JP2007298266A - 給湯機用水熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的単純な構造で、流通せしめられる水に対する抵抗を低くしつつ、熱交換性能を大幅に向上させることによって、瞬間湯沸しを可能とした、コンパクトな水熱交換器を提供すること。
【解決手段】扁平な矩形の角筒形状とされたシェル本体部16の対向する両端部のそれぞれに、外向きに次第に幅狭となる台形形状とされた入口部18aと出口部18bとを取り付けて、角筒形状においてシェル12を形成すると共に、所定距離を隔てて互いに平行に配置された複数の直線状のストレート管部22の隣り合う端部同士を、U字状に湾曲せしめたヘアピン形状部24により交互に連結することによって、全体として蛇行形状となるように伝熱管14を形成し、かかる伝熱管14を、そのストレート管部22の長さ方向が、シェル12内を流れる水の向きに対してほぼ直行する方向となるように、シェル12の内部空間内に収容、配置せしめて、水熱交換器10を構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換媒体と水との間で熱交換を行う水熱交換器に係り、中でも、炭酸ガスを主成分とする冷媒と水とを熱交換するための水熱交換器に関するものである。
従来から、熱交換媒体(冷媒)と水とを熱交換する給湯機用水熱交換器として、冷媒を流通させる流路(冷媒側流路)と水を流通させる流路(水側流路)の2つの伝熱管を組み合わせて、水と冷媒との間で熱交換を行うようにした水熱交換器が、各種用いられてきている。
そして、そのような水熱交換器で用いられる熱交換媒体(冷媒)としては、従来のフロン系冷媒に代えて、オゾン層保護や地球温暖化防止の観点から、温暖化係数の低い自然冷媒が注目されてきており、近年、この自然冷媒を利用した熱交換器(ヒートポンプ)の開発が行われている。また、そのような自然冷媒の中でも、特に、炭酸ガスを用いた場合にあっては、高温高圧のガス条件が得られることから、特に注目されている。
ところで、このような炭酸ガスを主成分とする冷媒と水との間で熱交換を行う方式の熱交換器としては、特許文献1〜6に開示されているもののように、内部に冷媒を流通させる伝熱管と、内部に水を流通させる伝熱管とを組み合わせて、一つの熱交換器を構成するものが、各種提案されている。
それら特許文献1〜6のうち、例えば、特開2001−280862号公報(特許文献1)においては、内部に水等のブラインが流通せしめられる、長手方向に凹状の溝が形成されたパイプを用い、かかるパイプの溝に、内部を冷媒が流動せしめられるパイプを嵌合せしめて、水と冷媒との間で熱交換をするようにしたブライン熱交換器が、明らかにされている。また、特開2003−214778号公報(特許文献2)においては、内部に被熱交換液が流される第1熱交換パイプの周壁に、その軸方向に沿って窪み部を形成し、その窪み部内に、内部に所定の熱媒体が流される第2熱交換パイプを配設し、それら第1熱交換パイプと第2熱交換パイプをロウ付けして、一体化することにより、両者間に隙間が生じることなく、第2熱交換パイプ内を流れる熱媒体の熱が、ロウ材を介して、第1熱交換パイプ内を流れる被熱交換液に伝達されて、熱交換されるようにしたものが、明らかにされている。
さらに、特許文献4や特許文献6においては、外管の内部に、螺旋状に撚り合わされた複数の内管が装着されて、外管内に複数の流路が形成されると共に、内管の内部及び/又は外管と内管との隙間に形成される流路に、螺旋状の捩りテープが装入されている伝熱管が、明らかにされている。一方、特許文献5においては、内管と外管からなる二重管式の熱交換器において、内管と外管との間に形成される流路を螺旋状に仕切る伝熱促進体を介設して、かかる流路の流路長を増大させると共に、流れる流体の流速および乱流化を増大せしめて、内管内を流れる流体から内管と外管との間を流れる流体への伝熱が促進されるようにした二重管式熱交換器が、明らかにされている。
