JP2007299072A - 電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの筐体の電子回路同士を接続する信号線における筐体に対する動きを適度に規制することができると共に基準電位部への導通を確実かつ簡素に実現できる電子機器を提供する。
【解決手段】携帯電話機1は、受話筐体2と、送話筐体3と、受話筐体2に収納された表示部6と、送話筐体3に収納された電子回路34と、受話筐体2と送話筐体3とを回転可能に連結する連結部4と、導電性テープ55が被覆されて互いに束ねられ、連結部4の内部に挿通されて表示部6と電子回路34とを電気的に接続する複数の細線同軸ケーブル48の束である第1ケーブル45と、送話筐体3に設けられ、第1ケーブル45を挟持して位置決めし、電子回路34の基準電位部と電気的に接続された導電性の壁部63とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯電話機等の電子機器に関する。
折り畳み式の携帯電話機等、2以上の筐体が互いに移動可能に連結された電子機器が知られている(特許文献1)。特許文献1の携帯電話機では、一の筐体の回路基板と他の筐体の回路基板とは、連結部に挿通されたフレキシブルプリント配線板(FPC)により接続されている。FPCは、携帯電話機の開閉に伴って変形する。
また、電子機器のFPCに導電性テープを貼り付け、導電性テープによりFPCをシールドしてFPCへのノイズの混入を防止する技術が知られている(特許文献2)。
特開2005−167597号公報 特開2005−051431号公報
両筐体を接続する信号線には、連結部の隙間などから侵入した静電気の影響などによりノイズが混入しやすい。また、例えば、同信号線により高速シリアル通信を行う場合等には、信号振幅が小さく、ひいてはノイズマージンが小さい。これらの理由から両筐体を接続する信号線へのノイズの混入防止が望まれている。そこで、例えば、特許文献1のFPCに、特許文献2のように導電性テープを貼り付けて、両筐体を接続する信号線をシールドすることが考えられる。しかし、導電性テープを基準電位部に導通させるために新たな部材を設けるとすれば、構成の複雑化、コストの上昇を招く。
また、特許文献1のように両筐体を接続する信号線が連結部に挿通されて構成されている場合、当該信号線が筐体の相対移動に伴ってばたつくと、信号線が筐体内部の各部に当接することになり、磨耗や電気短絡により、信号線又は他の部品の損傷を招く。すなわち、信号線は筐体に対し適度に動きが規制される必要がある。
本発明の目的は、2つの筐体の電子回路同士を接続する信号線における筐体に対する動きを適度に規制することができると共に基準電位部への導通を確実かつ簡素に実現できる電子機器を提供することにある。
本発明の電子機器は、第1筐体と、第2筐体と、前記第1筐体に収納された第1電子回路と、前記第2筐体に収納された第2電子回路と、前記第1筐体と前記第2筐体とを回転可能に連結する連結部と、導電性シートが巻かれて互いに束ねられ、前記連結部の内部に挿通されて前記第1電子回路と前記第2電子回路とを電気的に接続する複数のケーブルの束と、前記第2筐体に設けられ、前記複数のケーブルの束を挟持して位置決めする挟持部と、を備え、該挟持部は導電部を含み、該導電部と前記導電性シートとが当接されると共に前記導電部と前記第2筐体内に備える基準電位部とが電気的に接続されている。
好適には、前記第2電子回路は前記第2筐体に設けられた回路基板に設けられ、前記複数のケーブルの束は、前記連結部の内部から前記第2筐体に設けられた前記回路基板の側部に対して延出し、前記挟持部の前記導電部は、前記側部に沿って設けられた壁部である。
好適には、前記第2筐体は、前記回路基板を挟むように配置された第1ケース部材と第2ケース部材とを有し、前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、前記第2ケース部材に挿通されたネジが前記第1ケース部材に形成されたネジボスに螺合することにより互いに固定され、前記ネジボスは、前記壁部に前記ケーブルを挟んで対向する位置に設けられて前記挟持部の一部を構成し、前記複数のケーブルの束は、前記壁部と前記ネジボスとにより挟持される。
