JP2024073314A - 複合プリフォーム及びその製造方法、複合容器の製造方法、並びにプラスチック製部材 - Google Patents

複合プリフォーム及びその製造方法、複合容器の製造方法、並びにプラスチック製部材 Download PDF

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Abstract

【課題】複合容器の外面の微細なテクスチャを維持するとともに、プラスチック製部材と加飾層との接着性を保持することが可能な、複合プリフォーム及びその製造方法、複合容器の製造方法、並びにプラスチック製部材を提供する。【解決手段】複合プリフォーム70は、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に接着されることなく密着して設けられたプラスチック製部材40aと、を備える。プラスチック製部材40aの外面は、UVオゾン処理された状態となっている。【選択図】図3

Description

本開示は、複合プリフォーム及びその製造方法、複合容器の製造方法、並びにプラスチック製部材に関する。
近時、飲食品等の内容液を収容するボトルとして、プラスチック製のものが一般化してきており、このようなプラスチックボトルには内容液が収容される。プラスチックボトルは、金型内にプリフォームを挿入し、2軸延伸ブロー成形することにより製造される。
従来の2軸延伸ブロー成形法では、例えばPETやPP等の単層材料、多層材料又はブレンド材料等を含むプリフォームを用いて容器形状に成形している。しかしながら、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、単にプリフォームを容器形状に成形するだけであるのが一般的である。このため、容器に対して様々な機能や特性(バリア性や保温性等)を持たせる場合、例えばプリフォームを構成する材料を変更する等、その手段は限定されてしまう。
これに対して本出願人は、特許文献1において、容器に対して様々な機能や特性を付与することが可能な複合容器を提案している。
特開2015-128858号公報
ところで従来、プラスチック容器を加飾する場合、ラベルやシール等のように容器と別の部材を容器に付与する場合がある。あるいは、オフセット印刷、パッド印刷、スクリーン印刷又はホットスタンプなどのように容器に直接加飾を施す方法も存在する。
上述した複合容器に直接加飾を施す場合、加飾前の複合容器に対してフレーム処理、プラズマ処理又はコロナ放電処理を行って複合容器の表面のぬれ性を上げることが考えられる。これにより、複合容器の表面とインキとの接着性が向上する。しかしながら、フレーム処理、プラズマ処理又はコロナ放電処理は、その工程で少なからず複合容器にダメージを与える。このため、特に複合容器の表面に凹凸等の微細なテクスチャが施されている場合、そのテクスチャが消失してしまうことが課題となる。
本実施の形態は、複合容器の外面の微細なテクスチャを維持するとともに、プラスチック製部材と加飾層との接着性を保持することが可能な、複合プリフォーム及びその製造方法、複合容器の製造方法、並びにプラスチック製部材を提供する。
本開示の実施の形態は、以下の[1]~[13]に関する。
[1]複合プリフォームにおいて、プリフォームと、前記プリフォームの外側に接着されることなく密着して設けられたプラスチック製部材と、を備え、前記プラスチック製部材の外面は、UVオゾン処理された状態となっている、複合プリフォーム。
[2]前記プラスチック製部材の接触角は、60°以下である、[1]に記載の複合プリフォーム。
[3]前記プラスチック製部材のぬれ張力は、42mN/m以上である、[1]又は[2]に記載の複合プリフォーム。
[4]複合プリフォームの製造方法において、プラスチック製部材を準備する工程と、プリフォームを準備する工程と、前記プリフォームの外側に、前記プラスチック製部材を接着することなく密着して設ける工程と、前記プラスチック製部材の外面をUVオゾン処理する工程と、を備えた、複合プリフォームの製造方法。
[5]前記UVオゾン処理する工程は、前記プラスチック製部材を前記プリフォームの外側に設ける前に行われる、[4]に記載の複合プリフォームの製造方法。
[6]前記UVオゾン処理する工程は、前記プラスチック製部材を前記プリフォームの外側に設けた後に行われる、[4]に記載の複合プリフォームの製造方法。
[7]前記UVオゾン処理された前記プラスチック製部材の接触角は、60°以下である、[4]乃至[6]のいずれか1つに記載の複合プリフォームの製造方法。
[8]前記UVオゾン処理された前記プラスチック製部材のぬれ張力は、42mN/m以上である、[4]乃至[7]のいずれか1つに記載の複合プリフォームの製造方法。
[9]前記UVオゾン処理する工程において、前記プラスチック製部材にエキシマUV光が照射される、[4]乃至[8]のいずれか1つに記載の複合プリフォームの製造方法。
[10][4]乃至[9]のいずれか1つに記載の複合プリフォームの製造方法により、前記複合プリフォームを得る工程と、前記複合プリフォームを加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、前記ブロー成形金型内で前記複合プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、前記複合プリフォームの前記プリフォーム及び前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程と、前記膨張させた前記プラスチック製部材に加飾層を設ける工程と、を備えた、複合容器の製造方法。
[11]ブロー成形後の前記プラスチック製部材は、凹凸構造を有する、[10]に記載の複合容器の製造方法。
[12]前記凹凸構造の凸部と凹部との平均深さは、10μm以上100μm以下である、[11]に記載の複合容器の製造方法。
[13]プリフォームの外側を取り囲むように装着されるプラスチック製部材であって、筒状の胴部を有し、前記プラスチック製部材の外面は、UVオゾン処理された状態となっている、プラスチック製部材。
本開示の実施の形態によれば、複合容器の外面の微細なテクスチャを維持するとともに、プラスチック製部材と加飾層との接着性を保持できる。
図1は、一実施の形態による複合容器を示す部分垂直断面図。 図2は、一実施の形態による複合容器を示す水平断面図(図1のII-II線断面図)。 図3は、一実施の形態による複合プリフォームを示す部分垂直断面図。 図4は、一実施の形態による複合プリフォームを示す水平断面図(図3のIV-IV線断面図)。 図5(a)~(d)は、各種プラスチック製部材を示す斜視図。 図6(a)~(g)は、一実施の形態による複合容器の製造方法の一部を示す概略図。 図7は、一実施の形態による複合容器の製造方法の一部を示す概略図。 図8(a)~(g)は、一実施の形態による複合容器の製造方法の一部を示す概略図。 図9(a)~(g)は、一実施の形態の変形例による複合容器の製造方法の一部を示す概略図。 図10(a)~(h)は、一実施の形態の変形例による複合容器の製造方法の一部を示す概略図。
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図10は一実施の形態を示す図である。
(複合容器の構成)
まず、図1及び図2により、本実施の形態による複合容器の概要について説明する。
なお、本明細書中、「上」及び「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上方及び下方のことをいう。
図1及び図2に示す複合容器10Aは、後述するように、ブロー成形金型50を用いてプリフォーム10a及びプラスチック製部材40aを含む複合プリフォーム70(図4参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10a及びプラスチック製部材40aを一体として膨張させて得られたものである。