しかしながら、それら特許文献1〜6にて明らかにされている水熱交換器の何れにあっても、水側の伝熱促進作用が効果的に発揮されるものではないため、熱交換性能を向上させることが難しく、例えば給湯機としての瞬間湯沸しを実現することは困難であったのである。因みに、この種の水熱交換器における瞬間湯沸しと言われる状態を実現するためには、通常の家庭での水道の蛇口を開いた際の水の流量である、およそ8L/分の水を、約45℃のお湯として、その場で提供出来る程度の熱交換能力が必要とされており、これには、熱交換器の大きさを大きくすれば容易に実現することが可能ではあるが、家庭用給湯機に、そのような対策を採ることは極めて困難であったのである。けだし、家庭用の給湯機にあっては、その大きさをより小型化することが求められているため、そのような給湯機に用いられる水熱交換器においても、そのコンパクト化を図ることが、求められているからである。従って、そのようなコンパクト化によって熱交換性能が今一つ充分でない水熱交換器を用いた場合にあっては、事前に少量ずつ熱交換したお湯を、貯蔵タンクに貯めておく方式をとっているのが、現状であった。
加えて、特許文献2や特許文献3に開示のものにあっては、冷媒側の流路が水流路に張り出した形状とされているために、水側の圧力損失が増大してしまい、給水ポンプの揚程不足を招く等の問題を内在しており、さらに、特許文献2のように、伝熱管同士をロウ付けにて接合しているタイプにおいては、ロウ付け部の不良によって、冷媒側流路と水側流路の接触面積不足を招き易く、その結果、伝熱性能のバラツキが生じやすいと言う欠点をも、内在するものであった。また、そのようなロウ付け不良による歩留低下を招くことにより、生産性が低下したり、コストアップしてしまうといった問題もあった。
さらに、特許文献4〜6においては、比較的大径の水側流路の内部に、比較的小径の冷媒側流路を装入した形態の二重管式熱交換器が、明らかにされているのであるが、特許文献4に開示のようなタイプの伝熱管を用いたものにあっては、内部に侵入した冷媒側の流路の位置を安定させることが難しく、使用しているうちにそれらの位置が動いてしまい、初期の性能を保ち続けることが困難となる問題を内在するものであった。また、特許文献5や特許文献6に開示されたもののように、特許文献4で問題とされた、流路が安定しないという問題の対策として、水側流路とされた外管と、冷媒側流路とされた伝熱管との間に、伝熱促進体を兼ねた支え板を設置した場合にあっては、確かに冷媒側流路の位置は安定するものの、そのような支え板の存在によって、水側流路内にスケールの発生が生じやすいという問題を新たに惹起するものであった。
特開2001−280862号公報 特開2003−214778号公報 特開2003−202194号公報 特開2003−343995号公報 特開2001−201275号公報 特開2004−257691号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、比較的単純な構造で、流通せしめられる水に対する抵抗を低くしつつ、熱交換性能を大幅に向上させることによって、瞬間湯沸しを可能とした、コンパクトな水熱交換器を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、扁平な矩形角筒形状の対向する一方の開口端に水入口部が、そして他方の開口端に水出口部が、それぞれ形成されて、内部に熱交換されるべき水が流通せしめられるようにした箱体状のシェルを備える一方、該シェルの内部空間内に、熱交換媒体が内部に流通せしめられる伝熱管を配してなる構造の給湯機用水熱交換器にして、前記伝熱管を、前記水入口部と前記水出口部との間に所定の間隔を隔てて配列された互いに平行な複数のストレート管部と、該複数のストレート管部の隣り合う端部同士を交互に連結する、U字状に湾曲せしめられた、外周面が平滑なヘアピン形状管部とから、蛇行形状に形成され、且つ該複数のストレート管部の外周面にのみ外面フィンが一体的に形成されてなる外面フィン付き管にて構成して、前記シェル内に収容せしめたことを特徴とする給湯機用水熱交換器を、その要旨とするものである。
なお、本発明に従う給湯機用水熱交換器の望ましい態様の一つによれば、前記ストレート管部と前記ヘアピン形状管部とが1本の管体に対して交互に形成されて、前記外面フィン付き管が一体構造において構成されることとなる。
