JP2018080843A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力損失を抑制しつつ、良好な熱交換性能を得ることが可能な熱交換器を提供する。【解決手段】熱交換器110は、流体が流通可能な管111と、管111の内面に沿って設けられ、流体の流通方向を変化させる螺旋状構造体112と、管111の内部で管111の長手方向に沿って延びるシャフト113と、を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、流体の熱交換を行う熱交換器に関する。
特許文献1、2は、流体の熱交換を行う熱交換器を開示している。特許文献1、2では、管の内部に、管の長さ方向に延びる帯板を捻って形成した捻り板を挿入し、これにより熱交換を促進させる構成を開示している。
特開平11−23180号公報 実開平7−41270号公報
特許文献1、2の構成では、管の内部を流れる流体の圧力損失が大きくなる。圧力損失が小さい冷却管として、従来、管の外周面において管の長手方向に間隔を空けて複数のフィンを配列したものが存在しているが、熱交換性能が低い。
本開示は、圧力損失を抑制しつつ、良好な熱交換性能を得ることが可能な熱交換器を提供する。
本開示の熱交換器は、
流体が流通可能な管と、
前記管の内面に設けられ、前記流体の流通方向を変化させる突部と、
前記管の内部で前記管の長手方向に沿って延びるシャフトと、を有する。
本開示の熱交換器は、管の内部に突部とシャフトが存在しない場合よりも、管の壁面近傍に流れが誘導されるため、管内を流れる流体と管の内面との摩擦が増加して、熱交換が促進される。一方、管内に捻り板等を設ける場合よりも、管内部の圧力損失を小さくできる。そのため、圧力損失の発生を抑制しつつ、良好な熱交換性能を得ることができる。
本開示の熱交換器を適用した冷却装置の構成図である。 実施形態1の熱交換器の構造を示す図である。 実施形態1の熱交換器のシャフトの支持構造の第1例を示す図である。 実施形態1の熱交換器のシャフトの支持構造の第2例を示す図である。 実施形態1の熱交換器による作用を説明する図である。 実施形態1の熱交換器による冷却性能のシミュレーション結果を示す図である。 比較例の熱交換器の構造を示す図である。 比較例の熱交換器による冷却性能のシミュレーション結果を示す図である。 実施形態2の熱交換器の構造を示す図である。 実施形態2の熱交換器による冷却性能のシミュレーション結果を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、出願人は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施形態1)
本開示にかかる熱交換器を説明する。
[1−1.構成]
[1−1−1.冷却装置の構成]
図1は、本開示の熱交換器を適用した機器の構成図である。機器100は、動作時に熱を発生する負荷装置101と、ラジエータ102と、ラジエータ102及び負荷装置101に流体を循環させるポンプ103とを有する。機器100は、例えば、映像を投影可能なプロジェクタ装置であり、負荷装置101は、例えば、蛍光体ディスクを内蔵する筐体ユニット、又は半導体レーザ等を有する光源モジュールなどである。ラジエータ102は、冷却素子として、本開示の熱交換器としての熱交換器110を有する。
[1−1−2.熱交換器の構成]
図2は、実施形態1の熱交換器の構造を示す図である。図2(a)は、熱交換器をその長手方向に垂直な方向から見た図である。図2(b)は、熱交換器をその長手方向に平行な方向(図2(a)のA方向)から見た図である。
熱交換器110は、管111と、螺旋状構造体(突部)112と、シャフト113とを有する。熱交換器110は、管111の外側にある低温の流体によって、管111を冷却し、さらに管111内を流れる流体を冷却する。流体は、気体である。なお、本開示において、熱交換器が冷却する流体は液体でもよい。
管111は、断面形状が円形の円管である。管111は、直線的に延びる。管111は、金属により形成されている。例えば、アルミニウムや銅等の熱伝導性のよい金属が用いられる。
