溶性を向上させ
うることがある。また、支持体、オーバーコート層等の
密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択すること
もあり得る。画像記録層中のラジカル重合性化合物の配
合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多す
ぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、画像記
録層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、記録層
成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液から
の析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点か
ら、ラジカル重合性化合物の好ましい配合比は、多くの
場合、組成物全成分に対して5〜80重量%、好ましく
は20〜75重量%である。また、これらは単独で用い
ても2種以上併用してもよい。そのほか、ラジカル重合
性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解
像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から
適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場
合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法
も実施しうる。
【0042】[(C)光吸収剤]本発明は、紫外光線、
可視光線、又は赤外光線に感応して画像形成を行うこと
から、画像記録層中に光吸収剤を含有することが好まし
い。本発明において用いられる光吸収剤は紫外線、可視
光、又は赤外線を吸収する化合物であり、ラジカル発生
剤と組み合わせることによりラジカルを発生する。この
ような組合せとしては、例えば、紫外域に感度を示す開
始剤としてはアセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾ
フェノン系、チオキサンソン系などが挙げられる。
【0043】また、可視光域に感度を示す開始剤として
は、有機過酸化物とクロロフィルとの組合せ、有機過酸
化物とエオシンGとの組合せ、有機過酸化物とリボフラ
ビンとの組合せ、有機過酸化物とメチレンブルーとの組
合せ、有機過酸化物と(チオ)ピリリウム塩との組合せ、
有機過酸化物とメロシアニンとの組合せ、有機過酸化物
とキノリンとの組合せ、有機過酸化物とスチリルキノン
との組合せ、有機過酸化物と(チオ)キサンテン系色素と
の組合せ、有機過酸化物とリボフラビンテトラブチレー
トとの組合せ、有機過酸化物と(ケト)クマリン系色素と
の組合せ、有機過酸化物とN−フェニルグリシンとチオ
キサンテン系色素との組合せ、ジフェニルヨードニウム
塩とメロシアニン色素との組合せ、ジフェニルヨードニ
ウム塩とローダニン誘導体ポリマーとの組合せ、ジフェ
ニルヨードニウム塩とケトクマリン系色素との組合せ、
ジフェニルヨードニウム塩とテトラフェニルポルフィリ
ン系色素との組合せ、ジフェニルヨードニウム塩とテト
ラベンゾポルフィリンとの組合せ、ジフェニルヨードニ
ウム塩とスピロピランとの組合せ、
【0044】ジフェニルヨードニウム塩とN−フェニル
グリシンとチオキサンテン系色素との組合せ、ジフェニ
ルヨードニウム塩とN−フェニルグリシンとメロシアニ
ン系色素との組合せ、シアニン系色素、シアニン系色素
のアルキルほう酸塩、ローダミン系色素のアルキルほう
酸塩、メチレンブルー系色素のアルキルほう酸塩、鉄ア
レーン錯体、鉄アレーン錯体とケトクマリン系色素との
組合せ、鉄アレーン錯体とチオキサンテン系色素との組
合せ、チタノセン、チタノセンとメロシアニン系色素と
の組合せ、ビスイミダゾールとアリーリリデンアリール
ケトンとの組合せ、ビスイミダゾールとケトクマリン系
色素との組合せ、N−フェニルグリシンとケトクマリン
系色素との組合せ、N−フェニルグリシンと(チオ)キサ
ンテン系色素との組合せ、トリス(トリクロロメチル)−
s−トリアジン誘導体、トリス(トリクロロメチル)−s
−トリアジン誘導体とメロシアニン系色素との組合せ、
トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体とケ
トクマリン系色素との組合せ、トリス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン誘導体とチオピリリウム塩との組
合せ、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導
体とチオキサンテン系色素との組合せ、アミノ安息香酸
エステルとリボフラビンテトラブチレートとの組合せ、
2−メルカプトベンゾイミダゾールとチオピリリウム塩
との組合せ等が挙げられる。さらに、近赤外光に感度を
有する開始剤は例えば、近赤外域吸収性カチオン染料の
ボレート塩、近赤外域吸収カチオン性染料とボレート塩
の組合せ、近赤外域吸収性カチオン染料とトリアジン化
合物の組合せ等が挙げられる。
【0045】本発明に係る画像記録材料の画像記録層
を、赤外線を発するレーザで記録する場合には、露光に
使用された赤外光を熱に変換する機能を有する光吸収剤
を添加することが感度向上の観点から好ましい。このよ
うな光吸収剤としては、特に波長760nmから120
0nmに吸収極大を有する染料又は顔料が好ましい。以
下に、赤外域に吸収を有する光吸収剤(赤外線吸収剤)
について詳述する。
【0046】染料としては、市販の染料及び例えば「染
料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の
文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、例えば、特開平10−39509号公報の段落番
号[0050]〜[0051]に記載のものを挙げるこ
とができる。これらの染料のうち特に好ましいものとし
ては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム
塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シ
