JPH0994623A - スパイラルフィン付き金属管の製造方法 - Google Patents

スパイラルフィン付き金属管の製造方法

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JPH0994623A
JPH0994623A JP25295895A JP25295895A JPH0994623A JP H0994623 A JPH0994623 A JP H0994623A JP 25295895 A JP25295895 A JP 25295895A JP 25295895 A JP25295895 A JP 25295895A JP H0994623 A JPH0994623 A JP H0994623A
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fin
tube
spiral
metal tube
outer diameter
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JP25295895A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Kurokawa
宣幸 黒川
Koichi Kuroda
浩一 黒田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スパイラルフィン付き金属管の製造方法を提供
する。 【解決手段】マンドレルバーと環状溝付きの3個の圧延
ロールを用いる冷間傾斜圧延により、素管外周に高さ5
mm以上のスパイラルフィンを形成するスパイラルフィ
ン付き金属管の製造方法であって、フィン外径(df :
mm)およびフィン付き金属管内径(=マンドレルバー
外径)(dm :mm)に応じて、下記(1)、(2)式
を満足する外径(do1:mm)及び内径(di1:mm)
の金属素管を用いる方法。 1.0<dol/dm <1.07 ………(1) 1.0<df /dol<1.3 ………(2) 【効果】高さ5mm以上のフィンと管本体とが一体とな
ったスパイラルフィン付き金属管を品質よく製造するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器などの伝
熱管として使用するのに好適な、フィン高さが5mm以
上のスパイラルフィン付き金属管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スパイラルフィン付き金属管の主な製造
方法としては、従来から次の三つの方法が知られてい
る。
【0003】第1の方法は、図9に示すように、金属素
管4の外周にスパイラルフィン5を螺旋状に溶接固定す
る方法である(特開昭58−9715号公報参照)。
【0004】図9は、溶接によって金属素管4の外周に
スパイラルフィン5を形成する状況を示す斜視図であ
る。この方法では、金属素管4を軸心回転させつつ軸長
方向へ移送するとともに、その外周面に一方の縁部が当
接するように帯状板材6をスパイラル状に巻き付けつつ
接合部を高周波溶接してスパイラルフィン5を形成す
る。
【0005】第2の方法は、図10および図11に示す
ように、金属素管4の外周面にスパイラルフィン5を転
造形成する方法(塑性と加工、vol.10 No.105(1969-10)
参照)である。
【0006】図10は、圧延ロール7、8、9を用いる
転造によってスパイラルフィン付き金属管を製造する方
法の実施態様を示す正面図、図11は図10のV−V線
矢視の拡大横断面図である。この方法では、金属素管4
のパスライン周りに配した3個の圧延ロール7、8、9
を用いて金属素管4を冷間または熱間で転造加工する。
【0007】圧延ロール7、8、9はいずれも、一本の
軸に薄肉円盤状であって外周部断面形状を楔状に薄くし
たディスクロール10を数十枚装着して構成してあり、
肉厚方向への圧下力により金属素管4の外面に略U字型
の溝を形成し、この溝加工で押し退けられた金属を各圧
延ロール7〜9のディスクロール10間の隙間内に移動