好適には、前記ネジボスは前記連結部と一体形成されている。
好適には、前記第2筐体には、前記壁部のうち前記回路基板の外側の面に支持されたスイッチと、前記第2筐体の外部へ露出し、前記スイッチを操作可能なキートップとが設けられている。
本発明によれば、2つの筐体の電子回路同士を接続する信号線における筐体に対する動きを適度に規制することができると共に基準電位部への導通を確実かつ簡素に実現できる。
図1は、本発明の実施形態に係る電子機器としての携帯電話機1の外観を開状態で示す斜視図である。携帯電話機1は、いわゆる折り畳み式の携帯電話機として構成されており、開状態と閉状態との間で互いに回動可能に連結された受話筐体2及び送話筐体3を備えている。
受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれの端部が回動の中心となる連結部4により連結されることにより携帯電話機1全体の筐体を構成するようになっている。受話筐体2及び送話筐体3は、それぞれ概ね薄型直方体状に形成されており、閉状態では互いに重ねあわされて互いの輪郭が略一致する。
受話筐体2には、例えば、通話用のスピーカ90(図7参照)、報知用のスピーカ91(図7参照)、画像や文字を表示する表示部6、カメラモジュール89(図7参照)が設けられている。送話筐体3には、例えば、通話用のマイクロフォン84(図7参照)、通信のための内蔵アンテナ85(図7参照)、ユーザの操作を受け付ける操作部7が設けられている。
受話筐体2は、閉状態で送話筐体3に対向する面側の正面側ケース18と、その背面側の背面側ケース19とを備えている。正面側ケース18及び背面側ケース19は、例えば非導電性の樹脂によりそれぞれ成形されている。
送話筐体3は、閉状態で受話筐体2に対向する面側の正面側ケース21と、その背面側の背面側ケース22と、背面側ケース22の背面側に被せられる蓋体23とを備えている。正面側ケース21、背面側ケース22及び蓋体23は、例えば非導電性の樹脂によりそれぞれ成形されている。
連結部4は、送話筐体3の端部に形成された凹部10に、受話筐体2の端部に形成された凸部9が嵌合して構成されている。凸部9は受話筐体2の正面側ケース18に形成されている。凹部10は送話筐体3の正面側ケース21及び背面側ケース22に形成されている。
図2は、蓋体23及び背面側ケース22等の一部の部材を省略して送話筐体3の背面側から閉状態の携帯電話機1を示す斜視図であり、図3は、閉状態の携帯電話機1の一部の部材を省略するとともに一部を分解した斜視図である。
送話筐体3においては、背面側ケース22側(図3の紙面上方側)から、基板31、基板31をシールドするシールドケース32、操作部7のキーに対応するスイッチが配置されたFPC(不図示)、操作部7のキーが配置されたキーシート(不図示)、正面側ケース21が積層的に配置されている。
基板31は、例えば樹脂をベースとしたプリント配線基板により構成され、正面側ケース21側の第1の実装面31aと、その背面側の第2の実装面31bとを有して構成されている。なお、第1の実装面31a及び第2の実装面31bは、送話筐体3の面積から連結部4の面積を差し引いた面積と略同程度の面積を有している。また、第1の実装面31a及び第2の実装面31bには、例えば、各種の電子部品33が設けられ、電子回路34が構成されている。基板31には、例えば、通信処理部82(図7参照)、操作部7からの信号等に基づいて表示部6等の制御を行う制御部81(図7参照)が設けられている。第1の実装面31a及び第2の実装面31bには、各実装面を複数の領域に区画するようにグランドパターン層35(基準電位部)が形成されている(ただし、第2の実装面31bのグランドパターン層のみ図示)。
シールドケース32は、例えば金属により形成されている。シールドケース32には、基板31に対向する面に、第2の実装面31bのグランドパターン層35と同一のパターンでリブ32aが形成されており、シールドケース32は、リブ32aがグランドパターン層35に当接することにより、グランドパターン層35に電気的に接続されている。
