JP2007302279A - 粉体充填装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】粉体を送り出す縦型スクリューコンベアと、縦型スクリューコンベアの先端に取り付けられ、縦型スクリューコンベアから送り出される粉体を収納袋に充填する充填孔と、この充填孔の外側に設けられ、収納袋内の空気を吸気する吸気孔および吸気孔を被うように設けられた焼結金網製フィルタを備える充填ノズルと、収納袋を吊り下げて保持する収納袋吊下装置とを有することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図3
Description
それらの収納袋の多くは、内弁式や外弁式の両底貼袋と呼ばれるものであり、気体(空気)とともに粉体がノズルから吹き込まれて充填がなされるものであるが、その際に気体(空気)が収納袋の外部へ抜けないと、収納袋が破裂するという問題がある。そこで、この形式の収納袋には一般に透気性を有する包材(クラフト紙)が用いられている。その包材面(紙面)において粉体は通過せず、気体(空気)のみが通過するようになっており、その透気度についてはJISにも規定されている。(JIS P8117,P3401)
このような透気性を持つ収納袋を用いても、完全密封のなされた充填収納袋を得ることはできなかった。
このため、本出願人は、底部が封止され、上部が開口された略矩形状、換言すれば、4辺のうちの1辺が開口した形状の単純な収納袋(いわゆる、オープン袋)であっても、小麦粉などの粉体を短時間で充填することができるとともに、収納袋に充填する粉体の充填量を高い精度で制御することができる粉体充填装置を特許文献1に提案している。
図9に示す粉体充填装置110は、ホッパー111に貯留された粉体を横(水平)型のスクリューコンベア112で水平方向に移送し、この横型のスクリューコンベア112の終端部に配置された縦型のスクリューコンベア114で下向きに移送して、移送された粉体を縦型のスクリューコンベア114の直下に設けられた充填ノズル116の充填孔117(図10参照)からオープン袋と呼ばれる収納袋118に供給し、計量装置120によって粉体の充填量を計量しながら、収納袋118への粉体の充填を行うものである。
その結果、特許文献1に開示の粉体充填装置110では、収納袋118への粉体の充填を高速に行なうことを可能とし、かつその充填量を高精度に制御することを可能としている。
このとき、充填ノズル116の外周に被着されて吊り下げ保持された収納袋118には空気が入っているので、収納袋118に充填ノズル116の充填孔117から粉体が投入されるに伴い、投入粉体と空気を置換するために、収納袋118内の空気を充填ノズル116の充填孔117の両外側に設けられた2つの排気孔126から排出している。
また、ホッパー111の攪拌装置127の近傍、横型のスクリューコンベア112の粉体移送方向における下流側の終端部の近傍、および、縦型のスクリューコンベア114の充填ノズル116の近傍には、それぞれ、フィルタを備える脱気口128,130,132が設けられており、攪拌によって粉体に混入し、粉体と共に移送される空気を粉体充填装置10の外部に排出している。
こうして、収納袋118に充填される粉体に混入される空気を低減している。
この粉体の充填量の精度への悪影響を避けるために、充填ノズル116の排気孔126内に付着した粉体、あるいは、詰まった粉体の塊が、排気孔126の内壁から剥がれて収納袋118内に落下するのを待つ場合には、粉体充填のサイクルタイムを短縮できないという問題がある。なお、粉体の塊が、収納袋118内に落下する場合には、粉体の塊の落下の衝撃が、粉体充填精度にも悪影響を与え、精度低下を招くという問題もある。
また、前記収納袋吊下装置は、前記収納袋の前記上部開口を前記充填ノズルの外周に被着させた状態で、前記収納袋を吊り下げるものであり、前記吸気孔は、吸気源に接続され、前記粉体を前記収納袋に充填する前に、前記充填ノズルの外周に被着された前記収納袋内の空気を強制的に吸引して排気し、前記収納袋を偏平状態にするのが好ましい。
