JP2007303265A - 建築用ガラスブロック、その製造方法及びガラスブロック壁面構造 - Google Patents

建築用ガラスブロック、その製造方法及びガラスブロック壁面構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2007303265A
JP2007303265A JP2006331017A JP2006331017A JP2007303265A JP 2007303265 A JP2007303265 A JP 2007303265A JP 2006331017 A JP2006331017 A JP 2006331017A JP 2006331017 A JP2006331017 A JP 2006331017A JP 2007303265 A JP2007303265 A JP 2007303265A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
block body
hollow block
resin
glass block
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006331017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4973164B2 (ja
Inventor
Yoshikazu Seki
芳和 関
Eiichiro Kuwabara
英一郎 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2006331017A priority Critical patent/JP4973164B2/ja
Publication of JP2007303265A publication Critical patent/JP2007303265A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4973164B2 publication Critical patent/JP4973164B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】製造上のロスが小さく、長期間優れた装飾効果を発揮し、透光性、防眩性及び不透視性を有する建築用ガラスブロック、その製造方法及びガラスブロック壁面構造を提供する。
【解決手段】本発明の建築用ガラスブロック1は、中空ブロック体1aの内表面1eに、着色された透光性の樹脂皮膜層2が形成されてなり、透光部1fの外表面1gにおける表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmである。また、本発明の製造方法は、中空ブロック体1aに通気孔1dから樹脂を注入して内面に塗布する工程と、中空ブロック体1aを加熱して樹脂被膜層2を形成する工程と、その中空ブロック体1aの通気孔封止工程と、中空ブロック体の透光部1fの外表面1gに、表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmである微細な粗さを付与する表面加工工程とを有する。本発明のガラスブロック壁は、複数の建築用ガラスブロック1と、建築用ガラスブロック1の相互間に配設される目地材とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱性、遮音性及び透光性に優れ、外壁用や内壁用として広く利用される建築用ガラスブロック、そのガラスブロックの製造方法及びそのガラスブロックを用いたガラスブロック壁面構造に関する。
一般にガラスブロック壁には、中空の建築用ガラスブロックが用いられている。このガラスブロックは、一対の有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光面となるガラス成形体を、互いの開放端縁で熔着一体化させることによって作製され、表裏面の双方に額縁に囲まれた透光面を有する中空の建築材料であり、建物の外壁や内壁、あるいはベランダ等に広く使われている。
近年、ビルや住宅のデザインの多様化により、装飾性に富んだ建築用ガラスブロックが求められるようになっている。例えば、特許文献1には、ガラスブロックの構成要素であるガラス成形体を透明ガラス生地で形成すると共にガラス成型体の底壁部の内表面に、色付模様を構成するための複数の着色ガラス装飾物を散らばらせて融着一体化されたガラスブロック及びその製造方法が開示されている。この着色ガラス装飾物は、板状ガラス片、または棒状ガラス体、もしくは斑点模様単位ガラス体で構成し、必要に応じて発光性物質を塗布または混入させている。
また、特許文献2には、ガラス成形体を透明ガラス生地で形成すると共にガラス成型体の底壁部を形成する透明ガラス生地中に、色付模様を構成するための複数の着色ガラス装飾物を混入したガラスブロック及びその製造方法が開示されている。
さらに、特許文献3には、ガラス成形体が、色の異なる複数のガラス生地で形成されてなるガラスブロック及びその製造方法が開示されている。
また、特許文献4には、有底無蓋で凹部を有する透明なガラス成形体の一対が、互いの開放端縁で溶着一体化されてなるガラスブロックにおいて、上記凹部底面に相当する内表面に発光性物質を含む層が形成されてなるものである。
また、特許文献5には、その側面に貫通孔を設け、そこから内部に塗料を流し込んだ後、貫通孔をシーリング材で塞いだガラスブロック及びその製造方法が開示されている。
特開2003-160999号公報 特開2003-165730号公報 特開2003-165734号公報 特開平9-21206号公報 実公昭41-10689号公報
しかしながら、特許文献1に記載の建築用ガラスブロックは、着色ガラスを散りばらせるために均一に融着させることが困難である、融着一体化させる際の温度管理を厳密に行う必要があり、製造上のロスが多い、透光面にしか着色装飾物が付かないため、装飾効果が劣る、内部に融着させるため装飾物は600℃程度の耐熱性に優れ、膨張係数が近似したガラス系材料に限定されるなどの課題がある。
また、特許文献2に記載の建築用ガラスブロックは、底壁部を形成する透明ガラス生地中に、色付模様を構成するための複数の着色ガラス装飾物を混入するために、膨張係数が近似したガラス系材料に限定され、かつ融着一体化させる際の温度管理をさらに厳密に行う必要があり、製造上のロスが多い。透光面にしか着色装飾物が付かないため、装飾効果が劣るなどの課題がある。
さらに、特許文献3に記載の建築用ガラスブロックは、ガラス成形体が、色の異なる複数のガラス生地で形成されてなるので、膨張係数が近似したガラス系材料に限定され、かつ融着一体化させる際の温度管理をさらに厳密に行う必要があり、製造上のロスが多い。透光面にしか着色装飾物が付かないため、装飾効果が劣るなどの課題がある。
また、特許文献4に記載の建築用ガラスブロックは、有底無蓋で凹部を有する透明なガラス成形体の底面に相当する内表面にのみ発光性物質を形成しているため、着色されていない側面との差が激しく見栄えが劣る。また、融着一体化させる前に発光性物質を含む膜をガラスブロック内表面に形成するため、膜の材料、厚みが限定される(600℃程度の耐熱性が要求される)。さらに、融着一体化させる前に発光性物質を含む膜を形成するため、融着一体工程での温度管理を厳密に行う必要があり、管理が不十分であると大きな製造ロスになる。また、一度の生産で大量の製品ができるため、在庫を多く抱えるリスクがあるなどの問題点がある。
