JP2015071950A - 圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクロール式圧縮機において、圧縮機外に吐出される潤滑油が過多にならないようにする。
【解決手段】駆動シャフトと可動スクロール70との摺動部に潤滑油を送る送油機構を設ける。摺動部に送られた潤滑油が供給される連通部S,60cを形成する。固定スクロール60のスラスト面側には、圧縮機構の吸入室20aと連通部S,60cとを連結して、連通部S,60c内の潤滑油を流す給油溝60bを形成し、該給油溝60bから吸入室20aに潤滑油を吸入する。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮機に関し、特に、スクロール型圧縮機の圧縮室へ潤滑油を導入する構造に関するものである。
いわゆるスクロール式圧縮機には、圧縮機用ケージング内に貯留した潤滑油を、オイルポンプで吸い上げるとともに、駆動軸に設けたオイル通路を介してスラスト軸受けに供給するものがある(例えば特許文献1を参照)。また、この文献の例では、圧縮室の冷媒ガス吸入口と前記オイル通路とをつなぐオイル供給通路が、可動スクロール部材に設けられている。このオイル供給通路によって、スラスト軸受けを潤滑する潤滑油とは別の潤滑油が圧縮室に供給され、圧縮室のシール性の向上が図られる。
特開平4−334701号公報
しかしながら、前記文献の例では、オイル供給通路から潤滑油が圧縮室に直接的に導入されるので、圧縮機外に吐出される潤滑油が過多になって、圧縮機内の潤滑油が不足する可能性がある。そして、この問題は、後述する低圧ドーム型スクロール圧縮機ではより顕著になる。
本発明は前記の問題に着目してなされたものであり、いわゆるスクロール式圧縮機において、圧縮機外に吐出される潤滑油が過多にならないようにすることを目的としている。
前記の課題を解決するため、第1の発明は、
固定スクロール(60)及び該固定スクロール(60)に噛合する可動スクロール(70)を有するとともに、該固定スクロール(60)及び該可動スクロール(70)に、互いに摺動するスラスト面がそれぞれ形成された圧縮機構(20)と、前記可動スクロール(70)を前記固定スクロール(60)に押し付ける押付機構(53,54,55…)と、前記圧縮機構(20)を収容するケーシング(10)と、前記可動スクロール(70)を駆動する駆動シャフト(40)と前記可動スクロール(70)との摺動部に潤滑油を送る送油機構(44)とを備え、前記圧縮機構(20)が前記ケーシング(10)内に導入された冷媒を吸入する圧縮機において、
前記摺動部を出た前記潤滑油が供給される連通部(S,60c)と、
前記固定スクロール(60)の前記スラスト面には、前記圧縮機構(20)の吸入室(20a)と前記連通部(S,60c)とを連結して、該連通部(S,60c)内の潤滑油を流す給油溝(60b)が形成され、該給油溝(60b)から前記吸入室(20a)に前記潤滑油が吸入されることを特徴とする。
この構成では、潤滑油が、スラスト面を潤滑しつつ圧縮機の圧縮室内に吸入される。このとき、給油溝(60b)において絞りの効果が発揮され、前記圧縮室内に吸入される潤滑油の量が制限される。そして、圧縮室内に吸入された潤滑油によって、圧縮室におけるシール性の向上が図られる。
また、第2の発明は、
第1の発明の圧縮機において、
前記連通部(S,60c)は、前記可動スクロール(70)の外側に形成された外側空間(S)であり、
前記可動スクロール(70)には、前記摺動部分に送られた潤滑油を前記外側空間(S)に導出する導出路(75)が形成され、
前記給油溝(60b)は、前記吸入室(20a)と前記外側空間(S)とを結ぶように構成されていることを特徴とする。
この構成では、潤滑油を外側空間(S)に導出するようにしたので、ミスト状の潤滑油を選択的に圧縮機の圧縮室に導入できる。
また、第3の発明は、
第1の発明の圧縮機において、
前記可動スクロール(70)には、前記摺動部分に送られた潤滑油を前記スラスト面に導出する導出口(75a)が形成され、
前記固定スクロール(60)は、該固定スクロール(60)のスラスト面に、前記可動スクロール(70)の公転による前記導出口(75a)の軌跡(L)の一部と重なるように凹部(60c)が、前記連通部(S,60c)として形成され、
前記給油溝(60b)は、前記吸入室(20a)と前記凹部(60c)とを結ぶように構成されていることを特徴とする。
この構成では、可動スクロール(70)の公転に応じて、導出口(75a)が間欠的に吸入室(20a)に連通する。すなわち、間欠的に給油が行われる。
また、第4の発明は、
第1から第3の発明の何れかの圧縮機において、
前記給油溝(60b)は、円弧状に形成されていることを特徴とする。
