JP2007302344A - プラスチック容器 - Google Patents

Abstract

【課題】特に表面が湾曲しているプラスチック容器上に良好な印刷、画像、図的な表記などを印刷する。
【解決手段】閉口した下側の支持用基部（基部領域１６）、閉口した基部から上方に延びる側壁部１４、および注出口２１をその内部に有し且つ側壁部１４から上方に延在する上部（上部領域２０）を有してなる中空のプラスチック容器１０であり、厚さが１から２００ミクロンの側壁部上のデジタル印刷されたベースコート１２を含んでいる。特徴的な外観を提供するためにベースコート１２の少なくとも一部の上に印刷領域を設けても良い。
【選択図】図１

Description

本発明は、ベースコートないしアンダーコート、特にデジタル印刷されたベースコートをその上に有するプラスチック容器に関するものである。

本出願は、２００６年５月９日に出願された米国仮特許出願第６０／７９８，９００号に基づくものである。

シャープで鮮明な印刷および／または図形入り表示をその上に設けたプラスチック容器を提供することが特に望まれている。プラスチック容器、特に表面が曲面であるプラスチック容器上に印刷するための通常の手法には大きな欠点がある。例えば、色の間の適正なレジストレーションを得ることが困難であり、画像、デザインまたは語句の変更には費用や時間を要する。表面が平坦な場合には複数のノズルを備えたインクジェット印刷が有用であるが、曲面（湾曲した表面）上で複数のノズルを満足のいくように使用することが困難である。

プラスチック容器、特に曲面を有するプラスチック容器であって、その上に良好な印刷、画像および／または図形入り表示が印刷されており、結果的に最適の画像および／または印刷品質を有するプラスチック容器を提供することが特に望まれている。プラスチック容器、特に表面が湾曲しているプラスチック容器の上にデジタル生成された画像を直接印刷し、また妥当な速度および妥当なコストで印刷を行えることが特に望まれている。

本発明によれば、上記の各目的を容易に達成することができる。

本発明は、ベースコートまたはアンダーコートがデジタル印刷された、プラスチック容器、特に表面が湾曲しているプラスチック容器を提供する。ベースコートがデジタル印刷された容器は、例えばインクジェットによりコーティングされたラベルのような、外側ラベルがベースコート上に印刷されて提供されることが望ましい。ベースコート上のラベルないし印刷領域は、単純に図的な表示、あるいは製品ないし商標の表示でも良いし、好適には、デジタル印刷されたインクや各種のデジタル印刷されたカラーインクから構成されている。ベースコートは透明のもの、または不透明の色の如き着色したものの、いずれでも良い。ベースコートは、インクの厚さを変えることで積層効果（層状効果）を加えることで三次元的な効果を提供して、外側にコーティングされたラベルの見栄えを良くすることが好ましい。

以上のように、本発明によれば、本発明の容器は、閉口した（閉じた）下側の支持用基部と、閉口した基部から上方に延びる側壁部と、注出口をその内部に有し且つ前記側壁部から上方に延在する（あるいは、注出口を有し側壁部の上部に位置する）上部とを有する中空のプラスチック容器、および上記側壁部上にデジタル印刷されたベースコートを有してなり、ベースコートの厚さは１から２００ミクロンである。好適には、上記ベースコートの少なくとも一部上に印刷領域が存在している。１つの有利な実施形態において、側壁部の一部が、コーティング（コート）されていない、つまりベースコートがされていない。

本発明のその他の特徴や利点は以下に説明されている。

以下に、本発明を添付図面に例示した実施形態に基づいて詳細に説明する。

図１を参照して、ブロー成形されたプラスチック容器１０には、デジタル印刷されたベースコート１２が設けられている。デジタル印刷の手順は、好ましくは、空の容器をクランプ（型締め）するステップと、必要に応じて加えられる、真空、例えば−１ｐｓｉから５ｐｓｉまでの圧力範囲から開始される、容器の内側に内部圧力を加えるステップとを含んでいる。クランプされ圧力が加えられた容器は、容器の表面エネルギーを高めてインクの付着を確実にするために、熱処理やコロナ処理などによって前処理することが好ましい。このように処理された容器には、次いで、デジタル印刷された所望のベースコートまたはアンダーコートが施される。これは、オンデマンド型のインクジェットのヘッドからの直接滴下、あるいはオンデマンド型のインクジェット・パッドの間接的な滴下によりなされる。必要ならば、デジタル印刷の領域は、シルクスクリーン印刷によるもの、あるいはドローダウン工具（draw-down tool）による手動での塗布によるものでも良い。ＵＶインクをワンパスで容器の所望の表面上に直接塗布しても良い。このようにベースコートが印刷された容器は、次いで、塗布されたベースコートを硬化させるために硬化ステーション内で処理される。