また、特許文献5に記載の建築用ガラスブロックは、内部に塗料を流し込むものであるので、壁面を形成するために外観が同じような建築用ガラスブロックを数多く作製しようとすると、生産管理上、単色など色彩が単調なものに限定されるという問題がある。
上記のような建築用ガラスブロックや、一般に市販されている中空部内表面を着色している建築用ガラスブロックは、表面が鏡面に仕上げられているので、日射や照明による光が直接、反対面に到達する場合やその反射による場合に眩しさを強烈に感じたり、像の写りこみによる不快を感じることがあった。また、反対面が透視できるため視線を遮りたい場合には使用することができないか、または、別途スクリーン等を必要としていた。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、製造上のロスが小さく、長期間に亘って多彩な色調で演出効果に優れ、さらに透光性を維持したまま眩しさ及び像の映り込みを防ぎ、透光性と不透視性とを併せ持つ建築用ガラスブロック、その製造方法及びこの建築用ガラスブロックを用いたガラスブロック壁面構造を提供することを技術課題とする。
上記技術的課題を解決するためになされた本発明の建築用ガラスブロックは、有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光部となるガラス成型体の一対が、互いの開放端縁で溶着一体化されて中空ブロック体が形成されており、該中空ブロック体の内表面に着色された透光性の樹脂皮膜層が形成されてなる建築用ガラスブロックにおいて、前記透光部外表面の表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmであることを特徴とするものである。
本発明で中空ブロック体の透光部外表面における表面粗さのRzJIS値が、1μm未満であると眩しさ及び像の写りこみを防ぐ効果が得られにくくなる。一方、表面粗さのRzJIS値が500μmを超えると汚れの除去が困難になるという性能の低下や中空ブロック体が破損しやすくなる不具合等が考えられる。ガラスブロックの透光部外表面における表面粗さのRzJIS値としては、1μm〜500μmであることが重要である。また本発明の建築用ガラスブロックで、透光部の外表面の周囲に位置する額縁部の表面粗さも同様にRzJIS値が1μm〜500μmであると、光の散乱作用により中空ブロック体内部の着色された樹脂皮膜層の透光面を通した見え方と額縁部とを通した見え方が近づくので、外観が好ましいものとなる。
また、本発明で中空ブロック体の内表面に着色された透光性の樹脂皮膜層が形成されているとは、内表面に形成される樹脂皮膜層が有機物質や無機物質の顔料その他による着色物であることを意味している。中空ブロック体内の側面及び透光面の両面に対して、着色された樹脂皮膜層を形成すると、色彩の演出効果をより鮮明にすることができ、一方、中空ブロック体内の側面のみに着色樹脂皮膜層を形成すると、控えめな色彩の演出効果が可能になる。
また、本発明で中空ブロック体の内表面に形成される樹脂皮膜層は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の少なくとも一種からなり、0.5μm〜1000μmの厚さを有し、該樹脂皮膜層を介して装飾材が保持されてなることを特徴とする。
本発明で中空ブロック体の内表面に形成される樹脂皮膜層としては、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の少なくとも一種からなることが、装飾材の接着力や耐久性のうえで好ましい。樹脂皮膜層の厚さが0.5μm未満であると装飾材の接着が不十分となり長期間に亘って装飾効果が維持できない可能性があり、一方、樹脂皮膜層の厚さが1000μmを超えると装飾材を均一に分散させることが困難である。樹脂皮膜層の厚さとしては、0.5μm〜1000μmであることが装飾材を効果的に保持するうえで好ましい。
また、装飾材が、粒体であり、その粒径が2μm未満であると、粒体が凝集を起こす等して均一に分散させることが困難となり、色むらになるなど意匠効果がなくなり、一方、粒体の粒径が3000μmを超えると長期間に亘る保持が困難である。装飾材として保持される粒体の粒径としては、2μm〜3000μmであることが装飾材を効果的に保持するうえで好ましい。
また、装飾材が、繊維であり、その長さが1mm未満であると装飾効果が乏しいものであり、一方、40mmを超えると特に透光面のコーナー部分で繊維の分散が悪くなり不均一なものになる。装飾材として保持される繊維の長さとしては、1mm〜40mmであることが装飾効果を上げるうえで好ましい。
また、本発明で中空ブロック体の内表面に形成される樹脂皮膜層を介して保持される装飾材の粒体や繊維が、結晶体、石材、ガラス、セラミックス、ガラスセラミックス、金属等が無機物であると、酸化などによる経時変化を考慮すると酸化物であることが有利である。
また、本発明で中空ブロック体の内面に発光性物質が付着されているとは、中空ブロック体の内表面に形成される樹脂皮膜層に含まれる着色物質の顔料が蛍光顔料であること、装飾材が蓄光材や蛍光材であること等を意味している。蛍光顔料としては、ローダミン、テルビウム、ユウロピウム、フルオレセイン等、また、蓄光材としては、金属硫化物に銅やビスマス等を付活させたものや金属酸化物に希土類元素をドープさせたもの等が好適に使用可能である。
また、本発明で中空ブロック体の側面に通気孔が設けられており、該通気孔が不透湿材によって封止されてなるとは、通気孔が壁面を形成した場合に隠れる中空ブロック体の側面に開口していることを意味しており、通気孔を通じて樹脂や装飾材が導入された後、湿気を通さないシリル基含有ポリマーからなる接着剤、ポリイソブチレンからなるシーリング材、ブチル系ゴム等の不透湿材によって封止されているものである。
このような構成によれば、有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光面となるガラス成型体の一対が、互いの開放端縁で溶着一体化され、アニール工程が終了した建築用ガラスブロックの側面に開けた通気孔から蛍光性物質を含む樹脂を注入して塗布し、約200℃で焼付けし、ガラスブロック内面全体に樹脂皮膜蛍光層を形成することができる。
また、本発明で、中空ブロック体の内部に乾燥剤が入っているとは、空気中から水蒸気を吸収するシリカゲル、生石灰、モレキュラーシーブ、酸化アルミニウムその他の物質が乾燥剤として収容されていることを意味しており、不透湿材によって封止された中空ブロック体の内部を乾燥状態に保ち、外気温低下時の内部結露を防止する上で好ましい。例えば、145×145×95mmの中空ブロック体に対して不透湿材による封止作業を行う時、例えば中空ブロック体の内部が25℃、60%RHの状態を20%RH以下にしたい場合には、0.5gのシリカゲル(JIS Z 0301「防湿包装方法」による計算式による)を中空ブロック体に入れることにより可能となる。また、145×145×95mmの中空ブロック体に対して0.5gという少量の透明で粒の小さなシリカゲルを中空ブロック体内部に入れても目立つものでなく、意匠上の問題にはならない。