このような複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に接着されることなく密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、首部13と、肩部12と、胴部20と、底部30とを備える。首部13は、口部11の下方に位置する。肩部12は、首部13の下方に位置する。胴部20は、肩部12の下方に位置する。底部30は、胴部20の下方に位置する。
プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されている。プラスチック製部材40は、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。
次に容器本体10について詳述する。容器本体10は、上述したように口部11と、首部13と、肩部12と、胴部20と、底部30とを有している。
このうち口部11は、ねじ部14と、フランジ部17とを有する。ねじ部14は、図示しないキャップに螺着される。フランジ部17は、ねじ部14の下方に設けられる。フランジ部17は、口部11の周壁から側方に突出する。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。容器本体10に内容液等の内容物が充填され、口部11に図示しないキャップが螺着されることにより、内容物入り複合容器が作製される。
首部13は、フランジ部17と肩部12との間に位置している。首部13は、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。また、肩部12は、首部13と胴部20との間に位置している。肩部12は、首部13側から胴部20側に向けて徐々に径が拡大する形状(水平断面において徐々に面積が拡大する形状)を有している。
胴部20は、全体として略均一な径をもつ円筒形状を有している。これに限られるものではなく、胴部20が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。また、本実施の形態において、胴部20は、凹凸が形成されておらず、略平坦な表面を有しているが、これに限られるものではない。例えば、胴部20にパネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
底部30は、凹部31と、接地部32とを有する。凹部31は、底部30の中央に位置する。接地部32は、凹部31の周囲に設けられている。接地部32は、複合容器10Aを載置面上に載置したときに載置面に接触する。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えばペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm以上250μm以下程度に薄くできる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、10g以上20g以下にできる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
このような容器本体10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10a(後述)を二軸延伸ブロー成形することにより作製できる。なお容器本体10の材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)を使用することが好ましい。容器本体10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良い。容器本体10は、リサイクルのしやすさを考慮した場合、無色透明であることが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。さらに、容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
また、容器本体10は、2層以上の多層成形ボトルとして形成することもできる。すなわち射出成形により、例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性を有する樹脂(中間層)として3層以上からなるプリフォーム10aを射出成形後、ブロー成形することによりガスバリア性を有する多層ボトルとして形成しても良い。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂を用いても良い。
また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製しても良い。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
このような容器本体10は、例えば満注容量が100ml以上2000ml以下のボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L以上60L以下の大型のボトルであっても良い。
次にプラスチック製部材40について説明する。プラスチック製部材40(40a)は後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aの外側に密着された後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
プラスチック製部材40は容器本体10の外面に接着されることなく取付けられている。プラスチック製部材40は、容器本体10に対して移動又は回転しないほどに密着されている。このプラスチック製部材40は、容器本体10の外面において薄く引き延ばされて容器本体10を覆っている。また、図2に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられている。プラスチック製部材40は、略円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、肩部12、胴部20及び底部30を覆うように設けられている。これにより、容器本体10の首部13、肩部12、胴部20及び底部30に対して所望の機能や特性を付与できる。
なお、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11及び首部13を除く、肩部12、胴部20及び底部30の全体を覆うように設けられていても良い。又は、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11、首部13及び底部30の中心部を除く、肩部12、胴部20及び底部30を覆うように設けられていても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から剥離して除去できる。具体的には、例えば刃物等を用いてプラスチック製部材40を切除したり、プラスチック製部材40に予め図示しない切断線を設け、この切断線に沿ってプラスチック製部材40を剥離したりできる。これにより、プラスチック製部材40を容器本体10から分離除去できる。
このようなプラスチック製部材40としては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40がプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材(外側収縮部材)40は、プリフォーム10aの外側に設けられ、このプリフォーム10aと一体となって加熱され、2軸延伸ブロー成形されることにより得られる。
