JP2007307232A - 車両用シートパッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用シートパッドに導入された空気が座面に連通した通気孔に万遍なく供給されるよう構成された車両用シートパッドを提供する。
【解決手段】車両用シートパッド10のクッションパッドは、パッド本体20と、該パッド本体20の上面に設けられた乗員面材30とからなる。乗員面材30に第2の通気孔35が設けられている。通気孔35は各溝31,32,34及び第1の通気孔27を介してパッド本体20の底面に連通している。覆蓋体37が乗員面材30の下面に貼着されている。覆蓋体37付きの乗員面材30を金型内に配置しておきパッド本体20の発泡成形後に開口39を切り開ける。
【選択図】図5
【解決手段】車両用シートパッド10のクッションパッドは、パッド本体20と、該パッド本体20の上面に設けられた乗員面材30とからなる。乗員面材30に第2の通気孔35が設けられている。通気孔35は各溝31,32,34及び第1の通気孔27を介してパッド本体20の底面に連通している。覆蓋体37が乗員面材30の下面に貼着されている。覆蓋体37付きの乗員面材30を金型内に配置しておきパッド本体20の発泡成形後に開口39を切り開ける。
【選択図】図5
Description
本発明は車両用シートパッドに関するものであり、特に通気孔を有した車両用シートパッドに関する。また、本発明は、この車両用シートパッドの製造方法に関する。
特開平11−34710号公報及び特開2005−59646号公報には、パッド本体の底面から上方に向って凹部が設けられると共に、該凹部にスラブが挿入されており、該スラブの上面部分にセンサが設置された着座センサ付き座席が記載されている。実公平5−10700号、特表平9−505499号には、パッド内にパッド底面に連通した溝を設けると共に、パッドの上部を通気性素材に構成した車両用シートパッドが記載されている。
また、近年、パッド上面を通気性素材とする代替案として、溝と座面とを連通するように空孔を設けることも創案されている。
特開平11−34710号公報
特開2005−59646号公報
実公平5−10700号
特表平9−505499号
パッドをパッド本体と挿填体又はスラブとの2体にて構成し、両者の間に通気用の溝を設けた車両用シートパッドにあっては、連通部から溝内に空気が供給されたときに、空気圧によってパッド本体の座面部やスラブが押し上げられ、連通部から溝及び各空孔への空気供給が万遍なく行われないようになるおそれがある。
この問題を解決するために上記2体同士を接着剤で接着することが考えられるが、接着剤の塗布等の手間がかかる。そこで、挿填体又はスラブを予め製作しておき、且つこの挿填体又はスラブに通気溝を設けておき、この挿填体又はスラブをパッド本体成形用金型内に配置しておいてパッド本体を成形し、挿填体又はスラブをパッド本体と一体化させることが考えられる。しかし、この場合、発泡するウレタンなどの樹脂が通気孔に入り込んでしまい、通気性が得られなくなる。
本発明は、十分な通気性を有した車両用シートパッドと、その製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の車両用シートパッドは、パッド本体と、該パッド本体の乗員側の面に付着した乗員面材とを有し、該パッド本体には、該乗員面材と重なる面からそれと反対面に達するように第1の通気孔が設けられ、該乗員面材には、該第1の通気孔に連通した通気溝が乗員側と反対面に設けられると共に、該通気溝と乗員面材の乗員側の面とを連通する第2の通気孔が設けられている車両用シートパッドにおいて、該車両用シートパッドは、該乗員面材をパッド本体成形用の金型内に配置しておいてパッド本体を該金型内で発泡成形し、該乗員面材とパッド本体とを一体化させることにより製造されたものであり、該乗員面材の乗員側と反対面には、該通気溝を覆う覆蓋体が付着されており、該覆蓋体に、又は該覆蓋体を迂回して、該第1の通気孔と通気溝とを連通させる連通部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の車両用シートパッドは、請求項1において、前記覆蓋体は、発泡する樹脂の透過を阻止する構成のものであることを特徴とするものである。
請求項3の車両用シートパッドは、請求項2において、前記覆蓋体は、不織布、織布又はフィルムよりなることを特徴とするものである。
