JP3893612B2 - ガラスブロック及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ガラスブロック及びその製造方法に係り、特に建造物の外装材や内装材等に使用される建築用のガラスブロック及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建造物の外装材や内装材、詳しくは、壁材、床材、屋根材、或いは階段の構成部材等として、断熱性や遮音性更には採光性に優れたガラスブロックが広汎にわたって使用されている。図8は、その一例として、建造物の壁部30をガラスブロック10zで構成した場合を例示している。
【0003】
この種のガラスブロック10zは、例えば図9及び図10に示すように、底壁部2zに側壁部4zの一端が一体に連なり且つ該側壁部4zの他端が開口する一対の有底無蓋状のガラス成形体1zを、それぞれの開口端部を対向させた状態で融着部7zを介して一体化したものである。そして、一対の底壁部2zの両外表面が、例えば屋内と屋外、或いは階上と階下に露出した状態となるように構築される。この場合、ガラスブロック10zは、全体が透明のガラス成形体1zで構成されるのが通例である。
【0004】
また、この種のガラスブロック10zの製造は、雌型(胴型)に透明の溶融ガラス塊を供給し、雄型(矢型)との協働によって上述の有底無蓋状のガラス成形体1zをプレス成形した後、一対のガラス成形体1z、1zの開口端部をそれぞれ軟化溶融させて接合することにより融着一体化し、この後に徐冷する方法が採用される。
【0005】
一方、近年においては、更なる美麗化や外観性の向上を図ることを目的として、ガラスブロック10zに、青、赤、黄、緑等の着色を施すことが行われている。この着色は、塗料をガラスブロック10zにコーティングすることにより行われているのが現状であって、その塗料のコーティング箇所は、上記ガラス成形体1zにおける底壁部2zの内表面とされるのが通例である。
【0006】
これは、ガラスブロック10zの内部空間は外気に晒されることがないため、上述のように底壁部2zの内表面に塗料をコーティングしておけば、例えば塗膜が風雨等の影響を受けることがなく、しかも塗膜に傷が付着することもなく、塗膜保護の観点から好都合である等の理由による。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにガラスブロック10zに塗膜を単に形成するのみでは、その着色部が平面的となって立体感を得ることができず、また仮に塗膜により模様を形成したとしても、その模様が立体感をリアルに奏するものとはならず、単調な雰囲気を与えるに過ぎないものとなる。
【0008】
このため、壁面や床面或いは屋根面等にインパクトの強い着色効果を付与することが困難になるばかりでなく、デザインの単調化を拭い去ることができず、更には着色による装飾効果が薄れることから、見栄えや外観性の改善に制約が生じるという難点がある。
【0009】
なお、実公昭50−19286号公報によれば、ガラスブロックの底壁部の内表面に、透過率可変ガラスの細塊接着層を設けた構成が開示されている。そして、この細塊を構成する透過率可変ガラスは、強い光が当ると黒化して透過率を減じ、光線が弱まると再び透明度を回復する性質を有するものであることが同公報に記載されている。
【0010】
しかしながら、同公報にも記載されているように、透過率可変ガラスは高価であって、しかも太陽光線の眩しさを除去する効果が得られるに過ぎず、着色による装飾効果を奏するものではない。すなわち、この透過率可変ガラスは、透過する光線量を変化させるものではあるが、その変化が生じても透明なガラスであることに変わりがなく、したがって装飾効果を奏することは期待できないものである。
【0011】
このため、透過ガラスでなる細塊自体は立体であっても、これを模様として捉えることができないことから、立体感をリアルに奏する模様とはなり得ず、単調な雰囲気を与えるに過ぎないものとなる。この結果、充分な装飾効果が得られないことになり、この公報に記載の技術によるにしても、依然として見栄えや外観性の改善を図り得ないという難点がある。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガラスブロックに付される模様が立体感をリアルに奏するようにし、装飾効果を増長して見栄えや外観性の改善を図ることを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