また、本発明に従う給湯機用水熱交換器の望ましい態様の他の一つによれば、前記外面フィン付き管の内面に、伝熱促進加工が施されているのであり、更に別の好ましい態様の一つによれば、前記外面フィン付き管の外面の表面積が、平滑な内面の表面積の10倍以上とされている。
さらに、本発明の別の望ましい態様の一つにあっては、前記外面フィン付き管の外面フィンが、転造によって螺旋状に形成されることとなり、更に別の望ましい態様の一つによれば、前記外面フィン付き管が、銅若しくは銅合金からなる材質にて形成されている。そして、本発明にあっては、少なくとも、そのような伝熱管としての外面フィン付き管の外面に対して、錫めっきが有利に施されることとなるのである。
このような本発明に従う給湯機用水熱交換器の構成によれば、内部に熱交換される水が流通せしめられる箱体状のシェルの内部に、内部を熱交換媒体が流通せしめられる伝熱管を、蛇行形状に形成して、配置しているところから、矩形角筒形状とされたシェルの対向する一方の開口端に設けられた水入口部から流入した水が、他方の開口端に設けられた水出口部にまで流通せしめられる間に、蛇行した伝熱管と充分に接触せしめられることとなり、以て、伝熱管内部を流通する熱交換媒体の持つ熱を、シェル内部を流通する水に対して、効果的に伝達せしめることが出来、水熱交換器の熱交換性能を有利に向上せしめることが可能となるのである。
また、そのように蛇行せしめられた伝熱管の外周面のうち、所定間隔を隔てて、互いに平行とされた複数のストレート管部の外周面に、外面フィンが一体的に形成されているところから、水と伝熱管との接触面積を更に増大させることが出来、以て、熱交換性能をより一層向上せしめることが可能となる。
しかも、そのようなストレート管部のみに外面フィンが形成される一方、かかるストレート管部の隣り合う端部同士を交互に連結する、U字形状とされたヘアピン形状部の外周面には、外面フィンが形成されてはいないところから、シェル内部を流通せしめられる水の流れを阻害することはなく、そのため、水の抵抗が高くなって、圧力損失が増大してしまうと言った問題も、有利に改善され得ることとなるのである。
このように、本発明に従う給湯機用水熱交換器によれば、扁平な矩形角筒形状のシェル内に収容せしめた伝熱管を蛇行形状とすると共に、ストレート管部の外周面にのみ外面フィンを一体的に形成することによって、水の流通に対する抵抗が上昇するのを有利に抑制しつつ、シェル内を流通せしめられる水と伝熱管との接触面積が効果的に増加させられることとなり、以て、伝熱管内部を流通せしめられる伝熱媒体の熱を、シェル内を流通せしめられる水に対して効果的に伝達可能となるのである。そして、その結果、水熱交換器の大きさをコンパクト化した際にも、充分な熱交換能力を発揮することが出来るため、瞬間湯沸し可能な給湯機用水熱交換器を提供することが可能となるのである。
なお、本発明に従う給湯機用水熱交換器の望ましい態様の一つによれば、シェル内に配置される、内部に熱交換媒体が流通せしめられる伝熱管が、ストレート管部とヘアピン形状管部とが1本の管体に対して交互に形成された、一体構造において構成されていることにより、水熱交換器の生産性を効果的に向上せしめることが可能となる利点がある。これは、伝熱管を蛇行した形状に形成する際に、外面フィンが形成された部位と形成されていない部位とが交互に形成されたストレート状の伝熱管を用意して、かかる外面フィンが形成されていない部位を、単に、ヘアピン形状に曲げ加工をするのみで、所定の間隔を隔てて配列された互いに平行な複数のストレート管部と、そのようなストレート管部の隣り合う端部同士を交互に連結する、U字状に湾曲せしめられたヘアピン形状管部とからなる蛇行形状の伝熱管を、容易に形成することが出来るからである。
また、本発明の別の好ましい態様の一つに従って、かかる外面フィン付き管の内面にも伝熱促進加工を施すことによって、より熱交換効率を高めることが可能となると共に、更に別の好ましい態様の一つに従って、そのような外面フィン付き管の外面の表面積を、平滑な内面の表面積の10倍以上とすることにより、伝熱管の内部を流れる熱交換媒体の熱を、より効果的に水へと伝達して、熱交換能力の向上を図ることが出来る。
