JP3843961B2 - 燃料ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内の燃料を内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)に供給する燃料ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
下記の特許文献1に開示されている燃料ポンプでは、ケーシング本体およびケーシングカバーに収容されたインペラが回転駆動される。インペラが回転することにより、インペラの径方向外側に形成されている加圧室の燃料が加圧される。このような燃料ポンプの場合、インペラの膨潤あるいはインペラの軸方向への移動などにより、インペラとケーシング本体およびケーシングカバーとが接触する可能性がある。
【0003】
そこで、特許文献1では、インペラとケーシング本体およびケーシングカバーとの間のクリアランスを径方向内側に向かって大きくなるよう当り逃がし部を形成し、これにより、インペラとケーシング本体およびケーシングカバーとの接触を防止している。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−94833号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1に開示されている燃料ポンプの場合、加圧室からインペラの中心軸側へ流れる燃料からインペラの浮流力を確保している。しかしながら、ケーシング本体およびケーシングカバーとインペラとの間を流れる燃料はわずかであるため、インペラの浮遊力は小さくなる。そのため、インペラとケーシング本体およびケーシングカバーとが接触し、インペラとケーシング本体およびケーシングカバーとの摺動による出力損失を招く。その結果、燃料ポンプの効率が低下するという問題がある。
【0006】
一方、本出願人は、インペラの羽根溝よりも径方向内側において、軸方向に貫通してインペラ両端面を連通する連通孔を形成した燃料ポンプについて、試作検討している。しかし、このような燃料ポンプでは、上記当り逃がし部の位置によっては、連通孔によって燃料が吸入される吸入口と燃料が吐出される吐出口とのシール性が悪化するという問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明の目的は、インペラとケーシング本体およびケーシングカバーとの間の燃料の流れを促進し、インペラの浮遊力を高め、出力損失の増大を防止するする燃料ポンプを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、吸入口と吐出口とのシール性が確保される燃料ポンプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1または3記載の発明では、ケーシング本体の第一平面部およびケーシングカバーの第二平面部は、インペラを軸方向に貫いている連通孔と対向している。第一加圧室または第二加圧室で加圧された燃料は、連通孔を経由して他方の加圧室側へ流れる。そのため、第一加圧室および第二加圧室と連通孔との間には燃料の流れが形成される。このとき、第一加圧室および第二加圧室から流出した燃料は、第一平面部または第二平面部とインペラとの間に形成される隙間を経由して連通孔へ流れる。これにより、第一平面部および第二平面部とインペラとの間には積極的に燃料が導入される。その結果、インペラに作用する浮遊力が高められる。したがって、インペラとケーシング本体またはケーシングカバーとの接触が防止され、インペラとケーシング本体またはケーシングカバーとの摺動による出力損失の増大を防止することができる。
また、ケーシング本体またはケーシングカバーとインペラとは、第一平面部および第二平面部の径方向内側において、第一平面部とインペラとの間、ならびに第二平面部とインペラとの間よりも大きな隙間を形成している。すなわち、ケーシング本体またはケーシングカバーとインペラとが形成する隙間は、第一平面部および第二平面部が形成されている部分において最も小さくなっている。そのため、第一平面部または第二平面部とインペラとの間において燃料が流れる流路は小さくなり、必要以上の燃料が流れることはない。したがって、インペラの浮遊に十分な燃料の流れを確保しつつ、燃料吸入口側と燃料吐出口側との間のシール性を確保することができる。
【0009】
