JP2007310116A - 配向膜の形成方法、液晶パネルの製造方法、および電子機器の製造方法 - Google Patents

配向膜の形成方法、液晶パネルの製造方法、および電子機器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】配向膜の性能を向上させ、また、高性能の配向膜を簡便に形成する方法を提供する。
【解決手段】ガラス基板10上に透明導電性膜13として例えばITO膜を形成した後、透明導電性膜13上に、アモルファスシリコン膜15を形成し、次いで、アモルファスシリコン膜15にレーザー光照射を施し、アモルファスシリコン膜15を結晶化し、この結晶化において多結晶シリコン膜15a(複数の結晶粒の境界部)に生じた隆起部(凸部)をその後の酸化工程後においても維持し、それを利用して液晶に配向性を持たせ、配向膜とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶パネルに用いられる配向膜の製造方法等に関するものである。
液晶パネルは、透明電極が形成された2枚のガラス基板間に封入された液晶(液晶分子)を有しているが、各液晶を整然と並べるためには、液晶の上下(基板の最上層)に配向膜を配置することが必要となる。また、配向膜にラビング(rubbing)処理を施すことで、配向膜表面に細かい溝が形成され、その溝によって液晶分子が一方向に配向する。
即ち、この配向膜は、液晶分子の配向方向を揃える機能と、液晶分子の起き上がる角度を揃える機能を有し、かかる配向膜の性能は、液晶パネルやそれを有する電子機器の特性に大きく関与している。
例えば、下記特許文献1(特開2001−318382)には、平坦性と均一性が高く、架橋度の高い配向膜を形成すべく、高分子溶液膜に内包された気泡を除去する技術が開示されている。また、高分子溶液として可溶性ポリイミド等の可溶性の配向性高分子あるいはポリアミック酸等の配向性高分子の前駆体を所定の溶媒に溶解させた高分子溶液が例示されている(段落〔0055〕参照)。
しかしながら、このように有機物を用いて配向膜を形成した場合、(1)液晶プロジェクターのような高出力光源を備える機器に用いた場合、光エネルギーにより有機物がダメージを受ける。また、(2)ラビング後に不要なキズ、配塵が生じる等の不具合があった。
そこで、無機材料を配向膜として採用することが検討される。例えば、下記特許文献2(特開2004−170744)には、信頼性の高い配向膜を量産性良く形成すべく、ターゲットから放出されるスパッタ粒子が一方向から斜めに基板に入射するようなスパッタリングにより斜め方向に結晶成長した無機材料からなる配向膜を形成する技術が開示されている。また、ターゲットにはシリコンを用い、形成される配向膜としてSiO2が例示されている(段落〔0024〕参照)。
この他、斜め蒸着により無機配向膜を形成する技術は、下記特許文献3(特開2002−365639)、特許文献4(特開平5−173141)および特許文献5(特開2004−163780)にも開示されている。
特開2001−318382号公報 特開2004−170744号公報 特開2002−365639号公報 特開平5−173141号公報 特開2004−163780号公報
しかしながら、配向膜を無機材料としてスパッタ法や蒸着法を用いて形成する場合、成膜レートが遅く、スループットが低下する等の問題がある。
また、斜方スパッタ等を用いても、膜の均一性が悪く、配向膜として十分な性能を得難いという問題がある。
本発明は、配向膜の性能を向上させることを目的とする。また、本発明は、高性能の配向膜を簡便に形成する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、配向膜形成時のスループットを向上させることを目的とする。また、本発明は、配向膜を有する液晶パネルや電子機器の性能を向上させ、また、その生産性を向上させることを目的とする。
(1)本発明にかかる配向膜の形成方法は、(a)基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、(b)前記非晶質シリコン膜を、多数の結晶粒とそれらの結晶粒界からなる多結晶シリコン膜に変換する工程と、(c)前記多結晶シリコン膜を酸化シリコン膜に変換する工程と、を含み、前記多結晶シリコン膜の前記結晶粒界における平均膜厚が、前記結晶粒内における平均膜厚より大きいことを特徴とするものである。
また、本発明にかかる配向膜の形成方法は、(a)基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、(b)上記非晶質シリコン膜の結晶性を高め、少なくとも第1の単結晶シリコン膜と該第1の単結晶シリコン膜と隣り合う第2の単結晶シリコン膜とを形成する工程と、(c)上記第1の単結晶シリコン膜と上記第2の単結晶シリコン膜とを酸化し、第1の酸化シリコン膜と第2の酸化シリコン膜とを有する配向膜を形成する工程と、を有し、(d)上記第1の酸化シリコン膜が中央部と該中央部を囲む周縁部とを有し、該周縁部の少なくとも一部が上記第1の酸化シリコン膜と上記第2の単結晶シリコン膜との境界部を構成し、該境界部の膜厚が上記中央部の膜厚よりも大きいことを特徴とするものである。
