JP2007305315A - 触媒電極、膜電極接合体及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents

触媒電極、膜電極接合体及び固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】プロトン伝導性及び耐久性に優れた触媒電極、該触媒電極を有する膜電極接合体及び固体高分子型燃料電池の提供。
【解決手段】本発明の触媒電極12A及び12Bは、触媒13Aと、ポリマー電解質14とを少なくとも含んでなり、該ポリマー電解質が、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドである。本発明の膜電極接合体10は、電解質膜15電解質バインダー16を介してと、該電解質膜の表面に接合された、本発明の前記触媒電極とを少なくとも有する。本発明の固体高分子型燃料電池は、本発明の前記膜電極接合体を少なくとも有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シロキサン結合を有する、新規なスルホン化芳香族ポリイミドを用いた触媒電極、膜電極接合体及び固体高分子型燃料電池に関する。
近年、携帯電話機、携帯情報端末機、ノートパソコン等の携帯用電子機器は、多機能化に伴い、消費電力の増加が著しくなっており、携帯用電子機器に使用される電池の高出力密度化や高エネルギー密度化が切望されている。前記ノートパソコンや前記携帯情報端末機においては、現在搭載されている電池では、一充電当たりの駆動時間が短く、また、充電に時間がかかるためユーザーの不満は大きいものとなっている。
前記携帯用電子機器に搭載されている、現在、最も一般的な駆動電源は、リチウムイオン二次電池である。しかし、今後も高機能化が進む携帯用電子機器には、要求されるエネルギー密度が現状の数倍となることが予想され、前記リチウムイオン二次電池では、携帯用電子機器の駆動電源としての要求を充分に満足できなくなりつつある状況にある。
このような状況の下、前記リチウムイオン二次電池に代わる新たなエネルギーデバイスの開発が期待されており、その一つとして燃料電池が注目されている。該燃料電池においては、負極に燃料を供給することにより、電子とプロトンとを生成し、該プロトンを正極に供給された酸素と反応させることにより、発電を可能にしている。
前記燃料電池は、その燃料自体の理論的なエネルギー密度が、リチウムイオン二次電池に比べて数倍高いため、燃料に比べて燃料電池の発電部を小さくし、効率よく反応させることができれば、二次電池をはるかに超えるエネルギー密度を達成できる可能性がある。このような背景から、リチウムイオン二次電池に代わる電源として、燃料電池に注目が集まっている。
前記携帯用電子機器に搭載する燃料電池には、小型かつ軽量で、取扱い性が良好で、起動及び停止が容易で、しかも衝撃や振動に強い構造を有することが要求される。この点、構造が単純で、低温でも動作可能であり、起動及び停止動作が速いという特徴を有し、高分子膜を電解質とする全固体型の固体高分子型燃料電池が、前記携帯用電子機器に好適である。特に、小型の携帯用電子機器には、電池構造が簡略で、また、メタノールは、エネルギー密度が高く、貯蔵が容易であるため、燃料としてメタノールを用いた、直接メタノール型燃料電池(DMFC)が採用されている。
前記直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、一般に、プロトン伝導性を有する固体電解質膜と、該固体電解質膜を挟む、燃料極及び空気極の2つの電極とを少なくとも有してなる。
前記DMFCにおいては、燃料であるメタノール水溶液を、前記燃料極側に供給すると、メタノールの発電反応に伴い、以下の(1)から(3)のメカニズムにより水が発生する。まず、(1)次式:CHOH(燃料)+HO→CO(前記燃料極から排出)+6H+6e、のように、燃料であるメタノールと水とが反応(発電反応)して二酸化炭素とH(プロトン)とが生成される。次に、(2)前記固体電解質膜中を、H(プロトン)が前記燃料極から前記空気極に移動(プロトン伝導)して、前記燃料電池に内部電流が生じる。次に、(3)次式:6H+3/2O+6e→3HO、のように、プロトンが前記空気極で酸化されて水が発生する。このとき、前記燃料極及び前記空気極を外部回路に接続することにより、電力を取り出すことができ、生成した水は、前記空気極から系の外へ排出される。
前記燃料電池において、重要な構成要素である固体電解質膜としては、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、燐酸基等を有する有機高分子材料が使用されている。該有機高分子材料としては、従来より、例えば、ナフィオン(商標名)膜(Du Pont社製)、Dow膜(Dow Chemical社製)などに代表される膜に使用されている、パーフルオロスルホン酸系高分子が知られている。
しかし、パーフルオロスルホン酸系高分子は、プロトン伝導性に優れ、水素を燃料とした燃料電池用の膜としては充分機能するものの、前記DMFCにおける固体電解質膜として用いた場合には、水との親和性が高いメタノールが、アノード側からカソード側へ透過(クロスオーバー)してしまう傾向が高いという問題がある。
前記クロスオーバーが生じると、供給された燃料(メタノール)と酸化剤(カソード酸素)とが直接反応し、利用効率及びセル電圧の低下が生じる。このため、前記燃料極に充填するメタノール水溶液の濃度を、充分に高くすることができず、出力の向上に限界がある。一方、メタノール濃度を高めることができれば、携帯機器の駆動時間を長くすることが可能となるため、耐メタノールクロスオーバーを実現可能な、新規な固体電解質膜材料の開発が望まれている。
メタノールのクロスオーバーを抑制可能な材料としては、耐熱性高分子、エンジニアリングプラスチック等の化学的安定性及び熱的安定性に優れた材料として、スルホン化したポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレン、ポリエーテルスルホン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリイミドなどが注目されている(特許文献1参照)。前記ナフィオン等をフッ素系電解質(膜)と称するのに対し、これらは、炭化水素系電解質(膜)と称する。
前記炭化水素系電解質の中でも、スルホン酸基を有するポリイミド(スルホン酸基含有ポリイミド)は、機械的強度、耐熱性、耐溶媒性、強靭な薄膜形成能、などに優れるため、スルホン酸基含有ポリイミド膜を固体電解質膜として使用することが提案されているが(特許文献2〜3、及び非特許文献1〜2参照)。また、高温耐水性の向上を目的として、イミド環の加水分解性を改良するため、テトラカルボン酸二無水物として、1,4,5,8−テトラカルボキシナフタレンの二無水物(NTDA)などを用いたポリイミドが提案されている(特許文献4、及び非特許文献3〜6参照)が、これらのポリマーは、いずれもスルホン酸基をその構成モノマーに含んでおらず、耐熱性高強度高分子として開発されたものであり、前記固体電解質膜としての用途については、何ら開示されていない。
ところで、前記スルホン酸基含有ポリイミドを含む、スルホン化ポリイミド系電解質膜は、前記DMFC用の固体電解質膜としてだけでなく、H/O系の固体高分子型燃料電池(以下、単に「PEFC」と称することがある。)用の固体電解質膜としても有用である。
前記燃料電池においては、前記DMFCであっても、前記PEFCであっても、固体電解質膜と共に触媒の存在が重要である。該触媒は、ニッケル、パラジウム、白金、及びこれらの酸化物、又はこれらに他の金属を少量加えた合金など(以下、「白金系触媒」と称することがある。)の粉末であり、例えば、炭素粉末に担持させたものなどが挙げられる。前記燃料極及び前記空気極としての触媒層は、これらの触媒を含み、その表面で固−液−気の3相が接触して反応に関与しなければならず、しかもプロトンの伝導が容易に行なわれる必要がある。このため、前記触媒層は、ポーラス状でプロトン伝導性を有し、かつ形状を維持することが必要であり、前記触媒と共に、高分子電解質(イオノマー)を用いて成形されている。
また、電気抵抗を軽減するためには、前記燃料極及び前記空気極は、前記固体電解質膜を挟んで可能な限り近接しているのが好ましく、通常、これらの電極は、固体電解質膜面上に塗布され一体化された膜電極接合体(MEA(Membrane Electrode Assembly))として用いられる。このような構造の燃料電池(固体高分子型燃料電池)においては、高分子電解質は、プロトンを伝導し、かつ燃料及び酸化剤の透過を阻止する電解質膜の材料として、また、触媒層のマトリックス材に相当し、3相界面を形成してプロトンを輸送する前記イオノマーとして重要な要素である。
前記固体高分子型燃料電池における、前記燃料極及び前記空気極としての触媒層の形成方法としては、例えば、前記白金系触媒を担持させたカーボン粉末と、イオノマーとの混合物を溶媒中でスラリー状とした後、多孔質カーボン支持体に薄くコーティングして形成する方法や、前記白金系触媒を担持させたカーボン粉末と、エタノール、プロパノール等のアルコール及び水にイオノマーを分散乃至溶解させたイオノマー溶液とを混合させて触媒ペーストを作製し、該触媒ペーストを、ドクターブレード法、ロールコーター法、スプレー法、スクリーン印刷法等を用いて固体電解質膜に塗布する方法が挙げられる。なお、前者においては、得られた触媒層を固体電解質膜に接着することにより膜電極接合体を形成する。これらの場合、高分子電解質(イオノマー)としては、一般に、ナフィオン(Du Pont社製、「Nafion(登録商標)」)に代表される、パーフルオロスルホン酸系高分子が用いられている。
前記イオノマーとして、パーフルオロスルホン酸系高分子を用いて形成した電極の場合、固体電解質膜として、ナフィオン膜を用いた場合には、ナフィオンが触媒層中のイオノマーと同一の材料であるため、膜電極接合体における固体電解質膜と触媒層との接合性に何ら問題はない。しかし、メタノールを燃料とする前記DMFCにおいて、ナフィオン膜を用いた膜電極接合体では、上述の通り、メタノール濃度の増加に伴うメタノールクロスオーバーの現象が顕著となり、高濃度のメタノールによる携帯機器用途の燃料電池の高出力化が困難であるという問題がある。
このような問題を解決する方法として、メタノールクロスオーバーがナフィオン膜に比べて小さい、スルホン化芳香族炭化水素系固体電解質膜を用いた膜電極接合体を作製することが考えられる。しかし、現在、スルホン化芳香族炭化水素系固体電解質膜を有する膜電極接合体の触媒層に用いられているイオノマーは、一般的に前記ナフィオンである。固体電解質膜の材料と、触媒層中のイオノマーの材料とが異なると、熱膨張率、メタノール水溶液に対する膨潤率などが異なるため、固体電解質膜と触媒層との接合性や燃料電池としての長期安定性の確保が困難となる。この状況は、前記PEFCにおいても同様である。