本実施の形態において、プラスチック製部材40には、例えば印刷が施されることにより加飾層43が形成されている。本明細書中、加飾層43とは、プラスチック製部材40上に美粧性又は意匠外観を与える層である。この加飾層43は、プラスチック製部材40の外面全体に形成されても良く、プラスチック製部材40の外面の一部に形成されても良い。加飾層43は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、パッド印刷法、熱転写印刷法、ホットスタンプ法等の印刷法により、デザイン又は印字等が施されて形成されたものであっても良い。例えばインクジェット法を用いる場合、加飾層43は、プラスチック製部材40aに対してUV硬化型インクを塗布し、これにUV照射を行い、硬化させることにより形成することができる。
加飾層43を形成するための印刷は、2軸延伸ブロー成形後のプラスチック製部材40に対して施されたものである。この場合、加飾層43を形成するための印刷は、複合容器10Aに対して内容物を充填する前に施されても良い。加飾層43の厚みは、例えば100μm以上、300μm以下としても良い。
加飾層43は、UVオゾン処理された状態のプラスチック製部材40に形成される。すなわち、プラスチック製部材40は、UVオゾン処理され、ぬれ性が増加する。このUVオゾン処理によってぬれ性が増加した外面に、加飾層43が形成される。これにより、加飾層43を構成するインキの、プラスチック製部材40に対する接着性が高められている。なお、UVオゾン処理の詳細については後述する。
プラスチック製部材40に加飾層43を設けたことにより、ブロー成形後に容器本体10に対して別途ラベル等を付与することなく、複合容器10Aに画像や文字を表示することが可能となる。加飾層43は、1つ又は複数設けられていても良い。加飾層43に表示される事項としては、図柄や商品名等のほか、内容液の名称、製造者、原材料名等の文字情報であっても良い。このように、プラスチック製部材40に加飾層43を設けることにより、加飾層43として、予め商品名、内容液の名称、製造者、原材料名等の共通する情報を印刷しておくことができる。なお、各図において、加飾層43を網掛けによって示している。
本実施の形態において、プラスチック製部材40の外面には、微細な凹凸構造44が形成されている。微細な凹凸構造44は、視認可能なものであっても良い。凹凸構造44は、テクスチャと称しても良い。凹凸構造44は、プラスチック製部材40の全面に設けられても良く、部分的に設けられてもよい。またプラスチック製部材40には、凹凸構造44が設けられていなくても良い。
凹凸構造は、容器本体10及び加飾層43には形成されなくても良い。凹凸構造44は、柔軟な材質であるプラスチック製部材40のみに形成され、硬い材質である容器本体10には凹凸構造は賦形されなくても良い。すなわち、凹凸構造44は、ブロー成形時にプラスチック製部材40が後述するブロー成形金型50に直接接触することによって賦形される。このとき、プラスチック製部材40と一体となった容器本体10の内面は、凹凸構造が形成されることなく平坦な状態となる。さらに、プラスチック製部材40の凹凸構造44に沿って加飾層43が形成されるとき、加飾層43には凹凸構造44が形成されることなく平坦な状態となる。これは、加飾層43は膜厚が厚いため、プラスチック製部材40の凹凸構造44に追随することなく平滑になるためである。加飾層43は、プラスチック製部材40の凹凸構造44上に設けられる。なお、加飾層43は、プラスチック製部材40のうち凹凸構造44が存在しない領域に設けられても良い。
プラスチック製部材40の凹凸構造44の凸部の平均ピッチPは、例えば1μm以上としても良く、10μm以上としても良く、50μm以上としても良い。上記平均ピッチPは、例えば1mm以下としても良く、0.5mm以下としても良く、0.1mm以下としても良い。ここで、凹凸構造44の凸部の平均ピッチPは、以下のようにして測定する。まず刃物を用いて、複合容器10Aの中心軸CLを通りかつ凹凸構造44を含む平面で、複合容器10Aを切断する。次いで、この断面をレーザー顕微鏡で拡大観察する。この拡大観察画像により、10mmあたりに含まれる凹凸構造44の複数の凸部のピッチの平均値を求め、この値を平均ピッチPとする。
プラスチック製部材40の凹凸構造44の凸部と凹部との平均深さd1は、例えば0.05μm以上としても良く、0.1μm以上としても良く、1μm以上としても良い。上記平均深さd1は、例えば100μm以下としても良く、50μm以下としても良く、10μm以下としても良い。ここで、凹凸構造44の凸部と凹部との平均深さd1は、以下のようにして測定する。まず刃物を用いて、複合容器10Aの中心軸CLを通りかつ凹凸構造44を含む平面で、複合容器10Aを切断する。次いで、この断面をレーザー顕微鏡で拡大観察する。この拡大観察画像により、10mmあたりに含まれる凹凸構造44の互いに隣接する凸部と凹部との間の距離の平均値を求め、この値を平均深さd1とする。
本実施の形態において、加飾層43は、UVオゾン処理された状態のプラスチック製部材40に形成される。UVオゾン処理を用いることにより、例えばフレーム処理又はプラズマ処理を行う場合と比較して、プラスチック製部材40の凹凸構造44が実質的に変形乃至消失することがない。
プラスチック製部材40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-4-メチルペンテン-1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹旨、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリブタジエン、ポリブテン-1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ナイロン6、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、Uポリマー、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂等を挙げることができる。このうち低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の熱可塑性非弾性樹脂を用いることが好ましい。またそれらのブレンド材料や多層構造、部分的多層構造のものであってもよい。さらに、プラスチック製部材40の材料には、その特性が損なわれない範囲において、主成分の樹脂以外にも、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を添加できる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用し、この発泡プリフォームを成形することによって、遮光性を高められる。
プラスチック製部材40は、紫外線等の不可視光線をバリアする光線バリア性を有する材料からなっていても良い。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止できる。このような材料としては、ブレンド材料、又はPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも保冷性又は保温性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなっていても良い。この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保冷性又は保温性が高められる。また、使用者が複合容器10Aを把持した際、冷たすぎたり熱すぎたりすることにより複合容器10Aを持ちにくくなることが防止される。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが考えられる。これら樹脂を含んでなる樹脂材料に、中空粒子を混合することが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1μm以上200μm以下であることが好ましく、5μm以上80μm以下であることがより好ましい。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製)を用いて測定する。また、中空粒子としては、樹脂などから構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラスなどから構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン-アクリル樹脂などのスチレン系樹脂、アクリロニトリル-アクリル樹脂などの(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂などを挙げることができる。また、ローペイクHP-1055、ローペイクHP-91、ローペイクOP-84J、ローペイクウルトラ、ローペイクSE、ローペイクST(ロームアンドハース(株)製)、ニポールMH-5055(日本ゼオン(株)製)、SX8782、SX866(JSR(株)製)などの市販される中空粒子を用いることもできる。中空粒子の含有量としては、プラスチック製部材40に含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01質量部以上50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