螺旋状構造体112は、管111の内面に沿って延び、管111の長手方向の位置に応じて円周方向の位置が変化する螺旋状に形成されている、螺旋状構造体112は、管111の内面において、ほぼ1周する範囲に設けられている。螺旋状構造体112の高さ(径方向の長さ)は、管の内径(半径)に対して、約1/3程度の高さである。なお、螺旋状構造体112の高さ(径方向の長さ)は、許容される圧力損失の大きさ等に応じた値に設定すればよい。螺旋状構造体112は、管111とは別部材により構成されている。螺旋状構造体112は、金属あるいは樹脂により形成されている。金属の種類や樹脂の種類は限定されない。螺旋状構造体112は、ろう付け、あるいは接着剤等により管111の内面に固着されている。螺旋状構造体112は、その長手方向に垂直な断面形状が半円状の形状を有する。
シャフト113は、棒状の部材であり、管111の中心において、管111の長手方向に沿って直線的に延びる。シャフト113は、管111の長手方向において螺旋状構造体112が存在する領域とほぼ同じ領域に配置されている。シャフト113は、金属あるいは樹脂により形成されている。金属の種類や樹脂の種類は限定されない。
シャフト113の支持構造について説明する。
図3は、実施形態1の熱交換器のシャフトの支持構造の第1例を示す図である。図3(a)は、熱交換器の斜視図である。図3(b)は、熱交換器をその長手方向に平行な方向(図3(a)のB方向)から見た図である。シャフト113の一端部(管111の入口側の端部)には、シャフト113の長手方向に対して垂直な方向に延びる支持シャフト114が固着されている。支持シャフト114は、管111の内径とほぼ同じ長さを有し、支持シャフト114の長手方向が管111の長手方向に対して垂直となるように、長手方向の両端部が管111の内面に接着剤等により固着されている。これにより、シャフト113は、管111の中心線に沿って直線的に延びた状態で、支持シャフト114を介して管111により支持される。
図4は、実施形態1の熱交換器のシャフトの支持構造の第2例を示す図である。図4(a)は、熱交換器の斜視図である。図4(b)は、熱交換器をその長手方向に平行な方向(図4(a)のC方向)から見た図である。シャフト113の一端部(管111の入口側の端部)には、円盤115が固着されている。円盤115の主面は、シャフト113の長手方向に対して垂直になっている。円盤115は、管111の内径とほぼ同じ直径を有し、円盤115の主面が管111の長手方向に対して垂直となるように、周縁部が管111の内面に接着剤等により固着されている。これにより、シャフト113は、管111の中心線に沿って直線的に延びた状態で、円盤115を介して管111により支持される。円盤115には、流体が通過可能な複数の孔115aが設けられている。
[1−2.作用]
図5を参照して実施形態1の熱交換器110による作用を説明する。図5は、実施形態1の熱交換器110による作用を説明する図である。入口(In)側から熱交換器110の管111内に流体が流入すると、管111の内面近傍を流れる流体は、螺旋状構造体112により、管111の長手方向に平行な方向への進行が遮られ、その結果、螺旋状構造体112に沿って円周方向に回転しながら出口(Out)側へ進行する旋回流Wが生じる。これにより、流れが乱れて、かつ、管111の内面近傍に流れが誘導されるため、高温の流体とそれよりも低温の管111の内面との摩擦が増加する。その結果、管111内部の流体と管111の外部の気体との熱交換が促進される。さらに、本実施形態では、管111の中心線に沿ってシャフト113が設けられていることにより、管111の内面に沿う旋回流Wの形成が促進される。そのため、高温の流体とそれよりも低温の管111の内面との摩擦がより増加し、上記の熱交換がより促進される。そのため、管111内部の流体の温度の低下が促進される。
ここで、本実施形態では、特許文献1、2のように管内の流体の流通路全体に嵌まるように捻り板を設けているわけではない。そのため、特許文献1、2に記載の熱交換器よりも圧力損失を抑制することができる。
なお、実施形態1の熱交換器110からシャフト114及び支持シャフト114(円盤115)を無くし、かつ管111の内径を小さくすることにより、流体と管111の内面との摩擦を増加させた構成が考えられる。しかし、この構成においては、管111の長手方向における旋回流Wの長さは、実施形態1の熱交換器110よりも短くなる。そのため、この構成の場合の熱交換性能は、実施形態1の熱交換器110よりも劣ることとなる。
[1−3.シミュレーション]
[1−3−1.本実施形態の熱交換器におけるシミュレーション結果]