さらに、本発明の好ましい態様の更に別の一つに従って、かかる外面フィン付き管を、転造加工を行って螺旋状に形成することにより、ストレート管部には外面フィンが形成され、ヘアピン形状管部には外面フィンが形成されていない伝熱管の生産性を、有利に向上することが出来るのである。
更にまた、本発明の望ましい態様の一つに従って、前記した外面フィン付き管を、熱伝導率の高い銅若しくは銅合金からなる材質にて形成することによって、更に熱交換性能を向上することが可能となる。
加えて、本発明に従って、少なくともかかる外面フィン付き管の外面に対して、錫めっきを施すことによって、管材質である銅若しくは銅合金が2価の銅イオンとして水に溶け出してしまうことを抑制するようにすれば、伝熱管の耐食性が有利に確保されることとなる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う水熱交換器の一実施形態が、示されている。そこにおいて、かかる実施形態が、(a)では、縦方向にシェルの外壁の一面を切り欠いた平面図の形態として、また(b)では、横方向にシェルの外壁の一面を切り欠いた背面図の形態として、それぞれ示されている。そして、それらの図から明らかなように、水熱交換器10は、扁平な角筒形状とされたシェル12の内部空間に、蛇行形状を呈する伝熱管14が一段収容、配置せしめられて、構成されているのである。
より詳細には、シェル12は、扁平な矩形の角筒形状とされたシェル本体部16と、かかるシェル本体部16の対向する両端部、換言すれば、図1において左右方向の両端部のそれぞれに、外向きに次第に幅狭となる台形形状とされた入口部18aと出口部18bとが取り付けられた角筒形状において、所定の金属材料によって形成されている。また、それら入口部18aと出口部18bには、水入口側パイプ20aと水出口側パイプ20bとが、シェル12の内部空間に連通せしめられるように、それぞれ取り付けられている。そして、水入口側パイプ20a側からシェル12内に流入した水が、シェル12の内部空間内を流通せしめられた後、水入口側パイプ20aとは反対側の端部に設けられた水出口側パイプ20bから、排出されるようになっている。
一方、伝熱管14は、直線状のストレート管部22の複数が、所定距離を隔てて互いに平行に配置されると共に、それらストレート管部22の隣り合う端部同士を、U字状に湾曲せしめられたヘアピン形状部24によって、交互に連結することによって、全体として蛇行形状となるように形成されている。このようなストレート管部22とヘアピン形状部24とから構成される伝熱管14は、ここでは、りん脱酸銅からなる、1本の管体を曲げ加工することによって、一体構造において形成されている。なお、この伝熱管14を形成する材質としては、所望の伝熱性能に応じて、例示のりん脱酸銅を始め、各種の公知の金属材料を用いることが可能であるが、望ましくは、銅または銅合金を用いて形成されることとなる。
ところで、かかる構造の伝熱管14の製作に際しては、それらストレート管部22とヘアピン形状部24とを、それぞれ別体として形成しておいて、所定形態となるようにロウ付け等をすることによって、それらを組み付け、目的とする蛇行形状を呈するように一体的に構成することにより、伝熱管14を形成することも可能ではあるが、本実施の形態の如く、一体構造とすることが望ましい。これは、ロウ付けにてストレート管部22とヘアピン形状部24とを接合した場合にあっては、それらをロウ付けをするために外周面が平滑な部分が必要となるため、ストレート管部において外面フィンが形成された部分が少なくなってしまい、伝熱管の外周面の面積増加による伝熱性能の向上効果を阻害し、熱交換効率が低下してしまう問題を惹起する他、水の流路にロウ付け部が存在すると、ロウ付けに用いるロウ材と伝熱管の材質との電位差によって、腐食が発生してしまう恐れがあるところから、そのようなロウ付け部がない方が好ましいのである。
そして、かかる伝熱管14において、そのストレート管部22の外周面には、図2(a)及び(b)に示されるように、所定の幅(t)及び高さ(h)とされた外面フィン26が、所定の間隔(P)をもって、螺旋状に形成されているのである。なお、このような外面フィン26は、ヘアピン形状部24には形成されておらず、ヘアピン形状部24の外周面は、平滑な外周面とされている。
