以下、本発明の典型的な実施形態に係る装置及び方法を説明する。以下の説明において、重力が作用する鉛直方向と平行な方向を「高さ方向」と呼び、鉛直方向と直角を成す方向を「水平方向」と呼ぶ。
図1は、容器処理装置10の一例を示す平面図である。図2は、固形物投入装置25の一例を示す図である。図3は、重量計測装置27の一例を示す図である。便宜的に、図1において、第11ステーションS11及び第12ステーションS12の各々に配置されている容器放出装置(後述の図4〜図9に示す符号「13」参照)の図示及び第1ステーションS1に配置されている容器供給装置(後述の図10及び図11に示す符号「16」参照)の図示は省略されている。
容器処理装置10は、架台21、移送装置12、供給コンベア23、放出コンベア29及び排出コンベア30を備える。
移送装置12は、架台21上に据え付けられており、複数のリテーナ11を移送する。本実施形態の移送装置12は、各リテーナ11を間欠的に移送し、複数のステーションS1〜S12の各々において各リテーナ11を間欠的に停止させる。移送装置12は、全てのリテーナ11を同時に間欠停止させ、複数のステーションS1〜S12の各々において2以上のリテーナ11(図示の例では2つのリテーナ11)を同時に配置する。
図示の移送装置12は、円環状の平面形状を有し且つ間欠的に回転させられる回転テーブル22を有し、回転テーブル22の上面に複数のリテーナ11(図示の例では24個のリテーナ11)が固定的に設けられている。したがって各リテーナ11は、回転テーブル22と一体的に回転する。回転テーブル22上には複数のリテーナ本体11a(図示の例では12個のリテーナ本体11a)が固定されており、各リテーナ本体11aは1又は複数のリテーナ孔11b(図示の例では2つリテーナ孔11b)を有する。各リテーナ11は、各リテーナ本体11aのうち各リテーナ孔11bを区画する部分によって構成されている。各容器Cの本体部Caがリテーナ孔11bに挿入され且つ各容器Cの鍔部(すなわち縁部)Cbがリテーナ本体11aに載せられることによって、各容器Cはリテーナ11により保持される。
このように各リテーナ11は、容器Cを保持及び解放可能に設けられており、複数のステーションS1〜S12を繰り返し巡回するように移送装置12によって移送される。特に本実施形態の各リテーナ11は、容器C(特に鍔部Cb)が単に載せられることによって、当該容器Cを水平方向については拘束しつつ高さ方向に移動可能なように保持する。各リテーナ11のうち容器Cが載せられる部分(図示の例ではリテーナ本体11aのうち鍔部Cbと接触する部分)は、複数のステーションS1〜S12を繰り返し巡回する間、常に上方に向けられている。これにより各リテーナ11は、第12ステーションS12において対応の容器Cを放出しなかった場合、当該容器Cを保持しつつ第12ステーションS12から第1ステーションS1に移送され、当該容器Cとともに再び第1ステーションS1〜第12ステーションS12を巡回する。
回転テーブル22は複数の通過孔22a(図示の例では24個の通過孔22a)を有し、それぞれのリテーナ孔11bの直下に対応の通過孔22aが配置される。図示の例では、別個に設けられた12個のリテーナ本体11aが回転テーブル22上に円状に並べられている。回転テーブル22の間欠停止時には、12個のリテーナ本体11aが第1ステーションS1〜第12ステーションS12のそれぞれに配置され、各ステーションには2つのリテーナ11が同時に配置される。
複数のステーションS1〜S12は、容器供給ステーション(第1ステーションS1)、内容物導入ステーション(第4ステーションS4及び第5ステーションS5)及び容器放出ステーション(第11ステーションS11及び第12ステーションS12)を含む。図1に示す例では、各リテーナ11の円状の移送軌道に沿って、合計12個のステーション(第1ステーションS1〜第12ステーションS12)が等間隔(すなわち等角度間隔)に設けられている。そのため各リテーナ11は、容器放出ステーションに配置された後に容器供給ステーションに配置される。特に本実施形態では、容器供給ステーションに配置された直後の各リテーナ11における容器Cの保持の有無の状態は、容器放出ステーションを離脱した直後における各リテーナ11における容器Cの保持の有無の状態と一致する。すなわち容器放出ステーションにおいて対応の容器Cが放出されなかったリテーナ11は、対応の容器Cを保持した状態を維持しつつ容器放出ステーションから容器供給ステーションに移送され、容器供給ステーションに配置された直後であっても既に対応の容器Cを保持している。一方、容器放出ステーションにおいて対応の容器Cが放出されたリテーナ11は、容器Cを保持することなく空の状態で容器放出ステーションから容器供給ステーションに移送され、容器供給ステーションに配置された直後には容器Cを保持していない。
第1ステーションS1は、必要に応じて、各リテーナ11に新たな容器Cを補充するための容器供給ステーションである。第1ステーションS1には、供給コンベア23、ストック装置33及び後述の容器供給装置(図10及び図11の符号「16」参照)が設けられている。
供給コンベア23は、複数の容器群Cgをストック装置33に向けて順次搬送する。各容器群Cgは、複数の容器C(例えば100個の容器C)が積み重ねられて構成されている。図示の例では、お互いに平行に延びる2つの供給コンベア23が設けられており、それぞれの供給コンベア23の搬送終端部間に2つストック装置33が設けられている。各ストック装置33は、対応の供給コンベア23から1つずつ容器群Cgを受け取って、当該容器群Cgをストック位置Psに配置して保持する。このようにストック装置33は、ストック位置Psに位置づけられた1以上の容器を保持する。ストック位置Psは、第1ステーションS1に配置されるリテーナ11の上方の位置である。図示の例では、2つの容器群Cgが、第1ステーションS1に同時に配置される2つのリテーナ11(図1では図示省略)のそれぞれの上方において保持される。
容器供給装置(図10及び図11の符号「16」参照)は、第1ステーションS1において各リテーナ11に容器Cを供給する。本実施形態の容器供給装置は、ストック位置Psに配置されている1又は複数の容器Cのうちの1つを、第1ステーションS1に配置されている対応のリテーナ11まで移動させる。図示の例では、2つのリテーナ11が第1ステーションS1に同時に配置されるので、それぞれのリテーナ11に対応する2つの容器供給装置が設けられている。これらの容器供給装置は、ストック位置Psに配置されている2つの容器群Cgのそれぞれから1つずつ容器Cを取り出して、第1ステーションS1に同時に配置される2以上のリテーナ11(図示の例では2つのリテーナ11)のそれぞれに容器Cを供給する。容器供給装置の具体例は後述される。
第2ステーションS2には、2つのダスト除去装置24が設けられている。これらのダスト除去装置24は、第2ステーションS2に配置された2つの容器C(特に内側)のそれぞれに付着したゴミ等の異物を除去するための装置である。各ダスト除去装置24は、任意の方法で対応の容器Cから異物を除去することができ、典型的には圧縮ガスを対応の容器Cに向けて吹き付けて異物を吹き飛ばすことができる。