図6は、実施形態1の熱交換器による冷却性能のシミュレーション結果を示す図である。具体的に、図6(a)は、実施形態1の熱交換器における流体温度のシミュレーション結果を示す図である。なお、本シミュレーションは、支持シャフト114及び円盤115が存在しない状態で行った。本実施形態の熱交換器110では、熱交換器110の入口(In)における流体温度が60℃であるときに、熱交換器110の出口(Out)における流体温度が54.4℃となる。そのため、温度低下量ΔTは5.6℃となる。
図6(b)は、実施形態1の熱交換器110における流体圧力のシミュレーション結果を示す図である。実施形態1の熱交換器110では、熱交換器110の入口(In)における流体圧力が24.3Paであるときに、熱交換器110の出口(Out)における流体圧力が0.6Paとなる。そのため、圧力損失量ΔPは23.7Paとなる。
ところで、熱交換器の性能は、ΔTが大きいほど良く、またΔPが小さいことが望ましい。つまり熱交換の性能指標をΦ(=ΔT/ΔP)とおくと、熱交換性能指標Φの値が大きいほど、熱交換器としては高性能といえる。図5の構成において、熱交換性能指標Φは0.236となる。
[1−3−2.比較例の熱交換器の構造及びシミュレーション結果]
図7は、比較例の熱交換器の構造を示す図である。図7に示すように、比較例における熱交換器210は、管211と、複数のフィン212とを有する。複数のフィン212は、管211の外周面に、管211の長手方向に間隔を空けて配列されている。
図8は、比較例の熱交換器による冷却性能のシミュレーション結果を示す図である。具体的に、図8(a)は、比較例の熱交換器における流体温度のシミュレーション結果を示す図である。比較例の熱交換器210では、熱交換器210の入口(In)における流体温度が60℃であるときに、熱交換器210の出口(Out)における流体温度が59.9℃となる。そのため、温度低下量ΔTは0.1℃となる。
図8(b)は、比較例の熱交換器における流体圧力のシミュレーション結果を示す図である。比較例の熱交換器210では、熱交換器210の入口(In)における流体圧力が6.5Paであるときに、熱交換器210の出口(Out)における流体圧力が0.1Paとなる。そのため、圧力損失量ΔPは6.4Paとなる。
したがって、熱交換性能指標Φ(=ΔT/ΔP)は0.0156となる。
[1−3−3.評価]
本実施形態の熱交換器110の熱交換性能指標Φは0.236であるのに対し、比較例の熱交換器210の熱交換性能指標Φは0.0156である。本実施形態の熱交換器110によれば、熱交換器110の熱交換性能指標Φは、比較例の熱交換器210の熱交換性能指標Φに対して約15倍の大きな値となる。つまり、熱交換性能が大きく向上する。
[1−3.効果等]
本開示の熱交換器110は、
流体が流通可能な管111と、
管111の内面に沿って設けられ、流体の流通方向を変化させる螺旋状構造体112(突部)と、
管111の内部で管111の長手方向に沿って延びるシャフト113と、を有する。
これにより、管111の内部に螺旋状構造体112とシャフト113が存在しない場合よりも、管111の内面近傍に流れが誘導されるため、管111内を流れる流体と管111の内面との摩擦が増加して、熱交換が促進される。特に、本実施形態では、管111内を流れる高温の流体とそれよりも低温の管111の内面との摩擦が増加して、管111内の流体の冷却が促進される。一方、管111内に特許文献1、2のように捻り板等を設ける場合よりも、管111内部の圧力損失を少なくできる。そのため、圧力損失の発生を抑制しつつ、良好な熱交換性能を得ることができる。
本実施形態において、
管は、断面形状が円形の管111であり、
螺旋状構造体112は、管111の内面に沿って延び、管111の長手方向の位置に応じて円周方向の位置が変化する螺旋状に形成されている。
これにより、流体に旋回流Wを生じさせて、管111内を流れる高温の流体とそれよりも低温の管111の内面との摩擦を増加させることができる。そのため、熱交換性能がより向上する。
(実施形態2)
実施形態2に係る熱交換器について説明する。図9(a)は、熱交換器をその長手方向に垂直な方向(図9(b)のE方向)から見た図である。図9(b)は、熱交換器をその長手方向に平行な方向(図9(a)のD方向)から見た図である。