この構成では、吸入室(20a)から、より遠い位置から給油されるので、給油溝(60b)において絞りの効果が確実に発揮される。
第1の発明によれば、圧縮機外に吐出される潤滑油が過多(いわゆる油上がり)にならないようにできる。また、この発明では、ひとつの機構で圧縮室とスラスト面の両方の潤滑を行えるので、よりコンパクトに圧縮機を構成することも可能になる。
また、第2の発明によれば、圧縮室に導入される潤滑油の量が適度に制限され、より効果的に前記油上がりを防止できる。
また、第3の発明によれば、圧縮室に導入される潤滑油の量が適度に制限され、より効果的に前記油上がりを防止できる。
また、第4の発明によれば、給油溝において絞りの効果が確実に発揮されるので、より効果的に前記油上がりを防止できる。
図1は、実施形態1に係る圧縮機の縦断面図である。 図2は、圧縮機構及び高圧空間の構成を拡大して示す。 図3は、連通路付近の拡大断面図である。 図4は、実施形態1に係る圧縮機の横断面図である。 図5は、実施形態2に係る圧縮機の圧縮機構付近の縦断面図である。 図6は、実施形態2に係る圧縮機の横断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
図1は、実施形態1に係る圧縮機(1)の縦断面図である。圧縮機(1)はスクロール圧縮機であり、冷凍サイクルの冷媒回路において、蒸発器から吸入した低圧の冷媒を圧縮して昇圧し、凝縮器へ吐出するのに用いられる。
前記圧縮機(1)は、ケーシング(10)と、ケーシング(10)内に配設され、冷媒を圧縮する圧縮機構(20)と、ケーシング(10)内に配設され、該圧縮機構(20)を駆動する電動機(30)と、該圧縮機構(20)と該電動機(30)とを連結する駆動シャフト(40)とを備えている。
前記ケーシング(10)は、縦長の円筒状に形成された胴部(11)と、該胴部(11)の上端に溶接により気密に接合された上部鏡板(12)と、該胴部(11)の下端に溶接により気密に接合された下部鏡板(13)とを有している。
また、ケーシング(10)の胴部(11)には、ケーシング(10)の空間を概略上下に分割するハウジング(50)が圧入固定されている。このハウジング(50)は、概略円盤状をしていて、中央部が陥没すると共に貫通孔(51)が形成されている。該貫通孔(51)には、駆動シャフト(40)を回転自在に支持する上部軸受(17a)が設けられている。
ケーシング(10)には、胴部(11)を貫通する吸入管(14)と、上部鏡板(12)を貫通する吐出管(15)とが設けられている。吸入管(14)を介してケーシング(10)内に吸入された冷媒は、圧縮機構(20)で圧縮されて、吐出管(15)を介してケーシング(10)外へ吐出される。すなわち、この圧縮機(1)は、圧縮機構(20)が吸入する冷媒がケーシング(10)へ導入される、いわゆる低圧ドーム型スクロール圧縮機である。
また、ケーシング(10)の内部空間の下端部は、潤滑油を貯留する低圧油溜まり部(16)となっている。この低圧油溜まり部(16)に貯留された潤滑油には、ケーシング(10)内に吸入された冷媒(以下、吸入冷媒ともいう)の圧力である吸入圧力(以下、低圧ともいう)が作用している。
また、ケーシング(10)の下部には、駆動シャフト(40)を回転自在に支持する下部軸受(17b)が設けられている。
前記電動機(30)は、ケーシング(10)内のハウジング(50)よりも下方の空間に配設されている。この電動機(30)は、ケーシング(10)に固定されたステータ(31)と、該ステータ(31)の内側に設けられたロータ(32)とを有している。
前記ステータ(31)は、詳細な図示は省略するが、固定子鉄心と該固定子鉄心に装着されたコイルとを有し、概略筒状に形成されている。このステータ(31)は、ケーシング(10)の内に固定されている。ロータ(32)は、駆動シャフト(40)に対して回転不能に取り付けられており、該駆動シャフト(40)と一体的に回転するように構成されている。このように構成された電動機(30)を作動させると、ロータ(32)が回転し、それに伴って、駆動シャフト(40)も回転する。
前記駆動シャフト(40)は、シャフト本体(41)と、シャフト本体(41)の上端に設けられた偏心部(42)と、シャフト本体(41)に設けられたカウンタウェイト(43)と、シャフト本体(41)の下端に設けられた給油ポンプ(44)とを有している。
前記シャフト本体(41)は、円柱状の部材であって、ケーシング(10)内の上部軸受(17a)と下部軸受(17b)とによって所定の回転軸(X)周りに回転自在に支持されている。このシャフト本体(41)に前記ロータ(32)が取り付けられている。
前記偏心部(42)は、円柱状の部材であって、シャフト本体(41)の軸心(X)に対して偏心した状態で該シャフト本体(41)の上端に設けられている。この偏心部(42)に、後述する可動スクロール(70)が嵌め込まれる。