請求項2または3記載の発明では、ケーシング本体は第一溝部の燃料吸入側の端部と燃料吐出側の端部との間に第一シール部を有し、ケーシングカバーは第二溝部の燃料吸入側の端部と燃料吐出側の端部との間に第二シール部を有している。第一シール部と第二シール部とは、インペラを挟んで対向している。第一シール部とインペラ、ならびに第二シール部とインペラとの間は、わずかなクリアランスが形成されているのみである。そのため、燃料吸入口側と燃料吐出口側との間のシール性が確保され、第一加圧室および第二加圧室で加圧された燃料が燃料吐出側から燃料吐出側へ漏れ出すことが防止される。したがって、燃料の加圧効率を高めることができる。
【0010】
請求項1または3記載の発明では、インペラは第一羽根溝および第二羽根溝と連通孔とを連通する溝部を有している。これにより、第一加圧室および第二加圧室の燃料は、溝部を経由して連通孔へ流入する。したがって、燃料の流れがより促進され、インペラの浮遊力を高めることができる。
請求項4記載の発明では、インペラは同数の第一羽根溝、第二羽根溝および連通孔を有している。
【0011】
請求項5記載の発明では、第一平面部および第二平面部のインペラの中心軸側の端部は、連通孔のインペラの中心軸側の端部と概ね一致している。すなわち、第一平面部および第二平面部は連通孔に重なっている。そのため、第一加圧室または第二加圧室から連通孔への燃料の流れは促進される。
【0012】
請求項6記載の発明では、インペラは第一羽根溝および第二羽根溝の径方向外側にリング部を有している。リング部は、インペラの周方向へ連続している。そのため、第一加圧室と第二加圧室とがインペラの径方向外側において連通することはない。したがって、燃料の加圧効率を高めることができる。
【0013】
請求項7記載の発明では、第一平面部または第二平面部の内周側に第一斜面部または第二斜面部が形成されている。第一斜面部および第二斜面部は、インペラの中心軸側に行くにしたがってインペラとの距離が拡大する。インペラの中心軸側まで第一平面部および第二平面部を形成すると、インペラの停止時にインペラとケーシング本体またはケーシングカバーとが密着し、始動性が低下するおそれがある。そこで、第一斜面部および第二斜面部を形成することにより、インペラとケーシング本体またはケーシングカバーとの密着が防止される。したがって、始動性を向上することができる。
【0014】
請求項8記載の発明では、第一平面部および第二平面部は第一溝部および第二溝部に沿って内周側に形成されている。第一溝部および第二溝部は一方の端部が燃料吸入側であり他方の端部が燃料吐出側である円弧状に形成されている。
請求項9記載の発明では、第一平面部および第二平面部とインペラとの間の距離の和は30μm以下である。この距離が拡大すると、燃料ポンプの性能が低下する。そこで、燃料の加圧効率の低下を抑制するために、第一平面部および第二平面部とインペラとの間の距離の和を30μm以下に設定している。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施形態による燃料ポンプを図2に示す。燃料ポンプ10は、例えば車両などの燃料タンクに設置されるインタンク式のポンプである。
【0016】
燃料ポンプ10は、モータ部20とこのモータ部20により駆動されるポンプ部30とを備えている。モータ部20はブラシ付きの直流モータであり、円筒状のハウジング11内に永久磁石21を環状に配置し、この永久磁石21の内周側に電機子22を配置した構成となっている。ハウジング11の反ポンプ部側の端部にはカバー部材12がかしめなどにより固定されている。
【0017】
電機子22は永久磁石21の内周側に回転可能に収容されている。電機子22は、図示しないコアならびにコアの外周に巻回されているコイル23を有している。整流子24は円板状に形成されており、電機子22の上部に設置されている。図示しない電源から、コネクタ13に埋設されたターミナル14、ブラシ15および整流子24を経由してコイル23に電力が供給される。ブラシ15は、スプリング17により電機子22方向へ付勢され、カバー部材12に形成されている収容部16の内部を軸方向移動可能である。これにより、ブラシ15は整流子24と摺接する。ブラシ15および整流子24を経由して供給された電力により電機子22が回転すると、電機子22の回転シャフト25とともにインペラ40が回転する。
【0018】