本実施形態の熱交換器120においては、螺旋状構造体122A、122B、122Cの高さ(径方向の長さ)は、それぞれ、管の内径(半径)に対して、約2/3程度の高さであり、実施形態1の螺旋状構造体112の高さ(径方向の長さ)よりも大きい。また、螺旋状構造体122A、122B、122Cは、管121の内面に沿うほぼ1周する範囲の全てに設けられるのではなく、円周方向において複数に分割され、第1所定角度間隔で設けられている。各螺旋状構造体122A、122B、122Cは、円周方向において第2所定角度の範囲に形成されている。具体的に、本実施形態では、第1所定角度は60度、第2所定角度は60度としている。それ以外は、実施形態1と同一である。
図10(a)は、実施形態2の熱交換器における流体温度のシミュレーション結果を示す図である。本実施形態の熱交換器120では、熱交換器120の入口(In)における流体温度が60℃であるときに、熱交換器120の出口(Out)における流体温度が55.2℃となる。そのため、温度低下量ΔTは4.8℃となる。
図10(b)は、実施形態2の熱交換器における流体圧力のシミュレーション結果を示す図である。本実施形態の熱交換器120では、熱交換器120の入口(In)における流体圧力が29.0Paであるときに、熱交換器120の出口(Out)における流体圧力が−0.4Paとなる。そのため、圧力損失量ΔPは29.4Paとなる。
したがって、熱交換性能指標Φ(=ΔT/ΔP)は0.163となる。
本実施形態の熱交換器120の熱交換性能指標Φは0.163であるのに対し、比較例の熱交換器210の熱交換性能指標Φは0.0156である。本実施形態の熱交換器120によれば、熱交換器120の熱交換性能指標Φは、比較例の熱交換器210の熱交換性能指標Φに対して約10.5倍大きな値となる。つまり、熱交換性能が大きく向上する。
以上説明したように、本実施形態の熱交換器120において、
螺旋状構造体122は、円周方向において複数に分割されている。
これにより、管121内の一部において流体を流通しにくくさせて、流体と管121の内面との摩擦を増加させることができる。そのため、熱交換性能が向上する。
本実施形態では、第1所定角度及び第2所定角度はそれぞれ60度であるが、第1所定角度と第2所定角度とは異なる角度であってもよいし、60度より大きい角度あるいは小さい角度であってもよい。また、分割数は、3個でなく、2個であってもよいし、4個以上であってもよい。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
前記実施形態では、管の内面に沿って設けられた突部は、螺旋状構造体である。しかし、本開示において、突部は、螺旋状の構造体でなく、管の内面に沿って規則的にあるいは不規則に蛇行する構造体であってもよい。
前記実施形態では、管111は、断面形状が円形の円管である。しかし、本開示において、管は円管でなくてもよい。例えば、管は、断面形状が楕円の楕円管でもよい。また、管は、断面形状が多角形の管でもよい。
前記実施形態では、熱交換器110は、管111内を流れる高温の流体と、それよりも低温の管111外の気体(液体)との間の熱交換を行う。しかし、本開示において、低温側と高温側が逆であってもよい。例えば、本開示の熱交換器は、管内を流れる低温の流体と、それよりも高温の管外の気体(液体)との間の熱交換を行うことができる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、流体の熱交換を行う熱交換器において広く利用可能である。
100 機器
101 負荷装置
102 ラジエータ
103 ポンプ
110、120 熱交換器
111、121 管
112 螺旋状構造体
113、123 シャフト
114 支持シャフト
115 円盤
115a 孔
122A、122B、122C 螺旋状構造体
W 旋回流

Claims (3)

  1. 流体が流通可能な管と、
    前記管の内面に設けられ、前記流体の流通方向を変化させる突部と、
    前記管の内部で前記管の長手方向に沿って延びるシャフトと、を有する、
    熱交換器。
  2. 前記管は、断面形状が円形の円管であり、
    前記突部は、前記円管の内面に沿って延び、前記円管の長手方向の位置に応じて円周方向の位置が変化する螺旋状に形成されている、
    請求項1記載の熱交換器。
  3. 前記突部は、円周方向において複数に分割されている。
    請求項2記載の熱交換器。
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