前記カウンタウェイト(43)は、偏心部(42)の近傍において、シャフト本体(41)の軸心(X)に対して該偏心部(42)とは反対側に偏心した状態で該シャフト本体(41)に設けられている。このカウンタウェイト(43)は、可動スクロール(70)や偏心部(42)等と動的バランスを取るために設けられている。
前記給油ポンプ(44)は、低圧油溜まり部(16)に浸漬しており、該低圧油溜まり部(16)に貯留する潤滑油を該駆動シャフト(40)の回転に伴って汲み上げるように構成されている。この給油ポンプ(44)は、本発明の送油機構の一例である。
また、駆動シャフト(40)には、その軸心に沿って延びる給油路(40a)が形成されている。該給油路(40a)は、シャフト本体(41)のうち上部及び下部軸受(17a,17b)で支持されている部分や偏心部(42)等の各摺動部分へ分岐している。すなわち、給油ポンプ(44)によって汲み上げられた潤滑油は、給油路(40a)を介して各摺動部分へ供給される。
前記圧縮機構(20)は、ケーシング(10)内のハウジング(50)よりも上方の空間に配設され、固定スクロール(60)と、固定スクロール(60)に噛合する可動スクロール(70)とを有している。
前記固定スクロール(60)は、鏡板(61)と、該鏡板(61)の下面(可動スクロール(70)と対向する側の面)に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(62)と、該ラップ(62)の外周側において該ラップ(62)と連続的に筒状に形成された筒状部(63)とを有している。
固定スクロール(60)の筒状部(63)には、ラップ(62)の最外周部の近傍に開口し、圧縮室(21)へ冷媒を吸入するための吸入室(20a)が形成されている。また、固定スクロール(60)の鏡板(61)の中央部には、ラップ(62)の最内周部の近傍に開口し、圧縮した冷媒を吐出するための吐出ポート(64)が貫通形成されている。この吐出ポート(64)には、吐出弁(66)が設けられている。
この固定スクロール(60)は、ハウジング(50)にボルトで締結固定されている。詳しくは、固定スクロール(60)の筒状部(63)がハウジング(50)に固定されている。こうして、ハウジング(50)に固定された固定スクロール(60)は、ケーシング(10)の胴部(11)の上端からはみ出している。そして、固定スクロール(60)の筒状部(63)のうち胴部(11)からはみ出た部分の外周面は、該胴部(11)に取り付けられる上部鏡板(12)の内周面と密着しており、固定スクロール(60)がケーシング(10)内の空間を上方の空間と下方の空間とに仕切っている。詳しくは、ケーシング(10)内の空間のうち、固定スクロール(60)よりも下方の空間、即ち、固定スクロール(60)とハウジング(50)との間の空間やハウジング(50)よりも下方の空間は、吸入冷媒で満たされた低圧空間(10a)となっている。一方、ケーシング(10)内の空間のうち、固定スクロール(60)よりも上方の空間は、圧縮機構(20)から吐出された冷媒(以下、吐出冷媒ともいう)で満たされた高圧空間(10b)となっている。
一方、前記可動スクロール(70)は、鏡板(71)と、該鏡板(71)の上面(固定スクロール(60)と対向する側の面)に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(72)と、鏡板(71)の中央において下面(固定スクロール(60)と反対側の面)に突設された有底筒状のボス部(73)とを有している。
この可動スクロール(70)は、そのラップ(72)が固定スクロール(60)のラップ(62)に噛合するようにして、固定スクロール(60)とハウジング(50)との間の空間に配設されている。詳しくは、固定スクロール(60)のラップ(62)と可動スクロール(70)のラップ(72)とは複数箇所において互いに接触した状態で噛合している。こうすることで、固定スクロール(60)と可動スクロール(70)との間において、両鏡板(61,71)及び両ラップ(62,72)の接触部間に圧縮室(21,21,…)が形成される。
可動スクロール(70)のボス部(73)には、駆動シャフト(40)の偏心部(42)が回転可能に嵌入されている。また、可動スクロール(70)は、オルダム継手(52)を介してハウジング(50)に支持されており、自転が防止されている。つまり、可動スクロール(70)は、駆動シャフト(40)が回転することによって、自転が防止された状態で、駆動シャフト(40)の回転軸(X)に対して偏心回転(以下、公転ともいう)する。
このように可動スクロール(70)が公転することで、両ラップ(62,72)間に形成された圧縮室(21)は、中心に向かって移動しつつ収縮することで冷媒を圧縮する。