また、前記吸気孔は、前記充填ノズルから前記収納袋への粉体充填中においては、前記収納袋に前記粉体と共に投入される空気を排気するのにも用いられるのが好ましい。
また、前記充填ノズルは、さらに、前記充填孔の内周面に設けられ、前記縦型スクリューコンベアによって移送される前記粉体中の空気を脱気するフィルタを備えるのが好ましい。
また、前記縦型スクリューコンベア、前記充填ノズルおよび前記収納袋吊下装置は、一体的に構成されており、さらに、前記一体的に構成された前記縦型スクリューコンベア、前記充填ノズルおよび前記収納袋吊下装置を支持してその総重量を計量することにより、前記収納袋吊下装置に保持された前記収納袋に供給された粉体の重量を計量する計量装置を有するのが好ましい。
また、本発明によれば、収納袋に嵩密度の高い粉体を充填し、高嵩密度の粉体が充填されたコンパクトな収納袋とすることができる。
図1は、本発明の粉体充填装置を用いる粉体充填包装システムの一実施形態の概略構成を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1に示す粉体充填包装システムに用いられる本発明の粉体充填装置の断面図である。
粉体充填装置10は、図1に示すように、供給装置70から、底部が封止され、上部が開口された収納袋20を受け取って吊下げ保持し、吊下げ保持された収納袋20に充填量を計量しながら所定量の粉体を充填し、充填終了後直ちに吊下げ保持された状態のまま、粉体の充填が終了した収納袋20を、収納袋搬出装置80が搬出できる受渡位置まで下降させて、収納袋20の吊下げ保持を解放するものである。
攪拌装置22は、回転軸24と、その周りに設けられた棒状の突起26と、回転軸24を回転駆動するモータ28とを備えるものである。このように、攪拌装置22としては、回転軸24の周りに棒状の突起26や平板などからなる攪拌羽根を設けてモータ28で駆動するものなどであれば好適に使用することができる。この実施形態においては、攪拌装置22は、比較的高速(例えば、最高回転数400rpm程度)で回転され、ホッパー12内において粉体を十分に攪拌する。
なお、第1のスクリューコンベア14は、図2に示すように、外筒30の終端(粉体の移送方向の下流側端)に設けられた、移送される粉体を脱気する脱気口部35を有するのが好ましい。脱気口部35は、第1のスクリューコンベア14(スクリュー32)によって移送される粉体に混入し、残存している空気を粉体充填装置10(第1のスクリューコンベア14)の外部に排出するためのもので、フィルタ35aと、脱気管35bと、吸引装置(図示せず)とを有する。なお、脱気口部35は、脱気口部23と同様の構成を有するものであり、同様の効果を奏するものであるので、その説明は省略する。
なお、第2のスクリューコンベア16は、第1のスクリューコンベア14に比べて移送方向の長さが短い。第2のスクリューコンベア16のスクリュー38は、後述するように、第2のスクリューコンベア16の終端に設けられる充填ノズル18の終端まで延在するが、第1のスクリューコンベア14のスクリュー32や従来装置のスクリューコンベアに用いられるスクリューに比べると短かいので、偏心量の許容範囲において、スクリュー32や従来のスクリューよりも高速で回転させることができる。この実施形態では、スクリュー38は、スクリュー32と同等かそれよりも速い速度で回転させることができ、例えば、常に約2500rpmで回転させることができる。
この充填ノズル18は、本発明の特徴的な部分であって、図3(a)および(b)に示すように、第2のスクリューコンベア16の直下に配置された、円の両端が角張った形状であって、中央に貫通して形成され、粉体を供給する充填孔44と、充填孔44の外側に、好ましくは、その外周部分に連続して形成され、収納袋20内の空気を吸引するための吸気孔46と、吸気孔46を被うように設けられた焼結金網製フィルタ91と、充填孔44の外周に形成され、第2のスクリューコンベア16のスクリュー38によって移送される粉体を脱気するための脱気口部41とを備える。
