JP2007296535A - ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ及び溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワイヤ全質量に対して、C:0.02乃至0.70%、Si:0.30乃至1.50%、Mn:0.50乃至5.00%、Ni:2.0乃至9.5%、Cr:Niとの合計量で4.0乃至18.0%(但し、Crを含まない場合も含む)、O:0.020%以上及びN:0.0020乃至0.0400%を含有し、P:0.030%以下、S:0.030%以下、Ti:0.15%以下、Al:0.20%以下、Nb,V,Mo及びCuからなる群から選択された少なくとも1種:各元素あたり2.00%未満、B:0.0100%以下、REM:0.50%以下、Mg:1.00%以下、F及びCaからなる群から選択された少なくとも1種:各元素あたり0.100%以下、K、Na及びLiからなる群から選択された少なくとも1種:総量で0.200%以下に規制し、残部はFe及び不可避不純物からなり、フラックス率が7乃至30%である
【選択図】図1
Description
を印加する手段があり、特許文献7にも提示されている。しかし、この技術も、設備の導入が必要で、かつ生産効率が著しく低下し、高コスト化を招くことになる。
Ms点の低下にはこれまでに開発された技術のとおり、NiとCrの多量添加が有効であるが、これだけではMs点以下においてオーステナイトからマルテンサイトへの変態率が大きくなく、直ちに膨張が終了して、残留オーステナイトとして室温時に残ってしまう。本発明者等は、残留オーステナイトにさせないためには、溶接金属の酸素量の低下と窒素の積極添加の両立が必要であることを見いだした。更には、炭素を高含有量で添加することが好ましいこともわかった。これを実現するために、1)フラックスからのN、Cの積極添加、2)シールドガスの酸素量を極力減らした低酸素MAG又はMIG溶接法の採用による溶接金属の酸素量低減によって高効率な膨張変態を可能にすることができた。更に、パルス溶接法を使用すると、入熱が減少するので、冷却速度が大きくなり、Ms点の低下及び高効率な膨張変態を起こすことに優位となる。
ワイヤ形態として、ソリッドワイヤではワイヤ自体が硬化しやすく、伸線時に何度も焼鈍が必要となるのに対し、本発明のフラックス入りワイヤとすることで、良好な伸線性を有し、かつワイヤへの酸素の積極添加により、MIG溶接時の陽極点・陰極点を安定化させ、安定なアーク安定性と低スパッタ量を実現した。なお、ワイヤで高酸素系であっても溶融池では強力な脱酸機能をもつ炭素等と結合し、離脱することから溶接金属の酸素量は極めて低く抑制できることも確認した。
Cr及びNiといった元素を多量に含有させると溶融池の粘性が高くなり高速溶接が困難になるが、本ワイヤではこれらの元素を低く抑えられるため、溶融池の粘性は低く薄板の高速溶接が可能である。更に、一般のフラックス入りワイヤではCO2又はAr80+20質量%CO2(MAG)程度までのシールドガスを対象として設計されているため、殆どの従来技術においては、アーク安定材のTi、Al及びZrをTiO2、Al2O3、ZrO2といった形で積極的に添加している。しかし、Ti,Al及びZrはスラグを生成させるため、自動車部品のような電着塗装するものの場合には、スラグ剥離で塗装がはげるという問題点がある。本発明のワイヤは、自動車用の薄板用途を重視して、Ti、Al及びZrを積極的に添加せず、作業性を向上させている。
Cは溶接金属の強度を確保するだけでなく、冷却過程におけるMs点通過以後の膨張変態を高効率に生じさせるために必要な成分である。Cが0.02質量%未満では膨張変態の効率が低い。この膨張変態の効率を高めるためには、Cは0.02質量%以上が必要で、望ましくは0.08質量%以上、更に望ましくは0.20質量%以上である。一方、Cを過剰に添加すると、炭化物が析出して疲労破壊の起点になり、逆に疲労強度が低下すると共に、ヒューム発生量も多くなる。Cを0.70質量%を超えて添加すると、更に高温割れ及び低温割れが発生しやすくなる。従って、Cの上限は0.70質量%である。但し、ヒューム量低減の観点から、Cは0.50質量%以下が望ましい。
