JP2008057908A - 熱交換器 - Google Patents

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Kazuhiko Machida
和彦 町田
Masaki Sunada
正樹 砂田
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Abstract

【課題】無効空間が生じることがないコンパクトで、且つ材料投入量に対する熱交換能力が高く、スケール析出による水管閉塞を防止できる熱交換器を提供する。
【解決手段】チューブ11内にCO冷媒が流れるフィン付きチューブ7と、給湯水が流れる流路9が設けられた容器6とからなり、フィン付きチューブ7は流路9内にともに配設され、チューブ7の曲げ部Bを除いてフィン12を設けたので、第2冷媒が流れる流路および第1冷媒が流れるフィン付きチューブを容器内に無効空間が生じることなく配設可能になること、及びフィン付きチューブにより材料投入量を極力抑えた上で伝熱面積アップが可能になり、給湯水の流れがスムーズになりスケール成分の管壁付着を抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧側の圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクルにて、給湯水や暖房用ブラインを加熱する超臨界ヒートポンプ式給湯装置に適用する熱交換器に関するものである。
従来、この種の冷媒と水を熱交換する熱交換器において、同心円状に配管を組み合わせた二重管式熱交換器、または水側容器の周囲に冷媒管をコイル状に巻き付けたタイプの水冷媒熱交換器が知られている(例えば、特許文献1〜2参照)。
図5は、特許文献1に記載された従来の水冷媒熱交換器1Aを示すものである。
従来の水冷媒熱交換器1Aは、内管である水管2Aと、外管である冷媒管3Aを同心円状に組み合わせた二重管式の熱交換器である。
冷媒管3A内の冷媒は、超臨界ヒートポンプ式給湯装置に適用されているCO冷媒である。
以上のように構成された従来の水冷媒熱交換器について、以下その動作を説明する。
圧縮機(図示なし)から吐出された超臨界状態のCO冷媒は、冷媒管3Aの一端から流入し、他端から流出する。この時、CO冷媒は臨界圧力以上としているので、CO冷媒と給湯水が熱交換する際に、CO冷媒は凝縮することなく、冷媒温度を低下させながらそのエンタルピも同時に低下する。
一方、水管2Aに流入した低温の給湯水は、CO冷媒との熱交換により高温の給湯水になり、水管2Aから流出するものである。
このタイプの水冷媒熱交換器は、二重管を螺旋状に巻いた構成のため、螺旋巻きした部分の中心に無効空間が生じてしまうという特徴を有している。
図6は、特許文献2に記載された従来の水冷媒熱交換器1Bを示すものである。
従来の水冷媒熱交換器1Bは、水側容器2Bの周囲に冷媒管3Bをコイル状に巻き付けて、水容器2Bと冷媒管3Bとをろう付け固定している。
水側容器2Bは、略凹状にプレス成形された2枚の外板4を接合し、側面部材(図示なし)とともに、水側容器2Bの内部に蛇行した給湯水通路5を構成している。
冷媒管3B内の冷媒は、超臨界ヒートポンプ式給湯装置に適用されているCO冷媒である。
以上のように構成された従来の水冷媒熱交換器について、以下その動作を説明する。
圧縮機(図示なし)から吐出された超臨界状態のCO冷媒は、水側容器2Bの周囲に巻き付けられた冷媒管3Bの一端から流入し他端から流出する。
また、水側容器2Bに流入した低温の給湯水は、蛇行した給湯水通路5を流れる際にCO冷媒との熱交換により高温の給湯水になり、水側容器2Bから流出する。
このタイプの水冷媒熱交換器は、冷媒管3Bを水側容器2Bの周囲に巻きつけており、二重管式熱交換器のような無効空間が生じることがないのでよりコンパクトであるという特徴を有している。
しかしながら、熱交換性能の面においては、冷媒と給湯水の伝熱面が冷媒管3Bと水側容器2Bとの接触部という限られた面積しかとれない構造であるため、熱交換能力を確保するためには冷媒管3Bを必要以上に投入せざるをえなく、冷媒管3Bの材料投入量の割に伝熱面積が稼げない特徴を有している。
一方、水温の上昇に伴い、給湯水中に溶解しているスケール成分(例えば炭酸カルシウム)が析出して水管2Aや水側容器2Bの内壁に付着することがある。
このスケール成分の付着については、管壁温度が高くなる場合、あるいは水速が小さい場合、水通路に曲率半径の小さな曲がり(よどみ部)がある場合、流れに対する障害物がある場合などにおいて顕著であることが知られている。