かかる方法によれば、非晶質シリコン膜の結晶性を高める工程において、第1と第2の単結晶シリコン膜の境界部が凸部となり、その後の酸化工程においても凸部が残存し、かかる凸部により、液晶の配向性を向上させることができる。
上記(b)工程は、上記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射する工程である。
上記(b)工程は、上記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射する工程であり、上記レーザー光の照射は、照射領域の中央部から縁部にかけて照射エネルギーが小さくなるレーザー光を複数回照射するものである。
上記(b)工程は、上記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射する工程であり、前記レーザー光の照射は、所定の照射面積内において、前記レーザー光の照射強度が最大値となる領域と最大値から連続的に低減して最小値となる領域とが規則的に配列される強度分布態様で行うものである。
(2)本発明の配向膜の形成方法は、(a)基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、(b)前記非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に変換する工程と、(c)前記多結晶シリコン膜の結晶粒界を選択的にエッチングする工程と、(d)前記多結晶シリコン膜を酸化シリコン膜に変換する工程と、を有し、前記工程(c)の後の結晶粒界における平均膜厚が、前記工程(c)の後の結晶粒内における平均膜厚より小さいことを特徴とする。
また、本発明の配向膜の形成方法は、(a)基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、(b)上記非晶質シリコン膜の結晶性を高め、少なくとも第1の単結晶シリコン膜と該第1の単結晶シリコン膜と隣り合う第2の単結晶シリコン膜とを形成する工程と、(c)上記第1の単結晶シリコン膜と上記第2の単結晶シリコン膜との境界部をエッチングする工程と、(d)上記第1の単結晶シリコン膜と上記第2の単結晶シリコン膜とを酸化し、第1の酸化シリコン膜と第2の酸化シリコン膜とを有する配向膜を形成する工程と、を有し、上記第1の酸化シリコン膜が中央部と該中央部を囲む周縁部とを有し、該周縁部の少なくとも一部が上記第1の酸化シリコン膜と上記第2の単結晶シリコン膜との境界部を構成し、該境界部の膜厚が上記中央部の膜厚よりも小さいことを特徴とするものである。
かかる方法によれば、非晶質シリコン膜の結晶性を高める工程において、第1と第2の単結晶シリコン膜の境界部が窪みとなり、その後の酸化工程においても窪みが残存し、かかる窪みにより、液晶の配向性を向上させることができる。
上記エッチングは、フッ酸(HF)と重クロム酸カリウム(K2CrO3)を含有するエッチング液を用いて行われる。
上記(b)工程は、上記非晶質シリコン膜にレーザーアニール処理を施す工程であり、上記レーザーアニール処理は、上記非晶質シリコン膜に対し、固体レーザー光を一定方向に走査しながら照射させて行う。
(3)本発明の液晶パネルの製造方法は、上記いずれかの配向膜の形成方法を有することを特徴とする。かかる方法によれば、配向膜を有する液晶パネルの性能を向上させ、また、その生産性を向上させることができる。
(4)本発明の電子機器の製造方法は、上記液晶パネルの製造方法を有することを特徴とする。かかる方法によれば、配向膜や液晶パネルを有する電子機器の性能を向上させ、また、その生産性を向上させることができる。
ここで「電子機器」とは、本発明にかかる配向膜や液晶パネルを備えた一定の機能を奏する機器一般をいい、例えば電気光学装置やメモリを備えて構成される。その構成に特に限定はないが、例えばICカード、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型またはフロント型のプロジェクター、さらに表示機能付ファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、PDA、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどが含まれる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
<実施の形態1>
図1〜図4は、本実施の形態の配向膜の製造方法を示す図であり、図1および図4は、工程断面図、図2は、要部平面図および図3は斜視図である。なお、図2(B)のA−A’断面が、図1(B)に対応する。