前記吐出ポート(64)は、鏡板(61)の中央部に開口している。この吐出ポート(64)には、吐出弁(66)が設けられている。この吐出弁(66)は、吐出ポート(64)に連通する圧縮室(21)の圧力と高圧空間(10b)の圧力との差圧に応じて開閉動作を行うように構成されている。
詳しくは、吐出ポート(64)に連通する圧縮室(21)の圧力が高圧空間(10b)の圧力以下の場合は、吐出弁(66)が閉状態となり、吐出ポート(64)と高圧空間(10b)とは遮断される。一方、吐出ポート(64)に連通する圧縮室(21)の圧力が高圧空間(10b)の圧力よりも高くなると、吐出弁(66)が開状態となり、吐出ポート(64)と高圧空間(10b)とが連通し、冷媒が圧縮室(21)から高圧空間(10b)へ吐出される。
次に、圧縮機構(20)及び高圧空間(10b)の構成について、詳しく説明する。図2は、圧縮機構(20)及び高圧空間(10b)の構成を拡大して示す。同図に示すように、可動スクロール(70)の背面(即ち、下面)側、即ち、可動スクロール(70)とハウジング(50)との間には、背圧空間(53)が形成されている。
ハウジング(50)の上面には、環状の溝部(54)が形成されている。この溝部(54)には、径方向内側に位置する内側シールリング(55)と径方向外側に位置する外側シールリング(56)との2つのシールリングが配設されている。これら内側及び外側シールリング(55,56)の高さは、可動スクロール(70)の背面(70a)と当接するように、溝部(54)の深さよりも高い値に設定されている。すなわち、これら内側及び外側シールリング(55,56)は、可動スクロール(70)が組み込まれた状態において、可動スクロール(70)の背面(70a)と溝部(54)の底面とに挟持されて変形することで、該溝部(54)において可動スクロール(70)の背面(70a)と溝部(54)の底面との間をシールしている。こうして、可動スクロール(70)の背面側には、可動スクロール(70)の背面(70a)、ハウジング(50)の溝部(54)の底面、並びに内側及び外側シールリング(55,56)で囲まれた背圧空間(53)が形成される。
ここで、可動スクロール(70)の鏡板(71)には、一端が圧縮室(21)に開口し、他端が背圧空間(53)に開口する連通路(74)が形成されている。詳しくは、連通路(74)の一端は、ラップ(72)の最内周部の近傍において、鏡板(71)の上面に開口している。また、連通路(74)の他端は、可動スクロール(70)が公転する間、常に、溝部(54)に開口する位置において、鏡板(71)の下面に開口している。このように構成された連通路(74)によって、圧縮終盤の冷媒が背圧空間(53)に導入される。
また、連通路(74)内には、流量制限部材(76)が挿入されている。図3は、連通路(74)付近の拡大断面図である。図3に示すように、この流量制限部材(76)は、連通路(74)内に位置する先端側の本体(76a)と、本体(76a)の基端側に連設され、連通路(74)の溝部(54)側の開口に対応して配置される小径部(76b)と、小径部(76b)の基端側に連設されたネジ部(76c)と、ネジ部(76c)の基端側に連続し、かつ鏡板(71)の外側に位置し、連通路(74)よりも大径の大径部(76d)とからなる。ネジ部(76c)は、連通路(74)内周面の開口側近傍に形成された雌ネジ(74a)と螺合するようになっている。また、前記本体(76a)の外周面には螺旋状に連続する断面台形状のスパイラル溝(76e)が設けられている。また、前記大径部(76d)は円板状をしており、その外面には工具を係合するための工具係合部(76f)が設けられている。
そして、流量制限部材(76)は、連通路(74)に挿入された後、前記工具係合部(76f)への工具の係合により回転されて連通路(74)の雌ネジ(74a)にネジ部(76c)を螺合することにより、鏡板(71)に締結固定されている。なお、大径部(76d)の裏面と、連通路(74)の開口縁部の鏡板(71)外周面との間には、流量制限部材(76)を挿通する中心孔を有する円板状の面シール(図示は省略)が介在されており、この面シールにより流量制限部材(76)が連通路(74)の開口に対し液密状にシールされている。
このような背圧空間(53)を設けることによって、可動スクロール(70)の背面(70a)には圧縮終盤の冷媒の高圧が背圧として作用しており、この背圧により可動スクロール(70)は固定スクロール(60)へ押し付けられている。こうすることで、冷媒圧縮時の冷媒圧力により可動スクロール(70)が固定スクロール(60)から離反することを防止し、圧縮室(21)の密封性を向上させている。すなわち、背圧空間(53)、溝部(54)、シールリング(55,56)、連通路(74)によって、本発明の押付機構(53,54,55…)の一例を構成している。