スケール成分の管壁への付着が蓄積すると、管壁からの伝熱性能低下することになって熱交換性能が低下するし、水通路の流路断面積が小さくなって流路閉塞を引き起こすなどの不具合が生ずる。
特開昭61−165349号公報 特開2004−251543号公報
しかしながら、上記従来の構成では、螺旋巻きした部分の中心に無効空間が生じてしまい熱交換器のコンパクト化の面で限界があり、かつ冷媒管3Bを必要以上に投入するので冷媒管3Bの材料投入量の割には伝熱面積が稼げない(即ちコストパフォーマンスが良くない)という課題に加えて、給湯水のスケール析出による水管の閉塞や管壁からの伝熱性能低下という課題も併せて有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、無効空間が生じることなくコンパクトで且つ材料投入量に対する熱交換能力が高く、更には給湯水のスケール析出による水管の閉塞や管壁からの伝熱性能低下を防止できる熱交換器を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは、前記流路内にともに配設され、前記チューブの曲げ部を除いてフィンを設けたものである。
これによって、無効空間が生じることなく第2冷媒が流れる流路および第1冷媒が流れるフィン付きチューブを容器内に配設可能になること、及びフィン付きチューブにより材料投入量をより減らした上で伝熱面積のアップが可能になり、チューブの曲げ部を除いてフィンを設けたので曲げ部の給湯水の流れがスムーズになりスケール成分の管壁付着を抑制できる。
また、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの前記第2冷媒が高温となる部分を除いてフィンを設けたものである。
これによって、前記第2冷媒が高温となる部分の流れがスムーズになるのでスケール成分の管壁付着を抑制できる。
また、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの曲げ部および前記チューブの前記第2冷媒が高温となる部分を除いてフィンを設けたものである。
これによって、無効空間が生じることなく第2冷媒が流れる流路および第1冷媒が流れるフィン付きチューブを容器内に配設可能になること、及びフィン付きチューブにより材料投入量をより減らした上で伝熱面積のアップが可能になり、チューブ曲げ部を除いてフィンを設けたのでその部分の給湯水の流れがスムーズになりスケール成分の管壁付着を抑制できるとともに、前記第2冷媒が高温となる部分の流れがスムーズになるのでスケール成分の管壁付着を抑制でき、より一層、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
また、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記フィン付きチューブの曲げ部のフィンピッチは直管部のフィンピッチよりも大きいものである。
これによって、前記フィン付きチューブの曲げ部の流れがスムーズになるのでスケール成分の管壁付着を抑制でき、かつ曲げ部のフィン減少による伝熱性能の低下を極力防止できる。
また、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記第2冷媒が高温となる前記フィン付きチューブのフィンピッチは前記第2冷媒が低温となる部分のフィンピッチよりも大きいものである。
これによって、前記第2冷媒が高温となる部分の流れがスムーズになるのでスケール成分の管壁付着を抑制でき、かつ高温となる部分のフィン減少による伝熱性能の低下を極力防止できる。
本発明の熱交換器は、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの曲げ部を除いてフィンを設けた構成としたものである。
これによって、無効空間が生じることなく容器に第2冷媒が流れる流路および第1冷媒が流れるフィン付きチューブを配設可能になること、及びフィン付きチューブにより材料投入量をより減らした形で伝熱面積のアップが可能になることに加えて、スケールが付着しやすくなる条件下でもスケール成分の管壁付着を抑制することができる。