本実施形態の第3ステーションS3は空きステーションであり、第3ステーションS3に配置される2つの容器Cに対して特段の処理は行われない。ただし第3ステーションS3に任意の装置を設置し、第3ステーションS3に配置される容器Cに対して任意の処理が行われてもよい。
第4ステーションS4及び第5ステーションS5は、各リテーナ11に保持されている容器Cに内容物を入れるための内容物導入ステーションである。内容物導入ステーションには内容物導入装置が設けられている。内容物導入装置は、内容物導入ステーションにおいて各リテーナ11に保持されている容器Cに内容物を入れる。第4ステーションS4は、各容器Cに固形状の内容物が投入される固形状内容物導入ステーションである。第5ステーションS5は、各容器Cに液状の内容物が注入される液状内容物導入ステーションである。第4ステーションS4には2つの固形物投入装置25が設けられており、第5ステーションS5には2つの液体注入装置26が設けられている。本実施形態の内容物導入装置は、これらの固形物投入装置25及び液体注入装置26の組み合わせによって構成されており、内容物導入ステーションに同時に配置される2以上のリテーナ11(図示の例では2つのリテーナ11)に保持されている容器Cのそれぞれに内容物を入れる。
本実施形態の固形物投入装置25は、図2に示すように計量器32及び複数のホッパー31(図示の例では2つのホッパー31)を有する。計量器32は、それぞれのホッパー31に対応する複数の供給口部32a(図示の例では2つの供給口部32a)を有し、固形状内容物を計量し、定められた量の固形状内容物を、供給口部32aを介してホッパー31に向けて送り出す。計量器32は、任意の方法で固形状内容物を直接的又は間接的に計量することができる。例えば、計量器32は、固形状内容物の重量を測定することによって固形状内容物を計量してもよいし、固形状内容物の個数を測定することによって固形状内容物を計量してもよい。計量器32から各ホッパー31に送り出された定量の固形状内容物は、第4ステーションS4において対応のリテーナ11により保持されている容器Cの内側に導入される。
各供給口部32a及び各ホッパー31の具体的な構成は限定されない。例えば、各供給口部32aに開閉シャッター(図示省略)を設けてもよい。この場合、計量器32は、開閉シャッターを閉じた状態で、開閉シャッター上に計量された固形状内容物を溜めてもよい。各供給口部32a内の開閉シャッター上に溜められる固形状内容物の量(例えば重量)が予め定められた量に達した時点で、当該開閉シャッター上への新たな固形状内容物の供給を停止し且つ当該開閉シャッターを開くことによって、定量の固形状内容物を各供給口部32aから対応のホッパー31に送ることができる。
図1に示す各液体注入装置26はノズルを有し、当該ノズルを介して予め定められた量の液状内容物を、第5ステーションS5において対応のリテーナ11に保持されている容器Cに注入する。
第6ステーションS6には、内容物導入ステーション(第4ステーションS4及び第5ステーションS5)から送られてくる容器C内の内容物の量を検出する重量計測装置27(内容物検出装置)が設けられている。
図3に示す例では2つの重量計測装置27が設けられている。各重量計測装置27は、制御装置15に接続される計測本体部27aと、計測本体部27aからの突出量が可変である計測進退部27bとを有する。各計測本体部27aは、対応の計測進退部27bを介して検出される容器C内の内容物の量を制御装置15に送信する。各計測進退部27bは、対応のリテーナ11が第6ステーションS6に間欠的に停止している間に、対応の通過孔22a及び対応のリテーナ孔11bに進入するように対応の計測本体部27aからの突出量が増大され、対応のリテーナ11に保持されている容器Cの底部に接触して当該容器C内の内容物の量を計測し、その後、対応の通過孔22a及びリテーナ孔11bから退避するように対応の計測本体部27aからの突出量が低減される。
重量計測装置27は図3に示す構成に限定されず、図3に示す構成とは異なる構成を有するロードセルを具備していてもよい。例えば、重量計測装置27は、リテーナ11又は回転テーブル22に設けられ、リテーナ11又は回転テーブル22と一体的に回転するように設けられていてもよい。この場合、重量計測装置27は、各リテーナ11に保持されている容器C内の内容物の重量を常に検出し、検出結果を継続的に制御装置15に送信することが可能である。なお本実施形態において内容物検出装置として働く重量計測装置27の直接の計測対象は容器C内の内容物の「量(より厳密には重量)」だが、重量計測装置27は、容器C内の内容物の有無も同時的に検出している。すなわち重量計測装置27によって計測される容器C内の内容物の重量が「ゼロ(0)」の場合、重量計測装置27は、容器C内に内容物が存在しないことを検出している。一方、重量計測装置27によって計測される容器C内の内容物の重量が「ゼロ(0)よりも大きい値」の場合、重量計測装置27は、容器C内に内容物が存在していることを検出している。
第7ステーションS7〜第10ステーションS10は、内容物が入れられた各容器Cに振動を加えて、各容器C内の内容物を均すためのステーションである。本実施形態の第7ステーションS7〜第10ステーションS10の各々には振動装置28が設置されている。図1において、第7ステーションS7〜第10ステーションS10に設置されている振動装置28は、回転テーブル22の下方に設けられているため、直接的には図示されていない。第7ステーションS7〜第10ステーションS10の各々に配置されている各リテーナ11が保持する容器Cには、振動装置28によって振動が加えられる。振動装置28は、例えば容器Cの底部に振動板を接触させることで、当該容器Cに振動を加えてもよい。
各振動装置28の具体的な構成は限定されず、各振動装置28は、対応の容器Cに対して接触した状態で又は非接触の状態で、対応の容器Cに振動を与えることができる。また振動装置28は図示の構成には限定されない。例えば、各振動装置28は、リテーナ11又は回転テーブル22に設けられ、リテーナ11又は回転テーブル22と一体的に回転するように設けられていてもよい。この場合、各振動装置28は、各リテーナ11に保持されている容器Cに対して常に振動を加えることが可能である。
第11ステーションS11及び第12ステーションS12の各々(容器放出ステーション)には、後述の容器放出装置(図4〜図9の符号「13」参照)が設けられている。各容器放出装置は、対応の容器放出ステーションにおいて対応のリテーナ11から容器Cを放出する。本実施形態では第11ステーションS11及び第12ステーションS12の各々において複数の容器放出装置(図示の例では2つの容器放出装置)が設けられている。これらの容器放出装置は、第11ステーションS11及び第12ステーションS12の各々に同時に配置される2以上のリテーナ11(図示の例では2つのリテーナ11)のそれぞれから容器Cを放出する。第11ステーションS11においてリテーナ11から放出された容器Cは、放出コンベア29に載せられ、放出コンベア29によって後段に送られる。第12ステーションS12においてリテーナ11から放出された容器Cは、排出コンベア30に載せられ、排出コンベア30によって後段に送られる。