アニン色素が好ましく、特に下記一般式(5)で示され
るシアニン色素が最も好ましい。
【0047】
【化7】
【0048】一般式(5)中、X1は、ハロゲン原子、
2−L1またはNL23を示す。ここで、X2は酸素原
子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜1
2の炭化水素基を示し、L2及びL3はそれぞれ独立に炭
素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1およびR
2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素
基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R1および
2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが
好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環
または6員環を形成していることが特に好ましい。Ar
1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置
換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。
1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫
黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレ
ン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なってい
ても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個
以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭
素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、
スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7およびR8は、そ
れぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭
素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性
から、好ましくは水素原子である。また、Z1-は、対ア
ニオンを示す。ただし、R1〜R8のいずれかにスルホ基
が置換されている場合は、Z1-は必要ない。好ましいZ
1-は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオ
ン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、
ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびスルホン
酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ト
リフルオロメチルスルホン酸イオン、およびアリールス
ルホン酸イオンである。
【0049】本発明において、好適に用いることのでき
る一般式(5)で示されるシアニン色素の具体例として
は、以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるもの
ではない。
【0050】
【化8】
【0051】
【化9】
【0052】
【化10】
【0053】
【化11】
【0054】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。
【0055】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、
青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、
ポリマー結合色素が挙げられる。これらの顔料の詳細
は、特開平10−39509号公報の段落番号[005
2]〜[0054]に詳細に記載されており、これらを
本発明にも適用することができる。これらの顔料のうち
好ましいものはカーボンブラックである。
【0056】画像記録層中における、上述の染料又は顔
料の含有量としては、画像記録層の全固形分重量に対
し、0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜10重
量%がより好ましく、さらに染料の場合には、0.5〜
10重量%が最も好ましく、顔料の場合には、1.0〜
10重量%が最も好ましい。前記含有量が、0.01重
量%未満であると、感度が低くなることがあり、50重
量%を超えると、平版印刷用原版とした場合の非画像部
に汚れが発生することがある。
【0057】[(D)バインダーポリマー]本発明にお
いては、画像記録層にさらにバインダーポリマーを添加
することが膜性向上の観点から好ましい。バインダーと
しては線状有機ポリマーを用いることが好ましい。この
ような「線状有機ポリマー」としては、どれを使用して
も構わない。好ましくは水現像あるいは弱アルカリ水現
像を可能とするために、水あるいは弱アルカリ水可溶性
または膨潤性である線状有機ポリマーが選択される。線
状有機ポリマーは、画像記録層を形成するための皮膜形
成剤としてだけでなく、水、弱アルカリ水あるいは有機
溶剤現像剤としての用途に応じて選択使用される。例え
ば、水可溶性有機ポリマーを用いると水現像が可能にな
る。このような線状有機ポリマーとしては、側鎖にカル
ボン酸基を有するラジカル重合体、例えば特開昭59−
44615号、特公昭54−34327号、特公昭58
−12577号、特公昭54−25957号、特開昭5
4−92723号、特開昭59−53836号、特開昭
59−71048号に記載されているもの、すなわち、
メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン
酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合
体、部分エステル化マレイン酸共重合体等がある。また
