JP2009285722A - 重ねすみ肉溶接方法 - Google Patents

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裕滋 井上
Yasunobu Miyazaki
康信 宮崎
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Abstract

【課題】2枚の鋼板を重ね合わせ、上板端部と下板を溶融して溶接する重ねすみ肉溶接において、部材の軽量化から重ね代を少なくした場合に、凝固割れや液化割れなどの高温割れが発生しない重ねすみ肉溶接方法を提供する。
【解決手段】2枚の鋼板を重ね合わせ、上板端部と下板を溶融し、該上板端部に沿って溶接する重ねすみ肉溶接方法において、上記下板の端部より、下記(A)式で規定される最小長回避距離L1以上離れた位置、または、上記下板の端部より、下記(B)式で規定される最大短回避距離L2以下の位置に溶融部を形成することを特徴とする重ねすみ肉溶接方法。
L1(mm)=−0.08×V−h+8 ・・・(A)
L2(mm)=−0.08×V+h+3 ・・・(B)
但し、Vは溶接速度(mm/秒)、hは下板の板厚(mm)を表す。
【選択図】図4

Description

本発明は、2枚の鋼板を重ね合わせ、上板端部と下板を溶融して溶接する重ねすみ肉溶接方法に関するものである。
従来から、突合せ溶接が困難な2枚の鋼板の接合方法、径が異なる2本の鋼管の接合方法、または、挿入穴を有したフランジ部材とその穴に挿入した鋼管の接合方法として、重ねすみ肉溶接が行われてきた。この際、重量増を抑えるため、重ね代を可能な限り少なくする傾向にある。
しかしながら、このような場合、本発明者らの研究では、重ねた鋼材の下板の裏面まで溶融した場合は、下板側で凝固割れが、また、重ねた鋼材の下板の裏面まで溶融しない場合は、下板の裏面側で、液化割れが問題となることが判明した。
凝固割れや液化割れなどの高温割れは、溶接時の凝固収縮により、まわりの母材から拘束されることで発生する引張応力が、溶接金属または高温に晒された熱影響部に作用して発生する。また、このような力学的因子の他に、材料的因子として、凝固偏析によるデンドライト樹間の溶質元素濃化による融点降下や、粒界析出物の液化現象などが関わってくる。
このような溶接部の高温割れを防止する技術として、特許文献1には、高炭素鋼よりなる部材とステンレス鋼などよりなる部材の重ね継手を溶接する際に、凝固収縮応力によって発生する割れを、継手部の位置を工夫して、引張応力が溶融部に多くかからないようにして防止する発明が記載されている。
また、特許文献2では、重ね合わせた複数枚の鋼材をレーザで貫通溶接する際、溶接金属の組成と貫通溶接部の位置を規定することにより、割れが防止できることが記載されている。
しかしながら、これらの特許文献は、重ね溶接に関わるものであり、上記のような重ねすみ肉溶接における高温割れや、それに対する解決手段については、何ら触れていない。
以上のように、部材の軽量化から重ね代を少なくした重ねすみ肉溶接において、凝固割れや、液化割れなどの高温割れが発生しない溶接方法の開発が望まれている。
特開平11−245065号公報 特開2007−229752号公報
本発明は、上記の従来技術の問題点に鑑みて、2枚の鋼板を重ね合わせ、上板端部と下板を溶融して溶接する重ねすみ肉溶接において、部材の軽量化から重ね代を少なくした場合に、凝固割れや液化割れなどの高温割れが発生しない重ねすみ肉溶接方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するものであって、その要旨とするところは下記の通りである。
(1) 2枚の鋼板を重ね合わせ、上板端部と下板を溶融し、該上板端部に沿って溶接する重ねすみ肉溶接方法において、上記下板の端部より、下記(A)式で規定される最小長回避距離L1以上離れた位置(下板の最大溶け込み深さ位置)に、溶融部を形成することを特徴とする重ねすみ肉溶接方法。
L1(mm)=−0.08×V−h+8 ・・・・・・・・・・・・(A)
但し、Vは溶接速度(mm/秒)、hは下板の板厚(mm)を表す。
(2) 2枚の鋼板を重ね合わせ、上板端部と下板を溶融し、該上板端部に沿って溶接する重ねすみ肉溶接方法において、上記下板の端部より、下記(B)式で規定される最大短回避距離L2以下の位置(下板の最大溶け込み深さ位置)に、溶融部を形成することを特徴とする重ねすみ肉溶接方法。
L2(mm)=−0.08×V+h+3 ・・・・・・・・・・・・(B)
但し、Vは溶接速度(mm/秒)、hは下板の板厚(mm)を表す。
(3) 重ね合わせた前記下板の裏面まで溶融することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の重ねすみ肉溶接方法。なお、この場合の溶接位置は、下板裏面の溶融部中央位置とする。
(4) 前記2枚の鋼板が、円筒形状であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の重ねすみ肉溶接方法。
(5) 前記2枚の鋼板のうち、上板が挿入穴を有した部材であり、下板が円筒形状であることを特徴とする上記(4)に記載の重ねすみ肉溶接方法。
本発明によれば、突合せ溶接が困難な2枚の鋼板の接合、径が異なる2本の鋼管の接合、または、挿入穴を有したフランジ部材とその穴に挿入した鋼管の接合などで実施される重ねすみ肉溶接において、部材の軽量化から重ね代を少なくした場合に、凝固割れや液化割れなどの高温割れが発生しない重ねすみ肉溶接を可能とするものであり、本発明の適用により、産業の発展に貢献するところが極めて大である。
