JP2007298076A - 転がり軸受のリング状密封装置およびその製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリンガの分離を防止できる密封装置を提供する。
【解決手段】シール環体4の第二部分14bの内周縁部から、第一円筒部摺接リップ9a,9bが突出形成される。また、第一円筒部2aのアキシャル方向第二端部には、ラジアル方向外側に突出した分離防止突部5が形成されている。分離防止突部5と第一円筒部摺接リップ9a,9bが係合することにより、第一スリンガ2と第二スリンガ3との分離が防止される。
【選択図】図2
【解決手段】シール環体4の第二部分14bの内周縁部から、第一円筒部摺接リップ9a,9bが突出形成される。また、第一円筒部2aのアキシャル方向第二端部には、ラジアル方向外側に突出した分離防止突部5が形成されている。分離防止突部5と第一円筒部摺接リップ9a,9bが係合することにより、第一スリンガ2と第二スリンガ3との分離が防止される。
【選択図】図2
Description
本発明は転がり軸受のリング状密封装置およびその製造方法に関するものである。
軸受装置は一般に、軌動輪(内輪・外輪)、転動体および保持器を基本構成とし、更に密封装置等の他の部材など複数の構成部材の組立体として構成されている。
密封装置として例えば、2個のスリンガと1個のシール環体からなり、一方のスリンガにシール環体が固定され、他方のスリンガ内面に摺接するものがある。例えば下記特許文献1には、この種の密封装置について開示がされている。
特開2002−227857号公報
密封装置は、上述のように構成された後、軸受装置の外輪・内輪間に嵌入される。これにより転動体が密封され、外部からの水の侵入を防止することが可能となる。又、密封装置は、グリース等を封止する役割も果たす。
しかし従来の密封装置は、シール環体の弾性力によって2個のスリンガを一体化しているため、密封装置の搬送中や軸受装置の製造工程中にバラけやすいという問題があった。そのため、スリンガの分離を防止できる密封装置が望まれていた。
本発明は上述のような事情を背景になされたもので、特に、スリンガの分離を防止できる密封装置を提供することを課題とする。
本発明の転がり軸受のリング状密封装置は、
外輪部材と、該外輪部材と同心に配置された内輪部材と、前記外輪部材と前記内輪部材との間に介装される転動体とを有し、軸線周りに前記外輪部材と前記内輪部材が相対的に回転可能とされた転がり軸受の、前記外輪部材と前記内輪部材とによって形成される転動体配置空間を密封するためのリング状密封装置であって、
第一円筒部と、該第一円筒部のアキシャル方向第一端部からラジアル方向外側に向かって延びる第一フランジ部と、前記第一円筒部のアキシャル方向第二端部からラジアル方向外側に向かって突出する突部とから形成される第一スリンガと、
前記第一円筒部よりも大きな半径を有し、該第一円筒部のラジアル方向外側に位置する第二円筒部と、該第二円筒部のアキシャル方向第二端部からラジアル方向内側に向かって延びる第二フランジ部とから形成される第二スリンガと、
前記第二スリンガの前記第二円筒部の内周面に固定された第一部分と、前記第二フランジ部の内面に固定された第二部分とからなるシールベース部と、該第二部分の内周縁部から前記第一スリンガの前記第一円筒部に向けて突出し、該第一円筒部の外周面に摺接する第一円筒部摺接リップとを有するシール環体と、
を備え、前記突部は、前記第一円筒部摺接リップと係合することにより、前記第一スリンガと前記第二スリンガとのアキシャル方向の分離を防止する分離防止突部とされていることを特徴とする。
外輪部材と、該外輪部材と同心に配置された内輪部材と、前記外輪部材と前記内輪部材との間に介装される転動体とを有し、軸線周りに前記外輪部材と前記内輪部材が相対的に回転可能とされた転がり軸受の、前記外輪部材と前記内輪部材とによって形成される転動体配置空間を密封するためのリング状密封装置であって、
第一円筒部と、該第一円筒部のアキシャル方向第一端部からラジアル方向外側に向かって延びる第一フランジ部と、前記第一円筒部のアキシャル方向第二端部からラジアル方向外側に向かって突出する突部とから形成される第一スリンガと、