同様に側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導
体がある。この他に水酸基を有する重合体に環状酸無水
物を付加させたものなどが有用である。
【0058】特にこれらの中で、ベンジル基またはアリ
ル基と、カルボキシル基を側鎖に有する(メタ)アクリ
ル樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れてお
り、好適である。
【0059】また、特公平7−12004号、特公平7
−120041号、特公平7−120042号、特公平
8−12424号、特開昭63−287944号、特開
昭63−287947号、特開平1−271741号等
に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリ
マーは、非常に、強度に優れるので、耐刷性・低露光適
性の点で有利である。
【0060】さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーと
して、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド
等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにア
ルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロ
キシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリ
エーテル等も有用である。
【0061】本発明で使用されるポリマーの重量平均分
子量については好ましくは5000以上であり、さらに
好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量に
ついては好ましくは1000以上であり、さらに好まし
くは2000〜25万の範囲である。多分散度(重量平
均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに
好ましくは1.1〜10の範囲である。
【0062】これらのポリマーは、ランダムポリマー、
ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい
が、ランダムポリマーであることが好ましい。
【0063】本発明で使用されるバインダーポリマーは
単独で用いても混合して用いてもよい。これらポリマー
は、画像記録層塗布液の全固形分に対し20〜95重量
%、好ましくは30〜90重量%の割合で画像記録層中
に添加される。添加量が20重量%未満の場合は、画像
形成した際、画像部の強度が不足する。また添加量が9
5重量%を越える場合は、画像形成されない。またラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合
物と線状有機ポリマーは、重量比で1/9〜7/3の範
囲とするのが好ましい。
【0064】[その他の成分]本発明では、さらに必要
に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。
例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色
剤として使用することができる。具体的には、オイルイ
エロー#101、オイルイエロー#103、オイルピン
ク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBO
S、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイ
ルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリ
エント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、
クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバ
イオレット(CI42535)、エチルバイオレット、
ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリ
ーン(CI42000)、メチレンブルー(CI520
15)等、及び特開昭62−293247号に記載され
ている染料を挙げることができる。また、フタロシアニ
ン系顔料、アゾ系顔料、酸化チタンなどの顔料も好適に
用いることができる。これらの着色剤は、画像形成後、
画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方
が好ましい。なお、添加量は、画像記録層塗布液全固形
分に対し、0.01〜10重量%の割合である。
【0065】また、本発明においては、画像記録層は光
重合層である場合、塗布液の調製中あるいは保存中にお
いてラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有
する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重
合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止
剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、
ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−
ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン
アルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量
は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重
量%が好ましい。また必要に応じて、画像記録層の摩擦
係数を下げ、キズを防止するためにベヘン酸やベヘン酸
アミドのような高級脂肪酸誘導体や1−ドコサノールの
ようなアルコール等を添加して、塗布後の乾燥の過程で
画像記録層の表面に偏在させてもよい。
【0066】また、本発明における画像記録層塗布液中
には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特
開昭62−251740号や特開平3−208514号