させることにより、スパイラルフィン5を形成した金属
管11を製造する。
【0008】第3の方法は、上記第2の方法と異なる、
熱間での塑性加工によるスパイラルフィン付き金属管の
製造方法である(特開昭62−124023号公報参
照)。
【0009】図12は、第3の方法の実施態様を示す正
面図、図13は図12のV−V線矢視拡大横断面図であ
る。この方法では、スパイラルフィン5を形成するため
の環状溝12が、金属素管4の入側からその出側に向け
て漸次広くなる間隔でその軸長方向に複数形成された圧
延ロール1、2、3をパスライン周りに3個配設した交
叉型傾斜圧延機を用い、前記圧延ロール1、2、3間へ
金属素管4の内面中空部にマンドレルバー14を配しつ
つ熱間で送給することにより、金属素管4に対して傾斜
圧延を施し、その外周面にスパイラルフィン5を形成す
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の従来技術を用い
てスパイラルフィン付き金属管を製造する場合には、次
のような問題点がある。
【0011】第1の方法のような溶接を用いる場合は、
帯状板材6の巻き付け加工に大きな駆動力が必要で、か
つその巻き付け加工の高速化が困難であること。金属素
管4に巻き付けられた帯状板材6は、その外周側で引っ
張り応力が生じて割れが発生し易く、その内周側で圧縮
応力が生じて皺、ひだ、波打ち現象が生じ易いこと。
【0012】金属素管4と帯状板材6との接合部の溶接
が確実に行われ難いこと。得られたスパイラルフィン付
き金属管を伝熱管として用いる場合、前記接合部の溶接
が不確実であることに起因して熱伝達特性が悪いこと、
など多くの欠点がある。
【0013】第2の方法のような転造法を用いる場合に
は、製造できる金属管の材質がAlやCuなどのような
極めて加工性の良い軟質金属に限られており、合金鋼、
ステンレス鋼はもとより、炭素鋼についても高いフィ
ン、例えば5mm以上のフィン高さを有するスパイラル
ハイフィンの形成が難しい。また、この第2の方法で
は、管自体にはほとんど延伸が生じない状態においてフ
ィン高さが1.5〜2mm程度のローフィン金属管の製
造に限られる。
【0014】第3の方法の場合には、図13において圧
延ロール1、2、3によって押し退けられた金属素管4
の肉厚はその軸方向へ主に流動し、その流動にともなっ
て金属素管4はスパイラルフィン5が形成されつつ、そ
の軸方向へ伸びるようになっている。従って、金属素管
4の肉厚がその径方向へ多く流動することが必要な、薄
くて高いフィンを有するスパイラルフィン付き金属管1
1、具体的には金属素管4の外径よりも大きな外径を有
するフィンが形成されたものを製造する場合には、第3
の方法は有効に使用することができない。
【0015】さらに、第3の方法を用いてフィンピッチ
が6mm以下であるようなスパイラルフィン付き金属管
を製造しようとする場合には、圧延ロール1〜3に形成
される環状溝12を画成するディスク状ロール部13の
ロール軸長方向の厚さを図13に示す厚さよりもさらに
薄くする必要があり、このように厚さの薄いディスク状
ロール部13を有する圧延ロール1〜3で熱間傾斜圧延
を行うと、ディスク状ロール部13に対する熱的負過が
相対的に大きくなり、ディスク状ロール部13が破損ま
たは溶損し易い。
【0016】本発明は、かかる事情に鑑みなされたもの
であり、その課題は、フィンが管本体と一体となった高
いフィンを有するスパイラルフィン付き金属管を品質と
能率よく廉価に製造する方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】高いフィンを有するスパ
イラルフィン付き金属管を得るために、素管内径、マン
ドレルバー外径および製品管形状の関係および素管が炭
素鋼である場合にはその炭素含有量に着目して、最適製
造条件を見出し、本発明を完成させた。
【0018】本発明の要旨は、次のスパイラルフィン付
き金属管の製造方法にある。
【0019】金属素管内面にマンドレルバーを挿入し、