本実施形態の各容器放出装置は制御装置15に制御され、適量の内容物を収容する容器Cのみが、第11ステーションS11において対応のリテーナ11から放出されて放出コンベア29に載せられる。一方、内容物は収容しているが不適切な量の内容物を収容する容器Cは、第11ステーションS11において放出されず、第12ステーションS12において対応のリテーナ11から放出されて排出コンベア30に載せられる。そして内容物が全く収容されていない容器C(すなわち内容物の収容量がゼロ(0)の容器C)は、第11ステーションS11及び第12ステーションS12から放出されず、第12ステーションS12から第1ステーションS1に送られ、その後、内容物導入ステーション(第4ステーションS4及び第5ステーションS5)において内容物が入れられる。
制御装置15は、重量計測装置27の検出結果に応じて各容器供給装置(図10及び図11参照)及び各容器放出装置(図4〜図9参照)を制御する。制御装置15の具体的な制御態様例を、容器放出装置及び容器供給装置の具体例とともに、以下に説明する。
[容器放出装置]
図4は、第12ステーションS12に配置される容器放出装置13の一部の構成を示す側面図である。図5は、第12ステーションS12に配置される容器放出装置13の平面図である。図6は、第12ステーションS12に配置される容器放出装置13の正面図である。図7〜図9は、第12ステーションS12に配置される容器放出装置13の作動を説明するための図である。
上述のように本実施形態では、第11ステーションS11及び第12ステーションS12の各々において2つの容器放出装置13が設置されている。以下では、主として第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13の構成及び作動を説明する。第11ステーションS11に配置される各容器放出装置13も、第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13と同様の構成を有し且つ同様の作動を示すことができる。
各容器放出装置13は、放出昇降駆動ユニット(図示の例では第1放出昇降駆動ユニット47及び第2放出昇降駆動ユニット48)と、放出昇降駆動ユニットからの動力によって高さ方向Dvに昇降する放出昇降部42と、水平方向に往復移動可能に設けられる押出部51と、を有する。
放出昇降駆動ユニットは、放出土台49を介して架台21上に据え付けられている。図示の放出昇降駆動ユニットは、第1放出昇降駆動ユニット47及び第2放出昇降駆動ユニット48を含む。第1放出昇降駆動ユニット47及び第2放出昇降駆動ユニット48は、お互いに連結される一方で、お互いに異なる駆動源からの動力によって駆動され、お互いに独立して駆動可能である。
第2放出昇降駆動ユニット48は、放出土台49に対して回転自在に取り付けられ且つ水平方向に延在する放出回転シャフト48aと、放出回転シャフト48aに固定されている放出回転レバー48bと、を有する。放出回転シャフト48aは、図示しない駆動源(例えばモータ及びカム等)に接続されており、当該駆動源から伝えられる動力によって、放出土台49に支持された状態で回転させられる。放出回転レバー48bの一方の端部は放出回転シャフト48aに固定されており、放出回転レバー48bの他方の端部には第1放出昇降駆動ユニット47(特に放出連結シャフト47c)が回転自在に連結されている。したがって放出回転シャフト48aの回転に応じて、放出回転レバー48bは放出回転シャフト48aを中心に揺動し、第1放出昇降駆動ユニット47を高さ方向Dvに昇降させる。
第1放出昇降駆動ユニット47は、放出昇降本体部47a、放出進退シャフト47b及び放出連結シャフト47cに加え、圧縮ガス源52(図7〜図9参照)を有する。放出昇降本体部47aからの放出連結シャフト47cの突出量は一定であり、変化しない。放出昇降本体部47aからの放出進退シャフト47bの突出量は可変であり、制御装置15によって制御される。すなわち制御装置15は、放出昇降本体部47aに接続される圧縮ガス源52を制御し、圧縮ガス源52から放出昇降本体部47aに供給されるガス圧を調整することによって放出進退シャフト47bの突出量を変えることができる。放出進退シャフト47bの一方側は放出昇降本体部47aに接続されており、放出進退シャフト47bの他方側端部は放出昇降駆動体43に対して回転自在に連結されている。
放出昇降駆動体43には、放出昇降部42が取り付けられるとともに、第2放出ガイド部46が設けられている。放出昇降部42は、放出昇降駆動体43の頂部に設けられており、第12ステーションS12に間欠的に停止させられた対応のリテーナ11と、高さ方向Dvに関して重なる位置に配置されている。本例の放出昇降部42は、後述のように容器Cが載せられて当該容器Cを持ち上げるために、容器Cを載せるのに適した載置面(例えば水平方向と平行に延びる平面)を有する。第2放出ガイド部46(図示の例ではベアリング)は、支持フレーム41から下方に延在する放出ガイドシャフト45を、高さ方向Dvにスライド自在に保持する。放出昇降駆動体43は、支持フレーム41に固定的に設けられている第1放出ガイド部44によりベアリングを介してスライド自在に支持されており、当該第1放出ガイド部44によって高さ方向Dvにガイドされる。放出昇降駆動体43及び放出昇降部42は、これらのガイド構造により、放出昇降駆動ユニット(すなわち第1放出昇降駆動ユニット47及び第2放出昇降駆動ユニット48)の駆動に応じて高さ方向Dvに昇降させられ、且つ、水平方向に回転したり傾いたりすることが防がれている。
上述の構成を有する容器放出装置13によれば、放出回転レバー48bの揺動状態と放出進退シャフト47bの放出昇降本体部47aからの突出量とに応じて、放出昇降駆動体43及び放出昇降部42の高さ方向Dvの位置が決まる。
第1放出昇降駆動ユニット47(特に放出進退シャフト47b)は、制御装置15の制御下で駆動され、重量計測装置27の検出結果に応じて、放出昇降本体部47aからの放出進退シャフト47bの突出量が変えられる。一方、第2放出昇降駆動ユニット48(特に放出回転シャフト48a)は、制御装置15によって制御されることなく駆動される。したがって放出回転レバー48bは、重量計測装置27の検出結果にかかわらず、一定のリズムで同じ揺動動作を繰り返し、放出昇降本体部47a及び放出連結シャフト47cは一定のリズムで同じ昇降動作を繰り返す。具体的には、少なくとも回転テーブル22が間欠的に移動している間、放出昇降本体部47a及び放出連結シャフト47cを相対的に下方に配置し、放出昇降部42を回転テーブル22よりも下方に位置づけるような揺動姿勢を、放出回転レバー48bは有する。また回転テーブル22が間欠的に停止し、少なくとも放出昇降部42をリテーナ11よりも上方に位置づける間(図7参照)、放出昇降本体部47a及び放出連結シャフト47cを相対的に上方に配置するような揺動姿勢を、放出回転レバー48bは有する。
このように放出昇降部42は、放出昇降駆動ユニット(すなわち第1放出昇降駆動ユニット47及び第2放出昇降駆動ユニット48)の駆動に応じて高さ方向Dvに昇降する。本実施形態の放出昇降部42は、回転テーブル22(移送装置12)よりも下方の退避位置(図4参照)と、リテーナ11(リテーナ本体11a)よりも上方の解放位置(図6の右側の放出昇降部42参照)と、高さ方向Dvに関して退避位置と解放位置との中間の位置である中間位置(図6の左側の放出昇降部42参照)と、に配置可能である。
