JP2007297970A - ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】インペラ及び/又はケーシングに揚力を発生する凹状溝を形成したポンプにおいて、インペラとケーシングの接触を効果的に抑制する。
【解決手段】本発明のポンプ10は、略円盤形状のインペラ36と、インペラ36を回転可能に収容するケーシング39と、を備えており、インペラ36が回転することでケーシング39内のポンプ流路44,46に流体を吸入して昇圧し、ケーシング39外に流体を吐出する。吸入側のインペラ36の表面と、そのインペラ36の表面と対向する吸入側のケーシング内面40bの少なくとも一方に、ポンプ流路44,46からシールされた凹状溝36cが形成されており、吐出側のインペラ36の表面と、そのインペラ36の表面と対向する吐出側のケーシング内面38bに、ポンプ流路44,46からシールされた凹状溝が形成されていない。
【選択図】図4

Description

本発明は、ガソリン等の流体を吸込んで昇圧し、昇圧した流体を吐出するポンプに関する。
特許文献1は従来技術に係るポンプを開示している。特許文献1のポンプは、略円盤形状のインペラと、そのインペラを回転可能に収容するケーシングとを備えている。このポンプでは、インペラが回転すると、ケーシング内のポンプ流路に流体が吸入される。ケーシング内のポンプ流路に吸入された流体は、インペラの回転に伴って昇圧され、昇圧された流体がケーシング外に吐出される。インペラの吐出側及び吸入側の両表面には、それぞれU字形状をした凹状溝が形成されている。この凹状溝はポンプ流路からシールされている。
このポンプでは、インペラが回転すると、インペラに形成された凹状溝内にも流体が流入し、流入した流体が凹状溝内から流出する際に、その流体にインペラの回転軸方向の速度成分を生じさせる。これによって、インペラの表面とケーシング内面のクリアランスを大きくする方向に作用する揚力が発生し、インペラとケーシングとの接触が防止され、ポンプ効率が向上するとしている。
特開平6−280776号公報
上述したように、このポンプでは、インペラが回転すると、インペラの吐出側及び吸入側の両表面に形成された凹状溝によって揚力が発生する。インペラの両表面には、同形状の凹状溝が形成されている。従って、インペラの表面とケーシング内面とのクリアランスが吐出側と吸入側とで均等となる状態では、吐出側のインペラ表面に作用する揚力と吸入側のインペラ表面に作用する揚力は略同じとなる。
一方、ポンプ流路内の流体の圧力差による力は、インペラを吸入側のケーシング内面に押し付ける方向に作用する。すなわち、ポンプ流路内に吸入された流体は、ポンプ流路を上流側(吸入側)から下流側(吐出側)に流れるのに伴って昇圧される。従って、ポンプ流路内の流体は、吐出側の方が吸入側よりも高い圧力となる。このため、インペラの吐出側の表面は吸入側の表面よりも高い圧力を受け、インペラは吸入側のケーシング内面方向に力を受ける。
従って、インペラ全体に作用する力は、吸入側のケーシング内面方向に作用する力がより大きくなる。インペラが吸入側のケーシング内面方向に力を受けると、その方向にインペラが押されて、吸入側のインペラ表面と吸入側のケーシング内面とのクリアランスが小さくなる。このため、吸入側のクリアランス内の流体が圧縮され、吸入側のインペラに作用する揚力が大きくなり、インペラに作用する力が均衡する。従って、インペラは、吸入側のケーシング内面に近接した状態で回転し続ける。
このように、インペラが吸入側のケーシング内面に近接した状態で回転すると、ポンプ流路内の流体圧力の変動等によってインペラがわずかに傾いても、インペラと吸入側のケーシング内面とが接触してしまうこととなる。インペラがケーシング内面に接触すると、摺動損失が発生し、ポンプ効率が低下してしまう。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、インペラとケーシングとの接触を効果的に抑制することができるポンプを提供することを目的とする。
