JP2007303196A - 既存杭の耐震補強構造および耐震補強方法 - Google Patents
既存杭の耐震補強構造および耐震補強方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】基礎構造の既存杭を補強することで好適な耐震補強を行えるようにした。
【解決手段】既存構造物3を支持する鋼管杭2の耐震補強構造1は、鋼管杭2の配置領域における平面視外周に沿って配置される外周杭群2Aの杭頭部を露出させ、側面視略三角形状をなすバットレス補強部材6の一辺を外周杭群2Aの鋼管杭2に接合させ、バットレス補強部材6の他の一辺を鋼管杭2の杭頭部同士を連結するつなぎ梁5に接合させた構造をなしている。これにより、接合部の強度が増し、外周杭群2Aの鋼管杭2の剛性を増大させることができ、その鋼管杭2の水平耐力が向上される。
【選択図】図2
【解決手段】既存構造物3を支持する鋼管杭2の耐震補強構造1は、鋼管杭2の配置領域における平面視外周に沿って配置される外周杭群2Aの杭頭部を露出させ、側面視略三角形状をなすバットレス補強部材6の一辺を外周杭群2Aの鋼管杭2に接合させ、バットレス補強部材6の他の一辺を鋼管杭2の杭頭部同士を連結するつなぎ梁5に接合させた構造をなしている。これにより、接合部の強度が増し、外周杭群2Aの鋼管杭2の剛性を増大させることができ、その鋼管杭2の水平耐力が向上される。
【選択図】図2
Description
本発明は、既存構造物における基礎構造をなす既存杭の耐震性を向上させるための既存杭の耐震補強構造および耐震補強方法に関する。
近年、既存構造物において耐震性能上の問題のある建物に対しての耐震補強が盛んに行われている。耐震補強方法としては、耐震診断の結果に基づいて、必要耐震性能を確保するため、例えば外付けブレース、壁の増設、制震ブレース、或いは免震レトロフィットなど建物の上部構造に対して耐震補強が行われているのが一般的である。これに対して、建物の下部構造をなす基礎に対する耐震補強方法として、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されているものがある。
特許文献1は、既存構造躯体の周囲の地盤(既存杭の周囲地盤)に増設杭を打設し、その増設杭の上部に基礎本体を新設し、その基礎本体内に免震装置を介装させて既存基礎本体と一体化させることで既存建物を耐震補強するものである。
特許文献2は、既存構造物の周囲に杭を増設し、その増設杭の杭頭と既存構造物との間に接合用スラブを設置することでこの両者を接合して耐震補強する構造である。
特開平9−228392号公報
特開2000−320152号公報
特許文献1は、既存構造躯体の周囲の地盤(既存杭の周囲地盤)に増設杭を打設し、その増設杭の上部に基礎本体を新設し、その基礎本体内に免震装置を介装させて既存基礎本体と一体化させることで既存建物を耐震補強するものである。
特許文献2は、既存構造物の周囲に杭を増設し、その増設杭の杭頭と既存構造物との間に接合用スラブを設置することでこの両者を接合して耐震補強する構造である。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2は、増設杭を打設する際に、杭打ち機械の設置スペースが確保できずに施工的な制限を受ける場合や、新設する基礎本体自体の設置範囲が規制される場合などに適用が困難であるうえ、免震装置や基礎本体(又は接合用スラブ)などを新たに設置しなければならない耐震補強構造をなしている。そのため、既存構造物における耐震補強の対象は、構造物の上部構造に適用される場合が多く、構造物の下部の基礎構造については長期耐力の確保の確認のみに留まっているといった現状があり、効果的な構造、施工方法により既存杭などの基礎構造を補強できる好適な耐震補強構造が求められていた。