請求項1に記載の発明は、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの曲げ部を除いてフィンを設けたことにより、第2冷媒が流れる流路および第1冷媒が流れるフィン付きチューブを容器内に無効空間が生じることなく配設可能になること、及びフィン付きチューブにより材料投入量を極力抑えた上で伝熱面積アップが可能になり、チューブ曲げ部を除いてフィンを設けたのでその部分の給湯水の流れがスムーズになりスケール成分の管壁付着を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの前記第2冷媒が高温となる部分を除いてフィンを設けたことにより、前記第2冷媒が高温となる部分の流れがスムーズになるのでスケール成分の管壁付着を抑制できる。
請求項3に記載の発明は、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの曲げ部および前記チューブの前記第2冷媒が高温となる部分を除いてフィンを設けたことにより、無効空間が生じることなく第2冷媒が流れる流路および第1冷媒が流れるフィン付きチューブを容器内に配設可能になること、及びフィン付きチューブにより材料投入量をより減らした上で伝熱面積のアップが可能になり、チューブ曲げ部を除いてフィンを設けたのでその部分の給湯水の流れがスムーズになりスケール成分の管壁付着を抑制できるとともに、前記第2冷媒が高温となる部分の流れがスムーズになるのでスケール成分の管壁付着を抑制でき、より一層、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
請求項4に記載の発明は、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記フィン付きチューブの曲げ部のフィンピッチを直管部のフィンピッチよりも大きくするよう形成したことにより、前記フィン付きチューブの曲げ部の流れがスムーズになるのでスケール成分の管壁付着を抑制でき、かつ曲げ部のフィン減少による伝熱性能の低下を極力防止できる。
請求項5に記載の発明は、チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記第2冷媒が高温となる前記フィン付きチューブのフィンピッチは前記第2冷媒が低温となる部分のフィンピッチよりも大きくするよう形成したことにより、前記第2冷媒が高温となる部分の流れがスムーズになるのでスケール成分の管壁付着を抑制でき、かつ高温となる部分のフィン減少による伝熱性能の低下を極力防止できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の発明において、前記第1冷媒はCO、前記第2冷媒は水としたものであり、高圧側の圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプ式給湯装置の熱交換器を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明するが、従来例または先に説明した実施の形態と同一構成について同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における熱交換器の概略図であり、高圧側の圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプ式給湯装置の熱交換器に適したものである。
背景技術と同一構成および作用を奏する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
図1において、熱交換器6は管内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブ7と、フィン付きチューブ7と第2冷媒を収容する容器8と、容器8内に設けられ第2冷媒が流れる流路9から構成されている。また、流路9は容器8の内部を蛇行するよう設けられており、隣り合った流路9は仕切壁W1にて仕切られている。フィン付きチューブ7は流路9の流れ方向に沿って流路9内に配置されており、チューブ11の外側にフィン12をらせん状に巻いて構成している。容器8の材質は樹脂が好ましい。
なお、フィン付きチューブ7のチューブ11は、直管部Cと曲げ部Bを有し蛇行状に曲げ加工されている。
そして、給湯機用熱交換器として好ましくは第1冷媒はCO冷媒であり、第2冷媒は給湯水である。
また、チューブ11の曲げ部Bを除いてフィン12を設けている。すなわち、フィン付きチューブ7の直管部のみにフィン12を設けている。
以上のように構成された熱交換器について、以下その動作、作用を説明する。
熱交換器6のCO冷媒入口から流入した高温高圧のCO冷媒は、フィン付きチューブ7内を通過することで給湯水との熱交換を行った後、熱交換器6のCO冷媒出口から流出する。