に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭5
9−121044号、特開平4−13149号に記載さ
れているような両性界面活性剤を添加することができ
る。
【0067】非イオン界面活性剤の具体例としては、ソ
ルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテー
ト、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセ
リド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が
挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、
商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられ
る。上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の画像
記録層塗布液中に占める割合は、0.05〜15重量%
が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0068】さらに、本発明に係る画像記録層塗布液中
には、必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可
塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、
クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン
酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチ
ル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル等が用いられ
る。
【0069】本発明の画像記録材料を製造するには、通
常、画像記録層塗布液に必要な上記各成分を溶媒に溶か
して、適当な支持体上に塗布すればよい。ここで使用す
る溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサ
ノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパ
ノール、1−メトキシ−3−プロパノール、2−メトキ
シエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセ
テート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラ
クトン、トルエン、水等を挙げることができるがこれに
限定されるものではない。これらの溶媒は単独又は混合
して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固
形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。
【0070】また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画
像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、
平版印刷版原版についていえば一般的に0.5〜5.0
g/m2が好ましい。塗布する方法としては、種々の方
法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗
布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ
塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等
を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、
見かけの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす画
像記録層の皮膜特性は低下する。
【0071】[支持体]本発明の画像記録材料において
前記画像記録層及びバックコート層を塗布可能な支持体
としては、寸度的に安定な板状物であり、例えば、紙、
プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板
(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチック
フィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロー
ス、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪
酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上
記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙又はプ
ラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体と
しては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が挙
げられる。
【0072】本発明の画像記録材料に使用する支持体と
しては、軽量で表面処理性、加工性、耐食性に優れたア
ルミニウム板を使用することが好ましい。この目的に供
されるアルミニウム材質としては、JIS 1050
材、JIS 1100材、JIS 1070材、Al−
Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg系合
金、Al−Zr系合金。Al−Mg−Si系合金などが
挙げられる。
【0073】アルミニウム板は表面に粗面化処理等の表
面処理を行い、画像記録層を塗布して平版印刷版原版と
することが出来る。粗面化処理には、機械的粗面化、化
学的粗面化、電気化学的粗面化が単独又は組み合わせて
行われる。また、表面のキズ付き難さを確保するための
陽極酸化処理を行ったり、親水性を増すための処理を行
うことも好ましい。
【0074】以下に支持体の表面処理について説明す
る。アルミニウム板を粗面化するに先立ち、必要に応