なお、建築用ガラスブロックを損傷させることなく取り扱い施工し、かつ安定した性能を発揮させるために、中空ブロック体の側面を発泡性塗料や弾性シート等の保護材により保護しておくことが好ましい。
本発明に係る建築用ガラスブロックの製造方法は、有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光面となるガラス成型体の一対を互いの開放端縁で溶着一体化して中空ブロック体を形成するブロック形成工程と、一対のガラス成型体を溶着する際に中空ブロック体の側面に通気孔を設けるか又は形成された後の中空ブロック体の側面に通気孔を設ける通気孔形成工程と、該中空ブロック体に通気孔から樹脂を注入して内面に塗布する樹脂塗布工程と、該中空ブロック体を加熱し、樹脂を固化させて樹脂被膜層を形成する樹脂固化工程と、該中空ブロック体の通気孔を不透湿材によって封止する通気孔封止工程と、中空ブロック体の透光部の外表面に、表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmである粗さを付与する表面加工工程とを有することを特徴とするものである。
本発明でブロック形成工程は、バーナー等でガラス成型体の一対を互いの開放端縁を加熱し、軟化させた後に突き合わせて溶着一体化して中空ブロック体を形成するものである。また、通気孔形成工程としては、この融着の際に、予め開放端縁の一方または両方の開放端縁の同じ対向する位置に、通気孔になる凹部を形成したガラス成型体を使用するか、または形成された後の中空ブロック体の側面に既知の穿孔技術により通気孔を設るものであればよい。樹脂塗布工程としては、中空ブロック体に通気孔から所要量またはそれ以上の着色樹脂を注入して内面の所用部分に塗布することを意味している。樹脂固化工程としては、加熱炉等で中空ブロック体を加熱することで、中空ブロック体の内面に塗布されている状態の蛍光性物質を含む樹脂を加熱し、樹脂を固化させて樹脂被膜層を形成させるものであればよい。表面加工工程は、酸処理、サンドブラスト等で中空ブロック体の透光部の外表面に、表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmである微細な粗さを付与するものであれば使用可能である。通気孔封止工程としては、内面に樹脂被膜層を形成した中空ブロック体の通気孔を建築用の一液性シーリング材等の不透湿材によって封止するものであればよい。
また、本発明で樹脂塗布工程が、蛍光顔料を含む樹脂を注入して内面に塗布するものであると、内面に樹脂を塗布した中空ブロック体を加熱し、樹脂を固化させて形成する樹脂被膜層を容易に蛍光層とすることができる。
さらに、本発明で中空ブロック体内の余剰の樹脂を除去する余剰樹脂除去工程とは、樹脂塗布工程が中空ブロック体に通気孔から所要量以上の樹脂を注入して、中空ブロック体内面に樹脂を十分に塗布させた後、中空ブロック体内の余剰の樹脂を除去する余剰樹脂除去工程である。このようにすれば、溶着一体化されてアニール工程が終了した中空ブロック体の側面に設けた通気孔から樹脂を投入して攪拌することで、中空ブロック体の内表面の全てに樹脂を満遍なく十分に付着させることが可能になる。
また、本発明で中空ブロック体に通気孔から装飾材を導入する装飾材投入工程を有するものであると、着色された透明樹脂上に、装飾材を容易に付着保持されることができる。
また、本発明で中空ブロック体内の余剰の装飾材を除去する余剰装飾材除去工程とを有するとは、装飾材付着工程が中空ブロック体に通気孔から所要量以上の装飾材を投入して、中空ブロック体内面に装飾材を十分に付着させた後、中空ブロック体内の余剰の装飾材を除去する余剰装飾材除去工程を有することを意味するものである。このようにすれば、溶着一体化されてアニール工程が終了した中空ブロック体の側面に設けた通気孔から装飾材を投入して攪拌することで、中空ブロック体の内表面の全てに装飾材を均一に分散させて付着させることが可能になる。
また、本発明で樹脂固化工程後の中空ブロック体の内部に乾燥剤を入れ、通気孔封止工程を行うとは、低湿度の室内、乾燥気体の供給、室温よりもやや高温状態にする等して中空ブロック体の内部を乾燥状態に保ちつつ、空気中から水蒸気を吸収するシリカゲル、生石灰、モレキュラーシーブ、酸化アルミニウムその他の物質が乾燥剤として収容し、中空ブロック体の通気孔を不透湿材によって封止するものである。
なお、建築用ガラスブロックを損傷させることなく取り扱い施工し、かつ安定した性能を発揮させるために、中空ブロック体の側面を発泡性塗料や弾性シート等の保護材で保護する側面保護工程を設けておくことが好ましい。
本発明に係るガラスブロック壁面構造は、一対の有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光部となるガラス成型体が、互いの開放端縁で溶着一体化されてなる中空ブロック体の側面に通気孔が形成されてなり、通気孔が不透湿材によって封止されてなる複数の建築用ガラスブロックと、該建築用ガラスブロックの相互間に配設される目地材とを備えるガラスブロック壁であって、前記建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の内表面に着色された透光性の樹脂皮膜層が形成されており、かつ前記透光部外表面の表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmであることを特徴とするものであり、建築用ガラスブロックの透光部周囲の額縁部の表面粗さが同様にRzJIS値が1μm〜500μmであることが外観上好ましい。
また、本発明の建築用ガラスブロックは、樹脂皮膜層が熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の少なくとも一種からなり、0.5μm〜1000μmの厚さを有し、該樹脂皮膜層を介して装飾材が保持されてなることを特徴とするものである。
さらに、本発明のガラスブロック壁面構造に使用する建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の側面に設けられた通気孔が不透湿材によって封止されてなるものであることが、使用する建築用ガラスブロックの選択肢を増やすことが容易になり、面外観のデザインの自由度を確保するうえで好ましい。また建築用ガラスブロックの中空ブロック体の内部に乾燥剤が入っていることが、外気温低下時にガラスブロック壁の内部結露を防止する上で好ましい。
なお、本発明のガラスブロック壁面構造は、従来からの施工方法による、モルタルや補強筋を用いたものでもよい。また、本発明のガラスブロック壁は、従来のガラスブロックやガラスブロック壁面を併用したものであってもよい。