本発明のポンプは、略円盤形状のインペラと、そのインペラを回転可能に収容するケーシングと、を備えている。インペラが回転すると、ケーシング内のポンプ流路に流体を吸入して昇圧し、昇圧した流体をケーシング外に吐出する。そして、吸入側のインペラ表面と、そのインペラ表面と対向する吸入側のケーシング内面の少なくとも一方には、ポンプ流路からシールされた凹状溝が形成されており、吐出側のインペラ表面と、そのインペラ表面と対向する吐出側のケーシング内面のいずれにも、ポンプ流路からシールされた凹状溝が形成されていないことを特徴とする。
このポンプでは、吐出側のインペラ表面及び吐出側のケーシング内面には凹状溝が形成されていない。従って、吐出側のインペラ表面では揚力が発生せず、吸入側のインペラ表面でのみ、揚力が発生する。吸入側のインペラ表面に作用する揚力は、ケーシング内の流体の圧力差によって発生する力を打ち消す方向に作用する。これによって、インペラが吸入側のケーシング内面に押し付けられ、接触することが抑制される。
上記のポンプにおいては、吐出側のケーシング内面に、インペラの周方向に沿って一周する凸状部が形成されていることが好ましい。
このように、吐出側のケーシング内面に凸状部を形成すると、吐出側のケーシングとインペラが接触したとしても、吐出側のケーシングとインペラが部分的に接触するだけとなる。このため、インペラとケーシングが接触した際の摺動損失を低減することができる。
なお、上記凸状部は、ポンプ流路より内側の位置に設けられることが好ましい。ポンプ流路より内側の位置に凸状部が設けられると、ポンプ流路からの漏れ流体が凸状部を超えて吐出側のクリアランス内に流れることが抑制することができる。これによって、ケーシング内の流体を効率よく昇圧することが可能となり、ポンプ性能を向上させることができる。
上記のポンプにおいては、上記凹状溝が、インペラの中心部から外周部に向かって渦状に伸びる形状であることが好ましい。
このように、凹状溝を形成すると、インペラにより大きな揚力が作用するので、より好適にインペラとケーシング内面との接触を防止することができる。
なお、凹状溝の外周端とポンプ流路の間には間隔が設定されていることが好ましい。凹状溝とポンプ流路の間に間隔を設定することで、凹状溝とポンプ流路とのシールを行うことができる。
上記のポンプは、ケーシングの外部に設けられたモータ室と、モータ室内に収容され、回転するシャフトを備えたモータをさらに有することができる。かかる構成を採る場合、ケーシングには、ポンプ流路とモータ室とを連通する吐出孔と、モータのシャフトが貫通する貫通孔が形成されており、モータのシャフトの一端がインペラと係合されていることが好ましい。
このような構成によれば、シャフトと貫通孔との隙間を通ってモータ室からケーシング内に逆流する高圧の流体によってインペラが吸入側のケーシング内面方向に力を受ける。これによって、インペラが吐出側のケーシング内面に接触することが防止される。また、インペラが吸入側のケーシング内面方向に力を受けても、凹状溝によって発生した揚力がその力を打ち消す方向に作用するので、インペラと吸入側のケーシング内面との接触も抑制される。
また本発明は、上記課題を解決することができる新規なポンプを提供する。このポンプは、略円盤形状のインペラと、そのインペラを回転可能に収容するケーシングと、を備えており、インペラが回転することでケーシング内に流体を吸入して昇圧し、昇圧した流体をケーシング外に吐出する。吸入側のインペラ表面と、そのインペラ表面と対向する吸入側のケーシング内面の少なくとも一方に、インペラが回転したときに流体を圧縮して吸入側のインペラの表面と吸入側のケーシング内面のクリアランスを大きくする方向に作用する揚力を発生させる吸入側凹状溝が形成されている。吐出側のインペラ表面と、そのインペラ表面と対向する吐出側のケーシング内面の少なくとも一方に、インペラが回転したときに流体を圧縮して吐出側のインペラの表面と吐出側のケーシング内面のクリアランスを大きくする方向に作用する揚力を発生させる吐出側凹状溝が形成されている。吐出側凹状の本数及び/または形状は、吸入側凹状溝の本数及び/または形状に応じて、吸入側凹状溝に比べて発生させる揚力が小さくなるように決められている。