環状溝を有する3個の圧延ロールを用いる冷間での傾斜
圧延により、素管外周にフィン高さが5mm以上のスパ
イラルフィンを形成するスパイラルフィン付き金属管の
製造方法であって、スパイラルフィン外径(df :m
m)およびスパイラルフィン付き金属管内径(=マンド
レルバー外径)(dm :mm)に応じて、下記(1)、
(2)式を満足する外径(do1:mm)および内径(d
i1:mm)を有する金属素管を用いることを特徴とする
スパイラルフィン付き金属管の製造方法(後述の図2参
照)。
【0020】 1.0<di1/dm <1.07 ………… (1) 1.0<df /do1≦1.3 ………… (2) 上記方法は、金属素管の材質が炭素鋼、Al、Cuおよ
びTiならびにこれらの合金などで、ステンレス鋼およ
び高合金鋼などよりも加工性の良い軟質材料の場合にも
適用することができる。
【0021】上記の方法において、フィン高さの望まし
い上限は20mm程度、フィンピッチの望ましい範囲は
2.8〜5.0mmである。
【0022】金属素管の材質が炭素鋼である場合に望ま
しいのは、上記(1)式および(2)式の条件に加えて
さらに、炭素含有量(C:wt%)ならびに製品鋼管の
フィン高さ(h:mm)、フィン根元管外径(do2:m
m)およびフィン根元管肉厚(t2 :mm)に応じて、
下記(3)式を満足する肉厚(t1 :mm)を有する素
管を用いることである。
【0023】 a・t2 /(a−h/do2)−1.0≦ t1 ≦a・t2 /(a−h/do2)+1.0……(3) ただし、a=0.522−1.02・C
【0024】
【発明の実施の形態】本発明方法では、金属素管の内径
とマンドレルバーの外径の間のクリアランスを制御し、
3個の環状溝付コーン型圧延ロールを用い、マンドレル
バーを管内に配して素管を冷間にて傾斜圧延し、フィン
ピッチ2.8〜5.0mm、かつフィン高さ5mm以
上、望まししくは20mm以下のスパイラルフィンを表
面に有するスパイラルフィン付き金属管を製造する。
【0025】図1〜図3に基づいて、本発明方法および
その実施に用いる圧延機の構成例を説明する。
【0026】図1は、本発明方法の実施に用いる装置の
要部(ロール部)を圧延すべき金属素管とともに示す正
面図(ただし、環状溝は省略して示してある)、図2は
図1のI−I線矢視の一部拡大横断面図、図3は図1の
II矢視側面である。
【0027】コーン型圧延ロール1、2、3は図2に示
すように各々同一の入り側面角度αを有し、そのロール
軸心線は図3に示すように同側の軸端が周方向の同じ側
へ向くように傾斜(この軸心線のパスラインに対する角
度βを傾斜角度という)せしめられている。
【0028】そして、コーン型圧延ロール1、2、3の
外周面には、図2および図3に示すように複数(例えば
10〜20条)の環状溝12がその軸長方向に適切な離
間距離を有して形成されており、これによって複数のデ
ィスク状ロール部15が形成されている。なお、これら
の環状溝12は、一体物のロールの外周面を切削加工す
ることによって形成してもよく、または図11に示した
ロールと同様に複数のディスク状ロール部材15を所定
の間隔を隔てて重ね合わせつつ一本の軸に外嵌装着し、
これらを一体化することによって形成してもよい。
【0029】前記環状溝12の位置、間隔、幅および深
さについては、圧延ロール間相互で異なっており、また
各圧延ロールにおいても間隔、幅および深さが金属素管
4の入側から出側に向けて異なっている(図13参
照)。すなわち、図2にその一例を示すように、環状溝
12の位置、深さは、傾斜圧延中の金属管4のスパイラ
ルメタルフローおよび環状溝12の隙間で形成されてい
くスパイラルフィン5の半径方向のメタルフローを勘案
し、出側端で所望のフィン高さhおよびフィンピッチp
が得られるように金属素管4の入側から出側に向けて、
各圧延ロール1、2および3毎に適宜変化せしめられて
いる。このようにして形成すべきスパイラルフィン5の
高さhとフィンピッチpに応じて環状溝12の位置、間
隔、幅および深さが定まり、さらにこれらと関係したロ