またプラスチック製部材40は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料からなっていても良い。この場合、容器本体10の材料を変更することなく、使用者が複合容器10Aを把持しやすくできる。
プラスチック製部材40は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
またプラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm以上500μm以下程度とできる。
(複合プリフォームの構成)
次に図3及び図4により、本実施の形態による複合プリフォームの構成について説明する。
図3及び図4に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に設けられた有底円筒状のプラスチック製部材40aとを備えている。
このうちプリフォーム10aは、口部11aと、胴部20aと、底部30aとを備えている。口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。胴部20aは、口部11aに連結され、底部30aは、胴部20aに連結されている。胴部20aは、上述した容器本体10の首部13、肩部12及び胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40aは、胴部20aの全域と、底部30aの全域とを覆う。なお、プラスチック製部材40aは、口部11a以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40aは、容器本体10の首部13に対応する部分及び口部11aを除く、胴部20a及び底部30aの全体を覆っても良い。あるいは、プラスチック製部材40aは、底部30を除く、胴部20aを覆っても良い。
このようなプラスチック製部材40aとしては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40aが収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40aは、例えば、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮(例えば熱収縮)するものが用いられても良い。あるいは、プラスチック製部材40aは、それ自体が収縮性ないし弾力性を持ち、外的な作用を加えることなく収縮可能なものであっても良い。
プラスチック製部材40aとしては、例えばダイレクトブロー成形により作製されたダイレクトブローチューブ、シート成形により作製されたシート成形チューブ、押出成形により作製された押出チューブ、射出成形により作製された射出成形チューブ、インフレーション成形により作製されたインフレーション成形チューブ等を用いることができるが、これに限定されるものではなく、上記以外の成形方法を用いても良い。
プラスチック製部材40aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
プラスチック製部材40aの外面は、UVオゾン処理された状態となっている。すなわちプラスチック製部材40aの外面には、UVオゾン処理が施された表面処理領域45が形成されている。この表面処理領域45は、プラスチック製部材40aの外面全体に形成されても良く、プラスチック製部材40aの外面の一部に形成されても良い。なお、各図において、UVオゾン処理が施された表面処理領域45を薄い灰色によって示している。
表面処理領域45は、プラスチック製部材40aに対してUVオゾン処理することにより形成されたものである。UVオゾン処理は、プリフォーム10aに取り付けられる前のプラスチック製部材40aに対して施されても良い。この場合、例えば、UVオゾン処理を施したフィルムを用い、当該一面が外側となるように筒状に形成することにより、プラスチック製部材40aを作製しても良い。また、予め筒状に形成したプラスチック製部材40aに対してUVオゾン処理を施しても良い。あるいは、UVオゾン処理は、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。
プラスチック製部材40aには、加飾層43が形成されていない。なお、これに限らず、プラスチック製部材40aに加飾層43が形成されても良い。加飾層43が形成される場合、加飾層43は、無地のプラスチック製部材40aにデザイン又は印字が施されることにより形成されても良い。加飾層43は、例えばインクジェット法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、フレキソ印刷法等の印刷法により形成されても良い。この印刷は、プリフォーム10aに取り付けられる前のプラスチック製部材40aに対して施されても良く、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で施されても良い。
印刷に用いられるインクは問わないが、2軸延伸ブロー成形によって引き延ばされた後にも加飾層43が明確に表示されるよう、高延伸性のインクを用いることが好ましい。このような高延伸性のインクとしては、例えばUV硬化型インク、EB硬化型インクが挙げられる。
次にプラスチック製部材40aの形状について説明する。
図5(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状(チューブ状)の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有していても良い。このプラスチック製部材40aは、繋ぎ目を有していない。プラスチック製部材40aの外面は、UVオゾン処理された状態となっている。すなわちプラスチック製部材40aの外面には、UVオゾン処理が施された表面処理領域45が形成されている。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対してもバリア性等の様々な機能や特性を付与できる。このようなプラスチック製部材40aは、例えば上述したダイレクトブローチューブやシート成形チューブ、射出成形チューブを挙げることができる。底部42は、チューブ状のプラスチック製部材の端部を熱圧着することにより閉鎖されたものであっても良い。
また、図5(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として円管形状(無底円筒形状)からなり、円筒状(チューブ状)の胴部41を有していても良い。このプラスチック製部材40aは、繋ぎ目を有していない。プラスチック製部材40aの外面は、UVオゾン処理された状態となっている。すなわちプラスチック製部材40aの外面には、UVオゾン処理が施された表面処理領域45が形成されている。この場合、プラスチック製部材40aとしては、例えば上述したブローチューブ、押出チューブ、インフレーション成形チューブ、シート成形チューブを用いることができる。