ポンプ部30は、インペラ40、ケーシング本体50およびケーシングカバーから構成されている。インペラ40は、図3に示すように樹脂により円板状に形成され、電機子22の回転シャフト25にD形状にカップリングされている。インペラ40は、ケーシング本体50とケーシングカバー60との間に回転可能に収容されている。インペラ40は、外縁部に周方向へ連続するリング部41を有している。リング部41の内周側すなわち径方向内側には、羽根溝42が形成されている。羽根溝42は、図1に示すようにインペラ40の軸方向の両端面側に形成されており、板厚方向の中心線を対称軸として対称に形成される第一羽根溝42aと第二羽根溝42bとから構成されている。第一羽根溝42aと第二羽根溝42bとは隔壁43により仕切られており、互いに独立している。第一羽根溝42aおよび第二羽根溝42bは、図3に示すようにインペラ40の周方向へ複数形成されている。
【0019】
図1から図3に示すようにインペラ40の第一羽根溝42aおよび第二羽根溝42bの径方向内側には、インペラ40を軸方向へ貫く連通孔44が形成されている。連通孔44は、第一羽根溝42aおよび第二羽根溝42bの径方向内側において第一羽根溝42aおよび第二羽根溝42bに対応して形成されている。そのため、インペラ40の中心軸から放射状に連通孔44ならびに第一羽根溝42aおよび第二羽根溝42bが配置されている。これにより、第一羽根溝42a、第二羽根溝42bおよび連通孔44の数とは一致している。
【0020】
図2に示すケーシング本体50およびケーシングカバー60は、例えばアルミダイカスト成形により形成されている。ケーシング本体50は、ハウジング11の一方の端部に圧入固定されており、その中心に軸受51が設置されている。ケーシングカバー60は、ケーシング本体50に被せられた状態でハウジング11の一端にかしめなどにより固定されている。ケーシングカバー60の中心には、スラスト軸受61が圧入固定されている。電機子22の回転シャフト25のインペラ40側の端部は、軸受51により回転可能に径方向に支持されているとともに、スラスト軸受61によりスラスト方向の荷重が支持されている。回転シャフト25の反インペラ側の端部は、軸受18により回転可能に径方向に支持されている。
【0021】
ケーシング本体50には、図4に示すように略C字形状すなわち円弧状の第一溝部52が形成されている。第一溝部52は、ケーシング本体50のケーシングカバー60側の端面から反ケーシングカバー側へ窪んで形成されている。円弧状の第一溝部52は、吸入された燃料が流入する燃料吸入口側としての入口側端部53と、加圧された燃料が流出する燃料吐出口側としての出口側端部54とを有している。出口側端部54は、ケーシング本体50に形成されている図示しない燃料吐出通路に連通している。
【0022】
同様に、ケーシングカバー60には、図5に示すように略C字形状すなわち円弧状の第二溝部62が形成されている。第二溝部62は、ケーシングカバー60のケーシング本体50側の端面から反ケーシング本体側へ窪んで形成されている。円弧状の第二溝部62は、吸入された燃料が流入する燃料吸入口側としての入口側端部63と、加圧された燃料が流出する燃料吐出口側としての出口側端部64とを有している。入口側端部63は、図2に示すようにケーシングカバー60に形成されている燃料吸入通路65に連通している。
【0023】
ケーシング本体50とケーシングカバー60との間にインペラ40が収容されると、図1に示すように第一加圧室71と第二加圧室72とが形成される。すなわち、インペラ40の第一羽根溝42aとケーシング本体50の第一溝部52とは第一加圧室71を形成し、第二羽根溝42bとケーシングカバー60の第二溝部62とは第二加圧室72を形成している。これにより、第一加圧室71および第二加圧室72は、ケーシング本体50およびケーシングカバー60の周方向へ円弧状に形成される。
【0024】
ケーシングカバー60には図2に示すように燃料吸入通路65が形成されており、電機子22の回転にともないインペラ40が回転すると、図示しない燃料タンク内の燃料が燃料吸入通路65から第一加圧室71および第二加圧室72に吸入される。燃料吸入通路65から吸入された燃料は、第二加圧室72ならびにインペラ40の連通孔44を経由して第一加圧室71へ流入する。第一加圧室71および第二加圧室72に流入した燃料は、インペラ40の回転により運動エネルギーを受けて加圧され、ケーシング本体50に形成された図示しない燃料吐出通路からモータ部20の燃料室26へ吐出される。第二加圧室72で加圧された燃料は、インペラ40の連通孔44を経由して燃料出口から燃料室26へ流出する。燃料室26へ吐出された燃料は、電機子22の周囲を通過しカバー部材12に形成されている吐出通路121を経由して吐出口122から燃料ポンプ10の外側へ吐出される。カバー部材12の吐出口122には逆止弁19が収容されており、この逆止弁19が吐出口122から吐出された燃料の逆流を防止している。
