JP2012154580A - 熱交換器 - Google Patents

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照美 野中
Yasuhiro Makibayashi
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Abstract

【解決手段】 熱交換器としてのEGRクーラー1は、内側管体2を流通する排気ガスGと外側管体3を流通する冷却液Cとの間で熱交換を行わせるものとなっている。
上記内側管体2を、同軸上に設けた円筒状の小径部11および大径部12と、これら小径部と大径部とを連結するリング状の連結部13とから構成し、上記大径部の内側に上記小径部よりも大径で大径部よりも小径のプレート14を設け、さらに該プレートと上記連結部との間に、上記プレートの中央部から外周部に向けて放射状に伸びる複数のフィン15を設けている。
これにより上記内側管体2の排気ガスGは、上記フィンによって上記プレートと連結部との間を放射方向に流通し、さらに大径部の内面とプレートの外周部との間を軸方向に流通するようになっている。
【効果】 冷却効率が高く、また圧力損失の少ない熱交換器を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は熱交換器に関し、詳しくは外側管体の内部に内側管体を設けて、上記内側管体に流通させる内部流体と上記外側管体に流通させる外部流体との間で熱交換をおこなわせる熱交換器に関する。
従来、気体が流通する内側管体と、上記内側管体を収容するとともに該内側管体との間で液体を流通させる外側管体とを備え、上記内側管体内を流通する気体と上記外側管体を流通する液体との間で熱交換をおこなう熱交換器が知られている。
一方、自動車用エンジンから排出される排気ガスを再び吸気側に戻して再利用するEGR(Exhaust Gas Recirculation)という技術が知られており、このEGRを効率的に行うため、上記熱交換器を排気ガスの温度を下げるためのいわゆるEGRクーラーとして用いるものが知られている(特許文献1〜3)。
特開2000―079462号公報 特開2001―241872号公報 特開2002−350081号公報
しかしながら上記特許文献1の構成を有するEGRクーラーの場合、内側管体内を上記排気ガスは速やかに通過するため、排気ガスの圧力損失が少ないものの、冷却効率が低いという問題があった。
一方、特許文献2、3の構成を有するEGRクーラーの場合、冷却効率が高いものの、内側管体の内部に形成された無数の突起によって圧力損失が高いという問題があった。
このような問題に鑑み、本発明は冷却効率が高く、また圧力損失の少ない熱交換器を提供するものである。
すなわち、請求項1の発明にかかる熱交換器は、 外側管体の内部に内側管体を設けて、上記内側管体に流通させる内部流体と上記外側管体に流通させる外部流体との間で熱交換をおこなわせる熱交換器において、
上記内側管体を、同軸上に設けた円筒状の小径部および大径部と、これら小径部と大径部とを連結するリング状の連結部とから構成するとともに、
上記大径部の内側に、上記小径部よりも大径で大径部よりも小径のプレートを設け、さらに該プレートと上記連結部との間に、上記プレートの中央部から外周部に向けて放射状に伸びる複数のフィンを設けて、
上記内側管体の内部流体が、上記フィンによって上記プレートと連結部との間を大径部の内側から外側、または外側から内側に向けて流通するとともに、さらに大径部の内面とプレートの外周部との間を軸方向に流通することを特徴としている。
上記発明によれば、上記内側管体を上記小径部、大径部、連結部から構成することにより、上記外側管体の外部流体はこれら小径部、大径部、連結部に接触しながら流通することとなる。
そして上記内側管体の内部では、内部流体が上記フィンによって上記プレートと連結部との間を大径部の内側から外側、または外側から内側に向けて流通し、さらに大径部の内面とプレートの外周部との間を軸方向に流通することから、内部流体と外部流体との熱交換する面積を大きくして効率的な熱交換を行うことができるとともに、内部流体が整流されて圧力損失を抑えることが可能である。