また、図5(c)及び図5(d)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されても良い。プラスチック製部材40aの外面は、UVオゾン処理された状態となっている。すなわちプラスチック製部材40aの外面には、UVオゾン処理が施された表面処理領域45が形成されている。この場合、図5(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41を有する管形状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図5(d)に示すように、底部42を貼り合わせることにより有底筒形状に構成されていても良い。
(複合プリフォーム及び複合容器の製造方法)
次に図6(a)~(g)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図6(a)参照)。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム10aを作製しても良い。また、プリフォーム10aとして、従来一般に用いられるプリフォームを用いても良い。
次に、プラスチック製部材40aを準備し、プラスチック製部材40aの外面をUVオゾン処理する(図6(b)参照)。この場合、UVオゾン処理は、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外側に設ける前に行われる。このUVオゾン処理は、複合容器10Aの加飾層43(図1及び図2参照)を形成するための前処理又は下地処理である。UVオゾン処理時のUVのエネルギーにより、プラスチック製部材40aの外面が親水化され、ブロー成形後の加飾層43の接着性が高められる。
図6(b)において、UVオゾン処理装置のUVランプ85から、プラスチック製部材40aに向けてUV(紫外線)を照射する。UVランプ85は、エキシマUV光を照射するエキシマランプであっても良い。この場合、UVオゾン処理は、エキシマ処理であっても良い。UVオゾン処理は、プラスチック製部材40aの全域に対して施されても良く、プラスチック製部材40aの一部に対して施されても良い。なお、UVオゾン処理は、少なくとも加飾層43を形成する領域の全体に施すことが好ましい。UVランプ85からのUV光の照射強度は、50W/cm以上としてもよく、100W/cm以上とすることが好ましく、150W/cm以上とすることが更に好ましい。
本実施の形態において、UVオゾン処理とは、空気中で処理対象物にUV(紫外線)を照射し、空気中の酸素をオゾンに変化させ、オゾン及びUVにより処理対象物を改質する処理をいう。UVの波長は、例えば270nm以下、好ましくは210nm以下、より好ましくは180nm以下であっても良い。一例として、UVの波長は、172nmであっても良い。この短波長のUVをUVランプから近距離に位置する処理対象物に照射する。短波長のUVは、雰囲気中の酸素をオゾン化し、UV自身は減衰するため、UVランプと処理対象物との距離を近づけることが好ましい。UV光源と処理対象物との間隔は30mm以下としても良く、好ましくは20mm以下、より好ましくは5mm以下である。
UVオゾン処理が施されたプラスチック製部材40aの外面はぬれ性が高められる。このときのプラスチック製部材40aの接触角は、60°以下であっても良く、40°以下であっても良く、30°以下であっても良い。プラスチック製部材40aの接触角は、プラスチック製部材40aの表面に水を接触させたときの、プラスチック製部材40aの材料表面と水滴表面とのなす角を測定することによって求める。
UVオゾン処理が施されたプラスチック製部材40aのぬれ張力は、42mN/m以上であっても良く、46mN/m以上であっても良く、50mN/m以上であっても良い。プラスチック製部材40aのぬれ張力は、JIS K 6768:1999に準拠して測定する。
次に、プリフォーム10aの外側を取り囲むようにプラスチック製部材40aを設けることにより、複合プリフォーム70を作製する(図6(c)参照)。複合プリフォーム70は、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に接着されることなく密着されたプラスチック製部材40aとを有する。プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有する。
この際、プリフォーム10aの外径と同一又はわずかに小さい内径をもつプラスチック製部材40aを、プリフォーム10aに対して押し込むことにより、プリフォーム10aの外面に密着させても良い。あるいは、後述するように、熱収縮性をもつプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外面に設け、このプラスチック製部材40aを50℃乃至100℃に加熱することにより熱収縮させてプリフォーム10aの外面に密着させても良い。
このように、予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを密着させ、複合プリフォーム70を作製する。これにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図6(a)~(c))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図6(d)~(g))とを別々の場所(工場等)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図6(d)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10a及びプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図6(e)参照)。
複合容器10Aは、このブロー成形金型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形金型50は互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図6(e)参照)。図6(e)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で一対の胴部金型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に図6(f)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、一対の胴部金型50a、50b及び底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次にプリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
このことにより、ブロー成形金型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10a及びプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10a及びプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
なお、ブロー成形金型50の内面に凹凸構造が形成されている場合、ブロー成形金型50の凹凸構造が賦形される。これにより、プラスチック製部材40の外面に凹凸構造44(図1参照)が形成される。
このようにして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とが得られる。