じ、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、
有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が
行われてもよい。アルカリの場合、次いで酸性溶液で中
和、スマット除去などの処理を行ってもよい。
【0075】次いで支持体と画像記録層の密着性を良好
にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支持体の表
面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理がなされてい
る。この砂目立て処理法の具体的手段としては、サンド
ブラスト等の機械的砂目立て方法があり、またアルカリ
または酸あるいはそれらの混合物からなるエッチング剤
で表面を粗面化処理する化学的砂目立て方法がある。ま
た、電気化学的砂目立て方法、支持体材料に、粒状体を
接着剤またはその効果を有する方法で接着させて表面を
粗面化する方法や、微細な凹凸を有する連続帯やロール
を支持体材料に圧着させて凹凸を転写する粗面化方法等
公知の方法を適用できる。
【0076】これらのような粗面化方法は複数を組み合
わせて行ってもよく、その順序、繰り返し数などは任意
に選択することができる。前述のような粗面化処理すな
わち砂目立て処理して得られた支持体の表面には、スマ
ットが生成しているので、このスマットを除去するため
に適宜水洗あるいはアルカリエッチング等の処理を行う
ことが一般的に好ましい。
【0077】本発明に用いられるアルミニウム支持体の
場合には、前述のような前処理を施した後、通常、耐摩
耗性、耐薬品性、保水性を向上させるために、陽極酸化
によって支持体に酸化皮膜を形成させる。アルミニウム
板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸
化皮膜を形成するものならばいかなるものでも使用する
ことができ、一般には硫酸、リン酸、蓚酸、塩酸、硝酸
あるいはこれらの混酸が用いられる。それらの電解質の
濃度は電解質の種類によって適宜決められる。陽極酸化
の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に
特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80%
溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/d
2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲
にあれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m
2以上が好適であるが、より好ましくは2.0〜6.0
g/m2の範囲である。陽極酸化皮膜が1.0g/m2
満であると耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非
画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にイン
キが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0078】前記陽極酸化処理を施された後、前記アル
ミニウムの表面は、必要に応じてシリケート処理等の親
水化処理が施される。このようなアルミニウム支持体は
陽極酸化処理後に有機酸またはその塩による処理また
は、画像記録層塗布の下塗り層を適用して用いることが
できる。
【0079】なお支持体と画像記録層との密着性を高め
るための中間層を設けてもよい。密着性の向上のために
は中間層は、ジアゾ樹脂や、ホスホン酸またはリン酸化
合物、あるいはアルミニウムアルコキシドのようなアル
ミニウム化合物等を用いても良い。中間層の厚さは任意
であり、露光した時に、上層の画像記録層と均一な結合
形成反応を行い得る厚みでなければならない。通常、乾
燥固体で約1〜100mg/m2の塗布割合がよく、5
〜40mg/m2が特に良好である。支持体表面に以上
のような処理或いは、下塗りなどが施された後、支持体
の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。
かかるバックコートとしては特開平5−45885号公
報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174
号記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重
縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好まし
く用いられる。
【0080】平版印刷版用支持体として好ましい特性と
しては、中心線平均粗さで0.10〜1.2μmであ
る。0.10μmより低いと画像記録層と密着性が低下
し、著しい耐刷の低下を生じてしまう。1.2μmより
大きい場合、印刷時の汚れ性が悪化してしまう。さらに
支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜
0.65であり、0.15より白い場合、画像露光時の
ハレーションが強すぎ画像形成に支障をきたしてしま
い、0.65より黒い場合、現像後の検版作業において
画像が見難くく、著しく検版性が悪いものとなってしま
う。
【0081】以上のようにして、本発明に用いるの画像
形成材料を作成することができる。この画像形成材料
は、赤外線レーザで記録できる。本発明においては、波
長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体
レーザ及び半導体レーザにより画像露光されることが好
ましい。レーザの出力は100mW以上が好ましく、露
光時間を短縮するため、マルチビームレーザデバイスを
用いることが好ましい。また、1画素あたりの露光時間
は20μ秒以内であることが好ましい。形成材料に照射
されるエネルギーは10〜300mJ/cm2であるこ
とが好ましい。また、本発明においては、波長300n
mから550nmの紫外線および可視光線を放射するガ
スレーザ、固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光
されることも好ましい。レーザの出力は1mW以上が好