本実施例にかかるEGRクーラーの断面図 図1におけるII―II部の断面図 実験結果を示すグラフ 実験結果を示すグラフ
以下図示実施例について説明すると、図1は熱交換器としてのEGRクーラー1の断面図を示しており、該EGRクーラー1は、内部流体としての排気ガスGを流通させる内側管体2と、内部に上記内側管体2を収容するとともに該内側管体2との間に外部流体としての冷却液Cを流通させる外側管体3とを備え、上記内側管体2はEGR回路に、外側管体3は冷却液回路にそれぞれ接続されている。
上記構成を有するEGRクーラー1によれば、上記内側管体2の内部に排気ガスGを流通させ、同時に上記外側管体3の内部に冷却液Cを流通させることで、排気ガスGと冷却液Cとの間で熱交換を行い、排気ガスGの温度を下げるものとなっている。
上記内側管体2は、同軸上に設けた円筒状の小径部11および大径部12と、これら小径部11と大径部12とを連結するリング状の連結部13と、上記大径部12の内側に設けたプレート14と、該プレート14と上記連結部13との間に設けた複数のフィン15とから構成されている。
このうち、上記大径部12および該大径部12に隣接する2つの上記連結部13と、これら大径部12および連結部13の内部に収容された上記プレート14およびフィン15とにより、一組のユニットUを構成するようになっている。
本実施例のEGRクーラー1は、上記ユニットUを4組備えるとともに、各ユニットUの間に上記小径部11を備え、さらに両端に位置するユニットUの外側にもそれぞれ上記小径部11が設けられている。
上記小径部11のうち、上記4組のユニットUの両端に位置する小径部11は、上記外側管体3より外部に突出しており、このうち図示左方の小径部11はEGR回路におけるエンジンの排気側に接続され、図示右方の小径部11はエンジンの吸気側に接続されており、排気ガスGは図1の図示左方から右方へと流通するようになっている。
また上記各ユニットUの間に設けられた小径部11は、上記各ユニットU同士を所定の間隔だけ離隔させて、各ユニットUとユニットUとの間に上記外側管体3の冷却液Cを流通させるものとなっている。
図2は図1におけるII―II部の断面図を示しており、図2の紙面手前側より排気ガスGが流入するようになっている。
上記プレート14は、上記小径部11よりも大径で大径部12よりも小径に形成されており、これにより上記大径部12の内周面と上記プレート14との間には隙間Aが形成されている。
また図1に示すように、上記プレート14は上記大径部12の軸方向略中央部に位置しており、これにより上記大径部12はこのプレート14によって排気ガスGの流入側の空間と、排出側の空間とに一部区画され、これらの空間は上記隙間Aを介して相互に連通するようになっている。
上記フィン15はプレート14における排気ガスGの流入側の表面および排出側の裏面のそれぞれから軸方向に立設され、また上記フィン15の端部は上記内側管体2の上記連結部13に溶接やロウ付けなどの手段によって固定されている。
また図2に示すように、上記フィン15はプレート14の円周方向に沿って等間隔に複数設けられるとともに、プレート14の中央部から外周部に向けて放射状に伸びる複数のフィン15が設けられている。
この放射状に伸びる複数のフィン15は、それぞれプレート14の半径方向に対して傾斜しており、またその中央部が膨出する湾曲した形状に形成されたものとなっている。
さらに、上記フィン15におけるプレート14の中央側の端部は、上記小径部11よりも内側に若干突出した位置まで設けられており、プレート14の中央部分にはフィン15の設けられていない平坦部分が形成されている。
そして図2において、実線で示すフィン15はプレート14の表面側のフィン15を、破線で示すフィン15は裏面側のフィン15をそれぞれ示しており、プレート14を軸方向から見た場合に、裏面側のフィン15は表面側のフィン15に対して反対方向に傾斜するように設けられている。
上記外側管体3は、上記内側管体2の大径部12よりも大径の円筒形状を有しており、その両端には上記内側管体2の小径部11が貫通する蓋体3aがそれぞれ気密を保った状態で固定されている。
また上記外側管体3の上部には、上記冷却液C回路に接続されて冷却液Cの流入する流入ポート16と、冷却液Cを排出する排出ポート17とが設けられている。