特開2002−201269号公報 特開2003−64181号公報 特開2003−234014号公報 特開2004−83864号公報 ジエイ・ファン等(J.Fang et al.),「マクロモレキュールズ(MacromoLecules)」,第35巻,2002年,p.9022−9028 エックス・グオ等(X. Guo et al.),「マクロモレキュールズ(MacromoLecules)」,第35巻,2002年,p.6707−6713 「マクロモレキュールズ」,第16巻,p.522−526(1983) 「アクタ ポリメリカ」,第39巻,p.460−464(1988) 「ジャーナル ポリマー サイエンス ポリマー ケミストリ」,第35巻,p.539−545(1997) 「ポリマー」,第33巻,p.190−193(1992)
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、プロトン伝導性及び耐久性に優れた触媒電極を提供することを目的とする。
本発明は、本発明の前記触媒電極を有し、電解質膜との接合性が良好であり、プロトン伝導性及び耐久性に優れた膜電極接合体を提供することを目的とする。
本発明は、本発明の前記膜電極接合体を有し、プロトン伝導性及び耐久性に優れ、しかも燃料(例えば、メタノールや水素)のクロスオーバーを抑制し、利用効率の向上及びセル電圧の低下を抑制した、高性能かつ信頼性の高い固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ポリマー電解質(イオノマー)として、シロキサン結合を有する、新規なスルホン化芳香族ポリイミドを用いることにより、プロトン伝導性及び耐水性に優れ、固体電解質に対する接合性が良好な触媒電極が得られることを知見した。また、該触媒電極と固体電解質膜とが接合されて一体化された膜電極接合体(MEA(Membrane Electrode Assembly))は、プロトン伝導性及び耐水性に優れ、燃料(例えば、メタノールや水素)のクロスオーバーを抑制可能で、高強度かつ高耐久性を有することを知見した。更に、該膜電極接合体を用いると、利用効率の向上及びセル電圧の低下抑制を実現することができ、高性能かつ信頼性が高い固体高分子型燃料電池が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、後述の付記に記載の通りである。即ち、
本発明の触媒電極は、触媒と、ポリマー電解質とを少なくとも含んでなり、該ポリマー電解質が、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドであることを特徴とする。
該触媒電極においては、前記触媒に対してマトリックス物質として使用する前記ポリマー電解質(以下、「イオノマー」と称することがある。)が、前記シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドであり、該スルホン化芳香族ポリイミドは、フレキシブルで疎水性の高いシロキサン結合を有するシロキサンユニットと、親水性のスルホン化芳香族ユニットとを有するので、ミクロ相分離した構造を取りやすく、親水性と疎水性とのバランスが良好で、プロトン伝導性及び耐水性に優れる。このため、前記触媒電極は、プロトン伝導性及び耐久性に優れ、固体電解質との接合性が良好である。
本発明の前記触媒電極は、固体高分子型燃料電池における膜電極接合体に好適に使用可能であり、以下の本発明の膜電極接合体及び固体高分子型燃料電池に特に好適に使用可能である。
本発明の膜電極接合体は、電解質膜と、該電解質膜の表面に接合された、本発明の前記触媒電極とを少なくとも有することを特徴とする。
該膜電極接合体(以下、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と称することがある。)においては、本発明の前記触媒電極を有するので、前記電解質膜との接合性が良好である。特に、前記電解質膜として、スルホン化芳香族炭化水素系固体電解質膜を用いた場合には、前記触媒電極における前記ポリマー電解質と、前記電解質膜の材料とが同系統の材料となるため、接合強度が高く、耐久性に優れるほか、燃料(例えば、メタノール)のクロスオーバーを抑制することができる。
また、前記触媒電極と前記電解質膜との接合が、電解質バインダーを用いて行われ、該電解質バインダーが、前記シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドである場合には、前記接合強度がより向上する。
本発明の前記膜電極接合体は、固体高分子型燃料電池に好適に使用可能であり、以下の本発明の固体高分子型燃料電池に特に好適に使用可能である。
本発明の固体高分子型燃料電池は、本発明の前記膜電極接合体を少なくとも有することを特徴とする。
該固体高分子型燃料電池は、本発明の前記膜電極接合体を有しているので、プロトン伝導性及び耐久性に優れ、燃料(例えば、メタノールや水素)のクロスオーバーを抑制可能で、利用効率の向上及びセル電圧の低下抑制を実現することができ、高性能かつ信頼性が高い。このため、直接メタノール型燃料電池や水素燃料電池に特に好適である。
本発明によると、従来における前記問題を解決することができ、プロトン伝導性及び耐久性に優れた触媒電極を提供することができる。
本発明によると、本発明の前記触媒電極を有し、電解質膜との接合性が良好であり、プロトン伝導性及び耐久性に優れた膜電極接合体を提供することができる。
本発明によると、本発明の前記膜電極接合体を有し、プロトン伝導性及び耐久性に優れ、しかも燃料(例えば、メタノールや水素)のクロスオーバーを抑制し、利用効率の向上及びセル電圧の低下を抑制した、高性能かつ信頼性の高い固体高分子型燃料電池を提供することができる。
(触媒電極)
本発明の触媒電極は、触媒と、ポリマー電解質とを少なくとも含み、更に必要に応じてその他の成分を含んでなり、該ポリマー電解質が、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドである。
本発明の触媒電極の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、燃料電池用触媒電極に特に好適である。
−ポリマー電解質−
前記ポリマー電解質(以下、「高分子電解質」又は「イオノマー」と称することがある。)は、前記触媒(粒子)を分散させ、かつ該触媒と一体化し、前記触媒電極(触媒層)を形成する、マトリックスとしての機能を有する。
前記ポリマー電解質は、前記シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドであることが必要であり、このようなスルホン化芳香族ポリイミドとしては、下記一般式(1)で表される構造単位と、下記一般式(2)で表される構造単位とを少なくとも有し、好ましくは下記一般式(3)で表される構造単位を更に有してなるものが好適に挙げられる。
Figure 2007305315
ただし、前記一般式(1)及び一般式(2)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有する2価の芳香族基を表す。Rは、下記構造式(6)で表される基を表す。
Figure 2007305315
Figure 2007305315
ただし、前記構造式(6)中、X及びXは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アルキル基及びフェニル基のいずれかを表す。Aは、下記構造式(7)から(9)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。mは、1〜130の整数を表し、nは、1〜4の整数を表す。
Figure 2007305315
Figure 2007305315
ただし、前記一般式(3)中、Arは、前記一般式(1)及び一般式(2)におけるArと同様であり、前記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有しない2価の芳香族基を表す。
−−一般式(1)で表される構造単位−−
前記一般式(1)で表される構造単位(以下、「スルホン化芳香族ユニット」と称することがある。)は、下記構造式(10)で表される芳香族テトラカルボン酸無水物と、スルホン酸基を有する芳香族ジアミンとを反応させて得られ、ポリイミド骨格を有する。
Figure 2007305315
ただし、前記構造式(10)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種である。
Figure 2007305315
前記構造式(1)から(5)で表される置換基においては、ナフタレン環が含まれているので、ポリイミドの耐水性を向上させることができる。前記構造式(1)から(5)で表される置換基の中でも、溶媒に対する溶解性に優れる点で、構造式(3)から(5)で表される置換基が好ましく、構造式(4)から(5)で表される置換基がより好ましい。カルボニル基、フタロイル基等の電子吸引性基が存在すると、前記スルホン酸基を有する芳香族ジアミンとの反応性が高く、より高分子量のポリイミドが形成され易く、高温耐水性に優れたスルホン化芳香族ポリイミドが得られる。
前記スルホン酸基を有する芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式(11)から(14)で表されるものが挙げられる。
Figure 2007305315
ただし、前記構造式(11)から(14)中、Yは、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、メチレン基(−CH−)、イソプロピリデン基(−C(CH−)、及びジ(トリフルオロメチル)メチレン基(−C(CF−)から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
前記Rで表されるスルホン酸基を有する2価の芳香族基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(15)から(18)で表されるものが挙げられる。
Figure 2007305315
ただし、前記構造式(15)から(18)中、Yは、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、メチレン基(−CH−)、イソプロピリデン基(−C(CH))−)、及びジ(トリフルオロメチル)メチレン基(−C(CF−)から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。この場合、より柔軟性が高く、かつ高分子量のスルホン化芳香族ポリイミドが得られる。
また、高温耐水性に優れたスルホン化芳香族ポリイミドが得られる点で、前記スルホン酸基は、側鎖の芳香族核に結合しているのが好ましい。
−−一般式(2)で表される構造単位−−
前記一般式(2)で表される構造単位(以下、「シロキサンユニット」と称することがある。)は、前記構造式(10)で表される芳香族テトラカルボン酸無水物と、下記構造式(19)で表され、主鎖にシロキサン結合を有する芳香族ジアミンとを反応させて得られ、シロキサン結合及びポリイミド骨格を有する。
Figure 2007305315