また、このような螺旋状の外面フィン26は、公知の各種の手法を用いて形成されることとなるが、中でも、転造加工にて形成されることが望ましい。そして、転造加工を用いて、伝熱管14のように、外面フィンが形成された箇所と形成されていない箇所とが交互に設けられた伝熱管を形成する際には、例えば、直管状の外周面が平滑とされた管体に対して、必要な箇所のみ転造加工を行い、部分的に外面フィンを形成する方法のほか、管体の全長に亘って、転造加工にて外面フィンを形成した伝熱管を作製した後、蛇行形状に曲げ加工する際に、ヘアピン形状部となる部分の外面フィンを、切削加工によって削り落として外周面を平滑とすることによって、外面フィンが形成された部位と形成されていない部位とが交互に存在する伝熱管を形成する方法等、各種の方法が採用可能である。
そして、かくの如き蛇行形状に構成された伝熱管14を、そのストレート管部22の長さ方向が、シェル12内を流れる水の向きに対してほぼ直行する方向となるように、シェル12の内部空間内に収容、配置せしめると共に、伝熱管14の冷媒入口側の端部28aと出口側の端部28bとが、シェル12の外壁部を貫通して、シェル12外部に導かれるようにされることによって、水熱交換器10が形成されるのである。このような水熱交換器10においては、水入口側パイプ20aから導入せしめられた水が、シェル12内を流通して、水出口側パイプ20bから排出される間に、伝熱管14内部を流通せしめられる高温の冷媒(伝熱媒体)の熱によって加熱せしめられて、水と伝熱媒体との間で、有効な熱交換が行われることとなる。
このように、本発明に従う水熱交換器10によれば、シェル12を構成する矩形角筒形状のシェル本体部16の対向する両端部の一方の端部の入口部18aに設けられた水入口側パイプ20aから導入された水が、シェル12(シェル本体部16)の内部空間を流通して、反対側の端部の出口部18bに設けられた水出口側パイプ20bまで流れる間に、蛇行形状とされた伝熱管14の、互いに平行に配置された複数のストレート管部22の回りを、順次通過するように構成されているため、小さなシェル12内でも、水が、伝熱管14に対して効果的に接触せしめられることとなり、以て、熱交換効率を有利に向上することが出来るのである。
また、伝熱管14におけるストレート管部22の外周面には、外面フィン26が形成されているところから、シェル12内を流通する水と伝熱管14とが接触する面積が効果的に増大せしめられることとなり、その結果、伝熱管14の内部を流れる高温の伝熱媒体の熱を、充分な接触面積をもって水に伝達することが可能となるのである。なお、この外面フィン26によって増加せしめられる外表面の面積は、伝熱管14の内周面の表面積の10倍以上となることが、望ましい。これは、内周面の面積に対する外周面の面積が10倍未満となるような場合には、熱交換能力の向上が不十分となってしまい、瞬間湯沸しの実現が困難となるからである。
さらに、本実施の形態にあっては、伝熱管14のストレート管部22とヘアピン形状部24とが一体的に形成されているところから、ストレート管部22の外周面に外面フィン26を効果的に形成することが可能となる。なお、このような伝熱管14の外周面に形成した外面フィン26による伝熱促進効果を効果的に高めるためには、外面フィン26が形成されていないヘアピン形状部24の領域を出来るだけ少なくすることが望ましく、また、図3の(a)や(b)に示されるように、シェル12の外壁(側板)からヘアピン形状部24までの距離(b)や外面フィン26の最外周部までの距離(c)、ヘアピン形状部24の曲げ半径(R)を、出来るだけ少なくすることが望ましい。
しかも、例示の実施形態においては、蛇行形状を呈するように構成された伝熱管14のヘアピン形状部24の外周面には、外面フィンが何等設けられておらず、平滑な表面とされているところから、シェル12内を流通する水の流れを阻害せず、以て、圧力損失が可及的に生じないという利点も有している。つまり、ヘアピン形状部24にも、外面フィンが設けられている場合には、ヘアピン形状部24の頂点付近において、フィン角度が水の流れを阻害する向きとなってしまう恐れがあるからである。一方、ストレート管部22に形成された外面フィン26は、シェル12内を流れる水の向きと、この外面フィン26が形成されている向きとがほぼ平行となるようになっているところから、圧力損失を小さく出来るのである。