図１に示すように、デジタル印刷されたベースコート１２は、容器１０の側壁部１４上に施され、基部領域１６、肩部領域１８、および注出口２１を内部に備えた首部または上部領域２０は未処理のままである。ベースコートは、側壁部の実質的に全部の外周上に設けることが好ましいが、側壁部の所望の領域を未処理のままにしても良い。さらに、図１に示す実施形態では、語句「ｌａｂｅｌ」と識別される反転印刷領域２２はコーティングされておらず、一方、語句「ｓａｍｐｌｅ」と識別される盛り上げ印刷領域２４はベースコート上に印刷されており、特有ないし独特な三次元的な外観（立体感）を有していることが分かる。ベースコートの残りの部分に追加の印刷を施して所望の色および／またはラベルの外観を与えることで、そのベースコート上に識別表示、図的な表記、記述的な表記などを加えることもできる。同様にして、コーティングされていない、反転印刷領域は特有ないし独特な三次元的な外観（立体感）を有している。

上記した通り、ベースコートには、透明あるいは不透明な色などの任意の所望の外観を持たせることができる。図１の実施形態では、ベースコートは明るい色を有している。ベースコートはその上に印刷や貼り付けられたラベルの見栄えを高める効果を有し、例えば、インクの厚さを変化させて積層効果（層状効果）を追加すれば三次元な効果を持たせることができる。ベースコートは、基材の色、瓶の色などが、ラベルの図的なデザイン部分として通して透けて見える態様で施しても良い。これは、ロゴ（意匠文字、シンボルマーク）や図２から図４に一例として示した水滴のような特徴的な外観の内側のレタリングのような、その容器に加えられた所定の特性を強調するような方法で行うことができる。そのベースコートは、見栄え、感触および／またはグリップを高めるために、少なくとも一部に、隆起ないし凹凸を付けた外観を持たせても良い。

図２には、図１に示したものと同様に基部３２、側壁部３４、肩部３６、および注出口３９を内部に備えた首部または上部３８を有し、ブロー成形されたプラスチック容器３０の他の実施形態を示した。ここで、肩部３６は、側壁部３４と上部３８との間に位置し、またその外面は側壁部３４から上部３８の方向において内方を向いた形状となっており、つまり傾斜している。側壁部３４には、図１のベースコート１２と同様にデジタル印刷されたベースコート４０が設けられており、また肩部３６、首部または上部３８および基材３２はコーティングがされていない。しかしながら、加えられた水滴（水滴形状物）４２の上にはベースコートはない。このため、図１に示したようにベースコートの上にラベル領域が印刷され且つ水滴の上には印刷されないとき、この特徴的な容器の側壁部は、印刷ないしコーティングが施されていない水滴４２によって非常に印象的なものとなる。

図３の容器５０は、容器４０と同様に、デジタル印刷されたベースコート５２と、コーティングされていない水滴５４とを有している。しかしながら、ベースコート５２の厚みはベースコート４０よりも厚く、この厚い部分が暗い外観を呈している。同様に、図４の容器６０は、容器４０と同様に、デジタル印刷されたベースコート６２と、コーティングされていない水滴６４とを有している。しかしながら、ベースコート６２の厚さはベースコート５２よりも厚く、さらに暗い外観を呈している。従って、図１の場合と同様に、図３および図４においてラベル領域がベースコートの上に印刷され且つ水滴の上には印刷されないとき、この特徴的な容器の側壁部は図２の場合と同様に非常に印象的なものになる。必要ならば、側壁部の一部のみに厚いベースコート部分を設けることで明‐暗の配置構成としたり、あるいは色の外観に変化を持たせても良い。

デジタル印刷されたベースコートを備えた本発明の容器は大きな特長ないし利点を有している。白、不透明あるいは任意の所望の色とできるベースコートによって、インクジェットプロセスに特有である色の管理（カラーマネージメント）を改善できる。ベースコートは、ムラのない均一な面を提供できるので、インクジェットプロセスによる多色グラフィックスには都合が良い。さらに、デジタル印刷されたベースコートは、最適な画像／印刷品質のために必要な適正な表面エネルギー（ダイン／平方センチメートル）を提供する。