解放位置に配置される放出昇降部42(図6の右側の放出昇降部42参照)に載せられている容器Cは、後述のように押出部51が排出コンベア30に向かって水平方向に移動した際に、押出部51により乗り継ぎレール50及び排出コンベア30に向かって押し出される。
中間位置に配置されている放出昇降部42(図6の左側の放出昇降部42参照)と対応のリテーナ11が保持している容器Cとは、お互いに接触しない。したがって、放出昇降部42が中間位置に配置されている状態で押出部51が排出コンベア30に向かって水平方向に移動しても、当該放出昇降部42に対応するリテーナ11が保持している容器Cは押出部51と接触しない。図示の例では、中間位置に配置されている放出昇降部42は、対応の通過孔22aに配置されており、対応のリテーナ11に配置されている容器Cから下方に離れた位置に配置され、当該容器Cとは接触しない。
なお中間位置に配置される放出昇降部42は、対応のリテーナ11に配置されている容器Cに接触していてもよいし、当該容器Cを上方に持ち上げてもよいし、或いは回転テーブル22よりも下方において対応の通過孔22aの外側に配置されていてもよい。ただし、いずれの場合も、放出昇降部42が中間位置に配置されている状態で押出部51が排出コンベア30に向かって水平方向に移動しても、当該放出昇降部42に対応する容器Cは押出部51と接触しない。
本実施形態では、放出進退シャフト47bの放出昇降本体部47aからの突出量が最小であり、且つ、放出回転レバー48bのうち放出連結シャフト47cが連結される端部が最も下方に位置する揺動位置に放出回転レバー48bが配置されている場合、放出昇降部42は退避位置に配置される。また放出進退シャフト47bの放出昇降本体部47aからの突出量が最小であり、且つ、放出回転レバー48bのうち放出連結シャフト47cが連結される端部が最も上方に位置する揺動位置に放出回転レバー48bが配置されている場合、放出昇降部42は中間位置に配置される。また放出進退シャフト47bの放出昇降本体部47aからの突出量が最大であり、且つ、放出回転レバー48bのうち放出連結シャフト47cが連結される端部が最も上方に位置する揺動位置に放出回転レバー48bが配置されている場合、放出昇降部42は解放位置に配置される。このように、放出進退シャフト47bの放出昇降本体部47aからの突出量が最小である間、放出回転レバー48bの揺動位置にかかわらず、放出昇降部42は解放位置には配置されず、リテーナ11よりも上方には位置しない。
押出部51は、各リテーナ11よりも上方に設置されている。排出コンベア30には乗り継ぎレール50が接続されている。乗り継ぎレール50は、図示しないフレームなどに固定されており、図5に示すように第12ステーションS12に配置されている各リテーナ11と排出コンベア30との間に配置される。押出部51は、第12ステーションS12に配置されている各リテーナ11を介して乗り継ぎレール50及び排出コンベア30とは反対側の位置であるホームポジションと、乗り継ぎレール50及び/又は排出コンベア30の上方の位置である押出ポジションとの間において、排出コンベア30に近づいたり遠ざかったりするように水平方向に往復移動する。
次に、各容器放出装置13の作動について説明する。
制御装置15は重量計測装置27の検出結果に応じて各容器放出装置13を制御し、第11ステーションS11及び第12ステーションS12の各々において容器Cを対応のリテーナ11から放出したり、放出しなかったりする。
例えば第11ステーションS11に配置される各容器放出装置13は、制御装置15の制御下で、重量計測装置27の検出結果が適量の内容物が入れられていることを示す容器Cを放出し、重量計測装置27の検出結果が不適切な量の内容物が入れられていることを示す容器C(内容物が全く入れられていない容器Cを含む)を放出しないように駆動される。より具体的には、制御装置15は、第11ステーションS11に配置される各容器放出装置13の圧縮ガス源52を重量計測装置27の検出結果に応じて制御し、以下に説明する第12ステーションS12における各容器放出装置13と同様のやり方で、各リテーナ11から容器Cを放出したり及び放出しなかったりする。
なおここで言う「適量」は、特定の数値であってもよいが、許容誤差を含むある数値範囲であってもよい。本明細書において使われる「適量」及び「適量範囲」の用語は広義に解釈され、適量を示す特定の数値を意味していてもよいし、許容誤差を含む数値範囲を意味していてもよい。
第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13は、制御装置15によって制御され、重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲外の内容物が入れられていることを示す容器Cを放出せず、且つ、重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲以内の内容物が入れられていることを示す容器Cを放出する。本実施形態の制御装置15は第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13を制御して、第12ステーションS12(容器放出ステーション)に同時に配置される2以上のリテーナ11(図示の例では2つのリテーナ11)が保持している1以上の容器Cのうち、重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲外の内容物が入れられていることを示す1以上の容器Cを放出せず、且つ、重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲以内の内容物が入れられていることを示す1以上の容器Cを放出する。
第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13は、第12ステーションS12に配置されている対応のリテーナ11により保持されている容器Cを、当該リテーナ11から解放される解放位置に移動させ、当該解放位置から後段に向けて送り出すことができる。具体的には、制御装置15は第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13を制御して、重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲外の内容物が入れられていることを示す容器Cを解放位置に移動させず、且つ、重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲以内の内容物が入れられていることを示す容器Cを解放位置に移動させる。より具体的には、第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13は、制御装置15の制御下で放出昇降部42を解放位置まで上昇させることによって、第12ステーションS12に配置されている対応のリテーナ11が保持する容器Cを持ち上げて当該容器Cをリテーナ11から解放する。