図1(A)に示すように、ガラス基板(基板、石英基板、透明基板、絶縁性基板)10上に透明導電性膜(透明電極)13として例えばITO(Indium Tin Oxide、インジウム・スズ酸化膜)膜をスパッタリング法で膜厚が100nm程度となるよう堆積する。なお、透明導電性膜13として他の金属系材料を用いても良く、また、堆積方法も、スパッタリング法に限られず、他のPVD(physical vapor deposition、物理気相成長)法、例えば、蒸着法等で形成してもよく、また、CVD(chemical vapor deposition、化学気相成長)法を用いて形成してもよい。
次いで、透明導電性膜13上に、アモルファスシリコン(非晶質シリコン)膜15を、例えばLP−CVD(low pressure chemical vapor deposition、減圧化学気相成長)法を用いて膜厚が40nm程度となるよう堆積する。原料ガスとしては、モノシラン(SiH4)やジシラン(Si26)等がある。
次いで、図1(B)に示すように、アモルファスシリコン膜15にレーザーアニール処理を施し、アモルファスシリコン膜15を結晶化する。レーザーアニール条件は、エキシマレーザー光(ガスレーザー、気体レーザー)として、例えばXeCl(λ=308nm)レーザー光を用い、エネルギー強度350J/cm2程度とする。かかるレーザー光をガラス基板10(アモルファスシリコン膜15)上に走査し、アニールを行う。なお、レーザー光源を複数個、直線状に配置し、走査を行えば、アニール時間の短縮を図ることができる。
このアニール処理の結果、アモルファスシリコン膜15が、結晶化し、多結晶シリコン膜15aとなる。多結晶シリコン膜とは、結晶粒(単結晶シリコン膜)の集合体であり、膜中には、結晶粒(15a1〜15an)が多数存在する。この結晶粒の粒径は、10nm〜1μm程度である。
なお、レーザーエネルギーと結晶粒径との間には、相関関係が見られる、即ち、エネルギー強度の増加に伴い、平均粒径が大きくなる(〜1μm)ため、レーザーエネルギーを調整して、平均粒径を100nm程度とすることが好ましい。多結晶シリコン膜を、そのままトランジスタなどに用いる場合には結晶粒は大きい程よいが、後に酸化して配向膜として用いる場合には結晶粒の平均粒径は10nm〜200nm程度に調整することが好ましい。これは、配向性を向上させるためには、他の方法で形成される配向膜における凹凸の周期とほぼ同等の平均粒径とすることが好ましいと考えられるためである。
ここで、この結晶化においては、図2(A)に示すように、各結晶粒の中心部(結晶核)から周囲に広がるように結晶成長が進む。従って、結晶粒と結晶粒との境界では、結晶成長した結晶粒同士がぶつかり合う。従って、図1(B)および図3等に示す結晶粒の境界部(粒界部)が隆起する(凸部となる)。言い換えれば、多結晶シリコン膜の結晶粒界における平均膜厚が、結晶粒内における平均膜厚より大きくなっている。
次いで、図2に示す多結晶シリコン膜15a、即ち、各結晶粒(15a1〜15an)を例えば1100℃の雰囲気で熱酸化することにより、図4に示すように酸化シリコン膜17を形成する。その結果、酸化シリコン膜17の膜厚の平均は、約80nm(アモルファスシリコン膜15の約2倍)となる。この際、結晶粒の境界部(隆起部)においても同様に膜厚が増加し、膜中の隆起部が維持される。言い換えれば、各結晶粒(15a1〜15an)の酸化により酸化シリコン塊(17a1〜17an)が形成され、これらの境界部が隆起している。
具体的には、酸化シリコン塊(膜)17a1は、中央部と該中央部を囲む周縁部とを有し、この周縁部の少なくとも一部が酸化シリコン塊(膜)17a2との境界部を構成し、この境界部の膜厚が中央部の膜厚よりも大きくなっている。また、言い換えれば、酸化後において、多結晶シリコン膜の結晶粒界における平均膜厚が、結晶粒内における平均膜厚より大きくなっている。
このように、本実施の形態においては、多結晶シリコン膜15aを構成する複数の結晶粒の境界部に隆起部(凸部)が生じるため、この隆起部を酸化工程後においても維持し、それを利用して液晶に配向性を持たせることができる。即ち、高性能の配向膜を形成することができる。
また、多結晶シリコン膜15aを酸化することで、隆起(凸部、段差)がさらに大きくなり、配向性を向上させるとともに、膜の透光性(透過性)を向上することができ、配向膜の特性を向上させることができる。
また、アモルファスシリコン膜15の結晶化および酸化という比較的簡便な工程で、配向膜を形成することができるため、配向膜形成時のスループットを向上させることができる。
<実施の形態2>
実施の形態1においては、アモルファスシリコン膜15を、CVD法を用いて形成したが、高次シラン化合物の塗布および焼成工程によりアモルファスシリコン膜15を形成してもよい。
即ち、実施の形態1と同様に、ガラス基板10上に透明導電性膜(透明電極)13として例えばITO膜を形成した後(図1(A)参照)、透明導電性膜13上に、高次シラン化合物として、例えば、シクロヘキサシラン(Si612)のベンゼン溶液にUV(紫外線)を照射し、フィルターでろ過した塗布溶液を回転塗布する。
次いで、約100℃で30分程度加熱し溶媒のベンゼンを揮発させた後、300〜500℃程度で10分程度焼成することによりアモルファスシリコン膜15を形成する。