なお、充填ノズル18は、ネジやボルトおよびナット等の公知の接合固定手段により、第2のスクリューコンベヤ16の外筒36の下端部に固定され、接合部にはOリング等のシール部材が入れられ、空気および粉体の漏出を防いでいる。
こうして、第2のスクリューコンベア16のスクリュー38によって移送された粉体は、そのまま、充填ノズル18の充填孔44内を詰まること無く移送されて通過し、充填口44aから収納袋20に充填される。
吸気孔46の収納袋20に面した開口部分の全面には、充填孔44に近い部分を凸部とするドーム状に焼結金網製フィルタ91が形成されている。吸気孔46は、外円管部48の円環部48aの上部に配置された開口部48bに接続されたパイプ49を通り、制御バルブ93を介してリングブロワ92に接続されている。また、吸気孔46は、外円管部48の上部に配置された開口部48bに接続されたパイプ96を通り、制御バルブ95を介してエアチャンバ94に接続されている。外円管部48は、その円環部48aが、充填ノズル18の円管部47の所定位置の外周部にリング状に設けられたフランジ部47aにネジやボルトおよびナットなどの公知の固定手段で固定されることにより円管部47に取り付けられている。円環部48aとフランジ部47aとの接合部には、Oリング97が入れられ、空気および粉体の漏出を防いでいる。
ここで、吸気孔46の先端の開口部には、フィルタ91が形成されているので、粉体の吸引を防止し、空気のみを吸引することができる。
なお、焼結金網製フィルタ91としては、特に制限的ではなく、収納袋20内に充填する粉体の粒度に合わせて、そのメッシュ(濾過粒径)、材質、形状などを適宜選択すれば良いが、例えば、小麦粉の場合には、一般に市販されている濾過粒径100μmのものを使用することができるが、濾過粒径1〜200μmの焼結金網製フィルタの中から好適なものを使用することができる。
さらに、こうすることにより、収納袋20内に実際に充填された粉体の嵩密度を高くする、例えば、小麦粉の場合には、その嵩密度(嵩比重)を750kg/m3とすることができる。
なお、仮に、充填される粉体内に空気が残存して粉体の嵩密度が低い場合であっても、上述したように、充填ノズル18直前もしくはその内部で、第2のスクリューコンベア16の脱気口部41のフィルタ41aによって、粉体と一緒に供給された空気を粉体から脱気するので、充填中においても、収納袋20内に充填される粉体の嵩密度を高めることができる。なお、上述した焼結金網製フィルタ91が設けられた吸気孔46を、粉体と一緒に供給された空気を排出するための排気孔として機能させても良く、この場合にも、充填中において、収納袋20内に充填される粉体の嵩密度を高めることができる。なお、上述した吸引装置を使用し、より効率的に排気して、収納袋20内の粉体の嵩密度をより高めても良い。
ここで、円筒状フィルタ41aは、充填孔44の内周面を構成するように、充填孔44と同心状に形成されるが、スクリュー38の先端(下端)近傍までを覆うように設けられるのが好ましい。また、脱気管41bは、円筒状フィルタ41aの外周面と充填ノズル18の円管部47の内周面との間に形成される空間(空気室)と外部を連通し、さらに、真空ポンプ41cに接続され、フィルタ41aを透過した空気を外部に排出する。
なお、脱気口部41のフィルタ41aは、第2のスクリューコンベア16の外筒36内にまで及ぶように設けられていても良い。脱気口部41は、脱気口部23と同様の構成を有するものであり、同様の効果を奏するものであるので、その説明は省略する。
なお、第2のスクリューコンベア16の外筒36の終端(粉体の移送方向の下流側端)に脱気口部が設けられている場合には、この脱気口部41を設けなくても良いが、図示例の構成では、スクリュー38の先端(下端)近傍までを覆うことができるので、この脱気口部41の方が好ましい。
本実施形態においては、粉体の脱気の効果を高めるために、脱気口部23、35および41を、それぞれ、ホッパー12、第1のスクリューコンベア14および充填ノズル18の3箇所に設けているが、本発明はこれには限定されず、これらを設けなくとも良いが、これらのうちの少なくとも1つを設けるのが好ましく、本実施形態のように、上記3箇所に設けるのが最も好ましい。