請求項4の車両用シートパッドの製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形し、脱型後、パッド本体の第1の通気孔と乗員面材の通気溝とを連通させるように前記連通部として開口を開設することを特徴とするものである。
請求項5の車両用シートパッドの製造方法は、請求項4において、覆蓋体を切断することにより前記開口を形成することを特徴とするものである。
請求項6の車両用シートパッドの製造方法は、請求項5において、前記覆蓋体に、該開口を切り開けるためのミシン目が設けられており、このミシン目に沿って覆蓋体を切り取ることにより前記開口を形成することを特徴とするものである。
請求項7の車両用シートパッドの製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形する方法であって、該覆蓋体には、前記第1の通気孔に対面する部分に前記連通部として開口が予め設けられており、前記発泡成形に際しては、前記成形用金型に設けられた第1の通気孔形成用の雄型部によって該開口を閉鎖しておくことを特徴とするものである。
請求項8の車両用シートパッドの製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形する方法であって、該覆蓋体には、前記第1の通気孔に対面する部分に前記連通部として開口が予め設けられていると共に、該開口を剥離可能な蓋材によって覆っておき、前記発泡成形後に該蓋材を剥離させることにより開口を開設することを特徴とするものである。
請求項9の車両用シートパッドは、パッド本体と、該パッド本体の乗員側の面と反対側の面に付着した裏面材とを有し、該裏面材には、乗員側の面に通気溝が設けられると共に、該裏面材の乗員と反対面から該通気溝に達するように第1の通気孔が設けられ、該パッド本体には、該通気溝とパッド本体の乗員側の面とを連通する第2の通気孔が設けられている車両用シートパッドにおいて、該車両用シートパッドは、該裏面材をパッド本体成形用の金型内に配置しておいてパッド本体を該金型内で発泡成形し、該裏面材とパッド本体とを一体化させることにより製造されたものであり、該裏面材の乗員側の面には、該通気溝を覆う覆蓋体が取り付けられており、該覆蓋体に、又は該覆蓋体を迂回して、該第2の通気孔と通気溝とを連通させる連通部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項10の車両用シートパッドは、請求項9において、前記覆蓋体は、発泡する樹脂の透過を阻止する構成のものであることを特徴とするものである。
請求項11の車両用シートパッドは、請求項10において、前記覆蓋体は、不織布、織布又はフィルムよりなることを特徴とするものである。
請求項12の車両用シートパッドの製造方法は、請求項9ないし11のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、前記覆蓋体が付着された前記裏面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形し、脱型後、パッド本体の第2の通気孔と裏面材の通気溝とを連通させるように前記連通部として開口を開設することを特徴とするものである。
請求項13の車両用シートパッドの製造方法は、請求項12において、覆蓋体を切断することにより前記開口を形成することを特徴とするものである。
請求項14の車両用シートパッドの製造方法は、請求項13において、前記覆蓋体に、該開口を切り開けるためのミシン目が設けられており、このミシン目に沿って覆蓋体を切り取ることにより前記開口を形成することを特徴とするものである。
請求項15の車両用シートパッドの製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形する方法であって、該覆蓋体には、前記第2の通気孔に対面する部分に前記連通部として開口が予め設けられており、前記発泡成形に際しては、前記成形用金型に設けられた第2の通気孔形成用の雄型部によって該開口を閉鎖しておくことを特徴とするものである。
請求項16の車両用シートパッドの製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形する方法であって、該覆蓋体には、前記第2の通気孔に対面する部分に前記連通部として開口が予め設けられていると共に、該開口を剥離可能な蓋材によって覆っておき、前記発泡成形後に該蓋材を剥離させることにより開口を開設することを特徴とするものである。