このような構成のポンプによっても、インペラが吸入側のケーシング内面に押し付けられ、接触することを抑制することができる。
まず、第1実施例のウエスコポンプの特徴を列記する。
(形態1)ウエスコポンプは、略円盤形状のインペラと、そのインペラを回転可能に収容するケーシングとを備えている。
(形態2)インペラの一方の表面と対向するケーシング内面には吐出口が形成されており、インペラの他方の表面と対向するケーシング内面には吸入口が形成されている。
(形態3)ウエスコポンプは、インペラが回転することで吸入口からケーシング内に流体を吸入し、吐出口からケーシング外に流体を吐出する。
(形態4)吸入側のインペラ表面に吸入側凹状溝が形成されている。
(形態5)吐出側のケーシング内面にはインペラの周方向に沿って一周する凸状部が形成されている。
(形態6)凹状溝群の各凹状溝は、少なくとも、インペラの半径方向に伸びるように形成されている。
(形態7)インペラの吐出側及び吸入側の両表面の外周面から所定の距離を隔てた内側を周方向に伸びる領域には、周方向に繰返す凹所群が形成されている。凹所群は凹状溝群の外周側の端部より外側に形成され、凹状溝群の外周側の端部と凹所群との間には平滑面が形成されている。
(形態8)ポンプケーシングには、インペラに揚力を発生させるための凹状溝群は形成されていない。
(形態9)吐出側のインペラ表面に対向するケーシング内面には、そのインペラ表面に形成された凹所群に対向する領域を、上流側から下流側まで伸びる第1溝が形成されている。吸入側のインペラ表面に対向するケーシング内面には、そのインペラ表面に形成された凹所群に対向する領域を、上流側から下流側まで伸びる第2溝が形成されている。
次に、第2実施例のウエスコポンプの特徴を列記する。
(形態10)吐出側のインペラ表面には吐出側凹状溝群が形成され、吸入側のインペラ表面には吸入側凹状溝群が形成されている。吐出側凹状溝群によって発生する揚力は、吸入側凹状溝群によって発生する揚力より小さくされている。
(形態11)吐出側凹状溝群の本数は、吸入側凹状溝の本数よりも少ない。
(形態12)吐出側凹状溝の長さは吸入側凹状溝よりも短い。
(形態13)吐出側凹状溝の幅は吸入側凹状溝よりも小さい。
(形態14)吐出側凹状溝の深さは吸入側凹状溝よりも浅い。
(形態15)吐出側凹状溝の流入角は吸入側凹状溝よりも小さい。
(実施例1) 本発明を具現化した一実施例のウエスコポンプ10について、図面を用いて説明する。ウエスコポンプ10は、自動車等の燃料タンク中の燃料に浸漬された状態で使用され、燃料タンク内の燃料をエンジンに圧送する。
図1に示すように、ウエスコポンプ10は、モータ部12とポンプ部14がハウジング16内に収容されて構成されている。モータ部12は回転子18を有する。回転子18は、シャフト20と、シャフト20に固定されている積層鉄芯22と、積層鉄芯22に巻かれている図示されていないコイルと、そのコイルの端部が接続されている整流子24を有している。シャフト20は、ハウジング16に対して、軸受26,28によって回転可能に支持されている。ハウジング16の内側には、回転子18を取囲むように、永久磁石30が固定されている。ハウジング16の上部に取り付けられたトップカバー32には、図示されない端子が設けられており、モータ部12に電気が供給される。モータ部12に電気を供給すると、ブラシ34と整流子24を介してコイルに電流が流れ、回転子18が回転し、シャフト20も回転する。また、トップカバー32には、吐出ポート48が形成されている。
ハウジング16の下部にはポンプ部14が収容されている。ポンプ部14は、略円盤状のインペラ36と、インペラ36を収容するポンプケーシング39を備えている。
インペラ36の中心には断面D字形の貫通孔36f(図2参照)が形成されており、貫通孔36fにはシャフト20の下端が係合している。したがって、インペラ36はシャフト20の軸方向に移動可能である一方で、シャフト20に対して相対回転不能となっている。このため、シャフト20が回転するとインペラ36も回転する。