受話筐体2においては、正面側ケース18と背面側ケース19との間には、基板37が設けられている。基板37は、例えば樹脂をベースとしたプリント配線基板により構成されている。基板37には、種々の電子部品が配置され、電子回路が構成され、例えば、表示部6の動作を制御するための画像処理部88(図7参照)が設けられている。
連結部4には、凸部9及び凹部10の摺動面に孔部が形成されている。回転軸方向の一方の孔部には第1ヒンジパーツ39が、他方の孔部には第2ヒンジパーツ40(図2)が挿通されている。
第1ヒンジパーツ39は、例えば、凸部9の摺動面の孔部に嵌合する筒状の部材と、凹部10の摺動面の孔部に嵌合する筒状の部材とが互いに相対回転可能に、かつ、互いの空洞部を連通するように連結されて構成されている。
第2ヒンジパーツ40は、例えば、凸部9の摺動面の孔部に嵌合する部材と、凹部10の摺動面の孔部に嵌合する部材とが互いに相対回転可能に連結されて構成され、開閉に伴うクリック感を生じさせる機構を備えている。
受話筐体2に収納される基板37と、送話筐体3に収納される基板31とは、第1ケーブル45と、第2ケーブル46とにより電気的に接続されている。図7において後述するように、例えば、第1ケーブル45は、送話筐体3の制御部81と受話筐体2の表示部との間の信号の入出力を仲介するものであり、第2ケーブル46は、送話筐体3の制御部81と、受話筐体2のカメラモジュール89との間の信号の入出力を仲介するものである。すなわち、第1ケーブル45及び第2ケーブル46は、信号を入出力する電子回路、情報の内容、通信方式のうち少なくともいずれか一つが相違している。
第1ケーブル45及び第2ケーブル46は、送話筐体3の基板31の第2の実装面31bから延び、第1ヒンジパーツ39に挿通されて凸部9内に入り、凸部9から受話筐体2の内部へ延びて基板37に到達する。
図4は第1ケーブル45の構成を説明する図であり、図4(a)は第1ケーブル45を模式的に示す一部に透視図を含む外観図、図4(b)は第1ケーブル45の形成方法を説明する図、図4(c)は第1ケーブル45の形成方法を説明する図であって図4(b)の続きの工程を示す図である。
第1ケーブル45は、複数の細線同軸ケーブル48を備えている。細線同軸ケーブル48は、同軸ケーブルの一種であり、図示は省略するが、公知のように、電気信号を伝達するための信号導体と、その周囲を被覆する絶縁体と、絶縁体の周囲に設けられ、信号導体をシールドするシールド導体と、シールド導体を被覆する絶縁性の被覆部材とからなる。シールド導体は例えば金属線が編み込まれて形成されている。細線同軸ケーブル48は、同軸ケーブルのなかでも比較的径が小さいものである。例えば、細線同軸ケーブル48の直径は1mm以下である。最近では、直径0.3mm以下のものも知られている。第1ケーブル45は、例えば、直径0.3〜0.5mmの細線同軸ケーブル48を30〜40本備えており、第1ケーブル45における複数の細線同軸ケーブル48の束全体の直径は例えば2〜5mmである。
複数の細線同軸ケーブル48は、それぞれ、一端が基板31に接続されるコネクタ50Aにより集結され、他端が基板37に接続されるコネクタ50Bにより集結されている(単に「コネクタ50」といい、コネクタ50A、50Bを区別しないことがある。)。
具体的には、コネクタ50は、細線同軸ケーブル48が接続されるケーブル側部51と、基板31又は基板37に設けられ、基板31又は基板37の各種電子部品、導電層、グランドパターン層35に接続される基板側部52とを備えている。ケーブル側部51及び基板側部52は、例えば互いに嵌合する凹部又は凸部(不図示)を備えており、当該凹部及び凸部が互いに嵌合することにより互いに固定されるとともに、凹部及び凸部に設けられた端子同士が当接することにより互いに電気的に接続される。
ケーブル側部51及び基板側部52は、それぞれ基板に沿う方向に長い長尺状に形成されており、複数の細線同軸ケーブル48と、ケーブル側部51との複数の接続位置は、例えば、ケーブル側部51の側面(基板に直交する面)に、ケーブル側部51の長手方向に沿って(例えば1列で)配列されている。