請求項17の車両用シートパッドは、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記乗員面材は発泡成形品又はスラブウレタンフォームであることを特徴とするものである。
請求項18の車両用シートパッドは、請求項9ないし12のいずれか1項において、前記裏面材は発泡成形品又はスラブウレタンフォームであることを特徴とするものである。
第1発明(請求項1)の車両用シートパッドにあっては、パッド本体の第1の通気孔が乗員面材の通気溝を介して第2の通気孔に連通している。
また、第2発明(請求項9)の車両用シートパッドにあっては、裏面材の第1の通気孔が該裏面材の乗員側の面の通気溝を介してパッド本体の第2の通気孔と連通している。なお、第1発明では、パッド本体の第1の通気孔と乗員面材の通気溝とが連通部例えば覆蓋体の開口を介して連通し、第2発明ではパッド本体の第2の通気孔と裏面材の通気溝とが連通部例えば覆蓋体の開口を介して連通している。このため、第1の通気孔と第2の通気孔とは十分な通気量にて通気させうるように連通している。
いずれの車両用シートパッドにあっても、乗員面材又は裏面材がパッド本体に対しパッド本体の発泡成形時に一体化されており、パッド本体と乗員面材又は裏面材とがしっかりと一体化している。
また、第1及び第2発明のいずれの車両用シートパッドにあっても、パッド本体の発泡成形時に乗員面材又は裏面材の通気溝が覆蓋体で覆われており、発泡する樹脂が通気溝内に入り込むことがない。
この覆蓋体は、発泡する樹脂が通気溝内に入り込むことを阻止するためのものであるが、車両用シートパッドのクッション性を損なわないようにするために、硬質な板材よりも織布、不織布、樹脂フィルムなどが好適である。
この覆蓋体の開口は、パッド本体を成形し脱型した後、切り取りなどにより開設することが好ましい。即ち、通気溝は、パッド本体の成形時には全体が覆蓋体で塞がれた状態となっていることが好ましい。これにより、通気溝内に発泡樹脂が入り込むことが確実に防止される。
上記の連通部として開口を覆蓋体に設ける場合、この開口の開設作業は、第1発明の場合は第1の通気孔を通して行うことができる。第2発明の場合は、第2の通気孔を通して行うことができる。この開設作業は、切断工具を用いて行われてもよいが、覆蓋体に予めミシン目を設けておくと、必ずしも切断工具を用いなくても実行可能である。
また、本発明では、予め覆蓋体に開口を設けておき、且つこの開口を剥離可能な蓋材によって覆っておき、パッド本体の発泡成形後に蓋材を剥離させてもよい。
本発明では、覆蓋体に予め開口を設けておくと共に、パッド本体成形用金型に設けた第1の通気孔又は第2の通気孔形成用の雄型部によって開口などの連通部を塞いでおくようにしてもよい。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
第1図は実施の形態に係る車両用シートパッドの平面図、第2図、第3図は第1図のII−II線、III−III線に沿う断面図である。第4図は乗員面材の斜視図、第5図(1)〜(5)は車両用シートパッドの製造方法を示す断面図である。なお、第5図(3)のIX−IX線に沿う断面図を第9図に示す。
この車両用シートパッド10のクッションパッドは、パッド本体20と、該パッド本体20の上面の前部に一体化された乗員面材30とからなる。このクッションパッドに表皮を装着することにより車両用シートパッド10が構成される。
このクッションパッドは、尻下部21、腿下部22、及び左右のサイド部23を有する。
パッド本体20の上面には、前後方向の凹条25,25と横幅方向の凹条26とが、両者が交わることによりH形を呈するように設けられている。
この実施の形態では、乗員面材30は腿下部22に配置されている。この乗員面材30の平面視形状は方形であり、乗員面材30は凹条25,25同士の間であって、且つ凹条26の前方側を構成している。
乗員面材30は低密度材で構成し、パッド本体20の構成材料として高性能材を使用するのが好ましい。
その場合、乗員面材30の構成材料としては、コア密度25〜50kg/m3、25%硬度15〜25kgf/φ200のポリウレタンフォームが望ましく、パッド本体20はコア密度45〜70kg/m3、25%硬度16〜30kgf/φ200のポリウレタンフォームが望ましい。
