JP2007297389A - ジルコニウムとハフニウムの分離方法 - Google Patents

ジルコニウムとハフニウムの分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジルコニウム化合物とハフニウム化合物を分離するための、特に低ジルコニウムのハフニウム化合物を生成するための、前記の欠点を有さない簡単かつ効率的な方法を提供する。
【解決手段】特定の有機ジルコニウム化合物と有機ハフニウム化合物(以下に簡単にジルコニウム化合物とハフニウム化合物とする)であって、他の特性が非常に類似している化合物同士を、互いに簡単な分別結晶によって分離する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジルコニウム化合物とハフニウム化合物を、特に微量のジルコニウム化合物をハフニウム化合物から、分別結晶を用いて分離するための新規の方法並びに該方法に従って得ることができるハフニウム化合物に関する。
ハフニウムは天然に産生されるが、例えばジルコニア及びバデレー石といった鉱物中で、約2〜7質量%の比較的低い割合で常にジルコニウムと一緒に産生される。ジルコニウム及びハフニウムは、それらの極めて類似した化学的性質の結果として、とりわけいわゆるランタニド収縮のため、元素の周期律系において最も分離が困難な元素に含まれる。
工業的には、ジルコニウムとハフニウムの分離は、それらの原子核の極めて異なる中性子捕獲断面積のため重要であり、その際、これは原子力発電所でそれらの金属を使用するのに重要である。非常に低い中性子吸収を有するジルコニウムの主要な用途は、リアクター工学における被覆材料としての用途であるので、できる限りほとんどハフニウムを含有しないジルコニウムを生成することが特に重要である。更に、ジルコニウムの工業的な生成方法では、ハフニウムは、最終的には、避けられない最終生成物として生成し、その際、純度、すなわちジルコニウムが存在しないことは、殆ど関係していない。工業用等級のハフニウム及びそれらの化合物、例えば酸化ハフニウム又は塩化ハフニウムは、従って、ジルコニウムが殆ど無いが、しばしば約2質量%までのジルコニウム含量に過ぎない。従って、典型的な市販のハフニウム化合物は、1000〜2000質量ppmもしくはそれより多くのジルコニウムを類似のジルコニウム化合物の形で含有する;例えばChem&Eng.News 83(26),2005,p.26−29も参照のこと。ハフニウムを、その高い中性子捕獲断面積に基づき原子力工学において減速材として使用する場合に、前記の規模の量のジルコニウム不純物は、副次的な役割を担う。
マイクロエレクトロニクス分野では、ハフニウム化合物は、前駆化合物(いわゆる前駆体)として化学蒸着(CVD又はMOCVD=有機金属CVD)において、この特定の実施態様ではいわゆるALD(原子層堆積)において担う役割を増している。係る揮発性で、易蒸発可能な前駆体から、HfNのような窒化物の機能層は、バリヤ層又はコンタクト層として、又は酸化物(HfO2)は、場合によりAl、Siなどのような他の元素との混合酸化物又はオキシ窒化物は、特に高い誘電率を有する誘電体として、例えばシリコンウェハのような基板上に、CVD技術を用いて堆積される。無機のハフニウム化合物の機能層の有利な特性を完全に利用するためには、ジルコニウム含量をできる限り低く保つことが望ましい;Chem&Eng.News 83(26),2005,p.26−29も参照のこと。
ハフニウムとジルコニウムを分離するための最近の技術は、様々な欠点を伴い、その際、特に500質量ppm未満の値まで、又は更に100質量ppmまでのジルコニウムの枯渇が大きな問題である。