ケーブル側部51の天面(基板側部52と対向する面と反対側の面)には、板金53が設けられている。板金53は、基板31又は基板37の基準電位となるグランドパターン層35に接続された基板側部52の端子に一部が当接するなどして、基板31又は基板37のグランドパターン層35に電気的に接続される。
複数の細線同軸ケーブル48は、導電性テープ55が巻かれることにより束ねられている。導電性テープ55は、例えば導電布の一方の面に導電性の接着剤が塗布されて構成されている。導電布は、例えば布に銅、ニッケル等をメッキして構成されている。布は天然繊維からなるものでも合成繊維からなるものでもよい。接着剤は、例えばアクリル系感圧粘着剤である。導電性テープ55は、接着面を複数の細線同軸ケーブル48に当接させて、複数の細線同軸ケーブル48の略全長に亘って巻かれている。なお、導電性テープは、本発明の導電性シートの一例であり、要は導電性を有すると共に、複数の細線同軸ケーブル48を束ねることのできるものであればよい。
導電性テープ55は、複数の細線同軸ケーブル48の束に対して、例えば、隙間なく(一部を重複させつつ)螺旋状に巻かれている。そして、導電性テープ55の端部55aは、図4(b)の矢印A1や図4(c)に示すように、細線同軸ケーブル48の端部の天面側を覆うようにして板金53に貼り付けられる。従って、導電性テープ55は、板金53を介して基板31及び基板37のグランドパターン層35に電気的に接続される。
複数の細線同軸ケーブル48のうち、コネクタ50への集結部は、導電性テープ55が巻かれるが、図4(c)に示されるように一部が巻かれない部分が生じるため、絶縁性テープ57により被覆される。具体的には、絶縁性テープ57は、図4(c)に示すように、接着面を内側にして折り畳まれ、複数の細線同軸ケーブル48の端部を挟みこんで接着される。絶縁性テープ57は、複数の細線同軸ケーブル48のうち、導電性テープ55が巻かれている部分の端部も挟み込むように、すなわち、導電性テープ55との間に隙間が生じないように貼り付けられる。絶縁性テープ57の天面側の部分57aは、導電性テープ55の上から、導電性テープ55の端部を覆うように、板金53に貼り付けられる。
第2ケーブル46は、第1ケーブル45と同様に、複数の細線同軸ケーブル48にテープが巻かれて構成されるものである。ただし、第2ケーブル46は、導電性テープ55に代えて、絶縁性テープ59(図6参照)が巻かれて構成されている。
なお、第1ケーブル45には、シールドとして機能する導電性テープ55を巻くのに対し、第2ケーブル46には、絶縁性テープ59を巻くのは、携帯電話機1では、第1ケーブル45及び第2ケーブル46は伝達する信号の方式や内容が互いに異なり、第1ケーブル45の方が第2ケーブル46よりもノイズ防止が必要であること、一般に導電性テープ55は絶縁性テープ59よりも厚くなるとともにコスト高になることから、導電性テープ55を巻くのは必要最小限にとどめることが好ましいことからである。
携帯電話機1は、受話筐体2及び送話筐体3の開閉に伴う第1ケーブル45及び第2ケーブル46のばたつきを抑え、かつ、第1ケーブル45の導電性テープ55を確実に基板31のグランドパターン層35に導通させるための構成を有している。以下、その構成について説明する。
図2に示すように、第1ケーブル45を基板31に接続するコネクタ50及び第2ケーブル46を基板31に接続するコネクタ50′は、基板31のうち、連結部4側、かつ、回転軸の一方側(第1ヒンジパーツ39側)の隅部において、長尺方向が基板31の一の側部31c(回転軸に直交する一の縁部)に沿う方向になるように配置されている。コネクタ50は、連結部4の回転軸方向において、凸部9と凹部10との摺動面付近に配置され、コネクタ50′は、連結部4の回転軸方向において、コネクタ50よりも基板内側に配置されている。コネクタ50及びコネクタ50′と、連結部4との距離は、例えば、第2ケーブル46の直径以上、当該直径の2倍未満であり、コネクタ50と、側部31cとの距離は、例えば、第1ケーブル45及び第2ケーブル46の直径の総和程度である。