インペラ36の上面及び下面はシャフト20に対して垂直な平面状に形成されている。インペラ36の上面には、外周に沿って周方向に連続する凹所群36b,36b,・・・が設けられている。インペラ36の下面には、外周に沿って周方向に連続する凹所群36a,36a,・・・と、凹所群36a,36a,・・より内側でインペラの中心から外側に向かって伸びる凹状溝群36c,36c,・・・が設けられている。インペラ36の上面に形成された凹所群36b,36b,・・・と、下面に形成された凹所群36a,36a,・・・とは、その底部で連通している。
図2,3に示すように、インペラ36の下面に形成されている凹状溝36cは、中心側の端部37cから外周側の端部37aに向けて曲線状(螺旋状)に延びている。また、凹状溝36cの外周側の端部37aと凹所36aとの間には距離Aが設定されている。即ち、凹状溝群36c,36c,・・の外周側の端部37a,37a・・と凹所群36a,36a,・・との間には平滑面が形成されている。さらに、凹所群36a,36a,・・とインペラ36の外周面36eとの間にも平滑面が形成されている。
ポンプケーシング39は吐出側ケーシング38と吸入側ケーシング40とから構成される。吸入側ケーシング40のケーシング面40bは、インペラ36の下面と平行な平面状に形成されている。ケーシング面40bには、インペラ36の下面に設けられた凹所群36a,36a,・・・に対向する溝40aが形成されている。吐出側ケーシング38のケーシング面38bは、図4に示すように、その一部がインペラ36に最も接近するように形成されている。インペラ36に最も接近する部分(凸状部38c)は、周方向に連続して一巡するように形成されている。ケーシング面38bには、インペラ36の上面に設けられた凹所群36b,36b・・・に対向する溝38aが形成されている。溝38aと溝40aは、インペラ36の回転方向に沿って上流端から下流端まで略C字状に形成されている。吸入側ケーシング40には、溝40aの上流端に連通するように吸入口42が形成されている。吐出側ケーシング38には、溝38aの下流端に連通するように吐出口50が形成されている。インペラ36の上面に設けられた凹所群36bと吐出側ケーシング38に形成された溝38aによって第1昇圧路(ポンプ流路の一部)44が形成され、インペラ36の下面に設けられた凹所群36aと吸入側ケーシング40に形成された溝40aによって第2昇圧路(ポンプ流路の一部)46が形成されている。
インペラ36がポンプケーシング39内で回転すると、吸入口42からポンプ部14内に燃料が吸引される。ポンプ部14内に吸引された燃料は、昇圧路44,46を上流側から下流側へ流れる。また、燃料は、昇圧路44、46を流れるうちに昇圧される。昇圧路44、46を流れる燃料は、昇圧路44の下流端に達すると、吐出口50からモータ部12側に送り出される。モータ部12に送り出された燃料は、モータ部12を通過し、吐出ポート48から外部に送り出される。
ここで、インペラ36の回転時に、インペラ36に作用する力について説明する。上述したように、インペラ36が回転すると、燃料が昇圧路44、46を上流側から下流側に流れるのに伴って昇圧される。インペラ36が回転している状態では、昇圧路44内の燃料の方が、昇圧路46内の燃料よりも圧力が高くなる。昇圧路44、46はインペラ36の上下面に形成されているので、インペラ36は第1昇圧路44と第2昇圧路46を流れる燃料の圧力差によって力を受ける。すなわち、昇圧路44,46を流れる燃料の圧力差によって、インペラ36はケーシング面40bに押し付けられる方向に力を受ける。
また、ポンプ部14からモータ部12に吐出された燃料のうち、ごく微量の燃料は、シャフト20と軸受28との隙間を通ってインペラ36の上面とケーシング面38bとのクリアランス内に流入する。このクリアランス内に流入した微量の燃料は圧力が高く、この燃料の圧力によっても、インペラ36はケーシング面40b方向に力を受ける。
また、インペラ36の下面とケーシング面40bとの間のクリアランス内にも、ごく微量の燃料が流入する。クリアランス内に流入した燃料は、凹状溝群36c,36c,・・・に引込まれる。凹状溝群36c,36c,・・に引き込まれた燃料は、凹状溝群36c,36c・・の一方の壁37bに案内されて凹状溝群36c,36c,・・の外周側の端部37aに向かって流れる(図3参照)。凹状溝群36c,36c,・・・内を中心側から外周側へ送り出される燃料は、ケーシング面40bを押圧し、インペラ36に揚力(インペラ36の下面とケーシング面40bとのクリアランスを大きくする方向に作用する力)を発生させる。