一方、熱交換器6の水側入口から流入した低温の給湯水は、フィン付きチューブ7の外側を通過ながら高温のCO冷媒と熱交換を行い、高温となった給湯水は熱交換器6の水側出口から流出する。
この時、給湯水が流れる流路9に対してフィン付きチューブ7を管長方向に設けた構成としているので、フィン付きチューブ7のフィン12の面積を拡大するだけで伝熱面積を容易に増加させることができ、容器6の大きさを変えることなく熱交換能力を向上させることができる。
また、流路9は容器8の内部を蛇行して仕切壁W1にて仕切られている構成であるので、長円形の渦巻き状に構成する熱交換器のような渦巻き状の中心部の無駄な空間がなくコンパクト化が図れる。
一方、チューブ7の曲げ部Bを除いてフィン12を設けているので、チューブ7の曲げ部における給湯水の流れがスムーズになり、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
以上のように、本実施の形態においては、チューブ11内にCO冷媒が流れるフィン付きチューブ7と、給湯水が流れる流路9が設けられた容器6とからなり、フィン付きチューブ7は流路9内にともに配設され、チューブ7の曲げ部Bを除いてフィン12を設けたので、材料投入量をより減らした上で伝熱面積のアップが可能になり、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における熱交換器の概略図であり、高圧側の圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプ式給湯装置の熱交換器に適したものである。
背景技術と同一構成および作用を奏する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
図2において、熱交換器6は管内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブ7と、フィン付きチューブ7と第2冷媒を収容する容器8と、容器8内に設けられ第2冷媒が流れる流路9から構成されている。また、流路9は容器8の内部を蛇行するよう設けられており、隣り合った流路9は仕切壁W1にて仕切られている。フィン付きチューブ7は流路9の流れ方向に沿って流路9内に配置されており、チューブ11の外側にフィン12をらせん状に巻いて構成している。容器8の材質は樹脂が好ましい。
なお、フィン付きチューブ7のチューブ11は、直管部Cと曲げ部Bを有し蛇行状に曲げ加工されている。
そして、給湯機用熱交換器として好ましくは第1冷媒はCO冷媒であり、第2冷媒は給湯水である。
また、第2冷媒が高温となる部分、すなわち、流路9の出口部分であって給湯水の水温がスケール成分(例えば、炭酸カルシウム)が析出する温度(例えば70℃)以上となる部分Aを除いてフィン12を設けたものである。
以上のように構成された熱交換器について、以下その動作、作用を説明する。
熱交換器6のCO冷媒入口から流入した高温高圧のCO冷媒は、フィン付きチューブ7内を通過することで給湯水との熱交換を行った後、熱交換器6のCO冷媒出口から流出する。
一方、熱交換器6の水側入口から流入した低温の給湯水は、フィン付きチューブ7の外側を通過ながら高温のCO冷媒と熱交換を行い、高温となった給湯水は熱交換器6の水側出口から流出する。
この時、給湯水が流れる流路9に対してフィン付きチューブ7を管長方向に設けた構成としているので、フィン付きチューブ7のフィン12の面積を拡大するだけで伝熱面積を容易に増加させることができ、容器6の大きさを変えることなく熱交換能力を向上させることができる。
また、流路9は容器8の内部を蛇行して仕切壁W1にて仕切られている構成であるので、長円形の渦巻き状に構成する熱交換器のような渦巻き状の中心部の無駄な空間がなくコンパクト化が図れる。
一方、第2冷媒が高温となる部分、すなわち、給湯水の水温がスケール成分(例えば、炭酸カルシウム)が析出する温度(例えば70℃)以上となる部分Aを除いて、フィン12を設けたものであるので、この領域の給湯水の流れがスムーズになり、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
以上のように、本実施の形態においては、チューブ11内にCO冷媒が流れるフィン付きチューブ7と、給湯水が流れる流路9が設けられた容器6とからなり、フィン付きチューブ7は流路9内にともに配設され、給湯水の水温がスケール成分(例えば、炭酸カルシウム)が析出する温度(例えば70℃)以上となる部分Aを除いてフィン12を設けたものであるので、材料投入量をより減らした上で伝熱面積のアップが可能になり、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における熱交換器の概略図であり、高圧側の圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプ式給湯装置の熱交換器に適したものである。