その後、図6(g)に示すように、一対の胴部金型50a、50b及び底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から容器本体10及びプラスチック製部材40とが取出される。
上述したようにプラスチック製部材40には予めUVオゾン処理が施されている。このため、ブロー成形後のプラスチック製部材40の外面はぬれ性が高められている。このときのプラスチック製部材40の接触角は、60°以下であっても良く、40°以下であっても良く、30°以下であっても良い。プラスチック製部材40の接触角は、プラスチック製部材40の表面に水を接触させたときの、プラスチック製部材40の材料表面と水滴表面とのなす角を測定することによって求める。
ブロー成形後のプラスチック製部材40のぬれ張力は、42mN/m以上であっても良く、46mN/m以上であっても良く、50mN/m以上であっても良い。プラスチック製部材40のぬれ張力は、JIS K 6768:1999に準拠して測定する。
その後、図7に示すように、膨張させたプラスチック製部材40に加飾層43を設ける。上述したように、プラスチック製部材40は、UVオゾン処理されることにより予め表面処理領域45が形成されている。加飾層43は、UVオゾン処理された表面処理領域45に形成される。この場合、例えばUVオゾン処理されたプラスチック製部材40の外面に印刷を施すことにより、加飾層43を形成しても良い。この印刷方法は問わないが、例えばインクジェット法を用いても良い。この場合、例えばインクジェット方式のプリンタである印刷装置80を用い、プラスチック製部材40の外面に対してほぼ垂直な方向からインクを吹き付けることによって所定のデザインや模様等を印字しても良い。印刷に用いられるインクとしては、例えばUV硬化型インク、EB硬化型インクが挙げられる。
プラスチック製部材40の外面に凹凸構造44(図1参照)が形成されている場合、加飾層43は、プラスチック製部材40の凹凸構造44上に設けられる。
このようにして、図1及び図2に示す複合容器10Aが得られる。
本実施の形態において、上述したように加飾層43が形成される前のプラスチック製部材40の外面がUVオゾン処理されている。これにより、プラスチック製部材40のぬれ性が高められており、加飾層43がプラスチック製部材40の外面に強固に接着する。また、プラスチック製部材40の外面に微細な凹凸構造44が形成されている場合、UVオゾン処理によってこの凹凸構造44が実質的に消失することはない。これにより、加飾層43を形成した後も、凹凸構造44の形状が維持され、凹凸構造44による複合容器10Aの意匠性が保持される。
(複合容器の製造方法の変形例)
次に、図8(a)~(g)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)の変形例について説明する。図8(a)~(g)に示す変形例は、UVオゾン処理する工程がプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外側に設けた後に行われる点が異なるものであり、他の構成は、図6(a)~(g)に示す形態と略同一である。図8(a)~(g)において、図6(a)~(g)と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図8(a)参照)。
次に、プリフォーム10aの外側を取り囲むようにプラスチック製部材40aを設ける(図8(b)参照)。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外側に接着されることなく密着される。
次に、プリフォーム10aに装着された状態で、プラスチック製部材40aの外面をUVオゾン処理する(図8(c)参照)。この場合、UVオゾン処理は、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外側に設けた後に行われる。UVオゾン処理は、図6(b)に示す場合と略同様にして行うことができる。このようにして、プリフォーム10aと、プラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70が得られる。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外側に接着されることなく密着されている。
次に、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図8(d)参照)。続いて、加熱装置51によって加熱されたプリフォーム10a及びプラスチック製部材40aは、ブロー成形金型50に送られる(図8(e)参照)。
プリフォーム10a及びプラスチック製部材40aは、このブロー成形金型50を用いて成形され、上述した図6(a)~(g)の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とが得られる(図8(e)~(g)参照)。
その後、図7に示す例と同様にして、UVオゾン処理されたプラスチック製部材40に加飾層43を設ける。このようにして、図1及び図2に示す複合容器10Aが得られる。
次に、図9(a)~(g)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)の他の変形例について説明する。図9(a)~(g)に示す変形例は、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつものであり、他の構成は、図6(a)~(g)に示す形態と略同一である。図9(a)~(g)において、図6(a)~(g)と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図9(a)参照)。
次に、プラスチック製部材40aを準備し、プラスチック製部材40aの外面をUVオゾン処理する(図9(b)参照)。この場合、UVオゾン処理は、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外側に設ける前に行われる。UVオゾン処理は、上述した工程と同様にして行うことができる(図6(b)参照)。
次に、プリフォーム10aの外側に、プラスチック製部材40aを緩挿する(図9(c)参照)。この場合、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。このプラスチック製部材(外側収縮部材)40は、胴部20a及び底部30aの全域を覆うように装着される。
次に、プリフォーム10a及びプラスチック製部材40aは、加熱装置51によって加熱される(図9(d)参照)。このとき、プリフォーム10a及びプラスチック製部材40aは、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10a及びプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
このように、プラスチック製部材40aが加熱されることにより、プラスチック製部材40aが熱収縮し、プリフォーム10aの外側に密着する(図9(d)参照)。なお、プラスチック製部材40a自体が収縮性を有する場合、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた時点(図9(c)参照)でプラスチック製部材40aがプリフォーム10aの外側に密着していても良い。
続いて、加熱装置51によって加熱されたプリフォーム10a及びプラスチック製部材40aは、ブロー成形金型50に送られる(図9(e)参照)。
プリフォーム10a及びプラスチック製部材40aは、このブロー成形金型50を用いて成形され、上述した図6(a)~(g)の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とが得られる(図9(e)~(g)参照)。
その後、図7に示す例と同様にして、UVオゾン処理されたプラスチック製部材40に加飾層43を設ける。このようにして、図1及び図2に示す複合容器10Aが得られる。