上記構成を有するEGRクーラー1によると、上記排気ガスGがエンジンからEGR回路へと排出されると、該排気ガスGは内側管体2における図示左方端に位置する小径部11から流入する。
そして小径部11では、排気ガスGは軸方向に流通した後に図示左方端に位置するユニットUの内部に流入し、上記プレート14における上記フィン15の設けられていない平坦部分に衝突する。
その結果、排気ガスGはこのプレート14によって軸方向に対して直交する方向に進路が変換され、その後プレート14と連結部13との間を、上記プレート14と連結部13との間に設けられたフィン15に沿って大径部12の内側から外側に向けて流れることとなる。
また上記フィン15はプレート14の半径方向に対して傾斜するように設けられていることから、上記排気ガスGは上記フィン15によって内側から外側に向けて流れながら図2における図示時計回りに旋回し、旋回流となって大径部12の内周面に到達する。
さらに上記フィン15はその中央部が膨出するように湾曲していることから、上記旋回流を効率的に大径部12の内周面に沿わせることが可能となっている。
上記内側管体2における上記大径部12は、上記プレート14により流入側の空間と排出側の空間とに一部区画されているが、大径部12の内面に達した排気ガスGは大径部12に沿って軸方向に流れることで、大径部12とプレート14との間に形成された上記隙間Aを介して流入側の空間から排出側の空間へと流入する。
続いて、上記排気ガスGは上記連結部13によって再び軸方向に対して直交する方向に進路が変換され、上記プレート14の裏面側のフィン15によって大径部12の外側から内側に向けて流れることとなる。
その際、上記フィン15はプレート14の半径方向に対して傾斜していることから、上記排気ガスGは上記フィン15によって外側から内側に向けて流れながら図2における図示時計回りに旋回し、旋回流となってプレート14の中央部に到達する。
特に、上記プレート14の裏面側(排出側の空間)に設けたフィン15は表面側(流入側の空間)に設けたフィン15とは反対側に傾斜しているため、上記表面側のフィン15によって形成されるとともに上記隙間Aを通過した排気ガスGは、上記裏面側のフィン15によってその旋回方向が維持されるようになっている。
そしてプレート14の中央部に達した排気ガスGは、今度は軸方向の流れとなって隣接するユニットUとの間に連結された小径部11を流通し、その後は各ユニットUの内部を上述したような経路を通過するとともに、エンジンの吸気側に位置する小径部11から排出されるようになっている。
一方、上記外側管体3では、上記流入ポート16より冷却液Cが流入するとともに、該冷却液Cは排出ポート17から排出されており、外側管体3の内部では冷却液Cが流動するようになっている。
そして上記内側管体2において上記冷却液Cと接触する部分においては、該内側管体2の内部を流通する排気ガスGと上記冷却液Cとの間で熱交換が行われ、排気ガスGはEGRクーラー1を通過する間に冷却液Cによって冷却され、該冷却された排気ガスGが上記エンジンへと吸気されることとなる。
ここで、上記内側管体2において、上記連結部13と上記フィン15とは固定により接触しているため、伝熱により上記フィン15および該フィン15を固定する上記プレート14も冷却されており、これにより排気ガスGはこれらフィン15およびプレート14に接触することによっても冷却されるようになっている。
図3、図4は本実施例に係るEGRクーラー1と、上記特許文献1〜3にかかるEGRクーラーとについて、冷却効率および圧力損失について測定した結果を示している。
図3は冷却効率についての実験結果を示し、EGRクーラーにおける単位面積あたりの冷却効率を測定したものとなっている。ここで単位面積あたりの冷却効率とは、上記EGRクーラーの通過前後における排気ガスの温度差を、排気ガスと冷却液との熱交換が行われた伝熱面積で割り、これをさらに排気ガスのEGRクーラー通過前の温度と上記冷却液のEGRクーラー通過前の温度との差で割った値とした。
このうち上記伝熱面積には、上記内側管体2における上記冷却液が接触する部分のほか、上述したように上記連結部13に接触するフィン15および上記プレート14の表面積も含まれている。
