JP2008128050A - トロコイド型流体ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ロータがポンプケーシングに押し付けられることによる磨耗や焼き付きを低減することができるトロコイド型流体ポンプを提供する。
【解決手段】 ポンプケーシング36には、ロータ室58の吐出口50側とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通させる連通路70が形成されている。ロータ室58内のオイルの一部は連通路70を通ってトロコイド型流体ポンプの外部に流出する。この作用によって、ロータ室58の吐出口50側の圧力を低減させることができるため、吸入口42側の圧力と吐出口50側の圧力との差を低減させることができる。これによって、ロータ60がポンプケーシング36に押し付けられることを抑制することができ、ロータ60の磨耗や焼き付きの発生を効果的に抑制することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明はトロコイド型の流体ポンプに関する。特に、ポンプケーシング内で回転するロータの磨耗を低減する技術に関する。
ロータをインナロータとアウタロータとで構成したトロコイド型流体ポンプが知られている。トロコイド型流体ポンプは、例えば、自動車のエンジン内にエンジンオイルを循環させる装置等に利用されている。トロコイド型流体ポンプでは、インナロータに外歯が形成され、アウタロータに内歯が形成されている。インナロータはシャフトに固定されており、アウタロータはインナロータに対して偏心して配設されている。ロータを収容するポンプケーシングには、インナロータとアウタロータとの噛み合い隙間が増加する領域に臨んで吸入口が形成されており、インナロータとアウタロータとの噛み合い隙間が減少する領域に臨んで吐出口が形成されている。シャフトが回転することによってインナロータが回転し、これに伴ってアウタロータが回転する。このとき、ポンプケーシング外の流体が吸入口から噛み合い隙間内に吸入され、吸入された流体は吐出口からポンプケーシング外に吐出される。
トロコイド型流体ポンプでは、ロータの円滑な回転を確保するために、アウタロータの外周面とポンプケーシングの内周面との間等に摺動隙間が設けられている。しかしながら、アウタロータとポンプケーシングとの間に摺動隙間が設けられていると、この摺動隙間から流体が漏れ出し、ポンプ効率を低下させる。
そこで、特許文献1のトロコイド型流体ポンプでは、ポンプケーシングの内周面等に環状の溝を形成し、この溝を吐出口(吐出ポート)とは別に設けた低圧吐出口に連通させている。このため、摺動隙間から漏れ出る流体は溝を介して低圧吐出口に流れ、低圧吐出口より吐出される。低圧吐出口から吐出される流体は若干の圧力を有しているため、その圧力に見合う機器等に低圧吐出口を接続すれば、摺動隙間から漏れ出た流体を有効に利用することができ、全体としてポンプ効率を向上させることができるとしている。
特開2001−132661号公報
トロコイド型流体ポンプでは、アウタロータの外周面とポンプケーシングの内周面との間の摺動隙間内の流体は、吸入口側では圧力が低く、吐出口側では圧力が高くなる傾向があり、この圧力差によりロータが吸入口側へ押されることとなる。特に、アウタロータはシャフトに固定されていないため、吸入口側へ押されやすい。アウタロータの外周面とポンプケーシングの内周面との間の摺動隙間は小さいため、アウタロータが吸入口側へ押されれば、アウタロータとポンプケーシングとが接触し、磨耗や焼き付きが発生するおそれがある。
特許文献1のトロコイド型流体ポンプでは、アウタロータの外周面とポンプケーシングの内周面との間の摺動隙間から漏れ出る流体を外部へ吐出するため、摺動隙間内の流体の圧力は全体的に低下する。このとき、ポンプケーシングの内周面の全周にわたって溝が形成されているため、吸入口側の摺動隙間と吐出口側の摺動隙間の両者から外部に流体が吐出される。このため、摺動隙間内の流体の吸入口側と吐出口側の圧力差は依然として存在し、摺動隙間内の圧力が低下しても、アウタロータが吸入口側へ押されることに変わりはない。むしろ吸入口側へ押されたアウタロータを吐出口側へ押し返す力も低下するため、吸入口側へ押されたアウタロータがポンプケーシングと接触し、磨耗や焼き付きが発生する可能性が高まる。特許文献1のトロコイド型流体ポンプでは、上記の不具合を解消することはできない。
本発明は、ロータがポンプケーシングに押し付けられることによる磨耗や焼き付きを低減することができるトロコイド型流体ポンプを提供することを目的とする。