本発明に係る建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の内表面に着色された透光性の樹脂皮膜層が形成されてなり、透光部外表面の表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmであるので、多彩な色調で演出効果に優れ、着色された透光性の樹脂皮膜層を中空ブロック体内に密封することで長期間に亘って美観を保つことができ、さらに透光性を維持したまま眩しさを防ぎ、像の映り込みを防ぐ、透光性と不透視性とを併せ持つ建築用ガラスブロックを提供することができる。また、本発明の建築用ガラスブロックで、透光部周囲の額縁部の表面粗さが同様にRzJIS値が1μm〜500μmであると、光の散乱作用により中空ブロック体内部の着色された樹脂皮膜層の透光面を通した見え方と額縁部とを通した見え方が近づくことにより、着色面積が大きくなったような外観が得られるので、意匠性が大幅に向上する。
また、本発明の建築用ガラスブロックで、着色された樹脂皮膜層は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の少なくとも一種からなり、0.5μm〜1000μmの厚さを有し、該樹脂皮膜層を介して装飾材が保持されてなるので、樹脂皮膜層でバラエティに富む装飾材を透明なガラスからなる中空ブロック体の内表面に保持することが容易であり、かつ中空ブロック体内に密封することで装飾材の美観を長期間にわたって保つことができるものである。また、建築用ガラスブロックが、中空ブロック体の透光面に、透光性の樹脂皮膜層を介して装飾材が保持されてなること、中空ブロック体内の側面及び透光面の両面に対して、着色された樹脂皮膜層を介して装飾材を保持することが可能となり、大きな装飾効果が得られるものになる。また、樹脂皮膜層が0.5μm〜1000μmの厚さを有するので、均一に、かつ接着による十分な保持力で多様な装飾材を効果的に保持することが可能となる。
また、本発明の建築用ガラスブロックで、装飾材が、粒径が2μm〜3000μmの粒体であると、中空ブロック体の内表面に粒体の装飾材を安定して固着し、かつ均一に分散させることが可能であり、建物の壁面等に採用した場合には、透光面から粒体により拡散した光を室内に入れることができ意匠上優れたものになる。
また、本発明の建築用ガラスブロックで、装飾材が、長さが1mm〜40mmの繊維であると、中空ブロック体の内表面に繊維の装飾材を安定して固着し、かつ均一に分散させることが可能であり、建物の壁面等に採用した場合には、透光面から繊維により拡散した光を室内に入れることができ意匠上優れたものになる。
また、本発明の建築用ガラスブロックで、中空ブロック体の内面に発光性物質が付着されていると、中空ブロック体の内表面に、例えば、蛍光性物質を含む透光性の樹脂皮膜蛍光層が形成されている場合、透光性と防眩性及び不透視性に加えて、明快なパステル調の意匠面及び暗がりでは光る意匠として十分に目立たせることが可能となり良好な見栄えになる。また、中空ブロック体の内表面に、蓄光材が保持されていると、昼間の日光または照明光の照射で蓄えられたエネルギーにより、暗がりでは長時間光る意匠として十分に目立たせることが可能な独特のものとなる。
また、本発明の建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の側面に通気孔が設けられており、該通気孔が不透湿材によって封止されてなるので、通気孔を通じて着色樹脂や装飾材を導入した後、湿気を通さない不透湿材によって封止する製造方法を採用することが可能となり、短期間に所望のデザインの建築用ガラスブロックを作製することができ、製品の在庫を最小にすることが可能となる。
また、本発明の建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の内部に、乾燥剤が入っていると、不透湿材によって封止された中空ブロック体の内部を乾燥状態に保ち、外気温低下時の内部結露を防止することが可能となる。
本発明に係る建築用ガラスブロックの製造方法は、有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光面となるガラス成型体の一対を互いの開放端縁で溶着一体化して中空ブロック体を形成するブロック形成工程と、一対のガラス成型体を溶着する際に中空ブロック体の側面に通気孔を設けるか又は形成された後の中空ブロック体の側面に通気孔を設ける通気孔形成工程と、該中空ブロック体に通気孔から樹脂を注入して内面に塗布する樹脂塗布工程と、該中空ブロック体を加熱し、樹脂を固化させて樹脂被膜層を形成する樹脂固化工程と、該中空ブロック体の通気孔を不透湿材によって封止する通気孔封止工程と、中空ブロック体の透光部の外表面に、表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmである微細な粗さを付与する表面加工工程とを有することで、透光部の外表面がフロスト加工された中空ブロック体の内表面に、着色された樹脂皮膜層が形成されるので、上記多彩な色調で演出効果に優れ、着色された透光性の樹脂皮膜層を中空ブロック体内に密封することで長期間に亘って美観を保つことができ、さらに透光性を維持したまま眩しさを防ぎ、像の映り込みを防ぐ、透光性と不透視性とを併せ持つ建築用ガラスブロックを短期間に作製することができる。また、上記の通気孔形成工程と通気孔封止工程とを有するので、注文に対して迅速に所望のデザインの建築用ガラスブロックを作製するができ、製品の在庫を最小にすることが可能となり、安価な価格で対応することができる。
また、本発明の建築用ガラスブロックの製造方法で、樹脂塗布工程が、蛍光顔料を含む樹脂を注入して内面に塗布するものであると、透光性を維持したまま防眩性及び像の映り込みを防ぐ、透光性と不透視性とを併せ持つ明快なパステル調の意匠面及び暗がりでは光る意匠として十分に目立たせることが可能な過去にない建築用ガラスブロックを容易に製造することができる。
また、本発明の建築用ガラスブロックの製造方法で、樹脂固化工程後の中空ブロック体の内部に乾燥剤を入れ、通気孔封止工程を行うと、不透湿材によって封止された中空ブロック体の内部を乾燥状態に保ち、外気温低下時の内部結露を防止することができる本発明の建築用ガラスブロックを製造することが可能となる。
また、本発明の建築用ガラスブロックの製造方法で、中空ブロック体内の樹脂の余剰分を除去する余剰樹脂除去工程を有すると、溶着一体化されてアニール工程が終了した中空ブロック体の側面に設けた通気孔から所定量よりも多くの樹脂を注入して攪拌することで、中空ブロック体の内表面の全てに樹脂を短時間で均一に分散させて塗布させることが可能になる。
また、本発明の建築用ガラスブロックの製造方法で、中空ブロック体に通気孔から装飾材を導入する装飾材投入工程を有すると、着色された透明樹脂上に、装飾材を容易に付着保持することができ、さらに装飾性に優れた透光性と防眩性及び不透視性とを有する建築用ガラスブロックを容易に製造することができる。
また、本発明の建築用ガラスブロックの製造方法で、中空ブロック体内の装飾材の余剰分を除去する余剰装飾材除去工程を有すると、溶着一体化されてアニール工程が終了した中空ブロック体の側面に設けた通気孔から装飾材を投入して攪拌することで、中空ブロック体の内表面の全てに装飾材を均一に分散させて付着させることが可能になる。