前記第一円筒部よりも大きな半径を有し、該第一円筒部のラジアル方向外側に位置する第二円筒部と、該第二円筒部のアキシャル方向第二端部からラジアル方向内側に向かって延びる第二フランジ部とから形成される第二スリンガと、
前記第二スリンガの前記第二円筒部の内周面に固定された第一部分と、前記第二フランジ部の内面に固定された第二部分とからなるシールベース部と、該第二部分の内周縁部から前記第一スリンガの前記第一円筒部に向けて突出し、該第一円筒部の外周面に摺接する第一円筒部摺接リップとを有するシール環体と、
を備え、前記突部は、前記第一円筒部摺接リップと係合することにより、前記第一スリンガと前記第二スリンガとのアキシャル方向の分離を防止する分離防止突部とされていることを特徴とする。
上記発明によると、第一スリンガのアキシャル方向第二端部に分離防止突部が形成されている。そしてシール環体の第二部分から第一円筒部に向けて突出するように、第一円筒部摺接リップが形成されている。この第一円筒部摺接リップは、転がり軸受に組みつけられた際に、グリースの封止をするものである。転がり軸受の製造工程中で、第一スリンガと第二スリンガを引き離す力が作用すると、この分離防止突部と第一円筒部摺接リップとが係合するため、第一スリンガと第二スリンガの分離が防止される。そのため、転がり軸受の製造工程をスムーズに進めることができる。
また、本発明の転がり軸受のリング状密封装置は、
前記第一円筒部の外周面と前記分離防止突部の外周面のなす角度は鈍角とされていることを特徴とする。
前記第一円筒部の外周面と前記分離防止突部の外周面のなす角度は鈍角とされていることを特徴とする。
リング状密封装置を組み立てる際には、シール環体を弾性的に拡径して第一円筒部に接近させ、分離防止突部を乗り越えさせる必要がある。上記発明によると、第一円筒部の外周面と分離防止部の外周面のなす角度は鈍角とされているため、リング状密封装置を製造する際に、シール環体が分離防止部を乗り越えやすくなる。そのため、製造工程を円滑に進めることが可能となる。
さらに本発明の転がり軸受のリング状密封装置は、
前記シールベース部の前記第二部分の内周縁部から前記第二フランジ部のアキシャル方向第二主表面側へ回り込む回込部が形成され、
前記分離防止突部の外周縁部は、前記回込部の内周縁部よりもラジアル方向内側に位置していることを特徴とする。
前記シールベース部の前記第二部分の内周縁部から前記第二フランジ部のアキシャル方向第二主表面側へ回り込む回込部が形成され、
前記分離防止突部の外周縁部は、前記回込部の内周縁部よりもラジアル方向内側に位置していることを特徴とする。
上記発明によると、シールベース部に回込部が形成されているため、第二スリンガとシール環体をしっかりと固定できる。また、分離防止突部の外周縁部は、回込部の内周縁部よりもラジアル方向内側に位置している。このようにすると、リング状環体の組立て工程において、分離防止突部と回込部が当接することがなくなる。つまり、第一円筒部摺接リップが弾性変形するだけで分離防止突部を乗り越えることが可能となる。そのため、リング環体を組み立てやすくなる。
一方、本発明の転がり軸受のリング状密封装置製造方法は、
前記分離防止突部と同一か又は大きな半径を有する円筒状の外周面を有した治具に対し、前記第二スリンガと前記シール環体とが組み立てられた組立体を、前記シール環体が前記治具の端面側を向くように前記第一円筒部摺接リップを弾性的に拡径しつつ該治具の前記外周面上に取り付ける第一工程と、
前記組立体が取り付けられた前記治具に対して前記第一スリンガを、前記分離防止突部が形成された側が前記治具の前記端面側を向くように該端面に対し同心的に位置決めする第二工程と、
前記第一スリンガに接近させる方向に前記組立体を前記治具の外周面上にて摺動させ、前記シール環体を前記分離防止突部を通過させつつ前記治具より離脱させ、該シール環体を弾性復帰させることにより前記第一円筒部の外周面上に縮径保持させる第三工程と、
をこの順で実施することを特徴とする。
前記分離防止突部と同一か又は大きな半径を有する円筒状の外周面を有した治具に対し、前記第二スリンガと前記シール環体とが組み立てられた組立体を、前記シール環体が前記治具の端面側を向くように前記第一円筒部摺接リップを弾性的に拡径しつつ該治具の前記外周面上に取り付ける第一工程と、
前記組立体が取り付けられた前記治具に対して前記第一スリンガを、前記分離防止突部が形成された側が前記治具の前記端面側を向くように該端面に対し同心的に位置決めする第二工程と、