本発明のトロコイド型流体ポンプは、ロータとポンプケーシングを備えている。ロータは、外歯が形成されたインナロータと、インナロータの外側にインナロータと偏心して配設されるとともにインナロータの外歯と一部が噛み合う内歯が形成されたアウタロータとを有している。ポンプケーシングは、ロータを回転可能に収容するとともに、インナロータとアウタロータとの噛み合い隙間内に流体を吸入する吸入口と噛み合い隙間外に流体を吐出する吐出口が形成されている。アウタロータの外周面とポンプケーシングの内周面との間には、アウタロータの全周にわたって摺動隙間が形成されている。そして、ポンプケーシング内には、その一端が吐出口側の摺動隙間に開口する一方で、その他端が吐出口側の摺動隙間よりも低圧となる低圧箇所に開口する連通路が形成されている。
このトロコイド型流体ポンプでは、ポンプケーシングに連通路が形成されている。この連通路は、吐出口側の摺動隙間と、その吐出口側の摺動隙間よりも低圧な箇所とを連通させている。このため、吐出口側の摺動隙間内の流体の一部は、連通路を通ってより低圧な箇所に流出する。この作用によって、吐出口側の流体の圧力を低減させることができ、吸入口側の流体圧力と吐出口側の流体圧力との差を低減させることができる。このため、ロータがポンプケーシングに押し付けられることが抑制され、ロータの磨耗や焼き付きの発生を抑制することができる。
上記のトロコイド型流体ポンプにおいて、低圧箇所がトロコイド型流体ポンプの外部とすることができる。
ポンプケーシングに形成されている連通路が、吐出口側の摺動隙間とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通させていれば、吐出口側の摺動隙間内の高圧な流体の一部が、連通路を通ってトロコイド型流体ポンプの外部に吐出される。この作用によって、吐出口側の摺動隙間内の流体圧力を低減させることができ、吐出口側の流体圧力と吸入口側の流体圧力との差を低減させることができる。このため、ロータがポンプケーシングに押し付けられることを効果的に抑制することができ、ロータの磨耗や焼き付きの発生を抑制することができる。
あるいは、上記のトロコイド型流体ポンプにおいて、低圧箇所が吸入口側の摺動隙間であってもよい。
ポンプケーシングに形成されている連通路が、高圧となる吐出口側の摺動隙間と低圧となる吸入口側の摺動隙間とを連通させていれば、吐出口側の摺動隙間内の流体の一部が連通路を通って吸入口側の摺動隙間に流れる。この作用によって、吸入口側の流体圧力と吐出口側の流体圧力との差を効果的に低減させることができる。このため、ロータがポンプケーシングに押し付けられることを効果的に抑制することができ、ロータの磨耗や焼き付きの発生を抑制することができる。この場合、連通路は、さらに吐出口側の摺動隙間とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通するようにしてもよい。
また、連通路が吐出口側の摺動隙間と吸入口側の摺動隙間とを連通させている上記のトロコイド型流体ポンプにおいて、連通路の吐出口側の開口と吸入口側の開口がアウタロータの回転軸に対して対称に配置されていることが好ましい。
連通路の吐出口側の開口と吸入口側の開口をアウタロータの回転軸に対して対称に配置すれば、アウタロータの吐出口側と吸入口側との圧力の均衡をとることができ、アウタロータがポンプケーシングに押し付けられることを効果的に抑制することができる。
さらに、上記のいずれかのトロコイド型流体ポンプにおいて、連通路に絞り部が設けられていることが好ましい。
連通路に絞り部を設けることで、連通路を通過する流体量を制限することができる。これによって、連通路から流体が過剰に漏れ出ることを防止することができる。
本発明のトロコイド型流体ポンプでは、吸入口側の摺動隙間と吐出口側の摺動隙間の流体圧力差を低減することによって、ロータがポンプケーシングに押し付けられることによる磨耗や焼き付きを低減することができる。このことによって、ポンプ効率を向上させることができる。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
(形態1) アウタロータの歯数はインナロータの歯数より1つ多い。
(形態2) ロータの回転に伴ってインナロータとアウタロータの噛み合い隙間が減少する領域に吐出口が開口し、噛み合い隙間が増加する領域に吸入口が開口している。
(実施例1)