低ジルコニウムの塩化ハフニウムは、例えば溶融塩の蒸留によって製造できるが、非常に低いジルコニウム含量まで下げる精製は、並はずれて費用がかかるものである。ジルコニウムを無くすためのもう一つの経路は、酸化ハフニウムを介して行って、次いでそれを費用のかかる方法で再塩素化(炭素塩素化(carbochlorination)によって)する必要がある。他の方法、例えばメチル−イソブチルケトンとのチオシアネート錯体又は特定のトリアルキルホスファンオキシドのHCl溶液からの溶剤抽出は、とりわけ溶出物の問題(シアン化物)を伴うか、又は該リン化合物(トリアルキルホスファンオキシド)の工業的な利用可能性が乏しく、幾つかの事情では全くないため好ましくない。例えばC.A.Pickles及びS.N.Flengas著のCanadian Metallurgical Quarterly 36(2),1997,p.131−136;W.F.Fischer、B.Deierling、H.Heitsch、G.Otto、H.−P.Pohlmann及びK.Reinhardt著のAngew.Chem.78(1),1966,p.19−27;A.B.V.da Silva及びP.A.Distin著のCIM Bulletin 91(1018),1998,p.221−224;A.da Silva、E.El−Ammouri及びP.A.Distin著のCanadian Metallurgical Quarterly 39(1),2000,p.37−42;X.J.Xang、C.Pin及びA.G. Fane著のJ.Chromatographic Sci.37(5),1999,p.171−179;X.J. Xang、A.G.Fane及びC.Pin著のChem.Eng.J.88,2002,p.37−44;X.J.Xang、A.G.Fane及びC.Pin著のChem.Eng.J.88,2002,p.45−51を参照のこと。
Chem&Eng.News 83(26),2005,p.26−29 Canadian Metallurgical Quarterly 36(2),1997,p.131−136 Angew.Chem.78(1),1966,p.19−27 CIM Bulletin 91(1018),1998,p.221−224 Canadian Metallurgical Quarterly 39(1),2000,p.37−42 J.Chromatographic Sci.37(5),1999,p.171−179 Chem.Eng.J.88,2002,p.37−44
従って更に、ジルコニウム化合物とハフニウム化合物を分離するための、特に低ジルコニウムのハフニウム化合物を生成するための、前記の欠点を有さない簡単かつ効率的な方法が必要とされている。
従って、本発明の課題は、係る方法を見出すことである。もう一つの課題は、500質量ppm未満、有利には100質量ppm未満のジルコニウム含量を有するハフニウム化合物を製造することである。
驚くべきことに、特定の有機ジルコニウム化合物と有機ハフニウム化合物(以下に簡単にジルコニウム化合物とハフニウム化合物とする)であって、他の特性が非常に類似している化合物同士を、互いに簡単な分別結晶によって分離できることが判明した。
このように、本発明は、ジルコニウム化合物とハフニウム化合物の分離方法において、
HfR4とZrR4との混合物
[式中、Rは、1つもしくはそれより多くのヘテロ原子を有してよく、かつ少なくとも1つの炭素原子を有する有機基を表す]を分別結晶に供することを特徴とする方法を提供する。
本発明による方法は、不純物をジルコニウム化合物の形で分離することによって精製されたハフニウム化合物を生成するか、又は不純物をハフニウム化合物の形で分離することによって精製されたジルコニウム化合物を生成するか、いずれでも等しく使用することができる。しかしながら、不純物をジルコニウム化合物の形で分離することによって精製されたハフニウム化合物を生成することが好ましい。本発明による方法は、混合物の全質量に対して、多くとも3質量%、有利には多くとも0.3質量%のジルコニウムを含有する混合物を分離するのに特に適している。係る混合物は、例えば前記のジルコニウム中のハフニウムの除去の間に得られ、従って最高の工業用等級のハフニウム化合物で存在する。
本発明の内容においては、混合物とは、均質又は不均質な混合物のいずれかであると解される。そこには巨視的混合物と微視的混合物も含まれる。
分別結晶は、−70℃〜+100℃の温度で、有利には−20℃〜+70℃の温度で実施することが好ましい。