この車両用シートパッドにあっては、乗員面材30の前後方向の長さが150〜500mm、特に200〜500mmであり、乗員面材30の厚さが平均して腿下部22におけるクッションパッドの厚さの20〜80%、特に30〜50%であることが好ましい。なお、図示のシートパッドでは、乗員面材30の裏面はパッド本体20で覆われているが、腿下のコア抜き部など、一部において露出していてもよい。
この実施の形態では、パッド本体20の腿下部22の上面は平坦である。パッド本体20の前後左右の中央付近に、上下方向に貫通する第1の通気孔27が設けられている。この実施の形態では、第1の通気孔27は1個だけ設けられているが、複数個設けられてもよい。
第4図の通り、乗員面材30の下面には、パッドの中央部を前後方向に延在する前後方向溝34と、該前後方向溝34の最前部から左右に延在した第1横溝31と、前後方向溝34の最後部から左右に延在した第2横溝32とが設けられている。ただし、横溝の数は1個又は3個以上であってもよい。
これらの溝31〜33の全体を下方から蓋をして覆うように覆蓋体37が乗員面材30の下面に接着剤や粘着剤(好ましくは接着剤)や両面テープによって付着されている。なお、覆蓋体37とパッド本体20、乗員面材30とパッド本体20は、いずれもパッド本体20の発泡成形により強固に接着されるため、所用部分(例えば端部)を仮留めするなどして軽く留め付けてあればよい。
この実施の形態では、覆蓋体37は樹脂フィルムよりなるが、ウレタンを透過させないものであればよく、織布、不織布等であってもよい。また、発泡圧によって溝が潰れないようにするために、覆蓋体37として、発泡ガスは透過させるが、ウレタンは透過させないような目付のものを用いるのが好ましい。
この実施の形態では、覆蓋体37は樹脂フィルムよりなるが、ウレタンを透過させないものであればよく、織布、不織布等であってもよい。また、発泡圧によって溝が潰れないようにするために、覆蓋体37として、発泡ガスは透過させるが、ウレタンは透過させないような目付のものを用いるのが好ましい。
乗員面材30には、該第1横溝31と第2横溝32の左右両端部から乗員面材30の上面にまで上下に貫通する第2の通気孔35が設けられている。この実施の形態では、第2の通気孔35は4個設けられているが、これに限定されない。
乗員面材30をパッド本体20と一体化させた状態にあっては、第1の通気孔27は前後方向溝34の下側に配置されている。
この実施の形態では、覆蓋体37のうち第1の通気孔27と重なる部分に連通部として開口39が設けられており、開口39及び溝31〜33を介して第2の通気孔35と第1の通気孔27とが連通している。従って、第1の通気孔27内に温風又は冷風をエアコン(図示略)等から供給すると、この温風又は冷風が第2の通気孔35から上向きに流出し、乗員の暖房又は冷房を行うことができる。
この実施の形態では、後述の通り、乗員面材30はパッド本体20の発泡成形時に一体化されている。このため、第1の通気孔27から吹き上がる空気圧が覆蓋体30を押し上げても乗員面材30とパッド本体20とが剥離することはない。
即ち、第1の通気孔27に空気を供給しても、パッド本体20と乗員面材30とは密着したままとなり、第1の通気孔27からの空気流は前後方向溝34のみを経て各横溝31〜32に流入し、すべての第2の通気孔35へ万遍なく供給され、各通気孔35から十分な量の空気が流出する。
なお、シートパッドはクッションパッドに表皮(図示略)を装着したものである。この表皮は織布など通気性を有した素材よりなる。
以下に、この車両用シートパッド10の製造方法について第5図を参照して説明する。まず、第5図(1)のように乗員面材30を製造する。この乗員側面30は、好ましくは、この乗員面材30を発泡成形するための専用の金型を用いて成形される。この金型には溝31,32,34及び第2の通気孔35を形成するための雄型部が設けられており、乗員面材30がそのまま発泡成形により得られる。なお、後述の第5図(3)のようにパッド本体20は上下逆にした状態で発泡成形されるため、乗員面材30は第5図(1),(2)でも上下逆にして図示されている。
次に、第5図(2)の通り、この乗員面材30の下面側に覆蓋体37を接着、粘着等により付着させる。この覆蓋体27は、開口39はまだ開設されておらず、溝31,32,34の全体を覆うように乗員面材30に付着される。