【0025】
次に、インペラ40の近傍について詳細に説明する。
図1に示すように、インペラ40の第一羽根溝42aはケーシング本体50の第一溝部52と対向している。第一羽根溝42aと第一溝部52から第一加圧室71が形成される。また、インペラ40の第二羽根溝42bはケーシングカバー60の第二溝部62と対向している。第二羽根溝42bと第二溝部62とから第二加圧室72が形成される。インペラ40の径方向外側の端部に形成されているリング部41の外壁とケーシング本体50の内壁との間にはわずかなクリアランスが形成されている。リング部41により、第一加圧室71と第二加圧室72とはシールされている。これにより、インペラ40の外周側を経由した第一加圧室71と第二加圧室72との間の燃料の流れは低減され、燃料ポンプ10の加圧効率は高められる。インペラ40はケーシング本体50側の端面40aとケーシングカバー60側の端面40bとを連通する連通孔44を有している。
【0026】
ケーシング本体50の第一溝部52の径方向内側すなわち内周側には第一平面部55が形成されている。第一平面部55は、インペラ40の連通孔44と対向する位置に形成されている。第一平面部55は、図4に示すように円弧状の第一溝部52の内周側に第一溝部52に沿って形成されている。第一平面部55は、インペラ40のケーシング本体50側の端面40aと概ね平行に形成されている。第一平面部55をインペラ40の連通孔44と対向する位置に形成することにより、図1に示すように第一平面部55のケーシング本体50内周側の端部55aは、連通孔44のインペラ40内周側の端部44aと概ね一致している。ケーシング本体50には、さらに第一平面部55の内周側に第一斜面部56が形成されている。第一斜面部56は、ケーシング本体50の中心軸側に行くにしたがってインペラ40のケーシング本体50側の端面40aとの距離が大きくなるように傾斜する円錐台面状に形成されている。これにより、ケーシング本体50とインペラ40とが形成する隙間は、第一平面部55が形成されている部分において最小となる。
【0027】
ケーシング本体50は、第一溝部52の入口側端部53と出口側端部54とを短絡する位置に第一シール部57を有している。第一シール部57は、インペラ40の端面40aと概ね平行に形成されている第一平面部55を含んでいる。すなわち、第一シール部57は、一部がケーシング本体50の周方向において第一平面部55と同一の円周上に位置している。第一シール部57は、第一平面部55と同様に、インペラ40の端面40aとの間にわずかなクリアランスを形成している。
【0028】
ケーシングカバー60の第二溝部62の径方向内側すなわち内周側には第二平面部66が形成されている。第二平面部66は、インペラ40の連通孔44と対向する位置に形成されている。第二平面部66は、図5に示すように円弧状の第二溝部62の内周側に第二溝部62に沿って形成されている。第二平面部66は、インペラ40のケーシングカバー60側の端面40bと概ね平行に形成されている。図1に示すように第二平面部66のケーシングカバー60内周側の端部66aは、連通孔44のインペラ40内周側の端部44aと概ね一致している。そのため、第一平面部55、第二平面部66、および連通孔44は、中心軸側の各端部55a、66a、44aが概ね同一直線上に位置している。ケーシングカバー60には、さらに第二平面部66の内周側に第二斜面部67が形成されている。第二斜面部67は、ケーシングカバー60の中心軸側に行くにしたがってインペラ40のケーシングカバー60側の端面40bとの距離が大きくなるように傾斜する円錐台面状に形成されている。これにより、ケーシングカバー60とインペラ40とが形成する隙間は、第二平面部66が形成されている部分において最小となる。
【0029】