Niは代表的なオーステナイト安定化元素であり、Ms点を下げるために有効な元素である。Ms点を適度な範囲で下げるためには、Niは2.0質量%以上の添加が必要である。一方、Niは高価な元素であるため、その添加はコスト増となるばかりでなく、かつ過剰な添加では溶融池の粘性が上昇して高速溶接時にハンピングする、また、Niが多いと、スパッタ発生量が増加するといった短所が生じる。これらの問題は、Niが9.5質量%以下であれば許容されるが、本発明においては、Ms点が高くとも、以降の冷却過程で膨張変態が極めて大きいので、Ms点を過剰に下げる必要は無く、その意味で、Niは9.5質量%以下で十分であり、上記問題点をより少なくするためには、Niは5.9質量%以下がより好ましい。
CrはNiと共に添加することでMs点を低下させる。Crの単独添加では効果が無い。NiとCrを合わせて4.0質量%未満では、Ms点を有効な範囲で下げることはできい。従って、Ni及びCrの合計量は、4.0質量%以上が必要である。一方、Ni及びCrの合計量が18.0質量%を超えると、コスト増となるばかりでなく、溶融池の粘性が上昇して高速溶接時にハンピングし、また、スパッタ発生量が増加するといった問題が生じる。従って、NiとCrとの合計量の上限は18.0質量%である。なお、CrはNiと共添することにより、その効果を発揮するものであるから、Crの単独添加(Niを添加しない場合)は本発明の範囲に含まれない。逆に、Niが4,0質量%以上含有されていれば、Crは無添加とすることができる。
Siはビード形状を改善する効果がある。Siが0.30質量%未満では、この機能が不足し、ビード形状のなじみ性が悪くなって、止端形状が劣化し、溶接部に応力集中しやすくなる。その結果、継手の疲労強度が低下する。望ましくは、Siは0.60質量%以上である。一方、Siが1.50質量%を超えると、溶融池の粘性が過剰となり、高速溶接時にハンピングしやすくなる。また、スラグを多量に発生させるので電着塗装性も劣化する。従って、Siは1.50質量%以下とする。
Mnはビード形状を改善したり、多量添加で焼入れ性を高めて、Ms点を下げる効果がある。Mnが0.50質量%未満では、ビード形状のなじみ性が悪くなって、止端形状が劣化し、溶接部に応力集中しやすくなる。その結果、継手の疲労強度が低下する。望ましくは、Mnは1.00質量%以上である。一方、Mnが5.00質量%を超えると、溶融池の粘性が過剰となり、高速溶接時にハンピングしやすくなると共に、ヒューム発生量が過剰となる。また、Mnを5.00質量%を超えて添加すると、スラグを多量に発生させるので、電着塗装性も劣化する。従って、Mnは5.00質量%以下、望ましくは、3.00質量%以下である。
酸素はMIG溶接時に陰極点、陽極点を安定させ、良好なアーク安定性を得るために必須である。また、酸素の添加は、溶滴の酸素量を上昇させて表面張力を低下させ、溶滴の離脱性を改善して低スパッタ化を可能とする。特に、パルス溶接時にはその効果は大きい。ソリッドワイヤでは、Oを0.020質量%以上安定して添加することは難しいが、フラックス入りワイヤにすることで、例えば鉄粉を用いることにより、単位体積あたりの表面酸素が増加するので、容易に酸素の多量添加が可能である。なお、望ましくは、酸素は0.040質量%以上である。また、酸素を多量に添加することについては、弊害がなく、フラックス率との兼ね合いで、酸素の上限は実質上決まるので、酸素量としての上限値は設けない。
一般的に、炭素鋼の溶接において、窒素は靭性を低下させたり、ブローホールを発生させるだけで、特段の利点はないので、極力低減されている。しかし、本発明では、Nは積極的に添加する。窒素は適正量の添加で溶接金属のMs点以後の冷却過程におけるマルテンサイト変態を効率的に生じさせ、膨張を大きくさせる。逆に、N無添加では、図1のBラインのように、Ms点が低くても、変態が直ちに終了し、圧縮応力増大とそれに伴う疲労強度改善効果は極めて限定的なレベルに留まる。