本発明に係るガラスブロック壁面構造は、一対の有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光部となるガラス成型体が、互いの開放端縁で溶着一体化されてなる中空ブロック体の側面に通気孔が形成されてなり、通気孔が不透湿材によって封止されてなる複数の建築用ガラスブロックと、該建築用ガラスブロックの相互間に配設される目地材とを備えるガラスブロック壁面構造であって、前記建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の内表面に着色された透光性の樹脂皮膜層が形成されており、かつ前記透光部外表面の表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmであるので、透光性と防眩性及び不透視性とを有するガラスブロック壁を実現することができ、前記の建築用ガラスブロックを部分的に使用した場合には、その部位のみが透光性と防眩性及び不透視性とを有する壁面の意匠としてユニークなものにすることが可能になる。
またガラスブロック壁面構造で、建築用ガラスブロック透光部周囲の額縁部の表面粗さが同様にRzJIS値が1μm〜500μmであると、光の散乱作用により中空ブロック体内部の着色された樹脂皮膜層の透光面を通した見え方と額縁部とを通した見え方が近づくことにより、従来では角度によって透明に見えていた額縁部まで着色面積が大きく広がったような外観が得られるので、ガラスブロック壁面の意匠性が大幅に向上する。
また、本発明のガラスブロック壁面構造で、建築用ガラスブロックは、樹脂皮膜層が熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の少なくとも一種からなり、0.5μm〜1000μmの厚さを有し、該樹脂皮膜層を介して装飾材が保持されてなると、外側の表面がフロスト加工面で、かつ、内面が着色された透明樹脂上に、装飾材を容易に付着保持されており、装飾性に優れた透光性と防眩性及び不透視性とを有するガラスブロック壁面を形成することが可能となる。また、前記の建築用ガラスブロックを部分的に使用した場合には、その部位のみが装飾性、透光性、防眩性及び不透視性とを有するので、壁面の意匠として非常にユニークなものになる。
また、本発明のガラスブロック壁面構造で、建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の側面に設けられた通気孔が不透湿材によって封止されてなると、使用する建築用ガラスブロックの選択肢を増やすことが容易になり、面外観のデザインの自由度を確保することができ、かつ短期間にガラスブロック壁を施工することができる。
また、本発明のガラスブロック壁面構造で、建築用ガラスブロックの中空ブロック体の内部に、乾燥剤が入っていると、不透湿材によって封止された中空ブロック体の内部を乾燥状態に保ち、外気温低下時の内部結露を防止することができるガラスブロック壁を実現することができる。
以下、本発明の建築用ガラスブロック、その製造方法及びガラスブロック壁面構造の実施形態について、図を参照して説明する。
実施例1として、図1に示すように、建築用ガラスブロック1(145×145×95mm)は、中空ブロック体1aがアニールまで終了したものであり、大まかな外観は図1(A)のようになっている。図1(B)に示すように、中空ブロック体1aの全内表面1eに顔料としてコバルトを含み青色に発色する膜厚が20〜30μmのアクリル樹脂からなる樹脂皮膜層2が形成されているものである。また、その中空ブロック体1aの側壁部1bにある溶着部のコーナー1cに約φ10mmの通気孔1dが設けてあり、シーリング材3で封止されている。図2に示すように、この建築用ガラスブロック1(右側)は、従来品(左側)と比較すると、透光部1fの外表面1g及び額縁部1hの表面粗さのRzJIS値は約50μmであり、透光性、防眩性及び不透視性とを有するものになっている。このような表面粗さの光の散乱作用により、建築用ガラスブロック1の中空ブロック体1a内部の樹脂皮膜層2の透光部1fを通した見え方とその周囲の額縁部1hを通した樹脂皮膜層2の見え方がよく似たものになることにより、着色面積が大きくなったような外観が得られている。また、中空ブロック体1aの内部には、乾燥剤として約0.5gのシリカゲル4が入っている。
建築用ガラスブロック1を作製する場合、図3(A)に示すように、中空ブロック体1aの側壁部1bにある溶着部のコーナー1cに設けてある約φ10mmの通気孔1dから、アクリル樹脂を主成分とした混合物(樹脂、顔料、キシレン、イソブチルアルコール、アセトン)を約30cc投入し、内表面1eの全てに接するように攪拌する。その後、図3(B)に示すように、通気孔1dが最上部になるように中空ブロック体1aを斜めに置き、中空ブロック体1aの中空部の最底部に溜まった余剰分を約3φの管を差し入れて吸引し除去する。焼き付け前に、中空ブロック体1aの外表面と通気孔1dの内部をアセトンなどで十分クリーニングしておく。焼き付け温度は、最高温度を200℃とし20分持続することによる。焼き付け終了後、樹脂皮膜層2の膜厚は20〜30μmであり、透光部1fの透過率は40〜50%程度のものになる。焼き付け終了後、中空ブロック体1aが室温になったら、中空ブロック体1a内部を乾燥状態に保ちつつ平均粒径が0.8mmと小さい0.5gのシリカゲル4を入れる。その後、通気孔周辺をマスキングした後、図4に示すように、建築用の一液性シーリング材3で、通気孔1dを封止する。この中空ブロック体1aにフロスト処理(弗酸溶液中に約10秒程度浸した後に、全体を洗浄および乾燥処理)を行い、透光部1fの外表面1gにおける表面粗さのRzJIS値は約50μmである建築用ガラスブロック1とする。一液性シーリング材3が硬化した後、中空ブロック体1aの側壁部1bにアクリルエマルジョンと塗料を混合した液体を吹き付け、透光部1fの外表面1gに付着した塗料を拭き取り、100〜200℃の乾燥炉に投入し、塗料を含有する液体を乾燥させることにより図示しない着色層を形成し、建築用ガラスブロック1とする。
また、本実施例のガラスブロック壁は、図5に示すように、躯体31に取り付けられた金属製の枠体32内にすべり材33とエキスパンション材34とアンカーピース35とがセットされており、これらを介して枠体32内に、図1(B)に示す中空ブロック体1aの全内表面1eに着色樹脂皮膜層2が形成された複数の建築用ガラスブロック1が積み上げられ、アンカーピース35の穴に挿入し固定されて約620mm以下の間隔で配筋され径5.5mmのステンレス製筋の2本をつなぎ筋で溶接したはしご状の縦力骨36、横力骨37(2本の筋の間隔は50mmと35mmの2種類がある)がガラスブロック1間に配筋されて、充填されたモルタル38で目地内に固定されている。この目地部の表面には化粧目地材39が充填され、枠体32と取り合う部分にはシリコーン系シーリング材40が配設されている。このガラスブロック壁はガラスブロック1の内面に形成された着色樹脂皮膜層2による色彩表現と、フロスト加工された外表面1gによる透光性、防眩性及び不透視性とを有する従来にない新たな外観を呈する壁面になっている。また、本実施例のガラスブロック壁では、建築用ガラスブロック1の透光部1f周囲に位置する額縁部1hの表面粗さの光の散乱作用により、中空ブロック体1a内部の樹脂皮膜層2の透光部1fを通した見え方とその周囲の額縁部1hを通した樹脂皮膜層2の見え方がよく似たものになって、壁面全体としての着色面積が大きくなったような意匠性が大幅に向上した外観が得られている。