また、この吊下装置本体53は、収納袋20の上部開口に充填ノズル18が挿入される吊下げ保持位置(受取位置)において収納袋20を供給装置70から受け取り、粉体充填の前後に亘って収納袋20を吊下げ保持する一対の吊下クランプ54を備える吊下クランプユニット55と、収納袋20を充填ノズル18の外周に密着させる一対の全周クランプ56を備えるクランプユニット57とを有する。
図示例では、昇降シリンダ52によって吊下クランプ54と全周クランプ56とを一体として昇降させているが、本発明はこれに限定されず、昇降シリンダ52によって吊下クランプ54のみを昇降させるように構成しても良い。
吊下クランプ54の駆動のための吊下クランプ用エアチャック54aは、吊下装置本体53の支持部材53aに固定される。図示例では、支持部材53aは、矢印x方向に延在し、中央部が充填ノズル18に衝突しないように凹部となっており、第2のスクリューコンベア16の外筒36に設けられたレール51aに沿って昇降するように構成される。このため、一対の吊下クランプ用エアチャック54aは、それぞれ支持部材53aの中央の凹部の矢印x方向の両外端に取り付けられる。吊下クランプ54は、開閉(接離)する一対の把持部からなり、吊下クランプ用エアチャック54aの下端に取り付けられ、吊下クランプ用エアチャック54aによって開閉される。
なお、吊下クランプ54およびその駆動のための吊下クランプ用エアチャック54aは、所定重量の充填後の収納袋20を吊下げ保持できれば、特に制限的ではなく、従来公知のクランプおよびその駆動用エアチャックなどを用いることができる。
また、図示例においては、一対の吊下クランプ54は、粉体充填前、充填中および充填後も、収納袋20の上部開口部の両端から少し内側をそれぞれ上側から把持して、収納袋20を吊下げ保持しているが、本発明はこれに限定されず、収納袋20の上部開口部の両端側を両外側から把持して収納袋20を吊下げ保持するようにしても良い。
一対の全周クランプ56の各々は、矢印x方向に沿って2分割した略楕円形状の充填ノズル18の外周に沿った略半楕円形状の中央部と、この中央部から両側に矢印x方向に沿って延在する直線形状端部とからなる。
なお、図示例のように、一対の全周クランプ56の各々の内側、すなわち略半楕円形状の中央部およびその両側の直線形状端部の内側である収納袋20に接する側の表面には、収納袋20を確実に充填ノズル18に密着させ、かつ収納袋20の内面同士を確実に密着させるために、ゴムなどの弾性体による押圧部材56bを配置しておくのが望ましい。
一対の全周クランプ56の各々の一方の端部は、共に一対の全周クランプ用エアチャック56aの一方の下端に取り付けられ、一対の全周クランプ56の各々の他方の端部は、共に一対の全周クランプ用エアチャック56aの他方の下端に取り付けられ、一対の全周クランプ用エアチャック56aを同時に、すなわち同期して駆動することにより、一対の全周クランプ56が開閉(接離)開閉される。
したがって、全周クランプ56の駆動のための全周クランプ用エアチャック56aは、一対の全周クランプ用エアチャック56aによって一対の全周クランプ56を充填ノズル18の外周に、かつその外側の部分の収納袋20の内面同士を所定の力で押し付けて密着させることができれば、特に制限的ではなく、従来公知のクランプの駆動用エアチャックなどを用いることができる。
こうして、計量装置60は、吊下装置50の吊下クランプ54によって吊下げ保持されている収納袋20であっても、その充填量を高精度に実測することができる。
一方、第2のスクリューコンベア16のスクリュー38は、充填開始時から常時一定の高回転数で回転され、第1のスクリューコンベア14のスクリュー32の停止後も回転を継続して、第2のスクリューコンベア16と第1のスクリューコンベア14(接続部材42)との接続部36aの粉体をスクリュー38で掻き落とすために所定の短い時間を経過してから停止する。