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、基礎構造の既存杭を補強することで好適な耐震補強を行えるようにした既存杭の耐震補強構造および耐震補強方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る既存杭の耐震補強構造は、既存構造物を支持する既存杭と、既存杭の杭頭部同士を連結する既存構造物のつなぎ梁とを有する既存杭の耐震補強構造であって、既存杭の配置領域の平面視外周に沿って配置される外周杭群において、一辺を外周杭群の既存杭に接合させ、他の一辺をつなぎ梁に接合させてなる側面視略三角形状の杭頭補強部材が設けられていることを特徴としている。
また、本発明に係る耐震補強方法は、既存構造物を支持する既存杭と、既存杭の杭頭部同士を連結する既存構造物のつなぎ梁とを有する耐震補強方法であって、既存杭の配置領域における平面視外周に沿って配置される外周杭群の杭頭部を露出させ、側面視略三角形状をなす杭頭補強部材の一辺を外周杭群の既存杭に接合させ、杭頭補強部材の他の一辺をつなぎ梁に接合させるようにしたことを特徴としている。
本発明では、外周杭群の既存杭とつなぎ梁との接続部を杭頭補強部材によって補強することで、その接合強度が増し、外周杭群の既存杭の剛性を増大させることができ、その既存杭の水平耐力が向上される。即ち、地震時などで既存杭に大きな水平力がかかったとき、杭頭補強部材によって補強される接合部でも水平力を負担させることができることから、外周杭群の既存杭が負担する水平力を低減させることができる。また、外周杭群を補強構造とすることで耐震補強構造としての耐震効果が得られることになり、外周杭群の内側の既存杭については杭頭補強部材による補強をしなくても済む構造となる。
また、本発明に係る耐震補強方法は、既存構造物を支持する既存杭と、既存杭の杭頭部同士を連結する既存構造物のつなぎ梁とを有する耐震補強方法であって、既存杭の配置領域における平面視外周に沿って配置される外周杭群の杭頭部を露出させ、側面視略三角形状をなす杭頭補強部材の一辺を外周杭群の既存杭に接合させ、杭頭補強部材の他の一辺をつなぎ梁に接合させるようにしたことを特徴としている。
本発明では、外周杭群の既存杭とつなぎ梁との接続部を杭頭補強部材によって補強することで、その接合強度が増し、外周杭群の既存杭の剛性を増大させることができ、その既存杭の水平耐力が向上される。即ち、地震時などで既存杭に大きな水平力がかかったとき、杭頭補強部材によって補強される接合部でも水平力を負担させることができることから、外周杭群の既存杭が負担する水平力を低減させることができる。また、外周杭群を補強構造とすることで耐震補強構造としての耐震効果が得られることになり、外周杭群の内側の既存杭については杭頭補強部材による補強をしなくても済む構造となる。
また、本発明に係る既存杭の耐震補強構造では、杭頭補強部材は、外周杭群の既存杭及びつなぎ梁から突設させた棒状の接合棒材をコンクリートで埋設してなるコンクリート構造物であることが好ましい。
本発明では、接合棒材がコンクリートとの付着強度を高め、杭頭補強部材と既存杭及びつなぎ梁との接合部の固着強度が増強され、この接合部の剛性を向上させてなる一体化構造を構築することができる。
本発明では、接合棒材がコンクリートとの付着強度を高め、杭頭補強部材と既存杭及びつなぎ梁との接合部の固着強度が増強され、この接合部の剛性を向上させてなる一体化構造を構築することができる。
本発明の既存杭の耐震補強構造および耐震補強方法によれば、外周杭群の既存杭とつなぎ梁との接続部に杭頭補強部材を設けることで、既存構造物を支持する外周杭群の鋼管杭の剛性と水平耐力とを増大させることができ、既存杭が負担する水平力を低減させることができる。したがって、既存構造物の耐震性能を向上させることができる。