本発明による方法に従う分別結晶は、溶融結晶化であることが好ましい。しかしながら、前記結晶化は、少量の不活性有機溶剤の存在下で、又は有利には如何なる溶剤も存在せずに実施してよい。場合により、10質量%までの割合の不活性溶剤、つまり高度に反応性のZr化合物とHf化合物と反応しない溶剤は、溶融物中で、最適な結晶化条件を調整するのに好ましいことがある。係る溶剤は、例えば脂肪族、脂環式もしくは芳香族の炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、トルエンもしくはキシレン又は脂肪族の開鎖もしくは環状のエーテル、例えばジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフランもしくはジオキサンである。しかしながら、3質量%までの溶剤割合が好ましく、特に溶剤が溶融物中に存在しないことが好ましい。
好ましいジルコニウム化合物とハフニウム化合物、つまりZrR4及びHfR4は、式中のRが、同一又は異なるYR1又はNR23
[式中、
Yは、O又はSを表し、かつ
1、R2、R3は、それぞれ無関係に、直鎖状もしくは分枝鎖状の、置換されていてよいC1〜C18−アルキル基、置換されていてよいC3〜C6−シクロアルキル基又は置換されていてよいC5〜C24−アリール基を表す]の基を表す化合物である。
特に好ましいジルコニウム化合物及びハフニウム化合物、つまりZrR4及びHfR4は、式中のRが同一のC1〜C6−オキシアルキル基又はジ(C1〜C6−アルキル)アミノ基である化合物である。ジ(C1〜C6−アルキル)アミノ基は、殊に好ましい。
基RがHf中心又はZr中心に結合又は配位することに関して、基Rが中心ジルコニウム原子又は中心ハフニウム原子に直接的に、1つもしくはそれより多くの炭素原子又は1つもしくはそれより多くのヘテロ原子、例えばO、S、N、P、Siなどを介して結合されているかどうかは重要ではない。
1〜C6−アルキルは、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル又は1−エチル−3−メチルプロピルを表し、C1〜C18−アルキルは、前記アルキルに加えて例として、n−ヘプチル及びn−オクチル、ピニル、アダマンチル、異性体のメンチル類、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル又はステアリルを表す。例として示した前記のアルキルの定義は、係るアルキル基を含む基、例えばオキシアルキル基にも当てはまる。
3〜C6−シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを表す。
アリールは、互いに無関係に、5〜24個の骨格炭素原子を有する芳香族基であるが、1環あたりに1つの骨格炭素原子も、窒素、硫黄又は酸素を含む群から選択されるヘテロ原子によって交換されていないか、1環あたりに1つ、2つ又は3つの骨格炭素原子が前記ヘテロ原子によって交換されていてよいが、分子全体において少なくとも1つの骨格炭素原子が前記ヘテロ原子によって交換されていてよい芳香族基を表すが、有利には6〜24個の骨格炭素原子を有する炭素環式の芳香族基を表す。
6〜C24−アリール基の例は、フェニル、o−トルエン、m−トルエン、p−トルエン、ナフチル、フェナントレニル、アントラセニル又はフルオレニルであり、複素芳香族のC5〜C24−アリール基であって、1環あたりに1つの骨格炭素原子も、窒素、硫黄又は酸素を含む群から選択されるヘテロ原子によって置換されていないか、1環あたりに1つ、2つ又は3つの骨格炭素原子が前記ヘテロ原子によって置換されていてよいが、分子全体において少なくとも1つの骨格炭素原子が前記ヘテロ原子によって置換されていてよい基の例は、例えばピリジル、ピリジル−N−オキシド、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリルもしくはイソキサゾリル、インドリジニル、インドリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル又はジベンゾフラニルである。
非常に適した分離されるべきハフニウム化合物及びジルコニウム化合物は、特にHf及びZrの相応のジメチルアミドである。ハフニウムテトラキス(ジメチルアミド)及びジルコニウムテトラキス(ジメチルアミド)の融点は、約35℃だけ異なり、その際、該ジルコニウム化合物はより高い融点を有し、従って該化合物は、2種の化合物の混合物の溶融物から優勢的に凍結分離される。このように、結晶化条件下で、ジルコニウム化合物の割合は低下し、そして精製されたハフニウムテトラキス(ジメチルアミド)が液相中に得られる。