第1ケーブル45は、コネクタ50のうち基板外側の側面において複数の細線同軸ケーブル48が集結され、また、コネクタ50の連結部4側の端部から延びている。第1ケーブル45は、当該端部から若干側部31cに近づいた後、側部31cに沿って連結部4に向かって延び、第1ヒンジパーツ39の回転中心付近で略直角に屈曲して第1ヒンジパーツ39に挿通されている。不図示ではあるが、その後、第1ケーブル45は、連結部4の内部で回転軸方向に延び、連結部4の回転軸方向中央付近において略直角に屈曲して受話筐体2内部へ入り、受話筐体2の基板37まで延びる。なお、基板31の側部31c(厳密にはその延長線)と、第1ケーブル45の連結部4の内部から送話筐体3側への延出方向(回転軸方向)とは、互いに交差(具体的には直交)している。
第2ケーブル46は、コネクタ50′の基板外側の側面において複数の細線同軸ケーブル48が集結され、コネクタ50′の連結部4側の端部から延びている。第2ケーブル46は、当該端部から連結部4に隣接して連結部4の回転軸方向に沿って延び、第1ケーブル45に到達すると、略直角に屈曲し、第1ケーブル45の基板内側に沿って連結部4に向かって延びる。そして、第2ケーブル46は、第1ヒンジパーツ39の回転中心付近で略直角に屈曲して第1ヒンジパーツ39に挿通されている。不図示ではあるが、その後、第2ケーブル46は、連結部4の内部で回転軸方向に延び、連結部4の回転軸方向中央付近において略直角に屈曲して受話筐体2内部へ入り、受話筐体2に設けられた基板37まで、あるいは、カメラモジュール89まで延びる。なお、基板31の側部31c(厳密にはその延長線)と、第2ケーブル46の連結部4の内部から送話筐体3側への延出方向(回転軸方向)とは、互いに交差(具体的には直交)している。
第1ケーブル45及び第2ケーブル46は、壁部63(導電部)とネジボス65とによって挟持されている。具体的には以下のとおりである。
図2及び図3に示すように、壁部63は、シールドケース32のうち、基板31の側部31c側に沿う側部に設けられている。壁部63は、例えば金属などの導電性材料により形成され、シールドケース32と一体的に形成されている。壁部63は、例えば、基板31の厚さと、第1ケーブル45の直径との総和以上の高さを有しており、シールドケース32と基板31とが積層されたときに、基板31の側部31c側において第2の実装面31bから突出する。また、壁部63は、側部31cに沿う方向において、例えば、コネクタ50の配置領域に亘って形成されるとともに、コネクタ50の配置領域から、連結部4と基板31との境界付近まで、あるいは、境界付近を若干越える位置に亘って形成されている。
壁部63の筐体外側の面には、例えば基板31と電気的に接続されたFPC67が設けられている。FPC67にはスイッチ69が設けられており、送話筐体3の外部に露出するキートップ71(図1参照)により操作可能である。スイッチ69及びキートップ71は、例えば、押圧スイッチ及び押しボタンである。スライドスイッチ及びスライドボタンであってもよい。FPC67やキートップ71は、例えば、ネジなどの固定手段により、あるいは、送話筐体3を組み立てたときに壁部63と正面側ケース18の側面に挟まれることにより、壁部63に対して固定、支持される。
ネジボス65は、正面側ケース21と背面側ケース22とを互いに固定するためのものである。ネジボス65は、例えば非導電性の樹脂により形成され、正面側ケース21の内面から背面側ケース22側へ突出するように、正面側ケース21と一体的に形成されている。ネジボス65は、例えば連結部4の凹部10の角部内側に配置されている。換言すれば、連結部4の回転軸方向においては凸部9と凹部10の摺動面付近、回転軸に直交する方向においては連結部4と基板31との境界付近に配置されている。ネジボス65は、例えば、シールドケース32や基板31等を正面側ケース21に積層したときに、基板31の第2の実装面31bから第1のケーブル45の直径以上突出する長さを有している。ネジボス65には、背面側ケース22に挿通された不図示のネジが螺合され、これにより、正面側ケース21と背面側ケース22とは互いに固定される。