この覆蓋体37付きの乗員面材30を、パッド本体20を発泡成形するための金型40内に配置する。この金型40は下型41と上型42とからなり、乗員面材30は下型41に装着される。下型41には、通気孔35に挿入される突部41T(第9図)が設けられている。この突部41Tにより乗員面材30を位置決めしたり、覆蓋体37を下から支えたりすることができる。上型42は、前記第1の通気孔27を形成するための雄型部43を備えている。この雄型部43の下端は、型締めすると覆蓋体37に当接する。
下型41内にウレタン原液(図示略)を供給しておき、第5図(3)の通り型締めした後、加熱して発泡させ、パッド本体20を成形する。
その後、第5図(4)の通り脱型する。次いで、第1の通気孔27から切断用工具(図示略)を挿入し、覆蓋体37のうち第1の通気孔27に対面する部分を切り取って、第5図(5)の通り開口39を開ける。
これにより、車両用シートパッド10が得られる。この車両用シートパッド10に表皮が装着される。
上記実施の形態では、乗員面材30は、発泡成形により全体として一体に成形されているが、第6図(a),(b)に示すようにスラブウレタンフォームよりなる薄体51,52を貼り合わせた乗員面材50であってもよい。下側の薄体51には、打ち抜き等により、溝31,32,34となるためのスリット設けておく。上側の薄体52には第2の通気孔35を予め設けておく。第6図のその他の構成は前記実施の形態と同一であり、同一符号は同一部分を示している。第6図のシートパッド10aの製造手段は第5図と同様である。
上記実施の形態では、腿下部にのみ乗員側面30又は50を配置しているが、第7図の車両用シートパッド10’のように尻下部にも乗員面材30’を配置してもよい。この場合、乗員面材30’の通気溝34の下方に第1の通気孔27’を設ける。第7図のその他の構成は前記実施の形態と同一であり、同一符号は同一部分を示している。
第8図はパッド本体20Aの下面側に裏面材60を一体的に設けた車両用シートパッド10Aの断面図である。
この裏面材60には上面に溝62が設けられ、この溝62と裏面材60の下面とを連通するように第1の通気孔61が貫設されている。この溝62を覆うように覆蓋体63が付着されている。パッド本体20Aには、この溝62とパッド本体20Aの上面とを連通するように第2の通気孔70が貫設されている。上記覆蓋体63には、この第2の通気孔70と溝62とを連通する開口69が開設されている。
この車両用シートパッド10Aは、予め裏面材60を発泡成形やスラブウレタンフォームの貼り合わせなどにより製造しておき、これに覆蓋体63を付着させた後、該裏面材60をパッド本体成形用の金型内に配置し、次いでパッド本体20Aを発泡成形し、脱型後、第2の通気孔70を通して覆蓋体63に連通部として開口69を切り開けることにより製造される。
本発明では、開口39,69を開け易くするために覆蓋体にミシン目などを設けておいてもよい。
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の構成をも採りうる。
例えば、上記実施の形態では覆蓋体をフィルムとしているが、織布や不織布など、発泡するウレタンが溝31,32,34又は62内に浸透していかないものであればよい。
上記実施の形態では、パッド本体の発泡成形後に開口39,69を覆蓋体に切り開けているが、覆蓋体に予め開口を設けておき、パッド本体の発泡成形時には通気孔形成用の雄型部43等によってこの覆蓋体の開口を塞いでおくようにしてもよい。
第10図(a)はこの雄型部43で覆蓋体37の開口39を塞ぐ様子を示す断面図である。図示の通り、雄型部43は開口39よりも大きい。第10図(b),(c)のように、雄型部43の先端面に突部43a、43bを設け、該突部43a、43bを開口39に差し込むことにより、ウレタンフォームの流入をより確実に防止することができる。第10図(c)の突部43bのように根元が太いテーパー形状となっていると、覆蓋体37の位置ずれを防止することができる。
この開口は、単なる素孔であってもよく、寒冷紗やワリフ、メッシュなど、空調用の空気を通す通気材が張設されたものであってもよい。
また、この開口を塞ぐようにフィルム等よりなる蓋材を剥離可能な粘着材等によって貼り付けておき、パッド本体の発泡成形後に蓋材を剥すことにより開口を開設してもよい。
本発明では、乗員側の通気孔は、尻下部やサイド部に設けられてもよい。
上記実施の形態は、クッションパッドに関するものであるが、本発明はバックパッドにも適用できる。
上記実施の形態は、クッションパッドに関するものであるが、本発明はバックパッドにも適用できる。
上記実施の形態では、覆蓋体37,63に開口39,69を設けているが、覆蓋体37,63を迂回するように連通部を設けてもよい。