まず、本発明に至る経緯について説明する。
本発明者らは、重ねすみ肉溶接における下板側に発生する高温割れは、下板溶接金属の凝固収縮によって、下板のまわりの母材から拘束されることによって発生する引張応力が、下板側の溶接金属およびその近傍で高温に晒された熱影響部に作用して発生すると考えた。
そこで、図1に示すように、1枚の鋼板1の片側を、拘束治具2で拘束し、もう片方の自由端側に、端部からの距離(L)を種々変化させて溶融溶接して溶接ビード3を形成し、それぞれにおいて、高温割れの発生状況を調査、検討した。
検討にあたっては、距離(L)の他に、溶接速度(V)、板厚(h)を変化させ、さらに、裏面まで溶融する場合と、裏面まで溶融しない部分溶け込みの場合を比較した。また、供試材として、軟鋼、高張力鋼、オーステナイト系ステンレス鋼を使用し、素材の影響も調査した。
その結果、高温割れ感受性は、端部からの距離(L)、溶接速度(V)、板厚(h)に依存し、溶け込み形状や素材の影響は少ないことが判明した。図2および図3に、結果の一例を示すが、端部からの距離(L)がある範囲で高温割れが発生し、その範囲より大きくても小さくても、高温割れは発生しない。
また、割れが発生する端部からの距離(L)は、溶接速度が大きくなるほど短くなり、板厚が大きくなるほど、割れが発生する距離の範囲が狭くなることが明らかとなった。
以下、本発明を、詳細に説明する。
本発明が溶接対象とする鋼板は、板厚0.5〜3.0mmの薄鋼板である。板厚が0.5mm未満では、溶け落ちて溶接できないからであり、板厚が3.0mm超では、本発明が課題とする高温割れが発生しないからである。
図4に示すように、2枚の鋼板(上板4、下板5)を重ね合わせて、重ねすみ肉溶接する場合、下板5の端部から溶融部までの距離(L)が、L1以上離れると、熱伝導により、下板5の溶接線上に作用する溶接線に垂直方向の引張応力が減少し、高温割れは発生しなくなる。
この距離L1は、溶接速度(V)と下板の板厚(h)に依存し、前述した図1に示す実験における種々の条件での結果より、高温割れが発生しない境界線として、
L1(mm)=−0.08×V(mm/秒)−h(mm)+8
を導き出した。
次に、下板5の端部から溶融部までの距離(L)がL2以下になると、下板5の溶接線から端部までの距離が短く、変形する体積が少なくなるため、結果として、下板5の溶接線上に作用する溶接線に垂直方向の引張応力が減少し、高温割れは発生しなくなる。
この距離L2も、溶接速度(V)と下板の板厚(h)に依存し、前述した図1に示す実験における種々の条件での結果より、高温割れが発生しない境界線として、
L2(mm)=−0.08×V(mm/秒)+h(mm)+3
を導き出した。
通常、重ねすみ肉溶接では、下板の裏面まで溶融しないで溶接するのが一般的であるが、図1に示す実験での検討によれば、高温割れ感受性は、裏面まで溶融する場合と裏面まで溶融しない部分溶け込みの場合とでは、ほとんど同じであった。
したがって、下板の裏面まで溶融しても、その下板の板厚(h)と溶接速度(V)において、下板の端部より上記のL1以上離れて溶接するか、または、下板の端部より上記のL2以下の位置で溶接することによって、高温割れは発生しない。
図4において、下板5が板状の鋼板でも円筒状の鋼管でも、溶接線方向の形状に関係なく、溶接部が下板の端部より上記のL1以上離れた場合、または、下板の端部より上記のL2以下の位置では、下板の溶接線上に作用する溶接線に垂直方向の引張応力が減少するため、高温割れは発生しない。また、この際、上板4側の板厚、形状は、下板5の高温割れ発生に影響を及ぼさない。
本発明では、溶接方法、すなわち、TIG溶接、MIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接などの溶接方法を特に限定する必要はなく、下板の端部から溶接部までの距離が、下板の板厚(h)と溶接速度(V)から導き出される最小長回避距離L1以上、または、最大短回避距離L2以下ならば、凝固割れや液化割れなどの高温割れが発生しない重ねすみ肉溶接が可能となる。
以下、実施例にて本発明を説明する。
供試材を、JIS G3101のSS400規格に準拠した薄鋼板、JIS G3135のSPFC590規格に準拠した高張力鋼板(HT590)、JIS G4305のSUS310規格に準拠したステンレス薄鋼板とし、表1に示す形状、板厚の上板と下板の組み合わせで、TIG溶接、MIG溶接、プラズマ溶接、レーザ溶接を実施した。溶接割れは、外観検査、断面検査を行い判定した。その結果を、表1に併せて示す。
表1において、記号8、9、10の比較例では、いずれも、溶接部の位置は、下板端部からの距離がL1とL2の間にあり、本発明の範囲内ではないため、高温割れが発生した。
一方、記号1〜7の本発明例は、溶接位置が本発明の範囲内であるので、高温割れは発生していない。
Figure 2009285722
高温割れ検討の際の溶接方法を模式的に示す図である。 板厚が1mmの場合の高温割れ発生に及ぼす端部からの距離、溶接速度、および、板厚の関係を示す図である。 板厚が2mmの場合の高温割れ発生に及ぼす端部からの距離、溶接速度、および、板厚の関係を示す図である。 重ねすみ肉溶接の溶接部位置を、溶接線に垂直な断面で模式的に示す図である。
符号の説明
1 鋼板
2 拘束治具
3 溶接ビード(溶接速度:V)
4 上板
5 下板
6 溶接金属
L 鋼板端部から溶接部までの距離、または、下板端部から溶接金属までの距離
h 鋼板の板厚、または、下板の板厚