一方、インペラ36の上面には凹状溝が形成されていないので、インペラ36の上面とケーシング面38bとの間には揚力が発生しない。
このように、インペラ36には、昇圧路44、46内の燃料の圧力差による力と、モータ部12からシャフト20と軸受28との隙間を通ってポンプ部14内に逆流した燃料の圧力による力と、凹状溝群36c,36c,・・・による揚力が作用する。燃料の圧力差による力と、逆流した燃料の圧力による力は、インペラ36をケーシング面40bに押し付ける方向に作用する。揚力は、インペラ36をケーシング面40bに押し付ける力を打ち消す方向に作用する。従って、インペラ36は、ケーシング面40b側に押されることなく回転することができる。これによって、インペラ36のケーシング面40bへの接触が抑制され、摺動損失や磨耗をより低減させることができる。
以上に説明したように、第1実施例のウエスコポンプ10では、インペラ36の下面に凹状溝36c,36c・・・が形成されており、インペラ36の上面及びケーシング面38bには凹状溝が形成されていない。従って、凹状溝36c,36c,・・・で発生した揚力によって、インペラ36をケーシング面40bに押し付ける方向に作用する力を打ち消すことができる。これによって、インペラ36がケーシング面40b側に押し付けられて、ケーシング面40bと接触することが抑制される。
また、第1実施例のウエスコポンプ10では、ケーシング面38bの凹所群36b,36b,・・・よりも内側の位置に、インペラ36の周方向に連続して一巡する凸状部38cが形成されている。凸状部38cでは、インペラ36とのクリアランスが他の部位に比較して小さくなっているので、ポンプ流路からの漏れ燃料が凸状部38cを超えて吐出側のクリアランス内に流れることが抑制されている。従って、昇圧路44から漏れる燃料量を少なくすることができる。これによって、ケーシング内の燃料を効率よく昇圧することが可能となり、高いポンプ性能を実現している。
また、昇圧路44,46内の燃料圧力の変動等によって、インペラ36に作用するケーシング内面38b方向の力が大きくなっても、モータ部12からシャフト20と軸受28との隙間を通ってポンプ部14内に逆流した燃料の圧力によって、インペラ36とケーシング内面40bとの接触が抑制される。また、仮にインペラ36とケーシング内面38bとが接触したとしても、インペラ36が凸状部38cと部分的に接触するだけなので、インペラとケーシングが接触した際の摺動損失は小さい。
(第2実施例) なお、第1実施例のウエスコポンプ10では、インペラ36の下面にのみ凹状溝が形成されていたが、インペラの上面にも凹状溝を形成しても良い。インペラの上面に凹状溝が形成された第2実施例に係るウエスコポンプについて、以下に説明する。なお、第1実施例と重複する部分については、その説明を省略あるいは簡易に行う。
図5に示す第2実施例のウエスコポンプ110でも、モータ部とポンプ部114を備えている。モータ部は、第1実施例のウエスコポンプ10と同様に構成されている。
ポンプ部114は、略円板状のインペラ136と、インペラ136を収容するポンプケーシング139を備えている。
インペラ136は、第1実施例のインペラ36と略同様に構成されている。すなわち、インペラ136上面には凹所群36b,36b,・・・が形成されており、インペラ136の下面には、凹所群36a,36a,・・・と、凹状溝群36c,36c,・・・が形成されている。
また、インペラ136の上面には、凹状溝群36d,36d,・・・が形成されている。図6に示すように、凹状溝36dは、インペラ136の下面に形成されている凹状溝36cと同じ形状に形成されている。すなわち、凹状溝36dは中心側の端部から外周側の端部に向けて曲線状(螺旋状)に延びている。但し、凹状溝36dの本数は、凹状溝36cの本数に比べて少ない(図6参照)。
