JP2007300823A - 飲食物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特定の香気成分を含有させることでストレス応答を抑制し或いは低減させ、かつ安眠をもたらす効果のある飲食物を提供する。
【解決手段】植物の葉、特に青葉から採取するか又はそれと同等の香気成分を飲食物に含有させるものであり、より具体的な香気成分として、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)、(3E)−ヘキセノール、(3E)−ヘキセナール、(2E)−ヘキセノール(青葉アルデヒド)、(2E)−ヘキセナール、n−ヘキサノール、n−ヘキサナールから選択される1種又は2種以上の組み合わせからなるものが用いられる。
【選択図】 なし

Description

この発明は、飲食物であって、特に香気成分を含有させてなるものである。
飲食物に、なんらかの目的で香料を付加することは古来行われてきた。例えば、鎮静成分があるとされるバラやカモミール等を紅茶に入れて飲むことも昔から行われている。
また、特許文献1では、ローズオイルを抗ストレス剤として経口摂取するものが示されている。
特開2002−68969号公報
しかしながら、鎮静効果があるとされるバラやカモミール等を紅茶に入れて飲む、といった摂取の仕方では、実際に所望の効果が得られるかどうかわからなかった。いわゆるハーブティーや香料一般の効果として、多少の精神的ストレスの緩和などに有効であるとしても、必ずしも充分な有効性があるとは言い難いものである。また、摂取の方法が面倒で、気軽にいつでも摂取できるものではない。
現代社会では、大抵の人が、何らかのストレスにさらされており、日常的にストレスを軽減する必要を感じている。また、心身の疲れを取るため安眠できるようになる必要がある。特許文献1のように、ストレスの緩和に有効な成分を薬として摂取することも考えられる。しかしながら、ストレスを感じたり、眠れないといったことは、誰しも経験するごく日常的なことなので、抗ストレス薬を薬剤として摂取するのではなく、気軽に摂取できるものが求められている。即ち、日々の生活の中で、飲食品を口にすることによって、手軽に摂取でき、しかも、充分にストレスを解消し、また、安眠を得ることができるものが求められている。
この発明は、手軽に摂取できるものであって、ストレスを押さえ、安眠を得ることのできる働きを飲食物に持たせるようにしたものである。
上記の課題を解決するため、この発明の飲食物は、植物の葉から採取するか又はそれと同等の香気成分を含んでなることを特徴とするものであり、その際、植物の葉として青葉が好適に用いられる。
上記において、それと同等の香気成分とは、植物の葉から直接に採取されたもののみならず、化学合成等によって人工的に得られるもので植物から得られるものと同等のものを含む。
この発明に用いられる植物の香気成分としては、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)、(3E)−ヘキセノール、(3E)−ヘキセナール、(2E)−ヘキセノール(青葉アルデヒド)、(2E)−ヘキセナール、n−ヘキサノール、n−ヘキサナールから選択される1種又は2種以上の組み合わせからなるものが考えられ、ストレスを抑制し、また、入眠を助け、安眠をもたらす優れた効果を発揮する。
前記香気成分として、好ましくは、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)、(2E)−ヘキセナール(青葉アルデヒド)のいずれか又は両方の組み合わせからなるものとする。
前記飲食物は、液体飲料又は固形食品とする。前記において、チョコレートを含有する飲食品とすることが考えられる。
更に、前記香気成分を、前記香気成分の揮発を防ぐ包接材で包接して含有させることが考えられる。
この発明によれば、この発明の飲食物を摂取することにより、それに含まれる植物の香気成分を受容することで、ストレッサーによって引き起こされるストレス応答の上昇を抑制し、また、上昇したストレスを低下させる効果がある。更に、体温の上昇を抑制して入眠しやすくなり、安眠が得られるという効果がある。また、薬剤として摂取するのではないから、一般のあらゆる人が手軽に必要なときに、気軽に摂取することができる。
本発明による香気成分は、植物の葉から採取するか又はそれと同等の香気成分を含んでなることから、自然志向の現代社会の需要に適合している。
こうした成分を、固形植物や、液体飲料、チョコレートやチョコレートを含有する嗜好品や飲食品に配合することで、各自の嗜好に応じて、必要を感じたときに、気軽に、簡単に摂取することができる。とりわけ、チョコレートを含有した飲食品については、カカオポリフェノールとの相乗効果で、優れたストレス低減や安眠効果が得られる。
香気成分の揮発を防ぐ包接剤で、香気成分を包接して含有させることにより、有効成分の揮発を防ぐことができる。その結果、時間がたってもストレスの抑制や、入眠をたやすくする効果の低減を防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係る香気成分は植物の葉から得られるものか、又はこれと同等のものである。この香気成分は、具体的には、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)、(3E)−ヘキセノール、(3E)−ヘキセナール、(2E)−ヘキセノール(青葉アルデヒド)、(2E)−ヘキセナール、n−ヘキサノール、n−ヘキサナールであり、これらの一種又は2種以上を組み合わせて用いる。そして、これらの成分の一種または複数種を吸収することにより、人体をストレスから守り、ストレスによって引き起こされる様々な精神的・肉体的疾病から守ることが可能になる。
