JP2007308596A - 液体漂白剤組成物、及びその製造方法 - Google Patents

液体漂白剤組成物、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】過酸化水素及び漂白活性化剤を配合した液体漂白剤組成物において、貯蔵安定性と漂白効果の両方に優れた液体漂白剤組成物を得る。
【解決手段】(a)過酸化水素又は水中で過酸化水素を生成する化合物、(b)非イオン界面活性剤45質量%〜80質量%、(c)カリウムイオン、ルビジウムイオン及びセシウムイオンからなる群から選択される1以上の金属イオン、(d)ホウ酸、ホウ砂、及びホウ酸塩から選ばれる1以上の化合物、並びに(e)隣り合う炭素原子の両方にそれぞれ1つヒドロキシ基を有する部位が1つ以上存在する化合物、を含有する液体漂白剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体漂白剤組成物、及びその製造方法に関する。
過酸化水素は、弱アルカリ性の水溶液で漂白効果を発揮することができるが、弱アルカリ性では過酸化水素の安定性が低下するため、中性から弱アルカリ性の一般的な液体漂白剤組成物に過酸化水素を配合することは、貯蔵安定性上困難である。また、通常用いられている漂白活性化剤は、活性なエステル基を有するため、弱アルカリ性液体漂白剤組成物中では速やかに加水分解を受け活性を消失し、実際に洗浄する場面では漂白活性化剤の効果を全く得ることができない。一方、食べこぼしのシミ汚れ等は、漂白により効果的に除去することができるため、過酸化水素及び漂白活性化剤により漂白効果を液体漂白剤に付与することが強く求められる。
過酸化水素及び漂白活性化剤の安定性と漂白効果を両立させる目的から、液体漂白剤組成物の製品のpHを弱酸性にし、水で希釈することでpHを上昇させる技術が知られている(以下、「pHジャンプ系又はpHジャンプ効果」という)。
特開平10−72595号公報
特許文献1には、有機過酸前駆体の高い貯蔵安定性を実現するために、ホウ素化合物及び多価アルコールを併用することが記載されているが、貯蔵安定性と漂白・洗浄効果について満足し得るものではなかった。
本発明は、過酸化水素を配合した液体漂白剤組成物において、貯蔵安定性と漂白効果の両方に優れた液体漂白剤組成物(特に、透明又は半透明の液体漂白剤組成物)を得ることを目的とする。
本発明者らは、非イオン界面活性剤を高配合することによって、過酸化水素の安定化を実現し得ることを見出した。そして、そのような非イオン界面活性剤高配合系において、更に特定の金属イオンを存在させることで、組成物の液感を向上させ得ることを併せて見出した。
本発明は、(a)過酸化水素又は水中で過酸化水素を生成する化合物〔以下、(a)成分という〕、(b)非イオン界面活性剤〔以下、(b)成分という〕45質量%〜80質量%、(c)カリウムイオン、ルビジウムイオン及びセシウムイオンからなる群から選択される1以上の金属イオン〔以下、(c)成分という〕、(d)ホウ酸、ホウ砂、及びホウ酸塩から選ばれる1以上の化合物〔以下、(d)成分という〕、並びに(e)隣り合う炭素原子の両方にそれぞれ1つヒドロキシ基を有する部位が1つ以上存在する化合物〔以下、(d)成分という〕、を含有する液体漂白剤組成物に関する。
また、本発明は、上記本発明の液体漂白剤組成物の製造方法であって、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群から選択される1以上の金属の水酸化物を、他成分と混合する工程を包含する、液体漂白剤組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、貯蔵安定性、漂白効果ないし漂白洗浄効果、及び、液感に優れた、非イオン界面活性剤を高濃度で含有する液体漂白剤組成物が得られる。
[(a)成分]
本発明の液体漂白剤組成物は、(a)成分として過酸化水素又は水中で過酸化水素を生成する化合物を含有する。水中で過酸化水素を生成する化合物としては、過炭酸塩、過ホウ酸塩等が挙げられる。(a)成分の過酸化水素としての含有量は、液体漂白剤組成物中に好ましくは0.1〜6質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは1〜4.5質量%、より更に好ましくは1〜3質量%である。このような範囲において優れた漂白効果を得ることができる。
[(b)成分]
本発明の液体漂白剤組成物は、(b)成分として非イオン界面活性剤を含有する。非イオン界面活性剤としては下記一般式(3)の化合物が好ましい。
3a−O[(EO)a/(PO)b]−H (3)