P及びSは耐高温割れ性を低下させる元素であり、本発明の目的達成のためには、特段の積極添加の意味はない。従って、従来のワイヤと同等に工業的生産性とコストを考慮し0.030質量%以下に抑制する。
Ti及びAlはアーク安定剤及び脱酸元素として多くのフラックス入りワイヤに添加されている。しかし、本発明は薄板用の溶接ワイヤであり、使用環境として、スラグ剥離工程が予定されていない。そして、本発明のワイヤは、電着塗装された薄板の溶接に適用される場合が極めて多い。そのため、スラグを生成するTi及びAlの添加は、塗装性を阻害するので望ましくない。また、Ti及びAlが多いと、薄板で用いられる低電流溶接時のアーク安定性が劣化し、大粒のスパッタを発生させる。従って、工業的生産性とコストを考慮して、Ti:0.15質量%以下、Al:0.20質量%以下に抑制する。さらに望ましくは、Ti,Al共に0.10質量%以下である。
フラックス率(充填率)が7質量%未満では、所定量の窒素及び酸素量を含ませることができず、かつフラックス成分の偏析が生じると共に外皮が肉厚となって溶滴が大きくなり、スパッタが増加する。一方、フラックス率が30質量%を超えると、外皮が薄くなり、伸線加工中に断線が発生しやすくなり、製造が困難となる。
Nb,V,Mo及びCuは添加しなくても、本発明の目的は達成されるが、Nb,V,Mo及びCuは、夫々適当な量を添加することで、Ms点を低下させたり、適度な強度を確保する効果が得られる。これらの効果を得るためには、これらの元素は、夫々0.05質量%以上添加することが必要である。一方、これらの元素が夫々2.00質量%以上になると、ワイヤの製造コストが高くなりすぎる。また、これらの元素が2.00質量%を超えると、溶融池の粘性が上昇して高速溶接時にハンピングしたり、スパッタ発生量が増加する。特に、Cuは高温割れが発生するなどの欠点が顕著になる。このため、これらの元素は添加する場合は、2.00質量%未満にする。なお、構成外皮の表面にCuメッキした場合は、Cu量はこのメッキ層のCuも含んで2.00質量%未満に規制する。
Bは添加しなくても本発明の目的は達成できるが、Bを少量添加しただけで、Ms点を低下させ、かつ溶接金属の靭性を向上できる。この効果は、Bを0.0010質量%以上添加することが必要である。一方、Bが0.0100質量%を超えて添加されると、継手に高温割れを発生させる。このため、Bは添加する場合は、0.0100質量%以下にする。
REMは希土類元素であり、例えば、La,Ce等がある。REMは添加しなくても本発明の目的を達成できるが、REMを0.01質量%以上添加すると、MIG溶接時にアーク安定性が向上し、かつ溶接金属の酸素量がより低くてもMs点を低下させることができる。一方、REMが0.50質量%を超えて添加されると、アーク安定化効果が飽和し、逆に溶滴が大粒化してスパッタが増加する。また、コストも高価となる。このため、REMは添加する場合は、0.01乃至0.50質量%とする。
Mgは添加しなくても本発明の目的は達成されるが、Mg強力な脱酸成分であり、溶接金属の焼入れ性を高め、Ms点を低下させる。その効果は、Mgを0.05質量%以上添加することが必要である。一方、Mgが1.00質量%を超えると、溶融池の粘性が上昇して、高速溶接時にハンピングし、またスパッタ発生量とヒューム量が増加するため、Mgは1.00質量%以下にする。
F及びCaは添加しなくても本発明の目的は達成されるが、F及びCaもまた強力な脱酸作用を有し、溶接金属の焼入れ性を高め、Ms点を低下させる。その効果は、F及びCaを夫々0.005質量%以上添加することが必要である。一方、F及びCaが夫々0.100質量%を超えると、溶融池の粘性が上昇して高速溶接時にハンピングし、またスパッタ発生量とヒューム量が増加する。このため、F及びCaは、添加する場合は、夫々0.100質量%以下にする。
K,Na及びLiは添加しなくても本発明の目的は達成されるが、K,Na及びLiは電子放出を容易にし、アーク安定化と溶滴移行を円滑にしてスパッタ発生量を低下させる作用を有する。特に、MIG溶接ではその効果が大きい。K,Na及びLiの効果は、総量で0.001質量%以上の添加で発揮される。一方、K,Na及びLiは総量で0.200質量%を超えて添加しても、その添加効果が飽和してしまうと共に、アーク力が弱まって溶込み深さが浅くなり、溶融池が不安定となってハンピングするなどの問題が生じる。従って、K,Na及びLiの総量の上限値は0.200質量%である。なお、K,Na及びLiはK2O,Na2O,Li2Oを主成分とする長石、ソーダガラス、カリガラス等を原料として、フラックス添加されるのが一般的である。