本変形例によれば、UVオゾン処理により、プラスチック製部材40を加熱することなく、プラスチック製部材40の外面が親水化される。このため、プラスチック製部材40が熱収縮性をもつ場合であっても、加飾層43を形成する前の前処理時にプラスチック製部材40が加熱収縮することがない。
本変形例においても、UVオゾン処理する工程は、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外側に設けた後に行われても良い(図8(a)~(g)参照)。
次に図10(a)~(h)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法(ブロー成形方法)の他の変形例について説明する。図10(a)~(h)に示す変形例は、プラスチック製部材40aがプリフォーム10aに対して収縮する作用をもち、プリフォーム10a及びプラスチック製部材40aを2段階で加熱するものであり、他の構成は、図6(a)~(g)に示す形態と略同一である。図10(a)~(h)において、図6(a)~(g)と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図10(a)参照)。
次に、プラスチック製部材40aを準備し、プラスチック製部材40aの外面をUVオゾン処理する(図10(b)参照)。この場合、UVオゾン処理は、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外側に設ける前に行われる。UVオゾン処理は、上述した工程と同様にして行うことができる(図6(b)参照)。
次に、プリフォーム10aの外側に、プラスチック製部材40aを緩挿する(図10(c)参照)。
次に、プリフォーム10a及びプラスチック製部材40aは、第1の加熱装置55によって加熱される(図10(d)参照)。このとき、プリフォーム10a及びプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば50℃乃至100℃としても良い。
プラスチック製部材40aが加熱されることにより、プラスチック製部材40aが熱収縮し、プリフォーム10aの外側に密着する。これにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70が得られる(図10(d)参照)。
このように、第1の加熱装置55を用いて予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを加熱密着させ、複合プリフォーム70を作製する。これにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図10(a)~(d))と、複合容器10Aをブロー成形により作製する一連の工程(図10(e)~(h))とを別々の場所(工場等)で実施できる。
次に、複合プリフォーム70は、第2の加熱装置51によって加熱される(図10(e)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、第2の加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10a及びプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
続いて、第2の加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50に送られる(図10(f)参照)。この場合、プラスチック製部材40aを熱収縮させる加熱と、プリフォーム10aをブロー成形する加熱とを同一工程で実行できる。
複合プリフォーム70は、このブロー成形金型50を用いて成形され、上述した図6(a)~(g)の場合と略同様にして、容器本体10と、容器本体10の外面に設けられたプラスチック製部材40とが得られる(図10(f)~(h)参照)。
その後、図7に示す例と同様にして、UVオゾン処理されたプラスチック製部材40に加飾層43を設ける。このようにして、図1及び図2に示す複合容器10Aが得られる。
本変形例によれば、UVオゾン処理により、プラスチック製部材40を加熱することなく、プラスチック製部材40の外面が親水化される。このため、プラスチック製部材40が熱収縮性をもつ場合であっても、加飾層43を形成する前の前処理時にプラスチック製部材40が加熱収縮することがない。
本変形例においても、UVオゾン処理する工程は、プラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外側に設けた後に行われても良い(図8(a)~(g)参照)。
また、上記図6乃至図10に示す各工程において、加飾層43は、2軸延伸ブロー成形後のプラスチック製部材40に対して形成される。これに限らず、加飾層43は、プリフォーム10aに取り付けられる前のプラスチック製部材40aに形成されても良い。あるいは、加飾層43は、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けた状態で形成されても良い。
以上説明したように、本実施の形態によれば、UVオゾン処理された状態のプラスチック製部材40に加飾層43を設ける。UVオゾン処理によりプラスチック製部材40のぬれ性が向上するので、加飾層43をプラスチック製部材40に強固に接着させられる。さらに、UVオゾン処理により、処理対象物に物理的なダメージを与えることなく、UVの光エネルギーによって表面の親水化が促される。このため、プラスチック製部材40の外面に微細な凹凸構造44が施されている場合にも、その凹凸構造44の形状を維持しながらプラスチック製部材40の外面のぬれ性を上げられる。この結果、加飾層43をプラスチック製部材40の凹凸構造44に対して強固に接着させられる。
ところで、一般に、プラスチック容器の表面に直接加飾する場合、その接着性を上げるためにプラズマを利用した表面処理を施すことが考えられる。このプラズマ状態を作り出す電離方法としては、放電によるプラズマ処理、放電によるコロナ処理、熱電離によるフレーム処理、及び、光電離によるUVオゾン処理に大別される。いずれもプラスチック容器の表面に官能基を付与することによって親水性を向上させる手法である。このうちプラズマ処理、コロナ処理及びフレーム処理は、ラジカルを物理的にプラスチック容器の表面に当てて官能基を付与するものである。一方、UVオゾン処理は、UVのエネルギーによってプラスチック容器の表面の結合を解離させ、発生したオゾンと反応させることで官能基を付与するものである。
このため、プラスチック製部材40の加飾する表面に微細な凹凸構造が形成されている場合、プラズマ処理(放電)、コロナ処理(放電)及びフレーム処理(熱電離)による物理的な処理法を用いた場合、微細な凹凸構造が消失する。これに対して、UVオゾン処理(光電離)は、化学反応による処理であるため、微細な凹凸構造が維持されると考えられる。このように本実施の形態によれば、複合容器10Aの外面の微細な凹凸構造44を維持するとともに、プラスチック製部材40と加飾層43との接着性を保持できる。
また本実施の形態によれば、UVオゾン処理する工程は、延伸ブロー成形する前のプラスチック製部材40aに対して行われる。この場合、UVオゾン処理は、ブロー成形前の小さい面積のプラスチック製部材40aに対して行われる。これにより、UVオゾン処理装置や、そのUVランプ85をコンパクトに構成できる。また、UVオゾン処理を短時間で実施できる。
また本実施の形態によれば、プラスチック製部材40に対して加飾層43が設けられているので、複合容器10Aに内容液を充填して密栓した後、ラベラーによってラベルを付与する必要がない。これにより、最終製品を製造するための製造コストを抑制できる。また、ラベラーの不具合等により最終製品を製造する際に歩留まりが低下することを抑制できる。