このように、第1のスクリューコンベア14の停止に遅れて、第2のスクリューコンベア16を停止させることによって、第1のスクリューコンベア14と第2のスクリューコンベア16との接続部36aに充満している粉体が第2のスクリューコンベア16によって掻き落とされるので、停止後に少量の粉体が落ち続けたり、粉体が塊状になって落下することがなくなり、収納袋20への粉体の充填を素早く完了させることができ、かつ、高い精度で充填することができる。
なお、第2のスクリューコンベア16のスクリュー38は、充填開始、あるいはその所定時間前から、充填完了(第1のスクリューコンベア14の停止の所定時間後)、あるいはその所定時間後まで、一定の速度で回転させればよいが、必要に応じて、第1のスクリューコンベア14のスクリュー32の回転を減速するのと同期して、第2のスクリューコンベア16のスクリュー38の回転を減速させてもよい。
なお、受け台62は、吊下装置50の一対の吊下クランプ54によって吊下げられた状態で吊下クランプ54とともに下降する充填後の収納袋20を受け取り、その下側を支持するものである。なお、受け台62に受け取られて載置された充填済収納袋20は、吊下装置50から搬出装置80に受け渡され、搬出装置80の一対のクランプ82によってクランプされて搬送されるので、受け台62の表面は、低摩擦面、例えば金属鏡面であるのが好ましい。また、受け台62は、吊下クランプ54によって吊下げられたまま下降する充填後の収納袋20を受け取ることができれば、どのようなものでも良く、例えば、図示例のように、板状であっても良いし、ローラ列からなる台であっても良い。
本発明の粉体充填装置10は、基本的に以上のように構成される。
なお、この一対のクランプ72は、口開け装置74による口開けの際に収納袋20の上部開口に余分な力が加わり、収納袋20が破損しないように、その間隔を口開けの分だけ予め狭めておく必要がある。あるいは、一対のクランプ72の間隔を調整可能にしておいても良いし、さらには、一対のクランプ72は、互いに接離可能としても良く、この場合には、離間する方向にばね等により付勢しておくのがより好ましい。
なお、口開け装置74の一方の支持アーム74bに取り付けられた2つの吸盤74aの少なくとも一方を用いて、上述した集積部に積み重ねられた1枚の未使用の収納袋20を吸着して取り上げても良い。なお、口開け装置としては、図示例の口開け装置74に限定されず、1つの吸盤によって口開けを行うものであっても良い。このような口開け装置としては、収納袋20の口開けができれば、特に制限的ではなく、従来公知の口開け装置などを用いることができる。
一対のクランプ82は、収納袋20の移動方向(図1の矢印x方向)に所定間隔離間して配置され、粉体充填装置10によって粉体が充填され、一対の吊下クランプ54によって吊下げ保持された状態で受け台62に載置される受渡位置まで降下された収納袋20の上部開口近傍の両外側をそれぞれ把持して、充填後の収納袋20を両外側から吊下げ保持するものである。なお、一対の吊下クランプ54による収納袋20の上端側の把持位置よりも直ぐ下側を一対のクランプ82が両外側から把持すると、直ちに一対の吊下クランプ54による収納袋20の把持は開放される。
なお、この一対のクランプ82も、さらには、吊下装置50の一対の吊下クランプ54も、収納袋20の破損防止のために、一対のクランプ72と同様に、互いに接離可能であり、離間する方向に付勢されているのが好ましい。
本発明の粉体充填装置が適用される粉体充填包装システムは、基本的に以上のように構成されるが、以下に、制御装置90による粉体充填装置10、供給装置70および搬出装置80の粉体の充填および包装動作の制御を説明することにより、その粉体充填包装システムの作用を説明する。
図5は、制御装置90による粉体充填装置10、供給装置70および搬出装置80の粉体の充填および包装動作を示すフローチャートであり、図6は、粉体充填装置10、供給装置70および搬出装置80の各装置の要部ならびに収納袋20の移動を模式的に示す斜視図である。