ール入側面角度α、ロール傾斜角度βなどが決定され
る。αおよびβの望ましい範囲は、それぞれ3〜8°程
度、1〜5°程度である。
【0030】断面が円形である金属素管4は、マンドレ
ルバー14が挿入された状態で管軸長方向に移送されて
行き、そのパスラインの管圧延位置に設けた3個1組の
コ−ン型圧延ロール1、2、3で圧延される。そして上
述のような環状溝12が形成されたコ−ン型圧延ロール
1、2、3の内の一つのロールから出たフィンは、次の
圧延ロールの環状溝12に導かれ、順次形成されてい
く。すなわち、金属素管4を上述のような圧延ロール
1、2、3を有する傾斜圧延機へ給送し、圧延ロール
1、2、3間に噛み込ませる。圧延ロール1、2、3は
同方向に回転駆動せしめられており、これに噛み込まれ
た金属素管4は軸心線回りに回転されつつ軸長方向に移
動される。このいわゆる螺進移動せしめられることによ
り、3つの圧延ロール1、2、3の順次的圧延で隣りの
圧延ロールの環状溝12へとフィン5が順次的に導入さ
れて、スパイラルフィン付き金属管11が製造されるの
である。
【0031】本発明方法では、上記の圧延機と方法とを
用いて、次の条件でスパイラルフィン付き金属管の製造
を行う。
【0032】まず、図2に示す製造したいスパイラルフ
ィン付き金属管11のフィン外径(df :mm)、フィ
ン根元管外径(do2:mm)、フィン高さ(h:mm)
およびフィン根元管肉厚(t2 :mm)を設定し、スパ
イラルフィン付き金属管11の内径(di2=do2−2t
2 )とほぼ同じ大きさの外径(dm :mm)のマンドレ
ルバー14を用意し、下記(1)式により金属素管4の
内径(di1:mm)を決める。同時に下記(2)式によ
り金属素管4の外径(do1:mm)を決める。
【0033】ここで、フィン外径df (mm)=2h+
do2である。
【0034】 1.0<di1/dm <1.07 …………(1) 1.0<df /do1≦1.3 …………(2) 図2により、冷間圧延により金属素管の外表面にスパイ
ラルフィンを形成する過程を詳細に説明する。
【0035】図2に示すように、冷間加工におけるスパ
イラルフィン5の形成は、圧延の入側部分で金属素管4
の内面がマンドレルバー14の外面に接触するまでの縮
径部分とフィン加工部分との二つに大別される。
【0036】金属素管4の内径(di1)がマンドレルバ
ー14の外径(dm )の1.07倍以上となって前記
(1)式を満たさず、両者間のクリアランスが大きすぎ
ると、縮径加工部分において加工による材料の歪が大き
くなって金属素管4が加工硬化するために、そのあと引
き続き施されるハイフィン形成の際にスパイラルフィン
5部に割れが発生し易くなる。このため、製造可能なフ
ィン高さhが著しく制約される。また、金属素管4の外
表面部分が加工硬化するために、半径方向への材料の流
動が起こり難くなり、5mm以上の高いスパイラルフィ
ン5を成形することができず、さらにフィン割れを起こ
したりする。よって、金属素管4の内径(di1)をマン
ドレルバー14の外径(dm )の1.07倍未満に設定
することとした。ちなみに、フィン高さ1.5〜2.0
mm、フィンピッチ1.7mm以下のスパイラルローフ
ィン金属管を製造する場合では、金属素管の内径をマン
ドレルバーの外径の1.10〜1.20倍に設定するの
が通常である。
【0037】金属素管4の内径(di1)とマンドレルバ
ー14の外径(dm )との間のクリアランスを前記
(1)式を満たして適正にしても、フィン加工部分にお
いて高いフィンを形成させようとすると、加工硬化によ
りフィン外周側で割れなどが発生するので、本発明方法
ではさらに同時にフィン外径(df )は金属素管4の外
径(do1)の1.3倍以下に設定し、前記(2)式を満
足させる必要がある。
【0038】上記の方法は、金属素管の材質が炭素鋼、
Al、CuおよびTiならびにこれらの合金などで、ス
テンレス鋼および高合金鋼などよりも加工性の良い軟質
材料の場合に適用することができる。
【0039】上記の方法において、フィン高さhの望ま
しい上限は20mm程度、フィンピッチpの望ましい範