ガラスブロック壁を施工する場合、躯体31に取り付けられた金属製の枠体32内にすべり材33とエキスパンション材34とアンカーピース35とをセットし、このアンカーピース35の穴に縦力骨36となる50mm幅の筋を挿入し固定する。次に、内面に、例えば装飾材としてガーネット等が樹脂皮膜層2で保持された建築用ガラスブロック1を目地部にモルタル38を充填しながら積み上げて、横力骨37となる35mm幅の筋を縦力骨36の2本の筋の間に挿入する。この作業を繰り返してガラスブロック壁を施工していく。このブロック積みの作業が終了した後、目地部に化粧目地材39を充填し、枠体32と取り合う部分にはシリコーン系シーリング材40を充填し、ガラスブロック壁の施工を終了する。
実施例2として、建築用ガラスブロック5(145×145×95mm)は、中空ブロック体1aがアニールまで終了したものであり、大まかな外観は大まかな外観は図6(A)に示すように、従来品(左側)と比較すると、建築用ガラスブロック5(右側)は、透光部5fの外表面5gにおける表面粗さのRzJIS値は約50μmであり、透光性、防眩性及び不透視性とを有するものになっている。図6(B)、(C)に示すように、中空ブロック体の全内表面に顔料としてニッケルイエローを含み黄色に発色する膜厚が20〜30μmのアクリル樹脂からなる着色樹脂皮膜層6が形成されており、この樹脂皮膜層6を介して約500μmの無機質蓄光材(商品名:α-FLASH PB500 LTI製)が装飾材7として保持されているものである。また、その中空ブロック体の側壁部にある溶着部のコーナーに約φ10mmの通気孔が設けてあり、シーリング材で封止されている。この建築用ガラスブロック5は、透光部5fの外表面5gの透光性、防眩性及び不透視性に加えて、さらに蓄光材による装飾性が加わって、暗がりでは光る意匠として十分に目立たせることが可能となっている。この建築用ガラスブロック5の装飾材7が保持された平面は、図6(B)に示すように、ほぼ均一な分散状態で樹脂皮膜層6に保持されていることが観察された。また、図6(C)に示すように、装飾材7は樹脂皮膜層6上に保持され、かつ装飾材7の粒同士が樹脂皮膜層6の樹脂によって互いに接着されていることがわかる。
建築用ガラスブロック5を作製する場合、約φ10mmの通気孔から、樹脂を主成分とした混合物(樹脂、顔料、キシレン、イソブチルアルコール、アセトン)を約30cc投入し、内表面の全てに接するように攪拌する。その後、通気孔が最上部になるように中空ブロック体を斜めに置き、中空ブロック体の中空部の最底部に溜まった余剰分を約φ3mmの管を差し入れて吸引し除去する。その後、漏斗を介して、約300μmの無機質の蓄光材を30g投入、攪拌し、余剰分を通気孔から外へ排出する。焼き付け前に、ガラスブロックの外表面と通気孔の内部をアセトンなどで十分クリーニングしておく。焼き付け温度は、最高温度を200℃とし20分持続することによる。焼き付け終了後、ガラスブロックが室温になったら、通気孔周辺をマスキングした後、建築用の一液性シーリング材で封止する。一液性シーリング材が硬化した後、アクリルエマルジョンと塗料を混合した液体を側面に吹き付け、透光面に付着した塗料を拭き取り、100〜200℃の乾燥炉に投入し、塗料を含有する液体を乾燥させることにより着色層を形成する。この材料を弗酸溶液中に約10秒程度浸した後に、全体を洗浄および乾燥を行い建築用ガラスブロック5とする。
実施例3として、図7に示す建築用ガラスブロック10(145×145×95mm)は、中空ブロック体がアニールまで終了したものであり、大まかな外観は図7(A)に示すように、従来品(左側)と比較すると、建築用ガラスブロック10(右側)は、透光部10fの外表面10gにおける表面粗さのRzJIS値は約50μmであり、透光性、防眩性及び不透視性とを有するものになっている。図7(B)、(C)に示すように、中空ブロック体1aの全内表面1eに顔料としてニッケルイエローを含み黄色に発色する膜厚が20〜30μmのアクリル樹脂からなる着色樹脂皮膜層12が形成されており、この樹脂皮膜層12を介して約300μmのガラスファイバーが装飾材13として保持されているものである。また、その中空ブロック体の側壁部にある溶着部のコーナーに約φ10mmの通気孔が設けてあり、シーリング材で封止されている。この建築用ガラスブロック10は、透光部10fの外表面10gの透光性、防眩性及び不透視性に加えて、さらにガラスファイバーによる独特の装飾性が加わっている。この建築用ガラスブロック10のガラス繊維の装飾材13が保持された平面は、図7(B)に示すように、ほぼ均一な分散状態で樹脂皮膜層12に保持されており、装飾材13のガラス繊維が重なった場合には、その端部に樹脂皮膜層12の樹脂が毛管現象などにより繊維間に浸みて、その表面に這い上がった状態で固着されていることが観察された。また、図7(C)に示すように、重なっていないガラス繊維の装飾材13は樹脂皮膜層12上に下面の全体が保持され、重なって斜めになったガラス繊維の装飾材13は樹脂皮膜層12に端部だけが接着されていることがわかる。
建築用ガラスブロック10を作製する場合、約φ10mmの通気孔から、樹脂を主成分とした混合物(樹脂、顔料、キシレン、イソブチルアルコール、アセトン)を約30cc投入し、内表面の全てに接するように攪拌する。その後、通気孔が最上部になるように中空ブロック体を斜めに置き、中空ブロック体の中空部の最底部に溜まった余剰分を約φ3mmの管を差し入れて吸引し除去する。その後、漏斗を介して、繊維長19mmのガラス繊維を30g投入して攪拌し、塗布されてまだ粘着性を有する樹脂層上に付着させる。その後、ガラス繊維の余剰分を通気孔から外へ排出する。焼き付け前に、ガラスブロックの外表面と通気孔の内部をアセトンなどで十分クリーニングしておく。焼き付け温度は、最高温度を200℃とし20分持続することによる。焼き付け終了後、中空ブロック体が室温になったら、通気孔周辺をマスキングした後、建築用の一液性シーリング材で封止する。一液性シーリング材が硬化した後、アクリルエマルジョンと塗料を混合した液体を側面に吹き付け、透光面に付着した塗料を拭き取り、100〜200℃の乾燥炉に投入し、塗料を含有する液体を乾燥させることにより着色層を形成する。この中空ブロック体を弗酸溶液中に約10秒程度浸した後に、全体を洗浄および乾燥を行い建築用ガラスブロック10とする。
なお、上記の実施例では樹脂皮膜層としてアクリルを使用したが、酢酸ビニルその他の樹脂を使用してもよい。着色材として、染料系材料を使用したが、ローダミン、テレビウム、ユウロピウム、フルオレセイン等の有機蛍光顔料、その他の蛍光物質等を使用してもよい。また、装飾材として蓄光材、ガラスファイバーを使用したが、ガーネットその他の鉱物、金属片等でもよい。
本発明は、ガラスブロック以外の陶器、セラミックスその他の透明材からなる中空部が減圧されたブロック及びこのような中空ブロックを用いた壁にも適用可能である。