前記第一スリンガに接近させる方向に前記組立体を前記治具の外周面上にて摺動させ、前記シール環体を前記分離防止突部を通過させつつ前記治具より離脱させ、該シール環体を弾性復帰させることにより前記第一円筒部の外周面上に縮径保持させる第三工程と、
をこの順で実施することを特徴とする。
上記発明によると、分離防止突部と同じか又は大きな半径を有する、円筒状の外周面を有する治具を用意する。そして、その治具の外周面に組立体を、前記第一円筒部摺接リップを弾性的に拡径しつつ取り付ける。次に第一スリンガを、治具と同心になる位置に位置決めする。その後、組立体を、第一スリンガに接近させる方向に治具外周面上を摺動させる。そして第一スリンガの分離防止突部を通過させ、治具から離脱させる。このようにすると、リング状密封装置の製造を簡単に行うことが可能となる。
また、本発明の転がり軸受のリング状密封装置製造方法は、
前記治具には、前記端面の外周縁部に、前記第一スリンガの前記分離防止突部に向かって縮径するテーパ面またはアール面が形成されていることを特徴とする。
前記治具には、前記端面の外周縁部に、前記第一スリンガの前記分離防止突部に向かって縮径するテーパ面またはアール面が形成されていることを特徴とする。
上記発明によると、治具の端面の外周縁部にテーパ面またはアール面が形成されているため、前記シール環体が前記分離防止突部を通過しやすくなる。そのため、リング状密封装置の製造をスムーズに行うことができる。
さらに、本発明の転がり軸受のリング状密封装置製造方法は、
前記治具に複数個の前記組立体を積層して保持し、該複数個の組立体を押すことにより前記第一スリンガに最も近い前記組立体を押し出し、該組立体を前記第一スリンガに組付けることを特徴とする。
前記治具に複数個の前記組立体を積層して保持し、該複数個の組立体を押すことにより前記第一スリンガに最も近い前記組立体を押し出し、該組立体を前記第一スリンガに組付けることを特徴とする。
上記発明によると、治具に複数個の組立体を積層して保持している。そのため、第一スリンガと組立体の組付け作業を連続して行うことが可能となり、製造効率が上がる。
次に本発明の実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。
図1は、転がり軸受13の断面図である。このように転がり軸受13は、外輪部材7と、内輪部材6と、これら外輪部材7と内輪部材6との間に介装される転動体8を備え、内輪部材6と外輪部材7とが軸心周りに相対的に回転可能とされている。また、内輪部材6と外輪部材7との間に形成される転動体配置空間Sを密封するためのリング状密封装置1が取り付けられている。
図1は、転がり軸受13の断面図である。このように転がり軸受13は、外輪部材7と、内輪部材6と、これら外輪部材7と内輪部材6との間に介装される転動体8を備え、内輪部材6と外輪部材7とが軸心周りに相対的に回転可能とされている。また、内輪部材6と外輪部材7との間に形成される転動体配置空間Sを密封するためのリング状密封装置1が取り付けられている。
図2に、リング状密封装置1の拡大図を示す。第一スリンガ2は、内輪部材6の外周面に固定された第一円筒部2aと、その第一円筒部2aのアキシャル方向第一端部からラジアル方向外側に向かって延びる第一フランジ部2bとから形成される。また第二スリンガ3は、第一円筒部2aよりも大きな半径を有し、該第一円筒部2aのラジアル方向外側に位置し、外輪部材7の内周面に固定された第二円筒部3aと、その第二円筒部3aのアキシャル方向第二端部からラジアル方向内側に向かって延びる第二フランジ部3bとから形成される。
さらにシール環体4は、第二円筒部3aから第二フランジ部3bにわたる内面に固定されたシールベース部14と、そのシールベース部14から第一スリンガ2に向かって突出するリップ部9とを備える。より詳しくは、シールベース部14は、第二円筒部3aの内周面に固定された第一部分14aと、第二フランジ部3bの内面に固定された第二部分14bからなる。そして、この第二部分14bの内周縁部から第一円筒部摺接リップ9a,9bおよび第一フランジ部摺接リップ9cが突出している。第一フランジ部摺接リップ9cは、外部からの水の侵入を防止するものである。また、第一円筒部摺接リップ9aは、転動体配置空間S内のグリースを保持するものである。