〔式中、R3aは炭素数10〜18、好ましくは12〜14の、アルキル基又はアルケニル基を示す。aは数平均付加モル数0〜20の数、bは数平均付加モル数0〜20の数を示し、a及びbの両者が0の場合を除く。好ましくはaの数平均付加モル数は6〜15、より好ましくは7〜12が良好であり、bの数平均付加モル数は0〜10、より好ましくは0〜5、特に好ましくは0〜3の数である。〕
なお、一般式(3)においては、EOとPOとはランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれの形態で配列されていてもよい。
また、本発明の非イオン界面活性剤は、特にオキシエチレン基及びオキシプロピレン基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤が好ましい。このポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン性界面活性剤は、ランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれの形態で配列されていてもよく、その中でもブロック共重合体が好ましい。ブロック共重合体の形態としては、下記一般式(4)で表される化合物が特に好ましい。
4a−O(EO)a(PO)b(EO)c−H (4)
〔式中、R4aは炭素数10〜18、好ましくは12〜14の、アルキル基又はアルケニル基を示す。aは数平均付加モル数1〜20の数、bは数平均付加モル数1〜20の数、cは数平均付加モル数1〜20の数を示す。好ましくは、aの数平均付加モル数は6〜15、より好ましくは7〜12が良好であり、bの数平均付加モル数は1〜10、より好ましくは1〜5、特に好ましくは1〜3の数が良好であり、cの数平均付加モル数は6〜15、より好ましくは7〜12である。〕
本発明の非イオン界面活性剤は、2種以上の混合物として配合し得る。
(b)成分の液体漂白剤組成物中の含有量は、漂白活性化剤の安定性向上の観点から、好ましくは45〜80質量%、より好ましくは50〜75質量%、特に好ましくは55〜70質量%である。
[(c)成分]
本発明の液体漂白剤組成物は、(c)成分として、カリウムイオン、ルビジウムイオン及びセシウムイオンからなる群から選択される1以上の金属イオンを含有する。
本発明の(c)成分は、当該金属イオンの供給源となる化合物を組成物に配合することで組成物中に含有させることができる。(c)成分の供給源となる化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウムのような金属水酸化物が挙げられる。これらは、pH調整剤として使用し得るため好ましい。
本発明の液体漂白剤組成物中の(c)成分の濃度は、液感の向上の観点から、好ましくは10mM〜300mM、より好ましくは30mM〜280mM、更に好ましくは50mM〜270mMである。(c)成分の供給源となる化合物は、この濃度を達成できるような量で用いることが好ましく、種類にもよるが、0.1質量%〜5質量%、更に0.2〜3質量%、特に0.3〜2質量%の範囲から選択できる。
[(d)成分]
本発明の液体漂白剤組成物は、(d)成分としてホウ酸、ホウ砂及びホウ酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する。ホウ酸塩としては、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、4ホウ酸ナトリウム、4ホウ酸カリウム、4ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
[(e)成分]
本発明の液体漂白剤組成物は、(e)成分としてポリオール化合物を含有する。本発明において、ポリオール化合物とは、液体漂白剤組成物中で(d)成分とモノ体又はジ体を形成し得る化合物であり(下記一般式を参照)、隣り合う炭素原子の両方にそれぞれ1つヒドロキシ基を有する部位が1つ以上存在する化合物、及び/又は3個以上のヒドロキシ基を有する化合物が好適である。更に、3個以上のヒドロキシ基を有し、且つ隣り合う炭素原子の両方にそれぞれ1つヒドロキシ基を有する部位が1つ以上存在するような構造を有する化合物も好ましい。(e)成分の具体的例としては下記(1)〜(4)の化合物が好適であり、これらの化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。
(1)グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、アルキル(炭素数1〜10)ポリグリセリルエーテル(例えば、アルキル(炭素数1〜10)ジグリセリルエーテル、アルキル(炭素数1〜10)トリグリセリルエーテル);