ここで、固定スクロール(60)の筒状部(63)の先端面(即ち、鏡板(71)と対向する面)は、スラスト軸受(65)を構成する。すなわち、可動スクロール(70)が前述の如く、固定スクロール(60)へ押し付けられる結果、可動スクロール(70)の鏡板(71)が固定スクロール(60)の筒状部(63)の先端面に当接する。この構成により、圧縮機(1)の運転中において、可動スクロール(70)は、その鏡板(71)を固定スクロール(60)の筒状部(63)の先端面、即ち、スラスト軸受(65)に対して摺接させながら回転する。つまり、固定スクロール(60)及び可動スクロール(70)には、押付機構(53,54,55…)によって互いに押し付けられて摺動するスラスト面(より具体的には筒状部(63)の先端面、及び鏡板(71))がそれぞれ形成されているのである。それぞれのスラスト面、及び圧縮室(21)には、潤滑油が供給される。以下では、この給油機構について説明する。
<給油機構の構成>
可動スクロール(70)には、低圧油溜まり部(16)の潤滑油を、可動スクロール(70)の外側に形成された外側空間(S)に導出するための低圧給油路(75)が形成されている(図2参照)。この低圧給油路(75)は、本発明の導出路の一例である。また、外側空間(S)は、本発明の連通部の一例である。
本実施形態の低圧給油路(75)は、鏡板(71)の側面からボス部(73)内の空間に向かって、該鏡板(71)を径方向に貫通する貫通口である。より詳しくは、低圧給油路(75)の一端は、ボス部(73)の内方に開口している。このボス部(73)の内方には、駆動シャフト(40)の偏心部(42)とボス部(73)とを潤滑するために、給油ポンプ(44)によって汲み上げられた低圧油溜まり部(16)の潤滑油が駆動シャフト(40)に形成された給油路(40a)を通って供給されている。また、外側空間(S)は、鏡板(71)の側面と、ケーシング(10)の内周面との間に形成された空間であり、低圧給油路(75)の他端は、鏡板(71)の側面において外側空間(S)に向かって開口している。
図4は、実施形態1に係る圧縮機(1)の横断面図である。図4は、図1のA−A断面に相当し、圧縮機(1)の横断面を下方から見たものである。図4では、説明の便宜上、可動スクロール(70)を二点鎖線で図示してある。この例では、図4に示すように、低圧給油路(75)の他端側の開口は、該開口から導出された潤滑油が、吸入室(20a)に直接的に入り込まないように、吸入室(20a)とは離れた位置で開口している。具体的にこの例では、低圧給油路(75)の外側空間(S)側の開口は、吸入室(20a)とは、回転軸(X)まわり位相で見て概ね180度ずれた位置に設けられている。つまり、駆動シャフト(40)の偏心部(42)と可動スクロール(70)のボス部(73)との摺動部分を潤滑すべく供給された潤滑油の一部は、吸入室(20a)とは離れた位置から外側空間(S)に導出される。
一方、固定スクロール(60)のスラスト面側には、前記圧縮機構(20)の吸込みの負圧によって前記潤滑油を、圧縮室(21)及びそれぞれのスラスト面に給油する給油溝(60b)が形成されている。
給油溝(60b)は、図4に示すように、平面視で円弧状(半円状)に形成され、一端が前記圧縮機構(20)の吸入室(20a)に連通し、他端が、筒状部(63)に設けられた凹部(60c)に連通している。本実施形態の凹部(60c)は、可動スクロール(70)が何れの位置にあっても、該凹部(60c)が外側空間(S)に連通するように、その位置や大きさを定めてある。すなわち、給油溝(60b)は、吸入室(20a)と外側空間(S)とを繋ぐことになる。
この給油溝(60b)は、可動スクロール(70)のスラスト面によって覆われて、閉断面の流路となる。この閉断面流路は、吸入室(20a)と外側空間(S)とを繋ぐことになる。つまり、本実施形態では、偏心部(42)とボス部(73)とを潤滑した後の潤滑油が流れる経路は、低圧給油路(75)、外側空間(S)、給油溝(60b)(閉断面流路)、吸入室(20a)の順である(給油動作の詳細は後述)。なお、本実施形態では、前記閉断面流路の外側空間(S)側の開口が、低圧給油路(75)の外側空間(S)側の開口の近傍となるように給油溝(60b)を形成してある。
<運転動作>
次に、圧縮機(1)の運転動作について説明する。
電動機(30)を作動させると、駆動シャフト(40)が回転する。駆動シャフト(40)が回転すると、圧縮機構(20)の可動スクロール(70)が、自転が防止された状態で、固定スクロール(60)に対して公転のみ行う。これにより、低圧の冷媒が吸入管(14)を通じてケーシング(10)内に流入し、さらに圧縮機構(20)に形成された入ポート(図示は省略)を介して吸入室(20a)に吸入される。吸入室(20a)内の冷媒は、圧縮室(21)に吸入され、圧縮室(21)の容積変化に伴って圧縮される。そして、冷媒の圧縮が進むと、やがて、吐出弁(66)が開状態となり、該冷媒は吐出ポート(64)から吐出空間(18)へ吐出される。吐出空間(18)へ吐出された冷媒は、吐出空間(18)に開口する吐出管(15)を介してケーシング(10)外へと流出する。