なお本実施形態において、放出基準量範囲はゼロ(0)より大きい範囲である。すなわち制御装置15は第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13を制御して、重量計測装置27の検出結果が内容物が入れられていないことを示す容器Cを放出せず、且つ、重量計測装置27の検出結果が内容物が入れられていることを示す容器Cを放出する。適量範囲の内容物が入れられている容器Cは第11ステーションS11において既に放出されているので、適量よりも少ない内容物が収容されている容器C(ただし内容物が全く入れられていない容器Cを含まない)及び適量よりも多い内容物が収容されている容器Cが第12ステーションS12において放出される。
第12ステーションS12に配置される各容器放出装置13は、具体的には以下のように駆動される。
例えば、重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲以内の内容物が入れられていることを示す容器Cが第12ステーションS12に配置されている間に、制御装置15が対応の容器放出装置13の第1放出昇降駆動ユニット47を制御して放出進退シャフト47bの突出量を最大にする。これにより図7に示すように、放出基準量範囲以内の内容物が入れられている容器Cは、対応の放出昇降部42上に載せられ、当該放出昇降部42とともに解放位置に配置される。その後、図8に示すように、押出部51は、ホームポジションから押出ポジションに向かって移動するように駆動され、解放位置に配置されている容器Cを、対応の放出昇降部42から乗り継ぎレール50上に押し出し且つ乗り継ぎレール50上から排出コンベア30上に押し出し、最終的には当該容器Cを排出コンベア30上に載せる。
このように重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲以内の内容物が入れられていることを示す容器Cは、第12ステーションS12において、対応のリテーナ11から排出コンベア30に放出され、排出コンベア30によって後段に送られる。例えば、排出コンベア30によって後段に送られた容器C(すなわち適量範囲外の内容物が入れられている容器C)内の内容物の量は、人手及び/又は機械によって調整されてもよい。
一方、重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲外の内容物が入れられていることを示す容器Cが第12ステーションS12に配置される場合、制御装置15が対応の容器放出装置13の第1放出昇降駆動ユニット47を制御して放出進退シャフト47bの突出量を最小にする。これにより図9に示すように、対応の放出昇降部42は中間位置に配置され、放出基準量範囲外の内容物が入れられている容器Cは、対応の放出昇降部42によって解放位置には配置されない。その後、押出部51は、ホームポジションから押出ポジションに向かって移動するように駆動されるが、放出基準量範囲外の内容物が入れられている容器Cの上方を通過する。したがって放出基準量範囲外の内容物が入れられている容器Cは、乗り継ぎレール50及び排出コンベア30に向かって押し出されることなく、対応のリテーナ11によって引き続き保持される。
回転テーブル22及び各リテーナ11が間欠停止している間に対応の容器放出装置13が上述の一連の処理を行うことによって、第12ステーションS12において各容器Cが対応のリテーナ11から放出されたり放出されなかったりする。
このように重量計測装置27の検出結果が放出基準量範囲外の内容物が入れられていることを示す容器Cは、第12ステーションS12において対応のリテーナ11から放出されず、その後、当該リテーナ11とともに第12ステーションS12から第1ステーションS1に送られる。
[容器供給装置]
図10及び図11は、第1ステーションS1に配置される容器供給装置16の作動を説明するための図である。
本実施形態では、第1ステーションS1に同時に配置される複数のリテーナ11(図示の例では2つのリテーナ11)のそれぞれに対応する複数の容器供給装置16(図示の例では2つの容器供給装置16)が第1ステーションS1に設置されている。
本実施形態の各容器供給装置16は、上述の容器放出装置13(図4〜図9参照)と似た機構を有する。
すなわち各容器供給装置16は、供給昇降駆動ユニット(すなわち第1供給昇降駆動ユニット67及び第2供給昇降駆動ユニット68)と、供給昇降駆動ユニットからの動力によって高さ方向Dvに昇降する供給昇降部62と、を有する。
供給昇降駆動ユニットは、供給土台69を介して架台21上に据え付けられている。図示の供給昇降駆動ユニットは、第1供給昇降駆動ユニット67及び第2供給昇降駆動ユニット68を含む。第1供給昇降駆動ユニット67及び第2供給昇降駆動ユニット68は、お互いに連結される一方で、お互いに異なる駆動源からの動力によって駆動され、お互いに独立して駆動可能である。
第2供給昇降駆動ユニット68は、供給土台69に対して回転自在に取り付けられ且つ水平方向に延在する供給回転シャフト68aと、供給回転シャフト68aに固定されている供給回転レバー68bと、を有する。供給回転シャフト68aは、図示しない駆動源(例えばモータ及びカム等)に接続されており、当該駆動源から伝えられる動力によって、供給土台69に支持された状態で回転させられる。供給回転レバー68bの一方の端部は供給回転シャフト68aに固定されており、供給回転レバー68bの他方の端部には第1供給昇降駆動ユニット67(特に供給連結シャフト67c)が回転自在に連結されている。したがって供給回転シャフト68aの回転に応じて、供給回転レバー68bは供給回転シャフト68aを中心に揺動し、第1供給昇降駆動ユニット67を昇降させる。
第1供給昇降駆動ユニット67は、供給昇降本体部67a、供給進退シャフト67b及び供給連結シャフト67cに加え、圧縮ガス源70を有する。供給昇降本体部67aからの供給連結シャフト67cの突出量は一定であり、変化しない。供給昇降本体部67aからの供給進退シャフト67bの突出量は可変であり、制御装置15によって制御される。すなわち制御装置15は、供給昇降本体部67aに接続される圧縮ガス源70を制御し、圧縮ガス源70から供給昇降本体部67aに供給されるガス圧を調整することによって供給進退シャフト67bの突出量を変えることができる。供給進退シャフト67bの一方側は供給昇降本体部67aに接続されており、供給進退シャフト67bの他方側端部は供給昇降駆動体63に対して回転自在に連結されている。
供給昇降駆動体63には、供給昇降部62が取り付けられるとともに、第2供給ガイド部66が設けられている。供給昇降部62は、供給昇降駆動体63の頂部に設けられており、第1ステーションS1に間欠的に停止させられた対応のリテーナ11と、高さ方向Dvに関して重なる位置に配置されている。第2供給ガイド部66(図示の例ではベアリング)は、支持フレーム61から下方に延在する供給ガイドシャフト65を高さ方向Dvにスライド自在に保持する。供給昇降駆動体63は、支持フレーム61に設けられている第1供給ガイド部64によりベアリングを介してスライド自在に支持されており、当該第1供給ガイド部64によって高さ方向Dvにガイドされる。供給昇降駆動体63及び供給昇降部62は、これらのガイド構造により、供給昇降駆動ユニット(すなわち第1供給昇降駆動ユニット67及び第2供給昇降駆動ユニット68)の駆動に応じて高さ方向Dvに昇降させられ、且つ、水平方向に回転したり傾いたりすることが防がれている。