囲は2.8〜5.0mmである。
【0040】本発明方法において金属素管の材質が炭素
鋼である場合には、前記(1)式および(2)式の条件
に加えてさらに、炭素含有量(C:wt%)ならびに鋼
管のフィン高さ(h:mm)、フィン根元管外径(do
2:mm)およびフィン根元管肉厚(t2 :mm)に応
じて、下記(3)式を満足する肉厚(t1 :mm)を有
する素管を用いることが望ましい。
【0041】 a・t2 /(a−h/do2)−1.0≦t1 ≦ a・t2 /(a−h/do2)+1.0……(3) ただし、a=0.522−1.02・C 素管の材料が炭素鋼の場合においては、炭素含有量が多
いほど加工硬化が大きくなる性質があり、圧延による素
管の歪が大きいときには圧延中にフィン外周側で割れが
発生しやすくなる。
【0042】本発明者らは、スパイラルフィン付き炭素
鋼管において、フィン高さ(h)、フィン根元管外径
(do2)およびフィン根元管肉厚(t2 )が異なると、
素管に与えられる歪の大きさが異なることに着目し、炭
素含有量に応じて素管の肉厚を変えることによって、良
好なフィン加工を実現する方法を検討した。
【0043】図4は、素管の炭素含有量を種々変えて製
造したスパイラルフィン付き炭素鋼管について、フィン
高さ/フィン根元管外径(h/do2)と肉厚圧下率
〔(t1−t2 )/t1 〕との関係を整理した図であ
る。両者の関係は、さらに回帰分析したところ下記
(4)式で表されることが判明した。
【0044】 h/do2=a・(t1 −t2 )/t1 ……(4) ここで、aは比例定数であり、炭素含有量Cが0.06
wt%のときa=0.47、0.12wt%のときa=
0.42、0.20wt%のときa=0.36となる。
【0045】図5は、上記比例定数aと素管の炭素含有
量Cとの関係を整理した図である。
【0046】図5に示すように、比例定数aと炭素含有
量Cとの関係を回帰分析により検討したところ、aは炭
素含有量Cに比例する値となり、下記(5)式を得た。
【0047】 a=0.522−1.02C …………(5) また、上記(4)式を、素管肉厚(t1 )に注目して整
理すると下記(6)式が得られる。
【0048】 t1 =a・t2 /(a−h/do2)……(6) 従って、素管肉厚(t1 )は、フィン根元管肉厚(t2
)、フィン高さ/フィン根元管外径(h/do2)およ
び素管の炭素含有量Cによって決まることになる。
【0049】そこで、図6〜図8に示すように、炭素含
有量Cとフィン高さ/フィン根元管外径(h/do2)の
異なるフィン付き管を対象に、上記(5)式の素管の炭
素含有量Cと前記(4)式のフィン高さ/フィン根元管
外径(h/do2)との2つの値に着目し、上記(6)式
に基づいてフィン根元管肉厚(t2 )と素管肉厚(t1
)との関係を整理した。
【0050】その結果、図6〜図8のいずれにおいて
も、素管肉厚(t1 )は上記(6)式に示す直線上に分
布するのではなく、下記(3)式の範囲内に分布するこ
とが判明した。すなわち、素管肉厚(t1 )が下記
(3)式を満たすものであれば、所望のスパイラルフィ
ン付き炭素鋼管が得られることが判明した。
【0051】 a・t2 /(a−h/do2)−1.0≦t1 ≦ a・t2 /(a−h/do2)+1.0……(3) ただし、a=0.522−1.02・C よって、製造するスパイラルフィン付き炭素鋼管のフィ
ン高さ(h)、フィン根元管外径(do2)、フィン根元
管肉厚(t2 )が決められている場合には、素管の炭素
含有量(C:wt%)の違いにより(3)式で求められ
る範囲の肉厚(t1 )である素管を用意することによっ
て、スパイラルフィン付き炭素鋼管を製造することが可
能となる。
【0052】素管肉厚(t1 )が、(3)式において下
限値未満の場合は、圧延ロールの環状溝で形成されてい
くフィンが溝に対して未充満となり、目標とするフィン
高さを達成することができない。一方、(3)式におい
て上限値を超える場合は、圧延ロールの環状溝で形成さ
れていくフィンが溝に対して過充満となり、圧延ロール