なお、シクロヘキサシランの他、シクロペンタシランや1、1’−ビシクロヘプタシラン等、Sin2nで表される環状のシラン化合物や、Sin2n-2で表される環状構造を2個以上有するシラン化合物等を用いてもよい。即ち、UV照射により重合し得るシラン化合物を適宜用いることができる。
また、溶媒もベンゼンの他、n−ヘキサン、ジシクロペンタン等を用いることができ、沸点や溶解性等を考慮して適宜選択可能である。
なお、アモルファスシリコン膜15の形成後の工程は実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、アモルファスシリコン膜15の結晶化の際、複数の結晶粒の境界部に隆起部(凸部)が生じるため、この隆起部を酸化工程後においても維持し、それを利用して液晶に配向性を持たせることができる。即ち、高性能の配向膜を形成することができる等、実施の形態1と同様の効果を奏する。
<実施の形態3>
実施の形態1においては、所定の照射領域内で空間的にほぼ一様なエネルギー強度をもつエキシマレーザー光を照射して多結晶化を行ったが、所定の照射領域内において、照射レーザー光強度が最大値となる領域と最大値から連続的に低減して最小値となる領域とが規則的に配列される強度分布態様で行ってもよい。なお、照射するレーザー光の他は、実施の形態1と同じであるため、レーザー光について詳細に説明し、他の製造工程等の説明は省略する。
即ち、実施の形態1と同様に、ガラス基板10上に透明導電性膜(透明電極)13として例えばITO膜を形成した後、透明導電性膜13上に、アモルファスシリコン膜15を形成する(図1(A)参照)。
次いで、アモルファスシリコン膜15にレーザー光照射を施し、アモルファスシリコン膜15を結晶化する(図1(B)参照)のであるが、この際、所定の間隔毎に照射エネルギー強度が最大値と最小値との間で二次元的に変化し、エネルギー強度最大点とエネルギー強度最小点とが規則的に整列されたエネルギー強度分布態様で照射が行われるようにする。例えば、5×5mmの矩形領域内に、図5で示すようにx方向には1μmの間隔毎に、y方向には0.1μmの間隔毎に照射エネルギーが最大値(E1)→最小値(E2)→最大値(E1)の変化を二次元的に繰り返すような強度分布態様で照射を行い、次いで、照射位置を5mm毎に移動させて照射を行う。
上記のような照射エネルギー強度の変化は、例えば位相シフト・マスクを用いて照射エネルギー強度分布の変化をもたらすことによって可能であり、また、最大値と最小値との間の変化が実質的に連続的変化であることが望ましい。最大値、最小値をそれぞれどの程度の値に設定するかは、非晶質シリコン膜の膜厚や基板の熱伝導率に基づいて調整すればよいが、例えば、最小エネルギー強度は、照射時間内においては非晶質シリコン膜を溶融せしめない照射温度をもたらす強度とし、最大値は非晶質シリコン膜を照射時間内に溶融せしめるに必要かつ十分な強度とし、最大値(E1)と最小値(E2)の間に溶融閾値(Eth)が存在するようにする。なお、照射ユニットの形状は、上記のように5×5mmの正方形状に限られず、各種多角形状でもよいことはもとよりであり、また、照射エネルギーの最大値、最小値の配置形状は、長方形格子状に限らず、例えばデルタ形格子状でもよい。
上記の態様で非晶質シリコン膜に対してレーザー光照射を行うと、照射領域のうち照射エネルギーの最小値領域(溶融閾値(Eth)以下の領域)の部分は完全には溶融されずに、まず溶融閾値(Eth)に相当する温度以下の領域に結晶核が形成され、次いで、結晶核の周囲から溶解温度がもっとも高い照射エネルギー最大値領域に向かって結晶成長が進んでいく。また、エネルギー最大値領域や結晶成長端付近は、成長方向の異なる結晶がせめぎあって、結果的に微結晶領域部分ないしは粒界となり、かくして、照射エネルギーの溶融閾値(Eth)領域部分を結晶核とする、結晶粒が規則的に整列配置された多結晶シリコン膜が得られることになる。上記の場合には、エネルギー強度最小値領域E1を中心にした、長さ1μm、幅0.1μmの短冊状の結晶粒が規則的並んだ多結晶シリコン膜が得られる。
なお、結晶化後の工程は実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
このように、本実施の形態によれば、多結晶シリコン膜15aを構成する結晶粒(15a1〜15an)の大きさや方向を揃えることができる。また、結晶粒のばらつきを小さくすることができる。
従って、例えば、照射領域やエネルギー強度分布を調整することで、結晶粒径をほぼ100nmに揃えることができる。また、隆起の程度を一定にすることができる。
その結果、実施の形態1の効果に加え、さらに、配向膜の特性(配向性)を向上させることができる。
<実施の形態4>
実施の形態1においては、多結晶シリコン膜15aを構成する複数の結晶粒の境界部の隆起部を酸化工程後においても維持し、それを利用して液晶に配向性を持たせたが、複数の結晶粒の境界部に対応する部分を凹部(窪み)とし、それを利用して液晶に配向性を持たせることもできる。