本発明の建築用ガラスブロックの説明図であって、(A)は斜視図、(B)は部分断面図。 従来の建築用ガラスブロック(左)と本発明の建築用ガラスブロック(右)との外観の比較写真。 本発明の建築用ガラスブロック製造方法の説明図であって、(A)は中空ブロック体に着色樹脂を注入する説明図、(B)は中空ブロック体から着色樹脂の余剰分を除去する説明図。 本発明の建築用ガラスブロック製造方法によって通気孔がシーリング材で封止された中空ブロック体の説明図。 本発明のガラスブロック壁の一部破断斜視説明図。 本発明の内面に装飾材の蓄光材を付着保持させた建築用ガラスブロックの説明図であって、(A)は従来の建築用ガラスブロック(左)と本発明の建築用ガラスブロック(右)との外観の比較写真、(B)は内側透光面の要部拡大写真、(C)は断面拡大写真。 本発明の内面に装飾材のファイバーを付着保持させた建築用ガラスブロックの説明図であって、(A)は従来の建築用ガラスブロック(左)と本発明の建築用ガラスブロック(右)との外観の比較写真、(B)は内側透光面の要部拡大写真、(C)は断面拡大写真。
符号の説明
1、5、10 建築用ガラスブロック
1a 中空ブロック体
1b 側壁部
1c コーナー
1d 通気孔
1e 内表面
1f 透光部
1g 外表面
1h 額縁部
2、6、12 樹脂皮膜層
3 シーリング材(不透湿材)
4 シリカゲル(乾燥剤)
7、13 装飾材
31 躯体
32 枠体
33 すべり材
34 エキスパンション材
35 アンカーピース
36 縦力骨
37 横力骨
38 モルタル
39 化粧目地材
40 シーリング材
F 樹脂
H 吸引ホース
P 供給パイプ

Claims (17)

  1. 有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光部となるガラス成型体の一対が、互いの開放端縁で溶着一体化されて中空ブロック体が形成されており、該中空ブロック体の内表面に着色された透光性の樹脂皮膜層が形成されてなる建築用ガラスブロックにおいて、
    前記透光部外表面の表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmであることを特徴とする建築用ガラスブロック。
  2. 樹脂皮膜層は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の少なくとも一種からなり、0.5μm〜1000μmの厚さを有し、該樹脂皮膜層を介して装飾材が保持されてなることを特徴とする請求項1に記載の建築用ガラスブロック。
  3. 装飾材は、粒径が2μm〜3000μmの粒体であることを特徴とする請求項2に記載の建築用ガラスブロック。
  4. 装飾材は、長さが1mm〜40mmの繊維であることを特徴とする請求項2に記載の建築用ガラスブロック。
  5. 中空ブロック体の内面に発光性物質が付着されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の建築用ガラスブロック。
  6. 中空ブロック体の側面に通気孔が設けられており、該通気孔が不透湿材によって封止されてなることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の建築用ガラスブロック。
  7. 中空ブロック体の内部に、乾燥剤が入っていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の建築用ガラスブロック。
  8. 有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光面となるガラス成型体の一対を互いの開放端縁で溶着一体化して中空ブロック体を形成するブロック形成工程と、一対のガラス成型体を溶着する際に中空ブロック体の側面に通気孔を設けるか又は形成された後の中空ブロック体の側面に通気孔を設ける通気孔形成工程と、該中空ブロック体に通気孔から樹脂を注入して内面に塗布する樹脂塗布工程と、該中空ブロック体を加熱し、樹脂を固化させて樹脂被膜層を形成する樹脂固化工程と、該中空ブロック体の通気孔を不透湿材によって封止する通気孔封止工程と、中空ブロック体の透光部の外表面に、表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmである粗さを付与する表面加工工程とを有することを特徴とする建築用ガラスブロックの製造方法。
  9. 樹脂塗布工程は、蛍光顔料を含む樹脂を注入して内面に塗布するものであることを特徴とする請求項8に記載の建築用ガラスブロックの製造方法。
  10. 樹脂固化工程後の中空ブロック体の内部に乾燥剤を入れ、通気孔封止工程を行うことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の建築用ガラスブロックの製造方法。
  11. 中空ブロック体内の樹脂の余剰分を除去する余剰樹脂除去工程を有することを特徴とする請求項8から10の何れかに記載の建築用ガラスブロックの製造方法。
  12. 中空ブロック体に通気孔から装飾材を導入する装飾材投入工程を有することを特徴とする請求項8から11の何れかに記載の建築用ガラスブロックの製造方法。
  13. 中空ブロック体内の装飾材の余剰分を除去する余剰装飾材除去工程を有することを特徴とする請求項12に記載の建築用ガラスブロックの製造方法。
  14. 一対の有底無蓋の箱型形状を有し、底部が透光部となるガラス成型体が、互いの開放端縁で溶着一体化されてなる中空ブロック体の側面に通気孔が形成されてなり、通気孔が不透湿材によって封止されてなる複数の建築用ガラスブロックと、該建築用ガラスブロックの相互間に配設される目地材とを備えるガラスブロック壁面構造であって、
    前記建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の内表面に着色された透光性の樹脂皮膜層が形成されており、かつ前記透光部外表面の表面粗さのRzJIS値が1μm〜500μmであることを特徴とするガラスブロック壁面構造。
  15. 建築用ガラスブロックは、樹脂皮膜層が熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の少なくとも一種からなり、0.5μm〜1000μmの厚さを有し、該樹脂皮膜層を介して装飾材が保持されてなることを特徴とする請求項14に記載のガラスブロック壁面構造。
  16. 建築用ガラスブロックは、中空ブロック体の側面に設けられた通気孔が不透湿材によって封止されてなることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のガラスブロック壁面構造。
  17. 中空ブロック体の内部に、乾燥剤が入っていることを特徴とする請求項14から16の何れかに記載のガラスブロック壁面構造。
JP2006331017A 2006-04-11 2006-12-07 建築用ガラスブロックの製造方法 Active JP4973164B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006331017A JP4973164B2 (ja) 2006-04-11 2006-12-07 建築用ガラスブロックの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006108950 2006-04-11
JP2006108950 2006-04-11
JP2006331017A JP4973164B2 (ja) 2006-04-11 2006-12-07 建築用ガラスブロックの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007303265A true JP2007303265A (ja) 2007-11-22