上述の構成を有する容器供給装置16によれば、供給回転レバー68bの揺動状態と供給進退シャフト67bの供給昇降本体部67aからの突出量とに応じて、供給昇降駆動体63及び供給昇降部62の高さ方向Dvの位置が決まる。
上述のように第1供給昇降駆動ユニット67(特に供給進退シャフト67b)は、制御装置15の制御下で駆動され、重量計測装置27の検出結果に応じて、供給昇降本体部67aからの供給進退シャフト67bの突出量が変えられる。一方、第2供給昇降駆動ユニット68(特に供給回転シャフト68a)は、制御装置15によって制御されることなく駆動される。したがって供給回転レバー68bは、重量計測装置27の検出結果にかかわらず、一定のリズムで同じ揺動動作を繰り返し、供給昇降本体部67a及び供給連結シャフト67cは一定のリズムで同じ昇降動作を繰り返す。具体的には、少なくとも回転テーブル22が間欠的に移動している間、供給昇降本体部67a及び供給連結シャフト67cを相対的に下方に配置し、供給昇降部62を回転テーブル22よりも下方に位置づけるような揺動姿勢を、供給回転レバー68bは有する。また回転テーブル22が間欠的に停止し、少なくとも供給昇降部62をリテーナ11よりも上方に位置づける間(図10参照)、供給昇降本体部67a及び供給連結シャフト67cを相対的に上方に配置するような揺動姿勢を、供給回転レバー68bは有する。
供給昇降部62は、容器Cに接触して当該容器Cを保持する任意の構成を有することができ、典型的には吸盤によって構成される。供給昇降部62は、供給昇降駆動ユニット(すなわち第1供給昇降駆動ユニット67及び第2供給昇降駆動ユニット68)の駆動に応じて高さ方向Dvに昇降する。本実施形態の供給昇降部62は、回転テーブル22(移送装置12)よりも下方の退避位置(図示省略)と、リテーナ11(リテーナ本体11a)よりも上方の補給位置(図10参照)と、高さ方向Dvに関して退避位置と補給位置との中間の位置である供給位置(図11参照)と、に配置可能である。
補給位置に配置される供給昇降部62(図10参照)は、ストック装置33に保持されストック位置Psに配置されている容器C(すなわち容器群Cgのうち最下方位置の配置されている容器C)の底部に接触し、当該容器Cを保持する。ストック装置33は、鍔保持部37と、鍔保持部37によって囲まれる孔スペースと、を有する。容器群Cg(特に最下方位置の配置されている容器C)の鍔部Cbが鍔保持部37上に載せられ、容器群Cgに含まれる少なくとも1以上の容器Cの本体部Caが孔スペースに配置されることによって、容器群Cgがストック装置33によって保持される。
供給位置に配置される供給昇降部62(図11参照)は、リテーナ11よりも上方には配置されず、図示の例では対応のリテーナ孔11b及び通過孔22aに跨がるように配置されている。退避位置に配置される供給昇降部62(図示省略)は、回転テーブル22が回転しても、回転テーブル22と衝突しない位置に配置される。
各容器供給装置16は、制御装置15の制御下で供給昇降部62を補給位置から供給位置に降下させ、また供給位置から退避位置に降下させることによって、供給昇降部62が保持する容器Cを第1ステーションS1に配置されている対応のリテーナ11に載せる。
なお、ストック位置Psに配置されている容器Cを保持している供給昇降部62を補給位置から供給位置に降下させる際、供給昇降部62が容器Cの保持を維持しつつ当該容器C及び/又は鍔保持部37が撓み、容器Cは供給昇降部62とともに降下してストック装置33(特に鍔保持部37)から解放される。また容器Cを保持している供給昇降部62を補給位置から供給位置に降下させる間に、又は、容器Cを保持している供給昇降部62を供給位置から退避位置に降下させる間に、対応のリテーナ11(特にリテーナ本体11a)上に容器Cが載せられた状態で供給昇降部62は当該容器Cを解放する。図示の例では、容器Cを保持しつつ補給位置から供給位置に向かって移動させられる供給昇降部62は、供給位置に配置された時点で、容器Cの保持を維持している。ただし供給昇降部62は、供給位置に配置された時点で、容器Cを既にリテーナ11に引き渡して当該容器Cを解放していてもよい。
本実施形態では、供給進退シャフト67bの供給昇降本体部67aからの突出量が最小であり、且つ、供給回転レバー68bのうち供給連結シャフト67cが連結される端部が最も下方に位置する揺動位置に供給回転レバー68bが配置されている場合、供給昇降部62は退避位置に配置される。また供給進退シャフト67bの供給昇降本体部67aからの突出量が最小であり、且つ、供給回転レバー68bのうち供給連結シャフト67cが連結される端部が最も上方に位置する揺動位置に供給回転レバー68bが配置されている場合、供給昇降部62は供給位置に配置される。また供給進退シャフト67bの供給昇降本体部67aからの突出量が最大であり、且つ、供給回転レバー68bのうち供給連結シャフト67cが連結される端部が最も上方に位置する揺動位置に供給回転レバー68bが配置されている場合、供給昇降部62は補給位置に配置される。このように、供給進退シャフト67bの供給昇降本体部67aからの突出量が最小である間、供給回転レバー68bの揺動位置にかかわらず、供給昇降部62は補給位置には配置されず、リテーナ11よりも上方には位置しない。
次に、各容器供給装置16の作動について説明する。
制御装置15は各容器供給装置16を制御し、第1ステーションS1に配置されている2つのリテーナ11のうち、既に容器Cを保持しているリテーナ11には別の容器Cを供給せず、且つ、容器Cを保持していないリテーナ11には容器Cを供給する。本実施形態の制御装置15は、第1ステーションS1に配置されているリテーナ11が既に容器Cを保持しているか否かを重量計測装置27の検出結果に基づいて判断し、当該判断結果に基づいて対応の容器供給装置16を制御する。
各容器供給装置16は、制御装置15の制御下で供給昇降部62を補給位置から降下させることによって、当該供給昇降部62が保持する容器Cを第1ステーションS1に配置されている対応のリテーナ11に載せる。
第1ステーションS1に配置される各容器供給装置16は、具体的には以下のように駆動される。
上述のように、適量範囲の内容物が入れられている容器Cは第11ステーションS11において既に対応のリテーナ11から放出されており、また放出基準量範囲以内の内容物が入れられている容器Cは第12ステーションS12において既に対応のリテーナ11から放出されている。したがって重量計測装置27の検出結果が適量範囲の内容物が入れられていることを示す容器Cを保持していたリテーナ11及び放出基準量範囲以内の内容物が入れられていることを示す容器Cを保持していたリテーナ11は、第12ステーションS12から第1ステーションS1に移動して時点で、空である。