(2)ソルビトール、マンニトール、マルチトース、イノシトール、及びフィチン酸から選ばれる糖アルコール類;
(3)グルコース、アピオース、アラビノース、ガラクトース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、キシロース、及びフルクトースから選ばれる還元糖類、及びこれらの誘導体(アルキル(ポリ)グリコシド等);並びに
(4)デンプン、デキストラン、キサンタンガム、グアガム、カードラン、プルラン、アミロース、及びセルロースから選ばれる多糖類。
本発明では、特に上記(2)の糖アルコール類が好適であり、単独又は複数で用いることができる。特にソルビトールが安定性及び漂白/洗浄効果の点から好適である。
一つの実施形態として、本発明の液体漂白剤組成物は、(d)成分としてホウ酸、ホウ砂及びホウ酸塩から選ばれる化合物、並びに(e)成分としてポリオール化合物から構成されるpHジャンプ系を、特定の組成及び比率で使用し得る。本発明の液体漂白剤組成物は、このような特定の組成及び比率を更に有することで、優れたpHジャンプ効果及び優れた過酸化水素の安定性を発現し得る。
本発明では液体漂白剤組成物に対して1000容積倍の水により希釈した場合の希釈液の20℃におけるpHが8.5以上10.5未満、好ましくは9以上9.5未満になることが漂白/洗浄効果を得る目的から好ましい。
ここで、(d)成分と(e)成分(α,β−ジヒドロキシ化合物)との間には下記の式のような平衡反応が存在する。
Figure 2007308596
本発明においてはジ体がpHジャンプ系の主要成分であることが希釈溶液のpHを8.5以上10.5未満にするために好適であり、液体漂白剤組成物中に存在する全ホウ素化合物に対して、ジ体の含有量が70〜100モル%であり、モノ体の含有量が0〜5モル%未満であり、そして単独で存在するホウ酸、ホウ砂及び/又はホウ酸塩の含有量が0〜25モル%未満になるようにすることが好適である。本発明においては、(d)成分1当量(例えば、ホウ砂及び4ホウ酸ナトリウムの場合はホウ素原子を4個含むため、4当量と考える)あたり(e)成分を好ましくは1.5〜4モル、より好ましくは1.5〜2.7モル、更に好ましくは2〜2.7モル、特に好ましくは、2.2〜2.7モル用いることで、優れたpHジャンプ効果、並びに過酸化水素及び漂白活性化剤の安定性が得られ得る。
なお、本発明では(d)成分及び(e)成分を液体漂白剤組成物に配合する場合には、一般に、液体漂白剤組成物中では上記モノ体、及びジ体の化合物に変換されている。本発明でいう(d)成分の含有量とは、単独、モノ体及びジ体として存在する(d)成分の全含有量を意味する。(e)成分の含有量とは、単独、モノ体及びジ体として存在する(e)成分の全含有量を意味する。本発明の(d)成分の含有量は、優れたpHジャンプ効果を達成させるための観点から、液体漂白剤組成物中においてホウ素原子として0.05〜1質量%、好ましくは0.15〜0.5質量%、より好ましくは0.2〜0.4質量%である。(e)成分の含有量は、優れたpHジャンプ効果を達成させるための観点から、液体漂白剤組成物中において3〜35質量%、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
なお、変換されたモノ体及びジ体の含有量は、ホウ素(11B)のNMR分光法とICP発光分析法との組合せを用いることで算出することができる。
[その他の成分]
[漂白活性化剤]
本発明の液体漂白剤組成物は、漂白活性化剤を含有し得る。本明細書中において、漂白活性化剤とは、無機過酸化物と反応することで有機過酸を生成する化合物を意味する。本発明の漂白活性化剤としては、以下の一般式で表されるエステル結合を有する化合物が挙げられる。
R−C(=O)−LG (1)
〔式中、R2は、炭素数6〜13の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、アリール基、又はアルキル基(炭素数1〜8)置換アリール基である。LGは脱離基である。〕
式中、Rは、好ましくは炭素数6〜13の分岐鎖のアルキル基である。LGは脱離基であり、具体的には以下の基が挙げられる。
Figure 2007308596
−O−R1−(O)p−SO3 -及び−O−R1−(O)p−SO3M(ここでR1はアルキレン基、pは0又は1、Mは水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属を表す。)が挙げられる。なお、R1のアルキレン基は、炭素数1〜5が好ましい。