図5(a)は、蓋体23及び背面側ケース22等の一部の部材を省略して送話筐体3の背面側から閉状態の携帯電話機1を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)のVb−Vb線矢視方向の断面図であり、図5(c)は図5(a)のVc−Vc線矢視方向の断面図であり、図6(a)は図5(a)の領域aの拡大図であり、図6(b)は図5(b)の領域bの拡大図(図6(a)のVIb−VIb線矢視方向断面図)であり、図6(c)は図5(c)の領域cの拡大図であり、図6(d)は図5(c)の領域dの拡大図である。
図2、図6(a)、図6(b)に示すように、第1ケーブル45及び第2ケーブル46は、基板31側から連結部4側へ、基板31の側部31cに沿って延び始める部分において、換言すれば、側部31cに沿うように屈曲した付近において、壁部63が第1ケーブル45に、ネジボス65が第2ケーブル46に当接することにより挟持されている。なお、第2ケーブル46は、コネクタ50′から側部31cに沿うまでの間においてネジボス65に押さえ付けられることにより、比較的鋭角に屈曲し、第1ケーブル45も、第2ケーブル46の屈曲部を介してネジボス65に押さえ付けられることにより屈曲している。
図6(b)に示すように、壁部63とネジボス65との距離は、複数の細線同軸ケーブル48を均等に(円形に)配置した場合の第1ケーブル45の直径と第2ケーブル46の直径との総和よりも若干小さい。従って、第1ケーブル45及び第2ケーブル46は、壁部63とネジボス65との間に、断面形状を変形させつつ(複数の細線同軸ケーブル48の配列を変化させつつ)押し込まれ、所定の圧力で壁部63とネジボス65とに挟持される。そして、第1ケーブル45及び第2ケーブル46は、壁部63やネジボス65との摩擦抵抗などにより、ケーブルに沿う方向及びケーブルに直交する方向の双方において、壁部63及びネジボス65により動きが規制される。なお、図2に示すように、第1ケーブル45及び第2ケーブル46は、ネジボス65から第1ヒンジパーツ39に挿通されるまで弛みはほとんどなく、また、第1ヒンジパーツ39によってある程度押さえつけられている。また、第1ケーブル45を形成する複数の細線同軸ケーブル48の略全長に亘って巻かれる導電性テープ55は、当該挟持により押し込まれるように壁部63に当接される。
図6(c)及び図6(d)は、基板31のグランドパターン層35とシールドケース32との導通方法の一例を示している。図6(c)に示すように、シールドケース32は、リブ32aがグランドパターン層35に当接することにより、グランドパターン層35に電気的に接続される。また、図6(d)に示すように、シールドケース32は、基板31のグランドパターン層35に挿通されたネジ75がシールドケース32に螺合されることにより、グランドパターン層35に電気的に接続される。すなわち、シールドケース32に形成された壁部63もグランドパターン層35に電気的に接続される。
図7は、携帯電話機1の信号処理系の構成の一例を示すブロック図である。携帯電話機1では、例えば、受話筐体3に、制御部81、通信処理部82及び音響処理部83が設けられ、送話筐体2に、音響処理部86、87、画像処理部88、カメラモジュール89が設けられている。
制御部81は、CPU、ROM、RAM及び外部記憶装置を含んで構成され、操作部7等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部88等の各種手段の制御を実行する。
通信処理部82は、高周波回路を含んで構成され、電波を利用した無線通信を行うために、制御部81で処理された音声データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ85を介して送信する。また、通信処理部82は、アンテナ85を介して受信した信号を復調して制御部81に出力する。
送話筐体3の音響処理部83は、マイクロフォン84からの音響信号を音響データに変換して制御部81に出力する。受話筐体2の音響処理部86は、制御部81からの音響データを音響信号に変換して通話用のスピーカ90に出力する。また、受話筐体2の音響処理部87は、制御部81からの音響データを音響信号に変換して、報知用スピーカ91に出力する。