ただし、前記構造式(19)中、X及びXは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基及びフェニル基のいずれかを表し、一般的には、メチル基、フェニル基の順に好ましい。Aは、下記構造式(7)から(9)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。mは、1〜30の整数を表し、5〜30が好ましく、nは、1〜4の整数を表し、2〜3が好ましい。この場合、高分子骨格がフレキシブルで、高分子樹脂がミクロ相分離し、親水性−疎水性のバランスの取れたポリイミドを合成することができる。
Figure 2007305315
ただし、構造式(7)から(9)において、−(CH−側が、前記シロキサン鎖と結合する。
−−一般式(3)で表される構造単位−−
前記一般式(3)で表される構造単位(以下、「非スルホン化芳香族ユニット」と称することがある。)は、前記構造式(10)で表される芳香族テトラカルボン酸無水物と、スルホン酸基を有しない芳香族ジアミンとを反応させて得られ、イミド基を有する。
前記スルホン酸基を有しない芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(20)から(23)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2007305315
ただし、前記構造式(23)中、nは、1〜20の整数を表し、高分子骨格がフレキシブルで、分子量の高いポリイミドを合成することができる点で、6〜12が好ましい。
また、前記一般式(3)で表される構造単位においては、前記Rで表されるスルホン酸基を有しない2価の芳香族基が、スルホン酸基を有しない3価の芳香族基で置換されているのが好ましい。この場合、前記スルホン化芳香族ポリイミド中に、分岐構造が形成されることにより、耐久性が向上する。
前記スルホン酸基を有しない3価の芳香族基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式(24)で表されるトリアミンから形成される基が好適に挙げられる。
Figure 2007305315
前記スルホン酸基を有しない3価の芳香族基による置換のモル比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記一般式(3)で表される構造単位に対して、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。
前記モル比率が、10モル%を超えると、スルホン化ポリイミドのポリマー溶液が不溶化し易く、ゲル化することがある。
本発明の前記スルホン化芳香族ポリイミドにおける、前記一般式(1)で表される構造単位(xモル)に対する前記一般式(2)で表される構造単位(zモル)のモル比(x/z)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、99/1〜10/90であるのが好ましい。該モル比が、前記数値範囲内であると、所望のプロトン伝導度を得ることができる。
また、前記一般式(2)で表される構造単位の一部を、前記一般式(3)で表される構造単位に置換することにより、前記一般式(3)で表される構造単位を更に有するスルホン化芳香族ポリイミドが得られる。この場合、得られるスルホン化芳香族ポリイミドを用いた電解質膜の膜強度(耐久性)を増大させることができるほか、イオン交換基濃度を調整することができる。
前記スルホン化芳香族ポリイミドは、前記一般式(1)から(3)で表される各構造単位がランダムに共重合したランダム共重合体であってもよいし、各構造単位が複数個ずつ連結してブロック(以下、「シークエンスブロック」と称することがある。)として共重合したブロック共重合体(以下、「シークエンス共重合体」と称することがある。)であってもよい。
ただし、前記スルホン化芳香族ポリイミドにおける、前記一般式(2)で表されるシロキサンユニットの割合が高い場合、例えば、20質量%以上の場合には、前記一般式(1)で表されるスルホン化芳香族ユニットは、シークエンスブロックとして共重合するのが好ましく、前記一般式(3)で表される非スルホン化芳香族ユニットを用いる場合には、前記スルホン化芳香族ユニットは、ランダム及びシークエンスのいずれにより共重合してもよい。
なお、前記スルホン化芳香族ユニットのブロック鎖が長い場合、例えば、8以上である場合には、前記一般式(1)で表される構造単位におけるRの一部に、トリアミン、テトラミン等による分岐構造を形成してもよい。
前記スルホン化芳香族ポリイミドの合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般的なポリイミドの合成方法を、そのまま使用することができる。
前記スルホン化芳香族ポリイミドにおける、ポリイミド骨格、スルホン酸基及びシロキサン鎖の存在を確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、核磁気共鳴分析装置(NMR)を用いて吸収ピークを測定することにより、これらの構造を分析する方法が挙げられる。
前記スルホン化芳香族ポリイミドは、主鎖にフレキシブルで疎水性の高いシロキサン鎖を有するので、ミクロ相分離した構造を採り易く、疎水性と親水性とのバランスが良好であるため、プロトン伝導性及び耐水性に優れる。また、前記スルホン化芳香族ポリイミドは、分子量が大きく、耐熱性及び耐久性が高い。更に、前記スルホン化芳香族ポリイミドは、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の溶媒に可溶であり、成膜性が良好であり、しかも前記フレキシブルな主鎖構造であり、薄膜形成が可能である。このため、前記ポリマー電解質(イオノマー)、後述する電解質バインダーなどに好適である。
−触媒−
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、白金、ルテニウムなどが好適に挙げられる。
また、前記触媒は、炭素粉末に担持されているのが好ましい。該炭素粉末としては、導電性であり、ケッチェン法、アセチレン法等により作製した高ストラクチャ、かつ比表面積が大きいものが好ましい。
前記触媒の具体的な使用例としては、アノード側の触媒電極では、例えば、白金を担持した炭素粉末、白金−ルテニウムを担持した炭素粉末などを用いることができる。この場合、前記触媒の前記炭素粉末に対する担持量としては、例えば、10〜60質量%が好ましい。
また、カソード側の触媒電極では、例えば、白金を担持した炭素粉末などを用いることができる。この場合、前記触媒の前記炭素粉末に対する担持量としては、例えば、10〜80質量%が好ましい。
前記触媒電極(触媒層)の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記ポリマー電解質(イオノマー)としての前記シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドと、前記触媒を担持した炭素粉末と、溶媒とを混合することにより、触媒ペーストを作製する工程と、電解質膜の表面、あるいは拡散層となる多孔質カーボンの表面に、得られた触媒ペーストを塗布し、乾燥する工程とにより行うことができる。これらの工程により、多孔質の触媒層が形成される。
前記触媒ペーストの作製に使用する溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低融点の極性溶媒が好ましく、具体的には、融点が20℃以下である極性溶媒が好ましい。このような極性溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが好適に挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、使用する極性溶媒が水溶性の場合には、前記スルホン化芳香族ポリイミドの溶解性を損なわない範囲で、水と混合した混合溶液を使用してもよい。
前記触媒ペーストの作製は、攪拌装置を用いた攪拌混合により行うことができ、該攪拌装置としては、特に制限はなく、力学的に粉砕効果を有する攪拌混合装置であれば適宜選択することができる。該攪拌装置としては、例えば、ホモジナイザー、ボールミル、遊星ボールミル、などが挙げられる。
前記攪拌混合を効率よく行うためには、前記攪拌混合時間としては、常温において、30〜300分であるのが好ましい。
前記攪拌混合時間が、30分未満であると、前記触媒を担持した炭素粉末と、前記ポリマー電解質との混合が不十分となることがあり、300分を超えても、それに見合う混合効果が得られないことがある。
形成された多孔質の触媒層においては、前記触媒を担持した前記炭素粉末が、疎水性ブロック構造部と親水性ブロック構造部とを有するスルホン化芳香族ポリイミドにより被覆されている。このように、前記炭素粉末を被覆している前記ポリマー電解質が疎水性ブロック構造部を有するため、該炭素粉末の最外表面層が疎水性を示し、前記炭素粉末により形成され、ガス拡散経路となる空孔の部分が疎水性を示す。その結果、反応ガス、生成水等の前記触媒層内部での滞留が抑制され、ガスの拡散が容易になり、電池反応が長時間安定的に行われる。
(膜電極接合体)
本発明の膜電極接合体(以下、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と称することがある。)は、電解質膜と、該電解質膜の表面に接合された、本発明の前記触媒電極とを少なくとも有し、更に必要に応じて、適宜選択したその他の部材を有してなる。
なお、本発明の触媒電極の詳細については、上述した通りである。
前記電解質膜としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、公知の固体電解質を使用することができるが、スルホン化芳香族炭化水素系ポリマー電解質膜が好ましく、スルホン化芳香族ポリイミド膜がより好ましい。
前記膜電極接合体においては、前記電解質膜が、前記シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド(前記ポリマー電解質)を含む本発明の前記触媒電極と接合されるので、スルホン化芳香族炭化水素系ポリマー電解質膜を用いることにより、これらの接合強度を向上させることができ、前記ポリマー電解質と同系統の材料からなる電解質膜を使用することにより、接合強度をより向上させることができる。
前記電解質膜の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20〜200μmが好ましく、30〜150μmがより好ましい。
前記厚みが、20μm未満であると、電解質膜の強度が低く、燃料のクロスオーバーの影響が出易いことがあり、200μmを超えると、燃料電池運転時において、電解質膜の抵抗が大きくなりすぎることがある。
前記電解質膜と前記触媒電極との接合は、電解質バインダーを用いて行われるのが好ましい。