本発明の好ましい漂白活性化剤として、カルボニル炭素に対してα位又はβ位に側鎖を有する総炭素数6〜13のアルカノイル基を有する漂白活性化剤を使用し得る。このような漂白活性化剤は、アルカノイル基が直鎖である漂白活性化剤と比較して、弱酸性領域における貯蔵安定性の向上を確保できることから、より高い漂白効果及び高い洗浄効果を液体漂白剤組成物に付与することが可能となる。
具体的に好ましい化合物としては下記一般式(2)の化合物を挙げることができる。
Figure 2007308596
〔式中、R2a−COは、カルボニル炭素に対してα位及びβ位の少なくとも一方に側鎖を有する総炭素数6〜13、好ましくは7〜13のアルカノイル基であり、R2a−は下記のα位分岐型又はβ位分岐型が好適である。
Figure 2007308596
ここで、R2bは炭素数4〜10のアルキル基であり、R2cはメチル基、エチル基、プロピル基及びブチル基から選ばれる基である。Xは−COOM、及び−SO3Mから選ばれる基であり、Mは水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属である。〕
本発明の漂白活性化剤としては一般式(2)においてR2a−COが2−エチルヘキサノイル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイル基、2−エチルペンタンノイル基、又は3,6,8,8−テトラメチルノナノイル基が好ましく、特に3,5,5−トリメチルヘキサノイル基が最も好適である。また、Xが−COOHである化合物が好適であり、p位に−COOHを有する化合物が最も好ましい。
本発明の液体漂白剤組成物中における漂白活性化剤の含有量は、0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%、より好ましくは0.2〜2質量%である。
[非イオン界面活性化剤以外の界面活性剤]
本発明の液体漂白剤組成物は、(c)成分の非イオン界面活性剤以外に、特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)」日本国特許庁、平成10年3月26日、P4〜22に記載されている、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤を含有し得る。
[ナトリウムイオン]
更に、本発明の液体漂白剤組成物は、(c)成分以外の金属イオンとしてナトリウムイオンを含有し得る。(c)成分/ナトリウムイオンのモル比は、液感の向上の観点から1/100〜5/1、更に1/50〜3/1、特に1/20〜2/1が好ましい。
[金属封鎖剤]
本発明の液体漂白剤組成物は、過酸化水素及び漂白活性化剤の安定性向上の観点から、金属封鎖剤を含有し得る。金属封鎖剤としては、ホスホン酸系が好ましく用いられる。その具体例としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体等が挙げられる。これらは1種又は2種以上配合することができる。中でも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等が好ましい。
[ラジカルトラップ剤]
本発明の液体漂白剤組成物は、過酸化水素及び漂白活性化剤の安定性向上の観点から、ラジカルトラップ剤を含有し得る。ラジカルトラップ剤としては、フェノール系、すなわちフェノール性OH基を有する化合物、そのエステル誘導体やエーテル誘導体等の誘導体が好ましい。好適な例としては、ジメトキシフェノール、カテコール、ハイドロキノン、メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)等が挙げられる。
[ハイドロトロープ剤]
本発明の液体漂白剤組成物は、香料等の各種成分を安定する観点から、ハイドロトロープ剤を含有し得る。ハイドロトロープ剤としては、エタノール、イソプロパノール、フェニルポリオキシエチレンアルコール等の1価アルコール類や、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類等が挙げられる。
その他に本発明の液体漂白剤組成物は、シリコーン類、殺菌剤、蛍光染料、酵素、香料等の任意成分を配合し得る。本発明の液体漂白剤組成物は水を含有し、通常、組成物の残部は水である。本発明の液体漂白剤組成物は、繊維製品、特に衣料用の液体漂白剤組成物として好適である。
本明細書中、液感とは、目視にて観察される組成物の状態を指し、例えば液感が良いとは、透明ないし半透明の液体であって、相分離、白濁又はゲル化していない液体の状態を意味する。
[pH]