このように、本実施形態の如き構成によれば、伝熱管内部を流れる伝熱媒体から水への熱伝達性能を、効果的に向上することが可能となるところから、その大きさをコンパクト化した際にも、高い熱交換性能を発揮することが出来、その結果、家庭用等の小さな給湯機で用いられる水熱交換器においても、瞬間湯沸しを達成することの出来る、給湯機用水熱交換器を提供することが可能となるのである。
以上、本発明の代表的な実施形態の一つについて詳述してきたが、それは、あくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、そのような実施形態に係る具体的な記述によって、何等限定的に解釈されるものではないことが、理解されるべきである。
例えば、前述した実施形態においては、内周面が平滑とされた伝熱管を用いたが、内面に各種の伝熱促進加工が施された伝熱管、例えば、内周面に多数の溝(乃至はフィン)や突起が形成されてなる内面溝付き伝熱管を用いることも、勿論可能であり、本発明においても有利に採用され得るところである。
ところで、この種の水熱交換器においては、水が流通する部分、即ちシェルの内面や伝熱管の外面を、銅若しくは銅合金で構成した場合において、水のpHが酸性側やアルカリ性側に変化すると、これらの銅若しくは銅合金が2価の銅イオンとして水に溶け出し易くなる。一方、使用する水中には種々の成分が含まれており、この中で溶解性SiO2 は未飽和であっても、2価の金属イオンが存在すると析出して、スケールを形成する傾向がある。そして、給湯水に溶け出した2価の銅イオンにより、水中の溶解性SiO2 が析出して、スケールを形成したり、使用時に石鹸や炭酸ガス等と反応して、青水となる等の問題を内在している。また、腐食が進行して、シェルの内面や伝熱管に孔をあけてゆく孔食の危険性もある上、表面の錆で荒れた部分に水垢等のスケールがつき易くなり、熱交換効率を悪くするという問題もある。
このため、その対策として、伝熱管やシェルが銅若しくは銅合金にて形成されている場合において、水が流通する部分のシェル内面や伝熱管外面に錫めっきを施すことが推奨され、これにより、銅イオンの溶け出しが効果的に抑制され、以て耐食性が有利に確保せしめられ得るのである。特に、本発明においては、伝熱特性を考慮して、少なくとも伝熱管が銅若しくは銅合金材質とされるところから、少なくとも伝熱管の外面に対して錫めっきが施されることとなるが、またシェルも銅若しくは銅合金材質とされる場合があり、そのときには、シェル内面に対しても、錫めっきが施されることとなる。
なお、そのようなシェルの内面や伝熱管の外面に対し錫めっきを施す方法としては、例えば、予めその内面に錫めっきを施したシェルや、予め外面に錫めっきを施した伝熱管を使用し、それらを組み付けるという方法がある他、シェルの内部空間内に伝熱管を収容、配置せしめた後、シェルの内部に錫のめっき液を流通せしめる置換めっき法による方法等があり、本発明においては適宜に採用されることとなる。
その他、一々列挙はしないが、本発明が、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施されるものであり、また、そのような実施の態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、何れも、本発明の範疇に属するものであることは、言うまでもないところである。
以下に、本発明の代表的な実施例の一つを示し、本発明の特徴を更に明確にすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。
先ず、本発明に従う水熱交換器を構成する、冷媒側流路として用いる伝熱管として、図2に示すような外面フィン付き伝熱管を転造加工によって製作した。その材質としては、りん脱酸銅管(JIS H 3300 C1220)を用いて、内径(d1 ):5.0mm、外径(d2 ):9.52mm、とし、外面フィンは、フィン高さ(h):7.74、フィン外径(D):25mm、フィンピッチ(P):3mm、フィン厚さ(t):1.0mmとなるように、螺旋状に形成した。そして、このような外面フィンが形成された部分の長さを144mmとし、フィンが形成されていない外周が平滑な部分の長さを42mmとして、それらを交互に形成した伝熱管を用意した。