のディスク状ロール部が破損する恐れがある。
【0053】
【実施例】図1〜図3に示す本発明方法により、表1お
よび表2に示す条件で炭素鋼素管を対象としてスパイラ
ルフィン付き鋼管の製造試験を行った。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】評価は、フィン高さの満足度およびフィン
部割れの有無を用いて行った。結果を表2および表3に
示す。
【0057】
【表3】
【0058】表2および表3に示すように、本発明例で
はいずれも5mm以上のフィン高さのものがフィン割れ
を発生することなく得られた。特に素管として炭素含有
量を考慮した肉厚の素管を用いた場合(No. 5〜13)
では、目標とする設定フィン高さを満足するものを得る
ことができた。
【0059】これに対し、素管内径/スパイラルフィン
付き金属管内径(di1/dm )が1.07以上のもの
(No. 14、17、18)、およびスパイラルフィン付
き金属管外径/素管外径(df /dol)が1.3を超え
るもの(No. 15、19)は、いずれもフィン割れが生
じた。また、本発明で規定する(3)式の上限を超える
厚肉の素管を用いたもの(No. 16)では、圧延ロール
のディスク状ロール部が破損し、圧延することができな
かった。
【0060】
【発明の効果】本発明の方法によれば、高さ5mm以上
のフィンと管本体とが一体となったスパイラルフィン付
き金属管を品質よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に使用する装置の要部(ロー
ル部)と金属素管とを示す正面図である。
【図2】図1のI−I線矢視一部拡大横断面図である。
【図3】図1のII矢視側面図である。
【図4】素管の炭素含有量を変えて製造したスパイラル
フィン付き炭素鋼管について、フィン高さ/フィン根元
管外径(h/do2)と肉厚圧下率〔(t1 −t2 )/t
1 〕との関係を示す図である。
【図5】比例定数aと素管の炭素含有量Cとの関係を示
す図である。
【図6】スパイラルフィン付き炭素鋼管のフィン根元管
肉厚と素管肉厚との関係を示す図である。
【図7】スパイラルフィン付き炭素鋼管のフィン根元管
肉厚と素管肉厚との関係を示す別の図である。
【図8】スパイラルフィン付き炭素鋼管のフィン根元管
肉厚と素管肉厚との関係を示す更に別の図である。
【図9】従来のスパイラルフィン付き金属管の製造方法
を示す斜視図である。
【図10】従来のスパイラルフィン付き金属管の別の製
造方法を示す正面図である。
【図11】図10のV−V線での拡大横断面図である。
【図12】従来のスパイラルフィン付き金属管の更に別
の製造方法を示す正面図である。
【図13】図12のV−V線での拡大横断面図である。
【符号の説明】
1,2,3:コーン型圧延ロール、 4:金属素管、 5:スパイラルフィン、 6:帯状板材、 7,8,9:圧延ロール、 10:ディスクロール、 11:スパイラルフィン付き金属管、 12:環状溝、 13,15:ディスク状ロール部、 14:マンドレルバー、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属素管内面にマンドレルバーを挿入し、
    環状溝を有する3個の圧延ロールを用いる冷間での傾斜
    圧延により、素管外周にフィン高さが5mm以上のスパ
    イラルフィンを形成するスパイラルフィン付き金属管の
    製造方法であって、スパイラルフィン外径(df :m
    m)およびスパイラルフィン付き金属管内径(=マンド
    レルバー外径)(dm :mm)に応じて、下記(1)、
    (2)式を満足する外径(do1:mm)および内径(d
    i1:mm)を有する金属素管を用いることを特徴とする
    スパイラルフィン付き金属管の製造方法。 1.0<di1/dm <1.07 ………… (1) 1.0<df /do1≦1.3 ………… (2)
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