さらに、シールベース部14の第二部分14bの内周縁部から、第二フランジ部3bのアキシャル方向第二主表面側へ回りこむ回込部28が形成されている。この回込部28があるため、シール環体4がめくれ上がることを防止でき、第二スリンガ3にしっかりと固定できる。
一方、第一円筒部2aのアキシャル方向第二端部には、ラジアル方向外側に向かって突出する分離防止突部5が形成されている。この分離防止突部5は、転がり軸受13にリング状密封装置1を組付ける工程の途中や、リング状密封装置1の搬送時に、第一スリンガ2と第二スリンガ3が分離することを防止するためのものである。第一スリンガ2と第二スリンガ3をアキシャル方向に分離する力が作用すると、分離防止突部5と第一円筒部摺接リップ9aが係合するため、分離が防止される。そのため、転がり軸受13の製造工程中や、リング状密封装置1の搬送時にリング状密封装置1がバラけにくくなり、製造工程や搬送をスムーズに進めることが可能となる。
従来のリング状密封装置1は、分離防止突部5が形成されておらず、シール環体4の弾性力を使って第一スリンガ2を締め付け、第二スリンガ3を一体化していた。そのため転がり軸受13に組立てる工程の最中や、リング状密封装置1の搬送時に何らかの力が作用し、リング状密封装置1がバラけることがあった。しかし本発明は分離防止突部5を設けたので、このような問題が起きにくい。
一方、図2に示すように、分離防止突部5の外周面と、第一円筒部2aの外周面とのなす角度θは鈍角とされている。また、分離防止突部5の外周縁部5aは、回込部28の内周縁部28aよりもラジアル方向内側に位置している。これらの効果については後述する。
次に図3〜図5を用いて、上述したリング状密封装置1の製造方法について説明する。まず図3に示すように、円筒状の外周面を有する治具12を用意する。この治具12は、第一スリンガ2の分離防止突部5と同一か又は大きな半径を有している(図4参照)。この治具12に対して、第二スリンガ3とシール環体4とが組み立てられた組立体14を、シール環体4が治具12の端面12aを向くように第一円筒部摺接リップ9a,9bを弾性的に拡径しつつ、治具12の外周面12b上に取り付ける(本発明の第一工程)。本実施例では、複数個の組立体を、上下に積層するように治具12に取り付けている。
次に図4に示すように、搬送具27を使って第一スリンガ2を搬送し、組立体14が取り付けられた治具12に対して第一スリンガ2を、分離防止突部5が形成された側が端面12aを向くように該端面12aに対し同心的に位置決めする(本発明の第二工程)。治具12は、上下に移動可能に構成されている。水平方向の位置合わせは搬送具27によって行われ、アキシャル方向の位置合わせは治具12の上下移動によって行われる。
第二工程の後、プッシャー15を用いて複数個の組立体14を端面12a側に押し出す。すなわち、第一スリンガ2に接近させる方向に組立体14を治具12の外周面12b上にて摺動させる。その結果、図5に示すように、シール環体4が分離防止突部5を通過しつつ治具12より離脱する。するとシール環体4が弾性復帰し、第一円筒部2aの外周面上に縮径保持される(本発明の第三工程)。また、治具12には、端面12aの外周縁部に、第一スリンガ2の分離防止突部5に向かって縮径するテーパ面26が形成されている。これにより、上記第三工程においてシール環体4が分離防止突部5を乗り越えやすくなる。なお、テーパ面26の代わりにアール面を形成してもよい。
このように本発明のリング状密封装置1の製造方法では、治具12を用いることにより、第一スリンガ2と組立体14を簡単に組付けることができる。すなわち、治具12に取り付ける前は、第一円筒部摺接リップ9a,9bの内周面の半径は、分離防止突部5の外周縁部5aの半径よりも小さくなっているため、一旦拡径し、分離防止突部5を乗越えさせるようにして、第一スリンガ2に組付ける必要がある。本発明の製造方法では、治具12に組立体14を取り付けておき、これを押し出すことにより、第一円筒部摺接リップ9a,9bが分離防止突部5を簡単に通過させ、組立てることができる。また、予め複数個の組立体14を治具12に取り付けているため、複数個の第一スリンガ2に対して次々に組付ける工程をオートメーション化することも容易である。そのため、リング状密封装置1の製造効率が上がる。