本発明を具現化した第1実施例を図を用いて説明する。本実施例のトロコイド型流体ポンプは、自動車用のオイルポンプであり、エンジンオイルを循環させるために利用される。図1に示すように、トロコイド型流体ポンプは、モータ部12とポンプ部14がハウジング16内に収容されて形成されている。モータ部12は回転子18を有している。回転子18は、シャフト20と、シャフト20に固定されている積層鉄芯22と、積層鉄芯22に巻かれている図示されていないコイルと、そのコイルの端部が接続されている整流子24を有している。シャフト20は、ハウジング16に対して、軸受26,28によって回転可能に支持されている。ハウジング16の内側には、回転子18を取囲むように、永久磁石30が固定されている。ハウジング16の上部に取り付けられたトップカバー32には、図示されない端子が設けられており、モータ部12に電気が供給される。ブラシ34と整流子24を介してコイルに通電すると、回転子18とシャフト20が回転する。
ハウジング16の下部にはポンプ部14が収容されている。図1と図2に示すように、ポンプ部14は、ロータ60と、ロータ60を収容するポンプケーシング36を備えている。
ポンプケーシング36は、吐出側ケーシング38と吸入側ケーシング40とから構成される。吐出側ケーシング38と吸入側ケーシング40によってロータ室58が形成されており、ロータ室58内には後述するロータ60が収容されている。吐出側ケーシング38の内面は、ロータ60の上面と外周面に対向しており、吸入側ケーシング40の内面は、ロータの下面に対向している。吐出側ケーシング38には、ロータ室58とモータ部12の内部空間とを連通する吐出口50が形成されている。吸入側ケーシング40には、ロータ室58とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通する吸入口42が形成されている。吐出口50と吸入口42については後で詳述する。
図3に示すように、ロータ60は、インナロータ62とアウタロータ64を有している。矢印はロータの回転方向を示している。インナロータ62は、外周にトロコイド曲線からなる8つの外歯を有する外歯歯車である。インナロータ62は、ポンプケーシング36の内周面の軸心と偏心して配設されている。インナロータ62の中心にはシャフト20と相対回転不能に係合する貫通孔が設けられており、シャフト20が回転するとインナロータ62も回転する。
アウタロータ64は、内周にトロコイド曲線からなる9つの内歯を有する内歯歯車である。アウタロータ64は、ポンプケーシング36の内周面の軸心と同軸に配設されている。アウタロータ64の個々の歯の形状は、インナロータ62の歯と噛み合うように形成されている。インナロータ62の外歯のうち偏心している方向に位置する部位Pでは、アウタロータ64の内歯の谷部64aはインナロータ62の外歯の山部62aと噛み合う。また、この部位Pと軸対称に位置する部位Qでは、アウタロータ64の外歯の山部64bがインナロータ62の内歯の山部62bと接する。シャフト20が回転してインナロータ62が回転すると、アウタロータ64も回転する。
インナロータ62は、アウタロータ64に対して上述のように偏心して配置されているため、インナロータ62とアウタロータ64の噛み合い隙間は、部位Pから部位Qに移行するに従って徐々に増加している。
吐出口50と吸入口42は、インナロータ62とアウタロータ64の噛み合い隙間に沿ってそれぞれ開口している。吐出口50は、ロータ60の回転に伴って噛み合い隙間が減少する領域Rに開口している。吸入口42は、ロータ60の回転に伴って噛み合い隙間が増加する領域Sに開口している。シャフト20が回転してロータ60が回転すると、オイルは、トロコイド型流体ポンプの外部から吸入口42を介して吸入され、吐出口50を介してモータ部12の内部空間へ吐出される。モータ部12に吐出されたオイルは、モータ部12を通過し、トップカバー32に形成されているポート48からトロコイド型流体ポンプの外部に吐出される。
図2に示すように、吐出側ケーシング38の、アウタロータ64との摺動面の吐出口50側には、軸方向に伸びる溝66が形成されている。吸入側ケーシング40には、この溝66に連続するように軸方向に伸び、トロコイド型流体ポンプの外部に連通する連通口68が形成されている。すなわち、ロータ室58の吐出口50側とトロコイド型流体ポンプの外部は、溝66と連通口68からなる連通路70によって連通している。
トロコイド型流体ポンプでは、ロータ60とポンプケーシング36との間には摺動隙間が設けられている。この摺動隙間が大きければロータ60は円滑に回転するが、摺動隙間が大きすぎれば、摺動隙間からのオイルの漏れ量が多くなり、ポンプ効率は低下してしまう。このため、ロータ60の円滑な回転を確保できる範囲内で、この摺動隙間がなるべく小さくなるように設定されている。