底壁部に筒状の側壁部が一体に連なる一対の有底無蓋状のガラス成形体を、それぞれの開口端部を対向させて融着一体化してなるガラスブロックにおいて、前記ガラス成形体を低融点ガラスよりも融点の高い透明ガラス生地で形成すると共に、該ガラス成形体の底壁部の内表面に、立体的な色付模様を構成するための低融点ガラスよりも融点の高いガラス生地で形成された複数の着色ガラス装飾物を直接融着一体化させて添設したことに特徴づけられる。
【0014】
このような構成によれば、透明ガラス生地でなるガラス成形体の底壁部の内表面に、複数の着色ガラス装飾物が色付模様を構成するように添設されることから、その模様部分が従来のように平面的とならず、現実に立体的な着色ガラスの装飾物を有する模様として、リアルな立体感を醸し出すことが可能となる。これにより、建造物の壁面や床面更には屋根面等にインパクトの強い一種独特の着色効果を付与できると共に、デザインの単調化を拭い去ることができ、装飾効果を増長させて見栄えや外見性の改善を図ることが可能となる。この場合、複数の着色ガラス装飾物は、ガラス成形体の底壁部の内表面に散らばった状態となるように添設されることが好ましい。更に、前記着色ガラス装飾物は、前記底壁部の内表面に融着一体化されている。すなわち、着色ガラス装飾物は、接着剤層や上述の透明ガラス生地とは特性が異なる他のガラス層(例えば低融点ガラス層)を介在させることなく、前記底壁部の内表面に直接融着一体化されていることから、着色ガラス装飾物を強固に底壁部の内表面に添設でき、振動や温度変化等に起因する剥離或いは脱落を有効に阻止して耐久性の向上を図ることが可能となる。また、使用材料を少種類にして作業の簡略化をも図ることが可能となる。
【0015】
ここで、「透明ガラス」とは、有色透明ガラスをも含み、また「有色透明ガラス」と「着色ガラス」との相違点は、有色透明ガラスは、これを通じてその反対側の様子が透けて明白に見えるものであるのに対して、着色ガラスは、有色透明ガラスに比して透光性が低いものであって、これを通じてその反対側の様子が明白に見えない或いは明白に見え難い点である。また、上述のガラス成形体の形状は特に限定されるものではないが、その一例として、底壁部が矩形とされた有底無蓋状体、底壁部が三角形とされた有底無蓋状体、または底壁部が円形とされた有底無蓋状体等が挙げられる。
【0016】
この場合、上述の着色ガラス装飾物は、着色ガラス生地で形成されていることが好ましい。この着色ガラス生地とは、ガラス生地自体が色を有しているもの、換言すればガラス生地自体が着色剤の添加により着色されているものを意味する。
【0017】
そして、前記着色ガラス装飾物は、板状ガラス片で構成することができる。このようにすれば、着色された複数の板状ガラス片を配列させてなる模様が、底壁部の内表面の透明ガラス生地上に形成されるため、奇抜且つ斬新なデザインが得られることになり、装飾効果の増長や見栄えの改善に大きく寄与できる。
【0018】
また、前記着色ガラス装飾物は、棒状ガラス体で構成することもできる。このようにすれば、着色された複数の棒状ガラス体を配列させてなる模様が、底壁部の内表面の透明ガラス生地上に形成されるため、斬新で立体感に溢れる一種独特の着色効果が得られることになり、これによっても装飾効果の増長や見栄えの改善等に大きく寄与できる。
【0019】
更に、前記着色ガラス装飾物は、斑点模様単位ガラス体、すなわち斑点模様を構成する一単位としてのガラス体で構成することもできる。このようにすれば、着色された複数の単位ガラス体を配列させてなる斑点模様が、底壁部の内表面の透明ガラス生地上に形成されるため、斑点模様による特殊且つ斬新な着色効果が得られることになり、これによっても装飾効果の増長や見栄えの改善に大きく寄与できる。
【0020】