JP4973164B2 JP4973164B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=38837424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006331017A Active JP4973164B2 (ja) 2006-04-11 2006-12-07 建築用ガラスブロックの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4973164B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4894516U (ja) * 1972-02-14 1973-11-12
JP2000314203A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Nippon Electric Glass Co Ltd 建築用ガラスブロック
JP2001081895A (ja) * 1999-09-10 2001-03-27 Nippon Electric Glass Co Ltd 着色ガラスブロック
JP2003165730A (ja) * 2001-11-26 2003-06-10 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスブロック及びその製造方法
JP2003201747A (ja) * 2002-01-04 2003-07-18 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスブロックパネルおよびゴム製止水材
JP2005023683A (ja) * 2003-07-04 2005-01-27 Nippon Electric Glass Co Ltd 建築用ガラスブロック
JP2005030032A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Nippon Electric Glass Co Ltd 建築用ガラスレンガおよびガラスレンガ壁

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4894516U (ja) * 1972-02-14 1973-11-12
JP2000314203A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Nippon Electric Glass Co Ltd 建築用ガラスブロック
JP2001081895A (ja) * 1999-09-10 2001-03-27 Nippon Electric Glass Co Ltd 着色ガラスブロック
JP2003165730A (ja) * 2001-11-26 2003-06-10 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスブロック及びその製造方法
JP2003201747A (ja) * 2002-01-04 2003-07-18 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラスブロックパネルおよびゴム製止水材
JP2005023683A (ja) * 2003-07-04 2005-01-27 Nippon Electric Glass Co Ltd 建築用ガラスブロック
JP2005030032A (ja) * 2003-07-10 2005-02-03 Nippon Electric Glass Co Ltd 建築用ガラスレンガおよびガラスレンガ壁

Also Published As

Publication number Publication date
JP4973164B2 (ja) 2012-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104011313B (zh) 用于绝热窗用玻璃单元的间隔件
JP2007144917A (ja) 超撥水性フィルムおよびこれを用いた超撥水性自動車窓、超撥水性帖着フィルムおよびこの製造方法、超撥水性透明基板の製造方法ならびに自動車窓の超撥水処理方法
US6238756B1 (en) Cloisonne articles and method of making same
KR100845639B1 (ko) 입체적인 이미지가 투과되는 장식소재의 제조방법 및 그방법에 의해 제조되는 장식소재
KR100605538B1 (ko) 습식시공이 가능한 컬러 유리타일
JP4973164B2 (ja) 建築用ガラスブロックの製造方法
CN104609744B (zh) 一种三层式中空玻璃主体及其制作方法
JP4973175B2 (ja) 建築用ガラスブロックの製造方法
JP2007239438A (ja) 建築用ガラスブロック、その製造方法及びガラスブロック壁
US5800892A (en) Plastic cloisonne article and method of making same
KR101918381B1 (ko) 칠보 공예품을 제조하는 방법과 이에 의하여 제조되는 칠보 공예품
ITMO20010080A1 (it) Realizzazione di piastrelle contenenti decoro costituito da elementi organici ed inorganici cristallizzati
JP2003165730A (ja) ガラスブロック及びその製造方法
JP2001081895A (ja) 着色ガラスブロック
CN208164615U (zh) 一种高强复合冰裂艺术玻璃
JP2006290669A (ja) 装飾板ガラス及びその製造方法
JP3893612B2 (ja) ガラスブロック及びその製造方法
JP2000094900A (ja) 装飾ガラス及びその製造方法
KR100810235B1 (ko) 합성수지 블록
KR200179008Y1 (ko) 건축물 내장재의 적층구조 및 이를 이용한 패널
JP2007315020A (ja) 建築用ガラスブロック、その製造方法及びガラスブロック壁面構造
CN208052960U (zh) 一种新型装饰玻璃
KR100670981B1 (ko) 습식시공이 가능한 디자인이 내장된 유리타일 및 그 제조방법
CN205915774U (zh) 一种隔热膜
KR100533171B1 (ko) 스테인드 글라스 대용 시트 및 그 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120313

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120326

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4973164

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150420

Year of fee payment: 3