また、トロコイド型流体ポンプでは、ロータ室58(及び摺動隙間)内において、吸入口42側の圧力は低く、吐出口50側の圧力は高くなる傾向がある。この圧力差によってロータ60が吸入口42側へ押されると、ロータ60とポンプケーシング36とが接触し、磨耗したり焼き付いたりするおそれがある。
本実施例のトロコイド型流体ポンプでは、ポンプケーシング36に連通路70が形成されている。連通路70は、ロータ室58の吐出口50側(吐出口側の摺動隙間)とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通させている。このため、ロータ室58内のオイルの一部は、連通路70を通ってトロコイド型流体ポンプの外部に流出する。この作用によって、ロータ室58の吐出口50側の圧力を低減させることができるため、吸入口42側の圧力と吐出口50側の圧力との差を低減させることができる。本実施例のトロコイド型流体ポンプによれば、ロータ60がポンプケーシング36に押し付けられることを抑制することができるため、ロータ60の磨耗や焼き付きの発生を効果的に抑制することができる。このことによって、ポンプ効率を向上させることができる。
(実施例2)
本発明を具現化した第2実施例を図を用いて説明する。本実施例のトロコイド型流体ポンプは、第1実施例のトロコイド型流体ポンプの一部を変更したものである。具体的には、本実施例と第1実施例では、ポンプケーシングの形状が相違している。従って、ここではこの相違点について主に説明し、重複説明を省略することとする。また、本実施例のトロコイド型流体ポンプと第1実施例のトロコイド型流体ポンプとに共通の部材については、同一符号を用いることとする。
図4に示すように、ポンプケーシング86は、吐出側ケーシング88と吸入側ケーシング90とから構成される。吐出側ケーシング88と吸入側ケーシング90によってロータ室78が形成されており、ロータ室78内には第1実施例のトロコイド型流体ポンプと同様のロータ60が収容されている。吐出側ケーシング88には、ロータ室78とモータ部12の内部空間とを連通する吐出口50が形成されている。吸入側ケーシング90には、ロータ室78とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通する吸入口42が形成されている。図5に示すように、吐出口50と吸入口42は、第1実施例のトロコイド型流体ポンプと同様に、インナロータ62とアウタロータ64の噛み合い隙間に沿ってそれぞれ開口している。
図4と図5に示すように、吐出側ケーシング88の、アウタロータ64との摺動面の吐出口50側には、軸方向に伸びる溝96が形成されている。また、吐出側ケーシング88の、アウタロータ64との摺動面の吸入口42側にも、軸方向に伸びる溝98が形成されている。溝96と溝98は、アウタロータ64の軸心に対して対称に配置されている。図4に示すように、吸入側ケーシング90には、これらの溝96、98にそれぞれ連続するように軸方向に伸びる縦穴100a,100bと、これらの縦穴100a,100bの下端に接続され、径方向に伸びる横穴100cからなる連通口100が形成されている。すなわち、ロータ室78(詳しくは、アウタロータ64の外周面と吐出側ケーシング88の内周面との間の摺動隙間)の吐出口50側と吸入口42側は、溝96、98と連通口100からなる連通路102によって連通している。
なお、連通口100は次のように形成することができる。まず、吸入側ケーシング90の外周面から、シャフト20と吸入口42を避けて横穴100cを貫通させる。次に、吸入側ケーシング90の上面から横穴100cに達するまでの縦穴100a,100bを開ける。次いで、横穴100cの両端を、それぞれリベットを打ち込んで塞ぐ。
本実施例のトロコイド型流体ポンプでは、ポンプケーシング86に連通路102が形成されている。連通路102は、ロータ室78の吐出口50側と吸入口42側とを連通させている。このため、ロータ室78の吐出口50側のオイルの一部は、連通路100を通って吸入口42側へ戻される。この作用によって、ロータ室78の吐出口50側の圧力と吸入口42側の圧力との差を低減させることができる。また、連通路102を構成する溝96,98のそれぞれの上端部は、アウタロータ64の軸心に対して対称に配置されているため、ロータ60の吐出口50側と吸入口42側との圧力の均衡をとることができる。本実施例のトロコイド型流体ポンプによれば、ロータ60がポンプケーシング86に押し付けられることを抑制することができるため、ロータ60の磨耗や焼き付きの発生を効果的に抑制することができる。このことによって、ポンプ効率を向上させることができる。