この窪みを形成する方法としては、(1)結晶粒の境界部の隆起部を優先的にエッチングする方法と、(2)結晶粒界が凹部となるような条件でのレーザー光を照射してアニールを行う、等の方法がある。(2)については、実施の形態5において説明する。
(1)について、図6等を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態の配向膜の製造方法を示す工程断面図である。
まず、実施の形態1と同様に、ガラス基板10上に透明導電性膜(透明電極)13を形成し、さらに、その上部に、アモルファスシリコン膜15を堆積した後(図1(A)参照)、レーザーアニール処理を施し、アモルファスシリコン膜15を結晶化し、多結晶シリコン膜15a(結晶粒15a1〜15an)を形成する。この結晶化により、実施の形態1で説明したように、結晶粒の境界部が隆起する(図1(B)参照)。
次いで、図6(A)に示すように、多結晶シリコン膜15a(結晶粒15a1〜15an)に対し、セコエッチングを行う。セコエッチング(Secco etching)とは、フッ酸(HF)と重クロム酸カリウム(K2CrO3)の混合液によるエッチングをいい、例えば、50%濃度のフッ酸100mlに水50mlと重クロム酸カリウム2gを加えたエッチング液を用いて、多結晶シリコン膜15a(結晶粒15a1〜15an)をエッチングする。
このセコエッチングによれば、多結晶シリコン膜15aの結晶粒界(結晶粒15a1〜15anの結晶粒界)が優先的に溶解する。即ち、結晶粒界は結晶化が十分ではないためにエッチング液に溶解されやすいため、優先的なエッチングが行われる。従って、結晶粒と結晶粒との境界部が窪む(凹部となる)。
次いで、図6(B)に示すように、多結晶シリコン膜15a、即ち、各結晶粒(15a1〜15an)を例えば1100℃の雰囲気で熱酸化することにより、酸化シリコン膜17を形成する。その結果、酸化シリコン膜17の膜厚の平均は、約80nm(アモルファスシリコン膜15の約2倍)となる。この際、結晶粒の境界部(窪み部)においても同様に膜厚が増加するが、膜中の窪みが維持される。言い換えれば、各結晶粒(15a1〜15an)の酸化により酸化シリコン塊(17a1〜17an)が形成され、これらの境界部が窪んでいる。
具体的には、酸化シリコン塊(膜)17a1は、中央部と該中央部を囲む周縁部とを有し、この周縁部の少なくとも一部が酸化シリコン塊(膜)17a2との境界部を構成し、この境界部の膜厚が中央部の膜厚よりも小さくなっている。言い換えれば、酸化後において、上記結晶粒界における平均膜厚が、結晶粒内における平均膜厚より小さくなっている。
このように、本実施の形態においては、多結晶シリコン膜15aを構成する複数の結晶粒の境界部に窪み部(凹部)が生じるため、この凹部を酸化工程後においても維持し、それを利用して液晶に配向性を持たせることができる。即ち、高性能の配向膜を形成することができる。
また、多結晶シリコン膜15aを酸化することで、窪み(凹部)がさらに大きくなり、配向性を向上させるとともに、膜の透光性(透過性)を向上することができ、配向膜の特性を向上させることができる。
また、アモルファスシリコン膜15の結晶化、エッチングおよび酸化という比較的簡便な工程で、配向膜を形成することができるため、配向膜形成時のスループットを向上させることができる。
<実施の形態5>
実施の形態1においては、エキシマレーザー光のようなパルス発振レーザー光を照射して結晶化を行ったが、連続発振するYAGレーザー光のような固体レーザー光を照射して結晶化を行ってもよい。
図7は、本実施の形態の配向膜の製造方法を示す工程断面図および平面図である。図7(A)は断面図、図7(B)は平面図であり、図7(A)は、図7(B)のB−B’断面に対応する。
即ち、実施の形態1と同様に、ガラス基板10上に透明導電性膜(透明電極)13として例えばITO膜を形成した後、透明導電性膜13上に、アモルファスシリコン膜15を形成する(図1(A)参照)。
次いで、アモルファスシリコン膜15にレーザー光照射を施し、アモルファスシリコン膜15を結晶化するのであるが、この際、連続発振の固体レーザー光を用いてレーザー光を一定方向に走査させて結晶化を行う。例えば、図7(B)に示すように、図中の矢印の方向にレーザー光を走査することで、略矩形状(短冊状)の結晶粒を形成することができる。使用するレーザー光の波長、エネルギー強度、走査速度などは、非晶質シリコン膜を溶融可能で、基板に損傷を与えない程度に適宜選択される。
このようにすると、例えば、短辺が約0.2μm、長辺4μm程度の略矩形の結晶粒を複数形成することができる。この結晶粒界は、図7(A)示すように、その境界が窪む。この窪みの大きさは、シリコンとその下層の基材(この場合は、ガラス基板)との濡れ性により変化し、濡れ性が高いほど、窪みを大きくすることができる。
これは、実施の形態1のエキシマレーザー光においては、溶融固化時の体積膨張が結晶粒界部に集中して、粒界部が隆起するのに対し、固体レーザー光の場合には、溶融過程でレーザー光が走査され、体積膨張の影響が走査先の溶融部に吸収され、走査方向において結晶粒界の凹部が形成されにくくなる。一方、走査方向に垂直な方向においては、結晶成長が進みにくく、結果として、結晶粒界が凹部となると考えられる(図7(A)参照)。