前記電解質バインダーは、前記触媒電極を前記電解質膜の表面に固着させる接着剤としての機能を有する。該電解質バインダーとしては、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドであるのが好ましい。この場合、前記触媒電極における前記ポリマー電解質(イオノマー)と同系統の材料であるため、該触媒電極との接合性が向上し、更に前記電解質膜がスルホン化炭化水素系ポリマー固体電解質のように同系統の材料で形成される場合には、より接合強度を向上させることができるため、耐久性に極めて優れる膜電極接合体が得られる点で有利である。
なお、前記シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドの詳細については、本発明の上記触媒電極における上記ポリマー電解質において上述した通りである。
前記膜電極接合体の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記触媒を担持した炭素粉末、前記ポリマー電解質(イオノマー)及び前記溶媒を攪拌混合して作製した上記触媒ペーストを、前記電解質膜の表面に塗布した後、60〜250℃の温度で熱処理し、該電解質膜の両面に前記触媒電極(触媒層)を安定に熱圧着して形成する方法、前記触媒ペーストを、カーボン多孔質支持体に塗布してガス拡散電極とし、前記電解質膜にこれを接合する方法、などが挙げられる。後者においては、必要に応じて、前記電解質バインダーが、接合材として使用される。
前記触媒ペーストは、例えば、ドクターブレードにより、前記電解質膜又は前記カーボン多孔質支持体に、所望の膜厚に塗布することができる。
前記触媒ペーストの膜厚は、スクリーン印刷、ドクターブレードのクリアランスを調整することにより変化させることができ、種々の厚みの触媒層を作製することができる。なお、前記触媒ペーストの塗布時の膜厚としては、例えば、50〜300μmの範囲である。
前記カーボン多孔質支持体は、電子伝導性支持体であり、例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス等の多孔質の基材が挙げられる。
前記電解質膜上に塗布形成した触媒電極(触媒層)及び/又は前記ガス拡散電極と、前記電解質膜との接合は、熱圧着(ホットプレス)により行うことができる。該熱圧着により、これらは一体化され、膜電極接合体(MEA)が形成される。
前記熱圧着による接合の際の温度としては、120〜250℃が好ましく、圧力としては、20〜200kgf/cmが好ましい。
前記温度が120℃未満である場合、及び前記圧力が20kgf/cm未満である場合には、前記電解質膜と前記触媒電極(触媒層)との接合性が悪化し、剥離が生じることがある。また、前記温度が250℃を超える場合、及び前記圧力が200kgf/cmを超える場合には、電解質部分の分解が生じることがある。
前記熱圧着(ホットプレス)の時間としては、接合温度及び圧力により変化するが、通常、30〜600秒間の範囲であるのが好ましい。
前記熱圧着時間が、30秒未満であると、前記電解質膜と前記触媒電極(触媒層)との接合性が不十分であることがあり、600秒を超えると、電解質部分の分解が生じることがある。
ここで、本発明の前記膜電極接合体の一例を、以下に図面を用いて説明する。
図1に示すように、膜電極接合体10は、燃料極触媒層(触媒電極)12Aと、電解質膜15と、空気極触媒層(触媒電極)12Bとを、この順に積層してなる構造を有し、電解質膜15の両面と、燃料極触媒層(触媒電極)12A及び空気極触媒層(触媒電極)12B、それぞれの表面とが、電解質バインダー16を介してホットプレス等されることにより接合されている。また、触媒電極12A及び12Bは、触媒13Aを担持させた炭素粉末13Bが、ポリマー電解質(イオノマー)14に分散されて形成されている。
膜電極接合体10においては、触媒電極12A及び12Bにおける、ポリマー電解質14が前記シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドであるため、電解質バインダー16として、前記シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドを使用し、電解質膜15の材料としてスルホン化芳香族炭化水素系ポリマーを用いると、触媒電極12A及び12B並びに電解質膜15の接合性を著しく向上させることができる。
本発明の膜電極接合体は、プロトン伝導性に優れ、耐久性(前記電解質膜と前記触媒電極との接合強度)が高いので、直接メタノール型燃料電池(DMFC)、改質型メタノール燃料電池、水素燃料電池等の固体高分子型燃料電池に好適に使用可能であり、以下の本発明の固体高分子型燃料電池に特に好適に使用可能である。
また、前記膜電極接合体は、メタノールのクロスオーバーを抑制可能であるため、前記DMFCに使用した場合、優れたプロトン伝導性を示し、かつメタノールの透過を抑制し、利用効率の向上及びセル電圧の低下抑制を実現することができる。
(固体高分子型燃料電池)
本発明の固体高分子型燃料電池は、本発明の前記膜電極接合体を少なくとも有してなり、更に必要に応じて、その他の部材を有してなる。
なお、本発明の前記膜電極接合体の詳細については、上述した通りである。
前記固体高分子型燃料電池の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、直接メタノール型燃料電池(DMFC)、改質型メタノール燃料電池、水素燃料電池などが挙げられる。これらの中でも、メタノール、水素のクロスオーバーを抑制し、発電特性を効果的に向上させることができる点で、直接メタノール型燃料電池及び水素燃料電池であるのが特に好ましい。
本発明の前記固体高分子型燃料電池は、本発明の前記膜電極接合体を有しているので、燃料(例えば、メタノールや水素)のクロスオーバーを抑制し、利用効率の向上及びセル電圧低下の抑制を実現することができる。このため、各種の電気機器、例えば、携帯性情報機器、具体的には、携帯電話機、パソコン、デジタルカメラ、ポータブルオーディオ、MP3、玩具等に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド(シークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BAPBDS/APPDMS(5/1)−s)の合成−
まず、下記合成工程1に基づいて、4,4‘−ケトンジナフタレン−1,1’,8,8‘−テトラカルボン酸二無水物(KDNTDA)を合成した。
触媒として、塩化アルミニウムを、溶媒として、1,1,2,2−テトラクロルエタンを、それぞれ用い、アセナフテンを塩化アセチルと反応させて、4−アセチルナフテン(AAN)を合成した。これを、苛性ソーダ水と臭素とを反応させて合成したNaBrOを用いて酸化し、4−アセナフテンカルボン酸(ANCA)を生成した。更に、塩化チオニルを用いてカルボン酸クロリド(ANCC)を生成した。次いで、AANとANCCとをフリーデルクラフト反応させて、4,4‘−ジアセナフチルケトン(DANK)を合成した。これを、酢酸溶液中にて、重クロム酸カリにより酸化し、4,4‘−ケトンジナフタレン−1,1’,8,8‘−テトラカルボン酸(KDNTA)を生成し、次いで、無水酢酸で脱水してテトラカルボン酸二無水物(KDNTDA)を得た。
Figure 2007305315
酸二無水物として、合成工程1に基づいて合成した4,4‘−ケトンジナフタレン−1,1’,8,8‘−テトラカルボン酸二無水物(KDNTDA)を、スルホン化ジアミンとして、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル3,3’−ジスルホン酸(BAPBDS)を、シロキサン含有ジアミンとして、α,ω−アミノプロピルポリジメチルシロキサンオリゴマー(APPDMS1)を、それぞれ用いた。
まず、乾燥した100mlの四口フラスコ中、窒素ガス気流下で、BAPBDS1.901g(3.6ミリモル)、及びトリエチルアミン(TEA)1.2mlを、m−クレゾール26mlに添加して溶解させた。次いで、APPDMS1を0.810g(0.90ミリモル)添加して溶解させた後、KDNTDA1.899g(4.5ミリモル)、及び安息香酸0.77gを加え、窒素ガス雰囲気下にて混合物を80℃で4時間攪拌した後、m−クレゾール16mLと、イソキノリン0.40gとを添加し、180℃で20時間攪拌した。得られた重合反応液を室温まで冷却した後、多量のアセトンに投入し、析出した固体を濾別した。更に、得られた固体をアセトンで洗浄した後、イソプロパノールでソックスレー抽出し、乾燥し、下記構造式で表される、ランダム共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BAPBDS/APPDMS1(4/1)−rを得た。得られた生成物の還元粘度ηSP/c(溶媒:m−クレゾール;0.5質量%、35℃)は、3.5dl/gであった。
Figure 2007305315
なお、前記構造式中、x/z=4/1、m=9.8であり、シロキサンの含有量は、15.9質量%である。
得られたスルホン化芳香族ポリイミドを、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、テフロン(登録商標)板上に流延し、120℃で10時間乾燥して、TEA塩型の共重合スルホン化ポリイミド膜を得た。これをメタノールに2日間浸漬し、次いで、1M硫酸溶液に3日間浸漬しプロトン交換した。次いで、水に2日間浸漬し、洗浄した後、150℃で1時間、更に200℃で1時間真空乾燥して、プロトン型のシークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BAPBDS/APPDMS(4/1)−s膜を作製した。
得られたスルホン化芳香族ポリイミドのDMSO−d中でのHNMRスペクトルを図2に示す。なお、ジメチルシロキサン含有ジアミン(APPDMS)のスペクトルを、図2に併せて示す。
図2より、合成したスルホン化芳香族ポリイミドのスペクトルと、APPDMS1のスペクトルとを比較すると、スルホン化芳香族ポリイミドのピークに加えて、スルホン化芳香族ポリイミド中に、ジメチルシロキサン部のメチルプロトンと、プロピレン部のメチレンプロトンとが更に組み込まれていることが判った。また、ナフタレン環プロトン(1,2,5)と、スルホン酸ジアミン残基のプロトン(6,7,8,9)との強度比から求めたイオン交換容量IECは、1.65meq/gであり、仕込みモノマー比から計算したIEC値と略一致した。
<膜電極接合体の作製>
−触媒電極の作製−
(1)アノード側触媒電極の作製
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、合成したシークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BAPBDS/APPDMS(4/1)−sを用いた。該イオノマーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(KDNTDA−BAPBDS/APPDMS(4/1)−s、イオン交換容量1.7meq/g、トリエチルアミン塩型、樹脂成分6質量%)20gに、Pt−Ru担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC61E54」、Pt−Ru担持量54質量%)2.6gを加え、遊星式ボールミルを用いて攪拌混合(200rpm、1時間)し、アノード側の触媒ペーストを調製した。