まず、図5に示すように、ステップS100において、図6に示す供給装置70(第1ステーション)において、例えば、口開け装置74の吸盤74aによって、集積部(図示せず)から1枚の未使用の収納袋20を取り上げ、一対のクランプ72によって、収納袋20の上部開口の両側端より少し下側を両外側からそれぞれ把持して、収納袋20を両外側から吊下げ保持するとともに、口開け装置74の一対の各2つの吸盤74aによって収納袋20の上部を口開けする。
次に、ステップS102において、供給装置70は、その移動装置(図示せず)によって、一対のクランプ72および口開け装置74を一体として水平および上方に移動させ、図4および図7(a)に示すように、一対のクランプ72によって吊下げ保持され、口開け装置74によって口開けされた収納袋20を、粉体充填装置10の充填ノズル18の先端が収納袋20の上部開口に挿入される受取位置まで移動させる。
ここで、ステップS100およびS102は、粉体充填包装システムの移送ステップを構成する。
次に、ステップS105において、あらかじめエアチャンバ94内に所定の空気を蓄圧しておき、制御バルブ93を閉とした後、制御バルブ95を一気に全開として、焼結金網製フィルタ91に付着した粉体を除去してフィルタ91を逆洗して充填精度をさらに高精度にするようにしても良い。なお、このステップは行わなくてもよい。
次に、ステップS106において、一対の吊下クランプ54によって吊下げ保持され、一対の全周クランプ56によって充填ノズル18の外周に密着された収納袋20の内部の空気を、充填ノズル18の吸気孔46から、制御バルブ93を開とし、制御バルブ95を閉とし、リングブロワ92を運転することにより、吸引して排気し、図2に示すように、収納袋20全体の内面同士を密着させ、収納袋20を偏平状態にする。なお、このステップS106の粉体充填前に収納袋20全体の内面同士の密着を行わない場合には、一対の全周クランプ56は無くてもよいので、ステップS104における充填ノズル18の外周への収納袋20の上部開口の密着も行わなくても良い。
こうして、粉体充填装置10による粉体充填の準備が完了する。
次に、ステップS109において、あらかじめエアチャンバ94内に所定の空気を蓄圧しておき、制御バルブ93を閉とした後、制御バルブ95を一気に全開として、焼結金網製フィルタ91に付着した粉体を除去してフィルタ91を逆洗して充填精度をさらに高精度にするようにしても良い。なお、このステップは行わなくてもよい。
なお、ステップS106の収納袋20内の空気の吸引中および/またはステップS108の収納袋20への粉体充填中に、供給装置70は、退避したクランプ72および口開け装置74を未使用収納袋20の集積部近傍の待機位置(ホームポジション)に戻す。
次に、ステップS112において、図8(f)に示すように、受渡位置で一対の吊下クランプ54によって吊下げ保持された充填済収納袋20の上部を両外側から、搬出装置80の一対のクランプ82が把持して吊下げ保持できる状態になると、直ちに、図8(g)に示すように、一対の吊下クランプ54が充填済収納袋20の上部の把持を開放して退避する。こうして、搬出装置80による充填済収納袋20の次工程への送り出しが可能となる。
ここで、ステップS110およびS112は、本発明の下降ステップを構成する。
なお、ステップS116において、充填済収納袋20が搬出装置80の一対のクランプ82によって吊下げ保持された後、充填済収納袋20の吊下げ保持を開放した吊下装置50の一対の吊下クランプ54および一対の全周クランプ56を一体として支持している吊下装置本体53は、昇降シリンダ52によって、受け台62の上方の受渡位置から未使用の収納袋20の受取位置まで上昇して、待機位置(ホームポジション)に待機する。
さらに、本発明においては、搬出ステップS114と、移送ステップS100およびS102ならびに上昇ステップS116とを並行して実行することもできるし、移送ステップS100およびS102、吊下げステップS104ならびに上昇ステップS116とを並行して実行することもできる。
こうすることにより、粉体充填包装システムの粉体充填装置10、供給装置70および搬出装置80において粉体の充填および包装動作を効率よく、短時間で行うことができる。
