JP2018034188A - 溶接継手及びその製造方法 - Google Patents
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しかし、光線による溶接ではアーク溶接などに比べて溶融した金属の量が少なく、隙間が開いた状態で溶接すると、溶融金属が不足して溶け落ち欠陥が発生しやすくなる。特に、重ね合わせた板組みのうち、溶接用光線の照射側に配置した鋼板(一枚目の鋼板)の厚さが薄くなると、隙間内に溶融金属が流れ込んだ場合に、隙間の一部が溶接金属によって塞がれずに、表面まで通じるような穴として残るという欠陥が発生しやすい。
特許文献2の方法では、隙間調整工程として、溶接工程前に鋼板に対して屈曲用の光線を用いた熱処理を行う必要がある。このため、加工時間が増大するという問題がある。
重ね合わされた複数の鋼板と、該複数の鋼板を重ね方向に柱状に貫通した溶接金属とよりなり、該溶接金属により前記複数の鋼板が互いに溶接されている溶接継手であって、
前記溶接金属の重ね方向の端面は、鋼板表面に対して凹部を形成しており、かつ、一方の端面の面積は、他方の端面の面積よりも大きくなっており、
重ね合わされた複数枚の鋼板の最も外側に位置する鋼板のうち、前記溶接金属の端面の面積が大きい側の鋼板は1.0mm以下の厚さを有するものであり、
さらに、前記溶接金属の化学組成が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
Al+Si/11+Mn/7−Ti−Cr/3≦0.4質量% ・・・(1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量が質量%で代入される。無添加の元素の場合は、ゼロを代入する。
複数の鋼板を重ね合わせ、この重ね合わせた鋼板に重ね合わせ方向から高パワー密度の溶接用光線を照射しつつ、該光線を円形の領域内で複数回走査させて、重ね合わせた複数の鋼板を貫通する溶接金属を形成し、重ね合わせた鋼板を互いに溶接する上記(1)に記載の溶接継手の製造方法であって、
前記鋼板として、前記溶接用光線の照射面に配置された1.0mm以下の厚さを有する鋼板を含み、
さらに、重ね合わせる鋼板の組み合わせによって、前記溶接金属の化学組成が下記式(1)を満たすことを特徴とする。
Al+Si/11+Mn/7−Ti−Cr/3≦0.4質量% ・・・(1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量が質量%で代入される。
無添加の元素の場合は、ゼロを代入する。
以下、溶接継手について説明する。
図1を参照して、この溶接継手1は、重ね合わされた鋼板21〜22と、柱状の溶接金属3とを備える。また、鋼板21および22の間には、溶接前に鋼板を重ね合わせたときに生じる隙間を有する場合がある。
溶接金属3は、重ね合わせ方向に鋼板21〜22を柱状(通常は円柱状)に貫通する。この結果、鋼板21〜22は、溶接金属3により接合される。
大きい方の端面の面積(上記円形の領域の面積に相当する)は、継手強度を確保する観点から、5〜100mm2の範囲が好ましく、さらに10〜80mm2の範囲がより好ましい。
Al+Si/11+Mn/7−Ti−Cr/3≦0.4質量% ・・・(1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量が質量%で代入される。無添加の元素の場合は、ゼロを代入する。
以下、説明の便宜上、式(1)の左辺により算出される値を、流動性を示す指標として「溶接当量」と呼ぶ。なお、式(1)の詳細については後述する。
この溶接当量の下限は特に規定しないが、好ましくは0.15質量%であり、0.2質量%であることがより好ましい。
以下、溶接継手1の製造方法を説明する。
鋼板21〜22を互いに重ね合わせる。より具体的には、溶接用光線の照射面となる鋼板21を上側、鋼板22を下側に配置し、治具を用いて、鋼板21〜22を重ね合わせる。このとき、プレス精度の問題から、1.0mm程度の隙間4が形成されてしまう場合がある。
光線による溶接は、固体などの媒体を用いた発振器より照射される高パワー密度光線の照射装置(図示せず)を用いて行う。ここで、高パワー密度の光線とは、例えば、レーザ光線をさす。