得られた触媒ペーストを、バーコーターを用いて、厚み280μmのカーボンペーパー(東レ(株)製、「TGH−H−090」)上に塗布した後、乾燥して触媒電極(触媒層)を作製した。ここで、触媒層中のPt−Ru量は、2mg/cmとなるようにした。
次いで、得られた触媒電極を、0.5Nの硫酸水溶液に25℃、24時間浸漬し、触媒層中の残存溶媒の除去と、スルホン化芳香族ポリイミド樹脂のプロトン交換とを行った。更に、触媒電極をイオン交換水に25℃、24時間浸漬し、触媒層中の過剰な硫酸を洗浄により除去した。
(2)カソード側触媒電極の作製
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、合成したシークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BAPBDS/APPDMS(4/1)−sを用いた。該イオノマーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(KDNTDA−BAPBDS/APPDMS(4/1)−s、イオン交換容量1.7meq/g、トリエチルアミン塩型、樹脂成分6質量%)20gに、Pt担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC10E50E」、Pt担持量46質量%)4.4gを加え、遊星式ボールミルを用いて攪拌混合(200rpm、1時間)し、カソード側の触媒ペーストを調製した。
得られた触媒ペーストを、バーコーターを用いて、厚み280μmのカーボンペーパー(東レ(株)製、「TGH−H−090」)上に塗布した後、乾燥して触媒電極(触媒層)を作製した。ここで、触媒層中のPt量は、2mg/cmとなるようにした。
次いで、得られた触媒電極を、0.5Nの硫酸水溶液に25℃、24時間浸漬し、触媒層中の残存溶媒の除去と、スルホン化芳香族ポリイミド樹脂のプロトン交換とを行った。更に、触媒電極をイオン交換水に25℃、24時間浸漬し、触媒層中の過剰な硫酸を洗浄により除去した。
−電解質膜の作製−
−−シロキサン鎖を有しないスルホン化芳香族ポリイミド(ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BAPBDS/BAPB(2/1)−r)の合成−−
酸二無水物として、1,4,5,8、‐ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)1.609g(6.0ミリモル)を、スルホン化ジアミンとして、4,4’‐ビス(4‐アミノフェノキシ)ビフェニル3,3’‐ジスルホン酸(BAPBDS)2.114g(4.0ミリモル)を、非スルホン酸ジアミンとして、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)0.737g(2.0ミリモル)を、それぞれ用い、実施例3と同様にして、下記構造式で表される、ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BAPBDS/BAPB(2/1)−rを得た。得られた生成物の還元粘度ηSP/c(溶媒:m−クレゾール;0.5質量%、35℃)は、2.8dl/gであった。
Figure 2007305315
なお、前記構造式中、x/y=2/1である。
得られたシロキサン鎖を有しないスルホン化芳香族ポリイミドを、m−クレゾールに溶解させ、ガラス板上に流延し、120℃で10時間乾燥して、TEA塩型の共重合スルホン化ポリイミド膜を得た。これをメタノールに2日間浸漬し、次いで、1M硫酸溶液に3日間浸漬しプロトン交換した。次いで、水に2日間浸漬し、洗浄した後、150℃で1時間、更に200℃で1時間真空乾燥して、プロトン型のランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BAPBDS/BAPB(2/1)−r膜(電解質膜)を作製した。
以上により得られた触媒電極及び電解質膜を用い、膜電極接合体を作製した。
作製した電解質膜(厚み50μm)の両面に、前記電解質バインダー(接合バインダー)として、合成したシークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BAPBDS/APPDMS(4/1)−sを用い、該電解質バインダーのジメチルスルホキシド(DMSO)溶液(イオン交換容量1.7meq/g、プロトン型、樹脂成分5質量%)を塗布して、50℃で30分間乾燥させた。ここで、電解質バインダーの塗布量は、1.5mg/cmとなるようにした。
前記電解質膜の一方の面に、作製したアノード極側の触媒層を、他方の面に、作製したカソード極側の触媒層を、それぞれ重ね合わせて、160℃、50kgf/cmで、120秒間ホットプレスして、膜電極接合体を得た。
得られた膜電極接合体を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)の電流密度とセル電圧との関係を図3に示す。
(実施例2)
実施例1において、アノード側触媒電極を、下記方法により作製した以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した。
−アノード側触媒電極の作製−
実施例1と同様に、前記ポリマー電解質(イオノマー)として、シークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BAPBDS/APPDMS(4/1)−sを用いた。該イオノマーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(イオン交換容量1.7meq/g、トリエチルアミン塩型、樹脂成分6質量%)20gに、Pt−Ru担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC61E54」、Pt−Ru担持量54質量%)5.2gを加え、遊星式ボールミルを用いて攪拌混合(200rpm、1時間)し、アノード側の触媒ペーストを調製した。
得られた触媒ペーストを、バーコーターを用いて、厚み280μmのカーボンペーパー(東レ(株)製、「TGH−H−090」)上に塗布した後、乾燥して触媒電極(触媒層)を作製した。ここで、触媒層中のPt−Ru量は、2mg/cmとなるようにした。
その後、実施例1と同様にして、アノード側触媒電極を作製した。
得られたアノード側触媒電極と、実施例1で作製したカソード側触媒電極及び電解質膜とを用いて膜電極接合体を作製した。
電解質膜(50μm)の両面に、前記電解質バインダー(接合バインダー)として、シークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BAPBDS/APPDMS(4/1)−sを用い、該電解質バインダーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(イオン交換容量1.7meq/g、トリエチルアミン塩型、樹脂成分5質量%)を塗布して、50℃で30分間乾燥させた。ここで、電解質バインダーの塗布量は、1.5mg/cmとなるようにした。
膜厚50μmの電解質膜の一方の面に、作製したアノード極側の触媒層を、他方の面に、カソード極側の触媒層を、それぞれ重ね合わせて、160℃、50kgf/cmで120秒間ホットプレスして、膜電極接合体を得た。
得られた膜電極接合体を、0.5Nの硫酸水溶液に25℃、24時間浸漬し、電解質バインダーであるスルホン化芳香族ポリイミド樹脂のプロトン交換を行った。更に、膜電極接合体をイオン交換水に25℃、24時間浸漬し、膜電極接合体中の過剰な硫酸を洗浄により除去した。
得られた膜電極接合体用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)の電流密度とセル電圧との関係を図3に示す。
(実施例3)
実施例1において、前記ポリマー電解質(イオノマー)、前記電解質膜の材料、及び前記電解質バインダー(接合バインダー)として、シークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA‐BSPOB/APPDMS(5/1)−sを用いた以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。
−スルホン化芳香族ポリイミド(シークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BSPOB/APPDMS(5/1)−s)の合成−
まず、「ポリマープレプリント、ジャパン」,第54巻,p.1751−1752(2005)に記載の方法により、2,2‘−ビス(4−スルホフェノキシ)ベンジジン(BSPOB)を合成した。
酸二無水物として、実施例1で合成した、4,4‘−ケトンジナフタレン−1,1’,8,8‘−テトラカルボン酸二無水物(KDNTDA)1.823g(4.32ミリモル)を、スルホン化ジアミンとして、合成したBSPOB1.901g(3.6ミリモル)を、シロキサン含有ジアミンとして、α,ω−アミノプロピルポリジメチルシロキサンオリゴマー(APPDMS)0.648g(0.72ミリモル)を、それぞれ用い、実施例1と同様にして、下記構造式で表される、TEA塩型のスルホン化ポリイミドKDNTDA−BSPOB/APPDMS(5/1)−sを合成した。得られた生成物の還元粘度ηSP/c(溶媒:m−クレゾール;0.5質量%、35℃)は、2.6dl/gであった。
Figure 2007305315
なお、前記構造式中、x/z=5/1、m=9.8であり、シロキサンの含有量は、13.4質量%である。
<膜電極接合体の作製>
−触媒電極の作製−
(1)アノード側触媒電極の作製
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、合成したシークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BSPOB/APPDMS(5/1)−sを用いた。該イオノマーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(イオン交換容量1.7meq/g、トリエチルアミン塩型、樹脂成分6質量%)20gに、Pt担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC10E50E」、Pt担持量46質量%)2.2gを加え、遊星式ボールミルを用いて攪拌混合(200rpm、1時間)し、アノード側の触媒ペーストを調製した。
得られた触媒ペーストを用い、実施例1と同様にして、触媒電極(触媒層)を作製した。ここで、触媒層中のPt量は、0.5mg/cmとなるようにした。
(2)カソード側触媒電極の作製