以上の着色ガラス装飾物は、発光性物質が塗布または混入されているものであってもよい。ここで、「発光性物質」としては、光を受けるとその光を蓄積し、一定量蓄えてから徐々に発光する蓄光材としての蓄光蛍光体や、紫外線を受けると発光する蛍光体が適している。この場合、発光性物質を塗布または混入することも、広義の「着色」と解することができるので、ここでいう「着色ガラス装飾物」には、赤、青、黄、緑等の着色と共に発光性物質を塗布または混入したものだけでなく、透明のガラス生地に発光性物質のみを塗布または混入したものをも含む。このようにすれば、発光性物質を有する複数の着色ガラス装飾物を配列させてなる模様が、底壁部の内表面の透明ガラス生地上に形成されるため、暗闇の中であっても発光模様として浮かび上がることになり、特殊性に優れた一種独特の雰囲気を得ることができる。
【0021】
また、上記技術的課題を達成するためになされた本発明は、底壁部に側壁部が一体に連なる一対の有底無蓋状のガラス成形体を、それぞれの開口端部を対向させて融着一体化してなるガラスブロックを製造すべく、雌型内に供給した溶融ガラス塊を雄型との協働によって押延することにより前記ガラス成形体を成形する工程を含むガラスブロックの製造方法において、前記雌型と雄型との協働によって透明のガラス成形体を成形した後、前記雌型内にそのガラス成形体を存置させた状態で、該ガラス成形体の底壁部の内表面に、色付模様を構成するための複数の着色ガラス装飾物を配列させ、前記底壁部の内表面と複数の着色ガラス装飾物とを加熱によって融着一体化させることに特徴づけられる。
【0022】
また、上記技術的課題を達成するためになされた本発明は、底壁部に筒状の側壁部が一体に連なる低融点ガラスよりも融点の高い一対の有底無蓋状のガラス成形体を、それぞれの開口端部を対向させて融着一体化してなるガラスブロックを製造すべく、雌型内に供給した溶融ガラス塊を雄型との協働によって押延することにより前記ガラス成形体を成形する工程を含むガラスブロックの製造方法において、前記雌型と雄型との協働によって透明のガラス成形体を成形した後、前記雌型内にそのガラス成形体を存置させた状態で、該ガラス成形体の底壁部の内表面に、立体的な色付模様を構成するための低融点ガラスよりも融点の高い複数の着色ガラス装飾物を配列させ、前記底壁部の内表面と複数の着色ガラス装飾物とを加熱によって直接融着一体化させることにより添設させたことに特徴づけられる。
【0023】
また、このガラスブロックの製造方法における上述の加熱は、バーナー加熱であることが好ましい。このようにすれば、簡易且つ安価な設備によって複数の着色ガラス装飾物を適正に底壁部の内表面に融着一体化させることが可能となる。
【0024】
更に、上述の加熱またはバーナー加熱を行った後、一対のガラス成形体の開口端部をバーナー加熱して軟化溶融させ、この両開口端部を接合させて融着一体化させることが好ましい。このようにすれば、簡易且つ安価な設備をもって、一対のガラス成形体からなる堅固なガラスブロックが得られるばかりでなく、この両者の接合用のバーナーと上述の着色ガラス装飾物用のバーナーとを共用でき、更なる設備の簡易化及び製造コストの低廉化が図られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るガラスブロックの構成要素である一対のガラス成形体を示す分解配列斜視図、図2は、そのガラスブロックを示す単体斜視図である。
【0026】
図1に示すように、一対のガラス成形体1,1はそれぞれ、有底無蓋状の一体成形体であり、略矩形平板状をなす底壁部2と、一端が底壁部2の周縁より僅かに中央部寄りの位置に一体に連なり且つ他端に開口端面3が形成された略矩形筒状の側壁部4とから構成される。このガラス成形体1は、無色透明の透明ガラス生地5で形成され、底壁部2の内表面2aには、色付模様を構成するための複数の着色ガラス装飾物6が散らばって添設されている。詳述すると、この複数の着色ガラス装飾物6は、角張った三角、四角、多角形状をなす板状のガラス片(破片)であって、底壁部2の内表面2aにおける側壁部4の内郭側領域に散在し、この領域において透明ガラス生地5に融着一体化されている。そして、これらの着色ガラス装飾物6は、底壁部2の内表面2aからそれぞれ突出(隆起)した状態となっている。これらの着色ガラス装飾物6の大きさは、面積の平均値が100〜500mm2程度、或いは1500〜3000mm2程度に設定される。なお、これらの着色ガラス装飾物6は、部分的に重なっていてもよい。