制御装置15は、空のリテーナ11が第1ステーションS1に配置される場合、当該空のリテーナ11に対応する容器供給装置16の第1供給昇降駆動ユニット67を制御し、供給進退シャフト67bの突出量を最大にする。これにより供給昇降部62は、図10に示すように補給位置に配置され、ストック位置Psに配置されている容器Cを保持する。その後、制御装置15が対応の容器供給装置16の第1供給昇降駆動ユニット67を制御し、供給進退シャフト67bの突出量を最小にする。これにより図11に示すように、供給昇降部62は供給位置に配置される。その後、供給進退シャフト67bの突出量が最小に維持された状態で、供給回転レバー68bのうち供給連結シャフト67cが連結される端部が最も下方に位置する揺動位置に供給回転レバー68bが配置され、供給昇降部62は退避位置に配置される。
回転テーブル22及び各リテーナ11が間欠停止している間に対応の容器供給装置16が上述の一連の処理を行うことによって、第1ステーションS1において空のリテーナ11に新たな容器Cが供給される。
一方、重量計測装置27の検出結果が適量ではなく且つ放出基準量範囲外の内容物が入れられていることを示す容器Cは、上述のように第11ステーションS11及び第12ステーションS12において対応のリテーナ11から放出されない。したがって重量計測装置27の検出結果が適量ではなく且つ放出基準量範囲外の内容物が入れられていることを示す容器Cを保持していたリテーナ11は、第12ステーションS12から第1ステーションS1に移動して時点で、既に容器Cを保持している。
制御装置15は、既に容器Cを保持しているリテーナ11が第1ステーションS1に配置される場合、当該リテーナ11に対応する容器供給装置16の第1供給昇降駆動ユニット67を制御し、供給進退シャフト67bの突出量を最小にする。これにより供給昇降部62は、補給位置までは上昇することなく、供給位置に配置される。その後、供給進退シャフト67bの突出量は制御装置15の制御下で最小に維持され、供給回転レバー68bのうち供給連結シャフト67cが連結される端部が最も下方に位置する揺動位置に供給回転レバー68bが配置されることで、供給昇降部62は退避位置に配置される。
以上説明したように本実施形態の容器処理装置10及び容器処理方法によれば、各容器Cに適量の内容物が入れられない場合であっても、基本的に間欠停止時間が延ばされない。また内容物導入ステーションにおいて内容物が全く入れられなかった容器Cは、放出ステーションにおいて放出されず、その後、再び内容物導入ステーションに配置されて内容物が導入される。これにより、各容器Cを安定的に搬送し、多くの容器Cを単位時間当たりに処理することができ、歩留まりを向上させることができる。
また各ステーションに複数の容器Cが同時に配置される場合であっても、各容器Cを個別的に放出したり放出しなかったりすることができる。
またエアーシリンダ及びサーボモータの組み合わせのように比較的単純な機構を利用して、各容器Cの放出処理及び非放出処理を行うことができる。特に、複数の駆動源(例えばエアーシリンダ及びサーボモータ)を利用した複数のユニットを組み合わせて放出昇降駆動ユニットを構成することによって、それぞれの駆動源の利点を享受することが可能であるとともに、それぞれの駆動源の欠点をお互いにカバーしあうことが可能である。例えばエアーシリンダ単体によって放出昇降駆動ユニットを構成する場合、ピストンロッドのストローク量として比較的大きなスペースを確保することが求められることがある。一方、上述の実施形態のように第1放出昇降駆動ユニット47(エアーシリンダ)に対して第2放出昇降駆動ユニット48を組み合わせることによって、ピストンロッドのストローク量を小さくすることが可能である。また供給昇降駆動ユニットも、放出昇降駆動ユニット同様に、複数の駆動源を利用することによって、それぞれの駆動源の利点を享受することが可能であるとともに、それぞれの駆動源の欠点をお互いにカバーしあうことが可能である。
[第1変形例]
上述の実施形態では、放出基準量範囲がゼロより大きい範囲に設定されているが、放出基準量範囲の具体的な範囲は限定されない。放出基準量範囲は、ゼロより大きな値を基準に設定されてもよく、例えば適量範囲の最小値よりも小さな範囲を放出基準量範囲に設定してもよいし、適量範囲の最大値よりも大きな範囲を放出基準量範囲に設定してもよい。
上述の実施形態と同様に、重量計測装置27の結果が適量範囲の内容物が入れられていることを示す容器Cを第11ステーションS11において放出する場合、第12ステーションS12に搬送される容器C内の内容物の量は、適量範囲外である。この場合、放出基準量範囲を適量範囲の最大値よりも大きな範囲に設定することによって、適量範囲よりも多い量の内容物が入れられている容器Cが第12ステーションS12において放出される。その一方で、適量範囲よりも少ない量の内容物が入れられている容器Cは第12ステーションS12において放出されない。この場合、内容物が全く入れられていない容器Cに加え、内容物が入れられているが適量範囲よりも少ない量の内容物が入れられている容器Cも、対応のリテーナ11とともに第12ステーションS12から第1ステーションS1に搬送される。
このように、適量範囲よりも少ない量の内容物が入れられている容器Cを、容器放出ステーションにおいて放出することなく、容器供給ステーションに搬送してもよい。この場合、制御装置15は、重量計測装置27の検出結果に応じて内容物導入装置を制御し、入れられた内容物の量が放出基準量範囲外である容器C(本例では入れられた内容物の量が適量範囲よりも少ない容器C)であって容器放出ステーションにおいてリテーナ11から放出されなかった容器Cに対し、内容物導入ステーションにおいて内容物を入れる。具体的には、重量計測装置27の検出結果から導き出される容器C内の実際の内容物の量と適量との差異に相当する量の内容物が、再び内容物導入ステーションに配置された容器Cに追加的に入れられる。
通常は、液状内容物は、固形状内容物に比べて意図しない停滞が発生しにくい。したがって本変形例において、容器Cに入れられた内容物の量が適量範囲よりも少ない場合、当該容器C内に収容されている固形状内容物の量が想定よりも少ないことが推測される。したがって制御装置15は、入れられた内容物の量が適量範囲よりも少ない容器Cに対し、第4ステーションS4において対応の固形物投入装置25から固形状内容物が追加で入れられるように、各固形物投入装置25を制御してもよい。
このように各容器Cに対して複数種類の内容物が入れられるケースにおいて、入れられている内容物の量が適量範囲よりも少ない容器Cに対して内容物を追加的に入れる場合、複数種類の内容物のうち、内容物導入装置から各容器Cに対して適量だけ入れることがより難しい内容物(すなわち意図しない停滞が発生しやすい内容物)を、追加する内容物として決定してもよい。
[他の変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。