アノード側触媒電極の作製において、Pt担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC10E50E」、Pt担持量46質量%)の添加量を、4.4gに変えた以外は、アノード側触媒電極の作製と同様にして、カソード側触媒電極を作製した。
−電解質膜の作製−
合成したスルホン化芳香族ポリイミドを、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、実施例1と同様にして製膜し、プロトン型のシークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BSPOB/APPDMS(5/1)−s膜(前記電解質膜)を作製した。なお、イオン交換容量は、1.71meq/gである。
以上により得られた触媒電極及び電解質膜を用い、更に、前記電解質バインダー(接合バインダー)として、シークエンス化共重合スルホン化ポリイミドKDNTDA−BSPOB/APPDMS(5/1)−sを用いた以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。
得られた膜電極接合体を用いたH/O系固体高分子型燃料電池(PEFC)の電流密度と、セル電圧及び出力密度との関係を図4に示す。
(比較例1)
実施例1において、前記ポリマー電解質(イオノマー)及び前記電解質バインダー(接合バインダー)を、ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(1/1)−rに代えた以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を作製した。
−ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(1/1)−rの合成−
スルホン酸ジアミンとしての2,2‘−ベンジジンジスルホン酸(BDSA)、及び非スルホン酸ジアミンとしての3,3’−ビス(4‐アミノフェノキシ)フェニルスルホン(mBAPPS)を用い、上記非特許文献1(ジエイ・ファン等(J.Fang et al.),「マクロモレキュールズ(MacromoLecules)」,第35巻,2002年,p.9022−9028)に記載の方法と同様にして、ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(1/1)−rを合成した。得られたスルホン化ポリイミドの還元粘度ηSP/c(溶媒:m−クレゾール;0.5質量%、35℃)は、1.8dl/gであり、イオン交換容量は、1.60meq/gである。
<膜電極接合体の作製>
−触媒電極の作製−
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、合成したランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(1/1)−rを用い、該イオノマーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(トリエチルアミン型、樹脂成分6質量%)20gに、Pt−Ru担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC61E54」、Pt−Ru担持量54質量%)を2.2g添加した以外は、実施例1と同様にしてアノード側触媒電極を作製した。
また、前記ポリマー電解質(イオノマー)として、合成したランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(1/1)−rを用い、該イオノマーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(トリエチルアミン型、樹脂成分6質量%)20gを使用した以外は、実施例1と同様にして、カソード側触媒電極を作製した。
以上により得られた触媒電極、及び実施例1で作製した電解質膜(ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BAPBDS/BAPB(2/1)膜;厚み50μm)を用い、更に、前記電解質バインダー(接合バインダー)として、ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(1/1)−rを用いた以外は、実施例1と同様にして膜電極接合体を作製した。
得られた膜電極接合体を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)の電流密度とセル電圧との関係を図3に示す。
(比較例2)
−ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(2/1)−rの合成−
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(NTDA)、2,2‘−ベンジジンジスルホン酸(BDSA)、及び3,3’−ビス(4−アミノフェノキシ)フェニルスルホン(mBAPPS)を用い、ランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(2/1)−rを合成した。
<膜電極接合体の作製>
−触媒電極の作製−
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、合成したランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(2/1)−rを用い、該イオノマーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(イオン交換容量2.3meq/g、トリエチルアミン型、樹脂成分6質量%)20gに、Pt−Ru担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、TEC61E54、Pt−Ru担持量54質量%)2.2gを添加した以外は、実施例1と同様にしてアノード側触媒電極を作製した。
また、前記ポリマー電解質(イオノマー)として、合成したランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BDSA/mBAPPS(2/1)−rを用い、該イオノマーのジメチルアセトアミド(DMAc)溶液(トリエチルアミン型、樹脂成分6質量%)20gを使用した以外は、実施例1と同様にして、カソード側触媒電極を作製した。
−電解質膜の作製−
合成したランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BAPBDS/BAPB(2/1)−rを用いて、膜厚50μmのランダム共重合スルホン化ポリイミドNTDA−BAPBDS/BAPB(2/1)−r膜を作製した。
以上により得られた触媒電極及び電解質膜を用い、膜電極接合体を作製した。
前記電解質バインダー(接合バインダー)として、プロトン伝導性高分子電解質のナフィオンのアルコール水溶液(デュポン社製、「DE2020」、イオン交換容量0.9meq/g、プロトン型、樹脂成分21質量%)を用い、これを、作製した電解質膜(厚み50μm)の両面に塗布して、50℃で30分乾燥させた。ここで、電解質バインダーの塗布量は、1.5mg/cmとなるようにした。
膜厚50μmの電解質膜の一方の面に、作製したアノード側の触媒層を、他方の面に、作製したカソード側の触媒層を、それぞれ重ね合わせて、温度160℃、50kgf/cmで、120秒間ホットプレスして、膜電極接合体を得た。
得られた膜電極接合体を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)の電流密度とセル電圧との関係を図3に示す。
(比較例3)
<膜電極接合体の作製>
−触媒電極の作製−
(1)アノード側触媒電極の作製
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、プロトン伝導性高分子電解質のナフィオンのアルコール水溶液(デュポン社製、「DE2020」、イオン交換容量0.9meq/g、プロトン型、樹脂成分21質量%)16gを用い、これにn−プロパノール6g、及び2−プロパノール17gを添加した。Pt−Ru担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC61E54」、Pt−Ru担持量54質量%)5gに水15gを加え、これらをメノウに入れた後、遊星式ボールミルを用いて攪拌混合(200rpm、1時間)し、アノード側の触媒ペーストを調製した。
得られた触媒ペーストを、バーコーターを用いて、厚み280μmのカーボンペーパー(東レ(株)製、「TGH−H−090」)上に塗布した後、100℃で1時間乾燥し、触媒電極(触媒層)を作製した。ここで、触媒層中のPt−Ru量は、2mg/cmとなるようにした。
(2)カソード側触媒電極の作製
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、プロトン伝導性高分子電解質のナフィオンのアルコール水溶液(デュポン社製、「DE2020」、イオン交換容量0.9meq/g、プロトン型、樹脂成分21質量%)9gを用い、これにn−プロパノール6g、及び2−プロパノール17gを添加した。Pt−Ru担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC10E50E」、Pt担持量46質量%)5gに、水15gを加え、これらをメノウに入れた後、遊星式ボールミルを用いて攪拌混合(200rpm、1時間)し、カソード側の触媒ペーストを調製した。
得られた触媒ペーストを、バーコーターを用いて、厚み280μmのカーボンペーパー(東レ(株)製、「TGH−H−090」)上に塗布した後、100℃で1時間乾燥し、触媒電極(触媒層)を作製した。ここで、触媒層中のPt量は、2mg/cmとなるようにした。
−電解質膜の作製−
実施例1と同様にして、ランダム共重合スルホン化ポリイミド膜NTDA−BAPBDS/BAPB(2/1)−r膜を作製した。
以上により得られた触媒電極及び電解質膜を用い、膜電極接合体を作製した。
前記電解質バインダー(接合バインダー)として、プロトン伝導性高分子電解質のナフィオンのアルコール水溶液(デュポン社製、「DE2020」、イオン交換容量0.9meq/g、プロトン型、樹脂成分21質量%)を用い、これを、作製した電解質膜(厚み50μm)の両面に、塗布して、50℃で30分間乾燥させた。ここで、電解質バインダーの塗布量は、1.5mg/cmとなるようにした。
前記電解質膜の一方の面に、作製したアノード極側の触媒層を、他方の面に、作製したカソード極側の触媒層を、それぞれ重ね合わせて、160℃、50kgf/cmで、120秒間ホットプレスして膜電極接合体を得た。
得られた膜電極接合体を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)の電流密度とセル電圧との関係を図3に示す。
(比較例4)
比較例3において、電解質膜を、膜厚50μmのナフィオン(登録商標)112膜(デュポン社製、パーフルオロスルホン酸/ポリテトラフルオロエチレン共重合体、プロトン型)に代えた以外は、比較例3と同様にして膜電極接合体を作製した。