そして、そのように用意した伝熱管の、管外周面が平滑な部分において、管の中心部での半径(R)が13mmとなるようにヘアピン曲げを行い、外面フィンが形成されたストレート管部において、それぞれのフィン先端間の間隔(a)が1mmとなるようにして、フィン形成部(ストレート管部)を互いに平行となるように1段で8列配置した。
一方、水側流路となるシェルは、板厚:2mmのステンレス(SUS304)板を用いて、図1に示したような、長さ(L):240mm、幅(W):200mm、厚さ(T):45mmの大きさの箱体状に形成した。そして、そのようなシェル内部に、蛇行形状に形成した伝熱管を収容、配置せしめて、水熱交換器を構成した。なお、このとき、側板から伝熱管のヘアピン形状部までの距離(b)は10mm、上下板から伝熱管のフィン最外周部までの距離(c)は10mmとなるようにした。
このように用意された水熱交換器について、伝熱管内部に、100℃に加熱したCO2 冷媒を流通せしめると共に、シェル内に、25℃の水を流量8L/分にて流通せしめて、熱交換を行ない、水熱交換器の出口から排出せしめられる湯の温度を測定したところ、瞬間湯沸しで求められる45℃の温度を達成することが出来ることを確認した。
本発明に従う水熱交換器の一例において、そのシェル本体部の一部を切り欠いた状態で示す説明図であって、(a)は、平面図の形態において、(b)は、背面図の形態において、それぞれ示している。 本発明に従う水熱交換器に用いられる外面フィン付き伝熱管の一例を示す説明図であって、(a)は、斜視図の形態において、(b)は、縦断面の形態において、それぞれ示している。 図1に示される水熱交換器の一部を拡大して示す説明図であって、(a)は、図1(a)におけるA部拡大説明図、(b)は、図1(b)におけるB部拡大説明図である。
符号の説明
10 水熱交換器
12 シェル
14 伝熱管
16 シェル本体部
18a 入口部
18b 出口部
20a 水入口側パイプ
20b 水出口側パイプ
22 ストレート管部
24 ヘアピン形状部
26 外面フィン

Claims (7)

  1. 扁平な矩形角筒形状の対向する一方の開口端に水入口部が、そして他方の開口端に水出口部が、それぞれ形成されて、内部に熱交換されるべき水が流通せしめられるようにした箱体状のシェルを備える一方、該シェルの内部空間内に、熱交換媒体が内部に流通せしめられる伝熱管を配してなる構造の給湯機用水熱交換器にして、
    前記伝熱管を、前記水入口部と前記水出口部との間に所定の間隔を隔てて配列された互いに平行な複数のストレート管部と、該複数のストレート管部の隣り合う端部同士を交互に連結する、U字状に湾曲せしめられた、外周面が平滑なヘアピン形状管部とから、蛇行形状に形成され、且つ該複数のストレート管部の外周面にのみ外面フィンが一体的に形成されてなる外面フィン付き管にて構成して、前記シェル内に収容せしめたことを特徴とする給湯機用水熱交換器。
  2. 前記ストレート管部と前記ヘアピン形状管部とが1本の管体に対して交互に形成されて、前記外面フィン付き管が一体構造において構成されている請求項1に記載の給湯機用水熱交換器。
  3. 前記外面フィン付き管の内面に、伝熱促進加工が施されている請求項1または請求項2に記載の給湯機用水熱交換器。
  4. 前記外面フィン付き管の外面の表面積が、平滑な内面の表面積の10倍以上とされている請求項1乃至請求項3の何れか一つに記載の給湯機用水熱交換器。
  5. 前記外面フィン付き管の外面フィンが、転造によって螺旋状に形成されている請求項1乃至請求項4の何れか一つに記載の給湯機用水熱交換器。
  6. 前記外面フィン付き管が、銅若しくは銅合金からなる材質にて形成されている請求項1乃至請求項5の何れか一つに記載の給湯機用水熱交換器。
  7. 少なくとも前記伝熱管としての外面フィン付き管の外面に錫めっきを施したことを特徴とする請求項6に記載の給湯機用水熱交換器。
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