ポンプケーシング139は、吐出側ケーシング138と吸入側ケーシング140とから構成されている。吸入側ケーシング140のケーシング面140b、溝140a、吸入口142は、第1実施例の吸入側ケーシング40と同様に形成されている。吐出側ケーシング138のケーシング面138bは、図5に示すように、インペラ136の上面と平行な平面状に形成されている。また、吐出側ケーシング138の溝138a、吐出口150は、第1実施例の吐出側ケーシング38と同様に形成されている。インペラ136の上面に設けられた凹所群36bと吐出側ケーシング38に形成された溝138aによって第1昇圧路144が形成され、インペラ136の下面に設けられた凹所群36aと吸入側ケーシング140に形成された溝140aによって第2昇圧路146が形成されている。
ここで、インペラ136の回転時に、インペラ136に作用する力について説明する。インペラ136は、第1実施例と同様に、第1昇圧路144と第2昇圧路146を流れる燃料の圧力差によって力を受ける。また、モータ部から、シャフトと軸受との隙間を通ってインペラ136の上面とケーシング面138bとのクリアランス内に流入する燃料によっても力を受ける。これらの力は、インペラ136をケーシング面140bに押し付ける方向に作用する。
また、インペラ136の下面に形成された凹状溝群36c,36c,・・は、揚力Bを発生させる。揚力Bは、インペラ136の下面とケーシング面140bとのクリアランスを大きくする方向に作用する。
さらに、インペラ136の上面に形成された凹状溝群36d,36d,・・・によっても、インペラ136の上面とケーシング面138bとのクリアランスを大きくする方向に揚力Cが発生する。上述したように、凹状溝群36d,36d,・・・の本数は、凹状溝群36c,36c,・・・の本数に比べて少ない。従って、発生する揚力Cは、揚力Bに比べて小さくなる。
このように、インペラ136が回転すると、インペラ136には、昇圧路144、146内の燃料の圧力差による力と、モータ部からポンプケーシング139内に逆流した燃料の圧力と、揚力Bと、揚力Cが作用する。燃料の圧力差による力と、逆流した燃料の圧力と、揚力Cは、インペラ136をケーシング面140bに押し付ける方向に作用する。揚力Bは、それらの力を打ち消す方向に作用する。揚力Bは揚力Cより大きくなるため、揚力Bから揚力Cを差し引いた力で、燃料の圧力差による力やモータ部から逆流した燃料の圧力による力を打ち消すことができる。従って、インペラ136は、ケーシング面140b側に接触することが抑制され、スムーズに回転することができる。これによって、ポンプ効率を向上することができる。
また、燃料圧力の変動等によって、インペラ136がケーシング面138b側に押されると、インペラ136の上面とケーシング面138bとの間のクリアランスが小さくなる。すると、そのクリアランス内の燃料が圧縮されるので、揚力Cが増大する。インペラ136は、増大した揚力Cによって押し戻されて元の位置に戻る。従って、インペラ136とケーシング面138bとの接触が抑制される。
なお、上述した第2実施例では、凹状溝群36d,36d・・の本数を、凹状溝群36c,36c,・・に比べて少なくすることで、揚力Cの大きさを揚力Bに比べて小さくなるようにしたが、本発明はこのような形態に限られない。例えば、図7に示すように、凹状溝36dの長さを凹状溝36cに比べて短くしてもよい。また、図8に示すように、凹状溝36dの幅を凹状溝36cに比べて小さくしても良い。あるいは、図9に示すように、凹状溝36dの流入角(すなわち、凹状溝とクリアランス内の燃料の流れの向きとがなす角度θ(図10参照))を凹状溝36cに比べて大きくしても良い。また、凹状溝36dの深さを凹状溝36cに比べて浅くしても良い。このように、凹状溝36cの形状に応じて、凹状溝36dの形状が決定されることによって、揚力Cの大きさを揚力Bに比べて小さくすることができる。