【0027】
この場合、上記透明ガラス生地5の組成は、概ね、SiO2:70.6質量%、Na2O3:17.8質量%、CaO:5.4質量%、B2O3:2.2質量%、Al2O3:3.5質量%、As2O3:0.3質量%、F:0.2質量%である。一方、上記着色ガラス装飾物6は、上記透明ガラス生地5の組成をベースに、着色剤としてCo2O3を添加した青色の板状ガラス片、またはMnO2を添加した紫色の板状ガラス片、もしくはK2Cr2O7とCu2Oとを添加した緑色の板状ガラス片等で構成され、各着色剤は、色の濃さに応じて5質量%まで添加することができる。そして、このように色の異なる複数種の着色ガラス装飾物6がガラス成形体1の底壁部2の内表面2aに混在して散らばった状態にある。
【0028】
図2は、建築用のガラスブロック10を例示するものである。このガラスブロック10は、上記一対のガラス成形体1,1を、それぞれの開口端面3,3を対向させた状態で融着部7を介して一体化することにより形成されている。同図に示すガラスブロック10は、一対のガラス成形体1,1の双方に着色ガラス装飾物6を添設したものであるが、何れか一方のガラス成形体1にのみ着色ガラス装飾物6を添設したものであってもよい。
【0029】
なお、上記着色ガラス装飾物6は、着色剤が添加された着色ガラス生地からなる板状ガラス片であるが、発光性物質(例えばN夜光「ルミノーバ」:根本特殊化学株式会社製)を透明ガラス生地に塗布或いは混入してなる板状ガラス片、または同発光性物質を着色剤が添加された着色ガラス生地に塗布或いは混入してなる板状ガラス片であってもよい。
【0030】
このガラスブロック10は、建造物の外装材や内装材、例えば、壁材、床材、屋根材、或いは階段の構成部材等として使用されるものであり、一対の底壁部2のそれぞれの外表面が、屋内と屋外、または階上と階下に露出する部位となる。その一例として、図8に示す建造物の壁部30を、このガラスブロック10を縦横に配列して構成すれば、壁部30における屋内側の壁面及び屋外側の壁面に、複数の着色ガラス装飾物6で構成されたカラフルな色付模様が現れる。
【0031】
このような状態の下では、ガラスブロック10の色付模様が従来のように平面的なものにはならず、立体的な着色ガラス装飾物6を有する模様として、リアルな立体感を醸し出すことになる。しかも、着色ガラス装飾物6は、他のガラス層(例えば低融点ガラス層)や接着剤層を介在させることなく、底壁部2の内表面2aに直接融着一体化されていることから、使用材料を削減できると共に、着色ガラス装飾物6を強固に底壁部2の内表面2aに添設できる。
【0032】
次に、上記構成からなるガラスブロック10の製造方法を図3に基づいて説明する。
【0033】
先ず、図3(a)に示すように、着色剤が添加された着色ガラス生地でなる中空状のガラス玉60を複数色について製作し、これらのガラス玉60を損壊することにより、着色ガラス装飾物6としての板状ガラス片を得る。一方、これとは別に、同図(b)に示すように、雌型(胴型)20の成型用凹部21に透明の溶融ガラス塊5aを供給し、雄型(矢型)23を下動させて溶融ガラス塊5aを押延する。この溶融ガラス塊5aの組成は、既述の透明ガラス生地5の組成と同一であり、また着色ガラス装飾物6の原料である着色溶融ガラス塊の組成も、既述の着色ガラス装飾物6の組成と同一である。
【0034】
そして、所定時間に亘る押延を行った後に雄型23を上動させ、同図(c)に示すように雌型20内に留置されているプレス成形直後のガラス成形体1、つまり軟化が損なわれていないガラス成形体1に対して、その底壁部2の内表面2aに、複数の着色ガラス装飾物6を散らばらせて配列させる。この後、同図(d)に示すように、各着色ガラス装飾物6の表面側(上方)からバーナー24による加熱処理を行うことにより、ガラス成形体1の底壁部2の内表面2aと各着色ガラス装飾物6の裏面部(下面部)とを溶着して一体化させる。
【0035】