また、本実施の形態によれば、加飾層43が設けられたプラスチック製部材40を容器本体10から分離除去できるので、従来と同様に無色透明な容器本体10をリサイクルできる。他方、比較例として、容器本体10に対して加飾層43を設けた場合、容器本体10のリサイクルが困難になるおそれがある。
また、本実施の形態によれば、複合容器10Aを作製する際、一般的なブロー成形装置をそのまま用いることができるので、複合容器10Aを作製するための新たな成形設備を準備する必要が生じない。また、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けているので、プリフォーム10aを成形するための新たな成形設備を準備する必要も生じない。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(実施例1)
熱収縮性のプラスチック製部材を準備し、このプラスチック製部材の外面をUVオゾン処理した。この際、プラスチック製部材の外面から2mmの距離に配置したエキシマランプを用い、プラスチック製部材の全周にわたってUVを照射した。このときUVの照射強度は170W/cmとし、UVの照射時間は2秒間とした。続いて、ポリエチレンテレフタレート製のプリフォームを準備し、このプリフォームの外側にUVオゾン処理されたプラスチック製部材を設けた。次に、プラスチック製部材を加熱して熱収縮させることにより、プラスチック製部材をプリフォームに密着させ、複合プリフォームを作製した。次いで、ブロー成形金型内で複合プリフォームをブロー成形し、プリフォーム及びプラスチック製部材を一体として膨張させた。このとき、プラスチック製部材の外面には、ブロー成形金型によって凹凸構造が賦形された。その後、UVオゾン処理されたプラスチック製部材にスクリーン印刷により加飾層を形成することにより、複合容器(実施例1)を得た。
(比較例1)
プリフォームに装着する前にプラスチック製部材の外面をフレーム処理したこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器(比較例1)を作製した。
(比較例2)
プリフォームに装着する前にプラスチック製部材の外面をプラズマ処理したこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器(比較例2)を作製した。
(比較例3)
プラスチック製部材の外面を前処理しなかったこと、以外は、実施例1と同様にして、複合容器(比較例3)を作製した。
これら4種類の複合容器(実施例1、比較例1-3)のそれぞれについて、加飾層を形成する直前に、それぞれプラスチック製部材の接触角を測定した。接触角は、プラスチック製部材40の表面に水を接触させたときの、プラスチック製部材の材料表面と水滴表面とのなす角を測定することによって求めた。
また、4種類の複合容器(実施例1、比較例1-3)のそれぞれについて、加飾層を形成した後に、凹凸構造が残存したか消失したかを観察した。具体的には、まず刃物を用いて、複合容器の中心軸を通りかつ凹凸構造を含む平面で、複合容器を切断した。次いで、この断面をレーザー顕微鏡で拡大観察し、凹凸構造の有無を確認した。
また、4種類の複合容器(実施例1、比較例1-3)のそれぞれについて、テープ剥離試験を実施した。テープ剥離試験とは、加飾層を形成した後に、加飾層がプラスチック製部材から剥離される否かを測定するものである。テープ剥離試験で用いるセロハン粘着テープは、JIS Z 1522に規格する幅12mm、長さ60mmものを使用した。加飾層に対して規定のセロハン粘着テープを貼り付け、セロハン粘着テープの一端を持ち、約45°の引張角度で一気にはがした。その後、セロハン粘着テープを観察することによって加飾層のはがれ状態を目視で確認した。
以上の結果を以下に示す。
Figure 2024073314000002
この結果、実施例1の複合容器は、加飾層を形成する前のぬれ性が高く(接触角30°)、プラスチック製部材に対する加飾層の接着性が良好であり、かつ、UVオゾン処理によって凹凸構造が消失することもなかった。
これに対して比較例1の複合容器は、加飾層を形成する前のぬれ性が高く(接触角30°)、プラスチック製部材に対する加飾層の接着性が良好であったが、フレーム処理によって凹凸構造が消失した。
また、比較例2の複合容器は、加飾層を形成する前のぬれ性が高く(接触角40°)、プラスチック製部材に対する加飾層の接着性が良好であったが、プラズマ処理によって凹凸構造が消失した。
また、比較例3の複合容器は、前処理を行わなかったため、凹凸構造が消失することはなかったが、加飾層を形成する前のぬれ性が低く(接触角80°)、テープ剥離試験でテープの剥離が生じた。すなわち、プラスチック製部材に対する加飾層の接着性が良好でなかった。
本開示は上記各実施の形態及び各変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施の形態及び各変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。各実施の形態及び各変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。

Claims (13)

  1. 複合プリフォームにおいて、
    プリフォームと、
    前記プリフォームの外側に接着されることなく密着して設けられたプラスチック製部材と、を備え、
    前記プラスチック製部材の外面は、UVオゾン処理された状態となっている、複合プリフォーム。
  2. 前記プラスチック製部材の接触角は、60°以下である、請求項1に記載の複合プリフォーム。
  3. 前記プラスチック製部材のぬれ張力は、42mN/m以上である、請求項1に記載の複合プリフォーム。
  4. 複合プリフォームの製造方法において、
    プラスチック製部材を準備する工程と、
    プリフォームを準備する工程と、
    前記プリフォームの外側に、前記プラスチック製部材を接着することなく密着して設ける工程と、
    前記プラスチック製部材の外面をUVオゾン処理する工程と、を備えた、複合プリフォームの製造方法。
  5. 前記UVオゾン処理する工程は、前記プラスチック製部材を前記プリフォームの外側に設ける前に行われる、請求項4に記載の複合プリフォームの製造方法。
  6. 前記UVオゾン処理する工程は、前記プラスチック製部材を前記プリフォームの外側に設けた後に行われる、請求項4に記載の複合プリフォームの製造方法。
  7. 前記UVオゾン処理された前記プラスチック製部材の接触角は、60°以下である、請求項4に記載の複合プリフォームの製造方法。
  8. 前記UVオゾン処理された前記プラスチック製部材のぬれ張力は、42mN/m以上である、請求項4に記載の複合プリフォームの製造方法。
  9. 前記UVオゾン処理する工程において、前記プラスチック製部材にエキシマUV光が照射される、請求項4に記載の複合プリフォームの製造方法。
  10. 請求項4に記載の複合プリフォームの製造方法により、前記複合プリフォームを得る工程と、
    前記複合プリフォームを加熱するとともにブロー成形金型内に挿入する工程と、
    前記ブロー成形金型内で前記複合プリフォームに対してブロー成形を施すことにより、前記複合プリフォームの前記プリフォーム及び前記プラスチック製部材を一体として膨張させる工程と、
    前記膨張させた前記プラスチック製部材に加飾層を設ける工程と、を備えた、複合容器の製造方法。
  11. ブロー成形後の前記プラスチック製部材は、凹凸構造を有する、請求項10に記載の複合容器の製造方法。
  12. 前記凹凸構造の凸部と凹部との平均深さは、10μm以上100μm以下である、請求項11に記載の複合容器の製造方法。
  13. プリフォームの外側を取り囲むように装着されるプラスチック製部材であって、
    筒状の胴部を有し、
    前記プラスチック製部材の外面は、UVオゾン処理された状態となっている、プラスチック製部材。
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