このとき、圧縮終盤の高圧冷媒が、連通路(74)を介して背圧空間(53)に導入される。可動スクロール(70)は、背圧空間(53)の高圧冷媒による背圧に対応した押付力で固定スクロール(60)側に押圧される。この押付力が圧縮室(21)での冷媒の圧縮により可動スクロール(70)に発生した軸方向の力であるスラスト荷重に対抗するものとなる。こうすることで、可動スクロール(70)がスラスト荷重により傾斜しないようにして、圧縮室(21)の密封性を向上させている。
また、駆動シャフト(40)が回転すると、駆動シャフト(40)に設けられた給油ポンプ(44)が低圧油溜まり部(16)の潤滑油を汲み上げ、上部及び下部軸受(17a,17b)等の各摺動部分を潤滑すると共に、汲み上げられた潤滑油の一部が、低圧給油路(75)に流入する。低圧給油路(75)に流入した潤滑油は、外側空間(S)に導出される。
外側空間(S)では、比較的比重が大きな液状の潤滑油は落下して、低圧油溜まり部(16)に戻るが、比較的比重が小さいミスト状の潤滑油は、低圧給油路(75)の開口の付近の外側空間(S)に留まる。すなわち、前記閉断面流路の外側空間(S)側の開口の付近には、ミスト状の潤滑油が存在する。
ここで、給油溝(60b)によって構成された閉断面流路は、一端が圧縮機構(20)の吸入室(20a)に連通し、この吸入室(20a)には、圧縮室(21)からの負圧が作用している。したがって、外側空間(S)内のミスト状の潤滑油は、給油溝(60b)(閉断面流路)内に吸入され、該給油溝(60b)を流れる。給油溝(60b)内の潤滑油は、スラスト面(すなわちスラスト軸受(65))を潤滑してその後低圧油溜まり部(16)に戻るものと、吸入室(20a)に吸入されるものと2系統に分かれる。吸入室(20a)に吸入された潤滑油は、次いで圧縮室(21)内に吸入される。圧縮室(21)内では、吸入された潤滑油によって、圧縮室(21)におけるシール性の向上が図られる。そして、圧縮室(21)内に導入された潤滑油は、吐出ポート(64)から吐出空間(18)へ冷媒とともに吐出され、更に吐出管(15)から、圧縮機(1)外に冷媒とともに吐出される。
なお、給油溝(60b)に供給された潤滑油は、可動スクロール(70)に作用する背圧による押付力に抗する押し返し力として該可動スクロール(70)に作用する。その結果、可動スクロール(70)に作用する背圧が過剰になる運転領域においても、可動スクロール(70)に作用する軸方向力を適切にすることができ、スラスト軸受(65)における機械損失を低減することができる。
<本実施形態における効果>
以上のように、本実施形態では、スラスト面に設けた給油溝(60b)を介して圧縮室(21)に潤滑油を供給するようにした。つまり、所定長さ流路(給油溝(60b))を経由して吸入室(20a)に給油することで、給油溝(60b)において絞りの効果が発揮され、圧縮室(21)に導入される潤滑油の量が制限される。そして、本実施形態では、給油溝(60b)は、円弧状なので、より遠い位置から給油され、より効果的に絞りの効果が発揮される。
また、給油溝(60b)内の潤滑油は、スラスト面を潤滑してその後低圧油溜まり部(16)に戻るものと、吸入室(20a)に吸入されるものとの2系統に分かれるので、この点においても、圧縮室(21)に導入される潤滑油の量(圧縮機外に吐出される潤滑油の量)が制限される。
しかも、本実施形態では、汲み上げた潤滑油を外側空間(S)に導出するようにしたので、ミスト状の潤滑油を選択的に圧縮室(21)に導入できる。すなわち、この外側空間(S)によっても、圧縮室(21)に導入される潤滑油の量が適度に制限され、より効果的に前記油上がりを防止できる。
上記のように、圧縮機(1)では、圧縮機(1)外に吐出される潤滑油が過多(いわゆる油上がり)にならないようにできる。特に、いわゆる低圧ドーム型スクロール圧縮機では、圧縮室へ入った潤滑油が全て吐出されて前記油上りが起こりやすい構造なので、本実施形態の構成は有用である。
また、本実施形態では、ひとつの給油機構で圧縮室(21)とスラスト軸受(65)の両方の潤滑を行えるので、よりコンパクトに圧縮機(1)を構成することも可能になる。特に、いわゆる低圧ドーム型スクロール圧縮機では、ケーシング内の圧力とスラスト軸受部分との差圧を該スラスト軸受への給油に利用できないので、本実施形態の構成は有用である。
《発明の実施形態2》
図5は、実施形態2に係る圧縮機(1)の圧縮機構(20)付近の縦断面図である。本実施形態の圧縮機(1)は、スラスト軸受(65)及び圧縮室(21)に対する給油機構が実施形態1の圧縮機(1)とは相異している。本実施形態の圧縮機(1)は、スラスト軸受(65)及び圧縮室(21)に、間欠的に給油するように構成されている。以下では、この給油機構について説明する。