シールドガスは溶接金属の酸素量を低下させて適度にMs点を下げ、かつMs点以下に冷却されたときの膨張変態を高効率に発生させるため、さらにヒューム発生量を抑制するために、できるだけ非酸化性が望ましい。少なくとも、Arガスの割合が80質量%以上のAr比でなければ、残留応力低減とヒューム量抑制が困難であるが、Ar96質量%以上のAr比が推奨される。更には、実質的に不純物しか含まない純Arガスをシールドガスとして使用すると、劇的にこれらの特性を高めることが可能である。一般のワイヤでは、純Arでのアーク安定性確保は不可能であるが、本発明のワイヤは、純Arガスでも安定なアーク安定性を維持できる。なお、ここでいう純Arは、Arに不可避的不純物を含有することは許容される。
使用する溶接機は一般的な消耗電極式アーク溶接用として用いられる定電圧特性電源でも残留応力低減には特に問題ない。しかし、薄板溶接における高速溶接性、アーク安定性及び低ヒューム化を図るために、パルス溶接機との組合せが推奨される。特にシールドガスとして純Arを用いる場合は、アーク安定性確保のためには、パルス溶接機が有効である。パルスの設定については特に限定しないが、ピーク電流350〜600A、ベース電流30〜100A、1ピーク(立上り開始〜ピーク定常期〜立下り終了)の期間で0.8〜5.0m秒が一般に使用される。
溶接金属の変態膨張で鋼材熱影響部に発生する残留応力を低減できる理由は、溶接金属が膨張するときに鋼材側に発生する応力も、溶接金属への反力により圧縮応力になることによる。このため、より高い反力が期待できる高強度鋼板ほど疲労特性の改善も大きいと期待できる。鋼材強度が低い場合は、反力も低くならざるをえず、変態終了後の熱収縮で再び引張応力状態に戻ってしまう危険があるためである。引張応力が残留してしまえば、疲労強度の改善は望めない。そのため、本発明では、特に疲労強度向上が期待できる下限値として、適用母材の強度は490MPa以上となる。なお、母材強度の上限については特に限定する必要はない。現在一般に実用化されている薄鋼板の強度は1500MPa程度が最大であり、この程度までの鋼板であれば、本発明のワイヤで疲労強度の改善を図ることができ、かつ継手引張強度の面でも溶接金属のオーバーマッチングを達成できる。
板厚が過度に薄いと、溶接時の入熱によって、鋼板の表面及び裏面がほぼ均一に熱せられ、更には溶融金属が裏側に達して、裏波と呼ばれる状態になる。このような状態になると、溶接金属がマルテンサイト変態時にほとんど自由に熱膨張してしまう。そのため、鋼材熱影響部側に反力が発生せず、疲労強度の改善効果は限定的になってしまう。この疲労強度が効果的に向上する下限板厚が1mmである。
(1)疲労試験
溶接ワークから図3に示す疲労試験片を採取し、両振平面曲げ疲労試験を行った。幅の最大値は30mm、最小値は20mm、長さは90mm、最小幅部分の湾曲は、曲率半径が40mmである。符号3が溶接部である。疲労試験は、周波数:25Hzの正弦波応力を200万回印加し、その時間強度を疲労強度として測定した。780MPa級鋼板のSP1の場合、200MPa以上を◎、170MPa以上200MPa未満を○、170MPa未満を×、490MPa級鋼板のSP2の場合、170MPa以上を◎、140MPa以上170MPa未満を○、140MPa未満を×とし、夫々×の場合を疲労改善効果無しとして不合格とした。なお、ハンピングビードを発生した場合も、試験片は安定個所を探し、その場所から試験片を採取した。
(2)アークの安定性
溶接時のアーク安定性を○△×の3段階で官能評価した。良好な場合を○、多少スパッタが発生する場合を△、アークがふらついたり、大粒のスパッタが発生した場合を×とした。○、△を合格とし、×を実用に耐えないとして不合格とした。
(3)ヒューム発生量