画像処理部88は、制御部81からの画像データを画像信号に変換して表示部6に出力する。カメラモジュール89は、CCD等の撮像素子(不図示)を含み、撮像素子により光から電気信号に変換された信号を所定のフォーマットの画像データに変換して制御部81へ出力する。
制御部81と、音響処理部86、87、画像処理部88との間の信号の入出力は、第1ケーブル45を介して行われる。通信方式は、例えばシリアル方式である。なお、音響処理部86、87、画像処理部88の少なくともいずれかの処理部を送話筐体3に設け、当該処理部とスピーカ90、91、表示部6との間で第1ケーブル45を介して信号の入出力を行ってもよい。制御部81とカメラモジュール89との信号の入出力は、第2ケーブル45を介して行われる。
以上の実施形態によれば、携帯電話機1の開閉の際には、第1ケーブル45のうち、回転軸に沿う部分に捩れ変形が生じ、また、第1ケーブル45の余裕(弛み、遊び)が増減する。これにより、受話筐体2と送話筐体3との相対回転が許容される。この際、第1ケーブル45のうち回転軸に沿う部分では、複数の同軸ケーブル48は互いに滑りつつ螺旋状になることから、第1ケーブル45全体としては比較的柔軟に捩れ変形が生じる。すなわち、適度な可撓性が得られることとなり、携帯電話機1の開閉動作に伴う相対回転により第1ケーブル45は破断されにくくなる。さらに、壁部63及びネジボス65により第2ケーブル46を介して第1ケーブル45を挟持し、壁部63を基板31のグランドパターン層35に導通させているから、携帯電話機1の開閉に伴う第1ケーブル45のばたつきを抑えることができるとともに、第1ケーブル45の導電性テープ55が壁部63に当接されて電気的に接続されることにより確実に接地することができる。しかも、壁部63は第1ケーブル45のばたつきを抑える位置決め部材と導電性テープ55を接地する導通部材とを兼ねているから部品点数を削減して簡素な構成とすることができる。また、第1ケーブル45は細線同軸ケーブル48の束であるから、第1ケーブル45の断面形状を適宜に変形させつつ適宜な圧力で挟持することができ、細線同軸ケーブル48に無理な力を加えずにばたつきを抑えることができる。
第1ケーブル45は、基板31の側部31cに交差する方向に連結部4の内部から延出し、その側部31cに沿って設けられた壁部63により、基板31の外側から内側の方向へ押し付けられる。従って、壁部63により確実に導通がとられるとともに、筐体組み立て時に第1ケーブル45が基板31外方へはみ出すことが防止される。また、横からの衝撃も緩和される。
第1ケーブル45は、壁部63と、正面側ケース21及び背面側ケース22を互いに固定するためのネジボス65とにより挟持されるから、挟持のための部品を改めて設置する必要がない。
ネジボス65は連結部4の凹部10の形成部と一体形成されているから、挟持のためのネジボス65を連結部4に隣接して設け、第1ケーブル45に連結部4付近で当接してばたつきを効果的に抑制することができるとともに、ネジボス65及び連結部4の強度を互いに補強することができる。
壁部63は、スイッチ69やキートップ71等を支持しており、第1ケーブル45の位置決め、導通だけでなく、更なる有効活用が図られる。
なお、以上の実施形態において、携帯電話機1は本発明の電子機器の一例であり、受話筐体2は本発明の第1筐体の一例であり、送話筐体3は本発明の第2筐体の一例であり、基板37の電子回路(画像処理部88等)や表示部6は本発明の第1電子回路の一例であり、基板31の電子回路34(制御部81等)は本発明の第2電子回路の一例であり、第1ケーブル45は本発明の複数のケーブルの束の一例であり、導電性テープ55は本発明の導電性シートの一例であり、壁部63及びネジボス65は本発明の挟持部の一例であり、正面側ケース21は本発明の第1ケース部材の一例であり、背面側ケース22は本発明の第2ケース部材の一例である。