また、上述したように、分離防止突部5の外周面と、第一円筒部2aの外周面のなす角度θは鈍角とされている(図2参照)。このようにすると、上記第三工程において、シール環体4が分離防止突部5を通過しやすくなる。仮に角度θが直角または鋭角になっていると、第一円筒部摺接リップ9a,9bと分離防止突部5とが係合しやすくなるため、リング状密封装置1のバラけ防止効果が向上するものの、製造途中でシール環体4が分離防止突部5を乗り越えにくくなるため、リング状密封装置1の製造をスムーズに進めにくくなる。
さらに本発明では、分離防止突部5の外周縁部5aが、回込部28の内周縁部28aよりもラジアル方向内側に位置している。そのため、上記第三工程において、分離防止突部5が回込部28に当接することがなくなる。つまり、第一円筒部摺接リップ9a,9bは比較的弾性変形しやすい形状をしているものの、回込部28は弾性変形しにくいため、この回込部28が分離防止突部5に当接すると、組立体14が入らず、止まってしまう場合がある。しかし本発明では上述のようにしているため、このような不具合が生じにくい。
次に図6及び図7を用いて、転がり軸受13に対してリング状密封装置1を組付けるラインの説明をする。図6に示すように、組付けラインは、搬送装置としてのベルトコンベア17、そのベルトコンベア17の側方にリング状密封装置1を積層して保持する積層ユニット10、転がり軸受13を排出する排出ユニット18を備える。ベルトコンベア17は回転ローラ19を備える。制御ユニット20からの信号に基づいて、駆動制御部21からモータ22へ電力が供給されてモータ22が回転駆動され、さらにモータ22に接続された回転ローラ19が回転されることによって、ベルトコンベア17が回転し、転がり軸受13が搬送される。また駆動制御部21は、回転ローラ19の回転軸に直結したパルスジェネレータ23(ロータリエンコーダ)を備え、その出力パルスをフィードバックすることにより、モータ22への出力信号を制御し、ベルトコンベア17の移動距離が制御されるように構成されている。
制御ユニット20は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU,ROM,RAM,I/Oおよびこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。CPUは、ROMおよびRAMに記憶されたプログラムおよびデータにより搬送ラインの制御を行う。
積層ユニット10は、ベルトコンベア17の搬送経路側方に備えられている。図7に示するように、複数個のリング状密封装置1が、分離防止突部5が下側となるように上下に積層され、積層ユニット10内に保持されている。積層ユニット10の下端部には排出部15が設けられ、プッシャー16によって個々のリング状密封装置1が排出される。
排出されたリング状密封装置1は、転がり軸受13の上にまで移動される。その後、プッシャー11が下降することにより、リング状密封装置1が押され、内輪部材6と外輪部材7の間にリング状密封装置1が嵌入される。
このように、リング状密封装置1は予め複数個、積層して用意され、転がり軸受13が所定位置に運ばれたときに、順次排出されて取り付けられる。製造工程においては、リング状密封装置1がバラけないように注意する必要があり、万一バラけが発生すると、後続のワークへの影響も大きく、組付けラインのストップが必要となる場合もある。しかし本発明では、分離防止突部5があるためバラけにくく、組付け工程をスムーズに行うことが可能である。
一方、上述の実施例では、第一スリンガ2の分離防止突部5は第二フランジ部3bのアキシャル方向第二主表面よりもアキシャル方向外側に突出していた。しかし図8に示す構造にすることもできる。この実施例では、第二フランジ部3bのアキシャル方向第二主表面P1と、分離防止突部5の端面P2が面一とされている。また、図9に示すように、分離防止突部5の端面P2が第二フランジ部3bのアキシャル方向第二主表面P1よりもアキシャル方向内側に位置するようにしてもよい。分離防止突部5が突出していると転動体8(図1参照)に接触する場合があり、また、リング状密封装置1の幅方向の規格値が厳しい場合は、分離防止突部5が突出している分だけ規格外れ品が発生しやすくなる。しかし上述の構成にすれば、このような問題が生じにくい。
1 リング状密封装置