こうして、得られた粉体充填装置においても、小麦粉などの粉体を、底部が封止され、上部が開口された略矩形状の単純な収納袋に粉体を短時間で充填し、粉体の充填サイクルタイムを短縮でき、収納袋への実際の粉体充填量を高い精度で制御することができる。また、収納袋に嵩密度の高い粉体を充填し、高嵩密度の粉体が充填されたコンパクトな収納袋とすることができるという、図2および3に示す粉体充填装置10と同様な効果を得ることができる。
10 粉体充填装置
12 ホッパー
14 第1のスクリューコンベア
16 第2のスクリューコンベア
18 充填ノズル
20 収納袋
22 攪拌装置
23,35,41 脱気口部
23a,35a,41a フィルタ
23b,35b,41b 脱気管
24 回転軸
26 棒状の突起
28,34,40 モータ
30,36 外筒
32,38 スクリュー
36a 接続部
41c 真空ポンプ
42 接続部材
44 充填孔
44a 充填口
46 吸気孔
47 円管部
47a フランジ部
48 外円管部
48a 円環部
48b 開口部
49 パイプ
50 収納袋吊下装置(吊下装置)
51 支持体
51a レール
52 昇降シリンダ
53 吊下装置本体
53a 支持部材
54 吊下クランプ
54a 吊下クランプ用エアチャック
55 吊下クランプユニット
56 全周クランプ
56a 全周クランプ用エアチャック
56b 押圧部材
57 クランプユニット
60 計量装置
62 受け台
70 収納袋供給装置(供給装置)
72 供給装置クランプ(クランプ)
74 口開け装置
74a 吸盤
74b 支持アーム
80 収納袋搬出装置(搬出装置)
82 搬出装置クランプ(クランプ)
84 クランプ
90 制御装置
91 焼結金網製フィルタ
92 リングブロワ
93 制御バルブ
94 エアチャンバ
95 制御バルブ
96 パイプ
97 Oリング
Claims (7)
- 粉体を送り出す縦型スクリューコンベアと、
この縦型スクリューコンベアの先端に取り付けられ、前記縦型スクリューコンベアから送り出される前記粉体を、底部が封止され、上部が開口された略矩形状の収納袋に充填する充填孔と、この充填孔の外側に設けられ、前記収納袋内の空気を吸気する吸気孔および前記吸気孔を被うように設けられた焼結金網製フィルタを備える充填ノズルと、
前記収納袋を吊り下げて保持する収納袋吊下装置とを有することを特徴とする粉体充填装置。 - 前記吸気孔は、前記充填孔の外周に形成される請求項1に記載の粉体充填装置。
- 前記収納袋吊下装置は、前記収納袋の前記上部開口を前記充填ノズルの外周に被着させた状態で、前記収納袋を吊り下げるものであり、
前記吸気孔は、吸気源に接続され、前記粉体を前記収納袋に充填する前に、前記充填ノズルの外周に被着された前記収納袋内の空気を強制的に吸引して排気し、前記収納袋を偏平状態にするのに用いられる請求項1または2に記載の粉体充填装置。 - 前記吸気孔は、前記充填ノズルから前記収納袋への粉体充填中においては、前記収納袋に前記粉体と共に投入される空気を排気するのにも用いられる請求項3に記載の粉体充填装置。
- 前記吸気孔は、気体供給源に接続され、前記収納袋への粉体充填前、または、前記収納袋への粉体充填後に、気体を吐出し、前記焼結金網製フィルタを逆洗するのに用いられる請求項1〜4のいずれかに記載の粉体充填装置。
- 前記充填ノズルは、さらに、前記充填孔の内周面に設けられ、前記縦型スクリューコンベアによって移送される前記粉体中の空気を脱気するフィルタを備える請求項1〜5のいずれかに記載の粉体充填装置。
- 前記縦型スクリューコンベア、前記充填ノズルおよび前記収納袋吊下装置は、一体的に構成されており、
さらに、前記一体的に構成された前記縦型スクリューコンベア、前記充填ノズルおよび前記収納袋吊下装置を支持してその総重量を計量することにより、前記収納袋吊下装置に保持された前記収納袋に供給された粉体の重量を計量する計量装置を有する請求項1〜6のいずれかに記載の粉体充填装置。
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