背景技術と同一構成および作用を奏する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
図3において、熱交換器6は管内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブ7と、フィン付きチューブ7と第2冷媒を収容する容器8と、容器8内に設けられ第2冷媒が流れる流路9から構成されている。また、流路9は容器8の内部を蛇行するよう設けられており、隣り合った流路9は仕切壁W1にて仕切られている。フィン付きチューブ7は流路9の流れ方向に沿って流路9内に配置されており、チューブ11の外側にフィン12をらせん状に巻いて構成している。容器8の材質は樹脂が好ましい。
なお、フィン付きチューブ7のチューブ11は、直管部Cと曲げ部Bを有し蛇行状に曲げ加工されている。
そして、給湯機用熱交換器として好ましくは第1冷媒はCO冷媒であり、第2冷媒は給湯水である。
また、チューブ7の曲げ部Bおよび第2冷媒が高温となる部分、すなわち、流路9の出口部分であって給湯水の水温がスケール成分(例えば、炭酸カルシウム)が析出する温度(例えば70℃)以上となる部分Aを除いてフィン12を設けたものである。
以上のように構成された熱交換器について、以下その動作、作用を説明する。
熱交換器6のCO冷媒入口から流入した高温高圧のCO冷媒は、フィン付きチューブ7内を通過することで給湯水との熱交換を行った後、熱交換器6のCO冷媒出口から流出する。
一方、熱交換器6の水側入口から流入した低温の給湯水は、フィン付きチューブ7の外側を通過ながら高温のCO冷媒と熱交換を行い、高温となった給湯水は熱交換器6の水側出口から流出する。
この時、給湯水が流れる流路9に対してフィン付きチューブ7を管長方向に設けた構成としているので、フィン付きチューブ7のフィン12の面積を拡大するだけで伝熱面積を容易に増加させることができ、容器6の大きさを変えることなく熱交換能力を向上させることができる。
また、流路9は容器8の内部を蛇行して仕切壁W1にて仕切られている構成であるので、長円形の渦巻き状に構成する熱交換器のような渦巻き状の中心部の無駄な空間がなくコンパクト化が図れる。
一方、チューブ7の曲げ部Bを除いてフィン12を設けているので、フィン付きチューブ7の曲げ部における給湯水の流れがスムーズになり、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
また、第2冷媒が高温となる部分、すなわち、流路9の出口部分であって給湯水の水温がスケール成分(例えば、炭酸カルシウム)が析出する温度(例えば70℃)以上となる部分Aのフィン付きチューブ7を除いてフィン12を設けているのでこの領域の給湯水の流れがスムーズになり、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
以上のように、本実施の形態においては、チューブ11内にCO冷媒が流れるフィン付きチューブ7と、給湯水が流れる流路9が設けられた容器6とからなり、フィン付きチューブ7は流路9内にともに配設され、チューブ7の曲げ部Bおよび第2冷媒が高温となる部分、すなわち、給湯水の水温がスケール成分が析出する温度以上となる部分Aを除いてフィン12を設けた構成にしているので、材料投入量をより減らした上で伝熱面積のアップが可能になり、より一層、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における熱交換器の概略図である。
なお、この実施形態の発明は、背景技術や実施の形態1と同一構成および作用を奏する部分には同じ符号を付して詳細な説明を省き、異なる部分を中心に説明する。
図4において、フィンピッチP1は、流路9の入口部分であって給湯水の水温がスケール成分(例えば、炭酸カルシウム)が析出する温度(例えば70℃)未満となる部分におけるフィン12の巻きピッチである。フィンピッチP2は、流路9の出口部分であって給湯水の水温がスケール成分析出する温度(例えば70℃)以上となる部分Aにおけるフィン12の巻きピッチであり、フィンピッチP1よりも大きくされている。
また、フィン付きチューブ7の曲げ部Bにおけるフィン12の巻きピッチであるフィンピッチP3は、フィンピッチP1よりも大きくされている。
