JP4174478B2 - 熱交換パイプ - Google Patents
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Description
これらの公知技術では、加熱水又は冷却水で温調させた熱交換器内に配置したパイプに空気を導き、パイプ内を流動する間に空気を加熱・冷却するようにしている。ところが、単純に空気をパイプ内に流動させると、パイプの内壁面に沿って移動する空気だけがパイプ壁を介して温調された水と接触するから、中心部側を流動する空気に対する熱交換率を高めることができない。
この問題点は、特許文献2(段落番号0015参照)においてすでに示唆されている。
特許文献2では、空気への伝熱効率を高めるために、パイプ内面の表面積を大きくするために内面にフィンを取り付けたり、パイプを長さ方向で波板状にすることを提案している。しかし、前者のフィンの形態は不明であるし、波板状のパイプ形態も不明である。これらの形態如何によっては空気の流動抵抗が大きくなってしまうから、空気を動かすファンに掛かる負荷も大きくなる不都合がある。
パイプの直径より大きい幅を有する薄肉板を幅方向に湾曲させたまま捩じりを与えると、薄肉板は螺旋状の屈曲状態となり、パイプの中心部に薄肉板の存在しない部分が形成されることになる。
薄肉板の存在していない部分には、加熱水又は冷却水が通過する小径管が配置されているから、パイプ内を流動する空気は内外双方から熱交換が行われる。同時に、小径管の外側を旋回しながら移動してパイプ壁側から中心側へ円滑に移動させられるから、空気全体がパイプ壁及び小径管壁と接触する機会が増加し、効率よく熱交換されることになる。
パイプは内径50〜100mm の太さのものを好適に使用することができる。また、薄肉金属板は0.1
〜0.5mm 程度の肉厚のものを使用することが望ましい。
また、熱交換器における熱交換パイプは、直管と曲管とを組み合わせて蛇行状に配置されるのが通例であるが、パイプの直管部分に薄肉板を螺旋方向に向けて装填しその端部をパイプ壁に溶接ないしロウ付けすることによって、薄肉板をパイプ壁に固定することができる。この場合、曲管には薄肉板が存在しないが、管の屈曲部では流動する空気が乱流状態となるから自然に空気の移動が行われることになる。
この小径管は、パイプの両端部に孔を穿設してそこから管の端部をパイプの外側に望ませ、一端から温調された熱交換器内の加熱水又は冷却水を供給し、他端から熱交換器内へ排出させることになる。
薄肉板はパイプに装填する前に小径管の外側に螺旋状に巻き付けた状態で溶接またはロウ付けしておくことができる。この場合、必要に応じて前記と同様にパイプ壁の端部と薄肉板とを溶接又はロウ付けするなどしておけば良い。
なお、小径管を中心部に位置させる場合には、やや大きめのパイプにまで使用することができ、例えば、内径が150mm のパイプであっても使用することができる。
図1は、直状の熱交換パイプ1の正面図、図2はその縦断面図である。
このパイプ1は、銅製のものであって、肉厚0.6mm 、内径50mmの大きさのものを使用していて、その内側には、肉厚0.3mm
、幅52mmの銅製の薄肉板2を捩じりを与えた状態で装填してあって、パイプの両端部でパイプ1と薄肉板2とをロウ付けしている。
なお、パイプ1は曲管(図示せず)を用いて連結し、熱交換器内で蛇行経路を形成して熱交換を行うようにしている。
図3は、本発明の実施例における直状の熱交換パイプ5の正面図、図4はその縦断面図である。
このパイプ5はアルミニウム製のものであって、肉厚0.8mm 、内径100mm
の大きさのものを使用していて、その中心軸上に同じ素材からなる小径管6を同軸に配置している。この小径管6は、肉厚0.5mm 、内径10mmの大きさのものである。
パイプ5と小径管6との間には、捩じりを与えた薄肉アルミニウム板7を介在させている。この板7は、大きさを肉厚0.4mm 、幅105mm とした広幅のものであって、図3に示したように、湾曲させた状態で捩じりを与えてパイプ5の中に装填している。湾曲状態で捩じりを与えると、パイプの中心部に板7の存在しない部分が生じて、そこに小径管6を位置させることができる。
図示しない曲管を用いてパイプを連結する際には、曲管の部分には薄肉板7を用いる必要はない。小径管を先に連結させ、その外側でパイプ5を連結させ、熱交換器内で蛇行経路を形成して熱交換を行うことになる。
Claims (1)
- 流動する空気を加熱又は冷却するために温調した熱交換器内に配置する熱交換パイプにおいて、パイプの内側にパイプの直径より大きい幅に形成した薄肉板を幅方向に湾曲させた状態で捩じりを与えて装填し、パイプの中心部に加熱水又は冷却水を通過させる小径管を配置させた熱交換パイプ。
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