制御装置15は、上述の実施形態では重量計測装置27の検出結果に基づいて容器供給ステーションに配置されるリテーナ11が既に容器Cを保持しているか否かを判断しているが、他の方法に基づいてそのような判断を行ってもよい。例えば、容器供給ステーション(第1ステーションS1)よりも上流側(例えば容器放出ステーション、又は、容器放出ステーションと容器供給ステーションとの間)又は容器供給ステーションにおいて、各リテーナ11が容器Cを保持しているか否かを検出する容器検出装置35(図10の点線部参照)が設けられていてもよい。容器検出装置35は、検出結果を制御装置15に送信する。この場合、制御装置15は、容器供給ステーションに配置される各リテーナ11が既に容器Cを保持しているか否かを容器検出装置35の検出結果に基づいて判断し、当該判断結果に基づいて各容器供給装置16を制御してもよい。なお容器供給ステーションよりも上流側は、各リテーナ11の移送を基準にして定められる。図示の例では、第12ステーションS12又は第12ステーションS12と第1ステーションS1との間の区画に、容器検出装置35を配置しうる。
容器検出装置35は、各リテーナ11が容器Cを保持しているか否かを直接的又は間接的に検出する任意の構成を有することが可能である。例えば容器検出装置35は、各リテーナ11を含む範囲の撮像データを取得する撮像装置と、撮像データを解析して各リテーナ11が容器Cを保持しているか否かを判定する解析装置とを有していてもよい。そのような解析装置は制御装置15が有していてもよく、容器検出装置35の撮像装置が取得した撮像データが制御装置15に送られ、制御装置15の解析装置が撮像データを解析して各リテーナ11が容器Cを保持しているか否かを判定してもよい。
上述の実施形態では、お互いに独立して駆動される複数のユニット(すなわち第1放出昇降駆動ユニット47及び第2放出昇降駆動ユニット48)が組み合わされることによって放出昇降駆動ユニットが構成され、お互いに独立して駆動される複数のユニット(すなわち第1供給昇降駆動ユニット67及び第2供給昇降駆動ユニット68)が組み合わされることによって供給昇降駆動ユニットが構成されている。ただし放出昇降駆動ユニット及び供給昇降駆動ユニットの各々は、単一のユニット(単一の駆動源)を含んでいてもよい。この場合、制御装置15によって駆動が制御される単一ユニットによって放出昇降駆動ユニットが構成され、また制御装置15によって駆動が制御される単一ユニットによって供給昇降駆動ユニットが構成される。典型的には、制御装置15により制御されるエアーシリンダ或いはサーボモータを駆動源とする単一ユニットを使って、放出昇降駆動ユニット又は供給昇降駆動ユニットを構成することができる。
上述の実施形態では複数のステーション(すなわち第11ステーションS11及び第12ステーションS12)において容器Cが対応のリテーナ11から放出されるが、単一ステーションにおいて容器Cがリテーナ11から放出されてもよい。
上述の実施形態では内容物導入装置として固形物投入装置25及び液体注入装置26が設けられているが、内容物導入ステーションにおいて各容器Cに導入される内容物は限定されない。内容物導入装置は、例えば、固形状内容物のみを各容器Cに導入してもよいし、固形状内容物及び/又は液状内容物に加えて又は代えて、他の形態の内容物(例えばペースト状内容物、2種類以上の形態の物質を含む混合内容物、等)を各容器Cに導入してもよい。また内容物導入装置は、単一のステーションにおいてのみ各容器Cに内容物を導入してもよいし、3以上のステーションにおいて各容器Cに内容物を導入してもよい。
上述の実施形態では、内容物導入ステーションよりも下流側に位置する第6ステーションS6に設置される重量計測装置27によって各容器C内の内容物の有無又は量が検出されているが、重量計測装置27(内容物検出装置)は他のステーション(特に内容物導入ステーション、又は、内容物導入ステーションよりも下流側のステーション)に設置されていてもよい。例えば、固形物投入装置25の計量器32(図2参照)を内容物検出装置として使用してもよく、計量器32の計測結果に基づいて各容器C内の内容物の有無又は量が検出されてもよい。
上述の実施形態では、各容器C内の内容物の量を直接の計測対象とする重量計測装置27が内容物検出装置として用いられているが、各容器C内の内容物の量を計測することなく各容器C内における内容物の有無を検出する装置を、内容物検出装置として用いてもよい。例えば、計量器32において計量された固形状内容物の量が予め定められた量に達する前は計量器32から各容器Cに向かって固形状内容物は送られず、計量器32において計量された固形状内容物の量が予め定められた量に達した後に計量器32から各容器Cに向かって固形状内容物が送られる場合、制御装置15は、計量器32における固形状内容物の計測結果に応じて計量器32から発せられる検出信号に基づいて、容器供給装置16及び容器放出装置13を制御してもよい。すなわち計量器32は、計量器32から各容器Cに向かって固形状内容物を送ったか否かを直接的又は間接的に示す信号を、制御装置15に送ってもよい。この場合、計量器32は、第4ステーションS4(内容物導入ステーション)から送られてくる容器C内の内容物の有無を検出する内容物検出装置として働き、制御装置15は、容器C内の内容物の有無の検出結果に基づいて、容器供給装置16及び容器放出装置13を制御することができる。一例として、計量器32は、開閉シャッター上に溜められる計量された固形状内容物が予め定められた量に達したか否かを示す信号又は開閉シャッターの開閉状態を示す信号を、「計量器32から各容器Cに向かって固形状内容物を送ったか否かを直接的又は間接的に示す信号」として、制御装置15に送ってもよい。
上述の実施形態では重量計測装置27によって各容器C内の内容物の量が検出されているが、他の構成及び方式を採用する内容物検出装置によって各容器C内の内容物の量が検出されてもよい。例えば、内容物検出装置は、撮影画像の解析処理等に基づいて、各容器C内における内容物の位置或いは占有容積を検出することにより、各容器C内の内容物の量を検出してもよい。
上述の実施形態では全ての容器放出装置13間で構成及び作動が共通するが、容器放出装置13間で構成及び作動が異なっていてもよい。同様に、上述の実施形態では全ての容器供給装置16間で構成及び作動が共通するが、容器供給装置16間で構成及び作動が異なっていてもよい。また容器放出装置13及び容器供給装置16の各々の数は限定されず、単一の容器放出装置13が設けられていてもよいし、3以上の容器放出装置13が設けられていてもよいし、単一の容器供給装置16が設けられていてもよいし、3以上の容器供給装置16が設けられていてもよい。
上述の実施形態では、放出回転シャフト48aが回転可能に設けられ且つ放出回転レバー48bが放出回転シャフト48aに固定されているが、放出回転シャフト48aが放出土台49に対して回転不能に固定され且つ放出回転レバー48bが放出回転シャフト48aに対して回転可能に固定されていてもよい。この場合、モータ等の駆動源からの動力によって放出回転レバー48bが揺動させられる。また上述の実施形態では、供給回転シャフト68aが回転可能に設けられ且つ供給回転レバー68bが供給回転シャフト68aに固定されているが、供給回転シャフト68aが供給土台69に対して回転不能に固定され且つ供給回転レバー68bが供給回転シャフト68aに対して回転可能に固定されていてもよい。この場合、モータ等の駆動源からの動力によって供給回転レバー68bが揺動させられる。
また上述の実施形態及び変形例が部分的に組み合わせられてもよい。本発明によって奏される効果も上述の効果には限定されず、具体的な構成に応じた特有の効果が発揮される。