なお、結晶化後の工程は実施の形態4等と同様であるため、その説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、多結晶シリコン膜15aを構成する複数の結晶粒の境界部に窪み部(凹部)が生じるため、この凹部を酸化工程後においても維持し、それを利用して液晶に配向性を持たせることができる。即ち、高性能の配向膜を形成することができる等、実施の形態4と同様の効果を奏する。
また、本実施の形態によれば、略矩形状(短冊状)の結晶粒を形成することができ、配向膜の特性(配向性)を、さらに向上させることができる。
<実施の形態6>
実施の形態1においては、多結晶シリコン膜15a、即ち、各結晶粒(15a1〜15an)を熱酸化することにより、酸化シリコン膜17を形成したが、かかる酸化工程に陽極酸化を用いてもよい。図8は、本実施の形態の配向膜の製造方法に用いる電解槽の一例を示す図である。
即ち、実施の形態1と同様に、ガラス基板10上に透明導電性膜(透明電極)13として例えばITO膜を形成した後、透明導電性膜13上に、アモルファスシリコン膜15を形成する(図1(A)参照)。次いで、アモルファスシリコン膜15にレーザー光照射を施し、アモルファスシリコン膜15を結晶化し、多結晶シリコン膜15aを形成する(図1(B)参照)。
次いで、図8に示すように、ガラス基板10を電解槽中の電解液20(例えば、エチレングリコール90%と水10%の混合溶媒に0.05モル(M)の硝酸カリウムを溶解した液)に浸漬し、基板上の透明導電性膜13(多結晶シリコン膜15aの下層)に陽極を接続し、対向電極(陰極)として例えば白金(Pt)を用いる。5mA/cm2の定電流を流し、陽極と陰極間の電圧が200Vとなった時点で、電解を停止し、多結晶シリコン膜15aを酸化シリコン膜17とする。
ここで、多結晶シリコン膜15aの導電性を高めるため、あらかじめ当該膜中にホウ素もしくはリンなどの不純物をドープしておくことが好ましい。かかる不純物は、アモルファスシリコン膜15の成膜中にドープ(例えばCVDの原料ガス中に混入)してもよいし、また、成膜後にイオン注入法等を用いてドープしてもよい。
このように、本実施の形態においても、多結晶シリコン膜15aを構成する複数の結晶粒の境界部に隆起部(凸部)が生じるため、この隆起部を酸化工程後においても維持し、それを利用して液晶に配向性を持たせることができ、高性能の配向膜を形成することができる等、実施の形態1と同様の効果を奏する。
また、本実施の形態によれば、酸化工程における処理温度を室温程度と、低く抑えられるため、下層の膜(例えば、透明導電性膜やガラス基板)に対する熱処理によるダメージを低減することができる。また、熱に弱い材料をその下層に用いることができ、材料の選択枝が広がる。
ここで、上記実施の形態1〜5において形成された配向膜に関し、凸部が形成された膜に関しては垂直配向膜として適すると考えられる。また、凹部が形成された膜に関しては水平配向膜として適すると考えられる。但し、水平配向か垂直配向かをあらかじめ決める必要はなく、形成された配向膜間に液晶を充填し、その挙動から判断すればよい。
また、上記実施の形態1〜5においては、アモルファスシリコン膜のレーザー光照射による結晶化を例に説明したが、微結晶シリコン膜や多結晶シリコン膜を出発膜とし、レーザーを照射し、その結晶性を高め、多結晶シリコン膜としてもよい。即ち、非単結晶シリコン(非晶質、微結晶もしくは多結晶シリコン)膜の結晶性(結晶粒の形状や大きさ)を、より配向膜にふさわしいものとした多結晶シリコン膜としてもよい。
また、実施の形態1〜6においては、例えば、実施の形態5に示したレーザー光照射の後、実施の形態6に示した陽極酸化を行うなど、適宜組み合わせが可能である。
<液晶パネルの説明>
前述した配向膜を使用した液晶パネル(液晶装置)について説明する。図9は、アクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置の構成図の一例である。図9(A)に示すように、液晶装置は、例えば液晶パネル1020とバックライト1060を有している。この装置は、バックライト1060からの光を液晶パネル1020に透過させることにより画像を表示し得るものである。図9(B)は、一の画素電極部分の部分拡大図である。
液晶パネル1020は、互いに対向して配置された第1の基板1220と第2の基板1230とを有し、これらの基板の間には、表示領域を囲むようにシール材(図示せず)が設けられている。さらに、これらの基板およびシール材で囲まれる空間には、電気光学物質である液晶が充填され、液晶層1240を構成する。この液晶層の上面および下面(第1の基板1220および第2の基板1230の液晶層側の面)に、配向膜が設けられている。この配向膜により液晶層1240に充填された液晶分子の配向方向が規制される。