また、上述した第1及び第2実施例では、インペラに形成されている凹状溝はインペラの中心側から外周部へ向けて曲線状(螺旋状)に延びているが、本発明はこのような形態に限られず、インペラに形成される凹状溝の本数、長さ、断面形状等については適宜設定することができる。また、凹状溝をインペラの上面及び下面と対向するケーシング面に形成してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例のウエスコポンプの縦断面図。 第1実施例のインペラを下面側から見た平面図。 インペラの下面に形成された溝の形状の説明図。 第1実施例のポンプ部の断面図。 第2実施例のポンプ部の断面図。 第2実施例のインペラを上面側から見た平面図。 他の形態の凹状溝が形成されたインペラを上面側から見た平面図。 他の形態の凹状溝が形成されたインペラを上面側から見た平面図。 他の形態の凹状溝が形成されたインペラを上面側から見た平面図。 凹状溝の向きとクリアランス内の燃料の流れの向きとの関係を模式的に示す図。
符号の説明
10:ウエスコポンプ
12:モータ部
14:ポンプ部
16:ハウジング
18:回転子
20:シャフト
22:積層鉄芯
24:整流子
26:軸受
28:軸受
30:永久磁石
32:トップカバー
34:ブラシ
36:インペラ
36a,36b:凹所
36c,36d:凹状溝
36e:外周面
36f:貫通孔
38:吐出側ケーシング
38a:溝
38b:ケーシング面
39:ポンプケーシング
40:吸入側ケーシング
40a:溝
40b:ケーシング面
42:吸入口
44:第1昇圧路
46:第2昇圧路
48:ポート
50:吐出口

Claims (5)

  1. 略円盤形状のインペラと、そのインペラを回転可能に収容するケーシングと、を備えており、インペラが回転することでケーシング内のポンプ流路に流体を吸入して昇圧し、昇圧した流体をケーシング外に吐出するポンプであって、
    吸入側のインペラ表面と、そのインペラ表面と対向する吸入側のケーシング内面の少なくとも一方には、ポンプ流路からシールされた凹状溝が形成されており、
    吐出側のインペラ表面と、そのインペラ表面と対向する吐出側のケーシング内面のいずれにも、ポンプ流路からシールされた凹状溝が形成されていないことを特徴とするポンプ。
  2. 吐出側のケーシング内面には、インペラの周方向に沿って一周する凸状部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  3. 凹状溝が、インペラの中心部から外周部に向かって渦状に伸びる形状であることを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ
  4. ケーシングの外部に設けられたモータ室と、
    モータ室内に収容され、回転するシャフトを備えたモータをさらに有し、
    ケーシングには、ポンプ流路とモータ室とを連通する吐出孔と、モータのシャフトが貫通する貫通孔が形成されており、
    モータのシャフトの一端がインペラと係合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ。
  5. 略円盤形状のインペラと、そのインペラを回転可能に収容するケーシングと、を備えており、インペラが回転することでケーシング内に流体を吸入して昇圧し、昇圧した流体をケーシング外に吐出するポンプであって、
    吸入側のインペラ表面と、そのインペラ表面と対向する吸入側のケーシング内面の少なくとも一方に、インペラが回転したときに流体を圧縮して吸入側のインペラの表面と吸入側のケーシング内面のクリアランスを大きくする方向に作用する揚力を発生させる吸入側凹状溝が形成されており、
    吐出側のインペラ表面と、そのインペラ表面と対向する吐出側のケーシング内面の少なくとも一方に、インペラが回転したときに流体を圧縮して吐出側のインペラの表面と吐出側のケーシング内面のクリアランスを大きくする方向に作用する揚力を発生させる吐出側凹状溝が形成されており、
    吐出側凹状溝の本数及び/または形状は、吸入側凹状溝の本数及び/または形状に応じて、吸入側凹状溝に比べて発生させる揚力が小さくなるように決められていることを特徴とするポンプ。
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