得られた膜電極接合体を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)の電流密度とセル電圧との関係を図3に、前記膜電極接合体を用いたH/O系固体高分子型燃料電池(PEFC)の電流密度と、セル電圧及び出力密度との関係を図4に、それぞれ示す。
(比較例5)
比較例3において、触媒電極を、下記方法により作製した以外は、比較例3と同様にして膜電極接合体を作製した。
−触媒電極の作製−
(1)アノード側触媒電極の作製
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、プロトン伝導性高分子電解質のナフィオンのアルコール水溶液(デュポン社製、「DE2020」、イオン交換容量0.9meq/g、プロトン型、樹脂成分21質量%)16gを用い、これにn−プロパノール6g、及び2−プロパノール17gを添加した。Pt担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC10E50E」、Pt担持量46質量%)4.3gに水15gを加え、これらをメノウに入れた後、遊星式ボールミルを用いて攪拌混合(200rpm、1時間)し、アノード側の触媒ペーストを作製した。
得られた触媒ペーストを、バーコーターを用いて、厚み280μmのカーボンペーパー(東レ(株)製、「TGH−H−090」)上に塗布した後、100℃で1時間乾燥し、触媒電極(触媒層)を作製した。ここで、触媒層中のPt量は、0.5mg/cmとなるようにした。
(2)カソード側触媒電極の作製
前記ポリマー電解質(イオノマー)として、プロトン伝導性高分子電解質のナフィオンのアルコール水溶液(デュポン社製、「DE2020」、イオン交換容量0.9meq/g、プロトン型、樹脂成分21質量%)9gを用い、これにn−プロパノール6g、及び2−プロパノール17gを添加した。Pt担持炭素粒子(田中貴金属工業(株)製、「TEC10E50E」、Pt担持量46質量%)5gに水15gを加え、これらをメノウに入れた後、遊星式ボールミルを用いて攪拌混合(200rpm、1時間)し、カソード側の触媒ペーストを作製した。
得られた触媒ペーストを、バーコーターを用いて、厚み280μmのカーボンペーパー(東レ(株)製、「TGH−H−090」)上に塗布した後、100℃で1時間乾燥し、触媒電極(触媒層)を作製した。ここで、触媒層中のPt量は、0.5mg/cmとなるようにした。
得られた膜電極接合体を用いたH/O系固体高分子型燃料電池(PEFC)の電流密度と、セル電圧及び出力密度との関係を図4に示す。
<発電特性>
実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた膜電極接合体を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)の電流密度とセル電圧との関係を図3に示す。該DMFCにおいては、燃料として10質量%のメタノール水溶液を、流速2mL/minで膜電極接合体のアノード側に供給する一方、カソード側は空気の自然対流とした。測定温度は60℃で行った。
各膜電極接合体の構成(触媒電極におけるポリマー電解質(イオノマー)/電解質膜/電解質バインダー(接合バインダー))は、以下の通りである。
実施例1:シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド/シロキサン結合を有しないスルホン化ポリイミド膜/シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド
実施例2:シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド/シロキサン結合を有しないスルホン化ポリイミド膜/シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド
比較例1:シロキサン結合を有しないスルホン化ポリイミド/シロキサン結合を有しないスルホン化ポリイミド膜/シロキサン結合を有しないスルホン化ポリイミド
比較例2:シロキサン結合を有しないスルホン化ポリイミド/シロキサン結合を有しないスルホン化ポリイミド膜/ナフィオン樹脂
比較例3:ナフィオン樹脂/シロキサン結合を有しないスルホン化ポリイミド膜/ナフィオン樹脂
比較例4:ナフィオン樹脂/ナフィオン112膜/ナフィオン樹脂
図3より、比較例1〜4で得られた膜電極接合体、特に、比較例4の膜電極接合体では、セル電圧の低下が著しいのに対して、実施例1〜2で得られた膜電極接合体では、セル電圧の低下が抑制されており、優れた燃料電池発電特性を示すことが判った。また、比較例1及び比較例2の膜電極接合体は、1日後には発電することができなくなり、耐久性が悪いことが判った。一方、実施例1、実施例2及び比較例3の膜電極接合体では、200時間の測定時間中、安定的な発電性能を示した。
また、発電試験終了後、各膜電極接合体を目視にて観察したところ、実施例1及び実施例2の膜電極接合体は、電解質膜と触媒電極とが強固に密着していたのに対し、比較例3の膜電極接合体は、電解質膜と触媒電極の一部とが剥離していた。
以上より、本発明の触媒電極、及び該触媒電極を用いた膜電極接合体は、直接メタノール型燃料電池(DMFC)において、利用効率が高く、密着性(接合強度)に優れ、耐久性が高いことが判った。
次に、実施例3及び比較例4〜5で得られた膜電極接合体を用いた単電池(H/O系固体高分子型燃料電池:PEFC)の電流密度と、セル電圧及び出力密度との関係を図4に示す。該単電池は80℃に温調し、燃料として75℃で加湿した水素ガスを、膜電極接合体のアノード側に、流量100mL/minで供給する一方、75℃で加湿した空気を、膜電極接合体のカソード側に、流量750mL/minで供給した。このときの全ガス圧は、0.2Paに設定した。
各膜電極接合体の構成(触媒電極におけるポリマー電解質(イオノマー)/電解質膜/電解質バインダー(接合バインダー))は、以下の通りである。
実施例3:シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド/シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド膜/シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミド
比較例4:ナフィオン樹脂/ナフィオン112膜/ナフィオン樹脂
比較例5:ナフィオン樹脂/シロキサン結合を有しないスルホン化芳香族ポリイミド膜/ナフィオン樹脂
図4より、実施例3の膜電極接合体を、H/O系固体高分子型燃料電池(PEFC)に用いると、従来のナフィオンを使用したものに比して、セル電圧の低下が抑制され、出力密度も高いことが判った。
本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 触媒と、ポリマー電解質とを少なくとも含んでなり、該ポリマー電解質が、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドであることを特徴とする触媒電極。
(付記2) 触媒が、炭素粉末に担持された付記1に記載の触媒電極。
(付記3) シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、下記一般式(1)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位を少なくとも有する付記1から2のいずれかに記載の触媒電極。
Figure 2007305315
ただし、前記一般式(1)及び一般式(2)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有する2価の芳香族基を表す。Rは、下記構造式(6)で表される基を表す。
Figure 2007305315
Figure 2007305315
ただし、前記構造式(6)中、X及びXは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アルキル基及びフェニル基のいずれかを表す。Aは、下記構造式(7)から(9)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。mは、1〜130の整数を表し、nは、1〜4の整数を表す。
Figure 2007305315
(付記4) シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドにおける、一般式(1)で表される構造単位に対する一般式(2)で表される構造単位のモル比(一般式(1)/(一般式(2))が、99/1〜10/90である付記3に記載の触媒電極。
(付記5) シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、下記一般式(3)で表される構造単位を更に有する付記3から4のいずれかに記載の触媒電極。
Figure 2007305315
ただし、前記一般式(3)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有しない2価の芳香族基を表す。
Figure 2007305315
(付記6) 一般式(3)で表される構造単位におけるRが、スルホン酸基を有しない3価の芳香族基で置換された付記5に記載の触媒電極。
(付記7) スルホン酸基を有しない3価の芳香族基が、一般式(3)で表される構造単位に対して10モル%以下である付記6に記載の触媒電極。
(付記8) シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、一般式(1)から(3)のいずれかで表される構造単位が、ランダム共重合及びブロック共重合のいずれかにより重合してなる付記3から7のいずれかに記載の触媒電極。
(付記9) 燃料電池に用いられる付記1から8のいずれかに記載の触媒電極。
(付記10) 電解質膜と、該電解質膜の表面に接合された、付記1から9のいずれかに記載の触媒電極とを少なくとも有することを特徴とする膜電極接合体。
(付記11) 接合が、電解質バインダーを用いて行われ、該電解質バインダーが、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドである付記10に記載の膜電極接合体。
(付記12) 電解質膜が、スルホン化芳香族炭化水素系ポリマーを少なくとも含む付記10から11のいずれかに記載の膜電極接合体。
(付記13) シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、下記一般式(1)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位を少なくとも有する付記10から12のいずれかに記載の膜電極接合体。
Figure 2007305315
ただし、前記一般式(1)及び一般式(2)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有する2価の芳香族基を表す。Rは、下記構造式(6)で表される基を表す。