中でも、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)、(2E)−ヘキセナール(青葉アルデヒド)のいずれか又は両方の組み合わせからなるものは、優れた効果を上げる。一種のみを用いるのであれば、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)が好ましい。
これらの香気成分は、植物の葉から採取されるものが特に好適に用いられ、なかでも青葉が最適である。青葉としては、例えば、ペパーミントが考えられる。本発明によるストレスを抑制する効果がある香気成分は、ペパーミント特有の香り成分として知られるメントールではなく、これとは別途得られるものである。
この香気成分は、野菜、果物、生茶葉等にも含まれており、採取の経済性は別として、大抵の植物の青葉に含まれている。香気成分を採取する方法は、一般的には、水蒸気蒸留法が考えられるが、減圧蒸留法、抽出法、超臨界抽出法その他どのようなものでも構わない。
香気成分は、もちろん、合成によっても、得ることができる。現代の社会は、自然志向のものが消費者に好まれる傾向があるため、青葉に含有される香気成分は消費者に好まれる可能性が高い。特に、実際に植物や果物等から抽出した天然のものを用いれば、現代の自然志向にマッチし、よりよいイメージの商品となるので好ましい。
青葉と呼ばれる植物の葉に含まれる特定の香気成分(green odor)が、ストレスによって引き起こされる副腎皮質刺激ホルモンレベルの上昇を抑制し、或いは、上昇したそれらの副腎皮質刺激ホルモンのレベル等を下げる効果のあることが確かめられている。
また、青葉の中に含まれる香気成分は、体温の上昇を抑制することがわかっている。感染症や炎症性疾患による微熱は、アスピリン等の抗炎症薬で解熱できるが、ストレス製微熱については効果がない。このような微熱症状を訴える人は増えており、こうした人は不眠、寝不足を訴えることも多く、生活リズムが崩れ体調を崩すなどして悪循環におちいる。
一方、睡眠と体温には密接な関係があり、深部体温が下降すると入眠(睡眠導入)しやすくなる。体温が上昇すると目覚めることが知られている。人間は、夕方6時から8時ころ体温が最高となり、早朝3時から5時頃最低となるといわれている。夜間おおよそ一日の平均体温付近まで、体温が下降したころ人は眠り始め、早朝の最低体温から2から3時間経過すると体温の上昇に伴って目覚めるということである。このことから、ストレスによる体温上昇が入眠を妨げる一因となると考えられる。
ストレスによる体温上昇(微熱)が、青葉の中に含まれる香気成分により、抑制改善されることにより、入眠がたやすくなり、睡眠改善をはかることができる。図1は、ラットによる脳波による睡眠確認試験の結果を示している。覚醒時に多く発生するα波、β波の合計値を、睡眠時に多く発生するθ波とδ波の合計値で割った割合で、眠れない指数(Rate of Wakefulness%)を示している。
白い四角形を結んだ線は、ストレスのみを加えたラットの眠れない指数を30分ごとに示している。黒い丸を結んだ線は、ストレスを加え、青葉の中に含まれる香気成分を与えた場合の眠れない指数を示している。夜行性のラットが眠る午前10時頃にストレスを与えて、その後の経過を見ると、青葉由来の香気成分を与えたものの方が、ストレスを与えた直後、及び、1日、2日後であっても、ラットが眠る昼間において、眠れない指数が低くなっている。即ち、青葉由来の香気成分を与えないラットは、上記の時間帯に眠れない指数が高くなっているが、これに比して、青葉由来の香気成分を与えたラットは、同じ時間帯の眠れない指数が、明らかに低い。
このように、青葉由来の香気成分により、ストレスのための眠れない指数は改善されている。特に、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)、(2E)−ヘキセナール(青葉アルデヒド)のいずれか又は両方の組み合わせからなるものは、優れた効果を上げる。(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)単体で用いた場合も、優れた効果がある。
前記の香気成分をチョコレートやキャンディ、錠菓等の固形食品へ含有させる手段としては、香気成分は揮発性があるので、例えばサイクロデキストリン(CD)等の包接材に包接させて原材料に加えることが考えられる。サイクロデキストリンは内部に空洞のある概略ドーナツ状の構造を有しており、その空洞内に香気成分を包接させる。サイクロデキストリンと水を用い、包接する青葉アルコールを加えてホモジナイズし、噴霧乾燥させると青葉アルコールをサイクロデキストリンが包接した包接品の粉末ができあがる。これを、各食品の製造過程で、材料に混ぜればよい。また、表面付着させても良い。或いは、香気成分をコロイド状にして単独で又はバインダーとともに原材料に練り込んでもよい。
飲食品の形態としては、液状食品、固形食品、粉状の食品等が考えられる。固形食品としては、チョコレートやチョコレートを含有した菓子類、キャンディ、ラムネ菓子等の錠果が考えられる。また、液体食品としては、清涼飲料や、コーヒー、茶、ココア等が考えられる。
チョコレートは、含有するカカオポリフェノールに抗ストレス効果があるとされているので、これに本願による香気成分を加えれば、相乗効果が期待できる。チョコレートに含有させる場合は、材料の混合の段階、又はコンチェの工程等で含有させることが考えられる。チョコレートを含有する食品とは、板チョコレートなどのいわゆるチョコレートが代表的なものである。他に、チョコレートでコーティングした菓子や、チョコレート成分(カカオ分)の含有量が少ない準チョコレート、及び準チョコレート菓子等も含む。また、液体状のチョコレート飲料も含んでいる。ココアもカカオ分を含んでいるので、チョコレートと同様の効果がある。
このように、嗜好品や飲料等、様々な飲食品に青葉由来の香気成分を含有させることで、必要に応じて、各自の嗜好にあった形で気軽にストレス抑制や、入眠をたやすくする飲食品を摂取することができる。
この発明は、上述したように各種の飲食物に適用可能である。
ラットにストレスを与え、青葉由来の香気成分を摂取させた場合の眠れない指数を示す図である。