2 第一スリンガ
2a 第一円筒部
2b 第一フランジ部
3 第二スリンガ
3a 第二円筒部
3b 第二フランジ部
4 シール環体
5 分離防止突部
5a 分離防止突部5の外周縁部
6 内輪
7 外輪
8 転動体
9a,9b 第一円筒部摺接リップ
12 治具
12a 治具の端面
12b 治具の外周面
28 回込部
28a 回込部の内周面
S 転動体配置空間
2 第一スリンガ
2a 第一円筒部
2b 第一フランジ部
3 第二スリンガ
3a 第二円筒部
3b 第二フランジ部
4 シール環体
5 分離防止突部
5a 分離防止突部5の外周縁部
6 内輪
7 外輪
8 転動体
9a,9b 第一円筒部摺接リップ
12 治具
12a 治具の端面
12b 治具の外周面
28 回込部
28a 回込部の内周面
S 転動体配置空間
Claims (6)
- 外輪部材と、該外輪部材と同心に配置された内輪部材と、前記外輪部材と前記内輪部材との間に介装される転動体とを有し、軸線周りに前記外輪部材と前記内輪部材が相対的に回転可能とされた転がり軸受の、前記外輪部材と前記内輪部材とによって形成される転動体配置空間を密封するためのリング状密封装置であって、
第一円筒部と、該第一円筒部のアキシャル方向第一端部からラジアル方向外側に向かって延びる第一フランジ部と、前記第一円筒部のアキシャル方向第二端部からラジアル方向外側に向かって突出する突部とから形成される第一スリンガと、
前記第一円筒部よりも大きな半径を有し、該第一円筒部のラジアル方向外側に位置する第二円筒部と、該第二円筒部のアキシャル方向第二端部からラジアル方向内側に向かって延びる第二フランジ部とから形成される第二スリンガと、
前記第二スリンガの前記第二円筒部の内周面に固定された第一部分と、前記第二フランジ部の内面に固定された第二部分とからなるシールベース部と、該第二部分の内周縁部から前記第一スリンガの前記第一円筒部に向けて突出し、該第一円筒部の外周面に摺接する第一円筒部摺接リップとを有するシール環体と、
を備え、前記突部は、前記第一円筒部摺接リップと係合することにより、前記第一スリンガと前記第二スリンガとのアキシャル方向の分離を防止する分離防止突部とされていることを特徴とする転がり軸受のリング状密封装置。 - 前記第一円筒部の外周面と前記分離防止突部の外周面のなす角度は鈍角とされている請求項1記載の転がり軸受のリング状密封装置。
- 前記シールベース部の前記第二部分の内周縁部から前記第二フランジ部のアキシャル方向第二主表面側へ回り込む回込部が形成され、
前記分離防止突部の外周縁部は、前記回込部の内周縁部よりもラジアル方向内側に位置している請求項1または2記載の転がり軸受のリング状密封装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリング状密封装置を製造する方法であって、
前記分離防止突部と同一か又は大きな半径を有する円筒状の外周面を有した治具に対し、前記第二スリンガと前記シール環体とが組み立てられた組立体を、前記シール環体が前記治具の端面側を向くように前記第一円筒部摺接リップを弾性的に拡径しつつ該治具の前記外周面上に取り付ける第一工程と、
前記組立体が取り付けられた前記治具に対して前記第一スリンガを、前記分離防止突部が形成された側が前記治具の前記端面側を向くように該端面に対し同心的に位置決めする第二工程と、
前記第一スリンガに接近させる方向に前記組立体を前記治具の外周面上にて摺動させ、前記シール環体を前記分離防止突部を通過させつつ前記治具より離脱させ、該シール環体を弾性復帰させることにより前記第一円筒部の外周面上に縮径保持させる第三工程と、
をこの順で実施することを特徴とする転がり軸受のリング状密封装置製造方法。 - 前記治具には、前記端面の外周縁部に、前記第一スリンガの前記分離防止突部に向かって縮径するテーパ面またはアール面が形成されている請求項2記載の転がり軸受のリング状密封装置製造方法。
- 前記治具に複数個の前記組立体を積層して保持し、該複数個の組立体を押すことにより前記第一スリンガに最も近い前記組立体を押し出し、該組立体を前記第一スリンガに組付けることを特徴とする請求項4または5に記載の転がり軸受のリング状密封装置製造方法。
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