<給油機構の構成>
本実施形態の可動スクロール(70)には、低圧油溜まり部(16)の潤滑油を、固定スクロール(60)のスラスト面に導出するための低圧給油路(75)が形成されている。具体的に、低圧給油路(75)の一端は、ラップ(72)の最外周部の近傍において、鏡板(71)の上面(スラスト面)に開口する導出口(75a)となっており、該導出口(75a)が固定スクロール(60)の筒状部(63)に対向(詳細は後述)している。導出口(75a)は、可動スクロール(70)が駆動シャフト(40)の回転軸(X)に対して公転とすると、筒状部(63)への対向位置が変化する。この例では、可動スクロール(70)の公転に伴う導出口(75a)の軌跡(L)は円形となる。図6は、実施形態2に係る圧縮機(1)の横断面図である。図6は、図1のA−A断面に相当し、圧縮機(1)の横断面を下方から見たものである。図6では、説明の便宜上、可動スクロール(70)を二点鎖線で図示し、導出口(75a)の軌跡(L)を一点鎖線で示してある。
また、低圧給油路(75)の他端は、ボス部(73)の内方に開口している。このボス部(73)の内方には、駆動シャフト(40)の偏心部(42)とボス部(73)とを潤滑するために、給油ポンプ(44)によって汲み上げられた低圧油溜まり部(16)の潤滑油が駆動シャフト(40)に形成された給油路を通って供給されている。
一方、固定スクロール(60)のスラスト面側には、前記圧縮機構(20)の吸込みの負圧によって前記潤滑油を、圧縮室(21)及びそれぞれのスラスト面に給油する給油溝(60b)が形成されている。給油溝(60b)は、図6に示すように、平面視で円弧状(半円状)に形成され、一端が前記圧縮機構(20)の吸入室(20a)に連通し、他端が固定スクロール(60)のスラスト面に形成された凹部(60c)に連通している。
本実施形態の凹部(60c)は、給油溝(60b)の深さと同等もしくは若干深く形成されており、図6に示し断面で見た平面形状は、導出口(75a)の軌跡(L)の一部と重なるようになっている。こうすることで、圧縮機(1)では、可動スクロール(70)の公転に応じ、導出口(75a)が凹部(60c)と対向する状態と、非対向の状態とが切り換わる。なお、本実施形態では、凹部(60c)は、図6に示すように平面視で円形であるが、この形状は例示であり、円形以外の形状を採用してもよい。この凹部(60c)は、本発明の連通部(S,60c)の一例である。
<運転動作>
本実施形態における給油動作について説明する。
電動機(30)を作動させると、駆動シャフト(40)に設けられた給油ポンプ(44)が低圧油溜まり部(16)の潤滑油を汲み上げ、上部及び下部軸受(17a,17b)等の各摺動部分を潤滑する。すなわち、圧縮機(1)の運転中は、上部及び下部軸受(17a,17b)には継続的に潤滑油が供給される。
一方、スラスト軸受(65)及び圧縮室(21)には、間欠的に潤滑油が供給される。圧縮機(1)では、可動スクロール(70)の公転に応じ、導出口(75a)の軌跡(L)が凹部(60c)と重なる期間(導出口(75a)が凹部(60c)上にある期間)と、重ならない期間(導出口(75a)が凹部(60c)上にない期間)とがあり、軌跡(L)が凹部(60c)と重なる期間にはスラスト軸受(65)及び圧縮室(21)に潤滑油が供給され、重ならない期間には潤滑油が供給されない。
例えば、導出口(75a)の軌跡(L)が凹部(60c)と重なる期間は、低圧給油路(75)の導出口(75a)が凹部(60c)に対向し、低圧給油路(75)は、凹部(60c)、及び給油溝(60b)(閉断面流路)を介して、吸入室(20a)と繋がる。また、吸入室(20a)には、圧縮室(21)からの負圧が作用している。したがって、低圧給油路(75)には、ボス部(73)内に汲み上げられた潤滑油の一部が流入する。低圧給油路(75)に流入した潤滑油は、凹部(60c)に導出される。凹部(60c)内の潤滑油は、給油溝(60b)に吸入され、該給油溝(60b)内を流れる。給油溝(60b)内の潤滑油は、スラスト面(すなわちスラスト軸受(65))を潤滑してその後低圧油溜まり部(16)に戻るものと、吸入室(20a)に吸入されるものとの2系統に分かれる。
この吸入室(20a)には、圧縮室(21)からの負圧が作用しているので、その負圧によって、吸入室(20a)内の潤滑油部は、圧縮室(21)内に吸入される。圧縮室(21)内では、吸入された潤滑油によって、圧縮室(21)におけるシール性の向上が図られる。そして、圧縮室(21)内に導入された潤滑油は、吐出ポート(64)から吐出空間(18)へ冷媒とともに吐出され、更に吐出管(15)から、圧縮機(1)外に冷媒とともに吐出される。