ヒューム発生量をJIS Z3930に基づき同じ溶接条件にて実測した値を◎○△×の4段階評価した。発生量300mg/分以下を◎、300超え500mg/分以下を○、500超え700mg/分以下を△、700mg/分超えを×とした。◎○△を合格、×を実用に耐えないとして不合格とした。
(4)ビード形状
すみ肉ビード形状を官能にて○△×の3段階で官能評価した。良好を○、若干なじみ性が劣る場合を△、オーバーラップ状の止端形状になったり、溶接線方向のビード幅が不均一な場合を×とした。○、△を合格とし、×を実用に耐えないとして不合格とした。
(5)塗装性
溶接後の電着塗装工程でスラグの剥離によって塗装も剥離してしまう危険性を評価するために、ビード上に生じたスラグの面積を○△×の3段階で官能評価した。ビード表面積に対しスラグ面積が10質量%未満を○、10質量%以上20質量%未満を△、20質量%以上を×とし、×を実用に耐えないとして不合格とした。
(6)欠陥の有無
溶接部に割れの発生、ブローホール及びピット等の気孔欠陥、又はビードが切れてしまうハンピング現象が発生した場合は全て不合格とした。
(7)価格
材料費及び製造コストを織り込んだワイヤの価格として、最も一般的に薄板用に適用されている汎用ワイヤJIS Z3312 YGW12に対するコスト比較で3倍以下を○、3倍超え4倍未満を△、4倍超えを×とし、×を実用に耐えないとして不合格とした。
(8)他
工業製品としてワイヤの安定製造が困難な場合を記し、不合格とした。
2:ワイヤ
3:溶接部
Claims (5)
- 鋼製外皮にフラックスを充填してなるアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全体の成分組成が、ワイヤ全質量に対して、C:0.02乃至0.70質量%、Si:0.30乃至1.50質量%、Mn:0.50乃至5.00質量%、Ni:2.0乃至9.5質量%、Cr:Niとの合計量で4.0乃至18.0質量%(但し、Crを含まない場合も含む)、O:0.020質量%以上及びN:0.0020乃至0.0400質量%を含有し、P:0.030質量%以下、S:0.030質量%以下、Ti:0.15質量%以下、Al:0.20質量%以下、Nb,V,Mo及びCuからなる群から選択された少なくとも1種:各元素あたり2.00質量%未満、B:0.0100質量%以下、REM(希土類元素):0.50質量%以下、Mg:1.00質量%以下、F及びCaからなる群から選択された少なくとも1種:各元素あたり0.100質量%以下、K、Na及びLiからなる群から選択された少なくとも1種:総量で0.200質量%以下に規制し、残部はFe及び不可避不純物からなり、かつフラックス率が7乃至30質量%であることを特徴とするガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ。
- ワイヤ全体の成分組成は、更に、ワイヤ全質量に対して、Nb,V,Mo及びCuからなる群から選択された少なくとも1種:各元素あたり0.05質量%以上2.00質量%未満、B:0.0010乃至0.0100質量%、REM(希土類元素):0.01乃至0.50質量%、Mg:0.05乃至1.00質量%、F及びCaからなる群から選択された少なくとも1種:各元素あたり0.005乃至0.100質量%、又は、K、Na及びLiからなる群から選択された少なくとも1種:総量で0.001乃至0.200質量%を含有することを特徴とする請求項1に記載のガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ。
- 請求項1又は2に記載のワイヤを使用し、Arが96質量%以上、残部がCO2又はO2の混合ガスをシールドガスとしてMIG溶接することを特徴とするMIGアーク溶接方法。
- 請求項1又は2に記載のワイヤを使用し、実質的に純Arガスをシールドガスとして使用してMIG溶接することを特徴とするMIGアーク溶接方法。
- パルスアーク溶接機を使用してMIG溶接することを特徴とする請求項3又は4に記載のMIGアーク溶接方法。
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