また、外周杭群を補強構造とすることで耐震補強構造としての耐震効果が得られることから、外周杭群の内側の既存杭については杭頭補強部材による補強をしなくても済むことになり、既存構造物を支持する既存杭のうち外周杭群のみに限定して補強することができ、コストの低減が図れる。
さらに、このように構成される耐震補強構造では、杭頭補強部材を外周杭群に対してのみ行うものであるため、地上における施工範囲を主に既存構造物の周囲のみとすることができ、しかも増設杭が不要な耐震補強構造であるために杭打ち機械を設置する必要もなく、設置施工時に既存構造物に与える影響を少なくすることができる。すなわち、既存構造物内の人を一時退去させる必要のない施工が可能となる。
また、外周杭群を補強構造とすることで耐震補強構造としての耐震効果が得られることから、外周杭群の内側の既存杭については杭頭補強部材による補強をしなくても済むことになり、既存構造物を支持する既存杭のうち外周杭群のみに限定して補強することができ、コストの低減が図れる。
さらに、このように構成される耐震補強構造では、杭頭補強部材を外周杭群に対してのみ行うものであるため、地上における施工範囲を主に既存構造物の周囲のみとすることができ、しかも増設杭が不要な耐震補強構造であるために杭打ち機械を設置する必要もなく、設置施工時に既存構造物に与える影響を少なくすることができる。すなわち、既存構造物内の人を一時退去させる必要のない施工が可能となる。
以下、本発明の実施の形態による既存杭の耐震補強構造および耐震補強方法について、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態による既存杭の耐震補強構造を示す側面図、図2は図1に示す耐震補強構造のA−A線断面図、図3はバットレス補強部材の接合構造を示す側断面図、図4は図3に示すバットレス補強部材のB−B線断面図である。
図1は本発明の実施の形態による既存杭の耐震補強構造を示す側面図、図2は図1に示す耐震補強構造のA−A線断面図、図3はバットレス補強部材の接合構造を示す側断面図、図4は図3に示すバットレス補強部材のB−B線断面図である。
図1に示すように、本実施の形態による既存杭の耐震補強構造1は、複数の鋼管杭2、2、…(既存杭)によって支持されて構築されている既存構造物3に採用されている。本実施の形態では、既存構造物3は平面視略矩形状をなしている。
図2に示すように、鋼管杭2、2、…は、既存構造物3のほぼ平面領域に配置され、その配置領域の外周に沿って所定の間隔をもって配置された外周杭群2Aと、外周杭群2Aの内側に配置された内部杭群2Bとからなる。
図2に示すように、鋼管杭2、2、…は、既存構造物3のほぼ平面領域に配置され、その配置領域の外周に沿って所定の間隔をもって配置された外周杭群2Aと、外周杭群2Aの内側に配置された内部杭群2Bとからなる。
そして、各鋼管杭2,2、…の上端部2aには所定の大きさをなす基礎4、4、…が設けられ、隣り合う基礎4,4同士はつなぎ梁5によって接合されている。このように、既存構造物3の基礎構造は、図2に示す平面視で複数の基礎4、4、…(鋼管杭2、2、…)とつなぎ梁5、5、…によって略格子状に配置されている。図3に示すように、各基礎4は、鋼管杭2の上端部2aに一端7aを固着させたアンカー筋7と、鋼管杭2の上端部2aとを埋設して設けられている。
また、図3に示すように、外周杭群2Aの鋼管杭2とつなぎ梁5とが接合する隅部には、側面視で略三角形状をなす板状のバットレス補強部材6(杭頭補強部材)が設けられている(図2参照)。すなわち、このバットレス補強部材6は、上面6aと側面6bと斜面6cとを有し、鋼管杭2とつなぎ梁5との両方に一体化するように形成されたコンクリート構造物であって、主に鋼管杭2の水平耐力を補強するものである(詳しくは後述する)。そして、バットレス補強部材6のコンクリート8内には、所定強度を有するように鉄筋6Aが埋設されている(図4参照)。