ケーシングカバー60は、第二溝部62の入口側端部63と出口側端部64とを短絡する位置に第二シール部68を有している。第二シール部68は、インペラ40の端面40bと概ね平行に形成されている第二平面部66を含んでいる。すなわち、第二シール部68は、一部がケーシングカバー60の周方向において第二平面部66と同一の円周上に位置している。第二シール部68は、第二平面部66と同様に、インペラ40の端面40aとの間にわずかなクリアランスを形成している。また、第二溝部62にはベーパ抜き穴69が連通している。ベーパ抜き穴69は、反第二溝部側の端部がケーシングカバー60の外部に連通している。第一加圧室71および第二加圧室72で加圧される燃料に発生する気泡は、ベーパ抜き穴69を経由して外部へ排出される。
【0030】
ケーシング本体50の第一シール部57ならびにケーシングカバー60の第二シール部68はインペラ40と対向するとともに、第一シール部57と第二シール部68とはインペラ40を挟んで対向している。上述のように第一シール部57および第二シール部68はそれぞれインペラ40との間にわずかなクリアランスが形成されるのみである。そのため、第一シール部57または第二シール部68とインペラ40との間は燃料がほとんど流れない。これにより、第一加圧室71および第二加圧室72の燃料吸入口側の端部と燃料吐出口側の端部との間における燃料の流れはシールされる。したがって、第一加圧室71および第二加圧室72によって加圧されることにより圧力が高くなった燃料が燃料吐出口側の端部から燃料吸入口側へ流れることは防止される。
【0031】
インペラ40は、第一羽根溝42aと連通孔44とを連通する溝部45、ならびに第二羽根溝42bと連通孔44とを連通する溝部46を有している。溝部45および溝部46を形成することにより、第一加圧室71および第二加圧室72から連通孔44への燃料の流れは促進される。連通孔44は、燃料吸入通路65側において第一加圧室71および第二加圧室72に吸入される燃料が流れ、燃料出口側において第一加圧室71および第二加圧室72から吐出される燃料が流れる。そのため、第一加圧室71と第二加圧室72との間に圧力差があると、連通孔44を経由して燃料が流れる。その結果、インペラ40のケーシング本体50側の端面40aとケーシング本体50の第一平面部55との間、ならびにインペラ40のケーシングカバー60側の端面40bとケーシングカバー60の第二平面部66との間には燃料が流れる。第一平面部55と端面40aとの間、ならびに第二平面部66と端面40bとの間に燃料が流れることにより、インペラ40には浮遊力が付与される。さらに、溝部45、46により第一加圧室71および第二加圧室72と連通孔44との間の燃料の流れが促進されるため、インペラ40には安定した浮遊力が付与される。
【0032】
第一平面部55との端面40aとの間、ならびに第二平面部66と端面40bとの間の距離すなわちクリアランスの和は、30μm以下である。図6に示すように、第一平面部55と端面40aとの間、ならびに第二平面部66と端面40bとの間のクリアランスの和を大きくすると、第一加圧室71および第二加圧室72からの燃料の漏れ量が増大し、加圧された燃料の吐出量が低減する。そのため、吐出される燃料の流量の変化が最小のクリアランスとして設定する10μmに対し10%以下となるように、第一平面部55と端面40aとの間、ならびに第二平面部66と端面40bとの間のクリアランスの和を30μm以下に設定している。
【0033】
一方、第一平面部55と端面40aとの間、ならびに第二平面部66と端面40bとの間のクリアランスが小さくなると、ケーシング本体50およびケーシングカバー60とインペラ40とが接近する。そのため、第一平面部55と端面40aとの間、または第二平面部66と端面40bとの間を流れる燃料の流量が低減するとともに、インペラ40とケーシング本体50またはケーシングカバー60とが接触しやすくなる。したがって、第一平面部55と端面40aとの間、ならびに第二平面部66と端面40bとの間のクリアランスの和は、いずれも10μm以上確保することが望ましい。
【0034】