以上の工程を実行して得られた一対のガラス成形体1,1におけるそれぞれの側壁部4,4の各開口端面3,3をバーナーで加熱して軟化溶融させ(図示略)、この両軟化溶融部を接合させる。これにより、同図(e)に示すように、一対のガラス成形体1,1が融着部7を介して一体化されたガラスブロック10を得る。そして、このガラスブロック10を徐冷炉に入れて、ガラスを徐歪することにより、既述の図2に基づいて説明した事項と同様の構成を備えたガラスブロック10を得る。
【0036】
図4は、本発明の第2の実施形態に係るガラスブロックのガラス成形体1'を例示するものである。このガラス成形体1'が、上述の第1の実施形態におけるガラス成形体1と相違するところは、ガラス成形体1'の底壁部2の内表面2aに、着色ガラス装飾物6としての複数本の棒状ガラス体を散らばらせて添設した点である。そして、これらの棒状ガラス体6は、底壁部2の内表面2aからそれぞれ突出(隆起)した状態となっている。これらの棒状ガラス体6の直径は、例えば1〜5mm程度に設定され、その長さは、例えば10〜150mm程度に設定される。なお、これらの棒状ガラス体6の組成は、既述の板状ガラス片でなる着色ガラス装飾物6と同一であって、この場合にも、着色ガラス生地または透明ガラス生地に既述の発光性物質を塗布或いは混入して棒状ガラス体6を製作するようにしてもよい。また、これらの棒状ガラス体6は、部分的に重なっていることが好ましい。
【0037】
図5は、この第2の実施形態におけるガラス成形体1'の製造方法を例示するものである。この製造方法が、上述の第1の実施形態におけるガラス成形体1の製造方法と相違するところは、図5(a)に示すように、溶融したガラスを引っ張ることにより長尺なガラス棒61を複数色について製作した後、このガラス棒61を折って切断することにより、着色ガラス装飾物6としての複数本の棒状ガラス体を製作する点である。したがって、同図(b)に示すように雌型20と雄型23との協働によって透明のガラス成形体1'を成形する点、同図(c)に示すようにその成形直後のガラス成形体1'の底壁部2の内表面2aに棒状ガラス体6を散らばらせる点、同図(d)に示すようにその棒状ガラス体6の表面側からバーナー24により加熱する点、及び同図(e)に示すようにこれらの処理後の一対のガラス成形体1'を融着一体化してガラスブロック10を得る点については、上述の製造方法と同一である。
【0038】
図6は、本発明の第3の実施形態に係るガラスブロックのガラス成形体1"を例示するものである。このガラス成形体1"が、上述の第1の実施形態におけるガラス成形体1と相違するところは、ガラス成形体1"の底壁部2の内表面2aに、着色ガラス装飾物6としての複数の斑点模様単位ガラス体6、つまり斑点模様を構成する一単位となる丸みを帯びた単位ガラス体6を散らばらせて添設した点である。そして、これらの単位ガラス体6は、底壁部2の内表面2aからそれぞれ僅かに突出(隆起)した状態となっている。これらの単位ガラス体6は、その面積の平均値が5〜100mm2程度に設定されている。なお、これらの単位ガラス体6の組成も、既述の板状ガラス片でなる着色ガラス装飾物6と同一であって、この場合にも、着色ガラス生地または透明ガラス生地に既述の発光性物質を塗布或いは混入して単位ガラス体6を製作するようにしてもよい。また、これらの単位ガラス体6は、部分的に重なっていてもよい。
【0039】
図7は、この第3の実施形態におけるガラス成形体1"の製造方法を例示するものである。この製造方法が、上述の第1の実施形態におけるガラス成形体1の製造方法と相違するところは、図7(a)に示すように、坩鍋から取り出して固化した大粒のガラス塊6xを粉砕機62で砕き、これをふるい63にかけて小粒の粒状体でなる単位ガラス体6を製作し、この単位ガラス体6を複数色について混合して使用する点である。したがって、同図(b)に示すように雌型20と雄型23との協働によって透明のガラス成形体1"を成形する点、同図(c)に示すようにその成形直後のガラス成形体1"の底壁部2の内表面2aに単位ガラス体6を散らばらせる点、同図(d)に示すようにその単位ガラス体6の表面側からバーナー24により加熱する点、及び同図(e)に示すようにこれらの処理後の一対のガラス成形体1"を融着一体化してガラスブロック10を得る点については、上述の製造方法と同一である。なお、この場合には、粒状体でなる単位ガラス体6が加熱によって溶融されて広がることにより肉盛部状の形態となる。