本発明の液体漂白剤組成物は、20℃におけるpHが好ましくは4〜7、より好ましくは4.6〜7、更に好ましくは5〜7において、安定性の向上、特に漂白活性化剤を配合する場合の更なる安定化を実現でき、貯蔵後でも優れた漂白洗浄性能を発現する。
[液体漂白剤組成物の製造方法]
本発明の液体漂白剤組成物は、(a)成分、(b)成分、(c)成分の供給源である化合物、(d)成分、(e)成分及びその他の任意成分を混合することで得ることができる。すなわち、(c)成分の供給源である化合物を他の成分と混合することが好ましい。特に、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群から選択される1以上の金属の水酸化物を、他成分と混合する工程を包含することが好ましい。これら水酸化物は、配合成分の総量基準で0.1〜5質量%用いることが好ましい。
表1、2に示す液体漂白剤組成物を調製し、以下の評価を行った。結果を表1、2に示す。
[金属イオン濃度の測定]
液体漂白剤組成物中の金属イオンのモル濃度を、日本ジャーレルアッシュ(株)製の原子吸光/炎光共用分光分析装置AA−855により測定した。
[pHの測定]
液体漂白剤組成物の20℃のpHを、(株)堀場製作所製pHメータF52、pH電極6367-S004を用いて測定した。
[液感の評価]
液体漂白剤組成物を100mLガラス製サンプルビンに80g入れ、50℃にて一ヶ月間貯蔵した。その後、液の外観を目視により以下の基準で評価した。
評価基準
○:均一透明な液体である。
×:相分離する、完全に白濁している、又はゲル化しており、ほとんど流動しない。
[曇点の評価]
100mLガラス製サンプルビン(マルエム;No.5)に液体漂白剤組成物80gを入れ、マグネティックスターラーで攪拌しながらウォーターバスで緩やかに昇温し、濁ったところで加熱を止めて冷却した。混合物が透明になったときの温度を曇点とした。
[漂白活性化剤残存率の算出]
100mLガラス製サンプルビンに液体漂白剤組成物を80g入れ、70℃で2週間貯蔵した。貯蔵前後の液体漂白剤組成物中の漂白活性化剤含有量を高速液体クロマトグラフィーで測定し、下式により漂白活性化剤残存率を求めた。
Figure 2007308596
Figure 2007308596
表中の記号は以下のものである。また、表中、(c)成分の供給源となる化合物を(c)’成分として示した。
・漂白活性化剤(1):iso−ノナノイルオキシベンゼンカルボン酸
・漂白活性化剤(2):ドデカノイルオキシベンゼンカルボン酸
・b−1ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド平均付加モル数12)
・b−2:ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14の第2級アルキル基)エーテル(エチレンオキサイド平均付加モル数7)

Claims (7)

  1. (a)過酸化水素又は水中で過酸化水素を生成する化合物、(b)非イオン界面活性剤45質量%〜80質量%、(c)カリウムイオン、ルビジウムイオン及びセシウムイオンからなる群から選択される1以上の金属イオン、(d)ホウ酸、ホウ砂、及びホウ酸塩から選ばれる1以上の化合物、並びに(e)隣り合う炭素原子の両方にそれぞれ1つヒドロキシ基を有する部位が1つ以上存在する化合物、を含有する液体漂白剤組成物。
  2. (c)の濃度が、10mM〜300mMである請求項1記載の液体漂白剤組成物。
  3. 更に、ナトリウムイオンを含有し、(c)/ナトリウムイオン=1/100〜5/1のモル比である請求項1又は2に記載の液体漂白剤組成物。
  4. 更に、一般式(1)で表される漂白活性化剤を含有する請求項1〜3の何れか1項記載の液体漂白剤組成物。
    R−C(=O)−LG (1)
    〔式中、Rは、炭素数6〜13の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、アリール基、又はアルキル基(炭素数1〜8)置換アリール基である。LGは脱離基である。〕
  5. 20℃におけるpHが4〜7である請求項1〜4の何れか1項記載の液体漂白剤組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項記載の液体漂白剤組成物の製造方法であって、カリウム、ルビジウム及びセシウムからなる群から選択される1以上の金属の水酸化物を、他成分と混合する工程を包含する、液体漂白剤組成物の製造方法。
  7. 前記水酸化物を、配合成分の総量基準で0.1〜5質量%用いる請求項6記載の製造方法。
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