ましく、形成材料に照射されるエネルギーは0.05〜
10mJ/cm2であることが好ましい。
【0082】画像形成材料はレーザにより露光した後、
先に詳細に述べた本発明の現像液組成物にて現像され
る。 現像処理された画像形成材料は、所望により水洗
水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや
澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理されたのち、平版
印刷版として使用される。
【0083】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化及び標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く
用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後
処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液
槽とスプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平
に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレ
ーノズルから吹き付けて現像処理するものである。ま
た、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイド
ロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する
方法も知られている。このような自動処理においては、
各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充し
ながら処理することができる。また、電気伝導度やpH
をセンサーにて感知し、自動的に補充することもでき
る。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる
使い捨て処理方式も適用できる。本発明の方法によれ
ば、経時的な炭酸ガスおよび加水分解による現像性の低
下の懸念がないため、これらの自動現像機のいずれにも
本発明の方法を好適に適用することができる。
【0084】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合には、後露光やバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に
特公昭61−2518号、同55−28062号、特開
昭62−31859号、同61−159655号の各公
報に記載されているような整面液で処理することが好ま
しい。その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポ
ンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液
を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法
や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗
布した後でスキージ又はスキージローラーで、その塗布
量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。整
面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥
重量)が適当である。
【0085】整面液が塗布された平版印刷版は必要であ
れば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、
富士写真フイルム(株)より販売されているバーニング
プロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱され
る。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成してい
る成分の種類にもよるが、100〜300℃の範囲で1
〜20分の範囲が好ましい。
【0086】バーニング処理された平版印刷版は、必要
に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来行なわれている
処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を
含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのい
わゆる不感脂化処理を省略することができる。
【0087】本発明の画像形成方法によって得られた平
版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印
刷に用いられる。
【0088】
〔実施例1〕
[支持体の作製]厚さ0.30mmのアルミニウムウエ
ッブ(材質1050)を、トリクロロエチレン洗浄して
脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス
トン−水懸濁液を用い、その表面を砂目立てし、よく水
で洗浄した。このアルミニウムウエッブを25%水酸化
ナトリウム水溶液(45℃)中に9秒間浸漬し、エッチ
ングを行い水洗した後、さらに2%HNO3水溶液中に
20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエ
ッチング量は、約3g/m2であった。次いで、電解質
溶液に7%硫酸を用い、電流密度15A/dm2によ
り、前記アルミニウムウエッブ上に3g/m2の直流陽
極酸化被膜を設けた。この後印刷版非画像部としての親
水性を確保するため、シリケート処理を行った。処理は
3号珪酸ソーダ1.5%水溶液を70℃に保ちアルミウ
エッブの接触時間が15秒となるよう通搬し、さらに水
洗した。Siの付着量は10mg/m2であった。
【0089】[下塗り]次に、このアルミニウム支持体
に下記下塗り液をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥
装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被服