【0040】
以上の実施形態では、底壁部2に側壁部4からの延出部2xが形成されたガラスブロック(ガラス成形体)に本発明を適用したが、延出部を有しないガラスブロック(ガラス成形体)についても、同様にして本発明を適用することが可能である。
【0041】
また、以上の実施形態では、底壁部2が略矩形とされたガラスブロック(ガラス成形体)に本発明を適用したが、これ以外に、底壁部2が略円形や略三角形のガラスブロック(ガラス成形体)についても、同様に本発明を適用することが可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明に係るガラスブロックによれば、透明ガラス生地でなるガラス成形体の底壁部の内表面に、複数の着色ガラス装飾物を添設したから、その着色部が従来のように平面的とならず、立体的な着色ガラスの装飾物を有する模様としてリアルな立体感を醸し出すことが可能となる。これにより、建造物の壁面や床面更には屋根面等にインパクトの強い一種独特の着色効果を付与できると共に、デザインの単調化を拭い去ることができ、装飾効果を増長させて見栄えや外見性の改善を図ることが可能となる。
【0043】
この場合、前記着色ガラス装飾物を、前記底壁部の内表面に融着一体化させれば、該着色ガラス装飾物が強固に底壁部の内表面に添設されることになり、振動や温度変化等に起因する剥離或いは脱落が有効に阻止され、耐久性の向上が図られると共に、使用材料が少種類になり作業の簡略化が図られる。
【0044】
そして、前記着色ガラス装飾物を、板状ガラス片、または棒状ガラス体、もしくは斑点模様単位ガラス体で構成すれば、立体感に溢れる一種独特の着色効果が得られることになり、装飾効果の増長や見栄えの改善等に大きく寄与できる。
【0045】
以上の着色ガラス装飾物を、発光性物質が塗布または混入される構成とすれば、暗闇の中でも発光する模様が浮かび上がることになり、一種独特の雰囲気が得られる。
【0046】
また、本発明に係る製造方法によれば、透明のガラス成形体の成形後に、雌型内にそのガラス成形体を存置させた状態で、複数の着色ガラス装飾物を配列させて加熱処理を行うものであるため、ガラス成形体の成形作業と、模様を付する作業とを同一の作業空間で行うことが可能となる。これにより、作業場の共通化及び小空間化が図られると共に、作業性或いは作業能率の向上が図られる。一方、このような方法により得られたガラスブロックは、既述の場合と同様の理由により、着色部分がリアルな立体感を醸し出し、インパクトの強い一種独特の着色効果を付与できると共に、着色ガラス装飾物が強固に付設されることになり、耐久性の向上が図られる。
【0047】
また、このガラスブロックの製造方法における上述の加熱を、バーナー加熱で行う構成とすれば、簡易且つ安価な設備によって複数の着色ガラス装飾物を適正に底壁部の内表面に融着一体化させることが可能となる。
【0048】
更に、上述の加熱またはバーナー加熱を行った後、一対のガラス成形体の開口端部をバーナー加熱して軟化溶融させ、この両開口端部を接合させて融着一体化させる構成とすれば、簡易且つ安価な設備をもって、一対のガラス成形体からなる堅固なガラスブロックが得られるばかりでなく、この両者の接合用のバーナーと上述の着色ガラス装飾物用のバーナーとを共用でき、更なる設備の簡易化及び製造コストの低廉化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガラスブロックの構成要素であるガラス成形体を示す分解配列斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るガラスブロックを示す斜視図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施形態に係るガラスブロックの製造方法を示す概略図、図3(b)、(c)、(d)はそれぞれ、同製造方法を示す縦断正面図、図3(e)は、同製造方法により得られたガラスブロックを示す縦断正面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るガラスブロックの構成要素であるガラス成形体を示す分解配列斜視図である。