一方、導出口(75a)の軌跡(L)が凹部(60c)と重ならない期間は、導出口(75a)は凹部(60c)に非対向の状態である。すなわち、低圧給油路(75)の導出口(75a)が閉じられた状態である。そのため、この期間は、低圧給油路(75)には、ボス部(73)内の潤滑油は流入せず、スラスト軸受(65)及び圧縮室(21)には、潤滑油が供給されない。
このように、本実施形態では、可動スクロール(70)の公転に応じて、スラスト軸受(65)及び圧縮機(1)に潤滑油の供給が間欠的に行われるのである。
<本実施形態における効果>
本実施形態でも実施形態1の例と同様に、給油溝(60b)において絞りの効果が発揮され、圧縮室(21)に導入される潤滑油の量が制限される。したがって、本実施形態でも、圧縮機(1)外に吐出される潤滑油が過多(前記油上がり)にならないようにできる。また、給油溝(60b)内の潤滑油は、スラスト面を潤滑してその後低圧油溜まり部(16)に戻るものと、吸入室(20a)に吸入されるものの2系統に分かれるので、この点においても、圧縮室(21)に導入される潤滑油の量(圧縮機外に吐出される潤滑油の量)が制限される。
しかも、本実施形態では、可動スクロール(70)の公転を利用して、低圧給油路(75)を間欠的に吸入室(20a)に連通させるようにしたので、圧縮室(21)に導入される潤滑油の量が適度に制限され、より効果的に前記油上がりを防止できる。
また、本実施形態でも、ひとつの給油機構で圧縮室(21)とスラスト軸受(65)の両方の潤滑を行えるので、よりコンパクトに圧縮機(1)を構成することも可能になる。そして、本実施形態の給油機構も、いわゆる低圧ドーム型スクロール圧縮機に有用な構成である。
《その他の実施形態》
なお、給油溝(60b)は、複数本設けることも可能である。また、給油溝(60b)の形態は、円弧には限定されない。
本発明は、圧縮機に関し、特に、スクロール型圧縮機の圧縮室へ潤滑油を導入する構造として有用である。
1 圧縮機
10 ケーシング
20 圧縮機構
20a 吸入室
40 駆動シャフト
40a 給油路
44 給油機構
53 背圧空間
54 溝部
55 内側シールリング
56 外側シールリング
60 固定スクロール
60b 給油溝
60c 凹部(連通部)
70 可動スクロール
75 低圧給油路(導出路)
75a 導出口
S 外側空間(連通部)

Claims (4)

  1. 固定スクロール(60)及び該固定スクロール(60)に噛合する可動スクロール(70)を有するとともに、該固定スクロール(60)及び該可動スクロール(70)に、互いに摺動するスラスト面がそれぞれ形成された圧縮機構(20)と、前記可動スクロール(70)を前記固定スクロール(60)に押し付ける押付機構(53,54,55…)と、前記圧縮機構(20)を収容するケーシング(10)と、前記可動スクロール(70)を駆動する駆動シャフト(40)と前記可動スクロール(70)との摺動部に潤滑油を送る送油機構(44)とを備え、前記圧縮機構(20)が前記ケーシング(10)内に導入された冷媒を吸入する圧縮機において、
    前記摺動部を出た前記潤滑油が供給される連通部(S,60c)と、
    前記固定スクロール(60)の前記スラスト面には、前記圧縮機構(20)の吸入室(20a)と前記連通部(S,60c)とを連結して、該連通部(S,60c)内の潤滑油を流す給油溝(60b)が形成され、該給油溝(60b)から前記吸入室(20a)に前記潤滑油が吸入されることを特徴とする圧縮機。
  2. 請求項1の圧縮機において、
    前記連通部(S,60c)は、前記可動スクロール(70)の外側に形成された外側空間(S)であり、
    前記可動スクロール(70)には、前記摺動部分に送られた潤滑油を前記外側空間(S)に導出する導出路(75)が形成され、
    前記給油溝(60b)は、前記吸入室(20a)と前記外側空間(S)とを結ぶように構成されていることを特徴とする圧縮機。
  3. 請求項1の圧縮機において、
    前記可動スクロール(70)には、前記摺動部分に送られた潤滑油を前記スラスト面に導出する導出口(75a)が形成され、
    前記固定スクロール(60)は、該固定スクロール(60)のスラスト面に、前記可動スクロール(70)の公転による前記導出口(75a)の軌跡(L)の一部と重なるように凹部(60c)が、前記連通部(S,60c)として形成され、
    前記給油溝(60b)は、前記吸入室(20a)と前記凹部(60c)とを結ぶように構成されていることを特徴とする圧縮機。
  4. 請求項1から請求項3の何れかの圧縮機において、
    前記給油溝(60b)は、円弧状に形成されていることを特徴とする圧縮機。
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