(実施例3)
本発明を具現化した第3実施例を図を用いて説明する。本実施例のトロコイド型流体ポンプは、第1実施例のトロコイド型流体ポンプの一部を変更したものである。具体的には、本実施例と第1実施例では、ポンプケーシングの形状が相違している。従って、ここではこの相違点について主に説明し、重複説明を省略することとする。また、本実施例のトロコイド型流体ポンプと第1実施例のトロコイド型流体ポンプとに共通の部材については、同一符号を用いることとする。
図6に示すように、ポンプケーシング116は、吐出側ケーシング118と吸入側ケーシング120とから構成される。吐出側ケーシング118と吸入側ケーシング120によってロータ室108が形成されており、ロータ室108内には第1実施例のトロコイド型流体ポンプと同様のロータ60収容されている。吐出側ケーシング118には、ロータ室108とモータ部12の内部空間とを連通する吐出口50が形成されている。吸入側ケーシング120には、ロータ室108とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通する吸入口42が形成されている。図7に示すように、吐出口50と吸入口42は、第1実施例のトロコイド型流体ポンプと同様に、インナロータ62とアウタロータ64の噛み合い隙間に沿ってそれぞれ開口している。
図6と図7に示すように、吐出側ケーシング118の、アウタロータ64との摺動面の吐出口50側には、軸方向に伸びる溝126が形成されている。また、吐出側ケーシング118の、アウタロータ64との摺動面の吸入口42側にも、軸方向に伸びる溝128が形成されている。溝126と溝128は、アウタロータ64に対して対称に配置されている。図6に示すように、吸入側ケーシング120には、これらの溝126、128にそれぞれ連続するように軸方向に伸びる縦穴130a,130bと、これらの縦穴130a,130bの下端に接続され、径方向に伸びる横穴130cからなる連通口130が形成されている。縦穴130aは吸入側ケーシング118を軸方向に貫通し、ロータ室108とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通している。すなわち、ロータ室108の吐出口50側と吸入口42側は、溝126、128と連通口130からなる連通路132によって互いに連通しており、さらに、これらによってトロコイド型流体ポンプの外部に連通している。ここで、連通口130の吐出口側の圧力P1と、連通口130の吸入口側の圧力P2と、縦穴130aと横穴130cとの接続点の圧力P3と、トロコイド型流体ポンプの外部の圧力P4との間には、P1>P3>P2>P4なる関係が成立するように、各縦穴130a,130bと横穴130cの流路抵抗(具体的には、縦穴130a,130b,横穴130cの穴径)が設定されている。これによって、ロータ室108の吸入口側からトロコイド型流体ポンプの外部にオイルが流れないようになっている。
なお、連通口130は次のように形成することができる。まず、吸入側ケーシング120の外周面から、シャフト20と吸入口42を避けて横穴130cを貫通させる。次に、吸入側ケーシング120の上面から下面(トロコイド型流体ポンプの外部)に達する縦穴130aと、横穴130cに達するまでの縦穴130bを開ける。次いで、横穴130cの両端を、それぞれリベットを打ち込んで塞ぐ。
本実施例のトロコイド型流体ポンプでは、ポンプケーシング116に連通路132が形成されている。連通路132は、ロータ室108の吐出口50側と吸入口42側とを連通させ、さらにロータ室108とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通させている。また、連通路132の各部のオイル圧力の関係は上述のように調整されている。このため、ロータ室108の吐出口50側のオイルの一部は、連通路130を通って吸入口42側へ流れ、また、その一部は、連通路130を通ってトロコイド型流体ポンプの外部に流出する。この作用によって、ロータ室108の吐出口50側の圧力と吸入口42側の圧力との差を効果的に低減させることができる。また、連通路132を構成する溝126,128のそれぞれの上端部は、アウタロータ64に対して対称に配置されているため、ロータ60の吐出口50側と吸入口42側との圧力の均衡をとることができる。本実施例のトロコイド型流体ポンプによれば、ロータ60がポンプケーシング116に押し付けられることを抑制することができるため、ロータ60の磨耗や焼き付きの発生を効果的に抑制することができる。このことによって、ポンプ効率を向上させることができる。