ジアルキルアミド、特にジメチルアミドを用いて、微量のジルコニウムを相応のハフニウム化合物から分離することは、様々な理由に関して、本発明の特に好ましい実施態様である。一方で、ハフニウムアミドは、CVD前駆体として使用するために極めて適した化合物であり、該前駆体は、例えば窒化ハフニウム(HfN)又は酸化ハフニウム(HfO2)の堆積に使用できるため、精製されたハフニウム化合物は、CVDプロセスにおいて直接使用することができる。更に、前記のアミドは、全ての可動性水素原子を有する化合物に対してそれらが高い反応性を有するため、他のより反応性のCVD前駆体の製造のために適している。例えば、非常に揮発性の前駆体として説明される酸化ハフニウム又はハフニウム t−ブトキシドを、アルコール類又はアルコキシド類を用いて得ることができ、又は相応のシクロペンタジエニル錯体は、シクロペンタジエンを用いて、幾つかのアミノ基の交換によって得られる。相応のハフニウムテトラキス(ジアルキルアミド)化合物は、ハフニウムテトラキス(ジメチルアミド)から、僅かにのみ揮発性のより高級の同族体、例えばメチルエチルアミン又はジエチルアミンとのアミド基転移によって得ることができ、その際、ジメチルアミンが発生し、室温で気体として排出される。
本発明による方法を使用するもう一つの例は、Zr及びHrのt−ブトキシドに関連し、その際、Zr(OtBu)4は再びより高い融点、3℃を有するので、該ブトキシドは、この温度より低い温度に保つことで、Hf(OtBu)4溶融物から優勢的に凍結分離される。
本発明による方法で使用するにあたっての係る化合物の適性に必須の特徴は、溶融物からの晶出傾向が異なることであり、それは十分に異なる融点によって引き起こされ、それにより液相中で一方の化合物が富化され、そうして固相中で相応の枯渇がもたらされる。本発明による方法では、ジルコニウム化合物は、ハフニウム化合物よりも少なくとも3℃高い、好ましくは少なくとも10℃高い、特に好ましくは少なくとも20℃高い融点を有することが好ましい。次いでジルコニウム化合物は固相中で富化されることとなるが、一方で精製されたハフニウム化合物は液相中に残る。
本発明による方法は、例えばジルコニウム化合物とハフニウム化合物との混合物をまず完全に溶融させ、次いでその温度を、融点が高い方の化合物の融点未満であるが、融点が低い方の化合物の融点より高い温度に下げ、そして最後にその溶融物をその温度で1〜24時間にわたり保持することで実施される。この手順は、別の段階で複数回繰り返してよい。
本発明による方法は、とりわけ全質量に対して500質量ppm未満、有利には100質量ppm未満のジルコニウム含量を有するハフニウム化合物を製造するのに適している。係るハフニウム化合物は、従来では、古典的な精製法を用いて得ることはできなかった。
ジルコニウム濃度又はハフニウム濃度も、種々の方法を用いて、例えばAAS(原子吸収分光分析法)、ICP−OES(誘電結合プラズマ発光分光分析法)又はICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析法)を用いて測定することができる。例えばM.C.Wende、M.Luebke、A.Gross、K.−P.Jaeckel著のNachrichten aus der Chemie 52(11),2004,p.1152−1154を参照のこと。これらの分析法は、当業者に公知であり、かつ測定法に依存しない値を提供する。
従ってまた、本発明は、本発明による方法を用いて得ることができる精製されたハフニウム化合物をも提供する。
以下の実施例は、本発明を説明することを意図するもので、それを制限するものと考えられるべきではない。
実施例1
濃度565質量ppmのZrを有するハフニウムテトラキス(ジメチルアミド)37gを、45℃で完全に溶融させ、次いで23℃の温度で16時間保持した。その際、該混合物は、22gの結晶相と15gの液相とから成っていた。ICP−OES分析によれば、液相はわずか415質量ppmだけのジルコニウムを含有しているに過ぎないが、それに対して固体は、660質量ppmのZrを含有していた。
ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光分析法)分析と該分析を実施する方法は、当業者に公知であり、例えばM.C.Wende、M.Luebke、A.Gross、K.−P.Jaeckel著のNachrichten aus der Chemie 52(11),2004,p.1152−1154及びJ.Nolte著のCLB Chemie in Labor und Biotechnik 51(8),2000,p.286−292に記載されている。
実施例2
0.81質量%のZr含量を有するハフニウムテトラキス(ジメチルアミド)164.7gを、実施例1と同様に処理した。その手順を、最初に得られた液相(1)で更に2回繰り返し、相(2)と(3)が得られる。それらの液相は、以下の量:
(1)0.77質量%
(2)0.69質量%
(3)0.59質量%
のZr(ICP−OESによって測定した)を含有していた
これは精製効果が増大していることを裏付けている(Zr含量が低下)。精製された液相の収率は:工程(1)72%、工程(2)80%、そして工程(3)57%であり、これらは各工程の液相の分離前の全アミド量に対するものである。
実施例3
この実施例では、分離された結晶部分中のZrの濃集効果を実証している。0.72質量%のZr含量を有するハフニウムテトラキス(ジメチルアミド)95gから、徐々に26.9g、19.5g、そして26.0gの液相が、約30℃での繰り返しの部分溶融と再度0℃での結晶化とによって分離された。最終的に残留する結晶相(21.8g)は、1.3質量%のZrを含有していた。
合した液相を、実施例2と同様にして2回処理して、より高融点で、より多くのZrが混ざった固体部分が分離された。約23℃で最終的に残留する液相(19.4g)は、0.57質量%のZrを含有していた。

Claims (9)

  1. ジルコニウム化合物とハフニウム化合物の分離方法において、
    HfR4とZrR4との混合物
    [式中、Rは、1つもしくはそれより多くのヘテロ原子を有してよく、かつ少なくとも1つの炭素原子を有する有機基を表す]を分別結晶に供することを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法において、ジルコニウム化合物が、ハフニウム化合物の融点よりも、少なくとも3℃高い、有利には少なくとも10℃高い融点を有することを特徴とする方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法において、結晶化を、−70℃〜+100℃、有利には−20℃〜+70℃で実施することを特徴とする方法。
  4. 請求項1から3までのいずれか1項記載の方法において、Rが、同一又は異なるYR1又はNR23
    [式中、
    Yは、O又はSを表し、かつ
    1、R2、R3は、それぞれ無関係に、直鎖状もしくは分枝鎖状の、置換されていてよいC1〜C18−アルキル基、置換されていてよいC3〜C6−シクロアルキル基又は置換されていてよいC5〜C24−アリール基を表す]の基を表すことを特徴とする方法。
  5. 請求項1から4までのいずれか1項記載の方法において、Rが、同一のC1〜C6−オキシアルキル基又はジ(C1〜C6−アルキル)アミノ基を表すことを特徴とする方法。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項記載の方法において、分離のために使用される混合物が、ハフニウム化合物とジルコニウム化合物に対して不活性である有機溶剤を、混合物の全質量に対して多くとも10質量%含有することを特徴とする方法。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項記載の方法において、分別結晶法が溶融結晶法であることを特徴とする方法。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項記載の方法において、分離のために使用される混合物が、混合物の全質量に対して、多くとも3質量%、有利には多くとも0.3質量%のジルコニウムを含有することを特徴とする方法。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項記載の方法によって得ることができるハフニウム化合物。
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