これにより、鋼板21〜22において、溶接用光線の照射された部分が溶融する。その結果、図1(a)、(b)に示すような、端面5が円形状で凹状になった溶接金属3が形成される。
以上によって形成される溶接金属3は、鋼板21〜22を貫通し、鋼板21〜22を接合する。
溶接用光線の照射方向は、鉛直方向の下向きに限らず、鋼板の配置位置などに応じて上方向、横方法など、あらゆる方向であってもよい。
以上により、溶接継手1が形成される。
[式(1)について]
本発明者らは、従来技術の問題に鑑み、溶接しようとする鋼板の組み合わせで、溶接金属の成分を制御することにより、光線による溶接における溶接金属の溶け落ち欠陥の改善を試みた。
より具体的には、溶接金属の流動性と溶け落ち欠陥の関係に注目した。一般的に溶融した金属流体の内部に働く摩擦抵抗が低下すると溶融した金属の流動性が高くなるが、摩擦抵抗がさらに低下すると、流れの力が周囲に伝わりにくくなって逆に溶融した金属の流動性が低下し、溶融した金属が鋼板同士の接合部分に流れ込みにくくなって鋼板間の隙間を埋めにくくなり、溶け落ち欠陥が発生しやすくなる。そこで溶融金属の流動性の適正化が必要となる。
なお、今回検討したベースが鉄となる成分系では、金属流体の内部に働く摩擦抵抗が高すぎることによる流動性の阻害は起こらないと考えられるので特に下限の値は設定しなかった。
本発明の実施形態による溶接継手1では、溶接しようとする鋼板に2枚の鋼板21〜22を用いたが、この2枚の鋼板に限らず、3枚以上の鋼板を含む溶接継手であってもよい。また、鋼板は、溶接継手を形成する部分が重ね合わされる形状であればよく、鋼板からプレス成形された部材を含むものである。
上板および下板には、化学組成が質量%で、C:0.02〜0.2%、Si:0.005〜1.5%、Mn:0.1〜3%、Ti:0.5%以下、Cr:0.5%以下、Al:1%以下、S:0.007%以下の範囲の鋼板であって、上板と下板は化学組成が異なる鋼板を用いた。
また、上板には厚み:0.7mmの、下板には厚み:1.4mmの鋼板を用いた。
これにより、重ね方向端面が円形状の溶接金属を形成した。溶接金属の上板側と下板側の端面は、いずれも凹状を呈しており、上板側端面の表面積は下板側の端面の表面積よりも大きかった。
21、22 鋼板
3 溶接金属
4 隙間
5 溶接金属の端面
Claims (2)
- 重ね合わされた複数の鋼板と、該複数の鋼板を重ね方向に柱状に貫通した溶接金属とよりなり、該溶接金属により前記複数の鋼板が互いに溶接されている溶接継手であって、
前記溶接金属の重ね方向の端面は、鋼板表面に対して凹部を形成しており、かつ、一方の端面の面積は、他方の端面の面積よりも大きくなっており、
重ね合わされた複数枚の鋼板の最も外側に位置する鋼板のうち、前記溶接金属の端面の面積が大きい側の鋼板は1.0mm以下の厚さを有するものであり、
さらに、前記溶接金属の化学組成が下記式(1)を満たすことを特徴とする溶接継手。
Al+Si/11+Mn/7−Ti−Cr/3≦0.4質量% ・・・(1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量が質量%で代入される。無添加の元素の場合は、ゼロを代入する。 - 複数の鋼板を重ね合わせ、この重ね合わせた鋼板に重ね合わせ方向から高パワー密度の溶接用光線を照射しつつ、該光線を円形の領域内で複数回走査させて、重ね合わせた複数の鋼板を貫通する溶接金属を形成し、重ね合わせた鋼板を互いに溶接する請求項1に記載の溶接継手の製造方法であって、
前記鋼板として、前記溶接用光線の照射面に配置された1.0mm以下の厚さを有する鋼板を含み、
さらに、重ね合わせる鋼板の組み合わせによって、前記溶接金属の化学組成が下記式(1)を満たすことを特徴とする溶接継手の製造方法。
Al+Si/11+Mn/7−Ti−Cr/3≦0.4質量% ・・・(1)
ここで、式(1)の各元素記号には、対応する元素の含有量が質量%で代入される。無添加の元素の場合は、ゼロを代入する。
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