なお、図1、2に示すように、鋼管杭2とつなぎ梁5との接合部におけるバットレス補強部材6の取り付け位置は、この接合部において、平面視矩形状をなす既存構造物3の各辺の中心側に向けて設けられている。
なお、図1、2に示すように、鋼管杭2とつなぎ梁5との接合部におけるバットレス補強部材6の取り付け位置は、この接合部において、平面視矩形状をなす既存構造物3の各辺の中心側に向けて設けられている。
図3に示すように、バットレス補強部材6は、その側面6bで杭頭部2bに接合させる第一接合部T1と、その上面6aでつなぎ梁5(一部基礎4を含む)の下面5aに接合させる第二接合部T2によって接合されている。
この第一接合部T1は、杭頭部2bの杭側面2cに突設されたスタッドボルト6B(接合棒材)のコーン破壊面、すなわちスタッドボルト6Bに付着しているバットレス補強部材6のコンクリート8が塊で抜ける領域内に、例えばマイティヘッド(商標登録、清水建設社製)やTヘッドバー(商標登録、清水建設社製)などの異形鉄筋(定着棒状材6Dとする)を杭頭部2b側に向けて横方向に配筋されている鉄筋6Aに固着させ、コンクリート8に埋設させた接合構造をなしている。このスタッドボルト6Bは、定着棒状材6Dに対して上下方向に交互に配置されると共に、軸方向に所定の長さの重なりを設けた状態で配置されている(図4参照)。
この第一接合部T1は、杭頭部2bの杭側面2cに突設されたスタッドボルト6B(接合棒材)のコーン破壊面、すなわちスタッドボルト6Bに付着しているバットレス補強部材6のコンクリート8が塊で抜ける領域内に、例えばマイティヘッド(商標登録、清水建設社製)やTヘッドバー(商標登録、清水建設社製)などの異形鉄筋(定着棒状材6Dとする)を杭頭部2b側に向けて横方向に配筋されている鉄筋6Aに固着させ、コンクリート8に埋設させた接合構造をなしている。このスタッドボルト6Bは、定着棒状材6Dに対して上下方向に交互に配置されると共に、軸方向に所定の長さの重なりを設けた状態で配置されている(図4参照)。
一方、第二接合部T2は、アンカー筋6C(接合棒材)による接合構造をなし、このアンカー筋6Cをつなぎ梁5の下面5aから突出するように固着させ、コンクリート8に埋設させた接合構造をなしている。
このような第一及び第二接合部T1、T2におけるスタッドボルト6B、アンカー筋6C及び定着棒状材6Dがコンクリート8との付着強度を高め、バットレス補強部材6と鋼管杭2及びつなぎ梁5との接合部T1、T2の固着強度が増強され、この接合部T1、T2の剛性を向上させてなる一体化構造を構築することができる。
このような第一及び第二接合部T1、T2におけるスタッドボルト6B、アンカー筋6C及び定着棒状材6Dがコンクリート8との付着強度を高め、バットレス補強部材6と鋼管杭2及びつなぎ梁5との接合部T1、T2の固着強度が増強され、この接合部T1、T2の剛性を向上させてなる一体化構造を構築することができる。
このように構成される耐震補強構造1では、外周杭群2Aにバットレス補強部材6を設けることにより、その接合強度が増し、外周杭群2Aの鋼管杭2の剛性を増大させることができるため、その鋼管杭2の水平耐力が向上される。つまり、地震時などで鋼管杭2に大きな水平力がかかったとき、バットレス補強部材6によって補強されている接合部でも水平力を負担させることができることから、外周杭群2Aの鋼管杭2が負担する水平力を低減させることができる。