Figure 2007305315
Figure 2007305315
ただし、前記構造式(1)中、X及びXは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アルキル基及びフェニル基のいずれかを表す。Aは、下記構造式(7)から(9)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。mは、1〜130の整数を表し、nは、1〜4の整数を表す。
Figure 2007305315
(付記14) シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドにおける、一般式(1)で表される構造単位に対する一般式(2)で表される構造単位のモル比(一般式(1)/(一般式(2))が、99/1〜10/90である付記13に記載の膜電極接合体。
(付記15) シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、下記一般式(3)で表される構造単位を更に有する付記13から14のいずれかに記載の膜電極接合体。
Figure 2007305315
ただし、前記一般式(3)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有しない2価の芳香族基を表す。
Figure 2007305315
(付記16) 一般式(3)で表される構造単位におけるRが、スルホン酸基を有しない3価の芳香族基で置換された付記15に記載の膜電極接合体。
(付記17) スルホン酸基を有しない3価の芳香族基が、一般式(3)で表される構造単位に対して10モル%以下である付記16に記載の膜電極接合体。
(付記18) シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、一般式(1)から(3)のいずれかで表される構造単位が、ランダム共重合及びブロック共重合のいずれかにより重合してなる付記13から17のいずれかに記載の膜電極接合体。
(付記19) 付記10から18のいずれかに記載の膜電極接合体を少なくとも有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
(付記20) 直接メタノール型燃料電池及び水素燃料電池のいずれかである付記19に記載の固体高分子型燃料電池。
本発明の触媒電極は、プロトン伝導性及び耐久性に優れ、膜電極接合体(MEA)に好適に使用可能である。
本発明の膜電極接合体は、触媒電極と電解質膜との接合性が良好であり、耐久性に優れ、燃料(例えば、メタノールや水素)のクロスオーバーを抑制することができ、固体高分子型燃料電池に好適に使用可能である。
本発明の固体高分子型燃料電池は、利用効率の向上及びセル電圧の低下抑制を実現し、メタノール、水素のクロスオーバーを抑制可能で、直接メタノール型燃料電池及び水素燃料電池に好適であり、直接メタノール型燃料電池に特に好適である。該固体高分子型燃料電池は、各種の電気機器、例えば、携帯性情報機器、具体的には、携帯電話機、パソコン、デジタルカメラ、ポータブルオーディオ、MP3、玩具等に好適に使用することができる。
図1は、本発明の膜電極接合体の一例を示す概略断面図である。 図2は、実施例1で合成した、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドのHNMRスペクトルの分析結果を示すグラフである。 図3は、実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた膜電極接合体を用いた、直接メタノール型燃料電池(DMFC)の電流密度とセル電圧との関係を示すグラフである。 図4は、実施例3及び比較例4〜5で得られた膜電極接合体を用いた、H/O系固体高分子型燃料電池(PEFC)の電流密度と、セル電圧及び出力密度との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 膜電極接合体(本発明)
12A 燃料極触媒層(本発明の触媒電極)
12B 空気極触媒層(本発明の触媒電極)
13A 触媒
13B 炭素粉末
14 ポリマー電解質(イオノマー)
15 電解質膜
16 電解質バインダー

Claims (20)

  1. 触媒と、ポリマー電解質とを少なくとも含んでなり、該ポリマー電解質が、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドであることを特徴とする触媒電極。
  2. 触媒が、炭素粉末に担持された請求項1に記載の触媒電極。
  3. シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、下記一般式(1)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位を少なくとも有する請求項1から2のいずれかに記載の触媒電極。
    Figure 2007305315
    ただし、前記一般式(1)及び一般式(2)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有する2価の芳香族基を表す。Rは、下記構造式(6)で表される基を表す。
    Figure 2007305315
    Figure 2007305315
    ただし、前記構造式(6)中、X及びXは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アルキル基及びフェニル基のいずれかを表す。Aは、下記構造式(7)から(9)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。mは、1〜130の整数を表し、nは、1〜4の整数を表す。
    Figure 2007305315
  4. シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドにおける、一般式(1)で表される構造単位に対する一般式(2)で表される構造単位のモル比(一般式(1)/(一般式(2))が、99/1〜10/90である請求項3に記載の触媒電極。
  5. シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、下記一般式(3)で表される構造単位を更に有する請求項3から4のいずれかに記載の触媒電極。
    Figure 2007305315
    ただし、前記一般式(3)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有しない2価の芳香族基を表す。
    Figure 2007305315
  6. 一般式(3)で表される構造単位におけるRが、スルホン酸基を有しない3価の芳香族基で置換された請求項5に記載の触媒電極。
  7. スルホン酸基を有しない3価の芳香族基が、一般式(3)で表される構造単位に対して10モル%以下である請求項6に記載の触媒電極。
  8. シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、一般式(1)から(3)のいずれかで表される構造単位が、ランダム共重合及びブロック共重合のいずれかにより重合してなる請求項3から7のいずれかに記載の触媒電極。
  9. 燃料電池に用いられる請求項1から8のいずれかに記載の触媒電極。
  10. 電解質膜と、該電解質膜の表面に接合された、請求項1から9のいずれかに記載の触媒電極とを少なくとも有することを特徴とする膜電極接合体。
  11. 接合が、電解質バインダーを用いて行われ、該電解質バインダーが、シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドである請求項10に記載の膜電極接合体。
  12. 電解質膜が、スルホン化芳香族炭化水素系ポリマーを少なくとも含む請求項10から11のいずれかに記載の膜電極接合体。
  13. シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、下記一般式(1)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位を少なくとも有する請求項10から12のいずれかに記載の膜電極接合体。
    Figure 2007305315
    ただし、前記一般式(1)及び一般式(2)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有する2価の芳香族基を表す。Rは、下記構造式(6)で表される基を表す。
    Figure 2007305315
    Figure 2007305315
    ただし、前記構造式(1)中、X及びXは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、アルキル基及びフェニル基のいずれかを表す。Aは、下記構造式(7)から(9)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。mは、1〜130の整数を表し、nは、1〜4の整数を表す。
    Figure 2007305315
  14. シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドにおける、一般式(1)で表される構造単位に対する一般式(2)で表される構造単位のモル比(一般式(1)/(一般式(2))が、99/1〜10/90である請求項13に記載の膜電極接合体。
  15. シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、下記一般式(3)で表される構造単位を更に有する請求項13から14のいずれかに記載の膜電極接合体。
    Figure 2007305315
    ただし、前記一般式(3)中、Arは、下記構造式(1)から(5)で表される置換基から選択される少なくとも1種を表す。Rは、スルホン酸基を有しない2価の芳香族基を表す。
    Figure 2007305315
  16. 一般式(3)で表される構造単位におけるRが、スルホン酸基を有しない3価の芳香族基で置換された請求項15に記載の膜電極接合体。
  17. スルホン酸基を有しない3価の芳香族基が、一般式(3)で表される構造単位に対して10モル%以下である請求項16に記載の膜電極接合体。
  18. シロキサン結合を有するスルホン化芳香族ポリイミドが、一般式(1)から(3)のいずれかで表される構造単位が、ランダム共重合及びブロック共重合のいずれかにより重合してなる請求項13から17のいずれかに記載の膜電極接合体。
  19. 請求項10から18のいずれかに記載の膜電極接合体を少なくとも有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  20. 直接メタノール型燃料電池及び水素燃料電池のいずれかである請求項19に記載の固体高分子型燃料電池。
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