以上のように構成された熱交換器について、以下その動作、作用を説明する。
フィンピッチP2はフィンピッチP1よりも大きくされているので、給湯水の水温がスケール成分析出する温度(例えば70℃)以上となる部分Aにおける給湯水の流れがスムーズになり、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
また、フィンピッチP3はフィンピッチP1よりも大きくされているので、フィン付きチューブ7の曲げ部Bにおける給湯水の流れがスムーズになり、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
以上のように、本実施の形態においては、チューブ11内にCO冷媒が流れるフィン付きチューブ7と、給湯水が流れる流路9が設けられた容器6とからなり、フィン付きチューブ7は流路9内にともに配設され、フィンピッチP2またはフィンピッチP3をフィンピッチP1よりも大きくするよう形成したことにより、材料投入量をより減らした上で伝熱面積のアップが可能になることに加えて、給湯水の水温がスケール成分析出する温度(例えば70℃)以上となる部分Aや曲げ部Bにおける給湯水の流れがスムーズになるので、スケール成分の管壁付着を抑制できる。
なお、本実施の形態では、フィンピッチP2やフィンピッチP3はフィンピッチP1に対して一定値だけ大きいものとしているが、給湯水の水温上昇に伴ってフィンピッチP2やフィンピッチP3が順次大きくなっていくものも、同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明にかかる熱交換器は、CO冷媒と給湯水の伝熱面積を容易に拡大でき、コンパクトでかつ高性能化が図れるので、給湯水や暖房用ブラインを加熱する超臨界ヒートポンプ式給湯装置に適用できる。
本発明の実施の形態1における熱交換器の概略図 本発明の実施の形態2における熱交換器の概略図 本発明の実施の形態3における熱交換器の概略図 本発明の実施の形態4における熱交換器の概略図 従来の水冷媒熱交換器の斜視図 その他の従来の水冷媒熱交換器の斜視図
符号の説明
6 熱交換器
7 フィン付きチューブ
8 容器
9 流路
11 チューブ
12 フィン
A 給湯水の水温がスケール成分析出する温度以上となる部分
B フィン付きチューブの曲げ部
C 直管部
P2 A部のフィンピッチ
P3 B部のフィンピッチ
W1 仕切壁

Claims (6)

  1. チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの曲げ部を除いてフィンを設けたことを特徴とした熱交換器。
  2. チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの前記第2冷媒が高温となる部分を除いてフィンを設けたことを特徴とした熱交換器。
  3. チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記チューブの曲げ部および前記チューブの前記第2冷媒が高温となる部分を除いてフィンを設けたことを特徴とした熱交換器。
  4. チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記フィン付きチューブの曲げ部のフィンピッチは直管部のフィンピッチよりも大きいことを特徴とした熱交換器。
  5. チューブ内に第1冷媒が流れるフィン付きチューブと、第2冷媒が流れる流路が設けられた容器とからなり、前記フィン付きチューブは前記流路内にともに配設され、前記第2冷媒が高温となる前記フィン付きチューブのフィンピッチは前記第2冷媒が低温となる部分のフィンピッチよりも大きいことを特徴とした熱交換器。
  6. 前記第1冷媒はCO、前記第2冷媒は水とした請求項1から5のいずれか一項に記載の熱交換器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013113525A (ja) * 2011-11-30 2013-06-10 Watanabe Seisakusho:Kk 二重管
JP2013228113A (ja) * 2012-04-24 2013-11-07 Yamadai Kiden Kk 井戸温泉熱交換装置
CN109931271A (zh) * 2019-04-11 2019-06-25 长沙中联泵业有限公司 一种换热式水泵

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