【図5】図5(a)は、本発明の第2の実施形態に係るガラスブロックの製造方法を示す概略図、図5(b)、(c)、(d)はそれぞれ、同製造方法を示す縦断正面図、図5(e)は、同製造方法により得られたガラスブロックを示す縦断正面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るガラスブロックの構成要素であるガラス成形体を示す分解配列斜視図である。
【図7】図7(a)は、本発明の第3の実施形態に係るガラスブロックの製造方法を示す概略図、図7(b)、(c)、(d)はそれぞれ、同製造方法を示す縦断正面図、図7(e)は、同製造方法により得られたガラスブロックを示す縦断正面図である。
【図8】本発明の実施形態に係るガラスブロックの使用例を示す概略斜視図である。
【図9】従来のガラスブロックを示す斜視図である。
【図10】従来のガラスブロックを示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1 ガラス成形体
1' ガラス成形体
1'' ガラス成形体
2 底壁部
3 対向端面(対向端部)
4 側壁部
5 透明ガラス生地
5a 透明溶融ガラス塊
6 着色ガラス装飾物(板状ガラス片、棒状ガラス体、斑点模様単位ガラス体)
10 ガラスブロック
20 雌型(胴型)
23 雄型(矢型)
24 バーナー
Claims (9)
- 底壁部に筒状の側壁部が一体に連なる一対の有底無蓋状のガラス成形体を、それぞれの開口端部を対向させて融着一体化してなるガラスブロックにおいて、
前記ガラス成形体を低融点ガラスよりも融点の高い透明ガラス生地で形成すると共に、該ガラス成形体の底壁部の内表面に、立体的な色付模様を構成するための低融点ガラスよりも融点の高いガラス生地で形成された複数の着色ガラス装飾物を直接融着一体化させて添設したことを特徴とするガラスブロック。 - 前記着色ガラス装飾物は、ガラス生地自体が色を有する着色ガラス生地で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガラスブロック。
- 前記着色ガラス装飾物は、板状ガラス片であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスブロック。
- 前記着色ガラス装飾物は、棒状ガラス体であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスブロック。
- 前記着色ガラス装飾物は、斑点模様単位ガラス体であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラスブロック。
- 前記着色ガラス装飾物は、発光性物質が塗布または混入されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラスブロック。
- 底壁部に筒状の側壁部が一体に連なる低融点ガラスよりも融点の高い一対の有底無蓋状のガラス成形体を、それぞれの開口端部を対向させて融着一体化してなるガラスブロックを製造すべく、雌型内に供給した溶融ガラス塊を雄型との協働によって押延することにより前記ガラス成形体を成形する工程を含むガラスブロックの製造方法において、
前記雌型と雄型との協働によって透明のガラス成形体を成形した後、前記雌型内にそのガラス成形体を存置させた状態で、該ガラス成形体の底壁部の内表面に、立体的な色付模様を構成するための低融点ガラスよりも融点の高い複数の着色ガラス装飾物を配列させ、前記底壁部の内表面と複数の着色ガラス装飾物とを加熱によって直接融着一体化させることにより添設させたことを特徴とするガラスブロックの製造方法。 - 前記加熱は、バーナー加熱であることを特徴とする請求項7に記載のガラスブロックの製造方法。
- 請求項7に記載の加熱または請求項8に記載のバーナー加熱を行った後、一対のガラス成形体の開口端部をバーナー加熱して軟化溶融させ、この両開口端部を接合させて融着一体化することを特徴とするガラスブロックの製造方法。
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