第11図〜第12図及び第13図はそれぞれ乗員面材30に連通部として延長溝部34Eを設け、この延長溝部34Eを介して溝に通気させるようにした実施の形態を示している。
第11図(a),(b)のように、乗員面材30の前後方向溝34を延長するように延長溝部34Eが設けられている。覆蓋体37は、この延長溝部34E以外の溝31,32,34に被さり、延長溝部34Eを露出させるように装着される。
第12図(a)のように、雄型部43の先端を該延長溝部34Eに差し込んでパッド本体20の発泡成形を行う。これにより、第12図(b)の通り、第1の通気孔27が延長溝部34Eを介して溝31,32,34に連通するようになる。
第13図では、延長溝部34Eの縁部に、堤防部34Gを設け、ウレタンフォームが溝内に入り込むことを確実に防止するようにしている。
10,10a,10’,10A 車両用シートパッド
20,20A パッド本体
27,61 第1の通気孔
30,30’ 乗員面材
31,32 横溝
34 前後方向溝
35,70 第2の通気孔
37,63 覆蓋体
39,69 開口
43 雄型部
50 乗員面材
51,52 薄体
60 裏面材
62 溝
20,20A パッド本体
27,61 第1の通気孔
30,30’ 乗員面材
31,32 横溝
34 前後方向溝
35,70 第2の通気孔
37,63 覆蓋体
39,69 開口
43 雄型部
50 乗員面材
51,52 薄体
60 裏面材
62 溝
Claims (18)
- パッド本体と、該パッド本体の乗員側の面に付着した乗員面材とを有し、
該パッド本体には、該乗員面材と重なる面からそれと反対面に達するように第1の通気孔が設けられ、
該乗員面材には、該第1の通気孔に連通した通気溝が乗員側と反対面に設けられると共に、該通気溝と乗員面材の乗員側の面とを連通する第2の通気孔が設けられている車両用シートパッドにおいて、
該車両用シートパッドは、該乗員面材をパッド本体成形用の金型内に配置しておいてパッド本体を該金型内で発泡成形し、該乗員面材とパッド本体とを一体化させることにより製造されたものであり、
該乗員面材の乗員側と反対面には、該通気溝を覆う覆蓋体が付着されており、
該覆蓋体に、又は該覆蓋体を迂回して、該第1の通気孔と通気溝とを連通させる連通部が設けられていることを特徴とする車両用シートパッド。 - 請求項1において、前記覆蓋体は、発泡する樹脂の透過を阻止する構成のものであることを特徴とする車両用シートパッド。
- 請求項2において、前記覆蓋体は、不織布、織布又はフィルムよりなることを特徴とする車両用シートパッド。
- 請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、
前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形し、
脱型後、パッド本体の第1の通気孔と乗員面材の通気溝とを連通させるように前記連通部として開口を開設することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。 - 請求項4において、覆蓋体を切断することにより前記開口を形成することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。
- 請求項5において、前記覆蓋体に、該開口を切り開けるためのミシン目が設けられており、このミシン目に沿って覆蓋体を切り取ることにより前記開口を形成することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、
前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形する方法であって、
該覆蓋体には、前記第1の通気孔に対面する部分に前記連通部として開口が予め設けられており、
前記発泡成形に際しては、前記成形用金型に設けられた第1の通気孔形成用の雄型部によって該開口を閉鎖しておくことを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、
前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形する方法であって、
該覆蓋体には、前記第1の通気孔に対面する部分に前記連通部として開口が予め設けられていると共に、
該開口を剥離可能な蓋材によって覆っておき、