量は80mg/m2であった。
【0090】 <下塗り液> ・アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 1.0g (川研ファインケミカル(株)製アルミキレートM) ・メタノール 100g ・イオン交換水 10g
【0091】[画像記録層の形成]下記画像記録層塗布
液を前記下塗り層を形成した支持体上に、ワイヤーバー
で塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で45秒間乾燥
して画像記録層を形成し、実施例1の平版印刷版原版
[P−1]を得た。乾燥後の塗布量は2.0g/m2
あった。尚、ポリマー(PB−1)は、メタクリル酸、
アクリルアミドおよびベンジルメタクリレートの共重合
体を合成した後、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル
メタクリレートと、塩基およびヨウ化カリウム存在下で
反応させることにより合成した。組成モル比は、15:
30:15:40であり、重量平均分子量は10万であ
った。
【0092】 <画像記録層用塗布液[P−1]> ・オニウム塩[OS−7] 0.25g ・重合性化合物[RM−1] 0.60g ・赤外線吸収剤[IR−13] 0.06g ・ポリマー[PB−1] 1.40g ・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩 0.04g ・1−ドコサノール 0.01g ・重合禁止剤 0.005g (イルガノックス1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・フッ素系界面活性剤 0.03g (メガファックKF309、大日本インキ化学工業(株)製) ・メチルエチルケトン 10g ・γ−ブチロラクトン 5g ・メタノール 7g ・1−メトキシ−3−プロパノール 5g
【0093】なお、上記実施例に用いた各化合物の構造
式を以下に示す。
【0094】
【化12】
【0095】[現像液組成物の評価]版材供給装置(S
A−L8000)、露光装置(Luxel T−900
0CTP)、コンベア(T−9000 Conveyo
r)、自動現像機(LP−1310H)、ストッカー
(ST−1160)より成る冨士写真フイルム(株)C
TP出力システムを用いた。自動現像機の現像処理槽
に、下記組成の現像液組成物(V−1)を仕込み、30
℃に保温した。自動現像機の第二浴目には、水道水を仕
込み、第三浴目には、FN−6(富士写真フイルム
(株)製):水=1:1希釈したフィニッシングガム液
を仕込んだ。
【0096】 <現像液組成物[V−1]> ・トリエタノールアミン 30g ・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム 50g ・亜硫酸ナトリウム 1g ・2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸 2g ・シリコーンSA730 0.1g (東芝シリコーン(株)製界面活性剤) ・水 916.9g
【0097】次に、平版印刷版用原版[P−1]を、版
材供給装置に装填し、全自動で連続して、露光、現像処
理し、ストッカーへ排出した。露光時の解像度は240
0dpiで175線で、網点を0.5〜99.5%の範
囲で変更し行った。得られた平版印刷版[P−1]の網
点の形成状況を、ルーペを用い目視にて観察した。その
結果、0.5%〜99.5%のすべての網点が形成され
ていた。
【0098】〔実施例2〕 [現像液組成物の経時性の評価]実施例1において、現
像液組成物(V−1)を自動現像機の現像処理槽に仕込
んだ後、1週間そのまま放置した以外は、実施例1と同
様にして、平版印刷版用原版[P−1]を画像形成し
た。得られた平版印刷版[P−1]の網点の形成状況
を、ルーペを用い目視にて観察した。その結果、0.5
%〜99.5%のすべての網点が形成されていた。
【0099】〔比較例1〕上記現像液組成物[V−1]
に代えて下記処方の現像液[W−1]を用いた以外は実
施例1と同様にしてネガ型平版印刷版[Q−1]を得て
比較例1とした。
【0100】 <現像液組成物[W−1]> ・フェノキシエタノール 30g ・トリエタノールアミン 20g ・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム 25g ・トルエンスルホン酸ナトリウム 5g ・亜硫酸ナトリウム 1g ・2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸 2g ・シリコーンSA730 0.1g (東芝シリコーン(株)製界面活性剤) ・水 916.9g
【0101】次に、平版印刷版[Q−1]を、実施例1
と同様にして画像形成した。この際得られた平版印刷版
[Q−1]の網点の形成状況を、ルーペを用い目視にて
観察した。その結果、2%〜99.5%の網点が形成さ
れ、0.5%と1%の小さな網点は形成されなかった。
【0102】〔実施例3〕 [支持体の作製]厚さ0.30mmのアルミニウムウエ
ッブ(材質1050)を、表面の圧延油を除去するため
10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃30秒間脱脂処
理を行い、30%硫酸水溶液で50℃30秒間中和、ス
マット除去処理を行った。
【0103】次いで支持体と感光層の密着性を良好に
し、砂目立て処理を行った。1%の塩酸と0.5%の硝
酸アルミを含有する水溶液を45℃に保ち、アルミウェ
ブを水溶液中に流しながら、間接給電セルにより電流密
度20A/dm2、デューティー比1:1の交番波形で
アノード側電気量240C/dm2を与えることで電解
砂目立てを行った。その後10%アルミン酸ソーダ水溶
液で50℃30秒間エッチング処理を行い、30%%硫
酸水溶液で50℃30秒間中和、スマット除去処理を行
った。
【0104】さらに、酸化皮膜を形成させた。電解質と
して硫酸20%水溶液を35℃で用い、アルミウェブを
電解質中に通搬しながら、間接給電セルにより14A/
dm 2の直流で電解処理を行うことで2.5g/m2の陽
極酸化皮膜を作成した 実施例1で作成したアルミニウ
ム支持体に下記下塗り液をワイヤーバーにて塗布し、温
風式乾燥装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥
後の被服量は20mg/m2であった。
【0105】 <下塗り液> ・ポリビニルホスホン酸 0.4g ・メタノール 20g ・イオン交換水 80g
【0106】[画像記録層の形成]下記画像記録層塗布
液[P−2]を前記下塗り層を形成した支持体上に、ワ
イヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で4
5秒間乾燥して記録層を形成し、さらに、下記オーバー
コート層塗布液をスライドホッパーを用いて塗布し、温
風式乾燥装置にて120℃で75秒間乾燥して実施例2
の平版印刷版用原版[P−2]を得た。尚、画像記録層
の塗布量は2.0g/m2であり、オーバーコート層の
塗布量は2.3g/m2であった。尚、ポリマー[PB
−2]は、メタクリル酸、N−イソプロピルアクリルア
ミドおよびエチルメタクリレートの共重合体を合成した
後、1,2−エポキシ−3−メタクリロイルオキシメチ
ルシクロヘキサンと反応させることにより合成した。組
成モル比は、15:30:20:35であり、重量平均
分子量は12万であった。
【0107】 <画像記録層用塗布液[P−2]> ・2−(p−トリフルオロメチルフェニル)− 0.10g 4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン ・重合性化合物[RM−2] 0.60g ・重合性化合物[RM−3] 0.20g ・紫外可視光吸収剤[VR−1] 0.10g ・ポリマー[PB−2] 1.20g ・銅フタロシアニン顔料 0.04g ・重合禁止剤 0.005g (クペロンAl、和光純薬(株)製) ・フッ素系界面活性剤 0.03g (メガファックKF309、大日本インキ化学工業(株)製) ・メチルエチルケトン 10g ・γ−ブチロラクトン 5g ・メタノール 7g ・1−メトキシ−2−プロパノール 5g
【0108】なお、上記実施例に用いた各化合物の構造
式を以下に示す。
【0109】
【化13】
【0110】 <オーバーコート層用塗布液> ・ポリビニルアルコール 3.0g (ケン化度98.5モル%、重合度500) ・非イオン性界面活性剤 0.05g (EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製) ・イオン交換水 96.95g
【0111】[現像液組成物の評価]冨士写真フイルム
(株)製自動現像機(LP−850P2)の現像処理槽
に、下記組成の現像液組成物(V−2)を仕込み、30
℃に保温した。自動現像機の第二浴目には、水道水を仕
込み、第三浴目には、FP−2W(富士写真フイルム
(株)製):水=1:1希釈したフィニッシングガム液
を仕込んだ。
【0112】 <現像液組成物[V−2]> ・ジエタノールアミン 20g ・トリメチレンジアミン 5g ・ポリエチレングリコールモノナフチルエーテル 30g ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5g ・1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 2g ・シリコーンSA730 0.1g (東芝シリコーン(株)製界面活性剤) ・水 937.9g
【0113】次に、平版印刷版原版[P−2]を405
nmの紫光を発する30mW半導体レーザを用い、レー
ザビーム径12μm、版面エネルギー50μJ/cm2
の露光条件で走査露光し、上記の自現機を用いて現像処
理した。得られた平版印刷版[P−2]の画像形成状況
を、ルーペを用い目視にて観察した。その結果、12μ
mの線幅が記録できていた。
【0114】〔比較例2〕上記現像液組成物[V−2]
に代えて下記処方の現像液[W−2]を用いた以外は実
施例2と同様にしてネガ型平版印刷版[Q−2]を得て
比較例2とした。
【0115】 <現像液組成物[W−2]> ・1−メトキシ−2−プロパノール 20g ・ジエタノールアミン 10g ・トリメチレンジアミン 5g ・ポリエチレングリコールモノナフチルエーテル 20g ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5g ・1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸 2g ・シリコーンSA730 0.1g (東芝シリコーン(株)製界面活性剤) ・水 937.9g
【0116】次に、平版印刷版[Q−2]を、実施例3
と同様にして画像形成した。この際得られた平版印刷版
[Q−2]のルーペを用い目視にて観察した。その結
果、12μmの線幅は記録されなかった。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザ光を用いて記録することにより、コンピューター
等のデジタルデータから直接記録可能なネガ型画像形成
材料に適用し得る、画像形成性に優れ、現像剤の特性に
起因する経時的な現像性の低下を生じない現像液組成物
および画像形成方法を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミンと界面活性剤を含有し、かつ、有
    機溶剤を実質上含有しないアルカリ性水溶液であること
    を特徴とするネガ型画像形成材料用現像液組成物。
  2. 【請求項2】 支持体上に、(A)ラジカル発生剤、及
    び、(B)ラジカル重合性化合物を含有する画像記録層
    を設けてなるネガ型画像形成材料を、レーザで画像露光
    した後、アミンと界面活性剤を含有し、かつ、有機溶剤
    を実質上含有しないアルカリ性水溶液を用いて現像する
    ことを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009288546A (ja) * 2008-05-29 2009-12-10 Fujifilm Corp 平版印刷版現像用処理液及び平版印刷版の作製方法
JP2013152486A (ja) * 2013-04-10 2013-08-08 Fujifilm Corp 平版印刷版現像用処理液及び平版印刷版の作製方法
WO2020056627A1 (zh) * 2018-09-18 2020-03-26 周连惠 一种高浓度显影液原液组合物

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