そして図3によれば、発明品にかかる本実施例のEGRクーラー1は、特許文献1〜3にかかるEGRクーラーのいずれに対しても良好な冷却効率が得られることが判明した。
図4は圧力損失についての実験結果を示し、EGRクーラー1を通過する排気ガスGの流量に対する、EGRクーラー1通過前後における排気ガスGの圧力差を示したものとなっている。
図4によれば、発明品にかかる本実施例のEGRクーラー1は、特許文献1にかかるEGRクーラーに比べて圧力損失が高いものの、特許文献2、3にかかるEGRクーラーよりは圧力損失の低いことが判明した。
なお、上記実施例においては、本発明にかかる熱交換器を排気ガスGを冷却するEGRクーラー1として利用しているが、その他の分野においても利用することができる。
また、フィン15の枚数や形状については適宜変更することができ、特に上記ユニットUの数を増減することで様々な要求に対応することが可能であり、上記実験で測定した冷却効率および圧力損失の異なるEGRクーラー1を得ることが可能となっている。
さらに上記実施例におけるフィン15は、円弧状に湾曲したものとなっているが、この湾曲形状としてその途中に折れ部が形成されたものであってもよい。
1 EGRクーラー 2 内側管体
3 外側管体 11 小径部
12 大径部 13 連結部
14 プレート 15 フィン
A 隙間

Claims (6)

  1. 外側管体の内部に内側管体を設けて、上記内側管体に流通させる内部流体と上記外側管体に流通させる外部流体との間で熱交換をおこなわせる熱交換器において、
    上記内側管体を、同軸上に設けた円筒状の小径部および大径部と、これら小径部と大径部とを連結するリング状の連結部とから構成するとともに、
    上記大径部の内側に、上記小径部よりも大径で大径部よりも小径のプレートを設け、さらに該プレートと上記連結部との間に、上記プレートの中央部から外周部に向けて放射状に伸びる複数のフィンを設けて、
    上記内側管体の内部流体が、上記フィンによって上記プレートと連結部との間を大径部の内側から外側、または外側から内側に向けて流通するとともに、さらに大径部の内面とプレートの外周部との間を軸方向に流通することを特徴とする熱交換器。
  2. 上記フィンを上記プレートの半径方向に対して傾斜させ、
    上記内側管体を流通する気体が上記プレートと連結部との間を流通する際に上記フィンによって旋回流を形成することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
  3. 上記フィンを中央部が膨出する湾曲した形状に形成することを特徴とする請求項2に記載の熱交換器。
  4. 上記プレートにおける気体の流入側の表面および排出側の裏面のそれぞれに上記フィンを設け、
    上記表面のフィンと裏面のフィンとは、それぞれ反対方向に傾斜することを特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載の熱交換器。
  5. 上記内側管体は、大径部よりも気体の流入側に位置する小径部と、上記大径部を挟んで上記気体の排出側に位置する小径部とを備え、さらに上記プレートにおける気体の流入側の表面および排出側の裏面のそれぞれに上記フィンを設け、
    上記流入側の小径部より流入した気体は、上記プレートの表面側のフィンによって大径部の内側から外側に向けて流通し、さらに上記プレートと大径部の内周面との上記隙間を通過すると、上記プレートの裏面側のフィンによって大径部の外側から内側に向けて流通して、上記排出側の小径部より排出されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の熱交換器。
  6. 上記大径部および該大径部に隣接する2つの上記連結部と、これら大径部および連結部の内部に収容された上記プレートおよびフィンとによって一組のユニットを構成し、
    上記ユニットを複数組設けるとともに、各ユニットとユニットとの間にそれぞれ上記小径部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の熱交換器。
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