また、第1の基板1220と第2の基板1230は、透過性を有する絶縁性の材料(例えば、ガラス基板)より成り、第1の基板1220の上面(液晶層1240側)には、マトリックス状に配置された複数の画素電極1223と、X方向に延在する走査線1224と、Y方向に延在する信号線1228とが設けられている。
各画素電極1223は、透明性(光透過性)を有する透明導電性膜により構成され、それぞれ一つの薄膜トランジスタ(TFT)Tを介して、走査線1224および信号線1228に接続されている。また、第2の基板1230の下面(液晶層1240側)には、Y方向に配置された対向電極が配置されている。なお、1235と1225は、偏光板である。
従って、例えば実施の形態1〜5によって形成された配向膜を有するガラス基板10を、第2の基板1230として用い、第1の基板1220との間に液晶を充填することによって液晶パネルを形成することができる。
もちろん、ガラス基板10等に、走査線1224、信号線1228および薄膜トランジスタ(TFT)Tおよび配向膜等を適宜形成し、第1の基板1220として用いてもよい。
このように、本発明の配向膜の形成方法を用いることにより液晶パネルやそれを有する電子機器の性能を向上させ、また、その生産性を向上させることができる。
<電気光学装置および電子機器の説明>
次に、前述の配向膜が使用される電気光学装置や電子機器について説明する。
本発明の配向膜は、例えば、電気光学装置(表示装置)や電子機器の表示部である液晶パネルに用いられる。図10に、電気光学装置(電子機器)を用いた電子機器の例を示す。
図10(A)は携帯電話への適用例であり、図10(B)は、ビデオカメラへの適用例である。また、図10(C)は、テレビジョンへ(TV)の適用例であり、図10(D)は、ロールアップ式テレビジョンへの適用例である。
図10(A)に示すように、携帯電話530には、アンテナ部531、音声出力部532、音声入力部533、操作部534および電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明の電気光学装置を使用することができる。
図10(B)に示すように、ビデオカメラ540には、受像部541、操作部542、音声入力部543および電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明の電気光学装置を使用することができる。
図10(C)に示すように、テレビジョン550は、電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明の電気光学装置を使用することができる。なお、パーソナルコンピュータ等に用いられるモニタ装置(電気光学装置)にも本発明の電気光学装置を使用することができる。
図10(D)に示すように、ロールアップ式テレビジョン560は、電気光学装置(表示部)500を備えている。この電気光学装置に、本発明の電気光学装置を使用することができる。
なお、電気光学装置を有する電子機器としては、上記の他、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳、電光掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどがある。
特に、本発明の配向膜の製造方法を、液晶プロジェクターのような高出力光源を備える機器の製造に用いた場合、配向膜が無機物であるため、光エネルギーによりダメージが少ない。また、ラビング後によるキズや配塵が低減され、機器の特性の向上を図ることができる。
実施の形態1の配向膜の製造方法を示す工程断面図 実施の形態1の配向膜の製造方法を示す要部平面図 実施の形態1の配向膜の製造方法を示す斜視図 実施の形態1の配向膜の製造方法を示す工程断面図 実施の形態3で用いられるレーザー光強度分布と基板(アモルファスシリコン膜)との関係を示す平面図 実施の形態4の配向膜の製造方法を示す工程断面図 実施の形態5の配向膜の製造方法を示す工程断面図および平面図 実施の形態6の配向膜の製造方法に用いる電解槽の一例を示す図 アクティブマトリックス駆動方式の透過型液晶表示装置の構成図 電気光学装置を用いた電子機器の例を示す図
符号の説明
10…ガラス基板 13…透明導電性膜 15…アモルファスシリコン膜 15a…多結晶シリコン膜 15a1〜15an…結晶粒 17…酸化シリコン膜 17a1〜17an…酸化シリコン塊 20…電解液 500…電気光学装置 530…携帯電話 531…アンテナ部 532…音声出力部 533…音声入力部 534…操作部 540…ビデオカメラ 541…受像部 542…操作部 543…音声入力部 550…テレビジョン 560…ロールアップ式テレビジョン 1020…液晶パネル 1060…バックライト 1220…第1の基板 1223…画素電極 1224…走査線 1225…偏光板 1228…信号線 1230…第2の基板 1235…偏光板 1240…液晶層 T…トランジスタ

Claims (11)