以上、説明したように本発明の一実施形態では、インペラ40の連通孔44に対向する位置にケーシング本体50の第一平面部、ならびにケーシングカバー60の第二平面部66が配置されている。第一加圧室71および第二加圧室72と連通孔44との間に燃料が流れると、燃料は第一平面部55と端面40aとの間、ならびに第二平面部66と端面40bとの間に形成される隙間を流れる。これにより、インペラ40とケーシング本体50およびケーシングカバー60との間には積極的に燃料が導入される。その結果、隙間を流れる燃料によりインペラ40には大きな浮遊力が付与される。したがって、樹脂からなるインペラ40が燃料によって膨潤しても、インペラ40とケーシング本体50およびケーシングカバー60との接触を防止することができる。また、インペラ40とケーシング本体50およびケーシングカバー60との接触を防止することにより、インペラ40とケーシング本体50およびケーシングカバー60との摺動を防止することができる。したがって、燃料ポンプ10の出力損失を低減し、燃料ポンプ10の効率を向上することができる。
【0035】
第一平面部55または第二平面部66をそれぞれ第一溝部52または第二溝部62の内周側に形成することにより、ケーシング本体50またはケーシングカバー60とインペラ40とが形成する隙間は、第一平面部55および第二平面部66が形成されている部分において最小となっている。そのため、第一平面部55または第二平面部66とインペラ40との間において燃料が流れるクリアランスは小さくなり、それらのクリアランスおよび連通孔44を必要以上の燃料が流れることはない。したがって、インペラ40の浮遊に十分な燃料の流れを確保しつつ、燃料吸入通路65と図示しない燃料吐出通路との間のシール性を確保することができる。
【0036】
また、一実施形態では、インペラ40には第一羽根溝42aおよび第二羽根溝42bと連通孔44とを連通する溝部45、46が形成されている。溝部45、46を形成することにより、第一羽根溝42aが形成する第一加圧室71、ならびに第二羽根溝42bが形成する第二加圧室72の燃料は溝部45、46を経由して連通孔44へ流入する。したがって、燃料の流れはより促進され、インペラ40に付与される浮遊力をさらに高めることができる。
【0037】
一実施形態では、第一加圧室71および第二加圧室72の燃料吸入口側の端部と燃料吐出側の端部とを短絡する位置に第一シール部57および第二シール部68を配置している。そのため、第一加圧室71および第二加圧室72で加圧された燃料が燃料吐出側の端部から燃料吸入口側の端部へ漏れ出すことはほとんどない。したがって、燃料ポンプ10のポンプ効率を高めることができる。
【0038】
一実施形態では、第一平面部55の内周側には第一斜面部56、ならびに第二平面部66の内周側には第二斜面部67が形成されている。これにより、インペラ40の回転停止時においてインペラ40とケーシング本体50またはケーシングカバー60とが密着することが防止される。したがって、燃料ポンプ10の始動性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI部分を拡大した断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による燃料ポンプを示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による燃料ポンプのインペラを示す概略図である。
【図4】(A)は本発明の一実施形態による燃料ポンプのケーシング本体を示す概略図であってケーシングカバー側から見た図であり、(B)はケーシング本体にインペラを重ねて示す図である。
【図5】(A)本発明の一実施形態による燃料ポンプのケーシングカバーを示す概略図であってケーシング本体側から見た図であり、(B)はケーシングカバーにインペラを重ねて示す図である。
【図6】インペラとケーシング本体およびケーシングカバーとの隙間の距離と、燃料ポンプの吐出量との関係を示す模式図である。
【符号の説明】
10 燃料ポンプ
40 インペラ
41 リング部
42a 第一羽根溝
42b 第二羽根溝
42 羽根溝
44 連通孔
45、46 溝部
50 ケーシング本体
52 第一溝部
55 第一平面部
56 第一斜面部
57 第一シール部
60 ケーシングカバー
62 第二溝部
66 第二平面部
67 第二斜面部
68 第二シール部
71 第一加圧室
72 第二加圧室

Claims (9)

  1. 周方向へ第一溝部が形成されているケーシング本体と、
    前記第一溝部に対向して周方向へ第二溝部が形成されているケーシングカバーと、
    前記ケーシング本体と前記ケーシングカバーとの間に回転可能に収容され、前記第一溝部との間に第一加圧室を形成する第一羽根溝、前記第二溝部との間に前記第一加圧室と独立した第二加圧室を形成する第二羽根溝、ならびに前記第一羽根溝および前記第二羽根溝の内周側において軸方向へ貫いて前記ケーシング本体側の端面と前記ケーシングカバー側の端面とを連通する連通孔を有するインペラとを備え、