前記発泡成形後に該蓋材を剥離させることにより開口を開設することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。 - パッド本体と、該パッド本体の乗員側の面と反対側の面に付着した裏面材とを有し、
該裏面材には、乗員側の面に通気溝が設けられると共に、該裏面材の乗員と反対面から該通気溝に達するように第1の通気孔が設けられ、
該パッド本体には、該通気溝とパッド本体の乗員側の面とを連通する第2の通気孔が設けられている車両用シートパッドにおいて、
該車両用シートパッドは、該裏面材をパッド本体成形用の金型内に配置しておいてパッド本体を該金型内で発泡成形し、該裏面材とパッド本体とを一体化させることにより製造されたものであり、
該裏面材の乗員側の面には、該通気溝を覆う覆蓋体が取り付けられており、
該覆蓋体に、又は該覆蓋体を迂回して、該第2の通気孔と通気溝とを連通させる連通部が設けられていることを特徴とする車両用シートパッド。 - 請求項9において、前記覆蓋体は、発泡する樹脂の透過を阻止する構成のものであることを特徴とする車両用シートパッド。
- 請求項10において、前記覆蓋体は、不織布、織布又はフィルムよりなることを特徴とする車両用シートパッド。
- 請求項9ないし11のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、
前記覆蓋体が付着された前記裏面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形し、
脱型後、パッド本体の第2の通気孔と裏面材の通気溝とを連通させるように前記連通部として開口を開設することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。 - 請求項12において、覆蓋体を切断することにより前記開口を形成することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。
- 請求項13において、前記覆蓋体に、該開口を切り開けるためのミシン目が設けられており、このミシン目に沿って覆蓋体を切り取ることにより前記開口を形成することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、
前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形する方法であって、
該覆蓋体には、前記第2の通気孔に対面する部分に前記連通部として開口が予め設けられており、
前記発泡成形に際しては、前記成形用金型に設けられた第2の通気孔形成用の雄型部によって該開口を閉鎖しておくことを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項の車両用シートパッドを製造する方法において、
前記覆蓋体が付着された前記乗員面材を前記成形用金型内に配置しておいてパッド本体を発泡成形する方法であって、
該覆蓋体には、前記第2の通気孔に対面する部分に前記連通部として開口が予め設けられていると共に、
該開口を剥離可能な蓋材によって覆っておき、
前記発泡成形後に該蓋材を剥離させることにより開口を開設することを特徴とする車両用シートパッドの製造方法。 - 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記乗員面材は発泡成形品又はスラブウレタンフォームであることを特徴とする車両用シートパッド。
- 請求項9ないし12のいずれか1項において、前記裏面材は発泡成形品又はスラブウレタンフォームであることを特徴とする車両用シートパッド。
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KR20160136858A (ko) * | 2015-05-21 | 2016-11-30 | 주식회사 동강홀딩스 | 차량용 통풍패드 |
US9981412B2 (en) | 2013-12-11 | 2018-05-29 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Method of manufacture of seat pad |
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2006
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