(実施例4)
本発明を具現化した第4実施例を図を用いて説明する。本実施例のトロコイド型流体ポンプは、第1実施例のトロコイド型流体ポンプの一部を変更したものである。具体的には、本実施例と第1実施例では、ポンプケーシングの形状が若干相違している。従って、ここではこの相違点について主に説明し、重複説明を省略することとする。また、本実施例のトロコイド型流体ポンプと第1実施例のトロコイド型流体ポンプとに共通の部材については、同一符号を用いることとする。
図8に示すように、吸入側ケーシング40に形成された連通口68内には絞り部材140が配設されている。絞り部材140は円筒形状であり、外周面が連通口68の内面に密着するように圧入されている。
本実施例のトロコイド型流体ポンプでは、連通口68内に絞り部材140を配設することによって、連通路70の径を部分的に絞ることができる。このため、絞り部材140の内径を適切に調整すれば、連通路70を通過するオイル量を制限することができる。本実施例のトロコイド型流体ポンプによれば、ロータ室58内の吸入口42側と吐出口50側との圧力差を低減させるとともに、連通路70からオイルが過剰に漏れ出ることをも防止することができ、ポンプ効率をより向上させることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例のトロコイド型流体ポンプの縦断面図。 図1の要部縦断面図。 図2のIII−III線断面図。 第2実施例のトロコイド型流体ポンプの要部縦断面図。 図4のV−V線断面図。 第3実施例のトロコイド型流体ポンプの要部縦断面図。 図6のVII−VII線断面図。 第4実施例のトロコイド型流体ポンプの要部縦断面図。
符号の説明
12:モータ部
14:ポンプ部
16:ハウジング
18:回転子
20:シャフト
22:積層鉄芯
24:整流子
26:軸受
28:軸受
30:永久磁石
32:トップカバー
34:ブラシ
36:ポンプケーシング
38:吐出側ケーシング
40:吸入側ケーシング
42:吸入口
44:ポンプ流路
48:ポート
50:吐出口
52:シール層
54:シール層
58:ロータ室
60:ロータ
62:インナロータ、62a:山部、62b:山部
64:アウタロータ、64a:谷部、64b:山部
66:溝
68:連通口
70:連通路
78:ロータ室
86:ポンプケーシング
88:吐出側ケーシング
90:吸入側ケーシング
96:溝
98:溝
100:連通口、100a:縦穴、100b:縦穴、100c:横穴
102:連通路
108:ロータ室
116:ポンプケーシング
118:吐出側ケーシング
120:吸入側ケーシング
126:溝
128:溝
130:連通口、130a:縦穴、130b:縦穴、130c:横穴
132:連通路
140:絞り部材

Claims (6)

  1. 外歯が形成されたインナロータと、インナロータの外側にインナロータと偏心して配設されるとともにインナロータの外歯と一部が噛み合う内歯が形成されたアウタロータとを有するロータと、
    ロータを回転可能に収容するとともに、インナロータとアウタロータとの噛み合い隙間内に流体を吸入する吸入口と噛み合い隙間外に流体を吐出する吐出口が形成されているポンプケーシングと、を備えており、
    アウタロータの外周面とポンプケーシングの内周面との間には、アウタロータの全周にわたって摺動隙間が形成されており、
    ポンプケーシング内には、その一端が吐出口側の摺動隙間に開口する一方で、その他端が吐出口側の摺動隙間よりも低圧となる低圧箇所に開口する連通路が形成されていることを特徴とするトロコイド型流体ポンプ。
  2. 前記低圧箇所がトロコイド型流体ポンプの外部であることを特徴とする請求項1に記載のトロコイド型流体ポンプ。
  3. 前記低圧箇所が吸入口側の摺動隙間であることを特徴とする請求項1に記載のトロコイド型流体ポンプ。
  4. 前記連通路は、さらに吐出口側の摺動隙間とトロコイド型流体ポンプの外部とを連通することを特徴とする請求項3に記載のトロコイド型流体ポンプ。
  5. 前記連通路の吐出口側の開口と吸入口側の開口がアウタロータの回転軸に対して対称に配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のトロコイド型流体ポンプ。
  6. 前記連通路に絞り部が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のトロコイド型流体ポンプ。
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