  1. (a)基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    (b)前記非晶質シリコン膜を、多数の結晶粒とそれらの結晶粒界からなる多結晶シリコン膜に変換する工程と、
    (c)前記多結晶シリコン膜を酸化シリコン膜に変換する工程と、
    を含み、
    前記多結晶シリコン膜の前記結晶粒界における平均膜厚が、前記結晶粒内における平均膜厚より大きいことを特徴とする配向膜の形成方法。
  2. (a)基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    (b)前記非晶質シリコン膜の結晶性を高め、少なくとも第1の単結晶シリコン膜と該第1の単結晶シリコン膜と隣り合う第2の単結晶シリコン膜とを形成する工程と、
    (c)前記第1の単結晶シリコン膜と前記第2の単結晶シリコン膜とを酸化し、第1の酸化シリコン膜と第2の酸化シリコン膜とを有する配向膜を形成する工程と、を有し、
    (d)前記第1の酸化シリコン膜が中央部と該中央部を囲む周縁部とを有し、該周縁部の少なくとも一部が前記第1の酸化シリコン膜と前記第2の単結晶シリコン膜との境界部を構成し、該境界部の膜厚が前記中央部の膜厚よりも大きい
    ことを特徴とする配向膜の形成方法。
  3. 前記(b)工程は、前記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射する工程であることを特徴とする請求項1又は2記載の配向膜の形成方法。
  4. 前記(b)工程は、前記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射する工程であり、前記レーザー光の照射は、照射領域の中央部から縁部にかけて照射エネルギーが小さくなるレーザー光を複数回照射することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の配向膜の形成方法。
  5. 前記(b)工程は、前記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射する工程であり、前記レーザー光の照射は、所定の照射面積内において、前記レーザー光の照射強度が最大値となる領域と最大値から連続的に低減して最小値となる領域とが規則的に配列される強度分布態様で行うことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の配向膜の形成方法。
  6. (a)基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    (b)前記非晶質シリコン膜を多結晶シリコン膜に変換する工程と、
    (c)前記多結晶シリコン膜の結晶粒界を選択的にエッチングする工程と、
    (d)前記多結晶シリコン膜を酸化シリコン膜に変換する工程と、を有し、
    前記工程(c)の後の結晶粒界における平均膜厚が、前記工程(c)の後の結晶粒内における平均膜厚より小さいことを特徴とする配向膜の形成方法。
  7. (a)基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程と、
    (b)前記非晶質シリコン膜の結晶性を高め、少なくとも第1の単結晶シリコン膜と該第1の単結晶シリコン膜と隣り合う第2の単結晶シリコン膜とを形成する工程と、
    (c)前記第1の単結晶シリコン膜と前記第2の単結晶シリコン膜との境界部をエッチングする工程と、
    (d)前記第1の単結晶シリコン膜と前記第2の単結晶シリコン膜とを酸化し、第1の酸化シリコン膜と第2の酸化シリコン膜とを有する配向膜を形成する工程と、を有し、
    前記第1の酸化シリコン膜が中央部と該中央部を囲む周縁部とを有し、該周縁部の少なくとも一部が前記第1の酸化シリコン膜と前記第2の単結晶シリコン膜との境界部を構成し、該境界部の膜厚が前記中央部の膜厚よりも小さいことを特徴とする配向膜の形成方法。
  8. 前記エッチングは、フッ酸(HF)と重クロム酸カリウム(K2CrO3)を含有するエッチング液を用いて行われることを特徴とする請求項6又は7に記載の配向膜の形成方法。
  9. 前記(b)工程は、前記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射する工程であり、前記レーザー光の照射は、前記非晶質シリコン膜に対し、固体レーザー光を一定方向に走査しながら照射させて行うことを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の配向膜の形成方法。
  10. 配向膜を有する液晶パネルの製造方法であって、
    請求項1乃至9のいずれかに記載の配向膜の形成方法を有することを特徴とする液晶パネルの製造方法。
  11. 液晶パネルを有する電子機器の製造方法であって、
    請求項10記載の液晶パネルの製造方法を有することを特徴とする電子機器の製造方法。
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