また、内部杭群2Bは、外周杭群2Aによって囲われた範囲に配置されており、外周杭群2Aで受ける水平力より小さくなる。しかも外周杭群2Aを補強構造とすることで耐震補強構造1としての耐震効果が得られることになり、内部杭群2Bの鋼管杭2についてはバットレス補強部材6による補強をしなくても済む構造とすることができる(図2参照)。そのため、既存構造物3を支持する鋼管杭2、2、…のうち外周杭群2Aのみに限定して補強することができる。
次に、本耐震補強構造1によるバットレス補強部材6の設置方法について図面に基づいて説明する。
図3に示すように、先ず、外周杭群2Aに位置される鋼管杭2の周囲を掘削して各杭頭部2bを露出させる。そして、杭頭部2bの杭側面2cにスタッドボルト6Bを溶接などの固着手段によって突設させると共に、つなぎ梁5の下面5aには下方に突出させるようにしてアンカー筋6Cを打設しておく。なお、本実施の形態のように第二接合部T2の一部に基礎4がある場合には、つなぎ梁5と同様に基礎4の下面にアンカー筋6Cを設けておく。
図3に示すように、先ず、外周杭群2Aに位置される鋼管杭2の周囲を掘削して各杭頭部2bを露出させる。そして、杭頭部2bの杭側面2cにスタッドボルト6Bを溶接などの固着手段によって突設させると共に、つなぎ梁5の下面5aには下方に突出させるようにしてアンカー筋6Cを打設しておく。なお、本実施の形態のように第二接合部T2の一部に基礎4がある場合には、つなぎ梁5と同様に基礎4の下面にアンカー筋6Cを設けておく。
そして、バットレス補強部材6を設置する所定範囲において鉄筋6Aを組み立て、突出しているアンカー筋6Cを鉄筋6Aに連結し、横方向に配筋される鉄筋6Aの杭頭部2b側には定着棒状材6Dを配置しておく。次いで、例えば図示しない型枠を組み立てて、コンクリート8を打設し、掘削した杭頭部2bの周囲を埋め戻す。これにより、杭頭部2b及びつなぎ梁5に一体化したバットレス補強部材6を構築することができる。
上述した本実施の形態による既存杭の耐震補強構造および耐震補強方法では、外周杭群2Aの鋼管杭2とつなぎ梁5との接続部にバットレス補強部材6を設けることで、既存構造物3を支持する外周杭群2Aの鋼管杭2の剛性と水平耐力とを増大させることができ、鋼管杭2が負担する水平力を低減させることができる。したがって、既存構造物3の耐震性能を向上させることができる。
また、外周杭群2Aを補強構造とすることで耐震補強構造1としての耐震効果が得られることから、外周杭群2Aの内側の鋼管杭2についてはバットレス補強部材6による補強をしなくても済むことになり、既存構造物3を支持する鋼管杭2、2、…のうち外周杭群2Aのみに限定して補強することができ、コストの低減が図れる。
さらに、このように構成される耐震補強構造1では、バットレス補強部材6を外周杭群2Aに対してのみ行うものであるため、地上における施工範囲を主に既存構造物の周囲のみとすることができ、しかも増設杭が不要な耐震補強構造1であるために杭打ち機械を設置する必要もなく、設置施工時に既存構造物3に与える影響を少なくすることができる。すなわち、既存構造物3内の人を一時退去させる必要のない施工が可能となる。
また、外周杭群2Aを補強構造とすることで耐震補強構造1としての耐震効果が得られることから、外周杭群2Aの内側の鋼管杭2についてはバットレス補強部材6による補強をしなくても済むことになり、既存構造物3を支持する鋼管杭2、2、…のうち外周杭群2Aのみに限定して補強することができ、コストの低減が図れる。
さらに、このように構成される耐震補強構造1では、バットレス補強部材6を外周杭群2Aに対してのみ行うものであるため、地上における施工範囲を主に既存構造物の周囲のみとすることができ、しかも増設杭が不要な耐震補強構造1であるために杭打ち機械を設置する必要もなく、設置施工時に既存構造物3に与える影響を少なくすることができる。すなわち、既存構造物3内の人を一時退去させる必要のない施工が可能となる。