Claims (5)

  1. 2枚の鋼板を重ね合わせ、上板端部と下板を溶融し、該上板端部に沿って溶接する重ねすみ肉溶接方法において、上記下板の端部より、下記(A)式で規定される最小長回避距離L1以上離れた位置に、溶融部を形成することを特徴とする重ねすみ肉溶接方法。
    L1(mm)=−0.08×V−h+8 ・・・・・・・・・・・・(A)
    但し、Vは溶接速度(mm/秒)、hは下板の板厚(mm)を表す。
  2. 2枚の鋼板を重ね合わせ、上板端部と下板を溶融し、該上板端部に沿って溶接する重ねすみ肉溶接方法において、上記下板の端部より、下記(B)式で規定される最大短回避距離L2以下の位置に、溶融部を形成することを特徴とする重ねすみ肉溶接方法。
    L2(mm)=−0.08×V+h+3 ・・・・・・・・・・・・(B)
    但し、Vは溶接速度(mm/秒)、hは下板の板厚(mm)を表す。
  3. 重ね合わせた前記下板の裏面まで溶融することを特徴とする請求項1または2に記載の重ねすみ肉溶接方法。
  4. 前記2枚の鋼板が、円筒形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重ねすみ肉溶接方法。
  5. 前記2枚の鋼板のうち、上板が挿入穴を有した部材であり、下板が円筒形状であることを特徴とする請求項4に記載の重ねすみ肉溶接方法。
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