Claims (8)

  1. 植物の葉から採取するか又はそれと同等の香気成分を含んでなることを特徴とする飲食物。
  2. 前記植物の葉が青葉である請求項1記載の飲食物。
  3. 香気成分が、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)、(3E)−ヘキセノール、(3E)−ヘキセナール、(2E)−ヘキセノール、(2E)−ヘキセナール(青葉アルデヒド)、n−ヘキサノール、n−ヘキサナールから選択される1種又は2種以上の組み合わせからなるものである請求項1又は2記載の飲食物。
  4. 前記香気成分が、(3Z)−ヘキセノール(青葉アルコール)、(2E)−ヘキセナール(青葉アルデヒド)のいずれか又は両方であることを特徴とする請求項3に記載の飲食物。
  5. 前記飲食物は、液体飲料である請求項1から4までのいずれかに記載の飲食物。
  6. 前記飲食物は、固形食品である請求項1から4までのいずれかに記載の飲食物。
  7. 前記飲食物は、チョコレートを含有する請求項5又は6に記載の飲食物。
  8. 香気成分を、前記香気成分の揮発を防ぐ包接材で包接して含有させたことを特徴とする請求項6又は7に記載の飲食物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009048128A1 (ja) * 2007-10-11 2009-04-16 Sun Aroma Co., Ltd. 体重増加抑制剤
WO2010041410A1 (ja) * 2008-10-08 2010-04-15 江隈親司 コレステロール増加抑制剤
JP2015006166A (ja) * 2013-05-28 2015-01-15 大正製薬株式会社 飲料

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