本発明は以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施してよい。
例えば、本実施形態においては、第1ケーブル45は第2ケーブル46を介して壁部63及びネジボス65に挟持される構成となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1ケーブル45が第2ケーブル46を介することなく直接壁部63及びネジボス65によって挟持される構成としてもよい。この場合、壁部63とネジボス65との距離は第1ケーブル45の直径よりも若干小さくなるよう形成すればよい。
電子機器は、連結された筐体間の信号の入出力を仲介するケーブルを備えるものであればよく、携帯電話機に限定されない。デジタルカメラ、ノートパソコンであってもよい。また、連結された筐体は、折り畳み式のものに限定されず、例えば、2筐体を互いに回転且つスライドさせる、いわゆるリボルバー式のものであってもよい。
挟持部は、所定の圧力でケーブルを両側から押し付けることができるものであればよく、壁部及びネジボスにより構成されるものに限定されない。例えば、筐体内に設けられたカメラモジュール等の各種電子部品のホルダにより挟持部を構成してもよい。
本発明の実施形態に係る携帯電話機を示す外観斜視図。 図1の携帯電話機の一部を省略して示す斜視図。 図1の携帯電話機の一部を省略して示す分解斜視図。 図1の携帯電話機のケーブルの構成を説明する図。 図1の携帯電話機のケーブルの配置方法を説明する図。 図1の携帯電話機のケーブルの配置方法を説明する図。 図1の携帯電話機の信号処理系の構成を示すブロック図。
符号の説明
1…携帯電話機(電子機器)、2…受話筐体(第1筐体)、3…送話筐体(第2筐体)、4…連結部、6…表示部(第1電子回路)、34…電子回路(第2電子回路)、55…導電性テープ(導電性シート)、48…細線同軸ケーブル、45…第1ケーブル(複数のケーブルの束)、63…壁部(挟持部)、65…ネジボス(挟持部)。

Claims (5)

  1. 第1筐体と、
    第2筐体と、
    前記第1筐体に収納された第1電子回路と、
    前記第2筐体に収納された第2電子回路と、
    前記第1筐体と前記第2筐体とを回転可能に連結する連結部と、
    導電性シートが巻かれて互いに束ねられ、前記連結部の内部に挿通されて前記第1電子回路と前記第2電子回路とを電気的に接続する複数のケーブルの束と、
    前記第2筐体に設けられ、前記複数のケーブルの束を挟持して位置決めする挟持部と、
    を備え、
    該挟持部は導電部を含み、該導電部と前記導電性シートとが当接されると共に前記導電部と前記第2筐体内に備える基準電位部とが電気的に接続されている
    電子機器。
  2. 前記第2電子回路は前記第2筐体に設けられた回路基板に設けられ、
    前記複数のケーブルの束は、前記連結部の内部から前記第2筐体に設けられた前記回路基板の側部に対して延出し、
    前記挟持部の前記導電部は、前記側部に沿って設けられた壁部である
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記第2筐体は、前記回路基板を挟むように配置された第1ケース部材と第2ケース部材とを有し、
    前記第1ケース部材及び前記第2ケース部材は、前記第2ケース部材に挿通されたネジが前記第1ケース部材に形成されたネジボスに螺合することにより互いに固定され、
    前記ネジボスは、前記壁部に前記ケーブルを挟んで対向する位置に設けられて前記挟持部の一部を構成し、
    前記複数のケーブルの束は、前記壁部と前記ネジボスとにより挟持される
    請求項2に記載の電子機器。
  4. 前記ネジボスは前記連結部と一体形成されている
    請求項3に記載の電子機器。
  5. 前記第2筐体には、前記壁部のうち前記回路基板の外側の面に支持されたスイッチと、前記第2筐体の外部へ露出し、前記スイッチを操作可能なキートップとが設けられている
    請求項2に記載の電子機器。


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