以上、本発明の実施の形態による既存杭の耐震補強構造および耐震補強方法について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、実施の形態では鋼管杭2に適用しているが、これに限らず、場所打ちコンクリートなどコンクリート杭に適用することができる。この場合、コンクリート杭の側面に対して横向きに後施工アンカー筋を打設して定着する。この定着部には、例えば樹脂系のアンカー筋が使用できる。
また、バットレス補強部材6の形状、杭頭部2a及びつなぎ梁5に対する取付け位置など具体的な構成その他は、実施するべき作業内容や作業条件を考慮して最適設計すれば良い。そして、バットレス補強部材6の大きさは、地盤の種類、地盤強度などの条件によって補強の程度を設計し、変更可能とされることは言うまでもない。
さらに、本実施の形態ではバットレス補強部材6の接合構造としてスタッドボルト6B、アンカー筋6C、定着棒状材6Dを用いているが、このような接合部材に限定されず、接合部材の種類、寸法、数量、配置など具体的な構成その他は、実施するべき既存構造物や既存杭の大きさ、配置などの条件を考慮して最適設計すれば良い。
例えば、実施の形態では鋼管杭2に適用しているが、これに限らず、場所打ちコンクリートなどコンクリート杭に適用することができる。この場合、コンクリート杭の側面に対して横向きに後施工アンカー筋を打設して定着する。この定着部には、例えば樹脂系のアンカー筋が使用できる。
また、バットレス補強部材6の形状、杭頭部2a及びつなぎ梁5に対する取付け位置など具体的な構成その他は、実施するべき作業内容や作業条件を考慮して最適設計すれば良い。そして、バットレス補強部材6の大きさは、地盤の種類、地盤強度などの条件によって補強の程度を設計し、変更可能とされることは言うまでもない。
さらに、本実施の形態ではバットレス補強部材6の接合構造としてスタッドボルト6B、アンカー筋6C、定着棒状材6Dを用いているが、このような接合部材に限定されず、接合部材の種類、寸法、数量、配置など具体的な構成その他は、実施するべき既存構造物や既存杭の大きさ、配置などの条件を考慮して最適設計すれば良い。
1 耐震補強構造
2 鋼管杭(既存杭)
2A 外周杭群
2B 内部杭群
3 既存構造物
4 基礎
5 つなぎ梁
6 バットレス補強部材(杭頭補強部材)
6B スタッドボルト(接合棒材)
6C アンカー筋(接合棒材)
2 鋼管杭(既存杭)
2A 外周杭群
2B 内部杭群
3 既存構造物
4 基礎
5 つなぎ梁
6 バットレス補強部材(杭頭補強部材)
6B スタッドボルト(接合棒材)
6C アンカー筋(接合棒材)
Claims (3)
- 既存構造物を支持する既存杭と、前記既存杭の杭頭部同士を連結する前記既存構造物のつなぎ梁とを有する既存杭の耐震補強構造であって、
前記既存杭の配置領域の平面視外周に沿って配置される外周杭群において、一辺を前記外周杭群の既存杭に接合させ、他の一辺を前記つなぎ梁に接合させてなる側面視略三角形状の杭頭補強部材が設けられていることを特徴とする既存杭の耐震補強構造。 - 前記杭頭補強部材は、前記外周杭群の既存杭及び前記つなぎ梁から突設させた棒状の接合棒材をコンクリートで埋設してなるコンクリート構造物であることを特徴とする請求項1に記載の既存杭の耐震補強構造。
- 既存構造物を支持する既存杭と、前記既存杭の杭頭部同士を連結する前記既存構造物のつなぎ梁とを有する耐震補強方法であって、
前記既存杭の配置領域における平面視外周に沿って配置される外周杭群の杭頭部を露出させ、
側面視略三角形状をなす杭頭補強部材の一辺を前記外周杭群の既存杭に接合させ、前記杭頭補強部材の他の一辺を前記つなぎ梁に接合させるようにしたことを特徴とする耐震補強方法。
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