ベースコートは、厚さが１から２００ミクロンであり、好適には厚さが３から１００ミクロンであり、最適な厚さは１５〜５０ミクロンである。ベースコートは、通常は例えば、耐薬品性、耐引掻性または耐擦性などの望ましい特性を有しており、および溶剤系、水性、または放射線硬化性などとすることができる。さらに、ベースコートの色は多種多様なものが使用できるが、透明または不透明が好ましい。ベースコートは、それが設けられた表面の透過性を低下するためのバリア層を提供できる。ベースコートの比重は、少なくとも１であり、特に１．２５から１．５が好ましい。さらに、このベースコートを付けるために種々の方法が使用でき、またその上に特徴的な外観やデザインを容易に印刷したり貼り付けることができる。

なお、本発明は、本明細書中に記載ないし示した例に限定されるものではなく、これらの例は単に本発明を実施する最良の形態を説明するためのものであり、部品の形状、大きさ、配置構成、および動作の細部は変更が可能なものである。本発明は、特許請求の範囲によって画定される本発明の技術思想および範囲内にあるそれら全ての変更を包含している。

本発明に係るプラスチック容器の斜視図であり、ベースコートがデジタル印刷されており、このデジタル印刷されたベースコートの上に印刷領域がある。 本発明に係るベースコートがデジタル印刷されたプラスチック容器の他の実施形態の側面図である。 ベースコートがより厚くデジタル印刷された、図２に示したプラスチック容器の側面図である。 ベースコートがより厚くデジタル印刷された、図３に示したプラスチック容器の側面図である。

符号の説明

１０ プラスチック容器
１２ ベースコート
１４ 側壁部
１６ 基部領域
１８ 肩領域
２０ 上部領域
２１ 注出口
２２ 反転印刷領域
２４ 盛り上げ印刷領域
３２ 基部
３４ 側壁部
３６ 肩部
３８ 上部
３９ 注出口
４０ ベースコート
４２ 水滴

Claims (22)

1. 閉口した下側の支持用基部と、前記閉口した基部から上方に延びる側壁部と、注出口をその内部に有し且つ前記側壁部から上方に延在する上部とを有する中空のプラスチック容器、および
   前記側壁部上にデジタル印刷されたベースコートを有してなり、
   前記ベースコートの厚さが１〜２００ミクロンである、ことを特徴とする容器。
2. 前記ベースコートの少なくとも一部上に印刷領域を含んでいる、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
3. 前記側壁部の一部がコーティングされていない、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
4. 前記側壁部が曲線状の外面を有している、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
5. 前記容器が内方に向いた肩部を前記側壁部と前記上部との間に含んでいる、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
6. 前記肩部にはベースコートが施されていない、ことを特徴とする請求項５記載の容器。
7. 前記ベースコートが透明および着色されたもののいずれかである、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
8. 前記容器がブロー成形されたプラスチック容器である、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
9. 前記容器が、ベースコートを施す前に、熱処理およびコロナ処理のいずれかにより前処理される、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
10. 前記デジタル印刷されたベースコートが前記ベースコートを施した後に硬化される、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
11. 前記側壁部が外方に延びるコーティングされていない部分を含む、ことを特徴とする請求項３記載の容器。
12. 前記外方向に延びる部分が水滴形状を有している、ことを特徴とする請求項１１記載の容器。
13. 前記ベースコートの厚さが３〜１００ミクロンである、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
14. 前記ベースコートの少なくとも一部が隆起した外形を有している、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
15. 前記ベースコートの比重が少なくとも１である、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
16. 前記ベースコートの比重が１．２５から１．５である、ことを特徴とする請求項１５記載の容器。
17. 前記ベースコート上の前記印刷領域が印刷されたラベルを有してなるものである、ことを特徴とする請求項２記載の容器。
18. 前記ベースコート上の前記印刷領域がデジタル印刷されたものである、ことを特徴とする請求項１７記載の容器。
19. 前記ベースコートが前記側壁部の周囲の実質的に全体上に設けられている、ことを特徴とする請求項１記載の容器。
20. 前記印刷領域が盛り上げ印刷の外観を有している、ことを特徴とする請求項２記載の容器。
21. 前記コーティングされていない側壁部の一部が三次元的な外観を有する、ことを特徴とする請求項３記載の容器。
22. 前記側壁部の少なくとも一部においてベースコートがより厚くなって暗い外観を呈している、ことを特徴とする請求項１記載の容器。

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