    前記ケーシング本体は前記連通孔と対向する位置に前記インペラの端面と概ね平行な第一平面部を有し、前記ケーシングカバーは前記連通孔と対向する位置に前記インペラの端面と概ね平行な第二平面部を有し、
    前記ケーシング本体または前記ケーシングカバーと前記インペラとは、前記第一平面部および前記第二平面部の径方向内側において、前記第一平面部と前記インペラとの間、ならびに前記第二平面部と前記インペラとの間よりも大きな隙間を形成し
    前記インペラは、前記第一羽根溝および前記第二羽根溝と前記連通孔とを連通する溝部を有することを特徴とする燃料ポンプ。
  2. 前記ケーシング本体は前記第一溝部の燃料吸入口側の端部と燃料吐出側の端部との間に前記インペラと対向する第一シール部を有し、
    前記ケーシングカバーは前記第二溝部の燃料吸入口側の端部と燃料吐出側の端部との間に前記インペラを挟んで前記第一シール部と対向する第二シール部を有することを特徴とする請求項1記載の燃料ポンプ。
  3. 周方向へ第一溝部が形成されているケーシング本体と、
    前記第一溝部に対向して周方向へ第二溝部が形成されているケーシングカバーと、
    前記ケーシング本体と前記ケーシングカバーとの間に回転可能に収容され、前記第一溝部との間に第一加圧室を形成する第一羽根溝、前記第二溝部との間に前記第一加圧室と独立した第二加圧室を形成する第二羽根溝、ならびに前記第一羽根溝および前記第二羽根溝の内周側において軸方向へ貫いて前記ケーシング本体側の端面と前記ケーシングカバー側の端面とを連通する連通孔を有するインペラとを備え、
    前記ケーシング本体は、前記連通孔と対向する位置に前記インペラの端面と概ね平行な第一平面部、ならびに前記第一溝部の燃料吸入口側の端部と燃料吐出側の端部との間に前記インペラと対向する第一シール部を有し、
    前記ケーシングカバーは、前記連通孔と対向する位置に前記インペラの端面と概ね平行な第二平面部、ならびに前記第二溝部の燃料吸入口側の端部と燃料吐出側の端部との間に前記インペラを挟んで前記第一シール部と対向する第二シール部を有し、
    前記ケーシング本体または前記ケーシングカバーと前記インペラとは、前記第一平面部および前記第二平面部の径方向内側において、前記第一平面部と前記インペラとの間、ならびに前記第二平面部と前記インペラとの間よりも大きな隙間を形成し
    前記インペラは、前記第一羽根溝および前記第二羽根溝と前記連通孔とを連通する溝部を有することを特徴とする燃料ポンプ。
  4. 前記インペラは、同数の前記第一羽根溝、前記第二羽根溝、および前記連通孔を有することを特徴とする請求項1、2または3記載の燃料ポンプ。
  5. 前記第一平面部および前記第二平面部の前記インペラの中心軸側の端部は、前記連通孔の前記インペラの中心軸側の端部に概ね一致することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の燃料ポンプ。
  6. 前記インペラは、前記第一羽根溝および前記第二羽根溝の径方向外側に周方向へ連続するリング部を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の燃料ポンプ。
  7. 前記ケーシング本体は、前記第一平面部から前記インペラの中心軸側へ行くにしたがって前記インペラとの間の距離が拡大する第一傾斜面部を有し、
    前記ケーシングカバーは、前記第二平面部から前記インペラの中心軸側へ行くにしたが って前記インペラとの間の距離が拡大する第二傾斜面部を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の燃料ポンプ。
  8. 前記第一平面部および前記第二平面部は、前記第一溝部および前記第二溝部に沿って前記インペラの径方向内側に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の燃料ポンプ。
  9. 前記第一平面部および前記第二平面部と前記インペラとの距離の和は、30μm以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の燃料ポンプ。
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